JP4048346B2 - 精製1,2−ブタジエンの製造方法 - Google Patents

精製1,2−ブタジエンの製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、精製1,2−ブタジエンの製造方法に関し、さらに詳しくは、エチルアセチレン(すなわち、1−ブチン)と1,2−ブタジエンとを含有する混合液から、蒸留により実質的にエチルアセチレンを含有しない精製1,2−ブタジエンを製造する方法に関する。
背景技術
従来より、1,2−ブタジエンは、スチレンブタジエンゴム(SBR)やポリブタジエン(BR)などのブタジエン系ポリマーを製造する際に、その分子量を制御する目的で使用されている。
一方、エチルアセチレンなどのアセチレン類は、重合阻害物質として知られており、例えば、アルカリ金属触媒や遷移金属触媒を用いたブタジエン系ポリマーの重合において、触媒の活性を阻害する。
したがって、連鎖移動剤として使用される1,2−ブタジエンには、エチルアセチレンなどのアセチレン類が含まれていないことが要求される。
ところで、1,2−ブタジエンは、1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの最終段階における蒸留において、高純度の1,3−ブタジエンを低沸点物(溜出液)として分離した後の残り部分の中に、すなわち高沸点物の中に比較的多く含まれている。
この高沸点物中には、1,2−ブタジエンとエチルアセチレンとが含まれている。エチルアセチレンは、高沸点物中に通常1重量%以上、また1,2−ブタジエンに対して重量比で通常0.1以上含まれているエチルアセチレンをこのような濃度で含有する1,2−ブタジエンを連鎖移動剤として使用することはできない。
ところが、1,2−ブタジエンとエチルアセチレンは、沸点が互いに近似しているため、蒸留による分離が極めて困難であり、工業的には、効率的な分離は事実上不可能であると考えられていた。そのため、前記高沸点物は廃液(Waste liquid)として処分されていた。
発明の開示
本発明の目的は、1,2−ブタジエンとエチルアセチレンを含有する混合液から、蒸留により、エチルアセチレンを分離して、実質的にエチルアセチレンを含有しない精製1,2−ブタジエンを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、エチルアセチレンと1,2−ブタジエンと2−ブテンとを特定割合で含有する混合液を蒸留することによって、エチルアセチレンと2−ブテンとが共沸し、エチルアセチレンを効率よく留去できることを見いだした。
かくして、本発明によれば、エチルアセチレン、1,2−ブタジエン及び2−ブテンを含有する混合液で、該混合液中に2−ブテンが40〜90重量%含有するものを蒸留することによって、エチルアセチレンを留去する工程を含む、精製−1,2−ブタジエンの製造方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
本発明の製造方法は、エチルアセチレン、1,2−ブタジエン及び2−ブテンを含有する混合液で、該混合液中に2−ブテンが40〜90重量%含有するものを蒸留することによって、エチルアセチレンを留去する工程を含む。
本発明に用いる混合液は、エチルアセチレン、1,2−ブタジエン及び2−ブテンを含有するものである。
該混合液は、2−ブテンを、混合液中に40〜90重量%、好ましくは、50〜80重量%含んでいることが必要である。
混合液中の2−ブテンが少なすぎると、エチルアセチレンを1,2−ブタジエンから効率よく分離することができない。一方、2−ブテンが多すぎると、精製1,2−ブタジエン中に多量の2−ブテンが残存する。
2−ブテンとして、トランス−2−ブテン及びシス−2ブテンが挙げられる。混合液中に、2−ブテンとして、トランス体だけ又はシス体だけが含まれていてもよいし、両方が含まれていてもよい。エチルアセチレンとの共沸蒸留をさせやすい点で、シス体だけあるいはシス体が多く含まれているのが好ましい。
エチルアセチレンの混合液中の含有量は、特に限定されないが、1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比で、通常、0.02以上、好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.1〜1である。
エチルアセチレンが該重量比であれば、2−ブテンとの共沸が起きやすくなり、エチルアセチレンの留去が容易になる。
該混合液には、1,2−ブタジエンとの沸点差が大きいものであれば、C4成分やC5成分などの炭化水素が含まれていてもよい。これら炭化水素としては、メチルアセチレン、ビニルアセチレンなどのごときエチルアセチレン以外のアセチレン類;1,3−ブタジエン、1−ブテン、イソブテン、n−ブタン、アレン、イソブタン、プロピレン、プロパンなどが挙げられる。これら炭化水素は、混合液中で、通常4〜20重量%、好ましくは8〜15重量%、程度含有していてもよい。
本発明に用いる混合液中の各成分の具体的な濃度は、1,2−ブタジエンが好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%であり、エチルアセチレンが好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%である、混合液中の2−ブテン濃度は、40〜90重量%であり、好ましくは50〜80重量%である。混合液中にこれらの成分が上記の範囲内で存在する場合に、エチルアセチレンと2−ブテンとの共沸が効率よく起こるので好ましい。
該混合液は、その調製方法によって特に限定されない。該混合液は、例えば、1,3−ブタジエンの分離精製プロセスで得られる高沸点物(1,2−ブタジエンとエチルアセチレンとを含有するもの)に2−ブテンを加えることによって、あるいは該高沸点物中に2−ブテンが前記濃度で含有されるように、該分離精製プロセスでの運転条件を制御することによって得られる。
本発明において混合液を蒸留する方法は、特に限定されず、例えば、蒸留の操作型式として、泡鐘トレイや多孔板トレイで仕切られた棚段塔型式、ラシヒリングなどを充填した充填塔型式、サーモサイフォン式やケトル式などのリボイラー型式などが挙げられる。
本発明における蒸留工程を、図1を参照しながら具体的に説明する。蒸留塔(棚段塔)1の上段から前記混合液fを管2を通して供給し、蒸留を行う。蒸留塔の段数は、通常、50〜100段程度であるが、必要に応じて、増減させることができる。蒸留塔の塔底では、リボイラー11により塔底液を加熱して、気化させる。リボイラーは、例えば、多管式であって、スチームsを管10を通して導入するように構成されている。塔底液は、管13を通してリボイラー11へ取り出し、加熱してから管12を通して塔底へ戻す。これにより蒸留塔を加熱する。塔底温度は、通常、50〜70℃程度にする。
蒸留塔の塔頂からは、エチルアセチレンと2−ブテンを含有する低沸点成分が留出する。塔項温度は、通常、30〜50℃程度で、塔頂圧力は、通常、4〜5kg/cmAbs程度とする。塔頂ガスは、管3からコンデンサー4に導かれて冷却・凝縮される。コンデンサー4は、例えば、多管式であって、冷却水を導入するように構成されている。凝縮液の温度は、通常、30〜50℃となるように、コンデンサーの運転条件を制御する。コンデンサー4で凝縮された凝縮液は、管5を通して、還流塔6に導かれ、その一部は管8を通して蒸留塔1の塔頂に還流される。この場合の還流比は、通常、10〜20程度である。残りは、管9から低沸点成分hとして系外に排出される。
蒸留塔1の下方の側部からは、高沸点成分をサイドカットして管15からコンデンサー16に導き、そこで、サイドカットしたガスを冷却水により冷却し、管17を経て、精製1,2−ブタジエンを製品pとして取り出す。塔底からは塔底液を管14を通して、廃液wとする。
本発明の製造方法により得られる精製1,2−ブタジエンは、エチルアセチレンを実質的に含有していない。精製1,2−ブタジエン中のエチルアセチレンは、1,2−ブタジエンに対して重量比で0.02以下、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.005以下である。1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比が0.02以下程度になれば、その精製1,2−ブタジエンを連鎖移動剤として使用することができる
本発明の方法により得られる精製1,2−ブタジエン中には、1,2−ブタジエンが、通常50重量%以上、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上含まれている。そして、残りの成分として、2−ブテンやC5成分などが残存することがある。2−ブテン及びC5成分は触媒毒とはならないので、連鎖移動剤としての使用を妨げるものではない。
本発明では、混合液として、1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの最終段階で得られる高沸点物を使用することができる。そこで、以下に、代表的な1,3−ブタジエン分離精製プロセスを説明する。
ナフサ分解油などのC4炭化水素留分には、一般に、プロハン、プロピレン、イソブテン、アレン、n−ブタン、イソブテン、1−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1,3−ブタジエン、メチルアセチレン、1,2−ブタジエン、ビニルアセチレンなどの各種炭化水素が含まれている。C4炭化水素留分からアセチレン類などの重合阻害物質を含まない重合級の1,3−ブタジエンを回収するには、通常、沸点差を利用した蒸留工程と、溶解度差を利用した抽出蒸留工程とを組み合わせたプロセスが採用されている。具体的には、(1)抽出溶媒に難溶解性の炭化水素を除去するための第一抽出蒸留工程、(2)抽出溶媒に易溶解性の炭化水素を除去するための第二抽出蒸留工程、(3)低沸点物を除去するための第一蒸留工程、及び(4)高沸点物を除去するための第二蒸留工程を組み合わせた分離精製プロセスが挙げられる。
この分離精製プロセスには、抽出溶媒の放散工程や精製・洗浄工程が配置されており、さらに、アセチレン類などの重合阻害物質を化学反応により除去する工程などが付加されていることがある。
より具体的に、図2を参照しながら、代表的な1,3−ブタジエンの分離精製プロセスについて説明する。ただし、図2では、分離精製プロセスを簡明に示すために、例えば、再沸器(リボイラー)、凝縮器(コンデンサー)、熱交換器、冷却器、ポンプ、蒸留塔及び抽出蒸留塔での循環回路などが省略されている。
図2に示すように、ガス化したC4炭化水素混合液を管21から第一抽出蒸留塔Aの中段に供給し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの抽出溶媒を管45から供給して、第一段目の抽出蒸留を行う。この第一段目の抽出蒸留工程では、1,3−ブタジエンより抽出溶媒に対する溶解度が小さい炭化水素からなるラフィネートが、塔頂から管22を経て除去される。ラフィネートの主成分は、ブテン類である。第一抽出蒸留塔内の圧力は、通常1〜15気圧、塔底温度は、通常100〜180℃である。抽出蒸留塔の段数は、適宜設定できるが、C4炭化水素留分を使用する場合には、通常100〜300段、多くの場合200段程度である。
第一抽出蒸留塔Aの塔底からは、1,3−ブタジエンを含む抽出液が取り出され、管23を経てプレ放散塔Bの上部に供給される。プレ放散塔Bでは、炭化水素が部分的に溶媒から放散され、管24を経て、第二抽出蒸留塔Eに送られる。プレ放散塔Bの塔底液は、管25を経て第一放散塔Cの塔頂に供給され、炭化水素が溶媒から放散される。第一放散塔の塔底から抽出溶媒が回収され、第一抽出蒸留塔Aに循環される。第一放散塔の塔頂からの炭化水素は、管28を経て第二抽出蒸留塔Eの塔底に供給される。プレ放散塔B及び第一放散塔Cは、塔内圧力が通常1〜2気圧で、塔底温度がその圧力における溶媒の沸点の条件で操作することができる。
第二抽出蒸留塔Eには、主として1,3−ブタジエン及び1,3−ブタジエンより抽出溶媒に対する溶解度が大きな炭化水素が供給される。抽出溶媒が管37を経て第二抽出蒸留塔Eの塔頂より数段下の箇所に供給される。第二抽出蒸留塔の塔頂の蒸気は、微量の不純物を含む1,3−ブタジエンであり、凝縮器により還流され、残りの部分は、管29を経て第一蒸留塔Hに送られる。第二抽出蒸留塔Eの塔底の主として抽出溶媒からなる液は、最初に管33を経てブタジエン回収塔Fに送られ、次いで、管34を経て第二放散塔Gに送られ、そこで残りの炭化水素が抽出溶媒から放散される。第二放散塔Gの塔底からの抽出溶媒は、熱交換により冷却され、管36を経て第一抽出蒸留塔A及び第二抽出蒸留塔Eに戻される。第二放散塔Gの塔頂の蒸気は、凝縮器により還流され、凝縮されないガスは、管35から燃料ガス系へと排出される。第二抽出蒸留塔及び第二放散塔の操作条件は、それぞれ第一抽出蒸留塔及び第一放散塔の操作条件と同様である。
二段階の抽出蒸留によっても、いまだ少量の不純物が1,3−ブタジエン留分中に存在するので、これらの不純物を蒸留により除去する。第一蒸留塔Hでは、1,3−ブタジエンより低沸点の不純物が除去される第一蒸留塔Hの塔頂の蒸気は、部分的に凝縮されて還流され、その残部は、燃料ガス系に送られる。第一蒸留塔Hの塔底の流れは、管30を経て第二蒸留塔Iに送られる。第二蒸留塔Iの蒸留物は、管31を経て1,3−ブタジエン製品として供給される。第二蒸留塔Iの塔底の流れは、通常、廃液とされる。各蒸留塔の操作条件は、塔内圧力が1〜15気圧で、塔内温度がその圧力における沸点で操作することができる。蒸留塔の段数は、適宜設定できるが、C4炭化水素留分を使用する場合、通常、50〜200段、多くの場合100段程度である。抽出溶媒は、溶媒精製塔Jに送られ、水洗されて精製された溶媒は、管44を経て抽出蒸留塔に還流され、水及び廃液は、管40を経て、水は管41から排出され、廃液は管43から排出される。
抽出溶媒としては、共役ジエンを溶解抽出することができる溶媒であって、アミド化合物、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、N−ホルミルモルホリンなと共役ジエンの抽出蒸留に関する技術分野で一般に使用されている各種溶媒が使用される。これらの抽出溶媒の中でも、アミド化合物が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が特に好ましい。抽出溶媒の使用量は、C4炭化水素混合液100重量部に対して、通常、100〜1,000重量部、好ましくは200〜800重量部である。抽出溶媒は、各抽出蒸留塔(カラム)の炭化水素混合液の供給位置よりも上段の位置から塔内に供給される。
本発明では、前記1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの最終段階で、第二蒸留塔Iの塔底から排出される廃液(高沸点物)を、精製1,2−ブタジエンの原料として使用することができる。また、本発明の方法は、この第二蒸留工程の後工程として付加的に配置することができる。
最終段階の第二蒸留工程で得られる高沸点物の組成は、高沸点物の1,2−ブタジエン、エチルアセチレンなどを含むが、2−ブテンなどのその他の炭化水素成分の含有量は、各抽出蒸留工程及び蒸留工程での操作条件を変更することにより、変動させることができる。具体的には、第一抽出蒸留工程での抽出溶剤量を増やしたり、第一抽出蒸留工程から第二抽出蒸留工程への抽出物(エクストラクト)の供給量を増やしたり、蒸留塔Iにおいて、塔底液の排出量を増やすなどの方法により、高沸点物中の2−ブテンの濃度を増大させることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
[実施例1]
抽出溶媒としてDMFを用いた1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの操作条件を調整して、蒸留塔Iから高沸点物として、1,3−ブタジエン5.0重量%、シス−2−ブテン75.4重量%、エチルアセチレン2.4重量%、1,2−ブタジエン14.2重量%及びC5炭化水素成分3.0重量%を含有する混合液を回収した。この混合液を、図1に示す蒸留塔1(段数65段)の25段に管2を通して供給した。塔底液は、多管式のリボイラー11にスチーム約1.8T/Hを通して加熱気化させ、塔頂ガスは、多管式コンデンサー4に冷却水を通して冷却凝縮させた。このときの凝縮液の温度は40℃であり、塔頂の圧力は約4kg/cmであった。凝縮液のうち約695kg/Hは系外に排出し、ボイラーで燃焼させ、残りの約10T/Hは、還流として塔頂に戻した。53段のガス約171kg/Hを蒸留塔1からサイドカットし、コンデンサー17に冷却水を通して凝縮させ、管18から精製1,2−ブタジエン製品として取り出した。塔底からは約2kg/Hで塔底液を抜き出し、ボイラーで燃焼させた。結果を表1に示す。
Figure 0004048346
表1に示すように、精製1,2−ブタジエン製品中のエチルアセチレン濃度は0.2重量%にまで低下し、1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比は0.003と極めて小さなものとなった。
[比較例1]
蒸留塔に供給する混合液として、1,3−ブタジエン51重量%、2−ブテン(シス−及びトランス混合液)10重量%、エチルアセチレン6重量%、1,2−ブタジエン30重量%及びC5炭化水素成分3重量%を含む炭化水素混合液を使用したこと以外は、実施例1と同じ操作条件で蒸留を行った。
この蒸留操作により得られた1,2−ブタジエン製品中のエチルアセチレン濃度は15重量%であり、1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比は0.19と大きかった。したがって、2−ブテンをエチルアセチレンの濃度以上の割合で存在させても、その濃度が充分に高くないと、エチルアセチレンを効率的に分離することができないことが分かる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、エチルアセチレン、1,2−ブタジエンを含有する混合液から、蒸留によりエチルアセチレンを分離して、実質的にエチルアセチレンを含有しない精製1,2−ブタジエンを回収することができる。本発明の方法は、1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの一部として組み込むことが可能であり、それによって、従来廃液として処理されていた高沸点物から、連鎖移動剤として有用な精製1,2−ブタジエンを得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の蒸留工程を示すフロー図であり、第2図は、C4炭化水素混合液を原料とする抽出蒸留を含む1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの代表的なフロー図である。

Claims (9)

  1. エチルアセチレン、1,2−ブタジエン、2−ブテンを含有する混合液で、該混合液中に2−ブテンが40〜90重量%含有するものを蒸留することによって、エチルアセチレンを留去する工程を含む、精製1,2−ブタジエンの製造方法。
  2. 1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比が0.1以上である請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比が0.1〜1.0である請求の範囲第1項記載の製造方法。
  4. 混合液が、1,3−ブタジエンの分離精製プロセスの最終段階における高沸点物除去のための蒸留により得られた高沸点物、又は
    該高沸点物に2−ブテンを添加したものである請求の範囲第1項記載の製造方法。
  5. 1,2−ブタジエンに対するエチルアセチレンの重量比が0.02以下である精製1,2−ブタジエンを得る請求の範囲第1項記載の製造方法。
  6. 精製1,2−ブタジエンが、50重量%以上の1,2−ブタジエンを含有するものである請求の範囲第1項記載の製造方法。
  7. 混合液が、1,2−ブタジエンを5〜30重量%、エチルアセチレンを1〜10重量%、2−ブテンを40〜90重量%の各濃度で含有する炭化水素混合液である請求の範囲第1項記載の製造方法。
  8. 2−ブテンが、シス体だけ、あるいはシス体が多く含まれるものである請求の範囲第1項記載の製造方法。
  9. 蒸留における、環流比を10〜20に設定する請求の範囲第1項の製造方法。
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