JP4049606B2 - 配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒管やドレン管などの各種管を覆う配管用化粧ダクト、又は、各種ケーブルを覆う配線用化粧ダクトの施設において、大径ダクトと小径ダクトを接続する異径接続部に適用する配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記の如き異径接続部において大径ダクトと小径ダクトとの口径差による隙間の残存を回避するには、図19,20に示すように、一端を大径ダクト3の端部に外嵌させ、かつ、他端を小径ダクト4の端部に外嵌させる異径ダクト継手12を用いて大径ダクト3と小径ダクト4を接続していた。
【0003】
そして、ダクト内への管やケーブルの収納のために、大径ダクト3及び小径ダクト4を、底側分割部3A,4Aとその底側分割部3A,4Aに管やケーブルを収容した状態で底側分割部3A,4Aに装着する蓋側分割部3B,4Bとの縦割りの2分割構造にするのと同様に、上記の異径ダクト継手12も底側分割部12Aと蓋側分割部12Bとの縦割りの2分割構造になっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の異径ダクト継手12を用いる場合、底側分割部12Aを壁1などに取り付けた後、その底側分割部12Aに管やケーブルを収容した上で蓋側分割部12Bを装着するといった大径ダクト3や小径ダクト4と同様の複数工程の施工作業が必要になるため、実質的にダクトの施設本数が増えたのと同じになり、この為、施工作業が煩雑になって施工能率が低くなる問題があった。
【0005】
また、上記の異径ダクト継手では、接続対象の大径ダクト3や小径ダクト4と同様の2分割構造で、底側分割部12Aを壁1などに固定するための構造や蓋側分割部12Bを底側分割部12Aに装着するための構造などの付加構造を要するため、製作コストが高く付く問題もあった。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な構造をもって異径接続部での口径差による隙間の残存を回避することで上記の如き問題を効果的に解消できる配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバーを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明は配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバーに係り、その特徴は、
大径ダクトの端部に小径ダクトの端部を、それらダクトの周方向の一部で小径ダクトの外面が大径ダクトの内面に接触する偏心配置にして挿入した異径接続部において、それら大径ダクトの内面と小径ダクトの外面との間の隙間を閉塞するのに、
ダクト長手方向視の形状がC字状形状で、そのC字状形状の開口部に大径ダクトの内面と小径ダクトの外面との接触部を位置させた装着状態において、ダクト長手方向における一端部が小径ダクトに対して緊密に外嵌し、かつ、ダクト長手方向における他端部に対して大径ダクトが緊密に外嵌するテーパー構造にするとともに、
小径ダクトに外嵌させた状態でのダクト長手方向への摺接移動により前記異径接続部への装着が可能な構成にしてある点にある。
【0008】
つまり、この構成の異径接続部カバーは、ダクト周方向において上記接触部以外の部分で小径ダクトの外面と大径ダクトの内面との間に生じる隙間(すなわち、ダクト長手方向視でC字状の隙間)を、それに合致させたダクト長手方向視における上記C字状形状、及び、ダクト長手方向での上記テーパー形状をもって閉塞し、これにより、異径接続部において口径差による隙間が残存するのを回避する。
【0009】
そして、上記構成の異径接続部カバーであれば、ダクト周方向の一部における大径ダクト内面と小径ダクト外面との接触部をダクト長手方向視におけるC字状形状の開口部に位置させる構造(言わば底側分割部を有しない単一構造)であって、底側分割部を壁に固定するための構造や蓋側分割部を底側分割部に装着するための構造などの付加構造が不要な極めて簡単な構造になるから、接続対象の大径ダクトや小径ダクトと同様の2分割構造を採る先述の異径ダクト継手に比べ、その取り付け作業を極めて容易にすることができて施工能率を効果的に高めることができ、また、製作コストも効果的に低減することができる。
しかも、大径ダクトの蓋側分割部を装着する前にカバーを大径ダクトと小径ダクトとの重合部である異径接続部に対して装着しておくといった装着形態に限らず、大径ダクトの蓋側分割部を装着した後に上記の摺接移動をもってカバーを異径接続部に装着するといった装着形態も採ることが可能になり、これらの装着形態を施工状況に応じて選択できることで施工作業を一層容易にすることができる。
【0010】
また、装着状態において前記一端部が小径ダクトを弾性的に締め付ける状態で小径ダクトに外嵌する構成にしてもよい。
【0011】
つまり、この構成によれば、上記の弾性締め付けにより異径接続部におけるカバーの装着安定性及び装着強度を高く確保することができ、これにより、振動等に対する耐用性を高めることができる。
【0012】
また、ダクトの施設方向(長手方向)が縦方向である場合、上記の弾性締め付けをもってカバーを小径ダクトに保持することで、施工作業中においてカバーから手を離すことも許されるようになり、この点で施工作業を一層容易にすることもできる。
【0013】
また、前記開口部の幅寸法が小径ダクトの幅寸法よりも小さい自然状態から、前記開口部の幅寸法が小径ダクトの幅寸法よりも大きくなる拡口状態までの弾性変形が可能な構成にしてもよい。
【0014】
つまり、この構成によれば、カバーのC字状形状における中央部に対して小径ダクトの端部を相対的に挿通する形態でカバーの装着を行なうに限らず、上記拡口状態にカバーを弾性変形させて小径ダクトを相対的にC字状形状の開口部からC字状形状の内部へ入れるといった装着形態も採ることが可能になり、これらの装着形態を施工状況に応じて選択できることで施工作業を一層容易にすることができる。
【0017】
また、装着状態において大径ダクト側又は小径ダクト側の係合部との係合によりダクト長手方向へのカバー移動を規制するカバー側係合部を設けてもよい。
【0018】
つまり、この構成によれば、上記係合によるカバーの移動規制により異径接続部におけるカバーの装着安定性及び装着強度を一層高く確保することができ、これにより、振動等に対する耐用性(特にダクトの施設方向が縦方向である場合の耐用性)を効果的に高めることができる。
【0019】
〔2〕請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、装着状態において大径ダクト側の係合部と第1カバー側係合部との係合、及び、小径ダクト側の係合部と第2カバー側係合部との係合により、ダクト長手方向へのカバー移動を規制し、かつ、大径ダクトと小径ダクトとのダクト長手方向への相対移動を規制する構成にしてある点にある。
【0020】
つまり、この構成によれば、カバーのダクト長手方向への移動が規制されるとともに、大径ダクトと小径ダクトとのダクト長手方向への相対移動が規制されるので、大径ダクトと小径ダクトとの接続の安定性を高めるとともに、これら二箇所での係合によって、異径接続部におけるカバーの装着安定性及び装着強度をさらに一層高く確保することができ、これにより、振動等に対する耐用性を一層効果的に高めることができる。
【0021】
また、口径が適合する本来の接続対象ダクトに対する係合部として、大径ダクト及び小径ダクトのそれぞれに設けられている係合部を、第1カバー側係合部及び第2カバー側係合部の夫々と係合させる対カバー用のダクト側係合部として利用すれば、新たに対小径ダクト用の係合部を大径ダクトに設けることや、新たに対大径ダクト用の係合部を小径ダクトに設けることなく、大径ダクトと小径ダクトとの相対移動を規制することができる。
【0022】
なお、小径ダクトに外嵌させたカバーの大径ダクト側(異径接続部側)への摺接移動に伴い、カバー側とダクト側の上記係合部どうしが自動的に係合状態になる構成にしておけば、カバーの装着を一層容易にすることができて施工作業をさらに容易にすることができる。
【0023】
また、前記他端部に、大径ダクトの内面に形成された接当部とのダクト長手方向での接当により、ダクト長手方向におけるカバー装着位置を装着時において規定する装着位置規定部が形成されていてもよい。
【0024】
つまり、この構成によれば、カバーを小径ダクトに外嵌させた状態で大径ダクト側に摺接移動させて異径接続部に装着する場合には、上記接当によりカバーの摺接移動を停止させて大径ダクト内へのカバーの過挿入を防止することができ、また、カバーを径方向に移動させて異径接続部に装着する場合には、上記接当状態でカバーを径方向に移動させることにより、そのカバー移動を案内することができ、これらのことから何れの場合にも、カバーを異径接続部における適切な装着位置へ容易にかつ的確に装着することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図7は配管用化粧ダクトの施設例を示し、この例では、建屋外壁1の外面に沿わせて施設した冷媒管,ドレン管,アース線(以下、これらを管線2と称す)を束ねた状態にして化粧ダクト3,4,5により覆ってある。
【0026】
化粧ダクトとしては、外壁外面における配管貫通孔6の形成部に配置した貫通孔用のエルボダクト3、そのエルボダクト3に接続した直管ダクト4、直管ダクト4どうしを接続するソケットダクト5の3種を用いている。
【0027】
また本例では、エルボダクト3及びソケットダクト5の夫々に、大小径2種の直管ダクト4の接続が可能な大小径兼用仕様のもの(換言すれば、大径のエルボダクト及び大径のソケットダクト)を用い、直管ダクト4には小径仕様のものを用いている。
【0028】
上記3種の化粧ダクト3〜5はいずれも、外壁1の外面に対してビス7により連結固定する底側分割部3A〜5Aと、その底側分割部3A〜5Aに管線2を収納した状態で底側分割部3A〜5Aに装着する蓋側分割部3B〜5Bとの縦割りの2分割構造にしてあり、エルボダクト3の蓋側分割部3Bは、図2に示すように、その装着状態において底側分割部3Aと外壁1との両方に対しビス7により連結固定し、ソケットダクト5の蓋側分割部5Bは、その装着状態において底側分割部5Aに対しビス7により連結固定する構造にしてある。
【0029】
一方、図1,図2に示すように、直管ダクト4の蓋側分割部4Bには、その端部に連結用孔8を形成してあり、エルボダクト3と直管ダクト4との接続においては、エルボダクト蓋側分割部3Bの装着の際に、そのエルボダクト蓋側分割部3Bの端部内方側に設けたピン9を直管ダクト蓋側分割部4Bの連結用孔8に係合させることで、また同様に、ソケットダクト5と直管ダクト4との接続においては、ソケットダクト蓋側分割部5Bの装着の際に、そのソケットダクト蓋側分割部5Bの端部内方側に設けたピン(図示せず)を直管ダクト蓋側分割部4Bの連結用孔8に係合させることで、夫々、直管ダクト蓋側分割部4Bに対してズレ止めを施す。
【0030】
大小径兼用仕様のエルボダクト3と小径仕様の直管ダクト4との接続については、大小径兼用仕様のエルボダクト3に大径仕様の直管ダクトを接続する場合と同様、図1〜図3に示すように、大小径兼用仕様のエルボダクト3(以下、大径ダクトと称す)の端部に対し小径仕様の直管ダクト4(以下、小径ダクトと称す)の端部を挿入した接続形態を採るが、口径差がある大径ダクト3と小径ダクト4とを接続する異径接続であることに対し、ダクト周方向における外壁側の一部で小径ダクト4の外面が大径ダクト3の内面に接触する偏心配置にして、大径ダクト3の端部に小径ダクト4の端部を挿入した接続形態を採るようにしてある。
【0031】
そして、大径ダクト3と小径ダクト4との重合部である異径接続部には、大径ダクト3の内面と小径ダクト4の外面との間に生じるダクト長手方向視でC字状の隙間Sを閉塞する異径接続部カバー10を装着する。
【0032】
異径接続部カバー10は、図1〜図5に示すように、ダクト長手方向視において上記隙間Sの形状に合致するC字状形状を有し、そのC字状形状の開口部10aに大径ダクト3の内面と小径ダクト4の外面との接触部Tを位置させた装着状態において、小径ダクト側の端部10bが小径ダクト4に対して緊密に外嵌し、かつ、大径ダクト側の端部10cに対して大径ダクト3が緊密に外嵌するテーパー構造にしてある。
【0033】
この異径接続部カバー10は小径ダクト4に外嵌させた状態でのダクト長手方向への摺接移動が可能であり、また、各ダクト3A〜3Cと同様の合成樹脂製で、その材質及びC字状形状から生じる弾性により、装着状態において小径ダクト側端部10bが小径ダクト4を弾性的に締め付ける状態で小径ダクト4に外嵌するようにしてあり、さらには、図6(イ)に示すように、C字状形状における開口部10aの幅寸法が小径ダクト4の幅寸法よりも小さい自然状態から、開口部10aの幅寸法が小径ダクト4の幅寸法よりも大きくなる拡口状態までの弾性変形を可能にしてある。
【0034】
そしてまた、この異径接続部カバー10の大径ダクト側端部10cで開口部10aとは反対側の箇所には、カバー装着状態において大径ダクト側の前記ピン9(大径ダクト側係合部)と係合させるカバー側係合部11を設けてあり、この係合により異径接続部カバー10のダクト長手方向への移動を規制するようにしてある。
【0035】
上記カバー側係合部11は、大径ダクト側に突出する2本の突片11aをもって形成してあり、それら突片11aどうしの間を大径ダクト側ピン9の挿通部とするのに対し、各突片11aの先端部にはピン9に対して係合させる所謂返り11bを設けている。
【0036】
異径接続部カバー10は上記の異径接続部に対し2種の装着形態をもって装着することができ、その通常の装着形態としては、図1に示すように、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着する前の段階で、異径接続部カバー10のC字状形状における中央部に対し小径ダクト4の端部を相対的に挿通するようにして異径接続部カバー10を装着位置に配置し、その後、大径ダクト側ピン9のカバー側係合部11に対する係合と小径ダクト側連結用孔8への係入とを伴う状態で大径ダクト3の蓋側分割部3Bを底部側分割部3Aに装着するようにして、図2に示す状態を得る。
【0037】
もう一つの装着形態は、図6(イ),(ロ)に示すように、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着した後の段階で、異径接続部カバー10を前記拡口状態に弾性変形させて小径ダクト4を相対的にC字状形状の開口部10aからC字状形状の内部へ入れるようにして異径接続部カバー10を異径接続部から外れた箇所で小径ダクト4に外嵌させ、そして、その異径接続部カバー10を小径ダクト4に対する外嵌状態のままで大径ダクト3側に摺接移動させて大径ダクト3の端部にもぐり込ませる状態で異径接続部に装着する。
【0038】
なお、後者の摺接移動によるカバー装着では、異径接続部の側へのカバー10の摺接移動に伴い、小径ダクト側連結用孔8に対して既に係入している大径ダクト側ピン9がカバー側係合部11における両突片11aの先端どうしの間から両突片11a間に侵入する形態で、大径ダクト側ピン9とカバー側係合部11とが自動的に係合状態になる。
【0039】
以上、大小径兼用仕様のエルボダクト3と小径仕様の直管ダクト4との接続について説明したが、大小径兼用仕様のソケットダクト5と小径仕様の直管ダクト4との接続についても、上記の異径接続部カバー10を用いた同様の接続形態を採る。
【0040】
〔第2実施形態〕
図8〜11は、第2実施形態を示し、この第2実施形態において、大径ダクト側係合部としてのピン9は、大径ダクト3に対しそれと口径が適合する本来の接続対象ダクト(大径仕様のダクト)を接続する際に、その接続対象ダクトの連結用孔に係合するに足りるだけの短尺なピンで、小径ダクト4の連結用孔8には届かない長さのものである。
【0041】
これに対し、本第2実施形態の異径接続部カバー10は、カバー装着状態においてダクト側係合部との係合によりダクト長手方向へのカバー移動を規制するカバー側係合部として、第1実施形態と同様の2本の突片11aからなって、大径ダクト側係合部としてのピン9と係合させる第1カバー側係合部11と、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と係合させる第2カバー側係合部12とを備えている。
【0042】
第2カバー側係合部12は、第1カバー側係合部11のカバー径方向内方に形成されていて、大径ダクト側に延びる直杆状の掛止杆12aとその先端に形成されている掛止部12bとから構成されている。
【0043】
すなわち、この構成において、図10に示すように、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着する前の段階で、異径接続部カバー10のC字状形状における中央部に対し小径ダクト4の端部を相対的に挿通するようにして、かつ、掛止部12bが小径ダクト4の連結用孔8に係入するようにして異径接続部カバー10を装着位置に配置し、その後、大径ダクト側の短尺ピン9の第1カバー側係合部11に対する係合を伴う状態で大径ダクト3の蓋側分割部3Bを底側分割部3Aに装着するようにすると、連結用孔8に対して係入状態にある掛止部12bに大径ダクト側のピン9が接当し、これにより、掛止部12bに対する抜け止めが施されて、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12との係合状態が固定化される。
【0044】
そして、このように大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部11とが係合し、かつ、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12とが係合することにより、短尺ピン9を用いながらも、異径接続部カバー10のダクト長手方向への移動の規制とともに、大径ダクト3と小径ダクト4とのダクト長手方向での相対移動の規制が実現される。
【0045】
更に、異径接続部カバー10の大径ダクト側の端部10cには、大径ダクト3の内面に形成された接当部3cとのダクト長手方向での接当により、ダクト長手方向におけるカバー装着位置を、装着時において規定する装着位置規定部としての一対の突片13が形成されていて、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着する前の段階で、異径接続部カバー10を径方向に移動させて装着する際、異径接続部カバー10の適正な装着位置に装着でき、よって、大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部11、及び、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12とを確実、かつ、容易に係合させることができる。
【0046】
〔第3実施形態〕
図12〜15は、第3実施形態を示し、この第3実施形態では、第2実施形態と同様、大径ダクト3のピン9が短尺なものであることに対し、異径接続部カバー10に、大径ダクト側係合部としてのピン9と係合させる2本の突片11aからなる第1カバー側係合部11と、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と係合させる第2カバー側係合部12とを備えさせてあるが、本第3実施形態において、第2カバー側係合部12は、可撓性で彎曲している掛止杆12aとその先端に形成されている掛止部12bとから構成されていている。
【0047】
すなわち、この構成において、図12(イ),(ロ)に示すように、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着した後の段階で、異径接続部カバー10を前記拡口状態に弾性変形させて小径ダクト4を相対的にC字状形状の開口部10aからC字状形状の内部へ入れるようにして異径接続部カバー10を異径接続部から外れた箇所で小径ダクト4に外嵌させ、そして、その異径接続部カバー10を小径ダクト4に対する外嵌状態のままで大径ダクト3側に摺接移動させて大径ダクト3の端部にもぐり込ませる状態で異径接続部に装着するとき、掛止杆12aが大径ダクト側の短尺ピン9と小径ダクト側の連結用孔8との間の隙間Xに入り込み、そして、掛止杆12aが大径ダクト側のピン9に接当した段階から、異径接続部カバー10の大径ダクト3内への摺接移動が進むに連れて、そのピン9が掛止杆12aを連結用孔8側に押圧し、これにより掛止部12bが小径ダクト側の連結用孔8に押入されて、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12とが自動的に係合状態になる。
【0048】
また、これに併行して、第1実施形態と同様に大径ダクト側ピン9が第1カバー側係合部11における両突片11aの先端どうし間から両突片11a間に進入する形態で、大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部とが自動的に係合状態になる。
【0049】
そして、このように小径ダクト側係合部としての連結用孔と第2カバー側係合部12とが係合し、かつ、大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部11とが係合することにより、短尺ピン9を用いながらも、異径接続部カバー10のダクト長手方向への移動の規制とともに、大径ダクト3と小径ダクト4とのダクト長手方向での相対移動の規制が実現される。
なお、本第3実施形態の異径接続部カバー10を装着するのに、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着する前の段階で、異径接続部カバー10のC字状形状における中央部に対し、小径ダクト4の端部を相対的に挿通するようにする装着形態を採り得ることは言うまでもない。
【0050】
更に、第2実施形態と同様に、異径接続部カバー10の大径ダクト側の端部10cには、大径ダクト3の内面に形成された接当部3cとのダクト長手方向での接当により、ダクト長手方向におけるカバー装着位置を、装着時において規定する装着位置規定部としての一対の突片13が形成されていて、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着する前の段階で、異径接続部カバー10を径方向に移動させて装着する場合は、異径接続部カバー10を適正な装着位置に装着でき、よって、大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部11、及び、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12とを確実、かつ、容易に係合させることができるとともに、大径ダクト3の蓋側分割部3Bを装着した後の段階で、異径接続部カバー10を小径ダクト4に外嵌させた状態で大径ダクト側に摺接移動させて大径ダクト3内にもぐり込ませる場合には、突片13が異径接続部カバー10の大径ダクト3内への過挿入を規制するので、大径ダクト側係合部としてのピン9と第1カバー側係合部11、及び、小径ダクト側係合部としての連結用孔8と第2カバー側係合部12とを確実、かつ、容易に係合させることができるだけでなく、更に、異径接続部カバー10の大径ダクト4内への過挿入による第2カバー側係合部12の破損をも防止する。
【0051】
〔別実施形態〕
大径ダクト側係合部としてのピン9と係合させるカバー側係合部11の具体的構造は種々の変更が可能であり、例えば図16に示す如き環状形状のカバー側係合部11にしてもよい。
【0052】
また、図17に示すように、環状形状のカバー側係合部11においてその先端部に薄肉部11cを形成しておき、これにより、前記した通常のカバー装着形態を採る場合にはカバー側係合部11を環状形状のままにして異径接続部カバー10を装着するが、前記した後者の摺接移動によるカバー装着を行なう場合には、上記薄肉部11cを鋏などにより切除することで、カバー10の摺接移動に伴う大径ダクト側ピン9とカバー側係合部11との自動的係合を可能にするようにしてもよい。
【0053】
さらにまた、図18の示すように、小径ダクト4の連結用孔8に対して係合させるピン11dをカバー側係合部11に形成した構造にし、これにより、大径ダクト側ピン9とカバー側係合部11との係合により異径接続部カバー10のダクト長手方向への移動を規制した状態で、カバー側ピン11dと小径ダクト側連結用孔8との係合により小径ダクト4に対してズレ止めを施すようにしてもよい。
【0054】
カバー側係合部11と係合させる大径ダクト側係合部の構造もピン構造に限らず種々の構成変更が可能であり、カバー側係合部11と大径ダクト側係合部との係合には種々の係合形式を採用できる。
【0055】
また、小径ダクト4において壁等に固定された底側分割部4Aに対し蓋側分割部4Bがビス連結等をもって固定される場合には、小径ダクト側係合部とカバー側係合部11との係合により異径接続部カバー10のダクト長手方向への移動を規制するようにしてもよい。
【0056】
上記の第2及び第3実施形態では、第2カバー側係合部12の掛止杆12aは直杆状と彎曲状とに形成したが、その形状については種々の形状に形成することができる。
【0057】
対象とする化粧ダクトは、配管に対する化粧ダクト、あるいは、配線に対する化粧ダクト、あるいはまた、配管と配線とに対する兼用の化粧ダクトであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の化粧ダクト異径接続部の分解斜視図
【図2】化粧ダクト異径接続部の縦断断面図
【図3】化粧ダクト異径接続部の横断面図
【図4】異径接続部カバーの平面図
【図5】異径接続部カバーの側面視断面図
【図6】カバー装着形態を説明する斜視図
【図7】化粧カバーの施設例を示す斜視図
【図8】第2実施形態の異径接続部カバーの側面視断面図
【図9】異径接続部カバーの平面図
【図10】化粧ダクト異径接続部の分解斜視図
【図11】化粧ダクト異径接続部の縦断断面図
【図12】第3実施形態の異径接続部カバー装着形態を説明する斜視図
【図13】異径接続部カバーの側面視断面図(摺接移動装着前)
【図14】異径接続部カバーの側面視断面図(摺接移動装着後)
【図15】化粧ダクト異径接続部の縦断断面図
【図16】別実施形態を示す異径接続部カバーの斜視図
【図17】別実施形態を示す異径接続部カバーの斜視図
【図18】別実施形態を示す化粧ダクト異径接続部の縦断断面図
【図19】従来例を示す化粧ダクト異径接続部の縦断断面図
【図20】従来例を示す異径ダクト継手の分解斜視図
【符号の説明】
3 大径ダクト
3C 接当部
4 小径ダクト
8 小径ダクト側係合部
9 大径ダクト側係合部
10a 開口部
10b 一端部
10c 他端部
11 カバー側係合部(第1カバー側係合部)
12 第2カバー側係合部
13 装着位置規定部
S 隙間
T ダクト接触部
Claims (2)
- 大径ダクトの端部に小径ダクトの端部を、それらダクトの周方向の一部で小径ダクトの外面が大径ダクトの内面に接触する偏心配置にして挿入した異径接続部において、それら大径ダクトの内面と小径ダクトの外面との間の隙間を閉塞する配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバーであって、
ダクト長手方向視の形状がC字状形状で、そのC字状形状の開口部に大径ダクトの内面と小径ダクトの外面との接触部を位置させた装着状態において、ダクト長手方向における一端部が小径ダクトに対して緊密に外嵌し、かつ、ダクト長手方向における他端部に対して大径ダクトが緊密に外嵌するテーパー構造にするとともに、
小径ダクトに外嵌させた状態でのダクト長手方向への摺接移動により前記異径接続部への装着が可能な構成にしてある配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバー。 - 装着状態において大径ダクト側の係合部と第1カバー側係合部との係合、及び、小径ダクト側の係合部と第2カバー側係合部との係合により、ダクト長手方向へのカバー移動を規制し、かつ、大径ダクトと小径ダクトとのダクト長手方向への相対移動を規制する構成にしてある請求項1記載の配管用又は配線用化粧ダクトの異径接続部カバー。
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