JP4048709B2 - ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材を穿孔するのに用いられるドリルに関し、例えば、プリント基板や、微少な金属部品、プラスティック等の被削材に小径深穴の孔部を穿孔するのに用いられる小型のドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被削材の穿孔に用いられるドリルの一例として、図3(a)に示すように、回転軸線O周りに回転されるドリル1の刃先部2の周面に、刃先部2の先端から基端側に向けて回転軸線O周りにねじれる2条の切屑排出溝3,4が形成されたものがある。
これら2条の切屑排出溝3,4は、そのねじれ角α1,α2が同一、かつ刃先部2の先端から基端まで一定となっており、互いに回転軸線Oを中心とした略対称に位置するように形成されている。さらに、この2条の切屑排出溝3,4は、刃先部2の長手方向においてほぼ同じ位置で切れ上がっており、各切れ上がり部3A,4A(切屑排出溝3,4において、最も刃先部2の基端側に位置する部分)は、刃先部2の回転軸線O方向の先端側から見て、回転軸線Oを中心として略対称に位置している、すなわち、図3(b)の説明図で示すように、各切れ上がり部3A,4Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが約180゜とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなドリルを用いて被削材を穿孔すると、各切れ上がり部3A,4Aが回転軸線Oを中心として互いに略対称に位置するような状態となっていることから、各切屑排出溝3,4によって誘導された切り屑が互いに約180°異なる方向、すなわち互いに反対方向に排出されることになる。このように切り屑が約180°異なる方向に排出されると、刃先部2の切刃で延びるようにして生成された切り屑同士が互いに絡みあいやすくなって、ドリル1の刃先部2やシャンク部あるいはチャック部に巻き付き、この絡み合った切り屑によって被削材の表面が損傷したり、ドリルの折損などの原因となるおそれがあった。
【0004】
とくに穴径が1mm以下、かつ穴深さと穴径との比が5以上となるような小径深穴加工に用いられる小型のドリル1では、その回転数を高く、例えば10万回転以上に設定するために、切屑排出溝3,4から排出される切り屑がより絡みやすくなって、上記のような問題が顕著になる。
【0005】
さらに、被削材としてプリント基板を穿孔する場合には、上記のような小径深穴加工用でドリル1の回転数が高いことに加え、なおかつプリント基板の上面に貼り付けられたあて板の浮き上がりを防止するために、プレッシャフットであて板を押さえつけながら穿孔することになる。このため、切屑排出溝3,4によって誘導された切り屑がプレッシャフットによってドリル1の径方向外側への飛散が妨げられて、プレッシャフットの内部で絡み合いやすくなり、上記のような問題が特に顕著になってしまう。
【0006】
本発明は、上述のような課題に鑑みて、排出される切り屑を絡みにくくすることができるドリルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるドリルは、刃先部の周面に該刃先部の先端から基端側に向けて回転軸線周りにねじれる複数の切屑排出溝が形成されているドリルにおいて、前記刃先部を前記回転軸線方向の先端側から見たときに、前記切屑排出溝の切れ上がり部と前記回転軸線とをそれぞれ結ぶ線がなす狭角のうちで最大のものが90°以下とされていることを特徴とする。
【0008】
このような構成とすると、複数の切屑排出溝の切れ上がり部が、刃先部の周方向においてほぼ同じ位置に揃うことになり、複数の切屑排出溝によって誘導された切り屑の排出される方向をほぼ同一の方向に揃えることができる。これにより、切り屑同士は干渉しあうものの、ほぼ同一の方向に排出されることで、切り屑同士を絡み合いにくくすることができる。
【0009】
また、上記狭角のうちで最大のものが90゜より大きいと、切り屑の排出される方向をほぼ同一の方向に揃えることができず、切り屑が絡みやすくなる。
また、上記狭角のうちで最大のものは、好ましくは60゜以内とされ、より好ましくは30゜以内とされるのがよい。このような範囲に限定すると、切り屑が排出される方向をより揃えることができる。
【0010】
また、本発明は、穿孔する穴の穴径が1mm以下、かつ穴深さと穴径との比が5以上である小径深穴加工に用いられるような小型のドリルである場合のように、ドリルの回転数が高く、切り屑同士が絡み合いやすい場合に効果的である。
【0011】
さらに、プリント基板に小径深穴の孔部を穿孔するような場合のように、ドリルの回転数が高く、プレッシャフットによって切り屑がドリルの径方向外側に飛散するのが阻害されているような場合にとくに効果的である。
【0012】
また、本発明によるドリルは、複数の切屑排出溝がそれぞれ互いに異なるねじれ角をもつとともに、刃先部の基端側で切屑排出溝同士が重なり合うように一致して、それぞれの切れ上がり部も一致するように構成されていてもよい。
このような構成とすると、刃先部の基端側に向かうにしたがい、切屑排出溝同士が一致するように近づきあうので、刃先部の芯厚を基端側に向かうにしたがい大きく確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例としての小型ドリルを添付した図面を用いて説明する。
図1(a)は本発明の第一実施形態による小型ドリルの側面図、(b)は(a)に示す小型ドリルの刃先部を軸直交断面で見たときに切屑排出溝の切れ上がり部の位置関係を示す説明図である。
【0014】
本発明の第一実施形態による小型ドリル10は刃先部11とシャンク部とから構成され、刃先部11は図1に示すように、例えば直径0.05〜1mmの小径で略円柱状とされており、その先端から基端まで同一の外径Dをもつようなストレートタイプとされている。
【0015】
刃先部11は、その先端から基端側に向けて回転軸線Oを中心に刃先部11の外周面に開口し、所定の溝深さをもつ2条の切屑排出溝12,13が螺旋状に形成されており、全長に亘り一定の芯厚をもつ。
各切屑排出溝12,13は、それぞれのねじれ角β1,β2が同一とされ、かつ刃先部11の先端から基端まで一定とされているものであり、これにより2条の切屑排出溝12,13が回転軸線Oを中心として互いに略対称に位置している。
【0016】
また、2条の切屑排出溝12,13のうち、一方の切屑排出溝13は他方の切屑排出溝12よりも、刃先部11の周面で約半周分長く回り込むように形成されている。すなわち、2条の切屑排出溝12,13のそれぞれの切れ上がり部12A,13A(切屑排出溝12,13において、最も刃先部11の基端側に位置する部分)について、刃先部11の回転軸線O方向の先端側から見て、図1(b)に示すように、各切れ上がり部12A,13Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが90゜以下、例えば10゜になるように設定されている。言い換えると、2条の切屑排出溝12,13の切れ上がり部12A,13Aの位相のずれが90゜以下、例えば10゜になるように設定されている。
【0017】
切屑排出溝12,13の小型ドリル10の回転方向Tを向く壁面の先端側領域をすくい面14,14とし、該すくい面14,14と刃先部11の先端逃げ面15との交差稜線部には切刃16,16が形成されている。
【0018】
また、ここで、刃先部11は、その外径Dが1mm以下、なおかつ、刃先部11の有効刃長L(刃先部11の他方の切屑排出溝12の切れ上がり部12Aまでの長さ)と外径Dとの比L/Dは5以上となるように形成されており、この小型ドリル10は穴径が1mm以下、かつ穴深さと穴径との比が5以上となるような小径深穴加工に用いられる。
【0019】
上記のような構成とされた本第一実施形態では、例えば10万回転程度の高い回転数で回転させられながら、被削材の穿孔が行われるが、2条の切屑排出溝12,13の各切れ上がり部12A,13Aが刃先部11の周方向でほぼ同じ位置となるように形成されているために、切屑排出溝12,13によって誘導された切り屑がともに、ほぼ同一方向に排出されることになる。
このことにより、切屑排出溝12,13から排出される切り屑同士は互いに接触して、干渉はするものの、絡み合うことを防止できる。それゆえ、従来のように絡み合った切り屑が、刃先部11やシャンク部、チャック部に巻き付くことが少なくなり、被削材の表面の損傷やドリルの折損を防止できる。
【0020】
とくにプリント基板に小径深穴の孔部を穿孔する場合のように、プレッシャフットによって小型ドリル10の周囲が囲われて、ドリルの径方向外側への切り屑の逃げ場がないときに、効果的である。
また、狭角θは0゜に近づくほど好ましく、一方、90゜より大きくなると、切り屑の排出される方向をほぼ同一に揃えることができず、上記のような効果が得られなくなる。
さらに、この狭角θは60゜以下とされるのが好ましく、より好ましくは30゜以下とされるのがよい。
【0021】
次に、本発明の第二実施形態による小型ドリルについて説明する。図2(a)は本第二実施形態による小型ドリルの側面図、(b)は(a)に示す小型ドリルの刃先部を軸直交断面で見たときに切屑排出溝の切れ上がり部の位置関係を示す説明図である。なお、本第二実施形態による小型ドリルは第一実施形態とほぼ同様の構成とされ、第一実施形態と同様の部分については同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0022】
本発明の第二実施形態による小型ドリル20は、図2(a)に示すように、その刃先部21の先端から基端側に向けて回転軸線Oを中心に刃先部11の外周面に開口する2条の切屑排出溝22,23が螺旋状に形成されている。
2条の切屑排出溝22,23は、それぞれ異なる一定のねじれ角γ1,γ2で形成されており、一方の切屑排出溝22のねじれ角γ1が、他方の切屑排出溝23のねじれ角γ2よりも大きくなっている。
【0023】
これにより、刃先部21の先端側では、2条の切屑排出溝22,23は回転軸線Oを中心として、互いに略対称な位置に形成されているが、刃先部21の基端側に向かうにしたがい、一方の切屑排出溝22と他方の切屑排出溝23とが互いに近づいて、それぞれの切れ上がり部22A,23Aでは、切屑排出溝22,23同士が重なり合って一致している。
【0024】
すなわち、刃先部21の先端側では、図2(a)における位置Aの断面図で示すように、切屑排出溝22,23が回転軸線Oに対して互いに対称に位置しており、刃先部21の長手方向の略中心部では、位置Bの断面図で示すように、切屑排出溝22,23が刃先部21の周方向で互いに少し近づいた状態となり、刃先部21の長手方向の略中心部から基端よりの部分では、位置Cの断面図で示すように、切屑排出溝22,23が刃先部21の周方向でさらに互いに近づいて切屑排出溝22,23同士が連通した状態となり、刃先部21の基端側では、位置Dの断面図で示すように、切屑排出溝22,23が重なりあって一致し、その各切れ上がり部22A,23Aは同一とされている。
【0025】
このとき、本第二実施形態において、刃先部21の回転軸線O方向の先端側から見て、図2(b)に示すように、各切屑排出溝22,23の切れ上がり部22A,23Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θは0゜となる。
【0026】
また、刃先部21の先端部では、2条の切屑排出溝22,23によって芯厚が薄くなっているが、刃先部21の基端側に向かうにしたがい2条の切屑排出溝22,23が互いに刃先部21の周方向で近づくことにより、その芯厚部分が刃先部21の基端側に向かうにしたがい大きく確保されている。
【0027】
上記のような構成とされた本第二実施形態による小型ドリル20によれば、第一実施形態による小型ドリル10と同様に、切屑排出溝22,23から排出される切り屑の方向を同じ方向に揃えて、切り屑を絡みにくくすることができ、さらに、刃先部21の基端側に向かうにしたがい、その芯厚を大きくとることができて、ドリルの剛性を高く保つことができる。
これにより、絡み合った切り屑が小型ドリル20の刃先部21やシャンク部、チャック部に巻き付くことで、被削材の表面に損傷を与えたり、刃先部21が折損したりするのを防止でき、さらに刃先部21の剛性を高く保つことができて、ドリルの直進性が得られ、穴加工精度が安定する。
【0028】
なお、本第一実施形態では、2条の切屑排出溝12,13の溝深さが一定とされているが、刃先部11の基端側に向かうにしたがい浅くなるようにして、刃先部11の剛性を高めるようにしてもよい。言い換えると、本第一実施形態では、その刃先部11の芯厚が先端から基端側にかけて一定とされているが、基端側に向かうにしたがい徐々に芯厚を大きくしてもよい。
【0029】
また、本実施形態においては、回転軸線O周りにねじれる切屑排出溝12,13,22,23のねじれ角β1,β2,γ1,γ2を刃先部11,12の先端から基端まで一定としたが、そのねじれ角β1,β2,γ1,γ2を先端から基端側に向かうにしたがい連続的に変化させてもよい。
【0030】
また、本実施形態においては、刃先部11,21の周面に2条の切屑排出溝12,13,22,23が形成されたものであるが、これに限定されることなく、3条以上形成されていてもよい。
【0031】
また、本実施形態においては、切屑排出溝12,13,22,23がその全長に亘って螺旋状にねじれて形成されたものであるが、これに限定されることなく、刃先部11,21の先端側ではねじれずに刃先部11,21の長手方向に沿って直線状に形成され、基端側のみでねじれて螺旋状に形成されることにより、切れ上がり部12A,13A,22A,23Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角が90゜以下とされるようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、外径Dが1mm以下、有効刃長Lと外径Dとの比L/Dが5以上とされ、小径深穴加工用の小型ドリルとして説明されているが、この範囲に限定されることなく、刃先部の外径Dが1mmより大きい、あるいは有効刃長Lと外径Dとの比L/Dが5より小さいドリルであってもよい。
【0033】
また、本実施形態においては、刃先部11,21の外径Dがその先端から基端まで一定とされたストレートタイプのドリルについて説明したが、これに限定されることなく、刃先部11,21の外径が先端から基端側に向かうにしたがい、徐々に小さくなるようなバックテーパを有するドリルでもよい。
【0034】
また、さらに、本実施形態においては、刃先部11,21はその先端から基端まで一定の外径Dをもつドリルについて説明したが、刃先部11,21が、その先端部分に位置する第一刃先部と、第一刃先部の後端側に位置し、第一刃先部の外径Dより小さい外径をもつ第二刃先部とから構成されるようなアンダーカットタイプのドリルでもよい。
【0035】
【実施例】
各種の構成を有する小型ドリル(実施例1〜4、比較例1,2、従来例)を用いて穴明け試験を行い、得られた結果から切り屑の絡み付き防止性能を比較した。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004048709
【0037】
実施例1〜4、比較例1,2及び従来例は共通して、刃先部に2条の切屑排出溝が形成され、刃先部の外径Dが先端から基端まで一定の0.3mmであるストレートタイプで、有効刃長Lが約5mm、先端角135゜の小型ドリルを用いた。
【0038】
実施例1〜3は2条の切屑排出溝12,13の各ねじれ角β1,β2が同一の35゜であり、回転軸線O方向の先端側から見て、切屑排出溝12,13の各切れ上がり部12A,13Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが90゜以内に設定されたものであり、実施例4は2条の切屑排出溝22,23の各ねじれ角γ1,γ2が35゜,31゜とそれぞれ異なっており、刃先部21の基端側で2条の切屑排出溝22,23が重なり合うように一致して、各切れ上がり部22A,23Aも一致している(刃先部21の先端から約4.7mmの位置で切屑排出溝22,23が完全に一致)、すなわち、回転軸線O方向の先端側から見て、各切れ上がり部22A,23Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが0゜とされたものである。
【0039】
また、比較例1,2は2条の切屑排出溝12,13の各ねじれ角β1,β2が同一の35゜であり、回転軸線O方向の先端側から見て、各切れ上がり部12A,13Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが90゜より大きく設定されたものである。
また、従来例は2条の切り屑排出溝3,4の各ねじれ角α1,α2が同じく35゜と同一であり、切屑排出溝3,4の各切れ上がり部3A,4Aが回転軸線Oを中心として対称に位置している、すなわち、回転軸線O方向の先端側から見て、各切れ上がり部3A,4Aと回転軸線Oとを結ぶ線がなす狭角θが180゜とされたものである。
【0040】
なお、実施例1〜4、比較例1,2及び従来例では、2条の切屑排出溝の各ねじれ角は、刃先部の先端から基端まで一定とされ、2条の切屑排出溝の溝深さ及び溝幅もほぼ一定とされいる。ただし、実施例4では、刃先部21の基端側で、2条の切屑排出溝22,23が重なり合うように一致するために、溝幅が多少広くなっている部分が存在する。
【0041】
上記のような、各種の構成を有する小型ドリル(実施例1〜4、比較例1,2及び従来例)を10本ずつ用い、被削材(厚み0.2mmのBTレジンの両面板を12枚重ねたもの)にあて板(厚み0.2mmのLE400)と敷板(厚み1.6mmのベークライト樹脂板)をつけ、プレッシャフットによってあて板を押さえつけながら穴明け加工を行って、それぞれ2000穴加工後に切り屑の絡み付きが発生していた小型ドリルの本数を測定した。
また、そのときの加工条件は、ドリルの回転数が120000min-1(rpm)、送り速度が0.020mm/rev.であり、ステップ送りはしなかった。
ここで、表1に示す絡み付き発生頻度とは、各種構成の小型ドリルを10本ずつ用いて、それぞれ2000穴加工後に、10本の小型ドリルのうちで切り屑の絡み付きが発生していた小型ドリルの本数を示す。
【0042】
表1に示すように、狭角θが90゜以下に設定されている実施例1〜4では絡み付きが発生した本数が1本以下と、絡み付きを防止する効果が高かった。とくに狭角θが60゜以下に設定されている実施例1,2,4は絡み付きが発生した本数が0本と、切り屑の絡み付きを防止する性能がより高く、顕著な効果がみられた。
【0043】
また、狭角θが110゜、150゜と本発明の範囲よりも大きい比較例1,2は、切り屑が排出される方向を揃えることができず、切り屑の絡み付きが発生した本数が5本以上となり、切り屑の絡み付きを防止する効果は得られなかった。
【0044】
さらに、狭角θが180゜とされている従来例では、切り屑が排出される方向を全く揃えることができないので、10本中10本に切り屑の絡み付きが発生しており、切り屑の絡み付き防止性能がとくに悪いことがわかる。
【0045】
以上のように、狭角θが90゜以下に設定されている実施例1〜4は、本発明の範囲よりも狭角θが大きい比較例1,2及び従来例1と比較して、切り屑の絡み付きが発生せずに、絡み付き防止性能が高かった。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の小型ドリルによれば、複数の切屑排出溝の切れ上がり部が、刃先部の周方向でほぼ同じ位置に配されていることにより、切り屑の排出される方向をほぼ同じ一つの方向に設定できることにより、排出される切り屑が互いに干渉しあうものの、絡みにくくすることができるので、従来のように、切り屑がドリルの刃先部やシャンク部に巻き付き、これに起因して刃先部の折損が生じたり、被削材にダメージを与えたりすることを防止できる。
【0047】
また、穴径が1mm以下、かつ穴深さと穴径との比が5以上とされ、ドリルの回転数が高い小型のドリルにおいては、その効果を顕著に発揮できる。
さらに、被削材としてプリント基板を穿孔する場合のように、プレッシャフットを用いて排出される切り屑が絡みやすい状況であるときには、その効果をより顕著に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第一実施形態による小型ドリルを示す側面図であり、(b)は(a)に示す小型ドリルの刃先部を軸直交断面で見たときに切屑排出溝の切れ上がり部の位置関係を示す説明図である。
【図2】 (a)は本発明の第二実施形態による小型ドリルを示す側面図であり、(b)は(a)に示す小型ドリルの刃先部を軸直交断面で見たときに切屑排出溝の切れ上がり部の位置関係を示す説明図である。
【図3】 (a)は従来のドリルを示す側面図であり、(b)は(a)に示すドリルの刃先部を軸直交断面で見たときに切屑排出溝の切れ上がり部の位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 小型ドリル
11 刃先部
12,13,22,23 切屑排出溝
12A,13A,22A,23A 切れ上がり部
14 すくい面
15 先端逃げ面
16 切刃
α1,α2,β1,β2 ねじれ角
θ 狭角
D 外径
L 有効刃長

Claims (2)

  1. 刃先部の周面に該刃先部の先端から基端側に向けて回転軸線周りにねじれる複数の切屑排出溝が形成されているドリルにおいて、
    前記刃先部を前記回転軸線方向の先端側から見たときに、前記切屑排出溝の切れ上がり部と前記回転軸線とをそれぞれ結ぶ線がなす狭角のうちで最大のものが90°以下とされていることを特徴とするドリル。
  2. 請求項1に記載のドリルにおいて、
    前記切屑排出溝はそれぞれ互いに異なるねじれ角をもつとともに、それぞれの切れ上がり部が一致していることを特徴とするドリル。
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