JP4049228B2 - 座席のシートトッパー材および座席 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は座席のシートトッパー材およびそのシートトッパー材で覆われた座席に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の座席は、図4に示すように、モールド成形されたポリウレタン発泡体成形品等からなる座席本体部51の表面を、シートトッパー材(カバー材)61で覆った構成とされることが多い。
【0003】
従来のシートトッパー材61は、座席本体部51へ被せる際の装着し易さおよび座席使用時におけるシートトッパー材61表面の皺の発生低減等の点から、ニットやモケット等で構成される表面材の裏側に軟質発泡体が接着されたもの、あるいは前記軟質発泡体の裏側に不織布等からなる裏面材の接着されたもの等が用いられている。
【0004】
また最近になって、乗り心地性、ソフトな表面感触性、通気性や吸湿性の向上のため、繊維綿を前記軟質発泡体に代えて表面材の裏側に設けることが提案されている。その場合の繊維綿としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維等の化学繊維、あるいは木綿、ジュート、サイザル、ラミー等の天然繊維からなるものを挙げることができる。特にそれらの中でも、廉価で安定的に入手できるポリエステル繊維からなる化学繊維綿が一般的である。
【0005】
しかし、前記化学繊維綿や天然繊維綿を用いる従来のシートトッパー材は燃え易く、自動車用内装材、特にはシートトッパー材に求められる難燃性、FMVSS−302の規格を満たすのは容易ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、乗り心地性、感触性、通気性、吸湿性に優れるのみならず、難燃性にも優れる座席のシートトッパー材およびそのシートトッパー材で覆われた座席を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、限界酸素指数(L.O.I値)が28〜40の難燃性繊維綿を化学繊維綿に難燃性繊維/化学繊維=20/80〜50/50の重量比で混綿させた重量200〜600g/m 2 、厚み5〜10mmの繊維綿からなるパッド材を表面材と裏面材間に設けたことを特徴とする座席のシートトッパー材に係る。
【0008】
請求項2の発明は、限界酸素指数(L.O.I値)が28〜40の難燃性繊維綿を化学繊維綿に難燃性繊維/化学繊維=20/80〜50/50の重量比で混綿させた重量200〜600g/m 2 、厚み5〜10mmの繊維綿からなるパッド材を表面材と裏面材間に設けたシートトッパー材により、弾性体からなる座席本体部の表面を覆ったことを特徴とする座席に係る。なお、請求項1および請求項2の発明における「座席」は、座部に限られず背もたれ部であってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面を用いてこの発明を説明する。図1はこの発明の一実施例に係るシートトッパー材の部分断面図、図2はこの発明の一実施例に係る座席の断面図、図3は図2のA部分の拡大断面図である。
【0010】
図1に示す請求項1の発明のシートトッパー材11は、図2および図3に示す請求項2の発明に係る座席21のように、所要の座席形状(座部形状または背もたれ形状)に形成された弾性発泡体製の座席本体部22の表面に被着されるものである。座席本体部22は、従来の技術の項で示した座席本体部51と同様のものからなる。このシートトッパー材11は、パッド材12を表面材13と裏面材14間に設けて接着剤15で一体としたものであって、縫製等により所要形状にされて座席本体部22の表面に被せられ、接着剤等で固定される。
【0011】
パッド材12は、難燃性繊維綿を化学繊維綿に混綿させた繊維綿からなる。難燃性繊維綿としては、発生ガスによる酸欠タイプのものや溶融滴下タイプのもの等、公知のものが用いられ、限界酸素指数(L.O.I値)が27以上のもの、一般的には28〜40のものが好ましい。なお、限界酸素指数は、ASTM−D−2863−74に定められるもので、燃焼雰囲気の酸素と窒素の混合比を変化させて、物質が燃焼するのに必要な最低酸素量を意味する。酸欠タイプの例としては、塩化ビニルとポリビニルアルコールの共重合物からなって限界酸素指数が28〜33、軟化点が180〜200℃である、商品名:コーデラン(興人製)、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合物からなって限界酸素指数が28、軟化点が150℃である、商品名:カネカロン(鐘淵化学製)、難燃化合物とアクリロニトリルの共重合物からなって限界酸素指数が29、軟化点が190℃である、商品名:ルフネン(日本合成繊維製)等があり、また溶融滴下タイプの例としては、リン化合物の難燃化成分とポリエステルの共重合物からなって限界酸素指数が28、軟化点が230〜240℃である、商品名:ハイム(東洋紡製)がある。その他の使用できる難燃性繊維綿として、塩化ビニル繊維からなって限界酸素指数が35〜37である、商品名:テビロン(帝人製)、熱溶融性促進型難燃ポリエステル繊維からなる、商品名:テトロンエクスター(帝人製)も挙げられる。
【0012】
混綿する難燃性繊維綿と化学繊維綿とは、何れも太さが1〜20d(デニール)、カット長が30〜80mmのもの、特には前記範囲で同じ太さおよびカット長のものが、良好な乗り心地性、ソフトな表面感触性、通気性や吸湿性を得られる点で好ましい。また、難燃性繊維綿と化学繊維綿との重量比は、前記乗り心地性や表面感触性および通気性等の座席性能を損なわず、しかも良好な難燃性を得るには、難燃性繊維綿/化学繊維綿=20/80〜50/50が好ましく、さらに経済性も考慮すれば、20/80〜30/70が特に好ましい。
【0013】
また、混綿させた原綿からパッド材としての繊維綿を製造する方法は、公知の方法により混綿させた原綿を開繊機、カード機、クロスレイヤー機を通してウェブを作り、このウェブを重ねてニードルパンチする通常の方法により得られる。このようにして得られる繊維綿、すなわちパッド材12としては、重量200〜600g/m2 、厚み5〜10mmのものが、良好な乗り心地性、ソフトな表面感触性、通気性や吸湿性の点で好ましい。
【0014】
表面材13は、このシートトッパー材11を座席本体部22に被せた際に、座席表面を構成するもので、ニット、モケット、織物等、適宜の材質からなる。
一方、裏面材14は、前記パッド材12を保護するとともに、このシートトッパー材11を座席本体部22に被せる際の作業性を良好とするためのもので、不織布やトリコット等適宜の材質からなる。
前記表面材13と裏面材14をパッド材12に接着する接着剤15としては、エマルジョン接着剤、ホットメルト系接着剤(フィルムタイプおよび溶融液タイプ)等種々のものが用いられる。
【0015】
前記構成のシートトッパー材11が被せられる座席本体部22は、モールド成型等により所要の座席形状(座部形状あるいは背もたれ部形状)に形成されたポリウレタン発泡体等の弾性体からなる。
【0016】
表1には、この発明のシートトッパー材の実施例1〜5と比較例についてその構成とFMVSS−302規格に基づく難燃性テストの結果を示す。なお、FMVSS−302規格に基づく難燃性テストの判定は、最大燃焼速度が10cm/分以下または難燃、不燃であれば合格である。難燃性における括弧内の数字は最大燃焼速度である。また、この実施例1〜5および比較例における表面材はニット、裏面材は30g/m2 のポリエステル不織布である。接着剤は実施例1〜4および比較例については反応型ポリウレタンホットメルト接着剤のコーティング、実施例5についてはポリウレタンホットメルトフィルムの溶着である。
【0017】
【表1】
【0018】
表1から明らかなように、実施例1〜5のシートトッパー材については、いずれもFMVSS−302規格に基づく難燃性テストにおいて合格したのに対し、比較例は不合格であった。また、実施例1〜5のシートトッパー材においては表面感触がソフトであり、通気性および吸湿性についてJIS−L−1096規格に基づく試験を行ったところ何れも良好であった。
【0019】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のシートトッパー材によれば、難燃性繊維綿を化学繊維綿に混綿した繊維綿よりなるパッド材を表面材と裏面材間に設けたため、難燃性が優れたものとなるのみならず、ソフトな感触性、通気性および吸湿性についても優れたものとなる。また、この発明のシートトッパー材で座席本体部面を覆った座席においては、難燃性、ソフトな感触性、通気性および吸湿性に優れ、車両等の座席として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るシートトッパー材の一部を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係る座席の断面図である。
【図3】図2のA部の拡大断面図である。
【図4】一般的な座席の断面図である。
【符号の説明】
11 シートトッパー材
12 パッド材
13 表面材
14 裏面材
15 接着剤
21 座席
22 座席本体部
61 従来のポリエステル繊維100 %使用の一般的なシートトッパー材
Claims (2)
- 限界酸素指数(L.O.I値)が28〜40の難燃性繊維綿を化学繊維綿に難燃性繊維/化学繊維=20/80〜50/50の重量比で混綿させた繊維綿からなる重量200〜600g/m 2 、厚み5〜10mmのパッド材を表面材と裏面材間に設けたことを特徴とする座席のシートトッパー材。
- 限界酸素指数(L.O.I値)が28〜40の難燃性繊維綿を化学繊維綿に難燃性繊維/化学繊維=20/80〜50/50の重量比で混綿させた繊維綿からなる重量200〜600g/m 2 、厚み5〜10mmのパッド材を表面材と裏面材間に設けたシートトッパー材により、弾性体からなる座席本体部の表面を覆ったことを特徴とする座席。
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JP36710297A JP4049228B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 座席のシートトッパー材および座席 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36710297A JP4049228B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 座席のシートトッパー材および座席 |
Publications (2)
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JPH11178672A JPH11178672A (ja) | 1999-07-06 |
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Family Applications (1)
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JP36710297A Expired - Lifetime JP4049228B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 座席のシートトッパー材および座席 |
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-
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- 1997-12-24 JP JP36710297A patent/JP4049228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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