JP2001309965A - 乳幼児の口唇運動促進システム及び口唇運動促進方法 - Google Patents

乳幼児の口唇運動促進システム及び口唇運動促進方法

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JP2001309965A JP2000134287A JP2000134287A JP2001309965A JP 2001309965 A JP2001309965 A JP 2001309965A JP 2000134287 A JP2000134287 A JP 2000134287A JP 2000134287 A JP2000134287 A JP 2000134287A JP 2001309965 A JP2001309965 A JP 2001309965A
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弘之 上原
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雅之 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生後の哺乳運動を中心とした口唇運動を行う
時期から、これを終了させて、通常の摂食運動を行う時
期までの乳幼児の口唇訓練を適切かつ段階的に行い、各
時期の乳幼児に特に適した口唇刺激を与えることができ
る口唇運動促進システムと口唇運動促進方法を提供する
こと。 【解決手段】 乳首部11と、この乳首部の基部13に
配置された所定の広がりを有する座板部とを備えたおし
ゃぶり10であって、前記乳首部は、先端部15と、基
部13とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乳幼児の哺乳に
より栄養を摂取している時期から、離乳期を経て、普通
の食事に以降する過程までの期間において、その口唇運
動の発達を適切に促進するための促進システムと促進方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、哺乳期から離乳期以降の乳幼児が
主として玩具として使用するおしゃぶりは広く知られて
いる。このようなおしゃぶりは、乳幼児が口のなかに入
れて、その口唇刺激による興味をおこさせるために与え
られている。乳幼児のうち、生後すぐから月齢4月程度
までの間は、もっぱら哺乳運動により、母乳により栄養
を摂取する時期に対応しており、このため、おしゃぶり
の形態としても、人工乳首と共通した乳頭部を有するも
のが知られている。
【0003】例えば、図28は、従来のおしゃぶりの一
例を示す半断面図である。図において、おしゃぶり1
は、人工乳首と同じ形状の乳頭部2と、この乳頭部2を
支持するフランジ状の座板3と備えている。そして、座
板3の乳頭部2とは反対面には、長く延びる把持部4が
設けられている。
【0004】このようなおしゃぶり1は、乳頭部2が人
工乳首と同じ形状であることから、生後すぐから月齢4
月程度までの間の生まれて間もない乳幼児でも、これを
くわえることで、哺乳運動が促され、興味を引くことが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図28
のようなこのおしゃぶり1では、使用者である乳幼児が
生後すぐから月齢4月程度と幼い場合には、その哺乳運
動を促進する上で適しているかもしれないが、例えば、
離乳食段階や普通食段階に移行した時期には、不適切で
ある。つまり、乳幼児の発達段階として、哺乳運動とい
う独自の運動から、やがて口腔内の構造等が変化し、こ
れにともなって、通常の摂食運動に移行する時期には、
これを適切に訓練したり促進したりする必要がある。あ
るいは、哺乳運動が終焉を迎える時期に、図28のよう
なおしゃぶり1を与えることは、習慣としておわらせな
ければならない哺乳運動のクセを長期間残してしまうお
それがあり、好ましくない。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、生後の哺乳運動を中心とした口唇運
動を行う時期から、これを終了させて、通常の摂食運動
を行う時期までの乳幼児の口唇運動の促進(もしくは口
唇運動の訓練)を適切かつ段階的に行い、各時期の乳幼
児に特に適した口唇刺激を与えることができる口唇運動
促進システムと口唇運動促進方法を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明にあっては、乳首部と、この乳首部の基部に配置さ
れた所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶり
であって、前記乳首部は、弾性を有しており、ほぼ球状
の乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも大きく膨出した
湾曲表面を有する膨出部である前記基部とを備えてお
り、前記乳頭先端部と前記基部との間には、この乳頭先
端部及び前記基部の外径よりも小さな外径とすることに
より屈曲できるようにした屈曲部を有する第1のおしゃ
ぶりと、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定
の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであっ
て、前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭
先端部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方
向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とさ
れた偏平部とを備える第2のおしゃぶりと、乳首部と、
この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有する座
板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部は、幅
が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平に形成した
先端部と、この先端部の上面に設けられ中央部が凸とな
るように形成した上側曲面部とを備える第3のおしゃぶ
りとを有しており、前記第1のおしゃぶりと、第2のお
しゃぶりと、第3のおしゃぶりのうち、少なくとも2つ
のおしゃぶりを組み合わせることを特徴とする、乳幼児
の口唇運動促進システムにより、達成される。
【0008】請求項1の構成によれば、前記第1のおし
ゃぶりの乳首部は、乳幼児の哺乳窩に適切に入ること
で、哺乳運動を促すことができるように、先端部がほぼ
球状に形成されており、座板部を備えることで、口腔内
に入り込まないようにされている。そして、第1のおし
ゃぶりの前記基部は、乳頭先端部よりも大きく膨出した
湾曲表面を有する膨出部とされているので、乳幼児にと
って母親の乳房を口に含んだ時と近似する感触を与える
ことで、一層哺乳運動を促しやすいようになっている。
しかも、この乳頭先端部及び前記基部の外径よりも小さ
な外径とすることにより屈曲できるようにした屈曲部を
有している。これにより、乳幼児が乳首部を口腔内に含
んだ状態では、乳頭先端部が上方に向かうようにこの屈
曲部で折れ曲がるので、乳頭先端部が哺乳窩に適切に当
接する。したがって、誕生後から生後約4か月程度の哺
乳運動を行う乳幼児に対してこの第1のおしゃぶりを与
えることで、上手く哺乳運動が行えない乳幼児にとって
は、その哺乳運動を適切に促進したり訓練したりするこ
とができる。また、哺乳運動を支障なく行えるという乳
幼児にとっては、第1のおしゃぶりを与えることで、母
親の乳首をくわえることに対する欲求を満たし、乳幼児
が不機嫌になることなどを防止することができる。
【0009】前記第2のおしゃぶりの乳首部は、乳幼児
の哺乳窩に適切に入ることで、哺乳運動を促すことがで
きるように、先端部がほぼ球状に形成されており、座板
部を備えることで、口腔内に入り込まないようにされて
いる。そして、乳首には、前記基部によりに偏平部とを
備えている。この偏平部は、乳首を口腔内に含んだ状態
において、乳幼児が上下の口唇をこの偏平部に当てるこ
とで、例えば、生後5月ないし8月の離乳初期の乳幼児
に必要な摂食動作中における口を閉じるという状態を学
ぶことができる。ここで、もともと、乳幼児の哺乳窩は
くぼみ(窪み)であることから、母親の乳首の先端のよ
うに球状の先端部が適合して入り込むようになってい
る。これに対して、前記第3のおしゃぶりの乳首部の前
記先端部は幅が広く偏平に形成されていることから、乳
幼児の上顎にある哺乳窩に適合した形状ではない。
【0010】つまり、前記乳首部の先端部は、幅が広い
ことで哺乳窩に入り込まずに、むしろ、この先端部の上
面に設けられ中央部が凸となるように形成した上側曲面
部が、乳幼児の哺乳窩の手前(口唇側)の硬口蓋に沿っ
た形状であることから、前記乳首部は口腔内でこの硬口
蓋に位置決めされる。これにより、乳幼児において、乳
首が哺乳窩に入ることで引き起こされる哺乳反射による
哺乳運動をあえてさせないようになっているとともに、
乳首部を口腔内で保持しやすいようになっている。そし
て、前記乳首が口唇内に入れられることで、哺乳運動で
はなく、むしろ次の摂食行動に適合した、口腔内に物を
入れた状態で口唇を閉じる動きが誘導されることにな
る。したがって、第3のおしゃぶりは、生後約8か月以
降の離乳食から普通の食事の摂食運動を次第に身につけ
るための口唇運動を促進することができる。そして、上
述のような乳幼児の発達段階に応じた口唇運動は、多少
の個人差等の観点から、第1、第2、第3のおしゃぶり
のうちの少なくとも2つを組み合わせて行うことができ
る。
【0011】すなわち、この場合、最も好ましいのは、
第1のおしゃぶり、第2のおしゃぶり、第3のおしゃぶ
りの順で、各おしゃぶりを適切な時期に取り替えて3つ
全て使用することである。これにより、「口唇を閉じる
ように動かすこと」、「蠕動様運動を消失させるこ
と」、「口唇に多様な感覚を感じる訓練を行うこと」を
順次促す。このため、乳幼児が反射として備えている哺
乳運動から、大人の摂食行動に対応した口唇運動を促進
することができる。また、3つのおしゃぶりのうち、2
つのおしゃぶりを選択して使用する各場合については次
のような作用がある。
【0012】先ず、第1のおしゃぶりを使用して、次に
第2のおしゃぶりを使用する場合には、次のような作用
がある。第1のおしゃぶりも第2のおしゃぶりも乳首部
の先端部の径がほぼ同様であり、使用者である乳幼児
は、先端形状の違いによる違和感や弾性の差を感じるこ
となく切り替え使用でき、その哺乳窩に適合させて哺乳
運動することができる。特に第1のおしゃぶりは、口唇
を開いて保持することを目的としており、第2のおしゃ
ぶりは、口唇と接触する部分が口唇を閉じて保持される
ようになっている。これにより、次第に口唇を閉じる運
動を促進することができる。
【0013】また、第2のおしゃぶりは、乳首部の先端
の形状を哺乳窩にはまりやすい形状と大きさとしている
ので、口唇を閉じる力だけでは保持できなくても、哺乳
運動を行いながら保持できる。また、口唇の運動により
先端をつぶすように口唇の動きを誘っても、乳首の先端
部は哺乳窩にはまりこんで、保持できる。
【0014】さらに、第2のおしゃぶりの口唇が接触す
る部分である乳首部の基部は、上下に一定のクリアラン
ス(中空による空洞)を設けているから、口唇を閉じる
ことで、つぶすことができ、このような形状変化が乳幼
児の興味を引き、口唇運動を促し、特に、口唇を閉じる
動作を促進する。かくして、哺乳運動から接触運動への
変化の初期の動きとして、口唇を閉じる運動を促進でき
る。また、形状が変化する乳首部をくわえることで、口
唇の感覚を身につけることができる。そして、おしゃぶ
りをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻呼吸の習
慣を習得させることできる。
【0015】第2のおしゃぶりを使用して、次に第3の
おしゃぶりを使用する場合には、次のような作用があ
る。第2のおしゃぶりを使用する場合には、上述したよ
うに、口唇を閉じる動きを促進しながら、その乳首部の
先端部は哺乳窩に入り込むので、哺乳運動も行える。そ
して、第3のおしゃぶりは、その乳首部を哺乳窩にはま
らない長さ、幅として、これをくわえることで、乳幼児
の口唇運動において、口唇を閉じる運動を確実に促進す
るとともに、反射としての哺乳運動を消失させることを
促進する。
【0016】ここで、第2、第3のおしゃぶりは、口唇
が接触する部分の厚みが同じであることから、第2のお
しゃぶりの使用にて馴れた厚みの感触に関して、第3の
おしゃぶりを使用する場合に違和感がなく使用できる。
そして、第2、第3のおしゃぶりは、舌側の乳頭弾性が
ほぼ等しいので、第2のおしゃぶりの使用にて馴れたや
わらかさの感覚に関しても、第3のおしゃぶりを使用す
る場合に違和感がなく使用できる。また、第2、第3の
おしゃぶりの口唇が接触する部分である乳首部の基部
は、上下に一定のクリアランス(中空による空洞)を設
けているから、口唇を閉じることで、つぶすことがで
き、このような形状変化が乳幼児の興味を引き、口唇運
動を促し、特に、口唇を閉じる動作を促進する。さら
に、第3のおしゃぶりでは、乳首部の下面に凸部が設け
られることにより、摂食における舌の動きを促進するこ
とになる。
【0017】かくして、第2のおしゃぶりから第3のお
しゃぶりへの継続使用で口唇を閉じる運動を促進し、乳
首部が哺乳窩にはまらないことで、一連の反射に基づく
哺乳運動を消失させることを促進することができる。ま
た、摂食運動に必要な舌の動きを促進できる。そして、
おしゃぶりをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻
呼吸の習慣を習得させることできる。
【0018】第1のおしゃぶりを使用して、次に、第2
のおしゃぶりを使用せずに、第3のおしゃぶりを使用す
る場合には、次のような作用がある。この場合は、第1
のおしゃぶりを例えば、生後6ないし8か月程度使用し
てから第3のおしゃぶりに移行すれば、変更使用におい
て、必要以上に違和感を感じさせず好ましい。第1のお
しゃぶりと比べて、第3のおしゃぶりは、口唇が接触す
る部分の厚みが薄く、口唇を閉じる動きを促進すること
ができる。
【0019】また、第3のおしゃぶりの口唇が接触する
部分である乳首部の基部は、上下に一定のクリアランス
(中空による空洞)を設けているから、口唇を閉じるこ
とで、つぶすことができ、このような形状変化が乳幼児
の興味を引き、口唇運動を促し、特に、口唇を閉じる動
作を促進する。そして、第3のおしゃぶりの乳首部の下
面の凸部は、摂食の場合の舌の運動を促進する。かくし
て、第1のおしゃぶりから第3のおしゃぶりへの継続使
用で口唇を閉じる運動を促進し、第3のおしゃぶりの乳
首部が哺乳窩にはまらないことで、一連の反射に基づく
哺乳運動を消失させることを促進することができる。そ
して、摂食運動に必要な舌の動きを促進できる。また、
おしゃぶりをくわえて使用をつづける動作のなかで、鼻
呼吸の習慣を習得させることできる。
【0020】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記乳首部の基部が前記座板部と接続される領域が
座板材料よりもやわらかい材料にて形成されていること
を特徴とする。請求項2の構成によれば、乳幼児の口腔
内に乳首部を挿入した時に、その口唇先端が当たる領域
が、「乳首部の基部が前記座板部と接続される領域」で
ある。この領域を座板材料よりも柔らかい材料で形成す
ることで、母親の乳房に口唇を当てた感触と近似する感
触を与えることができる。
【0021】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、前記座板部が、前記乳首部の基部周囲を囲む板体で
なり、この座板部の使用者に対する対向面の少なくとも
両脇部が凹状に形成された密着部とされていることを特
徴とする。請求項3の構成によれば、座板部の使用者に
対する対向面の少なくとも両脇部が、凹状とされること
で、乳幼児の両頬部の曲面に対応した凹面とすることが
でき、その分座板部のフィット性が向上する。すなわ
ち、座板部は、乳幼児が乳首を吸引している時には、そ
の口唇周辺に確実にフィットすることで、乳首部の上述
した特別の各形状の機能が発揮できるようになる。
【0022】請求項4の発明は、請求項3の構成におい
て、前記座板部の前記対向面の少なくとも両脇周縁部
が、外側に向かうように反った逃げ領域とされているこ
とを特徴とする。請求項4の構成によれば、前記座板部
の前記対向面の少なくとも両脇周縁部に逃げ領域を形成
することで、座板部の周縁が使用者の口唇周辺部におい
て、食い込むほど密着することが防止される。
【0023】請求項5の発明は、請求項3または4の構
成において、前記座板部の前記対向面の使用者の顎部に
対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされてい
ることを特徴とする。請求項5の構成によれば、前記座
板部の使用者の顎部に対応する領域が、密着部と反対に
湾曲していることから、この領域が前方にむかって僅か
に突出する特徴をもつ使用者の顎部と干渉することがな
い。
【0024】請求項6の発明は、請求項4の構成におい
て、前記座板部の前記対向面の上側周縁部は、前記逃げ
領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面とされている
ことを特徴とする。請求項6の構成によれば、前記座板
部の前記対向面の上側周縁部は、両頬部のような曲面と
なっていない使用者の口唇周辺の上部に対して、適切に
フィットさせることができる。
【0025】請求項7の発明は、請求項1の構成におい
て、前記第1のおしゃぶりの前記屈曲部は、幅方向より
も上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平な
形状とされた括れ部であることを特徴とする。請求項7
の構成によれば、請求項1の作用に加えて、第1のおし
ゃぶりの前記屈曲部が断面が偏平な形状の括れ部とされ
ている。このため、乳幼児が哺乳運動の途中で、哺乳動
作を一時中断し、吸引を休んだ場合に、この括れ部が、
乳幼児の口腔内の上下の歯槽の間に挟まれて保持される
ようになっている。つまり、この括れ部は、僅かに開い
た上下の歯槽の間でひっかかりやすいように、幅方向よ
りも上下方向の長さを短くすることにより、断面が偏平
な形状とされている。これにより、括れ部は、乳幼児が
蠕動様運動を休んでいる時におしゃぶりの落下を防止す
るための掛止手段の役割を果たす。
【0026】請求項8の発明は、請求項1の構成におい
て、前記第1、第2、第3のおしゃぶりの乳首部は中空
であり、かつ外部と連通していることを特徴とする。請
求項8の構成によれば、各おしゃぶりの前記乳首は、中
空でその空気が外部に逃げることができるようになって
いるので、乳幼児の口腔内に自在に変形しやすい。
【0027】請求項9の発明は、請求項1の構成におい
て、前記第3のおしゃぶりの乳首部の先端部の幅が、使
用者である乳幼児の哺乳窩の幅よりも広く形成されてい
ることを特徴とする。請求項9の構成によれば、第3の
おしゃぶりの乳首部の先端部の幅が、使用者である乳幼
児の哺乳窩の幅よりも広く形成されていれば、この乳首
部の先端部は、一層確実に哺乳窩に入り込むことがな
く、哺乳運動を誘発することが防止される。
【0028】請求項10の発明は、請求項1の構成にお
いて、前記第3のおしゃぶりの乳首部の前記先端部の下
面には、中央部が凸となるように形成した下側曲面部が
形成されていることを特徴とする。請求項10の構成に
よれば、哺乳運動の次の摂食行動として、離乳食や普通
の食品を摂取する場合に特有に必要とされる動きが促進
される。すなわち、このような摂食行動においては、食
品を舌の中央に集めてから嚥下しており、このような食
品を下の中心に集めるように舌を変形する必要がある。
前記下側曲面部は、舌の中央部を窪ませて、食品を舌の
中央に集める運動を促進もしくは訓練することができ
る。
【0029】請求項11の発明は、請求項10の構成に
おいて、前記下側曲面部が、前記上側曲面部よりも変形
しやすい構成とされたことを特徴とする。請求項11の
構成によれば、先端部の下側曲面部が、特に変形しやす
い構造とされることで、後述するような摂食行動におけ
る舌の特有な運動を促すことができる。下側曲面部を変
形しやすい構造とするためには、例えば、乳首部が中空
に形成される場合には、上側曲面部よりも下側曲面部を
形成する材料の肉厚を薄くすることにより実現できる。
あるいは、上側曲面部よりも下側曲面部を形成する材料
を柔らかい材料としてもよい。
【0030】請求項12の発明は、請求項9ないし11
の構成において、前記乳首部の前記基部付近には、幅方
向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が
偏平な形状とされた括れ部が形成されていることを特徴
とする。請求項12の構成によれば、前記括れ部によ
り、乳幼児が口唇を閉じる練習ができるとともに、この
括れ部は、乳幼児の口腔内の上下の歯槽の間に挟まれて
保持されるようになっている。つまり、この括れ部は、
僅かに開いた上下の歯槽の間でひっかかりやすいよう
に、幅方向よりも上下方向の長さを短くすることによ
り、断面が偏平な形状とされている。これにより、乳幼
児がおしゃぶりを口に含んだ状態で落下することなく保
持される。
【0031】請求項13の発明は、請求項12の構成に
おいて、前記括れ部が形成されている領域の長さが、前
記乳首部の上側よりも下側が長い構成とされていること
を特徴とする。請求項13の構成によれば、乳幼児が口
唇を閉じた時に、その上側の歯槽と下側の歯槽の位置が
前後にやや異なる位置となることに対応して、前記括れ
部が形成されている領域の長さが、前記乳首部の上側よ
りも下側が長い構成とされている。すなわち、口唇を閉
じたときには、下側の歯槽は、上側の歯槽の内側に入る
ようにかみ合わされるのが正常である。このため、下側
の歯槽が当接すべき前記括れ部の下側の位置は、座板側
から遠く、これと比較すると、上側の歯槽が当接すべき
括れ部の位置は、より座板側に近くなる。このため、括
れ部を形成する長さを上述のように上側と下側で異なる
ようにしている。
【0032】また、上記目的は、請求項14の発明によ
れば、生後4か月程度までの乳幼児に対して、乳首部
と、この乳首部の基部に配置された所定の広がりを有す
る座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳首部
は、弾性を有しており、ほぼ球状の乳頭先端部と、この
乳頭先端部よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出
部である前記基部とを備えており、前記乳頭先端部と前
記基部との間には、この乳頭先端部及び前記基部の外径
よりも小さな外径とすることにより屈曲できるようにし
た屈曲部を有する第1のおしゃぶりを与えて口唇運動の
促進を行い、生後約5か月から8か月程度の乳幼児に対
して、乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の
広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、
前記乳首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端
部よりも基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の
長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とされた
偏平部とを備える第2のおしゃぶりを与えて口唇運動の
促進を行い、生後約8か月程度以降の乳幼児に対して、
乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
首部は、幅が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平
に形成した先端部と、この先端部の上面に設けられ中央
部が凸となるように形成した上側曲面部とを備える第3
のおしゃぶりを与えて口唇運動の促進を行う、乳幼児の
口唇運動促進方法により、達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0034】この発明は、乳幼児の成長段階に応じて、
ことなるタイプのおしゃぶりを使用することを内容とし
ている。このため、本実施形態では、3種類,3つのタ
イプのおしゃぶりを使用するが、このうち2種類のもの
を組み合わせて使用してもよいし、より多くの種類のお
しゃぶりを使用してもよい。また、以下に説明する第
1、第2、第3のおしゃぶりの2つ以上をセットにして
製造,販売することや、後述する座板部を共通にして、
乳首部を着脱可能とすることで、乳幼児の口唇運動の促
進システム(訓練システム)を構成することができる。
【0035】図1は、本発明の実施形態による第1のお
しゃぶりの概略斜視図であり、図1(a)は、第1のお
しゃぶりを前上方から見た状態を、図1(b)は、第1
のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ示してい
る。また、図2は、この第1のおしゃぶりの概略側断面
図、図3は概略側面図、図4は概略水平断面図であり、
これらの図を適宜参照しながら、本実施形態の第1のお
しゃぶりを説明する。この第1のおしゃぶりは、生後直
ぐの乳幼児が使用するのに適しており、その期間は、生
後約4か月程度までである。しかしながら、乳幼児期の
成長には、個人差があることから、この第1のおしゃぶ
りは、主として哺乳運動により母乳ないしミルクを主と
して摂取している時期の乳幼児に適している。
【0036】図1において、第1のおしゃぶり10は、
乳首部11と、この乳首部の基部に配置された所定の広
がりを有する座板部12とを備えている。この乳首部1
1は、ほぼ球状の乳頭先端部15と、この乳頭先端部1
5よりも大きく膨出した湾曲表面を有する膨出部である
基部13とを備えており、この乳頭先端部15と基部1
3との間には、屈曲部14が形成されている。この屈曲
部14は、好ましくは、幅方向よりも上下方向の長さを
短くすることにより、断面が偏平な形状とされた括れ部
とされている。
【0037】上記乳首部11は、例えば、熱湯等による
加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触
と近似した感触を与えるように、形成されている。ま
た、本実施形態の第1のおしゃぶりでは、後述するよう
に、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このよ
うな点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリ
コーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5m
m程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで乳頭先
端部に押しつけた時に、乳頭先端部の最大外径を40パ
ーセント圧縮した場合、その反発力が1.5N(ニュー
トン)から2.5N、好ましくは、例えば2.0N程度
となる硬度に設定されている。また、座板部12は、乳
首部11とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せ
ず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、
例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用さ
れている。
【0038】乳首部11は、図2に示すように、座板部
12から先端までの長さamが例えば24mmないし3
3mmに設定されている。これにより、後述するよう
に、その乳頭先端部15が乳幼児の哺乳窩に適切に達す
るようにされている。また、乳頭部11は、図2や図4
に示されているように、中空に形成されていて、基端側
の座板部12に形成した貫通孔16によって外部と連通
している。これにより、乳首部11が上述した硬度で口
腔内に接触することができ、しかも、使用により、乳幼
児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っても水切りし
やすい。乳首部11の乳頭先端部15は、ほぼ球状であ
り、その外径afは、後述するように、乳幼児の哺乳窩
に適切にフィットするように、好ましくは11mm乃至
15mm、特に好ましくは、約13mmに設定されてい
る。基部13は、乳頭先端部15と一体に形成されてお
り、上述したように大きく膨出した湾曲表面を有する膨
出部とされている。これにより、母親の乳房の乳頭基部
である乳輪部と近似した形状と弾力とされており、乳首
部11が乳幼児の口腔内に入れられた時に、母乳を吸引
している時と同じような感触を乳幼児に与えるようにな
っている。
【0039】また、乳首11の乳頭先端部15と基部1
3との間には、乳頭先端部15及び基部13の外径より
も小さな外径とすることにより屈曲できるようにした屈
曲部が形成されている。つまり、屈曲部は乳幼児の口腔
内で外力が集中しやすい部分であり、屈曲箇所となりや
すい部分である。したがって、乳首部11は、この屈曲
部14で図9の説明として後述するように、乳頭先端部
15を上方に向けるように屈曲するようになっている。
この屈曲部14は、さらに、本実施形態では、好ましく
は、その幅方向よりも上下方向の長さを短くすることに
より、断面が偏平な形状とされた括れ部14とされてい
る。この括れ部14は、図4のak−ak線端面図であ
る図5に示すように、幅方向の長さaeよりも上下方向
の長さadが小さくなるように、断面が偏平に形成され
ている。また、この括れ部14は、後述ように、乳幼児
が第1のおしゃぶり10を取り落とすのを防止する重要
な機能を発揮するために、また、基部13が後述する機
能を十分に発揮するために、好ましくは、座板部12か
ら括れ部14までの距離ag(am−ai)がほぼ11
mm乃至17mm,好ましくは13mm程度に設定され
ている。
【0040】この基部13には、座板部12が配置され
ている。座板部12は、乳首部11の基部13を支持す
るボックス状の本体17を有しており、この本体17は
一体に設けられた、所定の面積でなる板体である面状部
21を備えている。本体17の面状部21の背面側に
は、リング状の掛止め手段23が配置されている。面状
部21は、図1に示されているように、乳首部11の基
部13の周囲に大きくフランジ状に広がって、例えば、
図示のようなハート形状を呈している。この面状部21
は、乳幼児が乳首部11を取り込んだ時に、乳首部11
の基端部13付近が口唇先端で止まるように位置決めす
る役割を果している。
【0041】座板部12の面状部21は、例えば、図1
に示されているように、使用者である乳幼児の顔の両脇
側である左右の方向に比較的広い面積を有している。そ
して、面状部21の使用者に対する対向面の少なくとも
両脇部が凹状に形成された密着部22,22とされてい
る。つまり、密着部22,22は、使用者の顔面の両頬
近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。これによ
り、乳幼児が乳首部11を吸引する際に、座板部12の
各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に接触
することで、正しく位置決めされる。ここで、面状部2
2,22は、その全体が乳幼児の両頬に完全に密着する
必要はないが、その湾曲面は、新生児から1歳程度まで
の乳幼児の頬への接触を種々確認した結果、例えば、半
径40mm程度の湾曲面とされている。
【0042】さらに、面状部21の密着部22,22の
一部の領域には、貫通孔24,24が形成されており、
面状部21が乳幼児の口腔を塞いだ状態で、万一窒息な
どの事態が起きないようになっている。また、好ましく
は、面状部21の両側面側,すなわち、密着部22,2
2の周縁部(外側の領域)は、図4に示すように、この
密着部22,22とは反対の湾曲を備える逃げ領域25
が形成されている。この逃げ領域25は、密着部22,
22の凹状面とは反対に、使用者に向いて凸となるよう
な面とされることにより、密着部22,22が使用者の
顔面に密着しても、その周縁部が食い込むことがないよ
うにされている。これにより、面状部21の特に密着部
22,22が使用者である乳幼児の両頬近傍に密着して
も、その周縁のエッジ部が食い込んで、後で肌の上に食
い込んだ跡を残すようなことがないようになっている。
【0043】図6は、座板部12を構成する座板部材の
水平断面図であり、図7はその垂直断面図である。図示
するように、上記逃げ領域25は、座板部12の面状部
21を構成する板体の端面12aの湾曲とは明確に区別
される。つまり、このような板体の厚みを表す端面部1
2aも曲面で構成されているが、逃げ領域25の曲率半
径はこれより大きい点で区別される。例えば、本実施形
態では、上記端面部の曲率は、0.9mm程度であるの
に対して、逃げ領域25を構成する曲面は、その曲率が
例えば7mm程度となっている。また、上述したよう
に、面状部22,22は、必ずしも、その全体が乳幼児
の両頬に完全に密着する必要はないが、面状部22,2
2と逃げ領域25,25との境界(曲面の方向が変わる
領域)付近は必ず密着し、その当接による刺激を緩和す
るようになっている。
【0044】さらに、面状部21の乳首部11よりも下
の領域,すなわち、図1の26で示す領域は、図2によ
く表れているように、密着部22,22とは反対の湾曲
を備える下部領域26とされている。これは、乳幼児の
下顎部分がやや前方に張り出す形状を有しているという
特徴を考慮して形成されたもので、この下顎の張出を逃
げる逃げ領域とされている。これにより、面状部21の
下部領域26は、乳幼児の下顎近傍に適切に密着するこ
とができるようになっている。すなわち、この乳首部1
1よりも下の領域では、上側密着部22,22は、例え
ば、その曲率が半径160mm程度で、対向する使用者
の顔面に対して凹面とされているが、下部領域26は、
これとは反対の曲面で、例えば、曲率半径が7mm程度
とされている。尚、この下部領域26が、座板部12の
面状部21を構成する板体の端面12aの湾曲とは区別
される点は、逃げ領域25の場合と同じである。
【0045】また、面状部21の乳首部11よりも上側
の領域は、図2に示されているように、上記密着部2
2,22(この場合、例えば、曲率半径160mm)と
同じ方向の湾曲で、これよりも小さな曲率(例えば、曲
率半径50mm)を有するようにされている。つまり、
この上部領域27は、使用者の顔面に対向する面が密着
部22,22と同じように凹面とされており、その湾曲
の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくなるよう
にされている。これにより、乳幼児の湾曲した上唇の形
状に適合して、新生児から1歳程度の乳幼児の上唇に密
着しやすい(特に、口唇を閉じた状態における上唇に密
着しやすい)湾曲とすることで、上唇に適切にフィット
して密着するようにされている。
【0046】本実施形態の第1のおしゃぶり10は以上
のように構成されており、次に、その使用状態を説明し
つつ、作用を述べる。先ず、本実施形態の作用を説明す
る前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。図8
(a)は、本実施形態の第1のおしゃぶり10を乳幼児
の口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示
した図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な
役割を果たす哺乳窩という窪みが上顎の軟口蓋と硬口蓋
の境界付近に存在し、符号aDはその哺乳窩の最深部を
示している。図8(b)は、図8(a)にて示した各符
号箇所に関して、その深さを概略的にプロットした図で
ある。これらの図において、aAは乳幼児の口唇先端
部、aBは歯槽の頂上点、aCは哺乳窩の始点(前
端)、そして、aXは第1のおしゃぶりの乳首部11が
適切な位置をとった場合の先端をそれぞれ示している。
【0047】また、誕生から月齢4月程度までの乳幼児
に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以下
のようである。すなわち、哺乳窩の(最深部)直径(a
E−aE’)は、11mmないし15mm程度、哺乳窩
の外周直径(aF−aF’)が17mmないし19mm
程度、口唇の厚さ(aA−aB)が5mm乃至10mm
程度、歯槽頂上点から哺乳窩最深点までの距離が13m
m乃至17mm程度である。
【0048】図9は、使用者である乳幼児ahが第1の
おしゃぶり10を口腔内にくわえ、乳首部11を口腔内
に取り込む段階を示す概略断面図である。図において、
31は、乳幼児ahの上唇、32は下唇を示し、33,
34はそれぞれ歯槽上部、歯槽下部を示し、符号aDは
哺乳窩最深点を示している。図9の段階では、乳幼児a
hは、その口蓋や舌を使用して、屈曲部14の上述した
機能により、図示するように乳首部11の乳頭先端部1
5を上方へ屈曲,変形させるとともに、伸展させ、乳頭
先端部15を哺乳窩へ導く。
【0049】図10は、乳幼児ahが第1のおしゃぶり
10を口腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り
込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態
を示している。 この時、乳幼児ahの舌は点線で示す
ように波うつような動きを示しており、乳首部11は、
哺乳窩に適切に収容されて、母親の乳首と同様な変形を
行うことができる。
【0050】つまり、乳首部11は、上述したように、
十分変形可能な柔らかい材料で形成されており、しか
も、中空内部から空気が上述の貫通孔を通って外部へ抜
けることから、従来の第1のおしゃぶりと異なり、母親
の乳首とほぼ同様な変形や伸展をすることができる。こ
こで、図2で説明したように、乳首部11の長さamが
例えば24mmないし33mmに設定されているので、
その乳頭先端部15が乳幼児の哺乳窩に適切に達するこ
とができる。また、乳頭先端部15は、図2で説明した
ように、ほぼ球状であり、その外径afは、好ましくは
11mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに
設定されている。乳頭先端部15の外径が15mmより
大きいと、乳幼児ahの舌の動きにより口腔内の空間を
密閉できないので、哺乳運動を適切に行えない。乳頭先
端部15の外径が11mmより小さい場合にも、乳幼児
ahの舌の動きにより口腔内の空間を密閉できないの
で、哺乳運動を適切に行うことができないのである。し
たがって、乳幼児の哺乳窩に乳頭先端部15が適切にフ
ィットするためには、その外径afは、好ましくは11
mm乃至15mmであることが必要で、特に好ましくは
13mm程度である。
【0051】また、図2で説明した座板部12から括れ
部14までの距離agは膨出部である基部13の大きさ
に対応しており、図8のaAを始点としてaBを通りa
Cに至る距離と一致している。この基部13の長さであ
る距離agは、約11mm乃至17mmとされる。すな
わち、17mmより長いと、後述するように、乳幼児が
蠕動様運動を休んだ時に僅かに口を開くと、口唇から外
へ出てしまう長さが必要以上に大きくなって第1のおし
ゃぶり10が落ちやすくなる。11mmよりも短いと、
乳頭先端部15が哺乳窩が引き込まれる際に、口唇がフ
ィットする部分となる乳輪としての大きさが不足し、口
唇が座板部12と干渉してしまう。
【0052】また、図8ないし図10の状態において、
座板部12の特殊な形状が最もその効果を発揮してい
る。すなわち、先ず、座板部12の面状部21少なくと
も両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔面の両
頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。このた
め、乳幼児ahが乳首部11を吸引する際に、座板部1
2の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密接に
接触する。
【0053】さらに、座板部12の面状部21の上部領
域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面
が密着部22,22と同じように凹面とされており、そ
の湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも大きくな
るようにされている。このため図10に示すように、乳
幼児の湾曲した上唇に適切にフィットして密着する。
【0054】そして、面状部21の下側領域26は、上
述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備え
る下部領域26とされている。そして、図10に示され
ているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す
形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、
乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。この
ように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域2
2,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、
乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされてい
ることで、乳首部11の上述の寸法設定が生かされるよ
うに、正しく位置決めされる。
【0055】また、このように座板部12が乳幼児ah
の顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述
したように、逃げ領域25が形成されていることから、
周縁部が乳幼児ahの顔前面に食い込むことがなく、肌
の上に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0056】図9は、乳幼児ahが図10の蠕動様運動
を休んでいる状態を示している。すなわち、乳幼児ah
は図10の哺乳運動を長時間継続するわけではなく、哺
乳運動の間にこのように乳首部11を吸引しない休憩の
状態となる。この時には、乳幼児ahの口が僅かに開か
れ、すなわち、歯槽上部33と歯槽下部34の距離が僅
かに大きくなるとともに、口腔内の負圧が弱くなると、
第1のおしゃぶり10は矢印方向に僅かに落下する。こ
の状態では、乳首部11の括れ部14が掛止手段の役割
を果たす。
【0057】この掛止手段としての括れ部14は、図5
で説明したように、上下につぶれた偏平な形状であるか
ら、上下の歯槽33,34との間で容易に挟まれること
ができる。このため、矢印方向に第1のおしゃぶり10
が落下しようとした時に、上下の歯槽33,34が括れ
部14の位置でひっかかり、その落下を防止する。ここ
で、図9でaaに示す括れ部14の厚みは、約3mm乃
至9mmで6.5mm程度が好ましい。aaが9mmよ
りも大きいと、屈曲しにくく、乳頭先端部の外形との差
が小さく成りすぎて、上下の歯槽間で掛止保持しにくく
なってしまう。また、aaが3mmよりも小さいと製造
時に金型からの離型がしにくく、製造が困難となる。
【0058】また、上述したように、図2で説明した座
板部12から括れ部14までの距離agは膨出部である
基部13の大きさに対応しているだけでなく、図9のa
cに示す座板部12から括れ部14までの距離と一致し
ている。そして、この距離acは、約11mm乃至17
mmとされる。すなわち、17mmより長いと、乳幼児
ahが図9のように哺乳運動を休んだ時に僅かに口を開
くと、口唇から外へ出てしまう長さが必要以上に大きく
なって第1のおしゃぶり10が落ちやすくなるのであ
る。
【0059】このように、本実施形態の第1のおしゃぶ
り10によれば、従来の第1のおしゃぶりと異なり、特
に、誕生から月齢4か月程度の乳幼児に対して、その哺
乳運動を適切に行うことができる特殊な第1のおしゃぶ
りとなっている。このため、このような時期の乳幼児に
適合した口唇刺激を与えることで、その注意を巧みにひ
きつけることができる。しかも、この時期に特有な哺乳
運動の間の休止状態においても、乳幼児の口から第1の
おしゃぶり10が落下することを適切に防止することが
でき、衛生的であるとともに、乳幼児が継続して使用を
続けることができる。
【0060】次に、本発明の実施形態による第2のおし
ゃぶりについて説明する。この第2のおしゃぶりは、生
後約4か月程度から8か月程度の乳幼児の使用に適して
いる。この時期は、摂食運動の中心として哺乳運動を行
いながらも、離乳食等の母乳やミルクと異なる初めての
食品を摂取する練習を行う時期である。このため、後述
するように、口腔内に物をいれた状態で口唇を閉じて摂
食行動を行うための準備として、口唇を巧く閉じる運動
を促進するのに適している。
【0061】図12は、本発明の実施形態による第2の
おしゃぶりの概略斜視図であり、図12(a)は、第2
のおしゃぶりを前上方から見た状態を、図12(b)
は、第2のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ
示している。また、図13は、この第2のおしゃぶりの
概略側断面図、図14は概略側面図、図15(a)は図
12の第2のおしゃぶりの概略水平断面図であり、図1
5(b)は、図15(a)のba−ba線端面図であ
る。これらの図を適宜参照しながら、本実施形態の第2
のおしゃぶりを説明する。
【0062】図12において、第2のおしゃぶり40
は、乳首部41と、この乳首部の基部に配置された所定
の広がりを有する座板部12とを備えている。この乳首
部41は、ほぼ球状の乳頭先端部45と、この乳頭先端
部45と基部43との間に設けた、幅方向よりも上下方
向の長さを短くすることにより、断面が偏平な形状とさ
れた偏平部44とを備えている。
【0063】上記乳首部41は、例えば、熱湯等による
加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触
と近似した感触を与えるように、形成されている。ま
た、本実施形態の第2のおしゃぶりでは、後述するよう
に、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このよ
うな点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリ
コーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5m
m程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで乳頭先
端部に押しつけた時に、乳頭先端部の最大外径を40パ
ーセント圧縮した場合、その反発力が1.5N(ニュー
トン)から2.5N、好ましくは、例えば2.0N程度
となる硬度に設定されている。また、座板部12は、乳
首部41とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せ
ず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、
例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用さ
れている。
【0064】乳首部41は、図13に示すように、座板
部12から先端までの長さbgが例えば28mmないし
34mmに設定されている。乳首部の長さは、乳首部の
基端から先端までの長さである。この長さは、口腔内に
乳首部が挿入された場合に、口唇先端から哺乳窩の最深
部に入り込む必要性から決定される。これにより、後述
するように、その乳頭先端部45が乳幼児の哺乳窩に適
切に達するようにされている。また、乳頭部41は、図
13や図15に示されているように、中空に形成されて
いて、基端側の座板部12に形成した貫通孔16によっ
て外部と連通している。これにより、乳首部41が上述
した硬度で口腔内に接触することができ、しかも、使用
により、乳幼児のよだれや洗浄の際の水等が内部に入っ
ても水切りしやすい。
【0065】乳首部41の乳頭先端部45は、ほぼ球状
であり、好ましくは、その外径bfが、後述するよう
に、乳幼児の哺乳窩に適切にフィットするように、約1
1mm乃至15mm、特に好ましくは、約13mmに設
定されている。ここで、乳幼児のこの時期(月齢5か月
程度)の哺乳窩の大きさを考慮すると、前記乳頭先端部
の外径が11mmより小さいと、哺乳窩に十分フィット
しないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。
前記乳頭先端部の外径が15mmより大きいと、哺乳窩
に入りきらない場合があり、この場合も十分フィットし
ないことから、蠕動様運動(哺乳運動)を阻害する。基
部43は、後述する偏平部44と一体に形成されてお
り、やや広い面積を有しており、座板部12により支持
されている。
【0066】また、乳首11の乳頭先端部45と基部4
3との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くする
ことにより、断面が偏平な形状とされた偏平部44が設
けられている。この偏平部44は、図13に示されてい
るように、部分球面で形成された乳頭先端部45から縮
径されて、根元である基部43に向かうように設けられ
ている。そして、この偏平部44は、図15(a)のb
a−ba線端面図である図15(b)に示すように、幅
方向の長さbeよりも上下方向の長さbdが小さくなる
ように、断面が偏平に形成されている。また、この偏平
部44は、後述するように、乳首部41を保持するため
に、乳幼児が口唇を閉じる方向に上下の歯槽を動かし、
偏平部44を挟むことで、僅かに口唇が開きつつも、で
きるだけ口唇が閉じた状態を維持するような動作を導く
ために形成されている。
【0067】この基部43に配置される座板部12の構
成は、第1のおしゃぶり10の座板部12と同じ構成で
あるから、各部に共通の符号を付して、重複する説明は
省略する。
【0068】本実施形態の第2のおしゃぶり40は以上
のように構成されており、次に、その使用状態を説明し
つつ、作用を述べる。先ず、本実施形態の作用を説明す
る前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。図1
7は、本実施形態の第2のおしゃぶり40を乳幼児の口
腔内に入れた状態の上顎側を水平断面で概略的に示した
図である。哺乳運動を行う乳幼児において、重要な役割
を果たす哺乳窩というくぼみが上顎の軟口蓋と硬口蓋の
境界付近に存在し、符号bCはその哺乳窩の最深部を示
している。図において、bAは乳幼児の口唇先端部、b
Bは歯槽の頂上点、bCは哺乳窩の最深部、そして、b
Xは第2のおしゃぶりの乳首部41が適切な位置をとっ
た場合の先端をそれぞれ示している。
【0069】また、生後5月ないし8月程度までの乳幼
児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以
下のようである。すなわち、哺乳窩の外周直径(bD−
bD’)が18mmないし22mm程度、口唇の厚さ
(bA−bB)が7mm乃至12mm程度、歯槽頂上点
から哺乳窩最深点までの距離が17mm乃至19mm程
度である。
【0070】図18は、乳幼児bhが第2のおしゃぶり
40を口腔内で母親の乳首を取り込むのと同じ状態で取
り込んで、哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状
態を示す概略断面図である。また、図19は、乳幼児b
hが上記哺乳運動の跡で、第2のおしゃぶり40を口腔
内にくわえたまま休んでいる状態を示している。これら
の図において、31は、乳幼児bhの上唇、32は下唇
を示し、33,34はそれぞれ歯槽上部と、歯槽下部を
示し、符号bcは哺乳窩最深点を示している。図18の
段階では、乳幼児bhの舌は点線で示すように波うつよ
うな動きを示しており、乳首部41は、哺乳窩に適切に
収容されて、母親の乳首と同様な変形を行うことができ
る。
【0071】すなわち、上述したように、乳首部41の
乳頭先端部45は、ほぼ球状であり、好ましくは、その
直径bbが、乳幼児bhの哺乳窩に適切にフィットする
ように、約11mm乃至15mm、特に好ましくは、約
13mmに設定されている。乳頭先端部45の外径が1
5mmより大きいと、乳幼児bhの舌の動きにより口腔
内の空間を密閉できないので、哺乳運動を適切に行えな
い。乳頭先端部45の外径が11mmより小さい場合に
も、乳幼児bhの舌の動きにより口腔内の空間を密閉で
きないので、哺乳運動を適切に行うことができないので
ある。したがって、乳幼児の哺乳窩に乳頭先端部45が
適切にフィットするためには、その直径bbは、好まし
くは11mm乃至15mmであることが必要で、特に好
ましくは13mm程度である。
【0072】ここで、座板部12の特殊な形状が最もそ
の効果を発揮している。すなわち、先ず、座板部12の
面状部21少なくとも両脇に設けた密着部22,22
は、使用者の顔面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面
とされている。このため、乳幼児bhが乳首部41を吸
引する際に、座板部12の各密着部22,22が乳幼児
の両頬の付近に密接に接触する(図17参照)。
【0073】また、座板部12の基部43は、周囲の面
状部21よりも柔らかい材料で形成されているから、口
唇33,34に対してソフトに当接し、乳幼児に柔らか
い感触を与えることができる。
【0074】さらに、座板部12の面状部21の上部領
域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面
が密着部22,22と同じように凹面とされており、そ
の湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくな
るようにされている。このため上唇33が図18の位置
から基部43を乗り越えて、上部領域27に当接した場
合には、乳幼児の湾曲した上唇33に適切にフィットし
て密着する。
【0075】さらに、面状部21の下側領域26は、上
述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備え
る下部領域26とされている。そして、図18に示され
ているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す
形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、
乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。この
ように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域2
2,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、
乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされてい
ることで、乳首部41の寸法設定が生かされるように、
正しく位置決めされる。
【0076】また、このように座板部12が乳幼児bh
の顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述
したように、逃げ領域25が形成されていることから
(図17参照)、周縁部が乳幼児bhの顔前面に食い込
むことがなく、肌の上に食い込んだ跡を残すようなこと
がない。
【0077】そして、座板部12の機能により、乳幼児
bhの口腔内で、乳首部41が正しく位置決めされてい
る。この場合、乳首部41は、上述したように、十分変
形可能な柔らかい材料で形成されており、しかも、中空
内部から空気が上述の貫通孔を通って外部へ抜けること
から、従来のおしゃぶりと異なり、母親の乳首とほぼ同
様な変形や伸展をすることができる。
【0078】しかも、乳幼児bhの上下の歯槽33,3
4は、自然に偏平部44を上下からはさむように位置決
めされる。この状態において、図18のbbaで示す偏
平部44の上下方向の長さ,すなわち厚みは、好ましく
は、約2.5mmから8mmに設定されている。偏平部
44が2.5mmよりも薄いと、口唇や上下の歯槽3
3,34により偏平部44を挟み込み難い。また、この
ような偏平部44を製造する際に成形しにくい。また、
bbaが8mmより厚くなると、乳頭先端部45の太さ
との差が小さくなり、偏平部44として機能しにくい。
また、偏平部44が厚くなりすぎて、口唇をとじる練習
を十分行うことができない。つまり、歯槽33,34が
偏平部44を挟んでも、口が開き過ぎてしまう。さら
に、このような厚みであると、かえって歯列への悪影響
として、オープンバイト(完全に歯列が閉じない)とい
う弊害になるおそれもある。
【0079】このように、本実施形態の第2のおしゃぶ
り40によれば、座板部12が乳幼児の発達段階に応じ
て、その口唇の周囲に適切にフィットすることができ、
この状態で乳首を保持しやすい。しかも、その乳首部4
1は、球状の乳頭先端部45に基づいて、哺乳運動に対
応して、乳幼児に口唇刺激を与えることで、その注意を
巧みに引きつけるとともに、偏平部44を備えることに
より、生後5月から8月程度の乳幼児が、哺乳運動か
ら、次第に、離乳食等の摂食行動を身につけるために必
要な口を閉じる動きを行うことを自然に習得できるよう
に、適切な訓練もしくはこのような動きの促進を行うこ
とができる。
【0080】次に、本発明の実施形態にかかる第3のお
しゃぶりについて説明する。この第3のおしゃぶりは、
例えば、主として、生後約8か月以降の乳幼児に適する
ように特に工夫されており、従来のおしゃぶりが次のよ
うな欠点を有していた点を改善するために創作されたも
のである。すなわち、特に、生後約8か月以降の乳幼児
では、これまでの母乳等を摂取するための哺乳運動か
ら、全く異なる口唇の動きを必要とする離乳食や普通食
の摂食運動を行うことが練習され始める。このため、哺
乳運動だけを考えた、母親の乳首と同じような形状の乳
頭部を備える従来のおしゃぶりでは、生後約8か月以降
の乳幼児に与えるには不適切であり、成長の段階に応じ
た好適な刺激を与えて適切な興味を引くものではなかっ
た。
【0081】具体的には、次のような問題があった。
1.母乳やミルク等と異なった食物を摂取するために
は、口腔内に食品が入ったら口を閉じる習慣を身につけ
る必要があるが、従来のおしゃぶりでは、母親の乳首に
近似した乳頭をもつため、これを口腔内に入れると哺乳
窩に入り込んで、哺乳運動における蠕動様運動を促して
しまう。このため、折角、哺乳運動の消失しはじめた乳
幼児に対して、次の摂食行動に必要とされる口を閉じる
訓練もしくは閉じる動作の促進を阻害する。2.また、
この時期の乳幼児は、離乳食等の摂取や会話の試み等を
始めることで、口唇の形態等が変化することにともな
い、口からの呼吸の頻度が増えてしまう。これに対し
て、食品の摂取時に口唇を閉じると、口呼吸はできない
ことから、食事の際における鼻呼吸をも促進する必要が
あるが、従来のおしゃぶりは、このような点を配慮した
構成となっていない。3.さらに、この時期に、上述し
たように口呼吸の習慣がついてしまうと、大人になって
も口呼吸が中心となってまい、喉への直接的な影響を及
ぼし、場合によっては、免疫力の低下に結びつくという
重大な問題がある。このためにも、鼻呼吸の習慣を身に
つけることは重要である。そこで、このような点を改善
するため、第3のおしゃぶりは、以下のように構成され
ている。
【0082】図20は、本発明の実施形態による第3の
おしゃぶりの概略斜視図であり、図20(a)は、第3
のおしゃぶりを前上方から見た状態を、図20(b)
は、第3のおしゃぶりを前下方から見た状態をそれぞれ
示している。また、図21は、この第3のおしゃぶりの
概略側断面図、図22は概略側面図、図23は概略水平
断面図であり、これらの図を適宜参照しながら、本実施
形態の第3のおしゃぶりを説明する。
【0083】図20において、第3のおしゃぶり60
は、乳首部61と、この乳首部の基部に配置された所定
の広がりを有する座板部12とを備えている。この乳首
部61は、先端部65と、乳首部61を座板12に支持
する基部63とを備えており、この先端部65と基部6
3との間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くする
ことにより、断面が偏平な形状とされた括れ部64が設
けられている。
【0084】上記乳首部61は、例えば、熱湯等による
加熱殺菌によっても容易に劣化せず、母親の乳首の感触
と近似した感触を与えるように、形成されている。ま
た、本実施形態の第3のおしゃぶりでは、後述するよう
に、乳幼児の口腔内で十分変形する必要があり、このよ
うな点を考慮すると、十分柔らかい材料、例えば、シリ
コーンゴムにより、例えば、幅10mmで先端半径5m
m程度の形状の所定の治具を、毎分100mmで先端部
65に押しつけた時に、先端部65の最大外径を40パ
ーセント圧縮した場合、その反発力が1.0N(ニュー
トン)から2.5N、好ましくは、例えば1.5N程度
となる硬度に設定されている。また、座板部12は、乳
首部61とともに、上記殺菌処理されても容易に劣化せ
ず、また、所定の剛性を備えた材料で形成されており、
例えば、ポリプロピレンやポリカーボネート等が使用さ
れている。
【0085】乳首部61は、図21に示すように、座板
部12から先端までの長さcdが、好適には約15mm
ないし26mmに設定され、この実施形態では、例え
ば、25.5mmとされている。これにより、後述する
ように、その先端部65がこの時期(生後約8か月から
3歳程度)の乳幼児の残存する哺乳窩に適切に達するこ
とがないようにされている。この座板部12から先端部
65の長さcdが約26mmよりも長いと、先端部65
が哺乳窩に入り込むおそれがある。15mmより短いと
口唇先端から歯槽までの距離が限られていることから、
後述する括れ部64を上下の歯槽により挟んで保持でき
なくなるおそれがある。すなわち、この時期の乳幼児の
上顎には、哺乳運動において乳首が入り込むくぼみであ
る哺乳窩が次第に浅くなり消失しつつある。これは、乳
幼児の食事が、哺乳から次の段階の食事に変化すること
に対応しており、この第3のおしゃぶり60は、特にこ
の時期の乳幼児に適合するように構成されている。
【0086】このため、乳首部61の先端部65は、図
21に示すように、幅広の平らな端部を有し、かつ先端
部65は、図23に示すようにその幅cmが広く設定さ
れており、例えば、幅cmは約20mmないし30mm
とされている。ここで、乳首部61の先端部65の幅m
が20mmより小さいと哺乳窩に入り込んで、哺乳運動
を誘発してしまうおそれがある。30mmより大きい
と、後述する奥歯側の歯槽と干渉してしまう。この実施
形態では、幅cmは23mmに設定されている。また、
乳首部61は、図21や図23に示されているように、
中空に形成されていて、基端側の座板部12に形成した
貫通孔16により外部と連通している。これにより、乳
首部61が上述した硬度で口腔内に接触することがで
き、しかも、使用により、乳幼児のよだれや洗浄の際の
水等が内部に入っても水切りしやすい。
【0087】先端部65を含む乳首部61は、上下の長
さが幅よりも小さな偏平な形状とされている。この偏平
形状に加えて、先端部65の上面には、上側曲面部69
が形成されている。すなわち、先端部65は、やや潰れ
た球状,もしくは偏平な球状で、上側には、中央部が凸
となるように形成した上側曲面部69が設けられてい
る。この上側曲面部69の基部側は、この第3のおしゃ
ぶり60が対象とする乳幼児の上顎の内面の曲面に沿う
ように形成されている。具体的には、上側曲面部69
は、中央部の第1の曲面部69aと、その周囲を囲む第
2の曲面部69bを有している。第2の曲面部69b
は、図23に示すように、その幅cjが例えば、13m
mないし17mmとされている。第1の曲面部69a
は、第2の曲面部69bよりも内側で、その幅ciが例
えば11mmないし13mmとされている。さらに、上
側曲面部69の湾曲面が曲率半径9mmないし22mm
の範囲で設けられることで、上側曲面部69は乳幼児の
上顎の内面とほぼ一致した形状とされている。
【0088】また、先端部65の下面には、下側曲面部
68が形成されている。この下側曲面部68は、先端部
65の下面のほぼ中央部に、例えば、半径7.5mm程
度の幅となるように設けられて、例えば、曲率半径が8
mm程度の湾曲面とされている。これにより、先端部6
5の下面は、丸く突き出た形状となっている。この下側
曲面部68は、後述するように、この時期の乳幼児の摂
食運動における舌の動きを促進するために重要な役割を
果たす。
【0089】ここで、先端部65の下側曲面部68は、
好ましくは、上側曲面部69よりも変形しやすい構造と
されている。例えば、この実施形態では、乳首部61が
中空に形成されていることから、図21に示されている
ように、上側曲面部69よりも、下側曲面部68を形成
する材料の肉厚を、薄くすることで変形しやすくしてい
る。これにより、後述するように、摂食行動における舌
の特有な運動を促進することができる。このように、下
側曲面部68を変形しやすい構造とするためには、例え
ば、上側曲面部69よりも下側曲面部68を形成する材
料を柔らかい材料とする等種々の方法を採用できる。
【0090】また、乳首11の先端部65と基部63と
の間には、幅方向よりも上下方向の長さを短くすること
により、断面が偏平な形状とされた括れ部64が設けら
れている。また、この括れ部64は、後述するように、
乳幼児が第3のおしゃぶり60の乳首部61を口腔内に
収容した状態で、乳幼児の上下の歯槽の間に挟まれて、
保持されるためのものである。これにより、第3のおし
ゃぶり60が口から落ちることが防止されるとともに、
後述するように、乳幼児が口唇を閉じる訓練を行うこと
ができる。このため、括れ部64の厚みは、約3mmか
ら7mmに設定されている。この括れ部64の厚みが約
3mmよりも薄いと、薄すぎて上下の歯槽の間で挟み込
みずらい。また、製造上も乳首部61を中空とする場合
には、その成形が困難となってしまう。括れ部64の厚
みが、7mmよりも厚いと、前記先端部との厚みの相違
が少なくなって機能しにくく、また、顎を閉じたときに
上下の歯槽または歯が当接しないオープンバイトの習慣
を誘発するおそれがある。これらの点を考慮してこの実
施形態では、括れ部64の厚みは、約6.7mmとされ
ている。
【0091】また、図21に示すように、括れ部64が
形成されている領域の長さに関しては、上側の長さco
よりも下側の長さcpの方が長い構成とされている。こ
の括れ部の上側の長さcoを下側の長さcpよりも短く
したのは、次の理由による。すなわち、乳幼児が口唇を
閉じた時に、その上側の歯槽と下側の歯槽の位置が前後
にやや異なる位置となることに対応させているのであ
る。つまり、口唇を閉じたときには、下側の歯槽は、上
側の歯槽の内側に入るようにかみ合わされるのが正常で
ある。このため、下側の歯槽が当接すべき前記括れ部の
下側の位置は、座板側から遠く、これと比較すると、上
側の歯槽が当接すべき括れ部の位置は、より座板側に近
くなる。このため、括れ部を形成する上側の長さcoと
下側の長さcpを異なるようにしている。好ましくは、
上側の括れ部64の長さcoは、0.7mmないし1.
5mmで、この実施形態では、0.9mmである。下側
の括れ部64の長さcpは、1.0mmないし2.0m
mで、この実施形態では、1.2mmである。
【0092】また、図23に示されているように、上記
括れ部64の幅csは、先端部65の幅cmよりも小さ
くされている。これにより、先端部65は、幅方向に括
れた箇所を有し、このため、この幅方向の括れた箇所が
口腔内でひっかかるため、乳首部が口腔内から抜けにく
くなり、不用意に取り落とすことが防止される。ここ
で、括れ部64の幅csは、約10mm以上で20mm
未満とすることが好ましい。括れ部64の幅csを10
mmよりも小さくすると、乳幼児が乳首部61を口腔内
に含んだ時に、口唇が接触する面積が不足して保持しに
くい。括れ部64の幅csを20mmより大きくする
と、乳幼児が乳首部61を口腔内に含んだ時に、口角を
横に引いてしまう動きを誘い、自然に口唇を閉じる練習
ができない。
【0093】乳首部61の基部63には、座板部12が
配置されている。ここで、基部63は、座板部12に保
持されるように、図21に示すようにやや拡大した径を
有しており、この部分は、例えば、乳首部61と同じ比
較的柔らかい材料で形成されている。これにより、後述
するように、乳幼児が乳首部61を口に含んだ時に上下
の口唇が当接する部分が柔らかい感触を与えるようにな
っている。
【0094】この基部63に配置される座板部12の構
成は、第1のおしゃぶり10の座板部12と同じ構成で
あるから、各部に共通の符号を付して、重複する説明は
省略する。尚、第3のおしゃぶり60の乳首部61の形
状は、図1等に示すように上下に対称ではない。このた
め、乳首部61の基部63の図示しない上部に突起を設
け、座板部側の中央の上部だけにこの突起を受容する凹
部を設けると、座板部12に対して、乳首部61を上下
に取り違えて装着することが防止される。
【0095】本実施形態の第3のおしゃぶり60は以上
のように構成されており、次に、その使用状態を説明し
つつ、作用を述べる。先ず、本実施形態の作用を説明す
る前に、乳幼児の口腔内の構造について説明する。図2
5は、本実施形態の第3のおしゃぶり60を、生後約8
か月から3歳の乳幼児の口腔内に入れた状態を水平断面
で上顎側を概略的に示した図である。哺乳運動を行う乳
幼児において、重要な役割を果たす哺乳窩というくぼみ
が上顎の軟口蓋と硬口蓋の境界付近に存在する。しかし
ながら、乳幼児の発達に伴い、この哺乳窩は次第に浅く
なり、消滅する方向へ向かう。符号cCはその哺乳窩の
最深部を示している。これらの図において、cAは乳幼
児の口唇先端部、cBは歯槽の頂上点、そして、cXは
第3のおしゃぶりの乳首部61が適切な位置をとった場
合の先端をそれぞれ示している。
【0096】また、生後8か月から3歳程度までの乳幼
児に関して、本発明者等の研究によれば、各サイズは以
下のようである。すなわち、口唇の厚さ(cA−cB)
は約5mmないし12mm程度、歯槽頂上点から哺乳窩
最深点までの距離(cB−cC)は約19mmないし2
0mm、哺乳窩の外周直径(cD−cD’)は約18m
mないし21mm程度である。
【0097】図26は、使用者である乳幼児hが第3の
おしゃぶり60を口腔内にくわえ、乳首部61を口腔内
に含んで使用している状態を示す概略断面図である。図
において、31は、乳幼児hの上唇、32は下唇を示
し、33,34はそれぞれ歯槽上部、歯槽下部を示して
いる。図26の段階では、口腔内において、乳首部61
は、その上側曲面部69を上口蓋に密着させている。こ
の状態においては、図25に示されているように、2つ
の点から乳首部61の先端部65は哺乳窩に入り込まな
い。つまり、図21で説明した先端部65の幅は広く
て、この幅cmは哺乳窩の幅cD−cD’よりも大きく
哺乳窩に入ることができない。また、座板部12から先
端部65の長さcdが哺乳窩に達することがないように
されている。これにより、乳幼児hが第3のおしゃぶり
60を口に含んでも、反射により哺乳運動を誘発される
ことがない。そして、この第3のおしゃぶり60によっ
て、次に説明するように、哺乳運動に続く、次の段階の
摂食運動が促される。
【0098】すなわち、図26に示されているように、
乳首部61は、先端部65よりも基部63側に括れ部6
4を有しており、この括れ部64の厚みが薄いことに基
づいて、乳幼児が口唇を閉じるように導くことができ
る。また、この括れ部64は、乳幼児の上下の歯槽(ま
たは乳歯)にはさまれることで、第3のおしゃぶり60
を保持するための掛止手段として機能する。この括れ部
64は、上述したように、上下つぶれた偏平な形状であ
るから、上下の歯槽33,34との間で容易に挟まれる
ことができる。そして、上述したように、括れ部64の
厚み(図26ではcc)は、約3mm乃至7mmで4m
m程度が好ましい。caが7mmよりも大きいと、先端
部の外形との差が小さくなりすぎて、上下の歯槽間で掛
止保持しにくくなってしまう。また、caが3mmより
も小さいと製造時に金型からの離型がしにくく、製造が
困難となる。また薄く成りすぎて、歯槽33,34間で
保持することが困難となる。また、括れ部64の厚みc
aが7mmよりも大きいと、上下の歯槽33,34の閉
じ方が不十分となり、口唇と歯槽を閉じる練習にならな
くなってしまう。
【0099】すなわち、この第3のおしゃぶり60で
は、上述したように、反射としての哺乳運動が誘発され
ることを防止すると同時に、この括れ部64を上下の歯
槽33,34で挟むことで、かみ合わせ、口唇を閉じる
練習を行わせることができる。これにより、哺乳運動か
ら、離乳食や普通食の摂食運動に特徴的な口唇を閉じる
練習を行うことができるのである。しかも、この時期の
乳幼児は、離乳食等の摂取や会話の試み等を始めること
で、口唇の形態等が変化することにともない、口からの
呼吸の頻度が増えてしまう。これに対して、食品の摂取
時に口唇を閉じると、口呼吸はできないことから、食事
の際における鼻呼吸を促進する必要がある。この場合、
第3のおしゃぶり60を口に含んで、図26の状態で、
上下の歯槽33,34で括れ部64を挟むと、口唇3
1,32が閉じられることから、口から呼吸することが
できない。したがって、この第3のおしゃぶり60を習
慣的に口にくわえることで、鼻呼吸を行う訓練をするこ
とができる。
【0100】一方、先端部65の下面の下側曲面部68
は、乳幼児hの舌35の上面中央付近に接している。こ
の下側曲面部68は、上述した形状であり、その中央付
近が凸の形状であるから、乳幼児hの舌35の中央を押
し込むことになる。ここで、図27は、摂食行動時の舌
35の動きを模式的に説明した図である。図27(a)
では、固体状の食品がかみ砕かれた食塊が、舌35の運
動により矢印で示すように、舌35の中央に導かれる。
この時、舌35はその中央部が凹となるような運動をし
ている。図27(b)では、矢印に示すように、次第に
食塊が中央によるように舌35は動き続けている。そし
て、図27(c)では、舌35の窪みに食塊が集められ
て、まとめられ、次いで嚥下されることになる。このよ
うに、摂食行動においては、舌35の中央に窪みを形成
する動きが重要であり、先端部65の下面の下側曲面部
68は、乳幼児hの舌35の上面中央付近に接すること
により、このように舌35の中央を窪ませる摂食行動に
必須の動きを学習させることができる。特に、上述のよ
うに、先端部65の下面の下側曲面部68は、変形され
やすい構造となっていることから、上述した摂食行動に
おける舌35の特有の動きをしやすいようにされてい
る。これにより、舌35の運動を巧みに誘導して、訓練
できるようにされている。
【0101】また、図26の状態において、座板部12
の特殊な形状が最もその効果を発揮している。すなわ
ち、図25において、先ず、座板部12の面状部21少
なくとも両脇に設けた密着部22,22は、使用者の顔
面の両頬近傍の領域の湾曲と沿った凹面とされている。
このため、乳幼児hが乳首部61を吸引する際に、座板
部12の各密着部22,22が乳幼児の両頬の付近に密
接に接触する。
【0102】さらに、座板部12の面状部21の上部領
域27は、上述したように、使用者の顔面に対向する面
が密着部22,22と同じように凹面とされており、そ
の湾曲の曲率半径が、密着部22,22よりも小さくな
るようにされている。このため図27に示すように、乳
幼児の湾曲した上唇に適切にフィットして密着する。
【0103】さらに、面状部21の下側領域26は、上
述したように、密着部22,22とは反対の湾曲を備え
る下部領域26とされている。そして、図26に示され
ているように、乳幼児の下顎部分がやや前方に張り出す
形状を有しているので、面状部21の下部領域26は、
乳幼児の下顎近傍に適切に密着することができる。この
ように、座板部12の面状部21は、その両脇の領域2
2,22と上側領域27及び下側領域26がそれぞれ、
乳幼児の顔全面の対応領域に密着できるようにされてい
ることで、乳首部61の上述の寸法設定が生かされるよ
うに、正しく位置決めされる。
【0104】また、このように座板部12が乳幼児hの
顔の前面に密着しても、特に、その両脇部には、上述し
たように、逃げ領域25が形成されていることから、周
縁部が乳幼児hの顔前面に食い込むことがなく、肌の上
に食い込んだ跡を残すようなことがない。
【0105】このように、本実施形態の第3のおしゃぶ
り60によれば、従来のおしゃぶりと異なり、特に、生
後約8か月ないし3歳程度の乳幼児に対して、次第に哺
乳運動を終了して、次の段階の摂食運動を適切に誘導す
る訓練がされる特殊な第3のおしゃぶりとなっている。
このため、成長の段階に応じた好適な刺激を与えて適切
な興味を引くことができ、次の摂食行動に適切に導きつ
つ、この時期の乳幼児に適合した口唇刺激を与えること
で、その注意を巧みにひきつけることができる。
【0106】上述したように、本発明の実施形態におけ
る第1のおしゃぶり10と、第2のおしゃぶり20と、
第3のおしゃぶり60を組み合わせたシステムは、乳幼
児の発達段階における摂食動作等の変化に応じて、段階
的に口唇の運動をトレーニングすることができる。すな
わち、乳幼児の発達段階として、誕生直後で、ほとんど
母乳やミルクを摂取するだけの哺乳運動を行う時期に、
第1のおしゃぶり10を与えて、適切の哺乳運動を促進
することができる。その後、やがて口腔内の構造等が変
化し、これにともなって、ほぼ離乳食の摂取を始める時
期、すなわち、生後4か月から8か月程度迄の間は、第
2のおしゃぶり40を与えて、口唇を閉じる運動を主と
して促進し、生後約8か月以降の通常の摂食運動に移行
する時期には、哺乳運動を終了させて、口唇や舌の運動
を普通の摂食動作に適するように訓練することができ
る。また、第1、第2、第3のおしゃぶりは、必ずしも
これを全て使用する必要はなく、乳幼児の成長の個体差
等に適合させて、これらを2つ選択して組み合わせた
り、あるいは、第1、第2、第3のおしゃぶりに他の形
態のものを組み合わせるようにしてもよい。
【0107】本発明は、上述の実施形態に限定されな
い。各実施形態の各構成要素は、本発明の効果を発揮す
る限りにおいて、個々に省略することができ、相互に組
み合わせることができる。そして、さらに、上述の説明
で言及しない構成を付加することができる。
【0108】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、生
後の哺乳運動を中心とした口唇運動を行う時期から、こ
れを終了させて、通常の摂食運動を行う時期までの乳幼
児の口唇運動の促進を適切かつ段階的に行い、各時期の
乳幼児に特に適した口唇刺激を与えることができる口唇
運動促進システムと口唇運動促進方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る第1のおしゃぶりを示
し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)は
その前下方から見た概略斜視図である。
【図2】図1の第1のおしゃぶりの概略側断面図であ
る。
【図3】図1の第1のおしゃぶりの概略側面図である。
【図4】図1の第1のおしゃぶりの水平方向の概略断面
図である。
【図5】図4のak−ak線に沿った端面図である。
【図6】図1の第1のおしゃぶりの座板部の水平方向断
面の概略図である。
【図7】図1の第1のおしゃぶりの座板部の垂直方向断
面の概略図である。
【図8】(a)は、図1の第1のおしゃぶりを乳幼児の
口腔内に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示し
た図であり、(b)は、(a)にて示した各符号箇所に
関して、その深さを概略的にプロットした図である。
【図9】使用者である乳幼児が第1のおしゃぶりを口腔
内にくわえ、乳首部を口腔内に取り込む段階を示す概略
断面図である。
【図10】使用者である乳幼児が第1のおしゃぶりを口
腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、
哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す図
である。
【図11】使用者である乳幼児が図10の蠕動様運動を
休んでいる状態を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る第2のおしゃぶりを
示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)
はその前下方から見た概略斜視図である。
【図13】図12の第2のおしゃぶりの概略側断面図で
ある。
【図14】図12の第2のおしゃぶりの概略側面図であ
る。
【図15】図12の第2のおしゃぶりの(a)水平方向
の概略断面図、(b)図15のk−k線に沿った端面図
である。
【図16】図12の第2のおしゃぶりの背面図である。
【図17】図12の第2のおしゃぶりを乳幼児の口腔内
に入れた状態を水平断面で上顎側を概略的に示した図で
ある。
【図18】使用者である乳幼児が第2のおしゃぶりを口
腔内で母親の乳首を取り込むと同じ状態で取り込んで、
哺乳運動,すなわち、蠕動様運動している状態を示す図
である。
【図19】使用者である乳幼児が図18の蠕動様運動を
休んでいる状態を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る第3のおしゃぶりを
示し、(a)はその前上方から見た概略斜視図、(b)
はその前下方から見た概略斜視図である。
【図21】図20の第3のおしゃぶりの概略側断面図で
ある。
【図22】図20の第3のおしゃぶりの概略側面図であ
る。
【図23】図20の第3のおしゃぶりの水平方向の概略
断面図である。
【図24】図20の第3のおしゃぶりの概略背面図であ
る。
【図25】図20の第3のおしゃぶりを乳幼児の口腔内
に入れた状態を水平断面にて上顎側を概略的に示した図
である。
【図26】使用者である乳幼児が第3のおしゃぶりを口
腔内に含んだ状態を示す概略断面図である。
【図27】摂食行動における舌の動きを説明するための
模式図である。
【図28】従来のおしゃぶりの一例を示す半断面図であ
る。
【符号の説明】
10・・・第1のおしゃぶり、11・・・乳首部、12
・・・座板部、13・・・基部、14・・・括れ部、1
5・・・乳頭先端部、40・・・第2のおしゃぶり、4
1・・・乳首部、12・・・座板部、43・・・基部、
44・・・偏平部、45・・・乳頭先端部、60・・・
第3のおしゃぶり、61・・・乳首部、12・・・座板
部、63・・・基部、64・・・括れ部、65・・・先
端部、68・・・下側曲面部、69・・・上側曲面図

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳首部と、この乳首部の基部に配置され
    た所定の広がりを有する座板部とを備えたおしゃぶりで
    あって、前記乳首部は、弾性を有しており、ほぼ球状の
    乳頭先端部と、この乳頭先端部よりも大きく膨出した湾
    曲表面を有する膨出部である前記基部とを備えており、
    前記乳頭先端部と前記基部との間には、この乳頭先端部
    及び前記基部の外径よりも小さな外径とすることにより
    屈曲できるようにした屈曲部を有する第1のおしゃぶり
    と、 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
    を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
    首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部より
    も基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを
    短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部
    とを備える第2のおしゃぶりと、 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
    を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
    首部は、幅が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平
    に形成した先端部と、この先端部の上面に設けられ中央
    部が凸となるように形成した上側曲面部とを備える第3
    のおしゃぶりとを有しており、 前記第1のおしゃぶりと、第2のおしゃぶりと、第3の
    おしゃぶりのうち、少なくとも2つのおしゃぶりを組み
    合わせることを特徴とする、乳幼児の口唇運動促進シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2、第3のおしゃぶり前記
    乳首部の基部が前記座板部と接続される領域は、座板材
    料よりもやわらかい材料にて形成されていることを特徴
    とする、請求項1に記載の口唇運動促進システム。
  3. 【請求項3】 前記座板部は、前記乳首部の基部周囲を
    囲む板体でなり、この座板部の使用者に対する対向面の
    少なくとも両脇部が凹状に形成された密着部とされてい
    ることを特徴とする、請求項2に記載の口唇運動促進シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記座板部の前記対向面の少なくとも両
    脇周縁部が、外側に向かうように反った逃げ領域とされ
    ていることを特徴とする、請求項2または3のいずれか
    に記載の口唇運動促進システム。
  5. 【請求項5】 前記座板部の前記対向面の使用者の顎部
    に対応する領域が、前記密着部と反対の湾曲面とされて
    いることを特徴とする、請求項3または4に記載の口唇
    運動促進システム。
  6. 【請求項6】 前記座板部の前記対向面の上側周縁部
    は、前記逃げ領域を形成せずに、前記対向面と同じ曲面
    とされていることを特徴とする、請求項4に記載の口唇
    運動促進システム。
  7. 【請求項7】 前記第1のおしゃぶりの前記屈曲部は、
    幅方向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断
    面が偏平な形状とされた括れ部であることを特徴とす
    る、請求項1に記載の口唇運動促進システム。
  8. 【請求項8】 前記第1、第2、第3のおしゃぶりの乳
    首部は中空であり、かつ外部と連通していることを特徴
    とする、請求項1に記載の口唇運動促進システム。
  9. 【請求項9】 前記第3のおしゃぶりの乳首部の先端部
    の幅が、使用者である乳幼児の哺乳窩の幅よりも広く形
    成されていることを特徴とする、請求項1に記載の口唇
    運動促進システム。
  10. 【請求項10】 前記第3のおしゃぶりの乳首部の前記
    先端部の下面には、中央部が凸となるように形成した下
    側曲面部が形成されていることを特徴とする、請求項1
    に記載の口唇運動促進システム。
  11. 【請求項11】 前記下側曲面部が、前記上側曲面部よ
    りも変形しやすい構成とされたことを特徴とする、請求
    項10に記載の口唇運動促進システム。
  12. 【請求項12】 前記乳首部の前記基部付近には、幅方
    向よりも上下方向の長さを短くすることにより、断面が
    偏平な形状とされた括れ部が形成されていることを特徴
    とする、請求項9ないし11のいずれかに記載の口唇運
    動促進システム。
  13. 【請求項13】 前記括れ部が形成されている領域の長
    さが、前記乳首部の上側よりも下側が長い構成とされて
    いることを特徴とする、請求項12に記載の口唇運動促
    進システム。
  14. 【請求項14】 生後4か月程度までの乳幼児に対し
    て、 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
    を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
    首部は、弾性を有しており、ほぼ球状の乳頭先端部と、
    この乳頭先端部よりも大きく膨出した湾曲表面を有する
    膨出部である前記基部とを備えており、前記乳頭先端部
    と前記基部との間には、この乳頭先端部及び前記基部の
    外径よりも小さな外径とすることにより屈曲できるよう
    にした屈曲部を有する第1のおしゃぶりを与えて口唇運
    動の促進を行い、 生後約5か月から8か月程度の乳幼児に対して、 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
    を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
    首部が、ほぼ球状の乳頭先端部と、この乳頭先端部より
    も基部よりに設けられ、幅方向よりも上下方向の長さを
    短くすることにより、断面が偏平な形状とされた偏平部
    とを備える第2のおしゃぶりを与えて口唇運動の促進を
    行い、 生後約8か月程度以降の乳幼児に対して、 乳首部と、この乳首部の基部に配置された所定の広がり
    を有する座板部とを備えたおしゃぶりであって、前記乳
    首部は、幅が広く上下方向の厚みが薄くなるように偏平
    に形成した先端部と、この先端部の上面に設けられ中央
    部が凸となるように形成した上側曲面部とを備える第3
    のおしゃぶりを与えて口唇運動の促進を行うことを特徴
    とする乳幼児の口唇運動促進方法。
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