JP4048310B2 - トレーラヒッチ対応のボディ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用車等の車両においてトルーフ後部に設けられるトレーラヒッチに対応するためのボディ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両では、たとえば図3に示したようにトランクルーム等を構成するトルーフ1の後部にトレーラヒッチ2が設けられる。このトレーラヒッチ2は、他の車両等を牽引するためのもので、そのフック2aに牽引用ロープ等を引っ掛けるようになっている。したがって、トレーラヒッチ2はそれ自体の剛性ばかりでなく、ボディとの間の取付けもしくは結合強度が要求される。
【0003】
従来、トレーラヒッチを付設するための対応策として、開発段階で設計図面ドラフトおよびその評価に基づき応力分散や耐久力向上を図るようにボディの板厚を厚くしたり、あるいは別物のリインフォースを追加し、またはリインフォースを拡大する等の手段をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板厚を厚くし、あるいはリインフォースを追加する等の場合、生産技術上の制約があり、また質量(重量)や原価等の観点から実質的に採用が困難であった。また、生産の途中から対応しようとする場合には、設備の改善等を余技なくされるため、日程、費用等の点で難しい。
【0005】
この発明は以上の点に鑑み、簡単かつ低コストでトレーラヒッチに対応可能なトレーラヒッチ対応のボディ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のトレーラヒッチ対応のボディ構造は、トルーフ後部に設けられるトレーラヒッチに対応するためのボディ構造であって、トルーフの両側部にヒッチサイドバーがルーフサイドインナとトルーフアッパとトルーフロアとに設けた取付用ブラケットを介してルーフサイドインナ、トルーフアッパおよびトルーフロアを経由するかたちで付設されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、上記構成において、ヒッチサイドバーを後付け可能としている。
【0007】
この発明によれば、特別な補強用の別物ブラケットの追加や板厚の厚肉化を行うことなく、取付用ブラケットを介してヒッチサイドバーを取付固定することができる。これにより設備の小改善のみだけで有効かつ確実にトレーラヒッチ容量を高めることができる等、低コストで効果的にトレーラヒッチに対応することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、この発明によるトレーラヒッチ対応のボディ構造の好適な実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、この実施形態におけるトランクルーム等を構成するトルーフまわりを示している。トルーフ1の後部には、図示のようにトレーラヒッチ2が設けられる。トレーラヒッチ2自体の構成は従来のものと同じであってよく、その中央部に設けたフック2aに牽引用ロープ等を引っ掛けるようになっている。
【0010】
この発明のトレーラヒッチ対応のボディ構造にあっては、ルーフサイドインナ3からトレーラヒッチ2の端部付近まで延設するように、ヒッチサイドバー4を付設し、または付設し得るようになっている。ヒッチサイドバー4は、たとえば断面円形の金属製パイプ材からなり、トルーフ1の内面に取り付けられる。
【0011】
ヒッチサイドバー4は、複数の取付用ブラケットを介して固定される。この例ではルーフサイドインナ3、トルーフアッパ1aおよびトルーフロア1bを経由するかたちでヒッチサイドバー4が付設される。図示のようにトランクルームの内側壁に沿って概略鍵状もしくは「く」の字状に配置される。ヒッチサイドバー4の一端4aはルーフサイドインナ3に、また他端4bはトルーフロア1bにそれぞれ固定される。
【0012】
図2はヒッチサイドバー4の具体的な取付構造例を示している。ルーフサイドインナ3、トルーフアッパ1aおよびトルーフロア1bのそれぞれに取付用ブラケット5,6,7が設けられ、これらのブラケット5,6,7を介してヒッチサイドバー4が付設される。各ブラケット5,6,7はそれぞれ、ボルトもしくは溶接等によってボディの所定部位に固着される。ヒッチサイドバー4には、これらのブラケット5,6,7に対応して取付部8,9,10が備えられており、各取付部8,9,10はそれぞれ、ボルト11,12あるいはナット13によってブラケット5,6,7に締結される。
【0013】
ここで、図2のようにトルーフ1の両側部に2つのヒッチサイドバー4を付設してもよく、いずれか一方側だけにヒッチサイドバー4を付設してもよい。このようにヒッチサイドバー4を付設する場合、予めボディの所定部位に取り付けておいてもよいが、必要に応じて後付けすることもできる。
【0014】
上記構成において、トレーラヒッチ2のフック2aに牽引用ロープ等を引っ掛けて牽引するときに外力荷重Fが働くと、トレーラヒッチ2とトルーフ1の間で負荷f(太線矢印参照)が生じる。この負荷fは、トルーフ1まわりのボディに沿ってルーフサイドインナ3まで伝達する。この発明によれば、上記のようにヒッチサイドバー4が付設されることにより、トルーフ1まわり全体の強度剛性が高められており、外力荷重Fに基づく負荷fを有効に受け持つことができる。
【0015】
従来では特別な補強用の別物ブラケットを追加したり、あるいは板厚の厚肉化を行うことで対応していたが、この発明によれば、取付用ブラケット5,6,7を介して簡単にヒッチサイドバー4を取付固定することができる。これにより設備の小改善を行うだけで有効かつ確実にトレーラヒッチ2の容量を高めることができる。
【0016】
また、ヒッチサイドバー4を後付け可能としたことにより、ユーザの使用条件に合わせて適宜取り付けられる。このようにヒッチサイドバー4の選択使用を容易に実現し、ユーザの負担軽減を図るとともに設備の最小限の変更で有効に対応することができる。
【0017】
なお、上記実施形態におけるヒッチサイドバー4の断面形状等は円形の場合に限らず、たとえば角パイプ材により構成することができる。また、パイプ材の他にたとえば帯状の板材により構成することも可能である。また、ヒッチサイドバー4の配置形状は、図示例の鍵状等に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、この種のトレーラヒッチ対応のボディ構造において実質的に既存構造を維持したまま、最小限の変更で有効かつ確実にトレーラヒッチ対策を実現することができる。また、設備の小改善だけで済むことに加え、ユーザのニーズにも十分に対応することができ、結果的にコストの低減を図ることができる等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のトレーラヒッチ対応のボディ構造の実施形態におけるトルーフまわりを示す斜視図である。
【図2】この発明のトレーラヒッチ対応のボディ構造の実施形態における具体的構成例を示す分解斜視図である。
【図3】従来のトレーラヒッチ対応のボディ構造におけるトルーフまわりを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 トルーフ
1a トルーフアッパ
1b トルーフロア
2 トレーラヒッチ
2a フック
3 ルーフサイドインナ
4 ヒッチサイドバー
5,6,7 取付用ブラケット
8,9,10 取付部
11,12 ボルト
13 ナット

Claims (2)

  1. トルーフ後部に設けられるトレーラヒッチに対応するためのボディ構造であって、
    トルーフの両側部にヒッチサイドバーがルーフサイドインナとトルーフアッパとトルーフロアとに設けた取付用ブラケットを介してルーフサイドインナ、トルーフアッパおよびトルーフロアを経由するかたちで付設されていることを特徴とするトレーラヒッチ対応のボディ構造。
  2. 前記ヒッチサイドバーは後付け可能であることを特徴とする、請求項1に記載のトレーラヒッチ対応のボディ構造。
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