JP4045696B2 - X線分光器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子プローブマイクロアナライザ等のX線分光による分析装置に関し、特に、湾曲型の分光結晶を用いて回折現象により分光を行う波長分散型分光器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子プローブマイクロアナライザ等のX線分光原理を用いた分析装置では、試料上のX線発生点から放出されるX線を分光結晶で分光しX線検出器で検出する。湾曲型の分光結晶を用いた回折現象によって分光分析を行うにはブラッグの回折条件を満足することが必要である。このブラッグの回折条件は、X線発生点と分光結晶とX線検出器とをある円弧(ローランド円)上とすることによって満足させることができる。
X線の取り出し方向を常に一定とするために、湾曲型の分光結晶を直線に沿って移動させる結晶直進式X線分光器がある。図1は結晶直進式X線分光器の分光点、分光結晶の位置、及びX線検出器の位置を説明するための概略図である。図1において、分光結晶は結晶移動軸上を移動し、X線検出器はX線検出器移動軸上を移動する。図1中の実線及び破線は移動状態を示している。
【0003】
ローランド円の半径をR、分光結晶に入射するX線の入射角をθとすると、X線発生点から分光結晶までの距離は2Rsin θとなる。X線発生点(分析点)と分光結晶(結晶位置)とX線検出器(X線検出器スリット位置)とが常にローランド円上にあるためには、分光結晶におけるX線の入射角とX線検出器への出射角が等角θである角度条件と、X線発生点から分光結晶までの距離と分光結晶からまでの距離が等距離2Rsin θである距離条件との2つの条件を満足する必要がある。
従来、分光結晶の直線移動と連動して分光結晶の角度を制御する機構として、ローランド円あるいはローランド円の中心位置を物理的に形成すると共に、ローランド円上の一点を、X線発生点を通る直線に沿って移動させたり、X線発生点から半径Rの円周に沿ってローランド円の中心位置を移動させたり、あるいはX線発生点から半径2Rの外接円に沿ってローランド円を移動させるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、X線分光器は分光条件の角度条件が満足するようにローランド円を移動させるために、直線ガイドや円弧ガイドを必要としている。この直線ガイドや円弧ガイドはX線検出器移動軸よりもローランド円の中心方向に存在するため、分光結晶に対するX線入射角θが大きくなると、ガイド部分はX線発生点の方向に張り出すように移動して試料ステージと干渉する。そのため、X線入射角θの範囲が狭まって分光の波長領域が制限されるという問題や、あるいは分析試料の大きさや分析試料の移動範囲が制限されて、分析試料の大型化や試料の分析範囲の拡大に支障が生じるという問題がある。
【0005】
また、円弧ガイドを用いる場合には、曲線部分に高い加工精度が必要となるという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来のX線分光器の問題点を解決し、分析試料の大型化や試料の移動範囲の拡大を可能とするX線分光器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X線発生点(分析点)と分光結晶(結晶位置)とX線検出器(X線検出器スリット位置)がローランド円上を移動して分光条件の角度条件を満足させる機構を、直線ガイドや円弧ガイドを必要としない構成で実現することによって、X線発生源の周辺空間に試料や試料ステージと干渉する機構が存在しない構成とし、これによって分析試料の大型化や試料の移動範囲の拡大を可能とする。
【0007】
本発明のX線分光器は、湾曲型分光結晶による回折を用いてX線を分光する波長分散型X線分光器であって、ローランド円の半径をRとし、分光結晶に対するX線の入射角をθとするとき、分光結晶とX線検出器との距離を2Rsinθとする距離制御機構と、分光結晶の結晶移動軸に沿った直線移動に連動して結晶面軸及びX線検出器移動軸の角度を制御し、分光結晶におけるX線の入射角及びX線検出器方向への出射角をθとする角度制御機構とを備える。
【0008】
そして、角度制御機構は、(a)結晶移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第1の点とし、X線検出器移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第2の点とするとき、第1の点と第2の点との間の距離を、結晶位置と分析点との間の距離に係数kを乗じた値の距離に制御することによって、結晶移動軸とX線検出器移動軸との成す角度を2θとする第1の機構と、(b)結晶移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数2Kを乗じた値2KRの距離にある点を第3の点とし、結晶面軸上で第1の点からローランド円の半径Rに係数Kを乗じた値KRの距離にある点を第4の点とするとき、第3の点と第4の点との間の距離を、結晶位置と分析点との間の距離に係数Kを乗じた値の距離に制御することによって、結晶移動軸と結晶面軸との成す角度をθとする第2の機構と、(c)結晶移動軸上とX線検出器移動軸上でそれぞれ結晶位置から等距離にある点で回転する2本のアームを等距離で連結し、該連結部の両アームの回転中心を結晶面軸上で移動可能とすることによって、結晶移動軸と結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする第3の機構の3つの機構の内でいずれか2つの機構を組み合わせることによって構成し、2つの機構を組み合わせることによって、分光結晶が結晶移動軸に沿って移動しても、分光結晶でのX線の入射角とX線検出器方向への出射角とを常に等角に制御する。
【0009】
なお、図1において、結晶移動軸Eは分析点Oを通る軸であって分析結晶が移動する軸であり、結晶面軸Fは分析結晶の結晶面の延長線であり、X線検出器移動軸Gは結晶位置Pを通りX線検出器が移動する軸である。また、分析点Oは、電子線の照射によってX線を発生する点である。また、分析点O、結晶位置P、及びX線検出器スリット位置Qはローランド円1上にあり、このとき結晶移動軸Eと結晶面軸Fと成す角と結晶面軸FとX線検出器移動軸Gと成す角は等しくθであり、分析点Oと結晶位置Pとの間の距離と、結晶位置PとX線検出器スロット位置Qとの間の距離は等しく2Rsinθである。
【0010】
図2〜図4は、角度制御機構を構成する第1〜第3の機構を説明するための概略図である。
第1の機構は、結晶位置Pにおいて結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角度を2θとする機構である。図2において、結晶移動軸E上で結晶位置Pからローランド円1の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第1の点Aとし、X線検出器移動軸G上で結晶位置Pからローランド円1の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第2の点Bとする。第1の機構は第1の点Aと第2の点Bとの間の距離を、結晶位置Pと分析点Oとの間の距離2Rsinθに係数kを乗じた値の距離2kRsinθに制御する。第1の機構は、A−B間の距離が結晶位置Pと分析点Oとの間の距離に係数kを乗じた値に等しい場合に、図2中で斜線を施した三角形で示すように結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gの成す角が2θとなることを用いるものである。
第1の機構は結晶を移動するモータの動作に連動してA−B間の距離を制御するモータ等の駆動機構で実現することができる他、k=1とした場合に結晶移動軸上で第1の点Aに対して、分析点Oと反対側にある一点から第1の点Aまでの距離とA−B間の距離の合計が常に一定値となるように第1の点A及び第2の点Bに設置した滑車にワイヤを掛ける構成で実現することができる。
【0011】
第2の機構は、結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角度をθとする機構である。図3において、結晶移動軸E上で結晶位置Pからローランド円1の半径Rに係数2Kを乗じた値2KRの距離にある点を第3の点Cとし、第1の点Aにおいて回転するアームを設け、アーム上で点Aからの距離がローランド円1の半径Rに係数Kを乗じた値KRに等しい点を第4の点Dとし、点Dを結晶面軸上で移動可能とする。第2の機構は第3の点Cと第4の点Dとの間の距離を、結晶位置Pと分析点Oとの間の距離2Rsinθに係数Kを乗じた値の距離2KRsinθに制御する。第2の機構は、C−D間の距離が2KRsinθに等しい場合に、図3中で斜線を施した三角形で示すように結晶移動軸Eと結晶面軸Fの成す角がθとなることを用いるものである。
第2の機構は結晶を移動するモータの動作に連動してC−D間の距離を制御するモータ等の駆動機構で実現することができる他、K=1とした場合に結晶移動軸上で第3の点Cに対して、分析点Oと反対側にある一点から第3の点Cまでの距離とC−D間の距離の合計が常に一定値となるように第3の点C及び第4の点Dに設置した滑車にワイヤを掛ける構成で実現することができる。
【0012】
第3の機構は、結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする構成である。図4において、結晶移動軸E上とX線検出器移動軸G上でそれぞれ結晶位置Pから等距離にある点M,Nにおいて、回転する2本のアーム8a,8bを取り付け、両アーム8a,8bの点M,Nから等距離にある連結部Lの回転中心を結晶面軸F上で移動可能とする。第3の機構は、図4中の斜線方向が異なる2つの三角形で示すように、各三角形の対応する3辺が等しい場合に、対応する角度も等しくなることを用いるものである。
【0013】
図5は、第1〜第3の機構のいずれか2つの機構を組み合わせ、これによって分光結晶でのX線の入射角とX線検出器方向への出射角とを常に等角に制御する状態を説明するための図である。
図5(a)は第1の機構と第2の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図5(a)において、第1の機構によって結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角は2θとなり、第2の機構によって結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角はθとなる。ここで、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角と、結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角θとの和は、結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角2θである。従って、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角はθに制御される。
【0014】
図5(b)は第1の機構と第3の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図5(b)において、第1の機構によって結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角は2θとなり、第3の機構によって結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とは等角となる。従って、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角はθに制御される。
図5(c)は第2の機構と第3の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図5(c)において、第2の機構によって結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角はθとなり、第3の機構によって結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とは等角となる。従って、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角はθに制御される。
上記及び図5で示したように、第1〜第3の機構のいずれか2つの機構を組み合わせることによって、分光結晶でのX線の入射角とX線検出器方向への出射角とを常に等角に制御することができ、分光条件の角度条件を満たす角度を保持しながら分光結晶を移動させることができる。
なお、第1,第2の機構において、各機構の設置を平行四節機構によって平行移動させ、前記した位置と異なる位置において2点間の距離の制御を行うことができる。また、これによれば、第1,第2の機構が他の機構と干渉する場合に、干渉しない位置に移動させることができる。また、第1の機構に用いた係数kと第2の機構に用いた係数Kは互いに独立して定めることができ、異なる数値とすることも、同じ数値とすることもできる。
【0015】
本発明によれば、全ての分光範囲にわたって、X線検出器移動軸よりもローランド円中心の方向に分光器の構造物が存在しないため、分析試料や試料ステージの通過領域と分光器との干渉を最小限に抑えることができる。駆動されるθの上限を下げることによって、試料または試料ステージの通過可能領域を拡大することができるため、θの駆動範囲を変更するだけで試料ステージの駆動範囲や試料サイズの仕様変化に容易に対応することができる。
また、本発明の機構を構成する各部品は曲線加工を必要としないため、部品の加工及び加工精度の検査を簡易なものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図6〜図8は、角度制御機構を構成する第1〜第3の機構の構成例を説明するための概略図である。
図6は、結晶位置Pにおいて結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角度を2θとする第1の機構の一構成例であり、ワイヤ機構を用いた例である。結晶移動軸E上において、分析結晶3に対して分析試料2と反対側の位置に、分析結晶3から距離R(ローランド円の半径)だけ離れた点を第1の点Aとして並列に2つの滑車5Aを設け、また、X線検出器移動軸G上において、分析結晶3から距離Rだけ離れた点を第2の点Bとして滑車5Bを設ける。この滑車5A,5Bに対して、分析試料2と反対側にある一点をワイヤクランプ6a,6bとし、該クランプ6a,6bから第1の点Aまでの距離とA−B間の距離の合計が常に一定値となるようにワイヤ7を掛ける。このとき、はじめにA−B間の距離を、分析試料2と分析結晶3との距離2Rsinθに一致させておく。
【0017】
ワイヤ7は、ワイヤクランプ6aから第1の点Aに設けた滑車5Aの一方、第2の点Bに設けた滑車5B、さらに第1の点Aに設けた滑車5Aの他方、ワイヤクランプ6bの順の経路を通し、往復するワイヤの平行関係が保持されるように掛ける。これによって、A−B間の距離は分析点と分析結晶との距離に等しく制御される。また、X線検出器移動軸G上には、結晶位置から距離2Rsinθの位置にX線検出器4を設置する。該距離2Rsinθの保持は図示しない距離制御機構によって行う。
また、第1の機構の他の構成例として、第1の点Aと第2の点Bとの間にスプライン軸やリンク機構を設置し、分析結晶の結晶移動軸E上の位置に応じてスプライン軸やリンク機構をモータ駆動する構成を用いることができる。
【0018】
図7は、結晶位置Pにおいて結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角度をθとする第2の機構の一構成例であり、ワイヤ機構を用いた例である。結晶移動軸E上において、結晶位置から2R(ローランド円の直径)の距離にある点を第3の点Cとして並列に設置された2つの滑車5Cを設け、また、前記第1の点Aから距離Rだけ離れた結晶面軸F上の点を第4の点Dとして滑車5Dを設ける。この滑車5C,5Dに対して、分析試料2と反対側にある一点をワイヤクランプ6a,6bとし、該クランプ6a,6bから第3の点Cまでの距離とC−D間の距離の合計が常に一定値となるようにワイヤ8を掛ける。このとき、はじめにC−D間の距離を、分析試料2と分析結晶3との距離2Rsinθに一致させておく。
【0019】
ワイヤ8は、ワイヤクランプ6aから第3の点Cに設けた滑車5Cの一方、第4の点Dに設けた滑車5D、さらに第3の点Cに設けた滑車5Cの他方、ワイヤクランプ6bの順の経路を通し、往復するワイヤの平行関係が保持されるように掛ける。これによって、C−D間の距離は分析点と分析結晶との距離に等しく制御される。また、X線検出器移動軸G上には、結晶位置から距離2Rsinθの位置にX線検出器4を設置する。該距離2Rsinθの保持は図示しない距離制御機構によって行う。
また、第2の機構の他の構成例として、第3の点Cと第4の点Dとの間にスプライン軸やリンク機構を設置し、分析結晶の結晶移動軸E上の位置に応じてスプライン軸やリンク機構をモータ駆動する構成を用いることができる。
【0020】
図8は、結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする第3の機構の一構成例であり、アーム機構を用いた例である。結晶移動軸E上とX線検出器移動軸G上でそれぞれ結晶位置から等距離にある点H,Iに、回転するアーム10a及び10bを等距離で連結し、連結点Jの中心を結晶面軸F上でスライド移動可能とする。該スライド移動は、結晶面軸F上に設けた溝によって構成することができる。
これによって、結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸Gと結晶面との成す角とが等角となる。
【0021】
本発明のX線分光器は、前記した第1〜第3の機構の内でいずれか2つの機構を組み合わせることによって、分光結晶でのX線の入射角とX線検出器方向への出射角とを常に等角に制御する。以下、図9〜図11を用いて、第1〜第3の機構の内の2つの機構を組み合わせた構成について説明する。
図9は第1の機構と第2の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図9において、図6に示した第1の機構によって結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角を2θとし、図7に示した第2の機構によって結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角をθとする。これによって、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角をθに制御する。
【0022】
図10は第1の機構と第3の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図10において、図6に示した第1の機構によって結晶移動軸EとX線検出器移動軸Gとの成す角を2θとし、図8に示した第3の機構によって結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする。これによって、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角をθに制御する。
図11は第2の機構と第3の機構とを組み合わせた構成を示す図である。図11において、図7に示した第2の機構によって結晶移動軸Eと結晶面軸Fとの成す角をθとし、図8に示した第3の機構によって結晶移動軸Eと結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする。これによって、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角をθに制御する。なお、第3の機構のアーム10の長さをRとすることによって、図中の破線で示すように第2の機構のアームと共用することができる。
上記したように、第1の機構と第2の機構の組み合わせ、第1の機構と第3の機構の組み合わせ、あるいは第2の機構と第3の機構の組み合わせによって、結晶面軸FとX線検出器移動軸Gとの成す角をθに制御することができる。
【0023】
次に、分光結晶とX線検出器との距離を2Rsinθとする距離制御機構について説明する。図12は、分光結晶とX線検出器との距離を2Rsinθとする距離制御機構の一構成例であり、ワイヤ機構を用いた例である。
結晶移動軸E上において、結晶位置に2つの滑車5Sを設け、また、X線検出器スリット位置に滑車5Tを設ける。この滑車5S,5Tに対して、分析試料2と反対側にある一点をワイヤクランプ6a,6bとし、該クランプ6a,6bから結晶位置までの距離と結晶位置からX線検出器スリット位置までの距離の合計が常に一定値となるようにワイヤ9を掛ける。このとき、はじめに結晶位置からX線検出器スリット位置間の距離を、分析試料2と分析結晶3との距離2Rsinθと一致させておく。
【0024】
ワイヤ9は、ワイヤクランプ6aから結晶位置に設けた滑車5Sの一方、X線検出器スリット位置に設けた滑車5T、さらに結晶位置に設けた滑車5Sの他方、ワイヤクランプ6bの順の経路を通し、往復するワイヤの平行関係が保持されるように掛ける。これによって、結晶位置とX線検出器のスリット位置と距離が結晶位置と分析点との距離に等しく制御される。
本発明のX線分光器は、上記した距離制御機構と角度制御機構とを備えることによって分光条件を満足させることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のX線分光器によれば、ガイドを要することなく分析試料の大型化や試料の移動範囲の拡大を可能とするX線分光器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶直進式X線分光器の分光点、分光結晶の位置、及びX線検出器の位置を説明するための概略図である。
【図2】角度制御機構を構成する本発明の第1の機構を説明するための概略図である。
【図3】角度制御機構を構成する本発明の第2の機構を説明するための概略図である。
【図4】角度制御機構を構成する本発明の第3の機構を説明するための概略図である。
【図5】本発明の第1〜第3の機構のいずれか2つの機構の組み合わせを説明するための図である。
【図6】本発明の角度制御機構を構成する第1の機構の構成例を説明するための概略図である。
【図7】本発明の角度制御機構を構成する第2の機構の構成例を説明するための概略図である。
【図8】本発明の角度制御機構を構成する第3の機構の構成例を説明するための概略図である。
【図9】本発明の第1の機構と第2の機構を組み合わせた構成を説明するための概略図である。
【図10】本発明の第1の機構と第3の機構を組み合わせた構成を説明するための概略図である。
【図11】本発明の第2の機構と第3の機構を組み合わせた構成を説明するための概略図である。
【図12】分光結晶とX線検出器との距離を2Rsinθとする距離制御機構の一構成例である。
【符号の説明】
1…ローランド円、2…分析試料、3…分析結晶、4…X線検出器、5…滑車、6…ワイヤクランプ、7,8,9…ワイヤ、10…アーム、11…連結部、12…電子線、A…第1の点、B…第2の点、C…第3の点、D…第4の点、E…結晶移動軸、F…結晶面軸、G…X線検出器移動軸、H,I、M,N…アーム回転点、J,L…連結点、O…分析点、P…結晶位置、Q…X線検出器スリット位置。
Claims (1)
- 湾曲型分光結晶による回折を用いてX線を分光する波長分散型X線分光器であって、ローランド円の半径をRとし、分光結晶に対するX線の入射角をθとするとき、分光結晶とX線検出器との距離を2Rsinθとする距離制御機構と、分光結晶の結晶移動軸に沿った直線移動に連動して結晶面軸及びX線検出器移動軸の角度を制御し、分光結晶におけるX線の入射角及びX線検出器方向への出射角をθとする角度制御機構とを備え、
前記角度制御機構は、
(a)結晶移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第1の点とし、X線検出器移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数kを乗じた値kRの距離にある点を第2の点とするとき、第1の点と第2の点との間の距離を、結晶位置と分析点との間の距離に係数kを乗じた値の距離に制御することによって、結晶移動軸とX線検出器移動軸との成す角度を2θとする第1の機構、
(b)結晶移動軸上で結晶位置からローランド円の半径Rに係数2Kを乗じた値2KRの距離にある点を第3の点とし、結晶面軸上で第1の点からローランド円の半径Rに係数Kを乗じた値KRの距離にある点を第4の点とするとき、第3の点と第4の点との間の距離を、結晶位置と分析点との間の距離に係数Kを乗じた値の距離に制御することによって、結晶移動軸と結晶面軸との成す角度をθとする第2の機構、
(c)結晶移動軸上とX線検出器移動軸上でそれぞれ結晶位置から等距離にある点で回転する2本のアームを等距離で連結し、該連結部の両アームの回転中心を結晶面軸上で移動可能とすることによって、結晶移動軸と結晶面との成す角とX線検出器移動軸と結晶面との成す角とを等角とする第3の機構、
の3つの機構の内いずれか2つの機構を備える、X線分光器。
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