JP4049451B2 - 飲料容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば乳幼児が授乳等に利用する人工乳首を装着した飲料容器に係り、特に、哺乳運動だけでなく、飲料を吸引により飲む運動を行ったり、練習したりするための飲料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、人工乳首は、例えば哺乳瓶に取り付けて、乳幼児が瓶体に収容したミルク等を飲むために広く用いられている。
また、このような哺乳のための運動を疑似的に行わせる玩具である「おしゃぶり」としても人工乳首が用いられている。
【0003】
このような人工乳首では、母乳の場合とできるだけ近い感触で授乳動作ができることが望ましい。このため、乳首の構造も哺乳運動に適するように作られている。
ここで、授乳の動作である哺乳運動は、後に詳しく述べるように、一般に乳幼児期に限って行われる特殊な運動である。このとき、乳幼児は、乳首を吸引するのでなく、口腔内において、舌の蠕動様運動を伴う特殊な授乳動作を行っており、従来の人工乳首は、このような哺乳運動を考慮した構造が種々提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、乳幼児は、個人差にもよるが、だいたい生後8ないし9カ月が経過すると、上述の特殊な哺乳運動ではなく、次第に吸引動作を行うようになってくる。このような吸引動作は、乳幼児以外の子供や大人が、一般に飲料を摂取する際に行われる動作である。
乳幼児の飲料を摂取する動作は、この哺乳運動から吸引運動に次第に移行するが、哺乳運動と吸引運動のいずれにも使用できる人工乳首は存在しない。
このため、乳幼児が哺乳運動を行う間に用いる人工乳首と、吸引運動に移行した後,飲料を飲むのに用いる道具とを別々に購入しなければならなかった。
【0005】
また、このため、哺乳運動を行っている乳幼児が吸引運動に移行することを助けるためのトレーニングに適した人工乳首が存在しなかった。
【0006】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、乳幼児が哺乳運動を行う期間と吸引運動を行う期間の両方にわたって使用できる飲料容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、液体を収容するための容器本体と、この容器本体の開口部の周囲に装着される支持部材と、この支持部材の上に配置される人工乳首と、この人工乳首の周囲を前記支持部材に対して挟んで支持固定するベース部材とを備えており、前記人工乳首が、先端に孔を備える乳頭部と、胴部とを有する人工乳首であって、前記乳頭部は前記胴部の垂直方向に延びる仮想の中心線L1よりも偏心させて設けられており、かつ前記乳頭部の水平断面が偏平なほぼ楕円形となるように形成されていて、前記偏心側は前記乳頭部から前記胴部にかけて緩やかな曲線が連続する外形であり、前記偏心側と逆側は、前記乳頭部から前記胴部にかけて連続する曲線のR形状が逆になることで外側に突出するように規制部が形成されており、哺乳の際には、前記規制部を下側にして口腔内に入れることにより、前記乳頭部の先端が使用者の硬口蓋と軟口蓋の境界付近にある吸啜窩達するようにされ、前記哺乳時の状態から、吸引するための位置に変えるために、前記容器本体を前記仮想の中心軸周りにほぼ180度回転変位させることにより、使用者の上唇が前記突出した規制部の前端付近に当接することにより、前記乳頭部の先端が使用者の上歯茎の僅かに内側に位置することで、前記吸啜窩に達しないようにされていて、さらに、前記胴部がフランジ状の基部を備え、この基部には、貫通孔が形成されており、かつ前記胴部及び乳頭部を平面視した際に、該胴部のほぼ中心および該乳頭部のほぼ中心を通る仮想の直線L2に対して、該直線L2と同一の面内で直交するとともに、前記胴部のほぼ中心を通る仮想の直線L3上に、前記貫通孔の中心が位置するように形成されている飲料容器により、達成される。
【0008】
請求項1の構成によれば、哺乳時には、乳頭部が使用者の上顎の中央部付近に到達する。乳幼児の上顎には、哺乳運動を行わなくなる時期に次第に失われていく吸啜窩もしくは哺乳窩とよばれるものがある。この吸啜窩は上顎中央部付近の凹窩であって、母乳を授乳する際に乳首の乳頭部が入り込む場所であり、後述するように、乳頭部がこの吸啜窩に入り込むことで、乳幼児は哺乳運動を行うことができる。
したがって、哺乳時には、この飲料容器に付けた人工乳首の乳頭部が吸啜窩に入り込むことで正しい哺乳運動を可能にする。
【0009】
一方、この飲料容器の容器本体をその長手方向の軸回り(仮想線L1の周囲)に変位させると、人工乳首の上側に規制部が移動してくる。この規制部は人工乳首の乳頭部の中心と反対の側に設けた膨出部である。この状態で使用者が人工乳首を口に入れると、上顎の前部歯茎及び上唇が上記規制部に当たって、乳首が口腔内に深く進入しにくい。これにより、乳頭部は吸啜窩に達することができないので、正しい哺乳運動を行いにくくなる。
一方、乳首は口腔内に浅く入っているので、口腔内に広い空間ができるから、この空間の空気を吸引する運動を促すことになり、通常の大人や子供が行う吸引運動を促すことになる。
【0010】
しかもこの飲料容器の人工乳首は前記乳頭部の水平断面が偏平なほぼ楕円形となるように形成されている。
このため、吸引運動を行わせる上で、このような訓練が必要な年齢の乳幼児の口の開きに対応して、特にその口角よりの隙間が大きくなってしまうことを有効に防止することができる。
さらに、上述した哺乳運動を行う際にも、また人工乳首を軸回りに回転させて上述の吸引運動を行う場合にも、乳頭部をその偏平形状に対応して、口腔内に入れた時に、基部に設けた貫通孔は、人工乳首の支持姿勢に関して、下側になることがない。このため、液体飲料が上記貫通孔を塞ぐことがないので、空気抜きの孔として適切に機能できる。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記乳頭部の先端の孔は、基材を表裏に貫通する切り込みを入れることにより形成されている。
これにより、乳頭部を口に含んだときに、乳幼児の成長にともなう蠕動ないし吸引力の変化に対応し、開口が開く面積が変化し、このためより広い年齢層の使用者に利用されることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態による飲料容器の全体を示す分解半断面図である。図において、飲料容器10は、内部に液体飲料を収容することができるように形成され、上方が開口された容器本体11と容器本体11の開口の周囲に装着される支持部12と、支持部12の上には位置される人工乳首21と、この人工乳首12の後述する基部を、上記支持部12との間で挟み込んで固定支持するためのベース部13とを備えている。
【0018】
上記した容器本体11は、例えばポリカーボネートやポリプレピレン等の材料により、例えば透明のボトル状またはコップ状に形成されており、その上端開口11cの周囲には、ネジ部11aと、このネジ部11aの下側に、位置決め部としての凸条11bとを備えている。
【0019】
この飲料容器10には、把手14が装着されるようになっている。把手14は、容器本体11の周囲に装着しえる輪状の本体15と、この輪状の本体15に一体に形成され、互いに径方向の反対側に位置している一対の把手部16,16を備えている。
そして、容器本体11の上端開口の周囲に把手14の輪状の本体15が装着され、この輪状の本体15は、上記位置決め部11bによりそれ以上下降しないように位置決めされる。
【0020】
支持部12は、図1に示されているように、基部12aと上部12bを一体に備えている。そして、基部12a側の下方開口12cは、容器本体11の開口11cと対応しており、上部12b側の開口12dはこれより狭く、後述する人工乳首21のベース部の外周よりも小さく設定されている。
また、支持部12の基部12aの下端付近の内周には、容器本体11のネジ部11aと螺合するネジ部12eが形成されており、これによって、支持部12は、容器本体11の開口11cの周囲に着脱できるようになっている。そして、これにより、上述した把手14を上方から押さえて固定することができるようになっている。
また、上部12bの外周にはネジ部12fが形成されている。
【0021】
上記支持部12の上には、図1に示すように、人工乳首21が配置されるようになっている。人工乳首21は、径の大きな胴部23と、この胴部23と一体に形成され、縮径された状態でやや長く伸びる乳頭部22と、胴部23の下端に形成されたフランジ状の基部24とを備えている。人工乳首21の詳しい構成についてはさらに後述する。
【0022】
図1に示されているように、人工乳首21の上側から、ベース部13が被せられる。このベース部13は、ある程度高さのあるリング状もしくは偏平な筒状に形成されており、図1の上下方向に貫通している。そして、ベース部13の下側開口13aは、支持部12の外周よりも僅かに大きくされており、この下側開口13aの内周側にはネジ部13bが形成されている。これにより、このネジ部13bが、支持部12のネジ部12fと螺合することにより、着脱自在に固定されるようになっている。
【0023】
一方、ベース部13の上部の開口13cは、その内周が開口13aよりも小さく形成されている。これにより、開口13cの内周縁部は、人工乳首21の基部であるフランジ部24と胴部23との間の溝25に入り込むようになっている。これにより、ベース部13は、人工乳首21の基部24より上の構造の大半部分が開口13cよりも上に露出する状態で、フランジ部24を支持部12との間に挟み込んで固定することができるようになっている。
尚、このベース部13に上からは、図示しない透明なドーム状のカバーが被せられるようになっている。
【0024】
したがって、飲料容器10は、容器本体11に液体飲料を適切に収容することができ、使用者は、把手14を持って、この液体飲料を人工乳首21を介して飲むことができる。
この場合、飲料容器10は、支持部12とベース部13との間に、上記人工乳首21以外にも種々の形態の飲み口部を着脱することができる。
【0025】
図2ないし図4は、上記人工乳首21の実施形態を示している。
ここで、図2は人工乳首21の側面図、図3は人工乳首21の平面図、図4は、図3のA−B−C−A線に沿った断面図である。
これらの図において、人工乳首21は、全体が例えばイソプレンゴムやシリコンゴム,スチレンブタジエン共重合体,水添スチレンブタジエン共重合体等のより形成されており、内部が空洞となった胴部23を有しており、この胴部23は略碗状の形状である。胴部23には、先端側が次第に細くなる乳頭部22が一体に設けられていて、この乳頭部22は、図2に示すように胴部23の垂直な仮想の中心線L1に対して、偏心した位置になっている。つまり、図3に示されているように、胴部23の中心Oに対して、図において右よりに乳頭部22の中心OSが位置するように形成されている。
【0026】
この乳頭部22は、図3に示すように、その水平断面が偏平な、ほぼ楕円形になるようにされている。そして、図3において、この楕円形は、仮想の中心線A−A線L3と同一面内で直交する仮想の中心線L2に沿って、その短軸がくるようにされている。
これにより、乳頭部22を使用者が口に含む場合には、例えば図7に示すように、乳頭部22の長軸が口Mの横方向と一致するようになっている。
また、乳頭部22の頂点には、図4に示すように、開口22aが形成されていて、液体を強制的に通過させるようになっている。
この開口22aは、図5または6に示すように、丸孔ではなく、例えばX字状の切り込みやY字状の切り込みにより形成されている。通常、乳頭部の開口を丸孔にすると、乳幼児の発達段階における吸引力と液体飲料の流量との関係により、月齢を経るにしたがって孔径を大きくしなければならない。しかしながら、この人工乳首21では、開口を切り込みにしたことにより、使用者である哺乳器から離乳期にかけての乳幼児の月齢に対応して、孔径を変更する必要がない。つまり、開口22aをこのような切り込みにより形成することで、例えば図7のような状態で使用者が乳頭部を口腔内でつぶす力に対応して、開口22aの孔径が可変されるので、あらゆる月齢の使用者に対応することが可能である。
【0027】
また、図2に示すように、人工乳首21の図において、右側、つまり、乳頭部22が偏心して設けられている側(以下、「偏心側」という)は、乳頭部22から胴部23にかけてゆるやかな曲線R1により連続された形状となっている。これにより、乳幼児がこの部分を上にして人工乳首21を口に含んだ場合に、上唇に当接する箇所がなく、乳頭部を口腔内に深く入れることができるようになっている。
これに対して、図2において、人工乳首21の左側は、乳頭部22から胴部23に連続する箇所は外形を形成する曲線のR方向が逆になっている領域R2が設けられている。このR状に外側に突出する領域に規制部26が設けられている。これにより、後述するように、乳幼児に吸引運動を行わせるに際して、この部分を上に位置させて人工乳首21をくわえると、この規制部26は乳頭部22の長さと突出箇所との関係において、乳幼児が吸引運動を行う際に、上唇に当接して、乳頭部22の先端が上顎の所定領域に達するのを阻止する形状とされている。
【0028】
また、図2において、人工乳首21の下端部は、胴部23よりも径の大きなフランジ状の基部24とされている。そして、このフランジ部24には、図3の位置に貫通孔24aが設けられている。この貫通孔24aは、人工乳首21を図1のように飲料容器10に装着したときに、外部と連通することで、空気孔として作用するようになっている。
【0029】
ここで、この貫通孔24aは、図3に示すようにその位置を決めて設けられている。すなわち、乳頭部22は、偏平に形成したことにより、図7で説明したように、口腔内に含ませる場合に方向性を有している。この場合、貫通孔24aは、図2において、フランジ部24の仮想線L3上に配置するのが最も好ましい。これにより、後述するようにして、人工乳首21を介して液体飲料を飲用しようとするときには、この貫通孔24aが人工乳首21の下側に位置することがなく、必ず側方に位置することになる。これにより、貫通孔24aが容器本体11に収容されている液体容器により塞がれることがなく、空気孔としての機能を十分果たすことができる。
この点、図1の飲料容器10の把手14との関係も同じである。把手14は、人工乳首21を図1のように装着したときには、必ず図3の仮想線L3上に配置されるように位置決めされる。これにより、乳幼児が手を添えるための把手14と、人工乳首21の偏平方法及び貫通孔24aの位置が決定される。
【0030】
本実施形態の飲料容器10と人工乳首21は以上のように構成されており、次にその使用方法を説明する。
先ず、飲料容器10と人工乳首21の使用方法を説明するにあたって、乳幼児の哺乳運動の特徴を説明する。
図8及び9は、乳幼児が哺乳運動を行っている口腔内の状態を、超音波断層撮影装置を用いて撮影した連続画像を図示したものである。
【0031】
図8(a)において、哺乳運動を行う乳幼児の上顎31のほぼ中央付近であって、その軟口蓋と硬口蓋との境界付近を終端(最も奥側)として、硬口蓋に吸啜窩または哺乳窩と呼ばれる窪み32が存在する。この吸啜窩32は、乳幼児が授乳のため哺乳運動する期間だけ持っていて、その後成長するにつれて無くなるものである。
そして、哺乳運動にあっては、母親等の乳首33は、口腔内でこの吸啜窩32に入り込む。この状態で口腔内では舌34が下から乳首33に当たり、さらに舌の側面がせりあがって、乳首を包むように密着する。
【0032】
次いで、図8(b)(c)に示すように、舌34の前方がもりあがって、乳首33を下から押し、この動きは図9(a)乃至(c)に示すように、次第に舌34の後方へ波うつように移動していく。
この過程で、舌34の上述した蠕動様運動により、乳首33は根元から先端に向けて絞られると共に、一吸啜毎に、図9で示す舌34の根元側の上顎への密着が開放されるときに陰圧が生じることによって、授乳が行われている。
【0033】
したがって、乳幼児の哺乳動作においては、乳首33を噛むことは行われておらず、また、息を吸い込むことで口腔内を陰圧にして吸い込む吸引運動を行われていない。
そして、上述のような哺乳運動は、乳首33が乳幼児の上顎の吸啜窩32に密着することにより可能となる。
【0034】
以上の哺乳運動の原理を前提として、人工乳首21における哺乳運動を説明する。
図10は、上述した飲料容器10にミルク等の飲料を収容して、人工乳首21を装着し、通常の哺乳運動により飲用させる場合である。この場合には、人工乳首21の規制部26を下側に位置させて、図示のように使用者である乳幼児は人工乳首21をくわえる。
この時、本実施形態の人工乳首21の上側には、偏心側が位置して、その上面R1は乳頭部22から胴部23にかけて略フラットであるか、わずかに膨らんでいるので、乳幼児の上歯茎42及び上唇41と干渉することがなく、乳頭部22は口腔内に進入し、上顎の略中央付近に達することができる。より正確には、乳頭部22の先端は、硬口蓋と軟口蓋の境界付近に達することができる。
この領域には吸啜窩32が存在し、乳頭部12はこの吸啜窩32に入り込むことができ、乳幼児は上述のような哺乳運動を支障なく行うことができる。
【0035】
これに対して、人工乳首10を用いて吸引運動により乳幼児に飲料を飲用させる場合には、図11に示すようにする。
図11では、矢印で示すように、飲料容器10を中心軸の周囲で回転させることで、人工乳首21を図10の位置から、その長手方向に沿った軸の回りに約180度回転変位させる。これにより、人工乳首21の規制部26が図11において、上側に位置するようになる。
【0036】
この状態で、乳幼児が人工乳首21をくわえると、乳幼児の上唇41は、上方にもりあがっている人工乳首21の規制部26の前端付近(R2の領域)と干渉する。このため、図11に示されているように、人工乳首21の乳頭部22は口腔内に深く入り込むことができず、例えば乳頭部22の先端は上歯茎42の僅かに内側に位置することになる。
したがって、乳頭部22は硬口蓋と軟口蓋の境界付近に達することができないことから、乳頭部22は、吸啜窩32に入り込むことができず、哺乳運動をすることができない。
【0037】
一方、図11では、口腔内で乳頭部22が乳幼児の歯茎の付近に位置しているから、乳幼児は乳頭部をこの歯茎及び上下の唇で保持しようとし、このため、図示するように口腔内には比較的大きな空間Sが生じる。
この状態で、飲料容器10の飲料を飲むためには、この口腔内の空間Sを陰圧とする必要があり、かくして乳幼児は、息を吸ってこの空間S内を陰圧とする運動、すなわち吸引運動を行うこと、もしくはその練習が可能となる。
【0038】
特に、この場合、図7で説明したように、乳頭部22が偏平であることから、乳幼児が不得意とする口をすぼめて口角付近の隙間を小さくすることが、変形な乳頭部22を図示されているように食わせることで実現される。つまり偏平な乳頭部の短軸にあわせて口を開けることで、自然に口角付近の隙間G,Gが小さくなり、飲料が外にこぼれることが少なくなる。
【0039】
このように、本実施形態の飲料容器10と人工乳首21によれば、図10に示すように用いることで、授乳期間中の乳幼児が正しく哺乳運動を行って飲料を飲むことができ、乳幼児が次第に成長したら、人工乳首21を口腔内へ差し入れる際に図11のように変位させるだけで、吸引運動により飲用することができる。したがって、乳幼児の成長段階に対応して異なる道具を購入する必要がなく、哺乳運動から吸引運動への移行を徐々に進めることが可能である。
【0040】
本発明の人工乳首は、上述の実施形態に限定されない。
例えば人工乳首21の下部の構造を一般の「おしゃぶり」等の形状に変更すれば、哺乳運動と吸引運動との両方に対応した「おしゃぶり」等の玩具に応用することができる。
また、人工乳首21の下部の構造をを変えて、哺乳瓶に対して、人工乳首21が傾斜して取り付けられるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、乳幼児が哺乳運動を行う期間と吸引運動を行う期間の両方の期間にあって使用可能な飲料容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る飲料容器の分解半断面図である。
【図2】図1の飲料容器に用いる人工乳首の実施形態の側面図である。
【図3】図2の人工乳首の平面図である。
【図4】図2の人工乳首のA−B−CA線断面図である。
【図5】図2の人工乳首の乳頭部の拡大平面図である。
【図6】図2の人工乳首の乳頭部の拡大平面図である。
【図7】図2の人工乳首を口腔内にいれたときの乳頭部と口の開き方の関係を説明する図である。
【図8】乳幼児が哺乳運動をおこなっているときの口腔内の様子を超音波断層撮影装置を用いて撮影した連続画像を連続的に図示した図である。
【図9】乳幼児が哺乳運動をおこなっているときの口腔内の様子を超音波断層撮影装置を用いて撮影した連続画像を連続的に図示した図である。
【図10】図2の人工乳首を用いて哺乳運動を行う様子を示す説明図である。
【図11】図2の人工乳首を用いて吸引運動を行う様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・飲料容器、11・・・容器本体、12・・・支持部、13・・・ベース部、14・・・把手、21・・・人工乳首、22・・・乳頭部、23・・・胴部、24・・・フランジ部(基部)、26・・・規制部、31・・・上顎、32・・・吸啜窩、33・・・乳首、34・・・舌、41・・・上唇、42・・・上歯茎、S・・・空間。

Claims (2)

  1. 液体を収容するための容器本体と、
    この容器本体の開口部の周囲に装着される支持部材と、
    この支持部材の上に配置される人工乳首と、
    この人工乳首の周囲を前記支持部材に対して挟んで支持固定するベース部材と
    を備えており、
    前記人工乳首が、
    先端に孔を備える乳頭部と、胴部とを有する人工乳首であって、
    前記乳頭部は前記胴部の垂直方向に延びる仮想の中心線L1よりも偏心させて設けられており、
    かつ前記乳頭部の水平断面が偏平なほぼ楕円形となるように形成されていて、
    前記偏心側は前記乳頭部から前記胴部にかけて緩やかな曲線が連続する外形であり、
    前記偏心側と逆側は、前記乳頭部から前記胴部にかけて連続する曲線のR形状が逆になることで外側に突出するように規制部が形成されており、
    哺乳の際には、前記規制部を下側にして口腔内に入れることにより、前記乳頭部の先端が使用者の硬口蓋と軟口蓋の境界付近にある吸啜窩達するようにされ、
    前記哺乳時の状態から、吸引するための位置に変えるために、前記容器本体を前記仮想の中心軸周りにほぼ180度回転変位させることにより、使用者の上唇が前記突出した規制部の前端付近に当接することにより、前記乳頭部の先端が使用者の上歯茎の僅かに内側に位置することで、前記吸啜窩に達しないようにされていて
    さらに、前記胴部がフランジ状の基部を備え、この基部には、貫通孔が形成されており、
    かつ前記胴部及び乳頭部を平面視した際に、該胴部のほぼ中心および該乳頭部のほぼ中心を通る仮想の直線L2に対して、該直線L2と同一の面内で直交するとともに、前記胴部のほぼ中心を通る仮想の直線L3上に、前記貫通孔の中心が位置するように形成されている
    ことを特徴とする、飲料容器。
  2. 前記乳頭部の先端の孔は、基材を表裏に貫通する切り込みを入れることにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の飲料容器。
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