JP4046874B2 - 有機−無機コンポジットの製造方法 - Google Patents

有機−無機コンポジットの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機−無機コンポジットの製造方法に関し、より詳しくは、互いに化学反応をしない有機物と無機物とを混合して純粋な有機物と無機物とが有するそれぞれの長所をすべて有する有機−無機コンポジットを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単一金属酸化物又は複合金属酸化物を含む無機化合物を合成する非古典的な方法としてゾル−ゲル合成法が広く知られている。前記ゾル−ゲル合成法は、溶液状で各構成成分が均一に分布するという長所を利用するもので、主に、アルコール溶媒に、反応物である金属アルコキシド化合物を溶かした後、水を添加して水和及び凝縮反応を起こすことで粒子が均一に分散したゾル状物を得て、このゾル状物を放置することによりゲル状の目的化合物を得る方法である。この際、反応条件をうまく調節すると数十から数百ナノメートル大の極めて小さい直径を有する目的化合物が製造でき、このようにして得られたゲルは無機成分の粒子が互いに密接して連結されている三次元格子構造を有する。
【0003】
前記ゾル−ゲル合成法は、無機重合反応を通して単一体、レンズ、薄膜、粒子、繊維などのいろいろな形態の最終生成物をつくることができる長所を有しているが、同時に、致命的な短所を有しているため実質的には実用化し難い。例えば、ゾル−ゲル合成過程で生ずる目的化合物の収縮、亀裂、捩れなどによって望む形態の生成物を得るのが極めて難しく、また、最終生成物の機械的強度が弱いので壊れやすく、溶媒に対する耐性が弱いので極めて簡単に変性してしまうなど機械的特性が極めて悪く、何よりも研磨、切削、鋳造などの機械的加工をすることができない。このような短所のため、大部分の場合、ゾル−ゲル合成法は、熱処理を経て最終的に結晶性粉末を得るための前駆体をつくる場合にのみ適用されるのが一般的で、光学特性を目的とする非結晶性生産品を得るための合成法としては適当でない。特に、このような短所は、シリカ(SiO2)以外の2種類以上の組成を有する物質でさらに著しく現れるため、ゾル−ゲル合成法を通して実質的に使用可能な光学用レンズをつくることはほとんど不可能である。したがって、レンズなどの単一体を合成するためには、前記無機高分子物質をゾル−ゲル合成法によって合成するよりは、有機高分子物質を重合反応を通して合成するほうが機械的特性上よりみて有利であると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記有機重合反応の中の代表的なものは、単量体であるMMA(Methylmethac-rylate)に開始剤として過酸化物を加えて、前記単量体が有している二重結合の間に重合反応を引き起こして、鎖形態の有機高分子であるPMMA(Polymethylme-thacrylate)を合成する方法である。この際、単量体として使用されるMMAは常温常圧で液状であるので、重合反応のための単量体としてだけではなく溶媒としても使用できる。しかし、このような有機高分子は共重合体として合成しない限り、その構成成分が1つの物質のみで固定されるので、機能性ゲスト物質(guest ma-terial)を混入したり機械的特性を調節するのが難しいという短所がある。特に、光学特性を有するイオンや巨大分子を混入する場合には、その混入ゲスト物質の周辺に形成される局部構造が極めて制限的に変化するだけで、周囲の有機高分子の構造を任意に変形することができなかった。
【0005】
したがって、純粋な無機物や有機物が有する長所を合わせることにより新たな新物質を合成するために、前記ゾル−ゲル反応の生成物である無機高分子と有機高分子の複合物質である有機−無機コンポジットを合成する方法に関する研究が盛んに進められている。このような有機高分子と無機高分子の複合成分を有する有機−無機コンポジットを特にORMOCER又はCERAMERと呼ぶ。このような有機−無機コンポジットは、一般に、無機成分の改質を通じて無機部分と有機部分とが互いに化学結合を起こすようにすることにより製造される。このために、無機重合反応の反応物である金属アルコキシドのアルコキシド作用基の一部を有機単量体に置換した後、置換された作用基を通じて無機部分と有機部分とが互いに結合するようにした。一部の研究では、このような化学的操作をせずにゾル−ゲル合成法によって合成したアルコゲルを長時間にわたって乾燥して乾燥ゲルを得て、前記乾燥ゲルの無機格子構造内に有機単量体を浸透させ、乾燥ゲルの無機格子構造内で有機重合反応が起こるようにしようと試みたが、ゾル−ゲル合成法と乾燥過程を通して使用可能な乾燥ゲルを得るのに数ヶ月もの長い期間がかかり、その収率も極めて低いという短所がある。このような問題点を回避し乾燥過程を避けるために、ゾル−ゲル合成法とともに臨界乾燥法(critical d-rying)を通じて短時間内に有機−無機コンポジットを合成してみたが、無機格子体との化学的結合力を有しないPMMAのような高分子に対しては、このような方法が適用され得ないということが明らかになった。また、高分子状態である有機高分子を無機格子構造に複合させようとする試みもあったが、高分子鎖の長さが長いため有機−無機コンポジットの合成が容易でなかった。
【0006】
前記のような問題点を解決するために、本発明の目的は、有機−無機コンポジットの合成において、乾燥過程を行わなくてもよく、かつ合成収率を高めることができる有機−無機コンポジットの製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、反応物を改質せずに、即ち、無機物と有機物とが化学的に結合しなくても簡単な工程を通して合成することができる有機−無機コンポジットの製造方法を提供することにあり、特に、PMMAのように無機物と化学的結合をしない有機高分子を使用して有機−無機コンポジットを合成する方法を提供する。
【0008】
さらに、本発明は、無機格子の大きさを数十ナノメートル程度に調節して無機粒子による光の散乱を防止し、ゲスト物質として機能性イオンや巨大分子を混入することによって光学特性を容易に調節することができる有機−無機コンポジットの製造方法を提供する。
【0009】
本発明のその他の目的は有機物と無機物との長所をすべて有し、光学透光度が良好且つ透明で、レンズなどの材料として使用され得る有機−無機コンポジットの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記のような本発明の目的を達成するために、本発明は、1つ以上の金属とアルコールを反応させて金属アルコキシドをつくり、シリコン含有化合物を混合した後、触媒とともに反応させて、アルコール溶液が含浸された単一又は複合金属酸化物のアルコゲルを生成する過程と;遠心分離法を用いて前記アルコゲル内の無機格子構造を満たしているアルコールを分離してゲルを形成する過程と;前記ゲル内に有機高分子を形成するための有機単量体を添加する過程と;前記有機単量体を重合する過程を含む有機−無機コンポジット製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明すると次の通りである。
【0012】
本発明は、格子が数十ナノメートルの大きさを有することにより光学透過性が最大化された有機−無機コンポジット製造方法を提供する。前記有機−無機コンポジットを合成するために、まず、過酸化水素水(30%H22)、マグネシウムの過酸化物、ナトリウムの過酸化物及びリチウムの過酸化物からなる群から選択される化合物を触媒にしてゾル−ゲル合成法を遂行することにより、複合金属酸化物からなるゲル前駆体を合成する。前記ゲル前駆体を合成するために、まず、非活性気体雰囲気下で、一定量のマグネシウム、ナトリウム及びリチウムなどの金属とメタノールなどのアルコールとを反応させて金属アルコキシドをつくる。これにシリコンを含むテトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate、TEOS)及びテトラメチルオルトシリケート(tetramethylorthosilicate、TMOS)などのシリコンアルコキシドの中から選択される化合物を混合した後、触媒として過酸化水素水などの過酸化物と蒸留水を徐々に加えると、前記混合溶液内でゾル−ゲル反応が起こり、金属酸化物のゲル前駆体が生成される。前記金属の中で最も好ましいものはMgであり、前記金属としてMgが使用される際に生成されるゲル前駆体としてはフォーステライト(Mg2SiO4)やエンステナイト(MgSiO3)などがある。前記方法によって合成されたゲル前駆体の内部にはアルコール溶液が含浸されており、このようにアルコール溶液が含浸されたゲルを通常、“アルコゲル”と呼ぶ。前記反応は水和反応に極めて敏感なMg、Na及びLiなどの金属成分を使用することにより、既存のゾル−ゲル合成法で使用する酸や塩基触媒からは不安定なゲルを得るが、前記過酸化水素水などの過酸化物を触媒として使用すれば、大きさが数十ナノメートル以下である極めて安定したアルコゲルを得ることができる。前記アルコゲルの大きさは可視光線領域におけるアルコゲルの透光度を測定してみるとわかる。即ち、可視光線領域で前記アルコゲルの透光度が空気の透光度と類似していれば、形成されたアルコゲルの粒子の大きさが数十ナノメートル以下であることを示す。
【0013】
このように過酸化物を触媒にして合成したアルコゲルからアルコール溶媒を除去するために溶媒を乾燥させると、乾燥過程でアルコゲルの収縮、亀裂、捩れなどの問題が発生するだけではなく、ナノメートル領域の大きさを有する粒子が互いに縺れてその大きさが数マイクロメートルから数ミリメートルと大きくなることにより、光学透過性を喪失するようになる。このような問題を避けるために本発明では遠心分離法を適用してアルコゲル内の無機格子構造を満たしている液体成分であるアルコールを分離してゲルを形成した。このように形成されたゲルに有機高分子を形成するための有機単量体を添加した。前記有機単量体としては、MMA(methylmethacrylate)、MA(methacrylate)などの重合可能な二重結合を有している単量体の中から1つ以上を選択して使用することができ、最も好ましい有機単量体はMMAである。この際、前記ゲルに流入する単量体の量を増加させるために前記ゲルを前記単量体で洗滌する過程を数回繰り返すことが好ましい。このようにして、ゲルの無機格子構造を満たしている液体成分を有機単量体に置換した。その後、ベンジルパーオキシドなどの開始剤を添加することにより前記単量体を重合させて、乾燥過程を経ずに有機−無機コンポジットを製造した。
【0014】
このように、溶媒が単量体に置換されたゲル状で有機重合反応を同時に遂行することにより、無機物と有機物とが化学結合しなくても良好なコンポジット単一体を合成することができ、化学的結合力を有さないPMMAのような有機高分子と無機高分子とのナノコンポジットを合成することができる。前記溶媒置換過程及び重合反応は、ゲルを移す過程で引き起こされる気泡生成と無機格子構造の瓦解現象を防止するために、遠心分離容器内でそのまま遂行するのが好ましい。
【0015】
このような工程を通して製造された有機−無機コンポジットは、有機高分子鎖と無機格子構造が極めて緊密に絡み合った構造をなすことにより、無機格子のナノ大の性質をそのまま維持し、極めて良好な光学透光度を有する単一体になる。このように合成された単一体はナノコンポジットであるため、その構成成分の大部分が有機成分であって、無機成分が占める重量比は極めて小さい値を有する。通常、コンポジット全体に対する無機格子構造の重量比は約4〜8%程度であり、前記コンポジットを一定の大きさに切削して製造したレンズを燃焼させると、形態が維持された無機成分だけからなった単一体が残るようになる。従って、前記無機格子構造が試料の全般にわたって均一に分布することがわかる。このような有機成分に均一に分布した格子構造の無機成分は、コンポジットの光学透光度を大幅に減少させずに混入された光学機能性ゲスト物質の光学特性を大きく変化させることができる。前記機能性ゲスト物質は、前記ゲル前駆体(アルコゲル)を合成するための混合溶液に前記機能性ゲスト物質を含む化合物を添加することにより、有機−無機コンポジットに混入され得る。例えば、蛍光物質であるEu3+はEu(NO3)35H2Oの形態で前記金属アルコキシドに混合され、この混合された金属アルコキシドを用いて有機−無機コンポジットを合成すると、蛍光物質であるEu3+が前記コンポジット内に均一に分布するようになる。前記蛍光物質Eu3+は有機−無機ナノコンポジットに光学特性を付与するためのゲスト物質である。このような過程を通して、前記有機−無機コンポジットに混入されたEu3+イオンによって現れる放出スペクトルは、有機高分子の環境ではない無機格子構造の環境によって変化した光学特性を有するようになる。このような機能性ゲスト物質は前記蛍光物質にのみ限定されるものではなく、有機−無機コンポジットに均一に混合されて前記コンポジットの特性を改質することができるすべての物質を含む。
【0016】
また、重量比にすると極めて小さい値となるが、試料の全般にわたって分布した無機格子構造によって、合成された単一体は有機及び無機成分の複合的な機械的特性を有するようになる。即ち、合成された単一体はゾル−ゲル合成法によって合成された無機単一体に比べて段違いに優れた機械的特性を有しており、鋳造、研磨、切削などの機械的加工が極めて容易であり、溶媒に対する耐性が極めて強い。熱的性質も有機成分のみからなった単一体に比べてある程度改善された。
【0017】
以下、本発明の好ましい実施例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の構成及び効果を表わす本発明の一実施例にすぎず、本発明が下記の実施例に限られるのではない。
【0018】
(第1実施例)
TEOS(Tetraethylorthosilicate)のシリコンに対してモル比で2倍に相応するマグネシウムを乾燥したメタノールと反応させてMg(OMe)2をつくり、これを前記TEOSと混合して混合溶液をつくる。次に、過酸化水素水と二次蒸留水をTEOSのSiに対してモル比4倍にそれぞれ測定してメタノールで希釈した後、この各々の希釈した溶液を前記で準備されたTEOSとMg(OMe)2との混合溶液に徐々に加えてMg成分とSi成分との間にゾル−ゲル反応が起こるようにして、無機化合物であるフォーステライト(Mg2SiO4)のアルコゲルを合成した。このように合成されたアルコゲルは可視光線領域で透光度がそのまま維持されることから、粒子の大きさが数十ナノメートル程度であることがわかる。
【0019】
このように合成されたアルコゲルを一定期間常温に放置してアルコゲル内の無機格子構造を堅固にする。最初の合成及び前記放置過程はすべて非活性気体雰囲気で遂行される。このように、一定期間放置したアルコゲルを空気中に露出させ、一定量の塩基と同じ体積のトルエンを加えてよく撹拌するとともに、再度一定期間放置して無機格子構造を堅固にする。次に、図1に示されているような遠心分離器の反応容器10の中に前記アルコゲル20を移した後、2000rpmの速度で2時間遠心分離して無機格子体からアルコールを分離する。図1の遠心分離機における図面符号30、40及び50はそれぞれ通常の遠心分離器に使用されるアダプター、回転子及びハウジングを示す。分離されたアルコールを反応容器10から注いで取り出す。また、有機高分子単量体であるMMAを反応容器10に加えて、アルコールとMMAが無機格子体に流入するようにし、このような洗滌過程を数回にわたって遂行して、MMAの濃度を高めてアルコールをMMAに置換する。最後の洗滌時にMMAに対する重合反応開始剤であるベンジルパーオキシドを一定量加える。このように得られたMMAに溶媒置換されたゲルを反応容器に入れたままで45℃に加熱したオーブン内で熱処理すると、無機格子構造内に捕集された有機単量体であるMMAの重合反応が起こって無機格子構造内でPMMA有機高分子鎖が形成される。
【0020】
前記重合反応の反応容器は溶媒置換時に使用した反応容器10をそのまま使用することにより、ゲル自体を移す過程を回避することができる。このように溶媒置換されたゲルを移す過程を回避することにより、無機格子構造が瓦解することとゲル内に気泡が生成されることを避け得る。前記重合反応は一日から数日にわたって進行し、重合反応が完了すると、固くて透明な有機−無機コンポジットが得られる。
【0021】
このように、無機格子構造内でそのまま(in-situ)有機高分子を重合させることにより得られたフォーステライトとPMMAの有機−無機ナノコンポジットを切断するか研磨して一定の形態を有する製品に製作した。図2は、合成されたフォーステライト−PMMAの有機−無機ナノコンポジットを切削、研磨して製作したレンズ形態の単一体の透光度を測定したUV−VISスペクトルを示す。図2に示されているように、本実施例のコンポジット(曲線B)は空気の透光度(100%)と対比して約88%の透光度を有し、純粋なPMMAとはほとんど同一な透光度を有することがわかる。即ち、同一の大きさの純粋なPMMA単一体のスペクトル(曲線A)と比べてみると、本実施例のコンポジットは純粋なPMMAに対して約98%の透光度を有することがわかる。従って、無機格子構造がPMMAの透光度にほとんど影響を及ぼさないことがわかる。本実施例のフォーステライト−PMMAコンポジット、フォーステライトだけからなった乾燥ゲル及び純粋なPMMAだけからなった有機高分子の機械的特性(表面強度及び破砕強度)と熱的特性(Tg及びTm)を測定して下記の表1に記載した。
【0022】
【表1】
Figure 0004046874
上記表からわかるように、コンポジットの表面強度については有機高分子であるPMMAと類似した特性を有しており、破砕強度については乾燥ゲルよりは段違いに優れた特性を有するとともに、高い弾性を有するPMMAに比べて破砕性が多少ある複合的な性質を有していることがわかる。さらに、無機部分が複合されて、Tg(Glass tran-sition temperature)が純粋なPMMAに比べて20℃程度高くなり、Tm(Mel-ting temperature)は純粋なPMMAに比べて50℃程度高くなった。
【0023】
(第2実施例)
TEOS(tetraethylorthosilicate)のシリコンに対してモル比で2倍に相応するマグネシウムを、乾燥したメタノールと反応させてMg(OMe)2をつくり、これを前記TEOSと混合して混合溶液をつくった後、シリコンに対するモル比で0.05倍程度のEu(NO3)35H2Oを加える。前記Eu(NO3)35H2Oは有機−無機ナノコンポジットに光学特性を付与するためのゲスト物質である。次に、過酸化水素水と二次蒸留水を前記TEOSのSiに対してモル比4倍にそれぞれ測定してそれぞれメタノールで希釈した後、このそれぞれの希釈した溶液を前記で準備されたTEOSとMg(OMe)2との混合溶液に徐々に加えてMg成分とSi成分との間にゾル−ゲル反応が起こるようにして、Eu3+イオンが混入されたフォーステライト(Mg2SiO4)のアルコゲルを合成した。
【0024】
このように合成されたEu3+イオンが混入されたアルコゲルを一定期間常温に放置してアルコゲル内の無機格子構造を堅固にする。最初の合成及び前記放置過程はいずれも非活性気体雰囲気で遂行される。このように一定期間放置したアルコゲルを空気中に露出させ一定量の塩基と同体積のトルエンを加えてよく撹拌して、再度一定期間放置して無機格子構造を堅固にする。次に、図1に示されているような遠心分離機の反応容器10の中に前記アルコゲル20を移した後、2000rpmの速度で2時間遠心分離を行って無機格子体からアルコールを分離する。分離されたアルコールを反応容器10から注いで取り出す。また、有機高分子単量体であるMMAを反応容器10に加えて、アルコールとMMAが無機格子体に流入するようにし、このような洗滌過程を数回にわたって行って、無機格子体内のMMAの濃度を高めてアルコールをMMAに置換する。最終洗滌時にMMAに対する重合反応開始剤であるベンジルパーオキシドを一定量加える。このように得られたMMAに溶媒置換されたゲルを反応容器に入れたままで45℃に加熱したオーブン内で熱処理すると、無機格子構造内に捕集された有機単量体であるMMAの重合反応が起こって無機格子構造内でPMMA有機高分子鎖が形成される。このように乾燥過程を避けて無機格子構造内でそのまま(In-situ)有機高分子を重合させることにより得られたEu3+イオンが混入されたフォーステライトとPMMAの有機−無機ナノコンポジットを切断するか研磨して一定形状を有する製品をつくった。図3は、Eu3+イオンが混入されたフォーステライト−PMMAの有機−無機ナノコンポジットを切削、研磨して製作した板状の単一体から放出されたEu3+イオンの蛍光放出スペクトルを示し、図4は、Eu3+イオンが混入された純粋なPMMAを切削、研磨して製作した板状の単一体から放出されたEu3+イオンの蛍光放出スペクトルを示す。図3及び図4に示されているように、本実施例のコンポジットと同じ大きさの純粋なPMMA単一体に混入されたEu3+イオンの蛍光スペクトルを比べてみると、PMMAに4−8%の無機格子構造が複合されることにより、Eu3+イオンの周辺局部構造が改質されて、純粋なPMMAに混入する際とは全く異なるEu3+イオンのスペクトルを現わすことがわかる。これは、有機−無機ナノコンポジットに光学特性を有するゲスト物質を混入すれば、ゲスト物質の周囲環境を任意に調節することができることを示す。
【0025】
【発明の効果】
無機格子内に浸透させた単量体をそのまま(In-situ)重合することにより、有機物と無機物が化学結合せずに、簡単な工程によって無機格子の性質を変更しないで有機−無機ナノコンポジットを形成することができる。このような工程を通して無機物と反応しない有機高分子と無機物とのコンポジットを容易に合成することができ、通常のゾル−ゲル合成法を通した有機−無機コンポジットの製造工程中に頻繁に発生するアルコゲルの収縮、亀裂及び捩れなどの問題も解決することができる。また、有機−無機コンポジットのうちの無機成分は1つ以上の複合金属を含む場合にもその構造が安定している。このように製造された有機−無機コンポジットは有機物と無機物との間の相分離が観察されず、良好な光学的透光性を有する。有機−無機コンポジットの中の無機物の重量比は4〜8%と低いほうであるが、混入された光学性質を有するゲスト物質の光学特性に及ぼす無機格子の影響は極めて大きく、無機格子自体の化学的成分を調節することにより有機−無機ナノコンポジットをホスト物質(host material)にして混入されたゲスト物質が現わす光学性質を容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機−無機コンポジットを製造するための遠心分離器の概略図。
【図2】本発明の一実施例による有機−無機コンポジットと純粋なPMMAの透光度を測定したUV−VISスペクトル。
【図3】本発明の一実施例によるフォーステライト−PMMAの有機−無機ナノコンポジットに混入されたEu3+イオンの蛍光放出スペクトル。
【図4】純粋なPMMA高分子に混入されたEu3+イオンの蛍光放出スペクトル。
【符号の説明】
10 反応容器
20 アルコゲル
30 アダプタ
40 回転子
50 ハウジング

Claims (11)

  1. 1つ以上の金属とアルコールを反応させて金属アルコキシドをつくり、シリコン含有化合物を混合した後、触媒とともに反応させてアルコール溶液が含浸された単一又は複合金属酸化物のアルコゲルを生成する過程と;
    遠心分離法を用いて前記アルコゲル内の無機格子構造を満たしているアルコールを分離してゲルを形成する過程と;
    前記ゲル内に有機高分子を形成するための有機単量体としてメチルメタクリレート(MMA、methylmethacrylate)を添加する過程と;
    前記有機単量体を重合する過程と;
    を含む有機−無機コンポジット製造方法。
  2. 前記触媒は、過酸化水素水、マグネシウムの過酸化物、ナトリウムの過酸化物及びリチウムの過酸化物からなる群の中から選択される化合物である請求項1に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  3. 前記アルコゲルを合成するための混合溶液に蛍光物質を含む化合物を添加する過程をさらに含む請求項1または2に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  4. 前記蛍光物質はEu3+である請求項3に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  5. 前記金属は、マグネシウム、ナトリウム及びリチウムからなる群の中から選択される1つ以上の金属である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  6. 前記シリコン含有化合物は、テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate、TEOS)及びテトラメチルオルトシリケート(tetramethylorthosilicate、TMOS)からなるシリコンアルコキシドの中から選択される化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  7. 前記遠心分離法及び前記有機単量体を重合する過程は、同一反応容器内で遂行される請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  8. 前記有機単量体を重合する過程は、前記アルコゲルの無機格子構造内(In-Situ)で遂行される請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  9. 無機格子構造が有機−無機コンポジットに均一に分布している請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機−無機コンポジット製造方法により得られる有機−無機コンポジット。
  11. 請求項10に記載の有機−無機コンポジットを用いたレンズ。
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