JP4045672B2 - 信号処理回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルシリアルインタフェースに用いられる信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア・データ転送のためのインタフェースとして、高速データ転送、リアルタイム転送を実現するIEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers) 1394、High Performance Sirial Busが規格化された。
【0003】
このIEEE1394シリアルインタフェースのデータ転送には、従来のRequest,Acknowledge の要求、受信確認を行うアシンクロナス(Asynchronous) 転送と、あるノードから125μsに1回必ずデータが送られるアイソクロナス(Isochronous) 転送がある。
【0004】
このように、2つの転送モードを有するIEEE1394シリアルインタフェースでのデータは、パケット単位で転送が行われる。
【0005】
図5は、アイソクロナス通信における1ソースパケットのバイトサイズを示す図である。図5(A)はDVB(Digital Video Broadcast) 仕様時、図5(B)はDSS(Digital Satelite System) 仕様時のパケットサイズを示している。
【0006】
DVB仕様時のソースパケットサイズは、図5(A)に示すように、4バイトのソースパケットヘッダ(SPH;Source Packet Header)と188バイトのトランスポートストリームデータの192バイトである。
【0007】
これに対して、DSS仕様時のソースパケットサイズは、図5(B)に示すように、4バイトのソースパケットヘッダ(SPH)、10バイトの付加データ、および130バイトのデータの144バイトである。
付加バイトはソースパケットヘッダとデータとの間に挿入される。なお、IEEE1394規格では、取り扱う最小データの単位は1クワドレット(quadlet) (=4バイト=32ビット)であるため、トランスポートストリームデータと付加データの合計が32ビット単位で構成できる設定であることが必要である。
ただし、デフォルトでは付加バイトなしで設定される。
【0008】
図6は、IEEE1394規格のアイソクロナス通信でデータを送信させるときの元のデータと、実際に送信されるパケットとの対応関係の一例を示す図である。
【0009】
図6に示すように、元のデータであるソースパケットは、4バイトのソースパケットヘッダと、データ長を調整するためのパディングデータを付加された後、所定の数のデータブロックに分割される。
なお、パケットを転送するときのデータの単位が1クワドレット(4バイト)であることから、データブロックや各種ヘッダなどのバイト長は、全て4の倍数に設定される。
【0010】
図7は、ソースパケットヘッダのフォーマットを示す図である。
図7に示すように、ソースパケットヘッダのうち、25ビットには、たとえば上述したDVB方式等のディジタル衛星放送等で利用されているMPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)データをアイソクロナス通信で送信するときに、ジッタを抑制するために利用されるタイムスタンプ(Time Stamp)が書き込まれる。
【0011】
そして、このようなパケットヘッダやCIP(Common Isochronous Packet) ヘッダ等のデータが、所定の数のデータブロックに付加されることによりパケットが生成される。
【0012】
図8はアイソクロナス通信用パケットの基本構成例を示す図である。
図8に示すように、アイソクロナス通信のパケットは、第1クワドレットが1394ヘッダ(Header)、第2クワドレットがヘッダCRC(Header-CRC)、第3クワドレットがCIPヘッダ1(CIP-Header1)、第4クワドレットがCIPヘッダ2(CIP-Header2)、第5クワドレットがソースパケットヘッダ(SPH)で、第6クワドレット以降がデータ領域である。そして、最後のクワドレットがデータCRC(Data-CRC)である。
【0013】
1394ヘッダは、データ長を表すdata-length 、このパケット転送されるチャネルの番号(0〜63のいずれか)を示すchannel 、処理のコードを表すtcode 、および各アプリケーションで規定される同期コードsyにより構成されている。
ヘッダCRCは、パケットヘッダの誤り検出符号である。
【0014】
CIPヘッダ1は、送信ノード番号のためのSID(Source node ID)領域、データブロックの長さのためのDBS(Data Block Size) 領域、パケット化におけるデータの分割数のためのFN(Fraction Number) 領域、パディングデータのクワドレット数のためのQPC(Quadlet Padding Count) 領域、ソースパケットヘッダの有無を表すフラグのためのSPH領域、アイソクロナスパケットの数を検出するカウンタのためのDBC(Data Block Continuty Counter)領域により構成されている。
なお、DBS領域は、1アイソクロナスパケットで転送するクワドレット数を表す。
【0015】
CIPヘッダ2は、転送されるデータの種類を表す信号フォーマットのためのFMT領域、および信号フォーマットに対応して利用されるFDF(Format Dependent Field)領域により構成されている。
【0016】
SPHヘッダは、トランスポートストリームパケットが到着した時間に固定の遅延値を加えた値が設定されるタイムスタンプ領域を有している。
また、データCRCは、データフィールドの誤り検出符号である。
【0017】
上述した構成を有するパケットの送受信を行うIEEE1394シリアルインタフェースの信号処理回路は、主としてIEEE1394シリアルバスを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路と、フィジカル・レイヤのデータ転送をコントロールするリンク・レイヤ回路とにより構成される。
【0018】
上述したIEEE1394シリアルインタフェースにおけるアイソクロナス通信系では、たとえば図9に示すように、アプリケーション側であるMPEGトランスポータ(Transporter) 1にリンク・レイヤ回路2が接続され、リンク・レイヤ回路2はフィジカル・レイヤ回路3を介してシリアルインタフェースバスBSに接続されている。
そして、IEEE1394シリアルインタフェースのデータ転送では、送信データおよび受信データは一旦リンク・レイヤ回路2に設けられたFIFO(First-In First-Out)メモリ(以下、単にFIFOという)等の記憶装置に格納される。実際には、アシンクロナスパケット用FIFOとアイソクロナスパケット用FIFOとは別個に設けられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常のMPEGのトランスポートストリームデータは、MPEGプロトコルに準拠した形でデータが取り扱われる。
したがって、アプリケーション側では、データ処理に用いるクロックもそのプロトコルに準拠するように周波数が設定される。
【0020】
ところが、IEEE1394シリアルインタフェースに用いる信号処理回路のリンク・レイヤ回路で用いられるクロックの周波数とアプリケーション側で用いられるクロックの周波数は異なる。
したがって、現状のリンク・レイヤ回路では、IEEE1394シリアルインタフェースバスを介して受信したMPEGTSデータを、いわゆるアプリケーション側であるMPEGトランスポータ(Transporter) へ転送する場合には、外部で生成されたクロックの供給を受けて、受信用FIFOに格納したデータを読み出する必要がある。
このため、信号処理回路の外部、あるいはMPEGトランスポータに、新に読み出し用クロックのみを生成をするためのクロック生成回路を設ける必要があり、回路規模が大きくなるという不利益がある。
【0021】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部に読み出し用クロックを生成する回路を別に設けることなく、アプリケーション側に準拠した周波数のクロックを生成でき、アプリケーション側で処理可能なデータを得ることができる信号処理回路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、受信側で受信データをアプリケーション側へ出力すべき時間が設定された時間情報をシリアルインタフェースバスを送信されるパケットに付加して送信し、データ転送路を介して他の信号処理回路からあらかじめ決められた時間サイクルで当該シリアルインタフェースバス送信されるパケットデータを受信して当該アプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、上記パケットデータが記憶される記憶手段と、上記パケットデータにあらかじめ決められた上記時間情報を加え、上位および下位領域で構成されるタイムスタンプデータとし、当該タイムスタンプデータを一旦上記記憶回路に格納した後、読み出して送信する送信回路と、所定の周波数のシステムクロックを供給するクロック供給回路と、上記クロック供給回路から供給されるシステムクロックを受けて、その周波数をアプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換し、変換後のクロックに基づいて上記記憶手段に一旦格納された上記受信データを読み出し、読み出した当該受信データの上記タイムスタンプデータと所定時間間隔でリセットされるサイクルタイマとを比較し、当該サイクルタイマが当該タイムスタンプデータより大きい場合にアプリケーション側へ出力する受信回路とを有する。
【0023】
また、本発明では、上記受信回路は、上記システムクロックの周波数を分周する分周回路と、上記分周回路で分周されたクロックで上記記憶手段に記憶されているパケットデータを読み出してアプリケーション側へ出力する読出回路とを有する。
【0024】
また、本発明では、受信側で受信データをアプリケーション側へ出力すべき時間が設定された時間情報をシリアルインタフェースバスを送信されるパケットに付加して送信し、データ転送路を介して他の信号処理回路からあらかじめ決められた時間サイクルで当該シリアルインタフェースバスに送信されるパケットデータを受信して当該アプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、上記パケットデータが記憶される記憶手段と、上記パケットデータにあらかじめ決められた上記時間情報を加え、上位および下位領域で構成されるタイムスタンプデータとして上記記憶手段に格納する第1の送信回路と、上記記憶手段に格納された上記タイムスタンプデータを読みだし、所定のヘッダを付加して上記シリアルインタフェースバスに送信する第2の送信回路と、所定の周波数のシステムクロックを供給するクロック供給回路と、上記受信データを復元して上記記憶手段に格納する第1の受信回路と、上記クロック供給回路から供給されるシステムクロックを受けて、その周波数をアプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換し、変換後のクロックに基づいて上記記憶手段から復元した上記受信データを読み出し、読み出した当該受信データの上記タイムスタンプデータと所定時間間隔でリセットされるサイクルタイマとを比較し、当該サイクルタイマが当該タイムスタンプデータより大きい場合にアプリケーション側へ出力する第2の受信回路とを有する。
【0025】
また、本発明では、上記分周回路の分周値は、制御信号により任意の値に設定可能である。
【0026】
本発明によれば、シリアルインタフェースバスを転送されたパケットデータは記憶手段に一旦格納される。
また、クロック供給回路から受信回路にシステムクロックが供給され、その周波数が、たとえば分周されて、アプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換される。
そして、変換後のクロックに基づいて記憶手段から受信データが読み出されて、アプリケーション側へ出力される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、IEEE1394シリアルインタフェースに適用される本発明に係るMPEG用信号処理回路の一実施形態を示すブロック構成図である。
【0028】
この信号処理回路は、リンク・レイヤ回路10、フィジカル・レイヤ回路20、ホストコンピュータとしてのCPU30により構成されている。また、40はMPEGトランスポータを示している。
【0029】
リンク・レイヤ回路10は、CPU30の制御の下、アシンクロナス転送およびアイソクロナス転送の制御、並びにフィジカル・レイヤ回路20の制御を行う。
具体的には、図1に示すように、リンクコア(Link Core))101、ホストインタフェース回路(Host I/F)102、アプリケーションインタフェース回路(AP I/F) 103、送信用FIFO(AT-FIFO)104aおよび受信用FIFO(AR-FIFO)104bからなるアシンクロナス通信用FIFO104、セルフID用リゾルバ(Resolver)105、アイソクロナス通信用送信前処理回路(TXOPRE)106、アイソクロナス通信用送信後処理回路(TXOPRO)107、アイソクロナス通信用受信前処理回路(TXIPRE)108、アイソクロナス通信用受信後処理回路(TXIPRO)109、アイソクロナス通信用FIFO(I-FIFO)110、およびコンフィギュレーションレジスタ(Configuration Register、以下CFRという)111により構成されている。
【0030】
図1の回路おいて、ホストインタフェース回路102、アシンクロナス通信の送信用FIFO104a、受信用FIFO104bおよびリンクコア101によりアシンクロナス通信系回路が構成される。
そして、アプリケーションインタフェース回路103、送信前処理回路106、送信後処理回路107、受信前処理回路108、受信後処理回路109、FIFO110およびリンクコア101によりアイソクロナス通信系回路が構成される。
【0031】
リンクコア101は、アシンクロナス通信用パケットおよびアイソクロナス通信用パケットの送信回路、受信回路、これらパケットのIEEE1394シリアルバスBSを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路20とのインタフェース回路、125μs毎にリセットされるサイクルタイマ、サイクルモニタやCRC回路から構成されている。そして、たとえばサイクルタイマ等の時間データ等はCFR111を通してアイソクロナス通信系処理回路に供給される。
また、リンクコア101は、たとえば周波数49.152MHzのシステムクロックSCLKを受信後処理回路109に供給する。なお、システムクロックSCLKは、たとえばフィジカル・レイヤ回路20から供給される。
【0032】
ホストインタフェース回路102は、主としてホストコンピュータとしてのCPU30と送信用FIFO104a、受信用FIFO104bとのアシンクロナス通信用パケットの書き込み、読み出し等の調停、並びに、CPU30とCFR111との各種データの送受信の調停を行う。
たとえばCPU30からは、アイソクロナス通信用パケットのSPH(ソースパケットヘッダ)に設定されるタイムスタンプ用遅延時間Txdelay がホストインタフェース102を通してCFR111にセットされる。
さらに、CPU30からは、後述する受信後処理回路109に設けられる分周回路1091の分周値が設定される。
【0033】
送信用FIFO104aには、IEEE1394シリアルバスBSに伝送させるアシンクロナス通信用パケットが格納され、受信用FIFO104bにはIEEE1394シリアルインタフェースバスBSを伝送されてきたアシンクロナス通信用パケットが格納される。
【0034】
アプリケーションインタフェース回路103は、MPEGトランスポータ40とアイソクロナス通信用送信前処理回路106およびアイソクロナス通信用受信後処理回路109とのクロック信号や制御信号等を含むMPEGトランスポートストリームデータの送受信の調停を行う。
【0035】
リゾルバ105は、バスリセット時にIEEE1394シリアルインタフェースバスBSを伝送されてきたセルフIDパケットの内容を解析し、CFR111に格納する。
【0036】
送信前処理回路106は、アプリケーションインタフェース回路103を介してMPEGトランスポータ40によるMPEGトランスポートストリームデータを受けて、IEEE1394規格のアイソクロナス通信用としてクワドレット(4バイト)単位にデータ長を調整し、かつ4バイトのソースパケットヘッダ(SPH)を付加し、FIFO110に格納する。
【0037】
送信前処理回路106は、ソースパケットヘッダを付加するときに受信側のデータ出力時間を決定するタイムスタンプを設定するが、この設定は以下のように行われる。
まず、MPEGトランスポータ40からパケットの最終データを受け取ったタイミングで内部のサイクルレジスタの値をラッチする。
次に、CPU30からホストインタフェース102を介してCFR111にセットされた遅延時間Txdelay を上記サイクルレジスタの値に加算する。
そして、加算した値をタイムスタンプとして、受け取ったパケットのソースパケットヘッダに挿入(設定)する。
【0038】
図2は、ソースパケットヘッダにおけるタイムスタンプの具体的な構成を説明するための図である。
図2に示すように、受信側のデータ出力時間を決定するためのタイムスタンプは、25ビットで現時刻を表す。
すなわち、タイムスタンプは25ビットで構成され、下位12ビットがサイクルオフセットCO(cycle-offset)領域、上位13ビットがサイクルカウントCC(cycle-count) 領域として割り当てられている。
サイクルオフセットは0〜3071(12b 101111111111)の125μsをカウントし(クロックCLK=24.576MHz)、サイクルカウントは0〜7999(13b 1111100111111)の1秒をカウントするものである。
したがって、原則として、タイムスタンプの下位12ビットは3072以上を示すことはなく、上位13ビットは8000以上を示すことはない。
【0039】
送信後処理回路107は、FIFO110に格納されたソースパケットヘッダを含むデータに対して図8に示すように、1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2を付加してリンクコア101の送信回路に出力する。
具体的には、図8に示すように、データ長を表すdata-length 、このパケット転送されるチャネルの番号(0〜63のいずれか)を示すchannel 、処理のコードを表すtcode 、および各アプリケーションで規定される同期コードsyにより構成した1394ヘッダ、送信ノード番号のためのSID(Source node ID)領域、データブロックの長さのためのDBS(Data Block Size) 領域、パケット化におけるデータの分割数のためのFN(Fraction Number) 領域、パディングデータのクワドレット数のためのQPC(Quadlet Padding Count) 領域、ソースパケットヘッダの有無を表すフラグのためのSPH領域、アイソクロナスパケットの数を検出するカウンタのためのDBC領域により構成したCIPヘッダ1、並びに転送されるデータの種類を表す信号フォーマットのためのFMT領域、および信号フォーマットに対応して利用されるFDF(Format Dependent Field)領域により構成したCIPヘッダ2を付加する。
【0040】
受信前処理回路108は、リンクコア101を介してIEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受けて、受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2等の内容を解析し、データを復元してソースパケットヘッダとデータをFIFO110に格納する。
【0041】
受信後処理回路109は、リンクコア101から供給されるシステムクロックSCLKを受けて、その周波数をアプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換(本実施形態では分周)し、変換後のクロックに基づいてFIFO110に格納されたパケットデータを読み出して、アプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータSTDTとしてMPEGトランスポータ40へ出力する。
また、受信後処理回路109は、読み出しデータとともに、変換(分周)後のクロックDCLKおよびイネーブル信号ENBをアプリケーションインタフェース回路103を介してMPEGトランスポータ40へ出力する。
なお、受信後処理回路109は、データ読み出し時においては、FIFO110に格納されたソースパケットヘッダのタイムスタンプの時間データを読み出し、読み出したタイムスタンプデータ(TS)とリンクコア101内にあるサイクルタイマによるサイクルタイム(CT)を比較し、サイクルタイムCTがタイムスタンプデータTSより大きい場合には、FIFO110に格納されているソースパケットヘッダを除くデータをアプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータとしてMPEGトランスポータ40へ出力する。
【0042】
図3は、受信後処理回路109の主要部を示すブロック構成図である。
図3に示すように、受信後処理回路109は、分周回路1091および読出回路1092を有する。
【0043】
分周回路1091は、リンクコア101から供給されたシステムクロックSCLKの周波数、たとえば49.152MHzを1/8に分周し、分周後の周波数、たとえば6.144MHzのクロックDCLKを読出回路1092に供給するとともに、アプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEGトランスポータ40へ出力する。
なお、分周回路1091の分周値Nは、デフォルトでN=8に設定されるが、CPU30からCFR111に設定された値に設定することも可能である。
この場合、アプリケーション側で用いられるクロックの周波数に合わせて、読出クロックDCLKを設定することができる。
【0044】
読出回路1092は、分周回路1091により供給されるクロックDCLKに基づいてFIFO110に格納された受信パケットデータをコントロール信号S1092により順次読み出し、イネーブル信号ENBとともに、FIFO110に格納されているソースパケットヘッダを除くデータをアプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータSTDTとしてMPEGトランスポータ40へ出力する。
【0045】
次に、IEEE1394シリアルインタフェースバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受信した場合の動作を、図4に関連付けて説明する。
【0046】
IEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットは、リンクコア101を介して受信前処理回路108に入力される。
受信前処理回路108では、受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2等の内容が解析され、データが復元されてソースパケットヘッダとデータがFIFO110に書き込まれる。
【0047】
そして、受信後処理回路109において、分周回路1091で、リンクコア101から供給されたシステムクロックSCLKの周波数、たとえば49.152MHzが1/8に分周され、図4(a)に示すように、周波数6.144MHzのクロックDCLKが生成される。
この分周後のクロックDCLKは、読出回路1092に供給されるとともに、アプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEGトランスポータ40へ出力されて、MPEGトランスポータ40においてデータ処理用クロックとして用いられる。
【0048】
読出回路1092では、分周回路1091により供給されるクロックDCLKに基づいてFIFO110に格納された受信パケットデータがコントロール信号S1092により順次読み出される。
そして、図4(b),(c)に示すように、イネーブル信号ENBとともに、FIFO110から読み出されたソースパケットヘッダを除くデータが、アプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータSTDTとしてMPEGトランスポータ40へ出力される。
【0049】
なお、読出回路1092によるデータ転送は、FIFO110に格納されたソースパケットヘッダのタイムスタンプの時間データに基づいて行われる。
すなわち、FIFO110に格納されたソースパケットヘッダのタイムスタンプの時間データが読み出され、読み出したタイムスタンプデータ(TS)とリンクコア101内にあるサイクルタイマによるサイクルタイム(CT)が比較される。そして、サイクルタイムCTがタイムスタンプデータTSより大きい場合には、FIFO110に格納されているソースパケットヘッダを除くデータがアプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータSTDTとしてMPEGトランスポータ40に出力される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、リンクコア101から供給されたシステムクロックSCLKの周波数、たとえば49.152MHzを1/8に分周し、分周後の周波数、たとえば6.144MHzのクロックDCLKを読出回路1092に供給するとともに、アプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEGトランスポータ40へ出力する分周回路1091と、分周回路1091により供給されるクロックDCLKに基づいてFIFO110に格納された受信パケットデータをコントロール信号S1092により順次読み出し、イネーブル信号ENBとともに、FIFO110に格納されているソースパケットヘッダを除くデータをアプリケーションインタフェース回路103を介し、MPEG用トランスポートストリームデータSTDTとしてMPEGトランスポータ40へ出力する読出回路1092とを有する受信後処理回路109を設けたので、外部に読み出し用クロックを生成する回路を別に設けることなく、アプリケーション側に準拠した周波数のクロックを生成でき、アプリケーション側で処理可能なデータを得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部に読み出し用クロックを生成する回路を別に設けることなく、アプリケーション側に準拠した周波数のクロックを生成でき、アプリケーション側で処理可能なデータを得ることができる信号処理回路を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】IEEE1394シリアルインタフェースに適用される本発明に係るMPEG用信号処理回路の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】タイムスタンプの具体的な構成を説明するための図である。
【図3】本発明に係る受信後処理回路の主要部の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る受信後処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】アイソクロナス通信における1ソースパケットのバイトサイズを示す図であって、(A)はDVB仕様時、(B)はDSS仕様時のパケットサイズを示す図である。
【図6】IEEE1394規格のアイソクロナス通信でデータを送信させるときの元のデータと、実際に送信されるパケットとの対応関係の一例を示す図である。
【図7】ソースパケットヘッダのフォーマットを示す図である。
【図8】アイソクロナス通信用パケットの基本構成例を示す図である。
【図9】IEEE1394シリアルインタフェースにおけるアイソクロナス通信系回路の基本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…リンク・レイヤ回路、101…リンクコア(Link Core))、102…ホストインタフェース回路(Host I/F)、1032…アプリケーションインタフェース回路(AP I/F) 、104…アシンクロナス通信用FIFO、送信用FIFO(AT-FIFO)、104b…受信用FIFO(AR-FIFO)、105…セルフID用リゾルバ(Resolver)、106…アイソクロナス通信用送信前処理回路(TXOPRE)、107…アイソクロナス通信用送信後処理回路(TXOPRO)、108…アイソクロナス通信用受信前処理回路(TXPRE) 、109…アイソクロナス通信用受信後処理回路(TXIPRO 、110…アイソクロナス通信用FIFO(I-FIFO)、111…コンフィギュレーションレジスタ(CFR)、20…フィジカル・レイヤ回路、30…CPU、40…MPEGトランスポータ。

Claims (6)

  1. 受信側で受信データをアプリケーション側へ出力すべき時間が設定された時間情報をシリアルインタフェースバスを送信されるパケットに付加して送信し、データ転送路を介して他の信号処理回路からあらかじめ決められた時間サイクルで当該シリアルインタフェースバス送信されるパケットデータを受信して当該アプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、
    上記パケットデータが記憶される記憶手段と、
    上記パケットデータにあらかじめ決められた上記時間情報を加え、上位および下位領域で構成されるタイムスタンプデータとし、当該タイムスタンプデータを一旦上記記憶回路に格納した後、読み出して送信する送信回路と、
    所定の周波数のシステムクロックを供給するクロック供給回路と、
    上記クロック供給回路から供給されるシステムクロックを受けて、その周波数をアプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換し、変換後のクロックに基づいて上記記憶手段に一旦格納された上記受信データを読み出し、読み出した当該受信データの上記タイムスタンプデータと所定時間間隔でリセットされるサイクルタイマとを比較し、当該サイクルタイマが当該タイムスタンプデータより大きい場合にアプリケーション側へ出力する受信回路と
    を有する信号処理回路。
  2. 上記受信回路は、上記システムクロックの周波数を分周する分周回路と、
    上記分周回路で分周されたクロックで上記記憶手段に記憶されているパケットデータを読み出してアプリケーション側へ出力する読出回路と
    を有する請求項1記載の信号処理回路。
  3. 受信側で受信データをアプリケーション側へ出力すべき時間が設定された時間情報をシリアルインタフェースバスを送信されるパケットに付加して送信し、データ転送路を介して他の信号処理回路からあらかじめ決められた時間サイクルで当該シリアルインタフェースバスに送信されるパケットデータを受信して当該アプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、
    上記パケットデータが記憶される記憶手段と、
    上記パケットデータにあらかじめ決められた上記時間情報を加え、上位および下位領域で構成されるタイムスタンプデータとして上記記憶手段に格納する第1の送信回路と、
    上記記憶手段に格納された上記タイムスタンプデータを読みだし、所定のヘッダを付加して上記シリアルインタフェースバスに送信する第2の送信回路と、
    所定の周波数のシステムクロックを供給するクロック供給回路と、
    上記受信データを復元して上記記憶手段に格納する第1の受信回路と、
    上記クロック供給回路から供給されるシステムクロックを受けて、その周波数をアプリケーション側の規定に準拠した周波数に変換し、変換後のクロックに基づいて上記記憶手段から復元した上記受信データを読み出し、読み出した当該受信データの上記タイムスタンプデータと所定時間間隔でリセットされるサイクルタイマとを比較し、当該サイクルタイマが当該タイムスタンプデータより大きい場合にアプリケーション側へ出力する第2の受信回路と
    を有する信号処理回路。
  4. 上記第2の受信回路は、上記システムクロックの周波数を分周する分周回路と、
    上記分周回路で分周されたクロックで上記記憶手段に記憶されているパケットデータを読み出してアプリケーション側へ出力する読出回路と
    を有する請求項記載の信号処理回路。
  5. 上記分周回路の分周値は、制御信号により任意の値に設定可能である
    請求項2記載の信号処理回路。
  6. 上記分周回路の分周値は、制御信号により任意の値に設定可能である
    請求項4記載の信号処理回路。
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