JP4049413B2 - カッティング装置のシート受け具 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、カッティング装置の加工台上で被加工シート材を短手方向に移動させながら切刃を長手方向へ移動させて被加工シート材を切り込む際に使用するシート端側の受け具に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
加工台上で被加工シート材を短手方向に移動させながら切刃を長手方向へ移動させて被加工シート材を切り込むカッティング装置は、加工台の両端部に送りローラを配置して被加工シート材を加工台の短手方向において送り出しと引き戻しを繰り返し、同時に切刃の高さ、角度移動距離等を選択させた切刃を加工台の上方で動作させることによって、被加工シート材に文字、記号、図形等任意の形状の切り込みが入れられるようになっている。
この装置に使用される被加工シート材は、シート体本体の裏面に剥離紙を貼着させた構成となっていて、切り込み加工を終了した被加工シート材は、所望の位置に貼着させた後、不要の部分及び剥離紙を除去して装飾乃至表示物として使用されることになる。
【0003】
この装置による加工台上での切り込み作業や被加工シート材の短手方向での移動は電気信号によって制御され、シート材が激しく往復運動を繰り返すため、この作業においては加工途中のシート材は切り込み作業を円滑にするために極力抵抗を受けない状態にしておく必要がある。
シート材の装置から出た部分を受け具に収容するようにすると作業スペースを節約できるが、頻繁に出入りするシート材が受け具と接触して静電気が発生すると、シート材が受け具に密着してしまう場合がある。またシート材には曲がり癖がついていることが多く、またカッティングによってすでに形成されている切り込み部分の強度が弱いため、加工台上を移動する際に抵抗がかかると容易にシート材が折れ曲がってしまうことになる。
そのため、従来の装置では受け具を設けないで加工台を一定の高さを保てる位置に設置し、移動するシート材を垂らして床面との間で無接触で自由に昇降させる方式が採用されている。
しかしながらシート材が長尺になると、床と接触を防止するために作業者がシート材の先端部を把持しながら作業を行わなければならない不都合がある。
【0004】
【技術的課題】
本発明は、カッティング装置の加工台上で被加工シート材を短手方向に移動させながら切刃を長手方向へ移動させて被加工シート材を切り込む際に使用するシート端の受け具において、被加工シート材を摩擦抵抗を極力抑制して円滑に巻き取れるようにすることを課題とする。
【0005】
【技術的手段】
この技術的課題を解決するための第一の技術的手段は、(イ)シート端側から巻き取って支持する凹形状のシート受け具を被加工シート材の下流側に配置し、(ロ)受け具の内側に加工台の短手方向と同方向に運動する搬送体の周面を臨ませること、である(請求項1参照)。
第二の技術的手段は、第一の技術的手段における搬送体に代えてまたはこれと併用して受け具に微振動付与装置を付設すること、である(請求項4参照)。
第三の技術的手段は、上記の技術的手段における受け具の装置側上端部と外側上端部のいずれか又はその双方に前進する被加工シート材の先端案内部を設けること、である(請求項5参照)。
第四の技術的手段は、第一の技術的手段における搬送体の運動方向が選択的に正逆方向へ切り換えられるようにすること、である(請求項6参照)。
【0006】
被加工シート材の下流側、即ちカッティング装置の出口側には、凹形状のシート受け具が配置されているために、シート材は、前進する際に受け具内に臨んで支持されることになる。
シート材は受け具の凹形状或いはその曲がり癖に従がって移動しようとするが、受け具の内側に臨ませられている搬送体と接触してシート材の前進が促され、受け具形状に従って容易に丸まることになる。
搬送体の周面は受け具の内側に臨んでいるために、これと接触するシート材は受け具の内側からわずかに浮き上がった状態となり、摩擦抵抗を極力抑制して円滑に巻き取りが行われることになる(請求項1参照)。
【0007】
受け具は板体やフレームを組み合わせたり、各種の素材からなる線条体を使用して形成することができ、シート体を屈曲して形成するようにしても良い。
搬送体の運動方向はシート材の可撓性、曲がり癖の強さ等を勘案し、受け具内でシート材を下向きに巻き取らせるのか、上向きに巻き取らせるのかによって決定する。通常は巻き取らせる方向と反対方向に運動させることになる。なお、シート材が軟らかくて巻き癖が弱い場合には、巻き癖に搬送体の運動方向をリンクさせなくてもシート材を巻き取らせることができる。
搬送体としては、自転をするローラや循環走行する無端ベルトを好適に使用することができる(請求項2参照)。これらの搬送体の数は、受け具の幅方向に複数個配置することが望ましいが、一本の長尺ローラを配置させても良い。また、搬送体列は少なくとも一列あれば良いが、受け具の凹形状に沿って複数列を配置することもできる。
【0008】
第一の技術的手段における搬送体の外側の周部を多角形に形成すると、受け具内を移動しようとするシート材は、受け具内で踊らされ、振動が与えられながら凹形状や曲がり癖に従って移動して容易に丸まり、みずから巻き取りを行うことになる(請求項3参照)。
なお、搬送体の運動方向は被加工シート材の巻き癖の強さ等を勘案して決定されるのが通例であるため、搬送体の運動方向を選択的に正逆方向へ切り換えられるようにしておくことによって、右巻き左巻きのいずれに巻き癖がついていても対応することができる(請求項6参照)。
【0009】
第一の技術的手段における搬送体に代え、或いは搬送体と併用して受け具に微振動付与装置が付設されると、受け具内を移動しようとするシート材は、受け具を介して微振動が付与され、受け具内で踊らされながらその凹形状や曲がり癖に従って移動して容易に丸まり、みずから巻き取りを行うことになる(請求項3参照)。
受け具に微振動付与装置を付設する場合には、振動がカッティング動作に影響を及ぼさないように、受け具をカッティング装置本体とは独立させておくことが望ましい。カッティング装置に受け具を支持させる場合には免振手段を介しておく必要がある。
【0010】
受け具の装置側上端部や外側上端部に前進する被加工シート材の先端を巻き取り方向に導くための案内部を設けることによって、シート材の受け具内における巻き取りを円滑に行わせることができる(請求項4参照)。
シート材に上向きの巻き癖がついている場合には、受け具の外側上端部に内側へ向けた案内部を設けることによって、受け具の凹形状に沿って屈曲しようとするシート材の先端部を強制的に内側へ向かせて巻き取りを促進する。
またシート材に下向きの巻き癖がついている場合には、シート材の先端部を受け具の外側寄りの位置から受け具内に導けるように受け具の装置側上端部に内方に向けた案内突起を設け、シート材を強制的外側から進入させて内側へ向かせて巻き取りを促進する。
【0011】
【発明の効果】
被加工シート材を摩擦抵抗を極力抑制して円滑に巻き取れる結果、シート材をカッティング装置から垂らすことなく切り込み作業を行うことができ、装置本体の位置を考慮する必要はなく、卓上においても作業が行える利点がある。
シート材を円滑に巻き取らせるため、加工作業中にシート材が折れる心配はなく、効率よく作業を行える利点もある。
【0012】
【実施の形態】
図1はカッティング装置に適用するシート受け具1の斜視図である。シート材は矢印a方向で移動して受け具1内に臨むようにカッティング装置に取りつけてある。
本実施形態では、受け具1は、上部を開放させた円弧枠状の板体2、2を多数個並列させ、フレーム3、3で支持させて凹状の受け部5を形成した構成を採用している。また搬送体としては、受け部5の底部には長手方向(板体と直交する方向)に二本の軸体6、6を平行に配置し、板体2、2の間において各軸体6にゴム製ローラ7を取り付け、その周面を受け部5の内側に臨ませてたものを使用している。図示しない駆動装置によって軸体6を駆動させるとローラ7、7は同方向に自転運動をするようになっている。
【0013】
図2の一点鎖線で示したたように、矢印a方向に上向き(右向き)の曲がり癖が付いたシート材10が移動してくると、その先端部を上向きにしたまま受け部5の装置側端部8を通過した段階でやや下向き(矢印b参照)に移動して下向きとなる(二点鎖線参照)。なおも前進して先端部が下降し(矢印c参照)て受け部5の底部に達すると、左向きに自転するローラ7、7に接触して前進が促されて右向きに丸まることになる(三点鎖線参照)。
シート材は、曲がり癖のない場合や緩く下向きの曲がり癖がついている場合にも、同様にして自ら巻き取りを行うことになる。
シート材10の曲がり癖が大きかったりシート材に硬さがある場合には、シート材10の先端部は板体2の外側端部9の案内部11に当接して受け部5内に円滑に進入させられる。
【0014】
シート材10に下向きの曲がり癖がある場合には、図3に示した板体12を使用する。この板体12には、装置側端部8に内方へ向けた案内突起13を設け、シート材の先端部が板体12の外側寄りの位置から円滑に受け部5内に進入させられるようにしている。この場合ローラの自転方向は、原則的には右向きにしておくことになる。
板体12の外側上端部9にはアーム14が取りつけてあり、下向きの曲がり癖が大きい場合であってもシート材10を円滑に受け部5内に安定できるようにしている。
【0015】
図3では案内突起13を固定式にした構成を採用しているが、この突起13を板体12の上部に揺動を可能にして取りつけ、水平方向に突出した位置と受け部5内に突出させない位置とに選択できるように構成しておくと、板体12を上下いずれの方向に強い曲がり癖のあるシート材にも対応させることができる。
【0016】
なお、図2に示した板体2の外側端部9に図3に示したアームと同様のアームを取りつけておくと、シート材の上向きの曲がり癖が大きくても、板体2を乗り越えずに受け部5内に進入させられる。
図2、3の板体の外側上下にアームを取り付ける場合には、いずれもアームの傾斜角度を変更できるようにしておくことが望ましい。
【0017】
受け具として如何なる素材や構造を採用した場合でも、シート材と受け具との接触によってわずかな静電気が生じるおそれがあるため、静電気除去塗料を塗布したりアースを取り付けてこれをも除去乃至軽減できるようにしておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】受け具の斜視図
【図2】受け具の側面図
【図3】受け具を構成する板体の他の実施例における側面図
【符号の説明】
1受け具、 2、12板体、 3フレーム、 5受け部、 7ローラ、 10シート材、 11、13、14案内部
Claims (6)
- カッティング装置の加工台上で被加工シート材を短手方向に移動させながら切刃を長手方向へ移動させて被加工シート材を切り込む際に使用するシート端の受け具であって、シート端側から巻き取って支持する凹状のシート受け具を被加工シート材の下流側に配置すると共に、受け具の内側に加工台の短手方向と同方向に運動する搬送体の周面を臨ませた受け具。
- 搬送体が自転ローラ又は循環無端ベルトである請求項1に記載の受け具。
- 搬送体の外周部に凹凸を形成した請求項1に記載の受け具。
- 搬送体に代え又は搬送体の運動と併用して受け具に微振動付与装置を付設した請求項1又は2に記載の受け具。
- 受け具の装置側上端部と外側上端部のいずれか又はその双方に前進する被加工シート材の案内部を設けた請求項1、2、3又は4に記載の受け具。
- 搬送体の運動方向が選択的に正逆方向へ切り換えられるようにした請求項1、2又は3に記載の受け具。
Priority Applications (1)
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JP17882897A JP4049413B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | カッティング装置のシート受け具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH10329095A JPH10329095A (ja) | 1998-12-15 |
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ID=16055382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17882897A Expired - Fee Related JP4049413B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | カッティング装置のシート受け具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4049413B2 (ja) |
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1997
- 1997-05-29 JP JP17882897A patent/JP4049413B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10329095A (ja) | 1998-12-15 |
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