JP2021000240A - おしゃぶり - Google Patents
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Abstract
Description
一方、「おしゃぶり」については、近年、以下のような効果が研究で明らかになった。
すなわち、乳幼児等が哺乳する際に、自己の上顎に存在する凹部である「吸啜窩」に、乳首等が吸啜窩に配置されると、「吸啜反射」が起き、乳幼児等は、舌の蠕動様運動を開始する。
このため、「おしゃぶり」は、乳幼児等の「吸啜反射」を満足させるという効果を発揮し、このような効果が生じることで、乳幼児等の心身の安静を促すものであることが明らかになった。
また、従来のおしゃぶりは、乳幼児等の利用者が長く蠕動様運動を行い続けることができず、その口から落下等してしまう等の問題もあった。
このため、利用者が自己の舌で乳首部を上顎側に押し付けるとき、上顎側との密着面積が大となり易く、これにより、利用者に円滑に吸啜反射を起こさせ、さらに、利用者は、「非栄養吸啜運動」等の舌による蠕動様運動を行い易くなる。。
このため、本発明は、前記構成のように、乳首部が、利用者の口腔内で舌により上顎側に当接されたとき、空洞部が押し潰されることがない硬度とすることで、乳首全体の柔らかさを確保する構成となっている。
この重心バランスが均衡する状態とは、例えば、座板部と乳首部のそれぞれの「重さ×距離の値」が接続部分を支点として同様になり、釣り合いがとれていること等をいう。
このような構成となっているため、支点の部分に利用者の口唇が配置されたとき、口腔内の乳首部と口腔外の座板部とが均衡する。
したがって、利用者が「非栄養吸啜運動」等の舌の蠕動様運動をする際に、おしゃぶりが口腔内から外に落下等することを未然に防ぐことができる。
また、座板部と乳首部等の固定部の固定が外れると、乳首部等の誤飲等の危険があるため、固定のための十分な構成が必要となる。
このように、おしゃぶり全体の重量が増加すると、利用者がおしゃぶりを咥えて、舌による蠕動様運動を行うとき、利用者の口唇や舌に負荷がかかり過ぎて、蠕動様運動を行い難いという事態が生じる。
この点、前記構成では、固定部がリング部の固定の役割を直接担うことがないため、固定部の安全等を考慮して、複雑な構成とする必要がなく、おしゃぶり全体を軽量化することができる。したがって、利用者が舌による蠕動様運動を行い易いおしゃぶりとなる。
このため、乳幼児等は、おしゃぶりを安定的に保持することができ、吸いやすいおしゃぶりとなる。
特に、一般に、例えば生後0カ月乃至5、6カ月頃(離乳食開始前)の乳幼児の利用者の舌は、上下の歯槽(歯茎)の間に位置しているため、口唇を完全に閉じることが困難なことが多い。
このような月齢で口唇を完全に閉じることができない乳幼児の場合、乳首部の根元部等に膨出部があると、この膨出部に利用者の口唇等を配置させ易く、より吸い易いおしゃぶりとなる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本実施の形態の「おしゃぶり1」において、「上」、「下」、「右」、「左」等を特に言及することなく用いるときは、「おしゃぶり1」を利用者である例えば、乳幼児等が口腔内に適正に配置した状態において、利用者から見た「上」、「下」、「右」、「左」等を意味する。
図1は、本発明の実施の形態に係る「おしゃぶり1」の主な構成を示す概略斜視図であり、図2は、図1のおしゃぶり1の概略側面図である。また、図3は、図1のおしゃぶり1の概略正面図である。
図1に示すように、おしゃぶり1は、利用者である例えば、乳幼児等が口腔内に挿入するための乳首部である例えば、乳首10、乳首10と接続され、乳首10を固定保持するための座板部である例えば座板30とを有している。
また、図1の座板30は、図2に示すように、乳幼児等の口唇等に直接当接する座板本体31、乳幼児等の保護者が操作等するリング部である例えば、リング40及び乳首10とリング40を座板本体31に装着するための蓋部である例えば、蓋33を有している。
これら座板開口31a、31bは、万一、乳幼児等がおしゃぶり1を飲み込んだ際の気道の確保用開口として機能すると共に、乳幼児等がおしゃぶり1を咥えた際に、涎等を排出させる開口としても機能する。
したがって、乳幼児等がおしゃぶり1を使用する際、その口唇付近の蒸れは、凹部30cを通って、座板開口31a、31bに排出される。
この凹部30cは、乳幼児等の涎を受けて、乳首用開口31cの外側の座板開口31a、31bに排出するという機能も発揮する。
また、図3等に示すように、座板30の上部の中央には、凹状に座板凹部30aが形成されている。この座板凹部30aは、おしゃぶり1を乳幼児等が使用したとき、おしゃぶり1が乳幼児等の鼻に当接等することを回避するための構成となっている。
このリング40は、図2の矢印Z方向に揺動可能な構成となっており、乳幼児等がおしゃぶり1の使用時に、おしゃぶり1が吸い付いて口腔内から外し難いときに、乳幼児等やその保護者等がおしゃぶり1を把持等するために使用する。
図4は、図1等の乳首10が座板30の蓋33に装着された状態を示す概略図である。
図4や図1に示すように、乳首10は、図において、左側の先端側に膨らみが形成され、右側に向かうにつれて、縮径され、乳首10の根元部である右端部では再び拡径され膨出部である例えば、フランジ11が形成されている。
また、乳首10は、図3に示すように、その先端部から見て、図の上下方向が若干、扁平な略楕円形状を成している、
さらに、図4に示すように、乳首10は、座板30の蓋33から突出するように形成されると共に、座板30の蓋部33との接続部分である例えば、その根元部で、利用者の上顎に向かうように、例えば、上方向に傾いて形成され、その角度は10度となっている。
本実施の形態の乳首10が、図4に示すように、その根元部で上方向に10度の角度で傾いて形成されるのは、以下の理由による。
図5に示すように、乳幼児等の口腔内の上顎には、凹部となっている「吸啜窩」が形成されている。
この吸啜窩は、乳幼児等が母乳を摂取するとき、母親等の乳首を配置し、自己の舌で下から支えると共に、舌が蠕動様運動をするために使用する。
なお、この「吸啜窩」は、乳児期後半頃以降に、乳幼児等の口腔機能の発達と共に徐々に消失する。
この運動を「非栄養吸啜運動」ともいい、実際に母乳を摂取するための「栄養吸啜運動」とは相違する。
「栄養吸啜運動」と「非栄養吸啜運動」は、共に「蠕動様運動」であるが、栄養吸啜運動は、実際に母乳等を哺乳するための行為であるため、実際に母乳等を搾乳しない行為である非栄養吸啜運動と比べ、ゆっくりした動作である点で相違する。
このような「非栄養吸啜運動」の動作は、乳幼児等にとって、心身の鎮静をもたらす。そのため、寝ぐずりや泣きぐずっている乳幼児等におしゃぶりを与えた場合、おしゃぶりで「非栄養吸啜運動」を促すことができる。したがって、乳幼児等は自身で心身を鎮静させることができる。
すなわち、母親乳首は、柔軟に伸縮するため、安定的に吸啜窩に配置させることができる。一方、人工乳首やおしゃぶり乳首の場合、乳首の角度や乳首先端部の幅が吸啜窩のサイズに合っていないと吸い難いため、上手く吸啜窩等に沿って配置されることができない場合も多い。
この場合は、「非栄養吸啜運動」を行うものの、その運動を長く続けることができず、短時間で終わり、乳幼児等の心身が安定している状態となり難く好ましくない。
この上顎方向に傾いた乳首10の角度は、図5等の吸啜窩の形状を考慮すると、座板30との接続部分(例えば、乳首10の根元部等)で、例えば、10度乃至20度程度の角度が望ましい。
本実施の形態では、図8に示すように、図1のおしゃぶり1の乳首10の先端部の幅は、例えば、13mmで、日本における乳幼児等(例えば、2カ月児)の吸啜窩の幅の平均である16.8mmに比べ小さく形成されている。 このため、乳首10が乳幼児等の口腔内に配置され、乳首10の先端部が舌で吸啜窩に押し付けられても、乳首10の先端が、吸啜窩の幅を超えることがないので、乳首10の先端部は安定的に吸啜窩に配置される。
なお、吸啜窩は、1、2カ月児の吸啜窩の幅の平均を参考にしているが、乳児期後半頃以降に、乳幼児の口腔機能の発達(上顎の成長など)と共に徐々に消失するものであるので、本実施の形態の乳首10の先端が、吸啜窩の幅を超えることがない。
そして、このように安定的に乳首10が配置されることで、乳幼児等は安定的に、舌を使って図5の矢印Tに示すように、乳首10等を吸啜窩に押し付けることにより、「非栄養吸啜運動」等を行うことができ、乳幼児等を満足させることができる。
図7に示すように、10度の角度を有するおしゃぶりは、0度の角度を有するおしゃぶりと比べ格段に長く非栄養吸啜運動の動作を行うことができ、満足度が高いことがわかる。
図6に示すように、おしゃぶり1の乳首10は、乳幼児等の口腔内に配置され、乳首10の下側は、乳幼児等の舌によって保持され、上顎の吸啜窩に押し付けるように配置される。
このとき、図3に示すように乳首10の先端下側は、下に突出した略半球状となっている。
したがって、乳首10の上側が吸啜窩に沿って配置されることと併せて、乳首10は上側と下側が共に安定的に保持される。
特に、乳首の上側は、上顎の吸啜窩に沿って配置でき、広い面積で上顎側に保持され、下側も舌により確実に保持されるので、乳幼児等が、満足する「非栄養吸啜運動」を確保することができる。
図4に示すように、本実施の形態の乳首10の根元部側(座板30側)には、外側に拡径されて形成されるフランジ11が設けられている。
このフランジ11の機能等について、以下説明する。
これに対して、生後およそ7、8カ月(乳児期後期)以降になると、大人と同じように、舌が固有口腔内に位置するようになる。ここで、舌が固有口腔内に位置するとは、舌が歯槽(歯茎)や歯を越えて突出しない状態、換言すれば、舌が歯の内側に位置することを指す。
したがって、生後0カ月乃至5、6カ月くらい乳幼児等は大人と違い舌が固有口腔内に位置し難く、口唇が閉じ難い状態となっている。
すなわち、おしゃぶり1の乳首が根元部で10度の角度がついていることで、乳首10の根元部に一定の空間が生まれるため、上述のような乳幼児等であっても、舌を自然に動かすことが可能(蠕動様運動)となる構成となっている。
このフランジ11は、図1等に示すように、座板本体31と当接する構成となっている。このため、乳首10の根元部等が安定すると、座板本体31を含むおしゃぶり1全体を安定的に保持し易くなり、これがため、おしゃぶり1の乳首先端を、自己の哺乳窩に保持し易くなる。
なお、実施の形態の「フランジ11」は、乳首10の根元部に形成されている例で説明したが、本実施の形態は、これに限らず「フランジ11」が乳首10の根元及びその近傍に配置されても構わない。
このような状態を「ラッチオン(吸着)」と呼ぶが、図6に示す乳幼児等は、この「ラッチオン(吸着)」に近似した状態でおしゃぶり1を咥えている。
すなわち、その上口唇及び下口唇を外側に反り返して乳首10を咥え、反り返した上口唇と下口唇が座板30に当接している。
したがって、図6に示すようにおしゃぶり1を咥えている乳幼児等は、上口唇と下口唇とがおしゃぶり1を吸着しやすいために、おしゃぶり1が口から外へ落下等しにくくなり、その結果、安定的に「非栄養的吸啜運動」を持続させることができる。
この点、本実施の形態の乳首10は、フランジ11を有しているため、このフランジ11に乳幼児等の口唇を配置させることで、乳幼児等の口唇がおしゃぶり1により密着し易くなり、上述の「ラッチオン(吸着)」に近似した状態をとり易い構成となっている。
この点、本実施の形態のおしゃぶり1は、従来と異なり、乳首10が根元部から上顎に向かうように傾いて10度の角度がついているため、乳首10と舌との間に一定の空間が生まれるため、舌が歯槽より後方に位置するようになった乳幼児等でも舌を自然に動かしやすく、蠕動様運動をし易くなる。
図9は、図1の乳首10の概略断面図である。
図9に示すように、乳首10は内部に空洞部10bが形成されるように外側にシリコーンの肉厚部10aが形成され、この肉厚部10aの厚みは、図9に示すように、1.0mm乃至3.5mm程度となっている。
このように1mm未満又は3.5mm超とすると、乳幼児等の口腔内の動きを阻害し、おしゃぶり1全体の機能性を著しく低下させることになる。
ここで、「ショア硬さ」について説明する。
シェア硬さは、先端にダイヤモンド半球を取り付けたハンマーを所定の高さから試料表面に落とした時の跳ね返り高さで表される硬さである。
本実施の形態では、「ショアA」を基準とし、ショアAでは、数値が増えるほど、硬度が高くなる。
その結果、以下のような作用効果が生じたので、具体的に説明する。
図9に示すように、乳首10は、肉厚部10aと空洞部10bを有している。
このような構成の乳首10を図4に示すように、乳幼児等の口腔内に挿入して、乳幼児等が舌で上顎側に乳首10を押し当てて「非栄養吸啜運動」を行うと、乳首10の肉厚部10aが中央の空洞部10b側に移動する。
すると、たとえ肉厚部10aのシリコーン自体の硬度が低くても(柔らかくても)空洞部10bによる力の逃げ場がないため、空洞部10bを挟んで肉厚部10aが変形配置される場合に比べ、空洞部10bが介在せず、結果的に乳首10全体としては硬くなる。
このため、乳首10全体を柔らかく維持させることができる。
このように乳首全体を柔らかく維持することにより、吸啜窩に追従しやすく、蠕動様運動もスムーズに行うことができる。
図10に示すように、本実施の形態の乳首10の先端部と根元部のたわみに必要な力(N)は、従来品に比べて格段に低くなっていることがわかる。
本実施の形態の乳首10は、上述のように、全体として「やわらかい」構成となっていることは、図10に示すように、たわみ量に必要な力が小さくて済むことからも明らかである。
本実施の形態のおしゃぶり1の乳首10は、上述のような構成となっているが、おしゃぶり1は、図1等に示すように、乳首10が座板30に装着され、乳幼児等が、おしゃぶり1を使用する際は、乳首10を口腔内に配置させる。
したがって、口腔内に配置される乳首10と、口腔外に配置される座板30との重心バランスが崩れると、乳幼児等の使用中におしゃぶり1が、口唇から外れ落下等するおそれがある。
これでは、おしゃぶり1を利用する乳幼児等の心身の安静を促すことができない。
そこで、本実施の形態のおしゃぶり1は、乳首10と座板30との重心バランスが均衡するように構成されている。
本実施の形態のおしゃぶり1では、図11に示すように、双方の接続部分(例えば、乳首10の根元部等)を支点として重心バランスが均衡するような構成となっている。
具体的には、図11の座板30の重みに厚さを乗じた値と、乳首10の重みに長さを乗じた値を、これらの接続部分を支点として、釣り合いがとれている状態としている。
本実施の形態で、おしゃぶり1の重心バランスの支点を、双方の接続部分とした理由は、以下のとおりである。
出願人が多くの乳幼児等を観察した結果、乳幼児等は口唇とおしゃぶりとの接点を中心におしゃぶりを支えており、この接点に重心点があり、おしゃぶりの落下等を防いでいることを見出した。
そして、この接点が図11等のおしゃぶり1では、乳首10と座板30との接続部分となる。
なお、この接点としては、おしゃぶり1の乳首10と座板30との接続部分近傍であっても良く、好ましくはやや乳首10寄りであればなお、乳幼児等は、楽におしゃぶり1の落下を防ぐことができ、乳幼児等の負担が軽減される。
また、おしゃぶり1が重いと吸っているときに口から落ちないようにするため、口で咥えるために大きな力が必要となり、口に大きな負担がかかることになる。
そこで、本実施の形態のおしゃぶり1は、全体の重量を軽量化するため、特に座板30の構成を工夫している。
座板30を軽量化するためには、特に、座板30のうち、蓋33の構造が問題となっていた。
そこで、先ず、従来のおしゃぶりの蓋の構造から説明する。
図12に示すように、蓋は、おしゃぶりの乳首を固定保持するための「乳首固定用リブ235」を有している。また、蓋233はリング240を揺動可能に保持する必要がある。
このため、従来は、蓋233に配置されている乳首固定用リブ235にリング240のリング用シャフト241を配置するための溝を設け、乳首固定用リブ235が、「乳首」の固定のみならず「リング240」の保持も担う構成となっている。
すると、乳首固定用リブ235から乳首が脱落し、乳幼児等が乳首を誤飲等するおそれがあり、単純に軽量化することができないという問題があった。
すなわち、図12の蓋では、乳首固定用リブ235がリング240の保持の役割も担うため、複数のリブを設ける等、ある程度、複雑な構成としなければ、リング240を揺動可能に保持するのが困難という問題もあった。
そこで、かかる問題を解決すべく、本実施の形態では、以下のような構成の座板30を有するおしゃぶり1とした。
また、図13の蓋33は、固定部である例えば、乳首固定用リブ35及び座板固定用リブ34を有すると共に、リング用シャフト41を固定するためのリング保持部部であるリング用シャフト所持部36を有している。
すなわち、本実施の形態では、図12の従来の座板と異なり、乳首固定用リブ35がリング用シャフト41を固定する構成とはなっていない。
図14は、図13の座板本体31とリング40等との関係を示す概略図である。
図14に示すように、座板本体31の裏面側(図13のリング40側)には、乳首用開口31cの上側に、リング40のリング用シャフト41を揺動可能に収容できる凹部である「シャフト受け部31d」が形成されている。
また、本実施の形態では、図13や図14に示すように、リング40は、蓋33の乳首固定用リブ35で保持されていない点で、図12の従来の座板と相違する。
このため、本実施の形態では、図13に示すように、乳首固定用リブ35がリング用シャフト41の保持を担わないため、従来と異なり、乳首固定用リブ35を単純な構成(複数のリブではなく、単数のリブ等)とすることができ、これにより、乳首10の軽量化も図ることができ、ひいては、おしゃぶり1全体の軽量化を図ることができた。
図15は、図14の座板本体31の表面(乳幼児等の口唇が当接する側)の主な構成を示す概略図である。
図15に示すように、座板本体31には、その中央に図1等に示す乳首10を装着するための装着口である例えば乳首用開口31cが形成されている。
そして、この乳首用開口31cの図において、上側と下側には、乳首用開口31cの縁部から突起部32a、32bが2つ突出して形成されている。
すなわち、乳首10を乳首用開口31cに装着した際に、上側は、上口唇、下側は、下口唇を配置する場所に、これらの突起部32a、32bが形成されている。
このフランジ11は、乳首10を口腔内の配置したときに、乳幼児等の上口唇と下口唇が当接する部分であるため、乳幼児等がこれら上口唇と下口唇を配置し易いよう乳首10の外方に向かって膨らんで形成される構成となっている。
この隙間が乳幼児等の上口唇と下口唇の配置部分に生じると、おしゃぶり1の使用の際、乳幼児等の口唇が隙間に挟まる等の危険がある。
したがって、この乳首用開口31cに乳首10が挿入されると、突起部32a、32bが、図14に示すように、矢印Uで示す縦方向に乳首10を押す、すると、その力の反作用で、乳首10のフランジ11の部分が矢印Cで示すように、座板本体31側に近づくように移動する。
このように、乳首10が変形することで、フランジ11と座板本体31との間に隙間が発生することを未然に防止する構成となっている。
図17は、本実施の形態と異なり、座板310に形成されている座板開口310a、310bの形状が相違し、また、乳幼児等の口唇付近の蒸れを通す凹部300cの形状が相違するが、乳首10が上顎に向かうように10度傾いている等のその他の構成は、上述の実施の形態にかかるおしゃぶり1と同様である。
Claims (5)
- 利用者の口腔内に配置される乳首部と、
前記乳首部を保持する座板部と、を有し、
前記乳首部は、前記座板部から突出するように形成されると共に、利用者の口腔内に配置されたときに、利用者の上顎に向かうように傾いて形成され、
前記乳首部の少なくとも一部が、利用者の上顎に形成されている吸啜窩に配置される構成となっていることを特徴とするおしゃぶり。 - 前記乳首部は、内側に空洞部が形成されるように肉厚部が前記空洞部の外側に形成され、前記肉厚部を形成している材質の硬度は、前記乳首部が、利用者の口腔内で舌により上顎側に配置されたとき、前記空洞部を挟んで形成されている前記肉厚部同士が直接当接することを回避可能な硬度となっていることを特徴とする請求項1に記載のおしゃぶり。
- 前記座板部と前記乳首部は、両者の接続部分を支点として重心バランスが均衡するように構成され、
前記座板部は、座板本体と利用者が保持するためのリング部とを有すると共に、前記リング部と前記乳首部を前記座板本体に装着するための蓋部を有し、
前記蓋部には、前記蓋部を前記座板本体に装着させると共に、前記乳首部を前記座板本体とに装着させる固定部を有し、
前記リング部は、少なくとも、前記座板本体と前記蓋部のリング保持部によって保持される構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のおしゃぶり。 - 前記座板部には、前記乳首部を装着するための装着口が形成され、装着口のうち、利用者の口唇が当接する部分にのみ前記乳首部と前記座板部との隙間の発生を防止する突起部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のおしゃぶり。
- 前記乳首部の根元部、若しくは前記根元部及びその近傍に外方に向かって膨らんだ膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のおしゃぶり。
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