JP4049465B2 - 波形再生装置のピッチ制御装置 - Google Patents

波形再生装置のピッチ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形データに基づいて波形を再生する波形再生装置において、音のピッチを制御するピッチ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、楽音や音声信号をサンプリングし、波形データとしてメモリに記憶しておいて、演奏操作に従ってその波形データを再生するサンプラーと称される電子楽器があった。そして、この波形データとしては、1音だけ単純に発音した楽音や音声をサンプリングすることも行われている。
【0003】
具体的には、横軸に時間を、縦軸に振幅をとって波形データを表せば、図7(a)に示すような波形形状の振幅特性で表される。この波形データは音であって、第1の音節(シラブル)、第2の音節(シラブル)、・・・第nのシラブルが滑らかに連続的に結合されている状態を表しているとする。以下、この一つのシラブルから他のシラブルへ変化する音の部分を結合部分、シラブルの本来の音の特徴を有している部分を本体部分と呼ぶ。例えば、シラブル1の本体部分では「う」と発音され、シラブル2の本体部分では「あ」と発音される。
【0004】
また、この音声の波形データのピッチ変化は横軸に時間軸を、縦軸にピッチ(音高)をとって表せば、図7(b)に示すようなピッチの変化で表される。このピッチ変化ではシラブル1の本体部分で発音される「う」はピッチが低く(図に▲1▼と▲2▼で示す区間)、シラブル2の本体部分で発音される「あ」はピッチが高くなっている(図に▲4▼で示す区間)。これらのピッチの高低差は、シラブル1とシラブル2との間の結合部分(図に▲3▼で示す区間)で滑らかに連続的(スイープ状)に変化することで移り変わるようになっている。なお、シラブル1の本体部分にはビブラート(図に▲2▼で示す区間)が加えられていることを表している。
【0005】
ところで、前述のようなサンプリング波形データを再生するサンプラー等において、該サンプリング波形データを再生する場合、鍵盤の押下操作により、その押下した鍵のキーナンバーに基づいて再生音高(ピッチ)を瞬時に変更することが行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、前述のような第1シラブルと第2シラブルとが滑らかに連続的に結合されているような波形データにおいて、発音途中でピッチを変更する鍵操作を行った場合にも、前記のような、操作タイミングでピッチを瞬時に変更してしまうピッチ変化を付与する波形再生を行っていた。
例えば、図7(а)、(b)と同様な図8(а)、(b)のような波形データにおいて、鍵盤の押下操作によりピッチ変更の指示をすると、図7(c)、(d)、(e)に示されるように操作タイミングでピッチが瞬時に変更されて、ピッチ変化が不連続(段差(ギャップ))になってしまっていた。このようなピッチ変更は発音される音声が不自然になってしまうため、自然なピッチ変更を可能にするピッチ制御装置が望まれていた。なお、図8(c)、(d)はピッチを高く変更した場合、図8(e)はピッチを低く変更した場合のピッチ変化を示している。
【0007】
本発明は上記問題を考慮してなされたもので、連続した波形(フレーズ波形)を再生中に、新たなピッチに変更する場合でも、結合部分が持っている元々のピッチ変化を活かしながらピッチ変更することで、ごく自然な感じのピッチ変更を可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
上述の問題点を解決するために、本発明に係るピッチ制御装置は、時系列に並べた波形データに基づいて波形を再生する波形再生装置のピッチ制御装置であって、該波形データ中のピッチが連続的に変化している所望の部分の位置を示す位置データを記憶する記憶手段と、該波形データを再生するピッチを指示する指示手段と、該指示手段で指示されたピッチで該波形データに基づいて波形を再生するよう制御するとともに、該波形を再生中に該指示手段で新たなピッチが指示されたら、該位置データに基づいてその指示時点以降にある所望の部分で、再生する波形のピッチを連続的なピッチ変化で変更するよう制御する制御手段とを備えている。
【0009】
また、上記の連続的なピッチ変化とは、聴感上不自然な感じを受けない程度のピッチ変化という意味であり、たくさんの小さなステップで漸次に増減するようなピッチ変化も含むものとする。
【0010】
このピッチ制御装置においては、指示手段により指示されたピッチで波形データに基づいて波形が再生されるが、その再生中に、該指示手段で新たなピッチが指示されたら、該位置データに基づいてその指示時点以降にある該所望の部分(例えば結合部分)で、再生する波形のピッチを連続的なピッチ変化(すなわち大きな段差のないピッチ変化)で変更する。また、指示手段による指示が該所望の部分を再生中に行われた場合には、そのピッチ変更を無視するあるいはその時点ではピッチ変更指示を無視して次にある該所望の部分でピッチ変更を行うなどのようにしてもよい。また、結合部分などでは不連続的なピッチ変化でピッチ変更を行っても比較的目立たないことが多いので、そのピッチ変更指示時点以降の結合部分で、前述のように連続的なピッチ変化でピッチ変更を行う場合と、不連続的なピッチ変化でピッチ変更を行う場合とに、制御を選択することも可能である。
【0011】
上述の制御手段を備えることにより、元々の波形のピッチが連続的に変化している部分(例えば結合部分)のピッチをそのまま活かすことができるので、より自然な感じでピッチ変更を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る一実施例としての波形再生装置のピッチ制御装置を搭載した電子楽器の全体構成を示している。この電子楽器は、オーディオ・フレーズ音源を除いては、基本的な構成は従来一般的なものである。
図1において、CPU1は装置全体の制御処理を行う。ROM2はCPU1が実行する制御プログラム等が格納される。RAM3は再生するフレーズの波形データ等が格納されると共にCPU1の作業用メモリ領域として用いられる。各種スイッチ4は鍵盤を含み、この鍵盤は実演奏のために用いられる他、楽音の記録、再生、編集等をCPU1に指示するためにも用いられる。LCD(液晶デイスプレイ:Liquid Crystal Display)5は装置の各種状態を表示したり各種パラメータを表示したりするためのものである。スイッチ制御回路6は各種スイッチ4の状態を検出する制御を行ったりするためのものである。LCD・I/F(インターフェイス)回路7はLCD5とCPU1とのインターフェースを行うもの、MIDI・I/F回路8は外部から、または外部へのMIDIデータとCPU1とのインターフェースを行うためのものである。CD−ROM等の記録媒体9には波形データとそのピッチを変更するための情報テーブルとが格納されている。この波形データは、この実施例では音声のフレーズ(一連のシラブルからなる)を周期的にサンプリングした一連の振幅値データからなり、ここでは以降、この波形データをフレーズデータとも呼ぶ。CD−ROM等制御回路10は記録媒体9からフレーズデータを読み込んでRAM3に転送等するためのものである。
これらに加えて、オーディオ・フレーズ音源11は波形データを再生するためものであり、波形データを加工するために高速演算処理を行うデジタルシグナルプロセッサー(DSP:Digital Signal Processor)と内部メモリを備えている。このオーディオ・フレーズ音源11からの出力信号はD/A変換器12と増幅回路13を介してスピーカに出力されて放音される。
【0013】
各種スイッチ4には、前述のように、ユーザによって押下操作(ノートオン)される鍵盤が含まれる。この実施例では、フレーズデータを再生して発音するモードの場合、鍵盤のうちの何れかの鍵が押鍵されると、その鍵に対応したピッチでフレーズを発音開始し、その鍵を押している間は発音状態を継続し、鍵を離すと発音を停止する。そして、フレーズを発音している最中(つまり鍵を押している状態で)に更に新たな鍵が押鍵されると、後の押鍵が優先されて、現在発音中のフレーズのピッチをその後の鍵によって指示されたピッチに変更してフレーズを再生するようになっている。
【0014】
具体的には、鍵盤の各鍵にはMIDIの規格に従ってノートナンバー(Note No.)の「1〜127」の音高が割り当てられており、このノートナンバーに基づいてフレーズを再生するピッチを指示する。すなわち、それらの鍵のうち、例えば中央にあるノートナンバー「60」の鍵はフレーズを元のピッチのままで発音することを指示するものであり、このノートナンバー「60」の鍵を基準(Original)として、ノートナンバーが高くなる鍵ほど再生されるフレーズのピッチが高くなり、ノートナンバーが低くなる鍵ほどピッチが低くなるものとする。
【0015】
例えば、ノートナンバー「72」の鍵は、基準のノートナンバー「60」の鍵から白鍵と黒鍵の数を合わせて12個目の鍵であり、元のピッチを1オクターブ分高くすることを指示するものである。
【0016】
オーディオ・フレーズ音源11は、RAM3に記憶されている波形データやそれを再生するための情報などを内部メモリに予め取り込んでおき、鍵が押鍵されると、CPU1の制御に従って音高情報が入力されて、その音高情報に従って波形データのピッチをシフトして再生するようになっている。このオーディオ・フレーズ音源11は、再生ピッチを変化させても波形の再生時間が変化しない公知の波形再生装置を使用すればよい。例えば、内部メモリから読み出した波形データの波形信号に対して、ピッチシフタの技術を利用して所望のピッチシフト処理を施すことが可能なように構成した波形再生装置を使用すればよい。なお、再生時間を変化(時間軸圧縮伸長)も可能にしたい場合は、内部メモリからの読み出し速度を変化可能にすることによって再生時間変化(時間軸圧縮伸長)も可能である。ただし、この場合は、前記ピッチシフタに、メモリからの読み出し変化によるピッチ変化をうち消す機能も備える必要がある。
【0017】
ここで、図2(a)は、波形データについて、横軸に時間を、縦軸に振幅をとってその波形形状の例を示す。この波形形状はシラブル1の本体部分、その結合部分、シラブル2の本体部分、・・・シラブルnの本体部分とで区切られて、それらが滑らかに連続的に結合されて構成されている。
さらに、図2(b)は横軸に時間を、縦軸にピッチ(音高)をとって、上述の波形データのピッチ変化を示す。このピッチ変化はピッチが変更される前の元の波形のピッチ変化(元のピッチ変化)である。
【0018】
RAM3には、記憶媒体9から読み込まれて転送された波形データ等が記憶される。この波形データ等としては、波形データの本体(振幅値データ)のほか、後に図3を用いて詳述する波形データのシラブルに関する情報テーブルや波形データを再生するための情報等が格納されている。
【0019】
[情報テーブル]
図3には、波形データのシラブルに関する情報テーブルを示している。このシラブルの情報テーブルは、波形データが再生されている場合、その波形データの総数やフレーズ中の各シラブルの本体区間、結合部分の区間等に関するデータを記憶したものであり、この情報テーブルにより、再生中の波形データについて、現在再生されている部分が、シラブル1の本体部分、その結合部分、シラブル2の本体部分、・・・シラブルnの本体部分のうちのどこなのかを知ることができるようになっている。
【0020】
具体的には、このシラブルの情報テーブルは、波形データについて、そのシラブル1の本体部分(図2(a)に示す)の開始アドレス(1)、シラブル1に続く結合部分の開始アドレス(1)、シラブル2の本体部分の開始アドレス(2)、シラブル2に続く結合部分の開始アドレス(2)、・・・シラブルnの本体部分の開始アドレス(n)の順に情報を持っている。これらの開始アドレスは対応するシラブルまたは結合部分におけるその開始点の時間軸上の位置を表している。
【0021】
この実施例では、オーディオ・フレーズ音源11は、波形データを再生するモードの場合、後に詳述するCPU1によって計算された音高情報がデジタルシグナルプロセッサーに与えられると、その音高情報に応じて波形データをピッチ変更等の加工をして再生するようになっている。
【0022】
[音高情報の計算方法]
この実施例におけるピッチ変更の方法は、シラブル1の本体部分からそれに続く結合部分に再生が移る前にピッチ変更の指示(ノートオン)があった場合、そのノートオンと共に入力されるノートナンバーに従って、元のピッチ変化(図に破線で示す)を高くなるようにピッチシフト変更(図2(c)参照)したり、元のピッチ変化(図に破線で示す)を低くなるようにピッチシフト変更(図2(d)参照)するようにしている。
【0023】
CPU1は、波形データの再生開始前に鍵盤が押下操作されると、その鍵で指示するピッチに従って波形データを再生するための音高情報(第1の音高情報)を計算する。また、波形データのシラブル本体部分を再生中に押下操作があると、上述のピッチ変更方法に従って、そのシラブル本体部分に続く結合部分でピッチを滑らかに連続的なピッチ変化で変更するための音高情報(第2の音高情報)を計算する。なお、波形データのシラブルの結合部分を再生中に押下操作があった場合には、再生する波形データの結合部分の途中でピッチを瞬時に変更するための音高情報(第3の音高情報)を計算する。
【0024】
音高情報の計算方法としては、具体的には、波形データの再生開始前またはシラブル結合部分再生中に鍵で押下指示されたときの音高情報(第1の音高情報または第3の音高情報)は次のピッチ変更率(Pitch Rate)により求める。このピッチ変更率は押下された鍵のノートナンバー(Note No.(MIDI))と、基準となるノートナンバー(Note No.(Original):例えば「60」)とを用いて、
Pitch Rate=2k
ただし、k=(Note No.(MIDI)−Note No.(Original))/12.0
を計算することで、元のピッチが変更される割合を求める。この計算により、ピッチ変更率は押下した鍵が基準となる鍵である場合には「1.0」となり、基準となる鍵から1オクターブ上がる毎に倍(例えば1オクターブ上では「2.0」)になり、1オクターブ下がる毎に半分(例えば1オクターブ下では「0.5」)になる。前記オーディオ・フレーズ音源11は、音高情報として、このピッチ変更率を入力することで、波形データの元のピッチをシフトして再生するように構成されている。入力されたピッチ変更率が「1.0」の場合は、波形データの元のピッチのままとなり、ピッチ変更率が「2.0」の場合は、波形データの元のピッチを1オクターブ高くシフトすることになり、「0.5」の場合は、波形データの元のピッチを1オクターブ低くシフトすることになる。
【0025】
次に、波形データの本体部分を再生中に鍵の押下指示があった場合の第2の音高情報は次の結合部分ピッチ変更率で求められる。すなわち結合部分ピッチ変更率Rは、シラブル1の本体部分で押下指示(ノートオン)があったとした場合、先に前記ピッチ変更率(Pitch Rate)を求める演算で求めたピッチ変更率をそのシラブル1の現在のピッチ変更率r1とし、上記ノート・オンで変更される予定のシラブル2の変更率を、該ノート・オンと共に入力されるノートナンバーに従って前記ピッチ変更率(Pitch Rate)を求める演算によってピッチ変更率r2として求めておくと、シラブル1とシラブル2との結合部分の長さ(結合部分の再生時間)Tと、その結合部分の始まりからの現在再生中の時間軸上の位置(再生時間)tとを用いて、
R=t/T(r2−r1)+r1
を計算することで求まる。この結合部分変更率Rは再生位置tに応じて値が変化するものであり、シラブルの結合部分の各位置でのピッチ変更率となる。
【0026】
このように、計算により再生位置tに応じて得られた結合部分ピッチ変更率R(図4(c)で示す)を、前記オーディオ・フレーズ音源11に逐次入力することで、図4(d)に示すように、結合部分における元のピッチ変化(図に破線で示す)を活かしたピッチシフト(図に実線で示す)を行うことができる。その結果、結合部分におけるピッチ変化は、図4(b)に実線で示すように、元の波形のピッチ変化の特徴を活かしつつ、滑らかに連続して変化するものになる。
なお、再生される波形データの時間軸が圧縮/伸長等されている場合には、その時間圧縮/伸長情報を加味して、結合部分長Tや現再生位置を修正したうえで計算するようにする。
【0027】
以下、フローチャートに従って実施例装置の動作を説明する。
[メインのフロー]
図5は、フレーズをピッチ制御しつつ再生する処理を示すフローチャートである。電子楽器の主電源がオンされると、このフローの処理が実行される。
この処理により、フレーズを発音中に、ピッチを変更するための指示(鍵の押下指示)があると、その指示がシラブルの本体部分を再生中に行われた場合には、そのシラブル本体に続く結合部分でピッチを変更するようにしている。
【0028】
具体的には、先ずCPU1等が初期設定される(ステップS1)。鍵盤が操作されて、そのノートオンを受信したか否かを判断する(ステップS2)。ここでノートオンを受信するまで、この処理を繰り返して待機状態になる。ノートオンを受信した場合、そのノートオンに付随するベロシティデータが「0」であれば、そのノートオンはノートオフを表すものであり、よってフレーズの発音処理を終了することを指示するものであるので、既にフレーズを発音している場合は、その発音処理を終了する。
【0029】
一方、ノートオンに付随するベロシティデータが「0」でない場合、そのノートオンによる指示を、再生する波形データにおける時間軸上の現在位置以降でのピッチを変更する指示として受信し、その再生中の波形データにおけるピッチ変更指示のあった時間軸上の位置がシラブルの本体部分(図2(a)及び図4(a))であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、まだ波形データが再生開始されていない場合には、ノートオンによる指示を、フレーズの発音処理を開始する指示として受信し、その指示した鍵に応じたノートナンバーで波形データを再生するための第1の音高情報を計算する(ステップS4)。
【0030】
一方、ピッチ変更指示が波形データが再生されている最中に行われたものであり、かつ再生する波形データにおける時間軸上の位置がシラブルの本体部分でない場合には(すなわち、結合部分を再生中である場合には)、ノートオンによるピッチを変更する指示に従って、そのピッチ変更指示のあった結合部分の途中でピッチを瞬時に変更するための第3の音高情報を計算する(ステップS4)。その結果求められた音高情報をオーディオ・フレーズ音源11に通知し(ステップS5)、フレーズのピッチを変更して発音処理を行う(ステップS6)。
なお、このようなピッチ変更はピッチの変化の段差が大きい不連続なものになる。
【0031】
一方、再生する波形データにおける時間軸上の位置がシラブルの本体部分である場合には、ノートオンによる指示を、これから再生するシラブルの結合部分でピッチを変更する指示(音高指定)として受信して、後に図6を用いて詳述する結合部分の音高処理を実行する(ステップS7)。
【0032】
続いて、フレーズの発音が終了したか否かを判断する(ステップS8)。ここでフレーズの発音が終了していなければ、これらの処理を新たな鍵操作によるノートオンを受信することを監視しつつ繰り返し行う。一方、フレーズの発音が終了していれば、次の処理に移り、フレーズの発音を終了する処理をする(ステップS9)。
【0033】
[結合部分の音高処理ルーチン]
図6は、フレーズにおけるシラブルの結合部分の音高処理ルーチンを示すフローチャートである。フレーズのシラブルの本体部分を発音中、ユーザによって鍵盤が操作されて、ピッチを変更するための指示があると、このフローの処理が実行される。
この処理により、発音中のフレーズにおける、次に再生予定のシラブルの結合部分でピッチを滑らかに連続的なピッチ変化で変更するようにしている。
【0034】
具体的には、シラブルの情報テーブル(図3)に基づいて、再生中の波形データにおける現在の時間軸上の位置がシラブルの結合部分に到達したか否かを判断する(ステップS10)。ここで、現在再生している時間軸上の位置がシラブルの結合部分に到達していなければ、それが到達するまで待つ。
【0035】
一方、現在の時間軸上の位置がシラブルの結合部分の始めに到達すると、その結合部分における時間軸上の位置(図4(c)にtで示す)を計算して求める(ステップS11)。
【0036】
次いで、求められたシラブルの結合部分における時間軸上の位置tに対応する前述の第2の音高情報を、図4(c)を用いて説明した計算方法で計算して求める(ステップS12)。
そして、得られた第2の音高情報をオーディオ・フレーズ音源11に通知し(ステップS13)、その第2の音高情報によりピッチを変更してシラブルの結合部分での発音処理を行う(ステップS14)。
【0037】
続いて、このシラブルの結合部分での発音処理が終了したか否かを判断する(ステップS15)。ここで、シラブルの結合部分での発音処理が終了していなければ、それが終了するまで、その結合部分での発音処理を繰り返す。一方、シラブルの結合部分での発音処理が終了すると、図5を用いて説明したメインフローにおけるフレーズの制御処理を行う。
【0038】
以上の「結合部分の音高処理」により、シラブルの結合部分でピッチが滑らかに連続的なピッチ変化で変更されて発音されることになり、自然な感じのピッチ変更が実現される。
【0039】
本発明の実施にあたっては種々の変形形態が可能である。
【0040】
例えばその方法としては、結合部分でピッチ変更するための音高情報(第2の音高情報)は一定に変化する直線に限らず、複数次(2次、3次など)曲線など様々なものが考えられる。また、上述の実施例ではピッチ変更の指示は基準としたノートナンバーから押下鍵がどの位離れているかの相対指定としているが、鍵のノートナンバー自体による絶対値指定も可能である。
また、シラブルの結合部分は重要な変化を含んでおり、フレーズのアーティキュレーションの中の重要な部分であり、自由にフレーズ中のある部分を時間軸圧縮/伸長することで、結合部分の時間軸を変更してアーティキュレーションを変えるようにすることもできる。
本発明ではフレーズの制御を元々のピッチ変化を活かしつつ実現することができるため、ごく自然な感じのピッチ変更を行うことができる。
【0041】
また、上記の実施例では、波形データの結合部分を再生中に、ピッチを変更する指示を受けると、その指示に従って結合部分の途中で不連続なピッチ変化でピッチ変更を行うようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、そのピッチ変更指示を無視する、あるいはその時点ではピッチを変更する指示を無視して次に再生する結合部分でピッチ変更を行うなどしてもよい。
【0042】
また、上記の実施例では、鍵が押鍵されたときに、再生中の波形データにおける時間軸上の位置が結合部分に到達していなければ、それが到達するまで待って、その結合部分でピッチを滑らかに連続的なピッチ変化で変更するための第2の音高情報を計算するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、結合部分に到達する前に第2の音高情報を予め計算しておいてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、連続した波形を再生中に、新たなピッチにピッチ変更する場合でも、元々の波形が有している連続的なピッチ変化をそのまま活かして、ごく自然な感じのピッチ変更を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電子楽器の実施例のハードウエアの全体構成を示す図である。
【図2】実施例装置におけるフレーズの波形形状およびピッチ変化の例を示す図である。
【図3】実施例装置におけるシラブルに関する情報テーブルを示す図である。
【図4】実施例装置における結合部分のピッチ変化計算方法を示す図である。
【図5】実施例装置におけるメインルーチンのフローチャートである。
【図6】メインルーチンにおける結合部分音高処理の詳細な処理を示すフローチャートである。
【図7】フレーズの波形形状を示す図である。
【図8】従来のフレーズのピッチ変更処理を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
2 ROM(リード・オンリー・メモリ)
3 RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
4 各種スイッチ(鍵盤を含む)
11 オーディオ・フレーズ音源

Claims (1)

  1. それぞれ揺動を許容しながらほぼ一定の音高が継続する複数の音高区間を含む時系列の波形データに基づいて波形を再生する波形再生装置のピッチ制御装置であって、
    該波形データ中の前記隣り合った音高区間に挟まれた所望の部分の位置を示す位置データを記憶する記憶手段と、
    該波形データを再生するピッチを変更するピッチ変更率を指示する指示手段と、
    該指示手段で指示されたピッチ変更率で該波形データに基づいて波形を再生するよう制御するとともに、該波形を再生中に該指示手段で新たなピッチ変更率が指示されたら、該位置データに基づいてその指示時点以降にある所望の部分で、再生する波形のピッチ変更率を前記新たな指示の前の値から新たな指示に対応した値へと連続的に変化させることで再生波形のピッチを変更するよう制御する制御手段とを備えた波形再生装置のピッチ制御装置。
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