JP4046059B2 - 路面状態推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、路面状態推定装置にかかり、特に、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音や路面の輝度情報などから路面状態を推定する路面状態推定装置に関する。
タイヤから発生するタイヤ発生音を用いて路面状態を推定する装置が提案されている(特許文献1、2)。これらの装置では、タイヤから発生するタイヤ発生音をFFT解析し、タイヤ発生音の各周波数成分を入力とし、ニューラルネットワークを利用して路面状態を推定する。
また、路面をカメラによって撮影して得られた画像の水平、垂直偏向画像のパワースペクトル分布等の路面状態を表す特徴量を検出し、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して路面とタイヤとの間の摩擦係数である路面摩擦係数を記憶しておき、検出された路面状態を表す特徴量と、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して記憶された路面摩擦係数と、に基づいて、路面の路面摩擦係数を推定する装置が提案されている(特許文献3)。
特開平6-138018号公報 特開平7-156782号公報 特開平8-327530号公報
しかしながら、上記装置では、タイヤから発生するタイヤ発生音をFFT解析し、タイヤ発生音の各周波数成分を入力とし、広範囲の周波数成分を入力するので、計算時間が多く必要となり、誤差も多くなる。これらの要因により、実際に車両に搭載しても、要求される水準を満たすことは困難である。
また、上記特許文献3の装置では、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して路面とタイヤとの間の摩擦係数である路面摩擦係数を記憶しておき、検出された路面状態を表す特徴量と、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して記憶された路面摩擦係数と、に基づいて、路面摩擦係数を推定するので、記憶した路面状態と路面摩擦係数の範囲内でしか、路面摩擦係数を推定することができない。よって、記憶した路面状態と路面摩擦係数が正しくない場合、精度よく路面摩擦係数を推定することができない。
本発明は、上記事実に鑑み成されたもので、路面状態を精度よく推定することの可能な路面状態推定装置を提供することを目的とする。
上記目的達成のため請求項1記載の路面状態推定装置は、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出手段と、前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算する計算手段と、複数の路面状態の各々毎に、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量を記憶する記憶手段と、前記計算手段により計算された特徴量と、前記記憶手段に複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定する推定手段と、を備えている。
タイヤ発生音検出手段は、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出する。
計算手段は、前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算する。
記憶手段は、複数の路面状態の各々毎に対応して、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量を記憶する。
推定手段は、前記計算手段により計算された特徴量と、前記記憶手段に複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定する。
上記タイヤ発生音の発生源としては、少なくともタイヤへの物体の相対的な衝突を含むようにしてもよい。以下これを例にとり、本発明の原理を説明する。なお、以下は例示であり、本発明は、以下に限定されるものではない。
タイヤが回転(車両が走行)し、タイヤに、路面上の小石、路面自体の突起部、路面上の水等が、相対的に衝突することにより、このような衝突を音源としたタイヤ発生音が発生する。湿った路面や氷盤路面上には水が存在するので、タイヤが回転(車両が走行)し、タイヤに路面上の水が相対的に衝突すると、タイヤ発生音の発生源としての、少なくともタイヤへの物体の相対的な衝突に特有な特徴量が得られる。
そして、計算手段により計算された特徴量が、タイヤ発生音の発生源としての、少なくともタイヤへの物体の相対的な衝突に特有な特徴量に一致又は近似していると判断できれば、湿った路面や氷盤路面上、即ち、少なくとも湿った路面と推定することができる。
このように、タイヤ発生音自体を扱うのではなく、タイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算しているので、路面の状態を推定するのに必要な情報を少なくすることができ、計算された特徴量と、複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定するので、路面の状態を精度よく推定することができる。
ところで、上記特徴量は、車輪速によって値が異なる。
そこで、請求項1記載の発明は、車輪速を検出する車輪速検出手段を更に備え、前記記憶手段は、複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して特徴量を記憶し、前記推定手段は、前記計算手段により計算された特徴量、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び、前記記憶手段に複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して記憶された路面状態に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定する。
このように、複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して特徴量を記憶し、計算された特徴量、検出された車輪速、及び、複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して記憶された路面状態に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定するので、速度を加味して路面の状態を推定することでき、より路面状態を精度よく推定することができる。
ここで、計算手段は、請求項1のように、タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音の波形と少なくとも1つの予め定められた長さの基本波形との相関値を求めることにより、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算する。
請求項2記載の発明の路面状態推定装置は、請求項1に記載の路面状態推定装置であって、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して路面とタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態を記憶する第2の記憶手段と、前記計算手段により検出された特徴量と、前記第2の記憶手段に各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して記憶された路面摩擦状態と、に基づいて、前記検出手段により前記特徴量が検出される対象となる路面の路面摩擦状態を推定する第2の推定手段と、前記検出手段により前記特徴量が検出される対象となる路面の予め求められた路面摩擦状態と、前記第2の推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、前記第2の記憶手段に記憶された路面摩擦状態を修正する修正手段と、を更に備えている。
本発明にかかる検出手段は、第2の記憶手段は、各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して路面とタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態(路面摩擦状態を表す物理量、例えば、路面摩擦係数(以下同様))を記憶する。第2の推定手段は、計算手段により計算された特徴量と、第2の記憶手段に各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して記憶された路面摩擦状態と、に基づいて、計算手段により特徴量が計算される対象となる路面の路面摩擦状態を推定する。
そして、本発明の修正手段は、計算手段により特徴量が計算される対象となる路面の予め求められた路面摩擦状態と、第2の推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、第2の記憶手段に記憶された路面摩擦状態を修正する。
このように、計算手段により特徴量が計算される対象となる路面の予め求められた路面摩擦状態と、第2の推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、第2の記憶手段に記憶された路面摩擦状態を修正するので、第2の記憶手段に記憶された路面摩擦状態を適正な値にすることができ、路面摩擦状態を精度よく推定することができる。
ここで、請求項3のように、前記計算手段は、前方路面の路面状態を表す特徴量を計算するようにしてもよく、請求項4のように、計算手段は、現在走行している路面の路面状態を表す特徴量を計算するようにしてもよい
請求項5記載の路面状態推定装置は、請求項1記載の発明であって、車両が走行予定の前方路面の輝度情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、路面状態を表す路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算する演算手段と、を備えた路面状態物理量演算装置であって、前記演算手段は、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報に基づいて前記パラメータを修正し、該修正したパラメータと、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、に基づいて、路面状態を表す路面状態物理量を演算する路面状態物理量演算装置を更に備えたことを特徴とする。
即ち、本発明は、車両が走行予定の前方路面の輝度情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、路面状態を表す路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算する演算手段と、を備えている。
このように、前方路面の輝度情報と、路面状態を表す路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算すると、環境条件が変わると、前方路面の輝度情報の値が変わり、精度良く路面状態物理量を得られない。
そこで、本発明では、演算手段は、検出手段により検出された前方路面の輝度情報に基づいてパラメータを、環境条件に応じた路面状態物理量が適正に演算されるように、修正し、該修正したパラメータと、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、に基づいて、路面状態を表す路面状態物理量を演算するようにしている。よって、環境条件が変わってもパラメータが修正され、精度良く路面状態物理量を得ることができる。
この場合、請求項6のように、検出手段は、前方路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出し、上記パラメータは、検出された複数の領域各々の輝度情報を各路面状態毎に分類するための値であり、演算手段は、検出された複数の領域各々の輝度情報を前記パラメータにより各路面状態毎に分類し、路面状態物理量を演算するようにしてもよい。また、請求項7のように、検出手段は、路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出し、上記パラメータは、検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を最大にする値であり、演算手段は、パラメータにより最大となった、上記検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を演算することにより、路面状態物理量を演算するようにしてもよい。
請求項8記載の路面状態推定装置は、請求項1に記載の発明であって、複数の路面状態の各々毎に、輝度情報に基づいて定まる各路面の路面状態を表す路面状態物理量を記憶する第4の記憶手段と、前方路面の輝度情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、前記第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態を表す路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定する第4の推定手段と、を備えている。
即ち、第4の記憶手段は、複数の路面状態の各々毎に、輝度情報に基づいて定まる各路面の路面状態を表す路面状態物理量を記憶する。なお、輝度情報に基づいて定まる路面状態物理量には、例えば、輝度分布等である。
検出手段は、前方路面の輝度情報を検出する。
そして、第4の推定手段は、検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態を表す路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定する。即ち、第4の推定手段は、例えば、検出手段により検出された前方路面の輝度情報から路面状態物理量を求め、該求めた路面状態物理量と、第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定する。即ち、第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態物理量の内、検出手段により検出された前方路面の輝度情報から求められた路面状態物理量に最も近い路面状態物理量を求め、求めた路面状態物理量に対応する路面状態を前方路面の路面状態として推定する。
このように、複数の路面状態の各々毎に路面状態物理量を記憶し、検出された前方路面の輝度情報と、複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定するので、前方路面の路面状態を精度よく推定することができる。
なお、第4の推定手段は、検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算し、該演算した路面状態物理量と、前記第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態を表す路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定するようにしてもよい。
この場合、第4の推定手段は、検出手段により検出された前方路面の輝度情報に基づいて上記パラメータを修正し、該修正したパラメータと、検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、に基づいて、路面状態を表す路面状態物理量を演算するようにしてもよい。
また、検出手段は、前方路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出し、パラメータは、検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を最大にする値であり、第4の推定手段は、パラメータにより最大となった、上記検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を演算することにより、路面状態物理量を演算するようにしてもよい。
請求項10記載の路面状態推定装置は、請求項8記載の発明において、請求項1記載の路面状態推定装置と、前記路面状態推定装置により推定された路面状態と、前記路面状態推定装置により路面状態が推定される際に前記検出手段により検出された輝度情報と、に基づいて、前記記憶手段に記憶されかつ該路面状態推定装置により推定された路面状態に対応する路面状態物理量を更新する更新手段と、を更に備えている。
即ち、本発明は、路面状態推定装置により推定された路面状態と、路面状態推定装置により路面状態が推定される際に検出手段により検出された輝度情報と、に基づいて、記憶手段に記憶されかつ該路面状態推定装置により推定された路面状態に対応する路面状態物理量を更新するので、前方路面の路面状態をより精度よく推定することができる。
請求項11記載の路面状態報知装置は、車両が現在走行している現在走行路面の路面状態を推定する請求項1に記載の路面状態推定装置、前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段、及び、前記路面状態推定装置により推定された現在走行路面の路面状態と、前記前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態と、を比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知する報知手段と、を備えている。
路面状態推定装置は、車両が現在走行している現在走行路面の路面状態を推定し、前方路面状態検出手段は、車両が走行予定の前方路面の路面状態を検出する。
報知手段は、路面状態推定装置により推定された現在走行路面の路面状態と、前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態と、を比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知する。
即ち、例えば、前方路面の路面状態が現在路面の路面状態から変化した場合、例えば、現在路面の路面状態が乾燥路面で、前方路面の路面状態が乾燥路面から圧雪路面に変化したとき、報知手段は、該変化した路面状態である、圧雪路面を報知する。更に、現在路面の路面状態が、乾燥路面から圧雪路面に変化した場合、報知手段は、該変化した路面状態である、圧雪路面を報知する。
このように、路面状態推定装置により推定された現在走行路面の路面状態と、前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態と、を比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知するので、路面状態の変化に対する路面状態の報知の応答性を向上させることができる。
請求項13記載の発明にかかる路面状態推定装置は、現在走行している現在走行路面の路面状態を推定する請求項1に記載の路面状態推定装置と、前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段と、前記前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態に遅れ時間処理を施す遅れ時間処理手段と、前記路面状態推定装置により検出された現在路面の路面状態と、前記遅れ時間処理手段により遅れ時間処理の施された前方路面の路面状態と、に基づいて、現在路面の路面状態を報知する報知手段と、を備えている。
即ち、路面状態推定装置は、車両が現在走行している現在走行路面の路面状態を推定し、前方路面状態検出手段は、前方路面の路面状態を検出する。
遅れ時間処理手段は、前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態に遅れ時間処理を施す。
報知手段は、路面状態推定装置により推定された現在路面の路面状態と、遅れ時間処理手段により遅れ時間処理の施された前方路面の路面状態と、に基づいて、現在路面の路面状態を報知する。
このように、推定された現在路面の路面状態と検出かつ遅れ時間処理の施された前方路面の路面状態とに基づいて、現在路面の路面状態を報知するので、路面状態を精度よく報知することができる。
請求項14記載の発明にかかる路面状態推定装置は、車両が走行する路面の路面状態を検出する路面状態検出手段と、前記路面と前記車両のタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態を推定する路面摩擦状態推定手段と、前記路面状態検出手段により検出された路面状態と、前記路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定する最終路面摩擦状態推定手段と、を備えている。
即ち、路面状態検出手段は、車両が走行する路面の路面状態を検出し、路面摩擦状態推定手段は、該路面と該車両のタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態を推定する。
最終路面摩擦状態推定手段は、路面状態検出手段により検出された路面状態と、路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定する。即ち、最終路面摩擦状態推定手段は、路面状態検出手段により検出された路面状態と、路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態と、に基づいて、検出された路面状態が変わらない又は変化量が所定値以内の場合には、路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態の平均値(移動平均等)を、最終の路面摩擦状態として求める。
このように、路面状態検出手段により検出された路面状態と、路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定するので、路面摩擦状態を路面状態の変化に応じて処理することができ、路面摩擦状態をより精度よく推定することができる。
なお、路面摩擦状態を路面状態の変化に応じて処理することができるとしても、何らかの影響により、検出された路面摩擦状態が正確なものでない場合には、最終的に推定された路面摩擦状態が、正確でなくなる。
そこで、請求項15記載の発明では、請求項14において、複数の路面状態の各々毎に、各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲を予め定めておき、前記各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲、前記路面状態検出手段により検出された路面状態、及び前記路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態に基づいて、前記路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、前記路面状態検出手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内か否かを判断する判断手段を更に備え、前記最終路面摩擦状態推定手段は、前記判断手段により、前記路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、前記路面状態推定手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された場合に、前記路面状態検出手段により検出された路面状態と、前記路面摩擦状態推定手段により検出されかつ該路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定するようにしている。
即ち、複数の路面状態の各々毎に、各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲が予め定められている。
判断手段は、各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲、路面状態検出手段により検出された路面状態、及び路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態に基づいて、路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、路面状態検出手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内か否かを判断する。即ち、例えば、検出された路面摩擦状態が、路面状態検出手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲外と判断された場合には、検出された路面摩擦状態は正確でないと判断することができる。よって、この正確でない路面摩擦状態を用いて最終の路面摩擦状態を推定すると、路面摩擦状態の推定値は正確でなくなる。
そこで、最終路面摩擦状態推定手段は、判断手段により、路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、路面状態推定手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された場合に、路面状態検出手段により検出された路面状態と、路面摩擦状態推定手段により検出されかつ該路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定するようにしている。よって、路面摩擦状態を精度よく推定することができる。
請求項16記載の路面状態推定装置は、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出手段と、車輪速を検出する車輪速検出手段と、複数の路面状態の各々毎に、タイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と車輪速との関係を記憶する記憶手段と、前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び前記記憶手段に前記複数の路面状態の各々毎に記憶された係数に基づいて、路面状態を推定する推定手段と、を備えている。
タイヤ発生音検出手段は、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出し、車輪速検出手段は、車輪速を検出する。
記憶手段は、タイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と車輪速との関係を記憶する。なお、当該関係を表す式を定めるための係数を記憶することにより、当該関係を記憶するようにしてもよい。なお、該式としては例えば2次式でもよい。
推定手段は、タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音、車輪速検出手段により検出された車輪速、及び記憶手段に複数の路面状態の各々毎に記憶された関係に基づいて、路面状態を推定する。
このように、路面状態を推定するために、複数の路面状態の各々毎にタイヤ発生音と車輪速との関係を記憶しているので、各路面状態毎にタイヤ発生音及び車輪速を記憶する場合よりも記憶量を少なくすることができる。
求項16記載の発明は、前記タイヤ発生音検出手段により検出された車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音と、前記車輪速検出手段により検出された車輪速と、に基づいて、前記記憶手段に記憶された関係を更新する更新手段を更に備え、前記推定手段は、前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び前記記憶手段に前記複数の路面状態の各々毎に記憶されかつ前記更新手段により更新された関係に基づいて、路面状態を推定する。
なお、以上説明した種々の発明においては、タイヤ発生音検出手段は、タイヤ発生音に、該タイヤ発生音の発生源に基づくタイヤ発生音以外の外乱の影響が小さくなる位置に配置する。例えば、タイヤ近傍のバンパー内部等である。
また、路面の輝度情報を検出する手段は、車両の一部及び前方路面を含む領域の輝度情報を検出し、該手段により検出された輝度情報に基づいて、車両の一部の輝度情報と前方路面の輝度情報との関係を演算かつ出力する演算出力手段を更に設けるようにしても良い。
以上説明したように請求項1に記載の発明は、タイヤ発生音自体を扱うのではなく、タイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算しているので、路面の状態を推定するのに必要な情報を少なくすることができ、計算された特徴量と、複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定するので、路面の状態を精度よく推定することができる、という効果を有する。
請求項2乃至請求項4に記載の発明は、検出手段により特徴量が検出される対象となる路面の予め求められた路面摩擦状態と、推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、記憶手段に記憶された路面摩擦状態を修正するので、記憶手段に記憶された路面摩擦状態を適正な値にすることができ、路面摩擦状態を精度よく推定することができる、という効果を有する。
請求項5乃至請求項7記載の発明は、検出された前方路面の輝度情報に基づいてパラメータを修正し、該修正したパラメータと、検出された前方路面の輝度情報と、に基づいて、路面状態を表す路面状態物理量を演算するので、環境条件が変わってもパラメータが修正され、精度良く路面状態物理量を得ることができる、という効果を有する。
請求項8乃至請求項10記載の発明は、複数の路面状態の各々毎に路面状態物理量を記憶し、検出された前方路面の輝度情報と、複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定するので、前方路面の路面状態を精度よく推定することができる、という効果を有する。
請求項11及び請求項12記載の発明は、推定された現在走行路面の路面状態と、前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態と、を比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知するので、路面状態の変化に対する路面状態の報知の応答性を向上させることができる、という効果を有する。
請求項13記載の発明は、推定された現在路面の路面状態と検出かつ遅れ時間処理の施された前方路面の路面状態とに基づいて、現在路面の路面状態を報知するので、路面状態を精度よく報知することができる、という効果を有する。
請求項14及び請求項15記載の発明は、路面状態検出手段により検出された路面状態と、路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定するので、路面摩擦状態を路面状態の変化に応じて処理することができ、路面摩擦状態をより精度よく推定することができる、という効果を有する。
請求項16記載の発明は、路面状態を推定するために、複数の路面状態の各々毎にタイヤ発生音と車輪速との関係を記憶しているので、各路面状態毎にタイヤ発生音及び車輪速を記憶する場合よりも記憶量を少なくすることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る路面状態推定装置は、車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出手段としてのタイヤ発生音検出センサ10と、車輪速を検出する車輪速検出手段としての車輪速検出センサ12と、路面状態推定器100と、を備えている。
ここで、タイヤ発生音検出センサ10は、タイヤ近傍で、エンジン音及び風切り音などの外部の影響を受け難く、さらに、水、石等の障害物が極力当たらない位置に配置されている。具体的には、図示しないタイヤ近傍に車両振動音の影響を受けないように配置している。例えば、エンジンが車両の前側に位置する場合には、タイヤ発生音検出センサ10を車両後部のタイヤ近傍のボデイに配置する。なお、タイヤ発生音検出センサ10としてはマイクを用いることができる。また、車輪速検出センサ12は、車輪速として車輪速の回転角速度を検出するセンサである。
また、路面状態推定器100は、タイヤ発生音検出センサ10により検出されたタイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算する計算手段としてのIC等で構成された前処理器14と、前処理器14により計算された特徴量と、車輪速検出センサ12により検出された車輪速と、を成分とする特徴ベクトルを生成するIC等で構成された特徴ベクトル生成器16と、推定装置18と、を備えている。
推定装置18は、複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して特徴量をマップとして記憶する判定マップメモリ22と、特徴ベクトル生成器16により生成された特徴ベクトルと、判定マップメモリ22に複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応してマップとして記憶された特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定するIC等で構成された判定処理器20と、を備えている。
ここで、判定マップメモリ22に記憶されている特徴量、即ち、複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応してマップとして記憶された特徴量を説明するが、最初に、タイヤと路面間で生じる音の発生要因について説明する。
タイヤと路面間で生じる音の発生源について、例えば、横浜ゴム株式会社編「自動車用タイヤの研究」山海堂、酒井秀男著「タイヤ工学」グランプリ出版に記載されており、その主な発生源は、
ポンピングノイズ
ゴムの衝突ノイズ
タイヤボディの振動ノイズ
スキールノイズ
である。
ポンピングノイズは、トレッド構内の空気が圧縮、放出のポンピング作用による気柱共鳴で発生し、その基本波周波数は1.5kHz〜2.5kHzである。ポンピングノイズは、路面が平滑だと大きくなる。
ゴムの衝突ノイズは、トレッド表面と路面表面の小石や水等とが相対的に衝突したときに発生し、不等ピッチパターンでホワイトノイズ化され、その周波数は1kHz以上である。
タイヤボディの振動ノイズは、転動(タイヤの回転)時にトレッドとサイドウォールが加振され、その振動が空気伝播してノイズとなるもので、加振力としてトレッドゴムブロックによる第1の振動ノイズと、路面凹凸による第2の振動ノイズと、がある。これらの周波数は数百〜数kHzである。
スキールノイズは急ブレーキ、急コーナリング時におけるトレッドゴムのスティックスリップにより発生し、周波数は1kHz〜2kHzとなる。
以上説明した発生源から分かるように、タイヤ発生音は、路面状態及び発生源、例えば、タイヤの種類、トレッドパターン、走行速度に影響を受ける。
図2は、スタッドレスタイヤで異なる路面を所定速度で走行した時の時間−周波数解析結果を示すものである。音の発生源からこの周波数分布を考察すると、2000Hz以下の部分Aがタイヤボディの振動ノイズ、基本波が2000Hzの部分Bがポンピングノイズにそれぞれ相当すると考えられる。また1000Hz以上の部分Cは、ホワイトノイズ成分であり路面表面上の水等とトレッド表面とが衝突したり、該水等が跳ね上げられたりする際に発生する成分と考えられる。
従って、湿潤アスファルト路面は、図2(B)に示すように、1kHz以上のホワイトノイズ成分(部分C参照)が大きく、逆に乾燥アスファルト路面ではこれが小さい。
氷盤路面は平坦なため、図2(C)に示すように、基本波が2000Hzのポンピングノイズ成分(部分B参照)が大きく、逆に路面凹凸によるタイヤボディ振動ノイズ(部分A参照)が小さくなっている。
圧雪路面は、図2(D)に示すように、ポンピングノイズ、ホワイトノイズ成分、トレッドゴムブロック加振による成分とも小さくなっている。
このように路面状態により音の発生源に依存する音の成分の大きさが異なる為、これら成分を抽出する事により路面状態を判別する事が可能となる。
図3は、乾燥アスファルト路及び湿潤アスファルト路、図4は、永盤路及び圧雪路の、それぞれ予め把握された各路面のタイヤ発生音を、ドベシィのウェーブレット(N=3)を用いて、ウェーブレット変換処理したものである。また図5は、各ウェーブレット成分を時間−周波数解析したものである。
図3〜図5から理解されるように、特にd1の成分は2000Hzのポンピングノイズと2000Hz以上のゴム衝突ノイズを表しており、d4の成分は2kHz以下のトレッドゴムブロック加振によるタイヤボディの第1の振動ノイズ、d5〜d9の成分は1kHz以下の路面凹凸によるタイヤボディの第2の振動ノイズを表している事が分かる。したがって特にこの成分が各路面で異なっている事が分かる。
以上は、車輪速がある所定値の場合であるが、車輪速が変化すると、タイヤ発生音をウェーブレット変換処理した値も変化する。
本実施形態では、複数の車輪速のそれぞれ毎及び複数の路面状態のそれぞれ毎に、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量としての・タイヤ発生音をウェーブレット変換した値を、判別マップメモリ22に記憶している。即ち、予め複数の路面の各々毎の代表的なタイヤ発生音と車速とから、前処理器14と特徴ベクトル生成器16で得られた特徴ベクトル(特徴量(タイヤ発生音をウェーブレット変換処理した値)と車速との組み合わせ)を、各路面状態毎にクラス分けし、プロトタイプとして判定マップメモリ22に記憶している。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を、タイヤ発生音検出センサ10が検出する。また、このときの車輪速を車輪速検出センサ12が検出する。
前処理器14は、タイヤ発生音検出センサ10により検出されたタイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量を計算する。即ち、前処理器14は、タイヤ発生音検出センサ10により検出されたタイヤ発生音を信号処理解析することにより、タイヤ発生音を路面状態に依存する各発生源の成分に分離する。ここで信号処理解析として、タイヤ発生音の波形と少なくとも1つの予め定められた長さの基本波形との相関値、即ち、例えば、タイヤ発生音の信号とウェーブレット基本波との内積をとって、時間領域の相似相関を検出するウェーブレット解析を用いることができる。なお、これに代えて、各種フィルタ処理を用いるようにしてもよい。
図6に、ウェーブレット変換を用いた前処理器14のアルゴリズムを示す。
これは、Mallatによって1989年に発見された高速ウェーブレット変換アルゴリズムである(A.Mallat:“A Theory for Multiresolution Signal Decomposition:the Wavelet Representation,”IEEE Trans.PAMI,Vol. 11,No.7,ppp.674−693,1989.参照)。
ステップ32で、タイヤ発生音をサンプリングして得られる数列をSk (j)とする。ステップ34で、レベルjのスケーリング係数から、1レベル精度の低いレベルj+1のウェーブレット展開係数及びスケーリング係数を導出する。
Figure 0004046059
ここで、SK (j)はスケーリング係数、WK (j)はウェーブレット展開係数、pはスケーリング関数の数列、qはウェーブレットの数列(基本波形)を表し、kはシフト量、jはスケールを表す。
特徴ベクトル生成器16は、前処理器14で分離抽出した各成分と、車輪速検出センサ12により検出された車輪速と、の組み合わせ、即ち、これらを成分とする特徴ベクトルを生成する。そして、特徴ベクトル生成器16は、このようにして求められた特徴ベクトルを判定処理器20に供給する。
判定処理器20は、特徴ベクトル生成器16で生成された特徴ベクトルと、判定マップメモリ22に記憶された・複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴ベクトルと、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定する。即ち、判定処理器20では、入力された特徴ベクトルが、特徴空間(特徴量と速度を成分する空間)上で判定マップメモリ22に記憶されているプロトタイプと比較され、最も距離の近いプロトタイプの属するクラスを路面状態の判別結果として出力する。距離としてはユークリッド距離を用いる。
なお、識別処理は、最近傍決定則(NN法)、ベイズ決定則、線形識別関数、ニューラルネットワークなどを適用することができる。識別手法としてニューラルネットワークを用いる場合は、ニューラルネットワークの重み係数が識別辞書のデータとなる。
以上説明したように本実施の形態では、広範囲の周波数成分を有するタイヤ発生音自体を扱うのではなく、タイヤ発生音から、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算しているので、路面の状態を推定するのに必要な情報を少なくすることができ、計算された特徴量と、複数の路面状態の各々毎に対応して記憶された路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と、に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定するので、路面の状態を精度よく推定することができる。
即ち、図3及び図4に示すように、例えば、湿潤路面を走行したときのタイヤ発生音をウエーブレットで分解した波形から理解できるように、タイヤ発生音は、低周波数から高周波数(a12,d12,d11,…d1)に渡る各信号で構成されている。各信号の波形は、周期的ではなく、突発的は変化をする特徴を有する。各信号の周期も異なる。フーリエ変換は、波形が、周期的ではなく、突発的は変化をする特徴を有する信号の解析としては不十分である。よって、フーリエ変換を用いる場合では、路面の状態を精度よく推定することができない。
上記のようにウエーブレット変換に代えて、タイヤ発生音を、複数のタイヤ発生音の発生源各々に応じて定まる帯域フィルタを通過させることにより、分解し、解析するようにしてもよい。即ち、図13には、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、帯域フィルタを通過させることにより、分解した波形が示されている。この分解された波形を具体的に解析する場合には、各波形の実効値を求める。図14(A)及び図14(B)は、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、帯域フィルタを通過させることにより分解した波形から求めた特徴量(波形の実効値)を示した図である。
ただし、図14(A)及び図14(B)に示すように、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音の特徴量は比較的狭い領域内に分布している。従って、核路面の特徴量を明確に区別することは難しい。よって、タイヤ発生音を、帯域フィルタを通過させることにより、分解した波形から求めた特徴量からでは、タイヤ発生音をウエーブレットで分解する場合に比較すると、路面状態を正確に判別することができない。
一方、上記実施の形態では、複数の路面状態、例えば、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音をウエーブレットで分解した波形から特徴量を求めており、各特徴量は広い範囲に散らばって分布しているので、特徴量から、路面状態を正確に判別することができる。以下、これを更に詳細に説明する。
タイヤ発生音をウエーブレットで分解する際に使用する基本波形は、各々振幅が第1の範囲内の値である2つの第1の領域と、該2つの第1の領域に挟まれ、振幅が該第1の範囲より大きくかつ該第1の範囲より広い第2の範囲内の値である第2の領域と、を有する。即ち、例えば、図15に示すドベシイのウェーブレットの基本波形を説明する。図15に示すように、ドベシイのウェーブレットの基本波形は、各々振幅が第1の範囲L1内の値である2つの第1の領域R1(R11、R12)と、該2つの第1の領域R1(R11、R12)に挟まれ、振幅が該第1の範囲L1より大きくかつ該第1の範囲L1より広い第2の範囲L2内の値である第2の領域R2と、を有する。なお、以下、同様に、図16〜図18に示すように、シムレット、コアレット、及びメイエのウェーブレットの基本波形も同様である。
複数の路面、例えば、乾燥、湿潤、氷盤、及び圧雪の4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、上記ドベシイのウェーブレット(図15参照)で分解した波形は、図3及び図4に示すようになり、このように分解した波形から求めた特徴量(相関値)は、図19(A)及び図19(B)に示すようになる。なお、図中では、乾燥、湿潤、氷盤、及び圧雪をそれぞれ、Dry, Wet, Ice, snowと記載している。
上記図14(A)及び図14(B)と図19(A)及び図19(B)と比較すると、図19(A)及び図19(B)に示す、上記ドベシイのウェーブレットで分解した波形から求めた特徴量(相関値)の各路面毎の値は、上記図14(A)及び図14(B)に示す特徴量の分布領域より、広い。このように、各路面の特徴量は広い範囲に散らばって分布しているので、特徴量から、路面状態を正確に判別することができる。
なお、シムレット、コアレット、及びメイエのウェーブレットで分解した波形から求めた特徴量(相関値)の各路面毎の値も、広い範囲に散らばって分布しているので、特徴量から、路面状態を正確に判別することができる。
次に、上記前処理器14の具体的内容を図20を参照して説明する。
図20に示すように、上記前処理器14は、タイヤ発生源波形波長データを記憶するメモリ14A、マザー・ウェーブレット(ウエーブレット関数)を発生するウェーブレット関数発生器14B、メモリ14Aに記憶されたタイヤ発生源波形波長データと、ウェーブレット関数発生器14Bにより発生されたマザー・ウェーブレットと、から、タイヤ発生源の波形を解析するためのウェーブレット基底を演算するウェーブレット基底演算器14C、及び、タイヤ発生音検出センサ10により検出されたタイヤ発生音とウェーブレット基底演算器14Cにより演算されたウェーブレット基底との内積を演算して相似相関値を検出する相似相関演算器14Cを備えている。
ウェーブレット関数発生器14Bは、マザー・ウェーブレットを発生する。このマザー・ウェーブレットは、以下の式を満たす2乗可積分関数に属する。
Figure 0004046059
さらに、マザー・ウェーブレットは、
Figure 0004046059
となる関数の総称である。数3における左の式(第1の条件)から、ψ(t)は、振動的で、台(関数が0とならない区間の閉包)が有界となるものである。そして、数3における右の式(第2の条件)から、ψ(t)は、その変動が有限で1に標準化されている。マザー・ウェーブレットは、これら2つの条件をみたす限り任意のものでよい。
ウェーブレット基底演算器14Cは、メモリ14Aに記憶されたタイヤ発生源波形波長データと、ウェーブレット関数発生器14Bにより発生されたマザー・ウェーブレットと、から、タイヤ発生源の波形を解析するためのウェーブレット基底を演算する。即ち、ウェーブレット基底演算器14Cは、タイヤ発生音の発生源となる各発生源波形を検出するための、ウェーブレット基底を演算する。
ウェーブレット基底は次式で表される。
Figure 0004046059
aは、波長の拡大・縮小を制御するスケール・パラメータ、bは時間を調整するシフト・パラメータである。
ウェーブレット基底演算器14Cは、メモリ14Aに記憶されたタイヤ発生源波形波長データからウエーブレット基底の波長がタイヤ発生源波長と等しくなるようスケール・パラメータaを設定する。即ち、複数の路面状態の各々の路面を予め走行することにより、ウエーブレット基底の波長がタイヤ発生源波長と等しくなるようスケール・パラメータaを設定する。
相似相関演算器14Cは、タイヤ発生音検出センサ10により検出されたタイヤ発生音とウェーブレット基底演算器14Cにより演算された各ウェーブレット基底との内積を演算して相似相関値を検出する。即ち、相似相関演算器14Cは、次式のように、設定したウェーブレット基底とタイヤ発生音x(t)との内積を演算する。
Figure 0004046059
そして、相似相関演算器14Cは、シフト・パラメータb変化させて、各時点での相似相関値を演算して、タイヤ発生音から、その発生源となる音の成分を検出する。
このように、一般に間欠音との相似性の強いウェーブレット関数を用いて、さらにタイヤ発生源となる各波形の波長データから、そのタイヤ発生源波形と相似なウェーブレット基底を求め、そのウェーブレット基底とタイヤ発生音の内積を演算するので、タイヤ発生音からその発生源となる成分のみを精度良く検出できる。
ここで、
Figure 0004046059
とおき、変形すると、数5の式は、
Figure 0004046059
となり、インパルス応答がg(t)であるフィルタにx(t)を入力したときの出力と等価である。
即ち、相関を利用した信号処理法に整合フィルタがある。これはある波形と一致した波形が入力されたときに大きな出力が得られるように設計されたフィルタである。たとえばz(t)という波形に一致したときに出力が大きくなるようなフィルタを考える。フィルタのインパルス応答をg(t)=z(−t)のようにする。入力をu(t)、出力をy(t)とすると、
Figure 0004046059
となる。すなわち入力にz(t)と同じ波形が入ると、出力はz(t)の自己相関関数をtだけずらしたものになる。一方で、z(t)と相関のない入力に対しては出力は小さくなる。
ウェーブレット変換はスケーリング付の整合フィルタと考えることが出来る。すなわち、ウェーブレット変換はインパルス応答がg(t)であるフィルタにx(t)を入力したときの出力と等価である。
このフィルタを整合フィルタと考えると、
Figure 0004046059
即ち、スケーリングしたアナライジングウェーブレットと一致した波形が入力されたときに大きな出力が得られる整合フィルタということになる。
(変形例)
次に、第1の実施の形態の変形例を説明する。以下に示す2つの変形例は何れも、上記前処理器14の部分が異なる。よって、主として異なる部分のみを説明する。
図21に示すように、第1の変形例にかかる前処理器14N1は、タイヤ発生音の各発生源波形に対し、相関のある各相似波形を記憶する相似波形メモリ14G、及び、タイヤ発生音と、該記憶した各相似波形の相関を演算して、タイヤ発生音からその各発生源波形を検出する相関演算器14Hを備えている。
相似波形メモリ14Gは、タイヤ発生音の各発生源波形に対し、相関のある各相似波形を記憶する。具体的には、図23に示すように、タイヤ発生音と相関をとるために、複数の路面、例えば、上記のように、乾燥路面、湿潤路面、圧雪路面、及び氷盤路面などの各路面毎に対応して基本波形を記憶する。即ち、各路面を予め走行することにより検出した各路面の基本波形を記憶する。なお、図23(A)は、乾燥路面の基本波形、図23(B)は、湿潤路面の基本波形を示している。
相関演算器14Hは、タイヤ発生音と、上記記憶した各基本波形の相関を演算して、タイヤ発生音からその各発生源波形を検出する。
具体的には、タイヤ発生音x(i)と基本波形s(i)との相関を次式より演算する。
Figure 0004046059
即ち、図24に示すように、一定期間内のタイヤ発生音x(i)(図24(A)参照)に対し、例えば、乾燥路面の基本波形s(i)(図23(A)、図24(B)参照)を用いて、相関をとると、図24(C)に示すように相関値Rxs(i)が得られる。図24(A)乃至図24(C)に示すように、一定期間内のタイヤ発生音x(i)の中で、基本波形s(i)に近似している部分について大きな相関値Rxs(i)が得られる。
次に、第2の実施の形態の変形例を説明する。図22に示すように、第2の変形例にかかる前処理器14N2は、タイヤ発生音の各発生源波形に対し、相関のある各相似波形を設定する相似波形設定器14I、及び、タイヤ発生音と、該設定された各相似波形の相関を演算して、タイヤ発生音からその各発生源波形を検出する相関演算器14Jを備えている。
相似波形設定器14Iは、各路面状態のタイヤ発生源波形と相似な局在波形(原波形)を用いて、その波長を設定するすることにより、基本波形を設定する。図25は、次式による局在波系の一例である。
Figure 0004046059
相似波形設定器14Jは、上式のパラメータaを、各タイヤ発生源波形を最も良く検出できるよう設定する。即ち、各路面を予め走行することにより、各路面の波形に一致又は近似するように、上式のパラメータaを設定する。例えば、図25に示すように、局在波形(a=1)W1を、走行した路面の波形に一致又は近似するように、パラメータaを1より小さくして、基本波形W2を設定する。
なお、相関演算器14Jは、タイヤ発生音と、上記設定された各基本波形の相関を演算して、タイヤ発生音からその各発生源波形を検出する。なお、詳細は上記第1の変形例と同様であるので、その説明を省略する。
なお、第2の変形例では、各路面の基本波形を、上記数式のパラメータを変更することにより、設定しているので、各路面の基本波形事態を記憶する第1の変形例に比べると、記憶量を少なくすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、路面と車輪そとの間の最大摩擦係数である最大路面摩擦係数μsを推定する路面摩擦係数推定装置(μs推定装置)50に、路面状態推定器を備えたものである。即ち、μs推定装置50は、図7に示すように、第1の実施の形態の路面状態推定器100と同構成の路面状態推定器52と、各路面状態毎に対応して最大路面摩擦係数μsを記憶する路面μ推定器54と、から構成されている。第1の実施の形態と比較すると、路面状態から最大路面摩擦係数μsを推定する機能を付加した点相違する。

即ち、路面μ推定器54は、路面状態推定器52により推定された路面状態と、路面μ推定器54が各路面状態毎に対応して記憶する最大路面摩擦係数μsと、から、現在走行している路面(タイヤ発生音が検出された路面)の最大路面摩擦係数μsを推定するものである。
最大路面摩擦係数μsは路面状態と走行速度、水膜圧、タイヤ種類に依存することが、横浜ゴム株式会社編「自動車用タイヤの研究」山海堂に示されている。
路面μ推定器54では、路面状態判別部で判別した路面状態から最大路面摩擦係数μsを関連付けて出力する。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図8に示すように、本実施の形態は、前述した第2の実施の形態(図7参照)と略同様の構成であるが、車輪速が路面μ推定器64にも入力されるように構成されている点で相違する。
即ち、本実施の形態に係るμs推定装置60は、第1の実施の形態の路面状態推定器100と同構成の路面状態推定器62と、各路面状態毎及び車輪速毎に対応して最大路面摩擦係数μsを記憶する路面μ推定器64と、から構成されている。
路面μ推定器64は、車輪速及び路面状態推定器62で判別された路面状態と、
路面μ推定器64が各路面状態毎及び車輪速毎に対応して記憶している最大路面摩擦係数μsと、から現在走行している路面(タイヤ発生音が検出された路面)の最大路面摩擦係数μsを推定し、これを出力する。
第1の実施の形態と比較すると、路面状態と車速から最大路面摩擦係数を推定する機能を付加した点相違する。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
図9に示すように、本実施の形態に係るμs推定装置70は、第1の実施の形態に係る路面状態推定器100と同構成の路面状態判別器72、路面μ推定器78、μ勾配推定器74、及びタイヤ種別判定器76から構成されている。
本実施の形態に係るμs推定装置70では、路面状態推定器72で路面状態を推定する。
μ勾配推定器74で車輪と路面との間の摩擦係数のスリップ速度に対する勾配であるμ勾配を推定する。即ち、μ勾配推定器74は、例えば、特願2002−040722号公報に記載の方法により前輪及び後輪の車輪速差と前後加速度とを用いてμ勾配を推定する。
タイヤ種別判定器76では、μ勾配に基づいてタイヤ種別を判定する。タイヤ種別判定器76は、例えば、特願2002−040722号公報に記載の方法により、μ勾配推定器74で推定されたμ勾配を用いて、サマータイヤ(磨耗したスタッドレスタイヤを含む。)であるか、スタッドレスタイヤであるかのタイヤの種別を判定する。
そして、路面μ推定器78は、路面状態、車輪速、及びタイヤ種から、路面μ推定器78で現在走行している路面(タイヤ発生音が検出された路面)の最大路面摩擦係数μsを推定する。第1の実施の形態と比較すると、路面状態とタイヤ種別と車輪速から最大路面摩擦係数μsを推定する機能を付加した点相違する。
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
本実施の形態に係るμs推定装置は、図10に示すように、定常走行時の最大路面摩擦係数μsを推定するμs推定器80と、加減速走行時の最大路面摩擦係数μg1を推定するμg1推定器82と、旋回走行時の最大路面摩擦係数μg2を推定するμg2推定器84と、最大路面摩擦係数μg1、μg2のいずれか一方を選択するμg選択器86と、重み係数Kを決定する重み係数決定器88と、総合的な最大路面摩擦係数μmaxを推定するμmax推定器90と、を備えている。
μs推定器80には、前述したタイヤ発生音及び車輪速が入力される。μg1推定器82には、図示しないセンサから前後加速度(加減速度)が入力される。μg2推定器84には、図示しないセンサから横加速度が入力される。
以下、各器を説明する。
μs推定器80としては、図7、図8、図9のμs推定器50、60、70の何れも採用することができる。
μg1推定器82は、例えば、特願2002−040722号公報に記載の方法により、車輪速及び前後加速度に基づいてμ勾配を推定し、μ勾配に基づいて加減速走行時のグリップ度Gr1及び最大路面摩擦係数μg1を推定する。推定された最大路面摩擦係数μg1はμg選択器86に供給される。
μg2推定器84は、例えば、特願2002−040722号公報に記載の方法により、車輪速からμ勾配を推定し、μ勾配に基づいて旋回走行時のグリップ度Gr2及び細大路面摩擦係数μg2を推定する。推定された最大路面摩擦係数μg2はμg選択器86に供給される。
μg選択器86は、μg1推定器82で推定された最大路面摩擦係数μg1と、μg2推定器84で推定された最大路面摩擦係数μg2と、のうちの大きな値の方を選択し、選択したものを最大路面摩擦係数μgとしてμmax推定器90に供給する。
なお、μg選択器86は、グリップ度Gr1,Gr2のうち小さい方に対応する最大路面摩擦係数を選択してもよい。また、μg選択器86は、操舵角センサで検出された操舵角に基づいて旋回走行時であるかを判定し、旋回走行時であるときは最大路面摩擦係数μg2を選択し、旋回走行時でないときは最大路面摩擦係数μg1を選択してもよい。
重み係数決定器88は、μg選択器86で選択された最大路面摩擦係数μgに対するグリップ度Grに基づいて、重み係数Kを決定する。具体的には、等該グリップ度Grが1に近づくに従って重み係数Kを1に近づけ、グリップ度Grがゼロに近づくに従って重み係数Kをゼロに近づける。即ち、車両が定常走行している場合は、グリップ度Grは大きな値(1に近い値)になるので、μgよりもμsの信頼度を高くするために、重み係数Kを1に近い値にする。
また、車両が加減速走行又は旋回走行している場合は、グリップ度Grは小さな値になるので、μsよりもμgの信頼度を高くするために、重み係数Kをゼロに近い値にする。
なお、重み係数決定器88は、トラクション・コントロール・システム(TRC:Traction Control System),アンチロック・ブレーキ・システム(ABS:Antilock Brake System)等の車両安定性制御システム(VSC:Vehicle Stability Control System)の制御が行われている場合は、重み係数Kをゼロに近づけてもよい。
μmax推定器90は、例えば、特願2002−040722号公報に記載の方法により、定常走行時と、加減速走行時又は旋回走行時とを総合的に考慮した最大路面摩擦係数μmaxを推定する。
以上のように、定常走行時の最大路面摩擦係数μsと、加減速走行時時又は旋回走行時の最大路面摩擦係数μgとに基づいて、総合的な最大路面摩擦係数μmaxを推定することができる。
このとき、加減速走行時又は旋回走行時のグリップ度Grに基づいて重み付け係数Kを求めるので、定常走行時、加減速走行時又は旋回走行時の状態をそれぞれ考慮することができ、制度良く最大路面摩擦係数μmaxを推定することができる。
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
図11に示すように、本実施の形態に係る路面摩擦係数推定装置は、前方路面特徴量検出器102、現在路面特徴量検出器104、及び路面摩擦係数真値記憶装置107を備えている。
ここで、前方路面特徴量検出器102は、前方路面特徴量を検出する装置として、次の装置を適用することができる。即ち、例えば、カメラで前方路面を撮影して得られた画像の水平、垂直偏光画像のパワースペクトル分布を検出する装置(特開平成8年−327530号報参照)、カメラで前方路面を撮影して得られた画像の色相、彩度、明度それぞれの平均、及び分散値を検出する装置(特開2002−140789号報参照)等である。また、インフラ側の前方路面センサや前方車両を前方路面特徴量検出器102として採用することができ、これらにより計測された路面μ値等を前方路面の特徴量として検出するようにしてもよい。
また、現在路面特徴量検出器104は、現在路面特徴量を検出する装置として、次の装置を適用することができる。即ち、例えば、ロードノイズの周波数スペクトルを検出する装置(特開平6−138018号公報、特開平7−156782号公報等参照)や、超音波の路面反射特性を検出する装置(特開平9−5449号公報参照)、光の路面反射特性を検出する装置(特開平7−49223号公報参照)や、前述した第1の実施の形態乃至第5の実施の形態等である。
更に、路面摩擦係数真値記載装置107は、車両状態量から測定される路面摩擦係数で、車両挙動の限界付近の路面摩擦係数、あるいは比較的長い期間の統計をとったより現在路面及び前方路面の確からしい路面摩擦係数を記憶している。なお、具体的内容は、特願2002−040722号の出願明細書に記載されている。
前方路面特徴量検出器102には、特徴ベクトル生成器104が接続されている。特徴ベクトル生成器104には、μ判定処理器110及びμ判定マップメモリ112を備えた前方路面μ推定器108が接続されている。μ判定処理器110の出力側には、遅れ時間処理器114が接続されている。
現在路面特徴量検出器104には、特徴ベクトル生成器120が接続されている。特徴ベクトル生成器120には、μ判定処理器124及びμ判定マップメモリ126を備えた前方路面μ推定器122が接続されている。μ判定処理器124の出力側には、遅れ時間処理器128が接続されている。なお、特徴ベクトル生成器120には、前方路面特徴量検出器102の前方路面特徴量を遅れ時間処理して特徴ベクトル生成器120に入力する遅れ時間処理器106が接続されている。
遅れ時間処理器114と路面摩擦係数真値記憶装置107とには減算器116が接続されていると共に、遅れ時間処理器128と路面摩擦係数真値記憶装置107とには減算器130が接続されている。減算器116にはμ判定マップメモリ112が記憶している値を修正するマップ修正処理器118が接続されていると共に、減算器130にはμ判定マップメモリ126が記憶している値を修正するマップ修正処理器132が接続されている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態は、前方路面μと現在路面μをそれぞれその路面状態とμ判定マップの路面μとを対応させることにより、路面μを推定する装置で、過去の車両挙動等から測定された路面μの真値とその真値の時点の前方路面μの値と現在路面μの値との比較を行い、真値の路面μに近づくようにμ判定マップを学習する。以下、詳細に説明する。
前方路面特徴量検出器102は、上記前方路面の特徴量を検出する。特徴ベクトル生成器104は、前方路面特徴量を1つのベクトルとし、前方路面μ判定器108に入力する。
前方路面μ判定器108は、前方路面特徴量を入力し、対応する前方路面の摩擦状態(摩擦状態を表す物理量)、例えば、摩擦係数を出力するための識別処理を行う。識別処理は、近傍決定則(NN法)、ベイズ決定則、線形識別関数、ニューラルネットワークなどを適用することができる。識別処理として近傍決定則(NN法)を用いる場合、あらかじめ各路面状態の前方路面データをそれに対応する路面摩擦係数でクラス分けし、プロトタイプとしてμ判定マップメモリ112に記憶しておく、μ判定処理器110では、判定時に入力される前方路面データがμ判定マップメモリ112に記憶されているプロトタイプと比較され、最も距離の近いプロトタイプの属する路面摩擦係数のクラスを前方路面摩擦係数の判定結果として出力する。距離としてはユークリッド距離が使われるときが多い。識別手法としてニューラルネットを用いる場合は、ニューラルネットの重み係数がμ判定マップメモリ112のデータとなる。
現在路面特徴量検出器104は、上記現在路面の特徴量を検出する。遅れ時間処理処理器106は、前方路面特徴量を現在路面特徴量と同期を取るための処理を行う。車速の情報および前方路面データと現在路面データとの相関演算して、常に同期をとるため遅れ時間を制御する。前方路面特徴量はメモリに記憶しておき、遅れ時間後の特徴量をメモリから特徴ベクトル生成器120に出力する。
特徴ベクトル生成器120は、遅れ時間処理された前方路面特徴量と、現在路面特徴量を1つのベクトルとし、現在路面μ判定器122へ入力する。
現在路面μ推定器122は、遅れ時間処理した前方路面特徴量と現在路面特徴量から得られた特徴ベクトルを入力して、対応する現在路面の摩擦状態(摩擦状態を表す物理量)、例えば、摩擦係数を出力するための識別処理を行う。処理方法は前方路面μ判定器108と同様な処理を行う。
ところで、路面摩擦係数真値記載装置107は、前述したように現在路面及び前方路面の確からしい路面摩擦係数を記憶している。
遅れ時間処理器114と遅れ時間処理器125は、路面摩擦係数真値が測定された時点の前方路面摩擦係数、現在路面摩擦係数を出力する。前方路面摩擦係数と、現在路面摩擦係数をメモリに記憶しておき、路面摩擦係数真値が測定された時点の値をメモリから出力する。
マップ修正処理器118は、路面摩擦係数真値と遅れ時間処理された前方路面摩擦係数との偏差に応じて、μ判定マップ1に記憶されているプロトタイプの摩擦係数の値を増減させ、路面摩擦係数真値に近づくようμ判定マップメモリ112内のμ判定マップを学習する。マップ修正処理器132も同様の処理を行い、μ判定マップメモリ126内のμ判定マップを学習する。
以下、マップ修処理器118、132のマップ修正処理の具体的計算方法を2例示す。
具体例1
マップ修処理器118では、μ判定マップメモリ112に予め次の代表的な前方路面特徴量の特徴ベクトルを記憶しておく。
1=(x11,x12,…x1d
2=(x21,x22,…x2d



n=(xn1,xn2,…xnd
ここで各要素xn1,xn2,…xnd等はそれぞれ前方路面特徴量を示す。
さらに、上記各々の特徴ベクトルに下記の様に1対1で対応する前方路面摩擦係数μを記憶しておく。
1 → μ1
2 → μ2



n → μn
今現在の前方路面特徴ベクトルをxaとすると、μ判定処理器110では最初に、xaとμ判定マップ1に記憶されている特徴ベクトルx1,x2,…xnとのd次元の特徴空間での距離を演算し、最も距離の短いマップの特徴ベクトルを選択する。
ここで例えばマップの特徴ベクトルxと対応する前方路面摩擦係数μを以下の様に設定したとする。
乾燥アスファルト路面に相等 x1 → μ1 = 0.8
湿潤アスファルト路面に相等 x2 → μ2 = 0.6
圧雪路面 x3 → μ3 = 0.2
氷盤路面 x4 → μ4 = 0.1
上記演算の結果、xaに最も距離の近い特徴ベクトルがx1とすると、x1のポインタが指示するアドレスに記憶されているμ1=0.8を今現在の前方路面摩擦係数として出力する。
こうして推定された摩擦係数μsは一旦記憶され、過去の路面摩擦係数真値μriと比較するために、遅れ時間処理し、その時点の推定摩擦係数と次式により比較し、その誤差を求める。
一旦記憶される推定摩擦係数μsを時系列順に
μs1,μs2…μsi…μsnとする。
過去の路面摩擦係数真値をμri、その時点の推定摩擦係数をμsiとすると、
i=μri−μsi
μri=0.9、μsi=0.8だったとすると
i=0.1
従ってマップ修正処理器118では、次式により、乾燥アスファルト路面に相当するμ値を更新する。
μ1new=μ1+ei
=0.8+0.1
でx1に対するμ1を0.9に修正する。
なお、マップ修正処理器132でも、現在路面摩擦推定に対し上記と同様の処理を行う。
具体例2
ニューラルネットワークを用いて誤差逆伝播法によりマップを修正する計算例を示す。
μ判定器処理器110、124を図12に示すニューラルネットワークで構成する。
ここで、入力層Kへ入力されるx0,…,x0',…,x1dは特徴ベクトルの各要素を示し、出力層Lのμ1,…,μl,…,μ1dはその特徴ベクトルに対応する路面摩擦係数の値を示すベクトルの各要素を示す。
μ判定器処理器110、124では、予め代表的な各種路面の特徴ベクトル
1=(x11,x12,…x1d
2=(x21,x22,…x2d



n=(xn1,xn2,…xnd
をニューラルネットワークの学習データとし、それに1対1に対応する路面摩擦係数μ1,μ2,…,μnを教師データとして、学習データの特徴ベクトルを入力し、それに対応する教師データが出力されるよう、ニューラルネットワークを学習させておく。そして、学習で得られたニューラルネットワークの重み係数をμ判定マップメモリ112、126に記憶させておく。ここで出力層で出力される路面摩擦係数の値を示すベクトルについて説明する。
出力層の路面摩擦係数ベクトルM=(μ1,…,μl,…,μc)は例えば次のように摩擦係数値μsと対応させる。
M=(1,…0,…0) → μs=0.1
M=(0,1…0,…0) → μs=0.2



M=(0,0…0,…1) → μs=1.0
従って、特徴ベクトルx1=(x11,x12,…x1d)に対応する教師データμ1=0.1の場合、ニューラルネットにx1を入力すると出力層yμs=0.1に相当するM=(1,…0,…0)になるようにニューラルネットを学習させる。
このように、予め記憶させたμ判定マップによる摩擦係数の推定値の精度を上げるためには現在走行中の路面状況をより反映したμ判定マップに修正する必要がある。
そのため走行中に得られた特徴ベクトルを記憶させておき、これを学習データとし、同時点での路面摩擦係数真値を教師データとして再学習しμ判定マップを修正する。
再学習のタイミングは、推定摩擦係数と路面摩擦係数真値の誤差がある許容範囲を超えたときに行う。
さて、この場合におけるμ判定マップの修正は、ニューラルネットワークの重み係数を誤差逆伝播法により行うことができる(誤差逆伝播法は「パターン認識」オーム社P42〜P48に詳細に記載されている)。
以上説明したように、本実施の形態では、前方路面μと現在路面μのμ判定に用いるμ判定マップを車両の挙動等から得られた過去の真のμ値を用いて学習するため、種々のどんな路面状態においても正確な前方路面μと現在路面μが得られる。
また、本実施の形態では、現在路面の路面摩擦係数を推定するのに、現在走行している路面状態を表す特徴量の他に、前方路面の路面状態を表す特徴量を用いているので、多くの情報を得て路面摩擦係数を推定することができ、現在走行している路面の路面摩擦係数を精度よく推定することができる。
更に、本実施の形態では、現在路面の予め求められた路面摩擦係数と、推定された路面摩擦係数と、に基づいて、記憶された路面摩擦係数を修正するので、記憶された路面摩擦係数を適正な値にすることができ、路面摩擦係数を精度よく推定することができる。
更に種々の実施の形態を説明する。なお、各実施の形態では、同一の構成部分を有するので、同一の構成部分には同一の符号を付して、その構成及び作用の詳細な説明を省略する。
第7の実施の形態を説明する。
図26に示すように、本実施の形態にかかる路面状態物理量演算装置としての路面状態推定装置は、車両が走行予定の前方路面の輝度情報を検出する検出手段としての、前方の路面画像を検出する路面画像検出センサ10Aと、前記検出手段により検出された前方路面の路面画像と、路面状態を表す路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算し、演算した路面状態物理量から前方路面状態を推定する路面状態推定器100と、を備えている。なお、路面状態推定器100は、演算手段を構成する。
より詳細には、路面画像検出センサ10Aは、前方路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出する例えば、CCDカメラ等により構成することができる。
路面状態推定器100は、後述するように、パラメータとしての閾値kを修正するとともに、路面画像検出センサ10Aにより検出された前方の路面画像の画像データの各画素の輝度データを、該修正された閾値kにより、輝度の低い分布のクラスC1と、輝度の高い分布のクラスC2と、の2つのクラスに分ける輝度分布演算器11、及び、輝度分布演算器11により前方の路面画像の各画素の輝度データが分けられ、分けられた輝度データの個数(画素数;路面状態物理量に対応する)を演算し、輝度データが輝度の高いクラスC1に、より多く分けられた場合には、圧雪か氷盤の第1の路面状態と判定し、輝度データが輝度の低いクラスC2に、より多く分けられた場合には、乾燥か湿潤路面の第2の路面状態と判定する判定処理器20Aを備えている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
最初に、輝度分布演算器11Aの演算の一手法について説明する(大津、粟田、関田著「パターン認識」朝倉書店参照)。
路面画像検出センサ10Aで検出された最大輝度がLレベルで表され、0からLまでの間のレベルiのデータ数をni、全データ数をNとすると正規化ヒストグラムは、
Figure 0004046059
で表され、これは、輝度の確率分布とみなすことができる。輝度の全平均レベル、全分散は、それぞれ
Figure 0004046059
で与えられる。
0からLまでの間のレベルkを閾値とし、k以下の区間S1=[1、・・・、k]のデータをクラスC1、kより高い輝度の区間S2=[k+1、・・・、L]のデータをクラスC2に分類するものとする。また、正規化ヒストグラムに対して、次の二つの累計量
Figure 0004046059
を定義する。
レベルkを閾値としたときの各クラスの生起確率は、この累計量を用いて、
Figure 0004046059
で与えられる。また、各クラスの平均レベルは
Figure 0004046059
で与えられる。
ヒストグラムを閾値kにより二つのクラスに分けたとき、クラスの分離度がよければその閾値はよい閾値であることが期待できる。閾値kのよさを評価するために、判別基準
Figure 0004046059
を考える。ここで、
Figure 0004046059
は、それぞれ、クラス内分散およびクラス間分散である。クラス内分散、クラス間分散、および全分散の間には、
Figure 0004046059
の基本的関係がkによらず常に成立する。
σ2 Wとσ2 Bとはともにkの関数であるが、前者が2次の統計量まで必要とするのに対して、後者は1次の統計量のみに基づいている。つまり、ηがkに関して最も簡単な評価基準である。したがって、最適閾値として2クラスC1、C2の最もよい分離を与えるkを探索する場合には、閾値kのよさの評価としてηを採用するのが最も効率的である。これは、σ2 bを最大とするkを最適閾値とすることと同値となる。よって最適なk*は、
Figure 0004046059
から、
Figure 0004046059
のように逐次kを進めて探索することができる。ここで、kは実質的にはw1w2>0、つまり、0<w(k)<1の範囲を動かせばよい。
以上説明したように、輝度分布演算器11Aは、路面画像検出センサ10Aにより得られた前方路面の輝度情報から、輝度分布が適切に環境条件(日照条件等)に反映するように、閾値kを修正している。即ち、快晴の昼間と夕方とでは、同じ路面状態の路面を走行していても、輝度分布は異なる。そこで、本実施の形態では、このように、例えば、快晴の昼間と夕方とでも、同じ路面状態であれば同じ路面状態と判定されるように、閾値kを修正している。
そして、輝度分布演算器11は、路面画像検出センサ10Aにより検出された前方の路面画像の画像データの各画素の輝度データを、上記のように走行中オンラインで常に修正される閾値kにより、輝度の低い分布のクラスC1と、輝度の高い分布のクラスC2と、の2つのクラスに分ける。
判定処理器20Aは、輝度分布演算器11により前方の路面画像の各画素の輝度データが分けられた輝度データの個数(画素数;路面状態物理量に対応する)を演算し、輝度データが輝度の高いクラスC1に、より多く分けられた場合には、圧雪か氷盤の第1の路面状態と判定し、輝度データが輝度の低いクラスC2に、より多く分けられた場合には、乾燥か湿潤路面の第2の路面状態と判定する。
以上説明したように第7の実施の形態では、路面状態を判定するための輝度分布の閾値は推定中一定ではなく、走行中オンラインで上記の演算をし、各路面状態の輝度分布を常に学習して、日照条件等の走行環境の変化に適応しているため、走行環境にロバストな推定が可能となる。
次に、第8の実施の形態を説明する。
図27に示すように、第8の実施の形態の路面状態推定装置は、上記第7の実施の形態にかかる路面画像検出センサと同様の路面画像検出センサ10A、前方路面状態を推定する路面状態推定器110A、各々上記第1の実施の形態のタイヤ発生音検出センサ及び路面状態推定器と同様の、タイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出センサ20A、及び、タイヤ発生音から走行中の路面状態を推定する路面状態推定器200を備えている。
上記路面状態110Aは、路面状態推定器200で得られた走行中の路面状態の路面状態物理量としての輝度分布を演算する輝度分布演算器13A、及び、輝度分布演算器13Aで得られた輝度分布により、路面画像検出センサ10で得られた前方画像の輝度分布がどの路面状態の輝度分布かを判定する判定処理器20Aを備えている。なお、輝度分布演算器13Aは、複数の路面状態の各々毎に、輝度分布を記憶する記憶手段としてのメモリを備えている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。なお、タイヤ発生音検出センサ20A及び路面状態推定器200の作用を前述した第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
路面状態推定器200は走行中常に車両が走行している路面の路面状態を推定する。
路面画像検出センサ10Aは前方路面側の画像の輝度情報を検出する。
輝度分布演算器13Aは、前方路面が現在路面になるまで、即ち、上記前方路面を車両が走行するまで、路面画像検出センサ10Aにより検出された前方路面側の画像の輝度情報を遅れ時間処理することにより、路面状態推定器200で推定された現在走行中の路面状態と同期をとる。
輝度分布演算器13は、路面状態の輝度分布を求める。以下、輝度分布演算器13の演算を最尤推定法で求める一手法について説明する。
まず、現在走行しているある路面の路面状態の輝度のデータの集合をX={x1、x2、・・・、xn}とし、推定すべき輝度の確率密度関数をp(x;θ)で表す。ここでθはパラメータの組を表すベクトルで、パラメータベクトルと呼ばれる。
ここで、1路面状態の輝度のデータの集合Xをもたらしたθとしてはいろいろなものが想定できるが、その中でどのθがいちばん尤もらしいかを考える。データの集合Xに含まれるデータは、確率p(x;θ)に従って独立に生起したものと考えられるから、このようなデータ集合が得られる確率p(x;θ)は次式であらわされる。
Figure 0004046059
したがって、いちばん尤もらしいθは、式(2・1)を最大にするθである。このようなθを
Figure 0004046059
と置き、これを推定値として用いることにすれば、
Figure 0004046059
であり、これを求めるには
Figure 0004046059
あるいは対数をとって
Figure 0004046059
を解けばよい。
輝度の確率密度関数をp(x;θ)が正規分布であると仮定すると、
Figure 0004046059
ここでmは平均ベクトル、Σは共分散行列である。
式(2・5)と式(2・4)より、m、Σに対して、それぞれ次のような推定値
Figure 0004046059
が得られる。
同様に、車両が他の路面を走行した場合には、当該他の路面状態の輝度分布も上記のように演算する。よって、複数の路面状態、例えば、乾燥、湿潤、圧雪、氷盤、の各路面状態に対応して輝度分布を走行中常に記憶(更新)する。
判定処理器20Aは、路面画像検出センサ10Aで今回検出された前方路面の輝度分布がどの路面状態のものかを判定する。即ち、上判定処理器12Aは、上記のように、複数の路面状態、例えば、乾燥、湿潤、圧雪、氷盤、の各路面状態に対応して輝度分布を記憶している。そして、判定処理器20Aは、路面画像検出センサ10Aで今回検出された前方路面の輝度分布が、上記のように複数の路面状態の各々毎に記憶された輝度分布の何れにもっとも近いのかを判定し、判定された輝度分布に対応する路面状態を前方路面の路面状態の推定結果として出力する。
以上説明したように第8の実施の形態では、第7の実施の形態同様、路面状態を判定するための輝度分布の閾値は推定中一定ではなく、走行中オンラインで上記の演算をし、各路面状態の輝度分布を常に学習して、日照条件等の走行環境の変化に適応しているため、走行環境にロバストな推定が可能となる。さらに、第8の実施の形態では、常にタイヤ発生音から推定された現在走行中の路面状態の輝度の分布をオンラインで学習して求め、実際の走行路面状態と推定の演算で用いる路面状態を照合しているため、より正確な推定結果を得ることが出来る。
なお、輝度分布演算器13は、第7の実施の形態の輝度分布演算器11を用いて、輝度分布演算器11でクラス分けした路面状態を、路面状態推定器200で推定された路面状態推定結果で修正するようにしても良い。
次に、第9の実施の形態を説明する。
図28に示すように、第9の実施の形態にかかる路面状態推定装置は、路面画像検出センサ10A、前方路面状態を推定する路面状態推定器100A(なお、上記路面状態推定器110Aでもよい)、タイヤ発生音検出センサ20A、現在路面状態を推定する路面状態推定器200、及び、現在走行路面の路面状態と前方路面の路面状態とを比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知する報知手段としての判定処理器20を備えている。
なお、路面画像検出センサ10A、及び路面状態推定器100A(なお、上記路面状態推定器110Aでもよい)は、車両が走行予定の前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段を構成し、タイヤ発生音検出センサ20A及び路面状態推定器200は、車両が現在走行している現在走行路面の路面状態を検出する現在路面状態検出手段を構成する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)は、第7の実施の形態(あるいは第8の実施の形態)で説明したように、前方路面の輝度情報から、前方の路面が圧雪あるいは氷盤の路面かその他の路面かの2状態を推定する。
一方、路面状態推定器200では、現在走行中の路面を乾燥、湿潤、圧雪、氷盤、の4状態で推定する。
判定処理器30では、路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)の推定結果と、路面状態推定器200の推定結果と、から、前方路面の状態が現在路面の状態から変化したとき、例えば、路面状態推定器200で推定された現在路面状態が乾燥路面で、路面状態推定器100あるいは路面状態推定器110で推定された前方路面状態が乾燥か湿潤の一状態から圧雪か氷盤の一路面状態に変化したとき、判定処理器30は、路面状態推定器100あるいは路面状態推定器110で推定された結果をすみやかに出力して最終的な路面状態推定結果とする。
さらに、その後、路面状態推定器100あるいは路面状態推定器110で推定された結果に変化がなく、また路面状態推定器200で推定された現在路面状態が乾燥路面から例えば圧雪路面に変化した場合は、最終的な推定結果を圧雪か氷盤の一路面状態から、そのうちの圧雪路面と、より詳細な路面状態を出力する。
以上説明したように第9の実施の形態では、路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)で、前方の路面状態変化をとらえ、さらに、路面状態推定器100あるいは路面状態推定器110では推定できない、より詳細な路面状態を、路面状態推定器200で推定するため、従来の路面状態推定装置より、推定の応答性と精度を向上できる。
次に、第10の実施の形態を説明する。
図29に示すように、第10の実施の形態にかかる路面状態推定装置は、路面画像検出センサ10A、路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)、遅れ時間処理器30、タイヤ発生音検出センサ20、及び路面状態推定器210を備えている。
なお、路面画像検出センサ10A、及び路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)は、前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段を構成する。タイヤ発生音検出センサ20、及び路面状態推定器210は、現在走行している現在走行路面の路面状態を検出する現在路面状態検出手段を構成する。遅れ時間処理器30は、同期手段を構成する。そして、路面状態推定器210は、報知手段を構成する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記路面状態推定器210は、現在走行中の路面の路面状態を推定するのに、タイヤ発生音の特徴量から推定するほかに、路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)で推定された前方路面の路面状態の推定結果を、遅れ時間処理器30で現在走行中の路面の時刻に同期された推定結果も参考にして、現在走行中の路面の路面状態を推定する。
その具体的な一方法は、路面状態推定器100A(あるいは路面状態推定器110A)で推定された前方路面の路面状態の推定結果が遅れ時間処理器30で現在走行中の路面の時刻に同期されたその推定結果が、圧雪あるいは氷盤の第1の路面状態で、タイヤ発生音の特徴ベクトルから推定された現在路面の路面状態が前回の圧雪または氷盤の路面の第1の路面状態から、乾燥または湿潤路面の第2の路面状態に変化しても、乾燥あるいは湿潤路面状態の確率は低いとして、最終的に路面状態推定器210は圧雪または氷盤の第1の路面状態を推定結果とする。
以上説明したように第8の実施の形態では、現在走行中の路面状態を推定する際、前方路面状態の推定結果を参考にすることにより、ノイズ等の誤判定からくる確率の低い現在路面状態推定結果を排除することにより、推定の精度を向上できる。
次に、第11の実施の形態を説明する。
図30に示すように、本実施の形態にかかる路面状態推定装置は、タイヤ発生音検出センサ20A、車両が走行する路面の状態を推定する路面状態推定器200(あるいは路面状態推定器100A,110A、210)、路面と車両のタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態としての路面摩擦係数を推定する路面摩擦状態推定手段としての路面摩擦係数推定器300、及び、推定された路面状態と、推定された路面摩擦係数と、に基づいて、最終の路面摩擦係数を推定する最終路面摩擦状態推定手段としての路面摩擦係数学習器40Aを備えている。
なお、タイヤ発生音検出センサ20A、及び路面状態推定器200(あるいは路面状態推定器100A,110A、210)は、路面状態検出手段を構成する。
次に、本実施の形態を説明する。
本実施の形態にかかる路面摩擦係数推定器300は、車両の車輪速、前後加速度、横加速度から走行中の路面の摩擦係数を推定する。なお、本実施の形態にかかる路面摩擦係数推定器300は、例えば、特願2002−040722号に記載の装置が適応可能である。
路面摩擦係数学習器40Aは、路面状態推定器200(あるいは路面状態推定器100A,110A、210)で推定された各路面状態の、路面摩擦係数推定器300で推定された摩擦係数を記憶しておき、走行中の各路面状態の最も確からしい摩擦係数を学習して求める。一例として最も簡単な確からしい摩擦係数を求める方法は、その路面状態に対応する路面摩擦係数推定器300により推定された摩擦係数の移動平均値をその路面状態の摩擦係数として出力することである。以上のように、路面摩擦係数学習器40は、路面状態推定器200(あるいは路面状態推定器100A,110A、210)で推定された路面状態における、最も確からしい摩擦係数を推定することが出来る。
以上説明したように第5の発明では、走行中の路面状態の摩擦係数を、常にオンラインで学習により求めているので、地域、季節等による路面状態の変化にも適応して、適切な路面摩擦係数を推定することが出来る。
以上説明した実施の形態では、路面摩擦係数学習器40は、路面摩擦係数推定器300により推定された全ての摩擦係数を平均しているが、本発明はこれに限定されず、図31に示すように、路面摩擦係数推定器300と、路面摩擦係数学習器40と、の間に、路面摩擦係数選別器50Aを備えるようにしてもよい。
即ち、路面摩擦係数推定器300により推定される路面摩擦係数は常に正しい値でない場合があり、何らかの影響により、現在の路面状態からかけ離れた値を推定される場合もある。このように現在の路面状態からかけ離れた値が推定されても、この値を含めて路面摩擦係数推定器300により推定された全ての摩擦係数を平均してしまったのでは、最終敵な路面摩擦係数の推定値が正確な値とならない。
そこで、路面摩擦係数選別器50Aでは、複数の路面状態の各々毎に、各路面状態に対応する路面摩擦係数の値の範囲を予め定めておき、各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲、路面状態推定器200等により推定された路面状態、及び路面摩擦係数推定器300により検出された路面摩擦係数に基づいて、路面摩擦係数推定器300により検出された路面摩擦係数が、路面状態推定器200により推定された路面状態に対応する路面摩擦係数の値の範囲内か否かを判断し、路面摩擦係数推定器300により検出された路面摩擦係数が、路面状態推定器200により推定された路面状態に対応する路面摩擦係数の値の範囲内と判断された場合に、路面摩擦係数推定器300により検出された該路面摩擦係数を、路面摩擦係数学習器40に出力するようにする。
このように、路面摩擦係数推定器300により検出された路面摩擦係数が、路面状態推定器200により推定された路面状態に対応する路面摩擦係数の値の範囲内と判断された場合に、路面摩擦係数推定器300により検出された該路面摩擦係数を、路面摩擦係数学習器40に出力するので、現在の路面状態からかけ離れた値を用いて、路面摩擦係数学習器40が最終敵な路面摩擦係数を推定することを防止できる。よって、最終敵な路面摩擦係数の推定値をより正確な値とすることができる。
次に、第12の実施の形態を説明する。
図32に示すように、本実施の形態にかかる路面状態推定装置は、図示しないが、上記第1の実施の形態における特徴ベクトル生成器16(図1参照)により生成されたタイヤ発生音特徴量と、車輪速センサ12(図1参照)により検出された車輪速と、から、現在走行中の路面状態を推定する路面状態推定器220を備えている。そして、路面状態推定器220は判定処理器21Aとプロトタイプ演算器22Aとからなる。
ここで、タイヤ発生音特徴量と車輪速の関係を説明する。タイヤ発生音特徴量の値は車輪速が高くなると、それに応じて大きくなる。図36は、車輪速に対するタイヤ発生音量の関係を示したものである。タイヤ発生音特徴量の大きさは車輪速の2次関数で近似できる。
したがって、プロトタイプ演算器22Aでは、走行中検出されたタイヤ発生音特徴ベクトルと照合するためのプロトタイプの値を、車輪速の2次関数から演算して求める。判定処理器21では、走行中検出されたタイヤ発生音特徴ベクトルと、プロトタイプ演算器22で演算されたプロトタイプの値を照合して、現在走行中の路面状態を推定する。
以上説明したように第12の実施の形態では、複数の車輪速毎に対応して記憶された路面状態のプロトタイプをすべて持つのではなく、2次関数の係数のみ記憶すればよいので、記憶容量を削減できる。
次に、第13の実施の形態を説明する。
図33に示すように、本実施の形態にかかる路面状態推定装置は、タイヤ発生音特徴量と車輪速から現在走行中の路面状態を推定する路面状態推定器230を備えている。そして、路面状態推定器230は判定処理器21Aと、プロトタイプ学習器23Aと、プロトタイプ演算器24Aとからなる。
プロトタイプ学習器23Aは、走行中オンラインで代表点の車輪速に対するタイヤ発生音特徴量を記憶し、記憶した値をもとにタイヤ発生音特徴量の車輪速に関する2次関数の係数を演算し更新する。プロトタイプ演算器24Aでは、プロトタイプ学習器23Aで求まる2次関数の係数をもとに、プロトタイプ演算器24Aでは、走行中検出されたタイヤ発生音特徴ベクトルと照合するためのプロトタイプの値を、車輪速の2次関数から演算して求める。判定処理器21Aでは、走行中検出されたタイヤ発生音特徴ベクトルと、プロトタイプ演算器24Aで演算されたプロトタイプの値を照合して、現在走行中の路面状態を推定する。
以上説明したように第13の実施の形態では、タイヤ発生音特徴ベクトルと照合するためのプロトタイプを演算するためのプロトタイプの2次関数の係数を、走行中常にオンラインで学習して求めるため、地域、季節等による路面状態の変化にも、たとえば同じ乾燥路面でも路面状態の性質が異なり、タイヤ発生音特徴量が変化しても、それに適応して、プロトタイプ点を適切に対応できるため、変化に適応して路面摩擦係数を精度良く推定することが出来る。
以上説明した種々の実施の形態では、タイヤ発生音検出センサ20Aを、タイヤ発生音に、該タイヤ発生音の発生源に基づくタイヤ発生音以外の外乱の影響が小さくなる位置、例えば、タイヤ最近傍のバンパー内部に設置する。
タイヤ近傍でタイヤ発生音を検出する場合、タイヤで跳ね上げられる、泥、水、などの障害物、また風圧などの音の外乱を回避する必要がある。タイヤ最近傍のバンパー内部では泥、水、などの障害物、また風圧などの音の外乱を回避でき、しかもタイヤ発生音検出センサ20を比較的容易に設置できる。
以上説明したように、タイヤ発生音検出センサ20を、タイヤ最近傍のバンパー内部に設置することにより、泥、水、などの障害物、また風圧などの音の外乱を回避でき、ノイズの少ないタイヤ発生音を検出できる。またその設置が容易なことより、低コストで実現できる。
また、路面側の画像を検出する上記種々の実施の形態では、路面画像検出センサ10Aにより検出された画像データをそのまま出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、次の各素子を備えるようにしてもよい。
即ち、路面画像検出センサ10A、路面輝度検出器14A、ボンネット輝度検出器15A、及び輝度比演算器16Aを備えるようにしてもよい。
路面画像検出センサ10Aは、車両の一部及び前方路面を含む領域を撮像する。路面輝度検出器14Aは、路面画像検出センサ10Aで検出された前方路面画像から一部の前方路面の輝度を検出する、ボンネット輝度検出器15Aは、路面画像検出センサ10Aで検出された前方路面画像から車両の一部のボンネット部の輝度を検出する、輝度比演算器16Aは、路面輝度検出器14Aで得られた前方路面の輝度と、ボンネット輝度検出器15Aで得られた車両のボンネット部の輝度の比を演算して、路面状態推定器100(あるいは路面状態推定器110)に出力する。
このように、前方路面状態を推定するための前方路面輝度情報として、車両のボンネット部の輝度との比を用いているため、車両の向きとともに日のあたる角度が変化することによる輝度の変化の影響を低減できる。また前方画像全体でなく、ある部分の平均輝度を用いることにより、演算負荷を低減できる。
第1の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 スタッドレスタイヤで異なる路面を所定速度で走行した時の時間−周波数解析結果を示す図である。 (A)は乾燥アスファルト路、(B)は湿潤アスファルト路の、それぞれ予め把握された各路面のタイヤ発生音を、ドベシィのウェーブレット(N=3)を用いて、ウェーブレット変換処理した波形を示す図である。 (A)は永盤路、(B)は圧雪路の、それぞれ予め把握された各路面のタイヤ発生音を、ドベシィのウェーブレット(N=3)を用いて、ウェーブレット変換処理した図である。 各ウェーブレット成分を時間−周波数解析した図である。 ウェーブレット変換を用いた前処理器14のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかる、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置のブロック図である。 第3の実施の形態にかかる、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置のブロック図である。 第4の実施の形態にかかる、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置のブロック図である。 第5の実施の形態にかかる、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置のブロック図である。 第6の実施の形態にかかる、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置のブロック図である。 ニューラルネットワークで構成した場合のニュー判定処理器の構成の概念図である。 4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、帯域フィルタを通過させることにより、分解した波形を示した図である。 (A)及び(B)は、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、帯域フィルタを通過させることにより分解した波形から求めた特徴量(波形の実効値)を示した図である。 ドベシイのウェーブレットの基本波形を示した図である。 シムレットのウェーブレットの基本波形を示した図である。 コアレットのウェーブレットの基本波形を示した図である。 メイエのウェーブレットの基本波形を示した図である。 (A)及び(B)は、4つの異なる路面を走行したときのタイヤ発生音を、ドベシイのウェーブレットの基本波形で分解した波形から求めた特徴量(相関値)を示した図である。 前処理器の詳細を示す第1の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第1の実施の形態に係る路面状態推定装置の第1の変形例のブロック図である。 第1の実施の形態に係る路面状態推定装置の第2の変形例のブロック図である。 タイヤ発生音と相関をとるために路面毎に対応して予め記憶された基本波形であり、(A)は、乾燥路面の基本波形を、(B)は、湿潤路面の基本波形を示した図である。 タイヤ発生音と基本波形との相関を説明する説明図である。 基本波形の設定の内容を説明する説明図である。 第7の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第8の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第9の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第10の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第11の実施の形態に係る路面摩擦状態推定装置のブロック図である。 第11の実施の形態に係る路面摩擦状態推定装置の変形例のブロック図である。 第12の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 第13の実施の形態に係る路面状態推定装置のブロック図である。 タイヤ発生音検出センサの配置位置を示した図である。 路面輝度情報出力部のブロックである。 車輪速とタイヤ発生音特徴量との関係を示したグラフである。
符号の説明
10、10A タイヤ発生音検出センサ(タイヤ発生音検出手段)
12、12A 車輪速検出センサ(車輪速検出手段)
14、14N1、14N2 前処理器(計算手段)
16 特徴ベクトル生成器
20、20A 判定処理器(推定手段)
22 判定マップメモリ(記憶手段)
102 前方路面特徴量検出器(検出手段、第2の検出手段)
112 μ判定マップメモリ(記憶手段)
104 現在路面特徴量検出器(検出手段、第1の検出手段)
126 μ判定マップメモリ(記憶手段)
107 路面摩擦係数真値記憶装置(記憶手段)
106 遅れ時間処理器(同期手段)
110 μ判定処理器(推定手段)
124 μ判定処理器(推定手段)
118 マップ修正処理器(修正手段)
132 マップ修正処理器(修正手段)

Claims (16)

  1. 車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出手段と、
    車輪速を検出する車輪速検出手段と、
    前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音の波形と少なくとも1つの予め定められた長さの基本波形との相関値を求めることにより、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する少なくとも1つの特徴量を計算する計算手段と、
    複数の路面状態の各々毎及び複数の車輪速の各々毎に対応して、路面状態及びタイヤ発生音の発生源に対応する特徴量を記憶する記憶手段と、
    前記計算手段により計算された特徴量、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び、前記記憶手段に複数の路面状態の各々及び複数の車輪速の各々毎に対応して記憶された路面状態に基づいて、車両が走行する路面の状態を推定する推定手段と、
    を備えた路面状態推定装置。
  2. 々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して路面とタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態を記憶する第2の記憶手段と、
    前記計算手段により検出された特徴量と、前記第2の記憶手段に各々異なる路面状態を表す複数の特徴量に対応して記憶された路面摩擦状態と、に基づいて、前記検出手段により前記特徴量が検出される対象となる路面の路面摩擦状態を推定する第2の推定手段と、
    前記検出手段により前記特徴量が検出される対象となる路面の予め求められた路面摩擦状態と、前記第2の推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、前記第2の記憶手段に記憶された路面摩擦状態を修正する修正手段と、
    を更に備えた請求項1に記載の路面状態推定装置。
  3. 前記計算手段は、前方路面の路面状態を表す特徴量を計算することを特徴とする請求項2に記載の路面状態推定装置。
  4. 前記計算手段は、現在走行している路面の路面状態を表す特徴量を計算することを特徴とする請求項2に記載の路面状態推定装置。
  5. 車両が走行予定の前方路面の輝度情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、路面状態を表す路面状態物理量を演算するためのパラメータと、に基づいて、路面状態物理量を演算する演算手段と、
    を備えた路面状態物理量演算装置であって、
    前記演算手段は、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報に基づいて前記パラメータを修正し、該修正したパラメータと、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、に基づいて、路面状態を表す路面状態物理量を演算することを特徴とする路面状態物理量演算装置を更に備えた請求項1に記載の路面状態推定装置。
  6. 前記検出手段は、前方路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出し、
    前記パラメータは、前記検出された複数の領域各々の輝度情報を各路面状態毎に分類するための値であり、
    前記演算手段は、前記検出された複数の領域各々の輝度情報を前記パラメータにより各路面状態毎に分類することにより、前記路面状態物理量を演算する、
    ことを特徴とする請求項記載の路面状態推定装置。
  7. 前記検出手段は、前方路面側の領域を複数の領域に分割しかつ該分割した複数の領域各々の輝度情報を検出し、
    前記パラメータは、前記検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を最大にする値であり、
    前記演算手段は、前記パラメータにより最大となった、前記検出された複数の領域各々の輝度情報が得られる確率を演算することにより、前記路面状態物理量を演算する、
    ことを特徴とする請求項記載の路面状態推定装置。
  8. 複数の路面状態の各々毎に、輝度情報に基づいて定まる各路面の路面状態を表す路面状態物理量を記憶する第4の記憶手段と、
    前方路面の輝度情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報と、前記第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態を表す路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定する第4の推定手段と、
    を備えた請求項1に記載の路面状態推定装置。
  9. 前記第4の推定手段は、前記検出手段により検出された前方路面の輝度情報から路面状態物理量を求め、該求めた路面状態物理量と、前記第4の記憶手段により複数の路面状態の各々毎に記憶された各路面の路面状態物理量と、に基づいて、前方路面の路面状態を推定する請求項記載の路面状態推定装置。
  10. 請求項1記載の路面状態推定装置と、
    前記路面状態推定装置により推定された路面状態と、前記路面状態推定装置により路面状態が推定される際に前記検出手段により検出された輝度情報と、に基づいて、前記記憶手段に記憶されかつ該路面状態推定装置により推定された路面状態に対応する路面状態物理量を更新する更新手段と、
    を更に備えた請求項記載の路面状態推定装置。
  11. 車両が現在走行している現在走行路面の路面状態を推定する請求項1に記載の路面状態推定装置と、
    前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段と、
    前記路面状態推定装置により推定された現在走行路面の路面状態と、前記前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態と、を比較し、何れか一方の路面状態が変化した場合に、該変化した路面状態を報知する報知手段と、
    を備えた路面状態推定装置。
  12. 前記報知手段は、前記前方路面の路面状態が前記現在路面の路面状態から変化した後、前記現在路面の路面状態が変化した場合、該変化した現在路面の路面状態を報知する請求項11記載の路面状態推定装置。
  13. 現在走行している現在走行路面の路面状態を推定する請求項1に記載の路面状態推定装置と、
    前方路面の路面状態を検出する前方路面状態検出手段と、
    前記前方路面状態検出手段により検出された前方路面の路面状態に遅れ時間処理を施す遅れ時間処理手段と、
    前記路面状態推定装置により検出された現在路面の路面状態と、前記遅れ時間処理手段により遅れ時間処理の施された前方路面の路面状態と、に基づいて、現在路面の路面状態を報知する報知手段と、
    を備えた路面状態推定装置。
  14. 車両が走行する路面の路面状態を検出する路面状態検出手段と、
    前記路面と前記車両のタイヤとの間の摩擦状態である路面摩擦状態を推定する路面摩擦状態推定手段と、
    前記路面状態検出手段により検出された路面状態と、前記路面摩擦状態推定手段により推定された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定する最終路面摩擦状態推定手段と、
    を備えた請求項1に記載の路面状態推定装置。
  15. 複数の路面状態の各々毎に、各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲を予め定めておき、
    前記各路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲、前記路面状態検出手段により検出された路面状態、及び前記路面摩擦状態推定手段により検出された路面摩擦状態に基づいて、前記路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、前記路面状態検出手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内か否かを判断する判断手段を更に備え、
    前記最終路面摩擦状態推定手段は、前記判断手段により、前記路面摩擦状態検出手段により検出された路面摩擦状態が、前記路面状態推定手段により検出された路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された場合に、前記路面状態検出手段により検出された路面状態と、前記路面摩擦状態推定手段により検出されかつ該路面状態に対応する路面摩擦状態の範囲内であると判断された路面摩擦状態と、に基づいて、最終の路面摩擦状態を推定する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の路面状態推定装置。
  16. 車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音を検出するタイヤ発生音検出手段と、
    車輪速を検出する車輪速検出手段と、
    複数の路面状態の各々毎に、タイヤ発生音の発生源に対応する特徴量と車輪速との関係を記憶する記憶手段と、
    前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び前記記憶手段に前記複数の路面状態の各々毎に記憶された関係に基づいて、路面状態を推定する推定手段と、
    前記タイヤ発生音検出手段により検出された車両が走行することによりタイヤから発生するタイヤ発生音と、前記車輪速検出手段により検出された車輪速と、に基づいて、前記記憶手段に記憶された関係を更新する更新手段と、を備え、
    前記推定手段は、前記タイヤ発生音検出手段により検出されたタイヤ発生音、前記車輪速検出手段により検出された車輪速、及び前記記憶手段に前記複数の路面状態の各々毎に記憶されかつ前記更新手段により更新された関係に基づいて、路面状態を推定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の路面状態推定装置。
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