JP4048092B2 - 枚葉印刷機の給紙装置及び該装置に使用される紙押さえ部材 - Google Patents

枚葉印刷機の給紙装置及び該装置に使用される紙押さえ部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枚葉印刷機の給紙装置の改良に関し、特に、積層された枚葉紙をその最上位のものから順次一枚ずつ分離して前方に送り出す機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種枚葉印刷機における給紙装置は、積層された枚葉紙をその最上位のものから順次一枚ずつ分離して前方に送り出す分離送出手段と、該分離送出手段から分離状態にて送り出された枚葉紙を印刷部まで搬送する搬送手段とを備えている。
【0003】
分離送出手段は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けて紙さばきを行うブロアーと、該ブロアーによって下方のものから上方に分離された最上位の枚葉紙を吸着して前方に所定距離送り出すサクション装置と、該サクション装置によって前方に所定量送り出された最上位の枚葉紙を上下に挟み込んでその回転により搬送手段としてのフィーダボード上に送り出す送出手段としての送出ローラとを備えている。尚、サクション装置は、枚葉紙の後部を吸着して枚葉紙を前方に押し出すように構成されている。
【0004】
このように、この種の給紙装置にあっては、ブロアーから噴出するエアによって最上位の枚葉紙を上方に浮上させて二枚目以下のものと分離するが、このブロアーのエア量が多すぎると、枚葉紙全体が大きくばたついて安定性が悪くなり、サクション装置による吸着も安定しない一方、エア量が逆に少なすぎると、最上位の枚葉紙が十分に浮上せず、吸着不良が生じるおそれもある。
【0005】
そこで、紙送り不良を少なくするために、そのサクション装置による吸着部分の左右両側(枚葉紙の幅方向の両側)に紙押さえ部材を載置してその重量で枚葉紙を安定させると共に、枚葉紙の浮上量を左右両紙押さえ部材間の領域において局部的に大きくしてサクション装置が確実に吸着することができるようにした構成のものもある。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−186074号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この紙押さえ部材は紙送り方向(枚葉紙の前後方向)に沿って平行に載置されているため、枚葉紙は両紙押さえ部材間で局所的に略蒲鉾状に上方に膨出し、従って、サクション装置による吸着には適している。しかしながら、枚葉紙の前部においては、その左右両隅部における浮上量が少なくなりやすため、枚葉紙の前部が給紙装置の構成部材に引っかかって枚葉紙が正常な状態で前方に送り出されなかったり、また、二枚目の枚葉紙が最上位の枚葉紙と共に送出ローラで挟持されたりするおそれが生じる。何れにしても、枚葉紙の前部における浮上量が少ないことが要因となって紙送り不良が発生するおそれがある。これを防止するためにブロアーによるエア量を増加すれば枚葉紙の前部における浮上量が増加して最上位の枚葉紙を分離させやすくなるが、枚葉紙が全体的にばたつく結果、逆にサクション装置による吸着動作が不安定となる。
【0008】
また、紙押さえ部材を載置していても、例えば、給紙速度が高速である場合などでは、その載置した位置が左右方向(枚葉紙の幅方向)に位置ずれするおそれもあり、紙送りが安定しない。紙押さえ部材を重くすると位置ずれは起こりにくくはなるが、逆にサクション装置への負荷は大きくなるため、結果として紙送り不良が生じやすくなる。
【0009】
更に、枚葉紙を積層するための紙載せ台を一旦下降させて枚葉紙を積層した後に所定の高さまで上昇させる際、給紙装置に取り付けられた紙押さえ部材が正規の状態で枚葉紙上に載置されないこともあり、その場合、紙押さえ部材によって正確に枚葉紙を下方に押さえることができないため紙送り不良の要因となる。
【0010】
このように、紙押さえ部材を載置することで紙送り不良は改善されるものの、それでもブロアーのエア量の調整は必ずしも容易ではなく経験も要するものであり、また、紙押さえ部材を枚葉紙上の所定位置に確実に安定して位置させる必要もあり、より一層の改善が望まれていた。
【0011】
そこで、本発明は、紙送り不良を従来以上に防止することのできる枚葉印刷機の給紙装置及びそれに使用される紙押さえ部材を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、積層された枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ手段を備え、該紙押さえ手段は、ブロアーによって最上位の枚葉紙の下方に送り込まれたエアを枚葉紙の後部においては枚葉紙の幅方向のうちサクション装置の吸着位置近傍に集中させると共に、該集中させたエアを幅方向に拡散させて枚葉紙の前部に到達させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
該給紙装置にあっては、紙押さえ手段が枚葉紙を下方に押さえることにより、枚葉紙の後部においては、サクション装置の吸着位置近傍にエアが集中するので、サクション装置の吸着位置が局所的に上方に膨出してその部分の浮上量が十分に確保される。従って、サクション装置は最上位の枚葉紙を確実に吸着して前方に送り出すことができる。そして、枚葉紙の後部において集中したエアがその後幅方向に拡散して枚葉紙の前部に到達するように紙押さえ手段が枚葉紙を下方に押さえるので、最上位の枚葉紙の前部においては、その下方に幅方向全体に亘ってエアが存在する。従って、最上位の枚葉紙の前部は幅方向全体に亘って浮上して二枚目から確実に分離した状態となり、最上位の枚葉紙は、給紙装置の構成部材に引っかかったりすることなく前方へと確実に送られる。
【0014】
特に、紙押さえ手段が、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材である場合において、該紙押さえ部材の重量分布が紙送り方向に沿って変化していることが好ましい。
【0015】
この構成においては、紙押さえ部材の重量により枚葉紙を押さえる紙押さえ力を生じさせるので、それ以外の種々の紙押さえ手段の構成、例えば、積層される枚葉紙の上方から枚葉紙の上面に向けてエアを噴出して紙押さえ力を発生させるような非接触式の構成や、紙押さえ部材と同様に接触式であるものの板バネ等のバネ力を利用して枚葉紙を下方に押さえるもの等の構成等に比して、紙押さえ手段の構成が簡易である。しかも、重力を利用する構成であるため安定した紙押さえ力を容易に確保することができ、また紙押さえ力の調整も容易である。そして、その紙押さえ部材の重量分布が紙送り方向に沿って一定ではなくてその重量分布に変化を持たせる構成であるため、必要な部分のみを重点的に重くすることで紙押さえ部材全体の重量増加を抑制でき、サクション装置に過度の負担がかかることを防止できる。
【0016】
また、紙押さえ部材は、紙送り方向に略直線状に伸びていることが好ましい。紙押さえ部材の平面形状を紙送り方向に沿って変化させることによりその紙押さえ部材の重量分布を紙送り方向に沿って変化させる構成とすることもできるが、紙送り方向に略直線状に伸びた紙押さえ部材とすることにより、枚葉紙を前方に送り出す際、紙送りの抵抗が少ないという利点がある。尚、略直線状の紙押さえ部材の重量分布を紙送り方向に沿って変化させる構成としては、紙送り方向に沿ってその厚みを変化させる構成の他、紙送り方向に沿って紙押さえ部材の比重を変化させる構成であってもよい。
【0017】
また、紙押さえ部材は、帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられることにより、その重量分布が紙送り方向に沿って変化した構成とされていることが好ましく、重量付加物の大きさや材質を設定することによって紙押さえ部材の重量分布を高精度に変化させることができる。
【0018】
また、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材が設けられ、該紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し且つ、前側よりも後側の重量が相対的に大きく構成されていることを特徴とする。
【0019】
該給紙装置にあっては、紙押さえ部材の後側が前側よりも相対的に重く構成されているため、枚葉紙の後部においては、ブロアーから最上位の枚葉紙の下方に送り込まれるエアを両紙押さえ部材間に集中させることができ、従ってサクション装置は確実に枚葉紙の後部を吸着することができる。また、紙押さえ部材の前側は後側よりも相対的に軽いため、枚葉紙の後部において局所的に集中したエアを枚葉紙の前部において幅方向に拡散させることができる。従って、枚葉紙の前部を幅方向略全体に亘って浮上させることができ、枚葉紙の前部が給紙装置の構成部材に引っかかったりすることなく良好に紙送りされる。
【0020】
また、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材が設けられ、該紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し且つ、紙送り方向の重量分布が調節可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】
該構成の給紙装置にあっては、枚葉紙の紙質、厚さ、紙送り方向の長さや幅、紙送り速度等の種々の条件に合わせて紙押さえ部材の重量分布を調節して最適な重量分布に設定することができ、ブロアーから最上位の枚葉紙の下方に送り込まれたエアの動きを容易にコントロールすることができる。このように各種の条件に合わせて紙押さえ部材の重量分布を最適化することにより、枚葉紙の後部においてはサクション装置の吸着位置近傍の浮上量を十分に確保する一方、枚葉紙の前部においては枚葉紙を幅方向略全体に亘って浮上させることが容易であり、従って紙送り不良を容易に防止することができる。
【0022】
特に、紙押さえ部材は、紙送り方向に伸びる帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられ、該重量付加物の帯状体への取付位置がその長手方向に調節可能であることが好ましい。該構成の場合、枚葉紙の紙質、厚さ、紙送り方向の長さや幅、紙送り速度等の種々の条件に合わせて重量付加物の取付位置を調節して最適な重量分布に設定することが容易である。
【0023】
更に、紙押さえ部材は枚葉紙の幅方向に位置調節可能であることが好ましく、最上位の枚葉紙の下方に送り込まれたエアの動きをより一層細やかにコントロールすることができる。
【0024】
また、紙押さえ部材の左右方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止手段とを備えていることが好ましい
【0025】
該構成の給紙装置にあっては、ブロアーから最上位の枚葉紙の下方にエアが送り込まれることによって両紙押さえ部材間において枚葉紙が上方に膨出する。従って、両紙押さえ部材には互いに離間する方向、即ち枚葉紙の幅方向外方に向けて力が作用する。該力によって紙押さえ部材は枚葉紙の幅方向外方に向けて移動しようとするが、位置ずれ防止手段が紙押さえ部材の左右方向(枚葉紙の幅方向)の位置ずれを防止するため、紙押さえ部材の位置は所定の位置に確実に維持される。そのため、高速印刷の場合でも、両紙押さえ部材間における枚葉紙の浮上量は安定的に確保され、サクション装置によって枚葉紙を確実に前方に送り出すことができる。
【0026】
また、枚葉紙が積層される昇降台を備え、紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し、その後端部を支点としてその前端部側が上下に回動可能に構成され、該紙押さえ部材を枚葉紙上に載置しない自由状態において、紙押さえ部材がその自重により略鉛直下方の状態まで垂れ下がることのないように、紙押さえ部材を斜め下方の状態に保持する保持手段を備えていることが好ましい
【0027】
該構成の給紙装置にあっては、保持手段が紙押さえ部材を斜め下方の状態に保持するため、紙押さえ部材を枚葉紙上に載置しない自由状態において、紙押さえ部材が略鉛直下方の状態まで垂れ下がることはない。従って、昇降台を下降させた場合において紙押さえ部材は保持手段によって斜め下方の状態に保持され、その後、枚葉紙を再び所定高さにセットする等のために昇降台を上昇させると、紙押さえ部材は枚葉紙に押し上げられて斜め下方の状態から元の略水平状態に戻る。つまり、昇降台を上昇させた場合に、紙押さえ部材が枚葉紙上から外れた状態になることはなく、枚葉紙上に紙押さえ部材が確実に載置され、枚葉紙は紙押さえ部材によって下方に確実に押さえられる。
【0028】
また、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置用の紙押さえ部材は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置に取り付けられ、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材であって、給紙装置に取り付けられた状態において紙送り方向に所定長さを有し、前側よりも後側の重量が相対的に大きく構成されていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置用の紙押さえ部材は、積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置に取り付けられ、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材であって、給紙装置に取り付けられた状態において紙送り方向に所定長さを有し、紙送り方向の重量分布が調節可能に構成されていることを特徴とする。
【0030】
特に、紙送り方向に伸びる帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられ、該重量付加物の帯状体への取付位置がその長手方向に調節可能であることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る枚葉印刷機の給紙装置及び紙押さえ部材の一実施形態について図1乃至図6を参酌しつつ説明する。
図1において、給紙装置は、積層された枚葉紙Sの上層部に後方からエアを噴き付けて紙さばきを行うブロアー1と、該ブロアー1によって二枚目以下のものから上方に分離された最上位の枚葉紙Sを吸着して前方に所定量送り出すサクション装置2と、該サクション装置2によって前方に所定量送り出された最上位の枚葉紙Sを上下に挟み込んでその回転によりフィーダボード3に送り出す送出ローラ4とを備えている。
【0032】
枚葉紙Sは、紙載せ台5上に積層される。紙載せ台5は図示しない昇降台上に載置され、昇降台が昇降することにより枚葉紙Sを最上位のものから順次前方に送ることができるようになっているが、紙載せ台5を用いることなく昇降台上に直接枚葉紙Sを積層してもよい。尚、枚葉紙Sは、図2のように、長方形であって、その長手方向が紙送り方向になるようにして積層されているが、短手方向が紙送り方向となるように積層してもよい。
【0033】
このように積層された枚葉紙Sの上方には給紙ヘッド6が位置している。該給紙ヘッド6は、図示しないフレームに固定されており、サクション装置2の駆動部やブロアー1の噴き出しのON−OFF切り替え機構等を内装している。
【0034】
前記サクション装置2は、給紙ヘッド6の下面から下方に略垂直状態に突出するように配置されたサクションヘッド7を備えている。該サクションヘッド7は、最上位の枚葉紙Sから上方に所定高さ離間して配置されている。即ち、ブロアー1がエアを噴出しない状態において、最上位の枚葉紙Sとサクションヘッド7との間には空隙が存在する。また、サクションヘッド7は、図示しない駆動部により前後に振り子の如く揺動して、枚葉紙Sの上面を吸着して前方に揺動することで枚葉紙Sを所定量前方に送り出す。また、サクションヘッド7は、枚葉紙Sの後部上方位置に設けられ、最上位の枚葉紙Sの後部を吸着してその枚葉紙Sを前方に押し出す構成である。
【0035】
また、サクションヘッド7は、図2のように、枚葉紙Sの幅方向(左右方向)に所定間隔互いに離間して左右一対設けられている。両サクションヘッド7は、枚葉紙Sの幅方向の略中央部分を吸着するような位置関係に配置されており、より詳細には、幅を三等分するように枚葉紙Sを三つの領域に分割した場合における中央の領域の後部を、左右一対のサクションヘッド7で吸着する。
【0036】
このようにサクション装置2は、枚葉紙Sの後部の略中央部分を吸着するが、かかるサクション装置2による吸着位置に向けて前記ブロアー1からエアが噴出される。即ち、ブロアー1は、図1に示すように、積層された枚葉紙Sの上層部の後方に位置してその上層部に向けて略水平にエアを噴出するブロアーヘッド8を有している。該ブロアーヘッド8は、図2及び図3に示す如く、枚葉紙Sの幅方向に所定間隔互いに離間して左右一対設けられており、該左右両ブロアーヘッド8は前記両サクションヘッド7と平面視略同一位置に配置されている。即ち、サクション装置2によって吸着される吸着位置に向けて左右一対のブロアーヘッド8からエアが噴出される。換言すれば、ブロアー1は、サクション装置2が吸着する領域である前記中央の領域に向けてエアを噴出する構成である。尚、図3では、サクションヘッド7が省略されている。
【0037】
尚、ブロアーヘッド8は、平面視略コの字状のヘッド取付部材9における左右両腕部9aの先端部下面にそれぞれ取り付けられている。該ヘッド取付部材9には図示しないエア通路が形成されており、前記給紙ヘッド6から中継パイプ10を介してヘッド取付部材9に供給されるエアは、ヘッド取付部材9内のエア通路を介してブロアーヘッド8に送られる。また、ブロアー1はエア量を調節するための絞り弁(図示省略)を備えている。
【0038】
また、積層された枚葉紙Sの前方には、僅かな隙間を開けて前記送出ローラ4が配設されている。該送出ローラ4は、枚葉紙Sと搬送手段としてのフィーダボード3との間に略位置して、サクション装置2によって前方に所定量送り出された枚葉紙Sを上下に挟み込んでフィーダボード3上に載置させる。該送出ローラ4は、枚葉紙Sの幅方向と略一致する軸線を有した上下のローラから構成され、下部ローラ4bは、枚葉紙Sを幅方向全体に亘って下方から支持できるように、枚葉紙Sの幅よりも僅かに長く形成されている一方、上部ローラ4aは、リング状に形成されて枚葉紙Sの幅方向に沿って所定間隔開けて複数配置されている。但し、上部ローラ4aも下部ローラ4bと略同じ長さとしてもよい。
【0039】
以上のような給紙装置に、積層された枚葉紙Sをその重量により下方に押さえる紙押さえ部材20が設けられている。以下詳細に説明する。
図1乃至図3に示すように、積層された枚葉紙Sの後方には、枚葉紙Sの幅方向に伸びる固定用バー21が設けられている。該固定用バー21は、支持部材23を介して給紙ヘッド6に固定されている。尚、固定用バー21は、断面視略長方形の角棒である。尚、図3では支持部材23が省略されている。
【0040】
かかる固定用バー21には、その軸線方向に所定間隔おいてブラケット22が複数、具体的には二つ取り付けられている。該ブラケット22は、図4のように、後方に開口した断面視略コの字状の取付部22aを有し、該取付部22aに上方から螺着された固定ネジ24により固定用バー21の所定位置にブラケット22を固定することができる構成となっている。即ち、固定ネジ24を緩めることにより、ブラケット22を固定用バー21をガイドとして左右に位置調節することができ、固定ネジ24を締め付けることで所望の位置にブラケット22を固定することができる。該ブラケット22の前部上面に紙押さえ部材20がそれぞれ取り付けられている。従って、両紙押さえ部材20は各々独立して枚葉紙Sの幅方向に位置調節可能である。尚、両紙押さえ部材20が互いの間の間隔を拡縮するように連動して左右に移動するように構成することも可能である。
【0041】
かかる紙押さえ部材20は、その後端部においてブラケット22にネジにより着脱自在に取り付けられている。該紙押さえ部材20は、図2のように、固定用バー21から枚葉紙Sの前部に向けて紙送り方向に沿って略直線状に伸びている。従って、両紙押さえ部材20は互いに略平行である。
【0042】
該紙押さえ部材20は、紙送り方向即ち長手方向に沿った重量分布が一定ではなく変化しているものであり、後側が前側に比して相対的に重く設定されている。具体的には、柔軟性を有する帯状体30と該帯状体30上の後側に取り付けられた重量付加物31とから構成されている。帯状体30は、厚さと幅が共に略一定のものであり、例えばゴムベルトが使用される。重量付加物31は、種々のものが採用できるが、例えば、合成樹脂板やゴム板等が使用され、帯状体30よりも比重の大きいものが好ましい。本実施形態においては、重量付加物31として帯状体30と略同幅のものが使用されている。
【0043】
該重量付加物31の帯状体30への取付方法について更に言及する。図5には取付手順が示されている。帯状体30の所定位置には、図5(イ)に示すように、両側縁部から各々外方に向けて固定用突片32が延設されている。図5(ロ)に示すように該左右の固定用突片32は各々上方に向けて折り返され、帯状体30上に載置された重量付加物31の上側において互いに重ね合わせられ、その両固定用突片32同士の重ね合わせ部33と重量付加物31とがリベット34により固定されている。即ち、リベット34により、両固定用突片32同士の重ね合わせ部33が固定されると共に、その重ね合わせ部33の内面に重量付加物31が固定される。尚、リベット34は下方から上方に貫通され、重ね合わせ部33の上面においてワッシャ35を介して固定される。
【0044】
かかる重量付加物31の取付部36は、帯状体30の長手方向に所定間隔離間して複数箇所(二箇所)設けられている。尚、重量付加物31はその長手方向の両端において前記固定用突片32にて帯状体30に取り付けられている。尚、図2のように、二つの取付部36は、重ね合わせ部33における重ね合わせの向きが互いに逆になっているが、同じ向きとしても無論よい。
【0045】
このように、帯状体30の後側に重量付加物31が取り付けられることにより、紙押さえ部材20の重量分布は長手方向に二段階に変化しているが、重量付加物31が取り付けられる領域は、サクション装置2による吸着位置を起点とし、枚葉紙Sの前後方向略中央付近までである。この重量付加物31の最適な取付位置(取付領域)は枚葉紙Sのサイズ等によって種々変わるが、何れにしても、少なくともサクション装置2の吸着位置の側方に重量付加物31が取り付けられていることにより確実な吸着が得られる。
【0046】
本実施形態における吸着装置は以上のような構成からなり、ブラケット22の固定用バー21に対する位置を適宜調節することにより、図2に示すように、両紙押さえ部材20をサクション装置2による吸着位置の左右両側に僅かな間隔をあけて位置させる。この状態で給紙を開始すると、ブロアー1によるエアの噴き付けにより、最上位の枚葉紙Sの下方にエアが送り込まれ、最上位の枚葉紙Sは二枚目以下のものから分離される。その際、サクション装置2が吸着する枚葉紙Sの後部においては、両紙押さえ部材20の存在により、送り込まれたエアは、枚葉紙Sの状態を概略的に示す図6のように、サクション装置2による吸着位置近傍に集中する。従って、枚葉紙Sは幅方向のうち、吸着位置近傍が局所的に上方に膨出した状態となる。換言すれば、枚葉紙Sの浮上量は、吸着位置近傍において局所的に大きくなる。従って、サクション装置2は最上位の枚葉紙Sを確実に吸着することができて前方に所定量送り出すことができる。しかも、両紙押さえ部材20によって枚葉紙Sが下方に押さえられているため、枚葉紙S全体が大きくばたつくということもなく、サクション装置2の吸着動作は安定する。
【0047】
一方、集中状態となったエアは、両紙押さえ部材20間の間を前方に向けて進むが、枚葉紙Sの前後方向略中央付近までは集中状態にてそのまま進む。これは、上述したように枚葉紙Sの略中央付近まで重量付加物31が取り付けられているためである。そして、このエアは、枚葉紙Sの前後方向略中央付近を過ぎると幅方向にハの字状あるいはラッパ状に広がって拡散していき、枚葉紙Sの前部においては、その左右両隅部までエアが拡散する。尚、図2においてエアの流れAを二点鎖線にて模式的に示している。このようにエアが拡散するのは、紙押さえ部材20の前側には重量付加物31が取り付けられていないため、重量付加物31が取り付けられている後側に比して紙押さえ力が相対的に小さくなっているためである。そして、更に、紙押さえ部材20の前端部20aは枚葉紙Sの前縁S1よりも後方に位置しているため、枚葉紙Sの前側所定領域には紙押さえ力が作用していないためである。このように、枚葉紙Sに作用する紙押さえ力は後側から前側に向けて段階的に小さくなるため、枚葉紙Sの後部において集中状態とされたエアが拡散しながら枚葉紙Sの前部左右両隅にまで確実に到達し、枚葉紙Sの前部においては幅方向全体に亘って略均一の浮上量が得られるのである。従って、最上位の枚葉紙Sがサクション装置2により所定量前方に送り出される際に、その枚葉紙Sの前縁S1が図示しない給紙装置の構成部材に引っかかったりするということがない。この引っかかる現象は特に枚葉紙Sの前部の左右両隅で生じやすいが、上述したように拡散により左右両隅までエアが到達しているため、枚葉紙Sの両隅が引っかかって紙送り不良となることが防止される。また、枚葉紙Sの前部において幅方向全体が浮上しているため、送出ローラ4が最上位の枚葉紙Sのみを確実に挟持して前方に更に送り出すことができるのである。尚、本実施形態では送出手段として送出ローラ4を例に説明しているが、他の構成の送出手段であってもよい。
【0048】
このように、積層された枚葉紙S上に載置される紙押さえ部材20の重量分布を紙送り方向に沿って変化させてその後側を前側よりも相対的に重くしているため、サクション装置2によって吸着される枚葉紙Sの後部においてはその吸着位置近傍にエアを集中させて確実な吸着動作が確保されると共に、枚葉紙Sの前部においては両隅までエアが拡散し到達して幅方向全体に亘って浮上し、最上位の枚葉紙Sのみが確実に分離されて送出ローラ4によってフィーダボード3へと送られ、従って紙送り不良が効果的に防止されるのである。
【0049】
特に本実施形態の如く枚葉紙Sがその長手方向を紙送り方向とするように積層される場合には、印刷機の幅寸法を小さくすることができるという利点がある一方で、紙送り方向の長さが長くなるため紙送り不良も発生しやすくなるが、上述のように紙押さえ部材20を構成したことにより確実に紙送り不良が防止される。
【0050】
また、重量付加物31を取り付ける構成であるため、容易に重量分布に変化を持たせることができる。しかも、紙押さえ部材20はその重量により紙押さえ力を生じさせるものであるため、安定した紙押さえ力が容易に得られるという利点がある。
【0051】
更に、紙押さえ部材20は紙送り方向に沿って略直線状に伸びているため、紙送りの際の抵抗が少ないという利点もある。また、紙押さえ部材20を枚葉紙Sの幅方向に位置調節可能であるため、枚葉紙Sの種類等によって適宜その位置を変更してエアの動きを細かくコントロールすることができる。しかも、紙押さえ部材20は着脱自在であるため、重量分布や幅、形状、総重量、長さ等の異なる他の紙押さえ部材20に適宜交換することもできる。
【0052】
尚、紙押さえ部材20は上述したような構成のものに限定されることはなく、種々のものが採用可能である。例えば、重量付加物31の取付方法も適宜設計変更可能であり、上述したような固定用突片32を設けずに単に帯状体30の上面に重量付加物31を接着剤等で固定しても無論よい。
【0053】
また、重量付加物31を取り付けるのではなく、例えば後側に向けて帯状体30の厚みを徐々に増加させて、紙押さえ部材20の厚みに変化を持たせるようにしてもよい。また更に、帯状体30を後側に向けて幅広にするなど、紙押さえ部材20の後側の面積を前側よりも相対的に大きくすることにより、後側を前側に比して相対的に重くすることも可能である。但し、上述したように幅略一定として紙送りの際の抵抗を少なくすることが好ましい。
【0054】
更に、図2のように左右両紙押さえ部材20を互いに略平行に設置する以外に、前側に向けてハの字状に開くように設置することもできる。また更に、紙押さえ部材20を略直線状に形成する以外にも、曲線状に形成して左右の紙押さえ部材20が前側に広がるラッパ状に配置する構成としてもよい。これらのようにハの字状に載置したりラッパ状に形成したりする場合においても重量分布を紙送り方向に変化させることが好ましく、紙押さえ部材20の総重量が過度に増加することを抑制できる。
【0055】
また、上記実施形態では、紙押さえ部材20を左右一対設けた場合について説明したが、例えば左右それぞれ二本ずつ配置するなど、その数についても変更可能である。
【0056】
更に、重量付加物31を帯状体30に固定した構成を説明したが、重量付加物31の帯状体30に対する取付位置がその長手方向(紙送り方向)に調節可能な構成としてもよい。
【0057】
例えば、面ファスナーの雄部と雌部のうちの一方を帯状体30の上面に、他方を重量付加物31の下面にそれぞれ設けることにより、重量付加物31を帯状体30に着脱自在とすると共にその取付位置を帯状体30の長手方向に沿って自在に調節可能とすることもできる。
【0058】
何れにしても、紙押さえ部材20における紙送り方向の重量分布が調節可能であれば、紙押さえ部材20そのものを取り替えることなく、枚葉紙Sの紙質、厚さ、紙送り方向の長さや幅、紙送り速度等の種々の条件に合わせて紙押さえ部材20の重量分布を最適なものに設定することができる。
【0059】
また、図7のように、紙押さえ部材20の後端部に板バネ50を取り付けて該板バネ50によって紙押さえ部材20の動きを制限してもよい。
該板バネ50は、帯状体30と略同幅の矩形であって、帯状体30に重なり合うように装着される。詳細には、板バネ50は、その後端部が帯状体30と共にネジ51によりブラケット22に取り付けられる一方、その前端部が後側の取付部36にリベット34により固定されている。紙押さえ部材20及び板バネ50のブラケット22への取り付け高さは、最上位の枚葉紙Sよりも上方である。従って、帯状体30は、その後端部と後側の取付部36との間においてその柔軟性によって湾曲した状態にある。そして、後端部と後側の取付部36との間の帯状体30の領域を板バネ50が補強している。
【0060】
板バネ50は、略水平の後側平坦部50cと、該後側平坦部50cより一段低くなった略水平の前側平坦部50aと、両平坦部50a,50cを連結する傾斜部50bとから構成されて帯状体30の上側に配置され、後側平坦部50cがブラケット22に取り付けられ、前側平坦部50aが後側の取付部36に取り付けられている。即ち、板バネ50は、ブラケット22と後側の取付部36とを連結し、従って、重量付加物31も板バネ50によってブラケット22と連結されている。尚、板バネ50は厚さ0.2mm程度のバネ材から構成されるが、その厚さや幅、弾性率等については、重量付加物31の重量やその取付位置など、各種の条件に応じて適宜設定される。
【0061】
尚、図7に示したブラケット22の構造について詳述すれば、該ブラケット22は、固定用バー21への取付部22aを有する後側部材41と、紙押さえ部材20が取り付けられる前側部材43と、両者41,43の間に介在する中間部材42とを備えている。中間部材42と前側部材43には、それぞれ上下方向に伸びる長孔45,46が形成され、後側部材41の前面には前方に向けて略水平にピン44が突設され、該ピン44は、中間部材42と前側部材43のそれぞれの長孔45,46を貫通している。従って、中間部材42と前側部材43は、それぞれ長孔45,46のストローク分だけ、上下に独立してスライド可能である。中間部材42は、図7のように通常はその自重によって最も下側に位置しており、その前面下側部分が枚葉紙Sの後縁S2に当接することにより枚葉紙Sの後方へのずれを抑制している。枚葉紙Sの積層枚数が残り少なくなるなどして紙載せ台5が上昇すると、紙載せ台5の上面が中間部材42の下面に当接するが、中間部材42は紙載せ台5に押されて上方にスライドする。また、前側部材43の下面は最上位の枚葉紙Sに当接し、上下にスライド可能であることから、その自重が最上位の枚葉紙Sに作用する。
【0062】
上述したように板バネ50を装着すると、まず第一に、紙押さえ部材20の左右方向(枚葉紙Sの幅方向)の位置ずれが防止される。この板バネ50がない場合、特に高速で印刷する場合などにおいては、紙押さえ部材20が左右方向に位置ずれする可能性がある。これは、図6において示したように最上位の枚葉紙Sは両紙押さえ部材20間において局所的に上方に膨出しており、それによって両紙押さえ部材20は互いに離反する方向に力を受けることによる。紙押さえ部材20は、紙送り方向に所定長さを有し、その後端部においてブラケット22(取付部材)に取り付けられてその前端部が自由端であるため、図2に二点鎖線にて示すように、その後端部を支点として左右にハの字に回動する可能性がある。しかしながら、ブラケット22から前方に伸びる紙押さえ部材20の付け根部分を板バネ50で補強しているため、紙押さえ部材20の左右の回動が防止されて正規の位置に確実に位置するのである。即ち、この板バネ50は、紙押さえ部材20の左右方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止手段として機能する。
【0063】
一方、該板バネ50は、紙押さえ部材20を枚葉紙S上に載置しない自由状態において、紙押さえ部材20がその自重により略鉛直下方の状態まで垂れ下がることのないように、紙押さえ部材20を斜め下方の状態に保持する保持手段としても機能している。
【0064】
即ち、板バネ50を装着しない場合には、紙載せ台5を下降させると、紙押さえ部材20は、図8の二点鎖線のように、その自重により後端部を支点として下方に回動して略鉛直下方に垂れ下がった状態となる。従って、仮にその状態から紙載せ台5を上昇させると、枚葉紙Sの積層状態も乱れるうえに、紙押さえ部材20も枚葉紙Sによって突き上げられるため枚葉紙Sから後方に外れるおそれもあり、何れにしても、枚葉紙Sを紙押さえ部材20で確実に押さえることが困難となって紙送り不良の要因となる。
【0065】
これに対して、板バネ50を装着した場合には、図8に実線にて示すように、紙載せ台5を下降させても、紙押さえ部材20は斜め下方の状態で止まり、略鉛直下方の状態までには至らない。これは、重量付加物31として剛性のある板状体を使用してその重量付加物31がつっぱりとなって柔軟な帯状体30が重量付加物31の取付領域において屈曲したり湾曲したりすることを防止すると共に、その重量付加物31とブラケット22とを板バネ50で連結することにより、板バネ50が重量付加物31を持ち上げ支持して、紙押さえ部材20が略鉛直下方にまで回動することを防止するためである。
【0066】
このように、板バネ50を装着したことで紙押さえ部材20が自由状態において略鉛直下方の状態とならずに斜め下方の状態で保持されるため、紙載せ台5が上昇するとそれに応じて紙押さえ部材20は徐々に上方に回動して元の略水平状態に戻る。従って、積層された枚葉紙Sが乱れることはなく、紙押さえ部材20も正規の位置に載置されるため枚葉紙Sを確実に下方に押さえることができ、紙送り不良は防止される。
【0067】
尚、上記実施形態では、板バネ50が、紙押さえ部材20の左右方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止手段であると共に紙押さえ部材20を斜め下方の状態に保持する保持手段にも相当したが、各手段を独立して設けても無論よい。
【0068】
また、板バネ50を帯状体30とは別体にて構成したが、帯状体30の付け根部分自体の剛性を他の部分よりも大きくしてその付け根部分の湾曲、撓みを抑制することによって紙押さえ部材20の下方への回動を所定範囲に規制するようにしたり、左右方向の回動を防止するようにしてもよい。また、付け根部分をそのように工夫するのではなく、紙押さえ部材20が斜め下方の状態まで回動したときに該紙押さえ部材20に当接してその位置で紙押さえ部材20を止める当接部材を保持手段として設けてもよい。また、位置ずれ防止手段は、紙押さえ部材20に側方から当接してその左右方向の位置ずれを防止する構成であってもよい。
【0069】
その他、紙押さえ手段としては、枚葉紙S上に載置される紙押さえ部材20の他にも、板バネ50を使用する構成や、エアを枚葉紙Sの上面に向けて噴き付けるような非接触の構成など、適宜の構成を採用できる。
【0070】
また、サクションヘッド7の個数や吸着位置、あるいはブロアーヘッド8の本数やその位置などについても無論変更可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、ブロアーによって最上位の枚葉紙の下方に送り込まれたエアを枚葉紙の後部においては枚葉紙の幅方向のうちサクション装置の吸着位置近傍に集中させると共に、該集中させたエアを幅方向に拡散させて枚葉紙の前部に到達させるように構成されているので、サクション装置による吸着動作が安定すると共に枚葉紙の前部が紙送り時に引っかかったりすることも防止されて、紙送り不良が防止されて安定した給紙が得られる。
【0072】
また、前側よりも後側の重量が相対的に大きく構成された紙押さえ部材により、サクション装置が枚葉紙の後部を確実に吸着でき、しかも、枚葉紙の前部が給紙装置の構成部材に引っかかったりすることなく良好な紙送り状態が確保される。
【0073】
また、紙送り方向の重量分布が調節可能に構成された紙押さえ部材により、サクション装置が枚葉紙の後部を確実に吸着でき、しかも、枚葉紙の前部が給紙装置の構成部材に引っかかったりすることなく良好な紙送り状態が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における枚葉印刷機の給紙装置を示す正面図。
【図2】同装置の平面図。
【図3】同装置の側面図。
【図4】同装置の要部を示す拡大図。
【図5】本発明の一実施形態における紙押さえ部材の組み立て手順を示し、(イ)は組み立て前の状態を示す斜視図、(ロ)は組み立て後の状態を示す斜視図。
【図6】積層された枚葉紙を後方から見た概略図。
【図7】本発明の他の実施形態における枚葉印刷機の給紙装置を示す拡大図。
【図8】同装置の使用状態を示す正面図。
【符号の説明】
S…枚葉紙、1…ブロアー、2…サクション装置、3…フィーダボード、4…送出ローラ、5…紙載せ台(給紙台)、6…給紙ヘッド、7…サクションヘッド、8…ブロアーヘッド、9…ヘッド取付部材、10…中継パイプ、20…紙押さえ部材、21…固定用バー、22…ブラケット、23…支持部材、24…固定ネジ、30…帯状体、31…重量付加物、32…固定用突片、33…重ね合わせ部、34…リベット、35…ワッシャ、36…取付部、41…後側部材、42…中間部材、43…前側部材、44…ピン、45,46…長孔、50…板バネ、51…ネジ

Claims (13)

  1. 積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、
    積層された枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ手段を備え、
    該紙押さえ手段は、ブロアーによって最上位の枚葉紙の下方に送り込まれたエアを枚葉紙の後部においては枚葉紙の幅方向のうちサクション装置の吸着位置近傍に集中させると共に、該集中させたエアを幅方向に拡散させて枚葉紙の前部に到達させるように構成されていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置。
  2. 紙押さえ手段は、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材であり、該紙押さえ部材の重量分布が紙送り方向に沿って変化している請求項1記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  3. 紙押さえ部材は、紙送り方向に略直線状に伸びている請求項2記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  4. 紙押さえ部材は、帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられることにより、その重量分布が紙送り方向に沿って変化した構成とされている請求項3記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  5. 積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、
    サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材が設けられ、
    該紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し且つ、前側よりも後側の重量が相対的に大きく構成されていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置。
  6. 積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置において、
    サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材が設けられ、
    該紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し且つ、紙送り方向の重量分布が調節可能に構成されていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置。
  7. 紙押さえ部材は、紙送り方向に伸びる帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられ、該重量付加物の帯状体への取付位置がその長手方向に調節可能である請求項6記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  8. 紙押さえ部材は枚葉紙の幅方向に位置調節可能である請求項5乃至7の何れかに記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  9. 押さえ部材の左右方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止手段を備えている請求項2乃至6の何れかに記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  10. 枚葉紙が積層される昇降台を備え、紙押さえ部材は、紙送り方向に所定長さを有し、その後端部を支点としてその前端部側が上下に回動可能に構成され、該紙押さえ部材を枚葉紙上に載置しない自由状態において、紙押さえ部材がその自重により略鉛直下方の状態まで垂れ下がることのないように、紙押さえ部材を斜め下方の状態に保持する保持手段を備えている請求項2乃至6の何れかに記載の枚葉印刷機の給紙装置。
  11. 積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置に取り付けられ、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材であって、
    給紙装置に取り付けられた状態において紙送り方向に所定長さを有し、前側よりも後側の重量が相対的に大きく構成されていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置用の紙押さえ部材。
  12. 積層された枚葉紙の上層部に後方からエアを噴き付けるブロアーと、最上位の枚葉紙の後部を吸着して前方に所定量送り出すサクション装置とを備えた枚葉印刷機の給紙装置に取り付けられ、サクション装置の吸着位置の左右両側において枚葉紙上に各々載置されてその重量により枚葉紙を下方に押さえる紙押さえ部材であって、
    給紙装置に取り付けられた状態において紙送り方向に所定長さを有し、紙送り方向の重量分布が調節可能に構成されていることを特徴とする枚葉印刷機の給紙装置用の紙押さえ部材。
  13. 紙送り方向に伸びる帯状体に部分的に重量付加物が取り付けられ、該重量付加物の帯状体への取付位置がその長手方向に調節可能である請求項12記載の枚葉印刷機の給紙装置用の紙押さえ部材。
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