JP4078740B2 - 信号処理回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルシリアルインタフェースに用いられる信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア・データ転送のためのインタフェースとして、高速データ転送、リアルタイム転送を実現するIEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers) 1394、High Performance Sirial Busが規格化された。
【0003】
このIEEE1394シリアルインタフェースのデータ転送には、従来のRequest,Acknowledge の要求、受信確認を行うアシンクロナス(Asynchronous) 転送と、あるノードから125μsに1回必ずデータが送られるアイソクロナス(Isochronous) 転送がある。
【0004】
このように、2つの転送モードを有するIEEE1394シリアルインタフェースでのデータは、パケット単位で転送が行われる。
そして、IEEE1394規格では、取り扱う最小データの単位は1クワドレット(quadlet) (=4バイト=32ビット)である。
【0005】
このようなパケットの送受信を行うIEEE1394シリアルインタフェースの信号処理回路は、図15に示すように、主としてIEEE1394シリアルバスを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路1と、フィジカル・レイヤ回路1のデータ転送をコントロールするリンク・レイヤ回路2とにより構成される。
【0006】
上述したIEEE1394シリアルインタフェースにおけるアイソクロナス通信系では、たとえば図15に示すように、リンク・レイヤ回路2はフィジカル・レイヤ回路3を介してシリアルインタフェースバスBSに接続されている。
そして、リンク・レイヤ回路2には、MPEG(Moving Picture Experts Group)トランスポータ等のアプリケーション側回路3が接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、AM(Audio and Music) プロトコルデータにはクロック成分を含まないことから、同期情報(シンクタイム(SYT)データ)を多重してシリアルインタフェースバスに送信する必要がある。
また、AMプロトコルを満足するパケットの送信を行う場合、このプロトコルで定義されている送信遅延を満足しないパケットについては、プロトコルに対して違反を犯すことになり、また、受信側の再生システムの破綻をきたすことから、送信をキャンセルする必要がある。
【0008】
さらに、受信側信号処理回路では、AMプロトコルデータを受信して、オーディオシステムへデータを出力するためには、上述したSYTデータの再生機能が必要である。
【0009】
ところが、現行のIEEE1394シリアルインタフェースにおけるアイソクロナス通信系信号処理回路では、映画やテレビ放送などの映像データに関するMPEGトランスポートストリームデータについての回路システムは、プロトコルに準拠したパケットの送受信用回路システムは確立されてきているものの、上述したAMプロトコルに準拠した回路システムは、未だ確立されていない。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、同期情報を多重されてシリアルインタフェースバスに送信されたプロトコルデータをプロトコルに準拠して再生できる信号処理回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、送信側で所定の時間情報に基づいて設定される受信側でのデータ再生用同期情報を多重可能で、あらかじめ決められた時間サイクルでシリアルインタフェースを送信されるパケットデータを受信し、再生クロック生成回路からのクロックに基づいてデータを再生してアプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、記憶手段と、上記受信パケットから上記同期情報の検出を行い、検出した同期情報をタイムスタンプデータとして上記記憶手段の所定のアドレス領域に格納する第1の受信回路と、上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータに応じて、シンクタイム信号を生成可能な第1および第2のシンクタイム再生系回路を含み、いずれか一方のシンクタイム再生系回路が生成したシンクタイム信号を上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給し、その結果供給されるクロック信号に基づいて上記記憶手段に記憶された受信データを再生してアプリケーション側へ出力する第2の受信回路とを有し、上記第1のシンクタイム再生系回路は、上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータを読み出し、タイムスタンプデータの時間情報が現時刻と一致した場合に、上記シンクタイム信号を生成して上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給するシンクタイム生成回路と、上記記憶手段から読み出したタイムスタンプデータから現時刻を減じた値があらかじめ決められた判定しきい値以上であるか否かを判別し、タイムスタンプデータから現時刻を減じた値が判定しきい値以上である場合には、上記シンクタイム信号の生成をキャンセルするキャンセル回路とを含み、上記第2のシンクタイム再生系回路は、上記記憶手段の所定のアドレス領域にタイムスタンプデータが格納されていない場合には、シンクタイム信号を自動的に生成し、上記記憶手段にタイムスタンプデータが格納されるべき期間内にタイムスタンプデータが格納されない場合には、自動生成したシンクタイム信号を上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給する自動生成回路とを含む
【0012】
また、本発明では、上記第1のシンクタイム再生系回路は、上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータの時間情報が現時刻と一致するか否かを判別する比較回路を含み、上記比較回路は、判別結果が一致した場合は、上記シンクタイム信号を生成する旨の信号を生成し、一致しない場合は、上記シンクタイム信号をキャンセルする旨の信号を生成し、上記シンクタイム生成回路および上記キャンセル回路に出力する。
【0017】
また、本発明では、上記シリアルインタフェースを送信されるパケットデータには標本化周波数コード情報が多重されており、上記自動生成回路は、上記標本化周波数コードに基づいて理論上のシンクタイム信号を自動的に生成する。
【0018】
本発明によれば、受信側でのデータ再生用同期情報を多重可能で、あらかじめ決められた時間サイクルでシリアルインタフェースを送信されるパケットデータが受信回路で受信される。
受信回路では、受信パケットから同期情報の検出が行われ、検出結果に基づいてシンクタイム信号が生成される。このシンクタイム信号は、再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給される。
再生クロック生成回路では、シンクタイム信号に基づいて再生用クロック信号が生成されて受信回路に供給される。
受信回路では、再生用クロック信号を受けて受信データが再生されてアプリケーション側へ出力される。
【0019】
また、本発明では、受信パケットから上記同期情報を検出できない場合には、自動生成回路において理論上のシンクタイム信号が自動的に生成され、再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給される。
これにより、再生クロック生成回路への悪影響が防止される。
【0020】
また、本発明では、同期情報を検出した結果、所定のプロトコルの規定に準拠していない場合には、キャンセル回路によりシンクタイム信号の生成がキャンセルされる。
これにより、システムの破綻が防止される。
【0021】
また、本発明によれば、送信側で所定の時間情報に基づいて設定される受信側でのデータ再生用同期情報を多重可能で、あらかじめ決められた時間サイクルでシリアルインタフェースを送信されるパケットデータが第1の受信回路で受信される。
第1の受信回路では、受信パケットから同期情報の検出が行われ、検出された同期情報がタイムスタンプデータとして記憶手段の所定のアドレス領域に格納される。
記憶手段に格納されたタイムスタンプデータは、第2の受信回路により読み出される。そして、読み出したタイムスタンプデータの時間情報が現時刻と一致した場合には、シンクタイム信号が生成される。このシンクタイム信号は、再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給される。
再生クロック生成回路では、シンクタイム信号に基づいて再生用クロック信号が生成されて受信回路に供給される。
受信回路では、再生用クロック信号を受けて受信データが再生されてアプリケーション側へ出力される。
【0022】
また、本発明では、記憶手段の所定のアドレス領域にタイムスタンプデータが格納されていない場合には、自動生成回路において理論上のシンクタイム信号が自動的に生成される。
そして、記憶手段にタイムスタンプデータが格納されるべき期間内にタイムスタンプデータが格納されない場合には、自動生成したシンクタイム信号が再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給される。
【0023】
また、本発明では、第2の受信回路において、記憶手段から読み出しがタイムスタンプデータから現時刻を減じた値があらかじめ決められた判定しきい値以上であるか否かが判別され、タイムスタンプデータから現時刻を減じた値が判定しきい値以上である場合には、キャンセル回路によりシンクタイム信号の生成がキャンセルされる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、IEEE1394シリアルインタフェースに適用される本発明に係る信号処理回路の一実施形態を示すブロック構成図である。
【0025】
この信号処理回路は、リンク・レイヤ回路10、フィジカル・レイヤ回路20、ホストコンピュータとしてのCPU30により構成されている。また、リンクレイヤ回路10には、アプリケーション側回路40が接続されている。
アプリケーション側回路40は、図1に示すように、MPEGトランスポータ41、D/A(Digital/Analog)コンバータ42、IEC958ディジタルオーディオ回路43により構成される。また、44は再生クロック生成回路としてのPLL回路を示している。
なお、以下では、アプリケーション側回路4をIEC958ディジタルオーディオ回路43として、送受信するデータをAM(Audio and Music) プロトコルに準拠したデータとして説明する。
【0026】
リンク・レイヤ回路10は、CPU30の制御の下、アシンクロナス転送およびアイソクロナス転送の制御、並びにフィジカル・レイヤ回路20の制御を行う。
具体的には、図1に示すように、リンクコア(Link Core))101、ホストインタフェース回路(HOST I/F)102、アプリケーションインタフェース回路(AP I/F) 103、アシンクロナス通信の送信用FIFO(AT-FIFO)104、アシンクロナス通信の受信用FIFO(AR-FIFO)105、インサートパケットバッファ(IPB)106、暗号処理回路(CPH)107、第1の送信回路としてのアイソクロナス通信用送信前処理回路(TXOPRE)108、第2の送信回路としてのアイソクロナス通信用送信後処理回路(TXOPRO)109、第1の受信回路としてのアイソクロナス通信用受信前処理回路(TXIPRE)110、第2の受信回路としてのアイソクロナス通信用受信後処理回路(TXIPRO)111、アイソクロナス通信の送信用FIFO(IT-FIFO) 112、アイソクロナス通信の受信用FIFO(IR-FIFO) 113および保持手段としてのコンフィギュレーションレジスタ(Configuration Register、以下CFRという)114により構成されている。
【0027】
図1の回路おいて、ホストインタフェース回路102、送信用FIFO104、受信用FIFO105およびリンクコア101によりアシンクロナス通信系回路が構成される。
そして、アプリケーションインタフェース回路103、暗号処理回路107、送信前処理回路108、送信後処理回路109、受信前処理回路110、受信後処理回路111、送信用FIFO112、受信用FIFO113およびリンクコア101によりアイソクロナス通信系回路が構成される。
【0028】
リンクコア101は、アシンクロナス通信用パケットおよびアイソクロナス通信用パケットの送信回路、受信回路、これらパケットのIEEE1394シリアルバスBSを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路20とのインタフェース回路、125μs毎にリセットされるサイクルタイマ、サイクルモニタやCRC回路から構成されている。そして、たとえばサイクルタイマ等の時間データ等はCFR111を通してアイソクロナス通信系処理回路に供給される。
【0029】
ホストインタフェース回路102は、主としてホストコンピュータとしてのCPU30と送信用FIFO104、受信用FIFO105とのアシンクロナス通信用パケットの書き込み、読み出し等の調停、並びに、CPU30とCFR114との各種データの送受信の調停を行う。
たとえばCPU30からは、アイソクロナス通信用AMパケットの後述するCIPヘッダ2に設定されるSYT(SYnc Time ;シンクタイム)用遅延時間Txdelay がホストインタフェース回路102を通してCFR114にセットされる。
なおAMプロトコルでは、この遅延時間Txdelay は352μsに規定されている。
また、たとえばCPU30からは、アイソクロナスパケットを暗号化する、後述する複数のモード(キー;key)が設定され、設定された暗号モードのうちの一つを選択して暗号処理回路107が暗号化すべき暗号キー選択情報が、ホストインタフェース回路102を通してCFR114にセットされる。
さらに、CPU30からは、インサートパケットデータを挿入する必要が生じたとき、CFR114のレジスタIPTxGoの論理「1」がセットされる。
【0030】
アプリケーションインタフェース回路103は、アプリケーション側回路40、たとえばIEC958ディジタルオーディオ回路43、PLL回路44と暗号処理回路107と制御信号等を含む、暗号化前および復号化後のデータの送受信の調停を行う。
【0031】
送信用FIFO104には、IEEE1394シリアルバスBSに伝送させるアシンクロナス通信用パケットが格納され、受信用FIFO105にはIEEE1394シリアルインタフェースバスBSを伝送されてきたアシンクロナス通信用パケットが格納される。
【0032】
インサートパケットバッファ106には、所望のパケットデータがCPU30から書き込まれる。
インサートパケットバッファ106の容量は、たとえば188バイトであり、188バイトまでのデータが有効で、この容量を超えたデータに関しては送信されない。
送信するデータが188バイト以下の場合は、書き込まれたデータ以外が「1」にセットされて送信される。
インサートパケットバッファ106に一度書き込まれたデータは、再び書き込みが行われるまで、その値を保持される。
インサートパケットバッファ106に書き込まれたデータは、暗号処理回路107で暗号化されて送信前処理回路108を介して送信用FIFO112に転送されるが、転送時には、上述したCFR114のレジスタIPTxGoが「1」に設定され、転送が終了した場合には自動的に「0」に設定され、CPU30はこれを確認することで転送終了を確認する。
【0033】
暗号処理回路107は、データ送信時には、CPU30からCFR114に設定された暗号キー選択情報に基づき、CPU30からCFR114に設定された複数の暗号モード(キー;key)のうち一の暗号キーを選択し、選択した暗号キーにより、アプリケーションインタフェース回路103を介して入力した送信すべきデータをたとえば所定の共通鍵暗号方式により暗号化し、送信前処理回路108に出力する。
また、暗号処理回路107は、受信後処理回路111を介して入力した暗号化されたデータの暗号化に用いられた暗号モード(キー)を検出し、その暗号キー情報に基づいて暗号化データを復号してアプリケーションインタフェース回路103に出力する。
【0034】
ここで、暗号モードおよび暗号キーの例について図2に関連付けて説明する。
暗号モードには、図2(A)に示すように、モードA,モードB、およびモードCの3種類があり、これに加えて暗号化なしがある。
そし、各暗号モードA,B,Cの内容は次の通りである。
暗号モードAはコピーを認めない(Never Copy)、暗号モードBは一度だけコピーを認める(Copy Once) 、暗号モードCはこれ以上のコピーを認めないおよび暗号化しない(No More Copy)である。
また、暗号キーには、図2(B)に示すように、偶数(Even)キー、および奇数(Odd) キーの2種類がある。
したがって、暗号化を行う暗号キーとしては、▲1▼モードA,奇数、▲2▼モードA,偶数、▲3▼モードB,奇数、▲4▼モードB,偶数、▲5▼モードC,奇数、▲6▼モードC,偶数の6種類がある。
【0035】
図3は、暗号処理回路107の構成例を示すブロック図である。
暗号処理回路107は、図3に示すように、暗号モード選択回路1071、暗号モード検出回路1072、マルチプレクサ1073、および暗号エンジン回路1074により構成されている。
【0036】
暗号モード選択回路1071は、データ送信時には、CPU30からCFR114に設定された暗号キー選択信号(情報)S114に基づき、CPU30からCFR114に設定された6個の暗号モード(キー;key)のうちの一の暗号キーを選択し、暗号エンジン回路1074に出力する。
また、データ受信時には、暗号モード検出回路1072からの暗号キー選択信号S1072に基づき、CPU30からCFR114に設定された6個の暗号モード(キー;key)のうち、一の暗号キーを選択し、暗号エンジン回路1074に出力する。
【0037】
暗号モード検出回路1072は、受信後処理回路111を介して入力し暗号化情報から、データの暗号化に用いられた暗号モード(キー)を検出し、検出結果を暗号キー選択信号S1072として暗号モード選択回路1071に出力する。
【0038】
マルチプレクサ1073は、送信時にはアプリケーションインタフェース回路103を介した送信データを暗号エンジン回路1074に入力させ、受信時には受信後処理回路111による暗号化されている受信データを暗号エンジン回路1074に入力させる。
【0039】
暗号エンジン回路1074は、送信時には、マルチプレクサ1073を介して入力した送信データを、暗号モード選択回路1071により指定された暗号キーに基づいて暗号化してその暗号化情報とともに送信前処理回路108に出力し、受信時には、マルチプレクサ1073を介して入力した受信データを、暗号モード選択回路1071により指定された暗号キーに基づいて暗号化データを復号してアプリケーションインタフェース回路103に出力する。
【0040】
送信前処理回路108は、暗号処理回路107による送信すべき暗号化データを受けて、IEEE1394規格のアイソクロナス通信用としてクワドレット(4バイト)単位にデータ長を調整し、かつ4バイト(+4ビット)のタイムスタンプデータを付加し、送信用FIFO112に格納する。
【0041】
送信前処理回路108は、送信用FIFO112に送信データを格納するに際して、図4(A)に示すように、4バイト(0〜31ビット)のタイムスタンプデータに4ビット(32〜36ビット)を付加し、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報を設定して格納するとともに、図4(B)に示すように、データ領域の4バイト(0〜31ビット)の最大長を示すデータペイロード(Data Payload)に同じく4ビット(32〜36ビット)を付加し、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報を設定して格納する。
【0042】
暗号化情報は、モードがビット〔35:34〕の2ビットで示され、キーの種類をビット〔33〕の1ビットで示され、内容に応じてこれら3ビットが、図4中sy〔3:2〕およびsy〔1〕のように設定される。ただし、ビット32は未使用である。
すなわち、モードAで偶数キーの場合には〔111〕、モードBで偶数キーの場合には〔101〕、モードCで偶数キーの場合には〔011〕、モードAで奇数キーの場合には〔110〕、モードBで奇数キーの場合には〔100〕、モードCで奇数キーの場合には〔010〕に設定される。
また、暗号化なしの場合には、ビット〔35:34〕が〔00〕に設定される。このとき、ビット〔33〕は意味を持たない。
【0043】
また、送信前処理回路108は、上述したようにタイムスタンプデータを設定するが、このタイムスタンプデータはオーディオのSYTインターバル毎に設定される。
ここで、SYTインターバルとは、AMプロトコルで同期情報を送るための周期のことをいう。
たとえばAMデータの標本化周波数を48kHzとした場合、AMプロトコルでは、8サンプル毎にSYT(シンクタイム)として、時間(同期)情報をCIPヘッダに多重して送信することが規定されている。
したがって、たとえばAMデータの標本化周波数を48kHzとした場合、AMプロトコルでは、8サンプル毎にタイムスタンプデータが設定される。
なお、AMデータの標本化周波数としては48kHzの他に44.1kHzおよび32kHzが規定されている。
【0044】
タイムスタンプデータの生成は、具体的には、最初のAMデータのサンプルが到着した時刻から8番目のサンプルが到着した時刻に、CPU30からホストインタフェース回路102を介してCFR114にセットされた遅延時間Txdelay (352μs)を加算して行われる。
【0045】
このように、送信前処理回路108は、8番目のサンプルが到達した時刻に固定の遅延時間を加える構成を採用していることから、その回路構成が簡単になる。
その理由は、このような構成を採用しない場合には、AMデータのサンプリングにはジッタが生じるため、先頭から最後までの時下を常に計算する必要が生じ、計算回路が必要となり、回路構成が複雑にならざるを得ないからである。
【0046】
図5は、送信前処理回路108におけるタイムスタンプデータ生成回路の構成例を示すブロック図である。
この回路は、図5に示すように、サンプルカウンタ(CNTR)1081、加算回路(ADR)1082、およびマルチプレクサ1083により構成されている。
【0047】
サンプルカウンタ1081は、AMデータを入力してサンプル数をカウントして、8サンプル分を完全に受け取ったタイミングで、いわゆるブロック転送の場合に1アイソクロナスパケットのデータサイズである8サンプルを受け取ったことを示す信号S1081を加算回路1082およびマルチプレクサ1083に出力する。
【0048】
加算回路1082は、サンプルカウンタ1081の出力信号S1081を受けると、内部のサイクルレジスタの値を取り込み、次に、CPU30からホストインタフェース回路102を介してCFR114にセットされた遅延時間Txdelay を上記サイクルレジスタの値に加算する。
そして、加算した値をタイムスタンプデータS1082としてマルチプレクサ1083に出力する。
【0049】
マルチプレクサ1083は、サンプルカウンタ1081の出力信号S1081に応じて、入力したAMデータまたは加算回路1082で生成されたタイムスタンプデータS1082を送信用FIFO112に入力させる。
【0050】
なお、図4(A)に示すように、タイムスタンプデータは、25ビットで現時刻を表す。
すなわち、タイムスタンプは25ビットで構成され、下位12ビットがサイクルオフセットCO(cycle-offset)領域、上位13ビットがサイクルカウントCC(cycle-count) 領域として割り当てられている。
サイクルオフセットは0〜3071(12b 101111111111)の125μsをカウントし(クロックCLK=24.576MHz)、サイクルカウントは0〜15(13b 0000000001111)の1秒をカウントするものである。
したがって、原則として、タイムスタンプの下位12ビットは3072以上を示すことはなく、上位13ビットは16以上を示すことはない。
【0051】
送信後処理回路109は、送信用FIFO112に格納された暗号化情報およびタイムスタンプデータを含むデータに対して図6に示すように、1394ヘッダ、CIP(Common Isochronous Packet) ヘッダ1,2を付加してリンクコア101の送信回路に出力する。
【0052】
図6に示すように、AMプロトコルに準拠したアイソクロナス通信のパケットは、第1クワドレットが1394ヘッダ(Header)、第2クワドレットがヘッダCRC(Header-CRC)、第3クワドレットがCIPヘッダ1(CIP-Header1)、第4クワドレットがCIPヘッダ2(CIP-Header2)で、第5クワドレット以降がデータ領域である。そして、最後のクワドレットがデータCRC(Data-CRC)である。
【0053】
送信後処理回路109は、さらに具体的には、図6に示すように、データ長を表すdata-length 、このパケット転送されるチャネルの番号(0〜63のいずれか)を示すchannel 、転送スピードを定義するspeed 、および暗号化情報を示すsyにより構成した1394ヘッダ、送信ノード番号のためのSID(Source node ID)領域、データブロックの長さのためのDBS(Data Block Size) 領域、パケット化におけるデータの分割数のためのFN(Fraction Number) 領域、パディングデータのクワドレット数のためのQPC(Quadlet Padding Count) 領域、ソースパケットヘッダの有無を表すフラグのためのSPH領域(AMデータの場合には「0」に設定される)、アイソクロナスパケットの数を検出するカウンタのためのDBC領域により構成したCIPヘッダ1、並びに転送されるデータの種類を表す信号フォーマットのためのFMT領域(たとえば「010000b」、信号フォーマットに対応して利用されるFDF(Format Dependent Field)領域、および同期情報としてのシンクタイムを設定するためのSYT領域により構成したCIPヘッダ2を付加する。
【0054】
なお、1394ヘッダに設定される暗号化情報syは、1394ヘッダのビット〔3,2,1〕の3ビットが割り当てられる。その内容は、FIFO112に格納されたソースパケットヘッダに付加された暗号化情報に基づいて設定される。
暗号化情報は、モードがビット〔3:2〕の2ビットで示され、キーの種類をビット〔1〕の1ビットで示され、内容に応じてこれら3ビットが、図2中sy〔3:2〕およびsy〔1〕のように設定される。
すなわち、モードAで偶数キーの場合には〔111〕、モードBで偶数キーの場合には〔101〕、モードCで偶数キーの場合には〔011〕、モードAで奇数キーの場合には〔110〕、モードBで奇数キーの場合には〔100〕、モードCで奇数キーの場合には〔010〕に設定される。
また、暗号化なしの場合には、ビット〔3:2〕が〔00〕に設定される。このとき、ビット〔1〕は意味を持たない。
【0055】
また、送信後処理回路109は、図5に示すように、送信用FIFO112に格納されたタイムスタンプデータの値TSと現時刻CT(リンクコア101に設けられたサイクルタイマーの値)との関係からパケットを送信しても受信側に到達したときは時間が過ぎてしまい無意味になったしまう場合には、そのパケットの送信を行わない、いわゆるレイト(LATE)処理を行う。
レイト処理の判断は、送信パケットが到着した時刻に遅延時間Txdelay (352μs)を加えたタイムスタンプデータTSから送信時の現時刻CTを減じた値が、あらかじめ決められた送信判定しきい値Lth以上であるか否かで行う。
(TS−CT)≧Lthの場合には送信処理を行い、(TS−CT)<Lthの場合には送信処理を行わない。
そして、レイト処理を行わず正常なパケット送信を行う場合にのみ、タイムスタンプデータ値をCIPヘッダ2のSYT領域に同期情報として設定し、同期情報を多重した形態で送信パケットの生成を行う。
【0056】
図7は、CIPヘッダ2のSYT領域の具体的な構成を示す図である。
図7に示すように、SYT領域は、16ビットで構成される。
そして、下位12ビットがサイクルオフセットCO(cycle-offset)領域、上位4ビットがサイクルカウントCC(cycle-count) 領域として割り当てられている。
サイクルオフセットは0〜3071(12b 101111111111)の125μsをカウントし(クロックCLK=24.576MHz)、サイクルカウントは0〜15(13b 0000000001111)の1秒をカウントするものである。
したがって、原則として、タイムスタンプの下位12ビットは3072以上を示すことはなく、上位13ビットは16以上を示すことはない。
【0057】
また、図8は、SYT領域におけるサイクルカウントCC領域およびサイクルオフセットCO領域の具体的な内容を説明するための図である。
図8に示すように、サイクルカウントCC領域は、1秒未満の時刻を125μs単位で表す。
また、サイクルオフセットCO領域は、125μs未満の時間を24.576Hzのクロック単位で表す。
【0058】
また、CIPヘッダ2のFDF領域には、送信するデータの標本化周波数コードが設定される。
【0059】
なお、AMプロトコルにおいては、データのパケットの転送形態としては、ブロック転送方式とノンブロック転送方式の2つの転送方式がある。
図9に、ブロック転送とノンブロック転送のパケット送信のタイミングチャートを示す。
ブロック転送方式では、図9(A)〜(C)に示すように、たとえば8オーディオサンプルを1パケットにして転送する。
一方、図9(D),(E)に示すように、ノンブロック転送方式では、オーディオサンプル毎に転送する。
【0060】
また、ブロック転送およびノンブロック転送においては、上述したSYT領域に同期情報が多重されないパケットがある。
このパケットは、図10に示すように、ブロック転送の場合、ノーデータパケット(NO−DATA)であり、ノンブロック転送の場合、ノーインフォメーションパケット(No Info)である。
【0061】
受信前処理回路110は、リンクコア101を介してIEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受けて、受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2等の内容を解析し、CIPヘッダ2のSYT領域にSYT値が設定される場合には4バイト(+4ビット)のタイムスタンプデータを付加し、受信用FIFO113に格納するとともに、CIPヘッダ2のFDF領域に設定されいる受信データの標本化周波数コードS110を検出して受信後処理回路111に出力する。
【0062】
受信前処理回路110は、受信用FIFO113に受信データを格納するに際して、受信パケットの1394ヘッダのsy領域のビット3,2,1に設定されている暗号化情報を、送信前処理回路108と同様に格納するタイムスタンプデータおよびデータに付加する。
すなわち、図4(A)に示すように、4バイト(0〜31ビット)のタイムスタンプデータに4ビット(32〜36ビット)を付加し、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報を設定して格納するとともに、図4(B)に示すように、データ領域の4バイト(0〜31ビット)の最大長を示すデータペイロード(Data Payload)に同じく4ビット(32〜36ビット)を付加し、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報を設定して格納する。
また、受信前処理回路108は、受信パケットのCIPヘッダ2のSYT領域に設定されている16ビットの同期情報を、図4(A)に示すように、24ビットのタイムスタンプデータに変換して、受信用FIFO113のあらかじめ決められたアドレスに格納する。
受信用FIFO113に格納されるタイムスタンプデータの詳細は、図4(A)を参照して説明した送信前処理回路108が送信用FIFO112に格納するフォーマットと同様のフォーマットをもって行われることから、ここではその詳細は省略する。
【0063】
また、暗号化情報は、モードがビット〔35:34〕の2ビットで示され、キーの種類をビット〔33〕の1ビットで示され、内容に応じてこれら3ビットが、図2中sy〔3:2〕およびsy〔1〕のように設定される。ただし、ビット32は未使用である。
すなわち、モードAで偶数キーの場合には〔111〕、モードBで偶数キーの場合には〔101〕、モードCで偶数キーの場合には〔011〕、モードAで奇数キーの場合には〔110〕、モードBで奇数キーの場合には〔100〕、モードCで奇数キーの場合には〔010〕に設定される。
また、暗号化なしの場合には、ビット〔35:34〕が〔00〕に設定される。このとき、ビット〔33〕は意味を持たない。
【0064】
受信後処理回路111は、受信用FIFO113に格納されたタイムスタンプデータおよび暗号化データを読み出して、付加された暗号化情報を暗号処理回路107の暗号モード検出回路1072に出力する。
【0065】
また、受信後処理回路111は、データ読み出し時においては、FIFO113に格納されたタイムスタンプデータの時間データを読み出し、読み出したタイムスタンプデータ(TS)とリンクコア101内にあるサイクルタイマによるサイクルタイム(CT)とを比較し、4μs幅のパルス信号である1/8FS再生信号であるSYT信号S111を再生して、アプリケーションインタフェース回路103を介してPLL回路44に出力し、PLL回路44で2048逓倍された256FS信号をアプリケーションインタフェース回路103を介して入力し、この256FS信号をクロック信号として受信用FIFO113に格納されている暗号化データを読み出して暗号処理回路107のマルチプレクサ173を介して暗号エンジン回路1074に入力させる。
【0066】
受信後処理回路111は、FIFO113に格納されたタイムスタンプデータの時間データを読み出してSYT信号S111を再生するが、このSYTを再生するモードには、受信前処理回路110で検出した値を用いて再生する第1のモードと、自走カウンタを用いてSYTを自動再生する第2のモードがある。
【0067】
第1のモード時には、読み出したタイムスタンプデータ(TS)とリンクコア101内にあるサイクルタイマによるサイクルタイム(CT)とを比較し、一致した場合にSYT信号を再生する。
【0068】
第2のモード時には、AMデータ通信時にSYTが多重されたパケットにエラーが発生すると、受信側でSYTを再生することができなくなる場合にSYTを自走カウンタを用いて再生する。
自動的に再生しない場合には、PPL回路44等による受信同期系回路に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
【0069】
図11は、第1のモードまたは第2のモードで再生されるSYT信号のタイミングチャートを示す図である。
図11(A)で示す信号が第1のモードで再生したSYT信号を示し、図11(B)で示す信号が第2のモードで自動再生したSYT信号を示している。
なお、SYT信号の再生周期は、オーディオサンプルの8サンプル部の時間である。これは、通信しているデータの標本化周波数に依存して異なり、標本化周波数が48kHzの場合には、約187μsである。
なお、この標本化周波数は、受信前処理回路110で検出された受信データの標本化周波数コードS110で認識できる。
【0070】
また、SYTにはもともとジッタ成分が含まれているため、理論上の値と比べて多少前後してしまうことから、受信後処理回路111は、図11(C)に示すように、基準信号に対してあらかじめ設定された幅内に、検出したSYTを再生した信号が入らない場合には、第2のモードとなって自動でSYT信号を生成する。
この幅は、CPU30からホストインタフェース回路102を介してCFR114のレジスタ「SYTSLFSTEP」に設定される。
図12に、レジスタ「SYTSLFSTEP」へのジッタ幅の設定例を示す。
本実施形態の場合、図12に示すように、±40.7ns、±162.8ns、±651.0ns、±1.3μs、±2.6μs、±5.2μs、±10.2μs、および±20.8μsの8つのジッタ幅(時間幅)が設定可能である。
【0071】
また、受信後処理回路111は、原則として第1のモードまたは第2のモードによってSYT信号を再生するが、たとえば送信側でレイト処理の結果、送信を停止しなければならないにもかかわらず、送信されてきた場合には、システムが破綻をきたすおそれがあることから、SYTが多重されたパケットを受信し、SYTを検出可能な場合であっても、SYT信号の生成をキャンセルする機能を有している。
【0072】
このキャンセル処理の判断は、現時刻CTからSYTの値を減じた値が、あらかじめ決められた判定しきい値Lthc 以上であるか否かで行う。
(CT−SYT)≧Lthc の場合にはキャンセル処理を行い、(CT−SYT)<Lthc の場合にはキャンセル処理を行わない。
送信時に付加された遅延時間は352μsであるから、現時刻CTからSYTの値を減じた値が、352μs以上になるか否かで判定すればよいわけであるが、本実施形態では、判定しきい値Lthc はAMプロトコルに準拠して372μsに設定される。
【0073】
なお、上述した自動でSYTを再生する機能およびキャンセル機能の制御は、CPU30からホストインタフェース回路102を介してCFR114のレジスタ「SYTSKIP」、「SYTSLF」、「SYTWIND」、および「SYTSLPSTEP」への設定で行われる。
図13に、レジスタ「SYTSKIP」、「SYTSLF」、「SYTWIND」、および「SYTSLPFTEP」へ設定される自動でSYTを再生する機能およびキャンセル機能の制御内容を示す。
たとえば、キャンセル機能は、レジスタ「SYTSKIP」への設定内容で制御される。本実施形態では、レジスタ「SYTSKIP」は論理「1」に設定され、レジスタ「SYTWIND」にSYT再生をキャンセルする上限値(372μs)が設定される。
したがって、検出したSYTの値がレジスタ「SYTWIND」に設定された上限値を超えた場合には、キャンセル機能が働く。
【0074】
図14は、本発明に係る受信後処理回路におけるSYT再生系回路の構成例を示すブロック図である。
SYT再生系回路111aは、図14に示すように、比較回路(CMP)1111、SYT生成回路(SYT-GEN) 1112、自走SYT生成回路(SELF SYT-GEN)1113、キャンセル回路(SYT-CANCL) 1114、およびマルチプレクサ1115(MUX) により構成されている。
【0075】
比較回路1111は、受信用FIFO113の受信前処理回路110によりタイムスタンプデータが格納される所定のアドレスに、タイムスタンプデータが格納されているか否か、具体的には、このアドレスで指定される格納領域がエンプティ(Empty) か非エンプティ(Not Empty) であるかを判断し、エンプティ状態から非エンプティ状態に切り替わったことをトリガとして、当該アドレス領域からタイムスタンプデータを読み出して内部レジスタに保持し、この内部レジスタに格納されたタイムスタンプデータによるSYTの値と現時刻CTとの比較を行い、一致した場合にはその旨を示す信号S1111をSYT生成回路1112およびキャンセル回路1114に出力する。
【0076】
また、比較回路1111は、内部レジスタに格納されたタイムスタンプデータTのSYTの値と現時刻CTとの比較を行い、具体的には、現時刻CTからSYTの値を減じた値が、あらかじめ決められた判定しきい値Lthc 以上であるか否かの判別を行い、(CT−SYT)≧Lthc の場合には、送信側でレイト処理の結果、送信を停止しなければならないにもかかわらずパケットを送信してきたものと判断して、システムの破綻を防止すべくキャンセル処理を行う旨を示す信号S1111をSYT生成回路1112およびキャンセル回路1114に出力する。
【0077】
SYT生成回路1112は、比較回路1111によりSYTの値と現時刻CTとが一致したことを示す信号S1111を受けると、図11(A)に示すような、4μs幅のSYT信号を生成し、マルチプレクサ1115に出力する。
また、SYT生成回路1112は、キャンセル回路1114からキャンセル信号S1114を受けると、SYT信号の生成処理を中止する。
【0078】
自走SYT生成回路1113は、受信前処理回路110で検出された受信データの標本化周波数コードS110に基づいて、理論上のSYT信号の生成を自動的に行い、このSYT信号の生成中に、受信用FIFO113の受信前処理回路110によりタイムスタンプデータが格納される所定のアドレスで指定される領域がエンプティであり、かつ上記理論値を超えてもエンプティ状態である場合には、自動生成したSYT信号をマルチプレクサ1115に出力する。
【0079】
キャンセル回路114は、比較回路1111によりシステムの破綻を防止すべくキャンセル処理を行う旨を示す信号S1111を受けた場合には、SYT生成回路1112にキャンセル信号S1114を出力し、SYT信号の生成を停止させる。
【0080】
マルチプレクサ1115は、SYT生成回路1112によるSYT信号および自走SYT生成回路1113によるSYT信号をアプリケーションインタフェース回路103を介してPLL回路44に出力する。
【0081】
次に、IEEE1394シリアルインタフェースバスBSを伝送されるアイソクロナス通信用パケットの送信動作および受信動作を説明する。
【0082】
まず、CPU30からCFR114に、アイソクロナスパケットを暗号化する複数のモード(キー;key)が設定される。
そして、IEEE1394シリアルインタフェースバスBSにアイソクロナス通信用パケットを送出する場合には、設定された暗号モードのうちの一つを選択して暗号処理回路107が暗号化すべき暗号キー選択情報が、CPU30からホストインタフェース回路102を通してCFR114にセットされる。
また、CPU30からは、アイソクロナス通信用パケットのCIPヘッダ2に設定されるSYT用遅延時間Txdelay がホストインタフェース回路102を通してCFR114にセットされる。
【0083】
これと並行して、アプリケーション側回路40のたとえばIEC958オーディオ回路41からのAMストリームデータが、アプリケーションインタフェース回路103を介して暗号処理回路107に入力される。
【0084】
暗号処理回路107では、送信時にはアプリケーションインタフェース回路103を介した送信データが、マルチプレクサ1073を介して暗号エンジン回路1074に入力される。
また、暗号モード選択回路1071において、CPU30からCFR114に設定された暗号キー選択信号(情報)S114に基づき、CPU30からCFR114に設定された6個の暗号モード(キー;key)のうちの一の暗号キーが選択され、その情報が暗号エンジン回路1074に供給される。
【0085】
暗号エンジン回路1074においては、マルチプレクサ1073を介して入力した送信データが、暗号モード選択回路1071により指定された暗号キーに基づいて暗号化されて送信前処理回路108に出力される。
【0086】
送信前処理回路108では、暗号処理回路107による送信しべき暗号化データを受けて、IEEE1394規格のアイソクロナス通信用としてクワドレット(4バイト)単位にデータ長が調整され、かつ4バイト(+4ビット)のタイムスタンプデータが付加されて送信用FIFO112に格納される。
【0087】
送信前処理回路108においては、以下のようにしてタイムスタンプデータが設定される。
暗号処理回路107による暗号化されたAMデータは、サンプルカウンタ1081に入力される。
サンプルカウンタ1081では、入力されたサンプル数がカウントされ、8サンプル分を完全に受け取ったタイミングで、1アイソクロナスパケットでデータサイズである8サンプルを受け取ったことを示す信号S1081が生成され、加算回路1082およびマルチプレクサ1083に出力される。
加算回路1082では、サンプルカウンタ1081の出力信号S1081を受けると、内部のサイクルレジスタの値に、CPU30からホストインタフェース回路102を介してCFR114にセットされた遅延時間Txdelay が加算され、加算した値がタイムスタンプデータS1082としてマルチプレクサ1083を介して送信用FIFO112に入力される。
【0088】
また、このとき、送信前処理回路108では、送信用FIFO112に送信データおよひタイムスタンプデータを格納するに際して、4バイト(0〜31ビット)のタイムスタンプデータに4ビット(32〜36ビット)が付加され、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報が設定され、併せて、データ領域の4バイト(0〜31ビット)の最大長を示すデータペイロード(Data Payload)に同じく4ビット(32〜36ビット)が付加され、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報が設定されて格納される。
【0089】
FIFO112に格納された送信データは、送信後処理回路109により読み出され、送信すべきデータに対して1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2が付加されてリンクコア101の送信回路に出力される。
このとき、付加ビットに設定されていた暗号化情報syは、1394ヘッダのビット〔3,2,1〕の3ビットに割り当てられてる。なお、その内容は、FIFO112に格納されたソースパケットヘッダに付加された暗号化情報に基づいて設定される。
【0090】
また、送信後処理回路109では、タイムスタンプデータの値TSと現時刻CTとの関係からパケットを送信しても受信側に到達したときは時間が過ぎてしまい無意味になったしまう場合には、そのパケットの送信を行わないレイト処理が行われる。
そして、レイト処理を行わず正常なパケット送信を行う場合にのみ、タイムスタンプデータ値がCIPヘッダ2の16ビットからなるSYT領域に同期情報として設定されて、同期情報を多重した形態で、リンクコア101の送信回路に出力される。
【0091】
リンクコア101の送信回路に入力されたパケットデータは、フィジカル・レイヤ回路20を介してIEEE1394シリアルインタフェースバスBSにアイソクロナス通信用パケットとして送出される。
【0092】
IEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきた、1394ヘッダに暗号化情報が設定されてるアイソクロナス通信用パケットは、フィジカル・レイヤ回路10、リンクコア101を介して受信前処理回路110に入力される。
【0093】
受信前処理回路110では、リンクコア101を介してIEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受けて、受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2等の内容が解析され、4バイト(+4ビット)のタイムスタンプデータが付加され、受信用FIFO113に格納するとともに、CIPヘッダ2のFDF領域に設定されている受信データの標本化周波数コードS110が検出されて、受信後処理回路111に出力される。
【0094】
このとき、受信前処理回路110では、受信用FIFO113に受信データを格納するに際して、受信パケットの1394ヘッダのsy領域のビット3,2,1に設定されている暗号化情報が、タイムスタンプデータおよびデータに付加されする。
具体的には、4バイト(0〜31ビット)のソースパケットヘッダに4ビット(32〜36ビット)が付加され、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報が設定され、併せて、データ領域の4バイト(0〜31ビット)の最大長を示すデータペイロード(Data Payload)に同じく4ビット(32〜36ビット)が付加され、この付加ビットのうちの33ビット、34ビット、および35ビットの3ビットを用いて暗号化情報が設定されて格納される。
かつ、受信パケットのCIPヘッダ2のSYT領域に設定されている16ビットの同期情報が、24ビットのタイムスタンプデータに変換されて、受信用FIFO113のあらかじめ決められたアドレスに格納される。
【0095】
そして、FIFO113に格納されたソースパケットヘッダは、受信後処理回路111により読み出され、付加ビットの暗号化情報が暗号処理回路107の暗号モード検出回路1072に供給され、暗号化データをマルチプレクサ173を介して暗号エンジン回路1074に供給される。
【0096】
また、受信後処理回路111においては、比較回路1111で、送信用FIFO112の受信前処理回路110によりタイムスタンプデータが格納される所定のアドレスに、タイムスタンプデータが格納されているか否か、すなわち、このアドレスで指定される格納領域がエンプティか非エンプティであるかが判断される。
そして、エンプティ状態から非エンプティ状態に切り替わったことをトリガとして、当該アドレス領域からタイムスタンプデータが読み出されて一旦内部レジスタに保持される。
次いで、この内部レジスタに格納されたタイムスタンプデータによるSYTの値と現時刻CTとが比較され、両者の値が一致した場合にはその旨を示す信号S1111が生成され、SYT生成回路1112およびキャンセル回路1114に出力される。
【0097】
また、比較回路1111においては、現時刻CTからSYTの値を減じた値が、あらかじめ決められた判定しきい値Lthc 以上であるか否かの判別が行われる。
判別の結果、現時刻CTからSYTの値を減じた値が判定しきい値Lthc 以上である(CT−SYT)≧Lthc の場合には、送信側でレイト処理の結果、送信を停止しなければならないにもかかわらずパケットを送信してきたものと判断されて、システムの破綻を防止すべくキャンセル処理を行う旨を示す信号S1111が生成され、SYT生成回路1112およびキャンセル回路1114に出力される。
キャンセル回路1114では、このキャンセル処理を行う旨を示す信号S1111を受けると、SYT信号の生成を停止させるためのキャンセル信号S1114が生成され、SYT生成回路1112に出力される。
【0098】
SYT生成回路1112では、キャンセル回路1114からのキャンセル信号S1114が入力されず、比較回路1111によりSYTの値と現時刻CTとが一致したことを示す信号S1111を受けると、4μs幅のSYT信号が再生され、マルチプレクサ1115に出力される。
一方、キャンセル信号S1114が入力されると、システムの破綻を防止しべくSYT生成回路1112ではSYT信号の生成処理が中止される。
【0099】
また、自走SYT生成回路1113においては、受信前処理回路110で検出された受信データの標本化周波数コードS110に基づいて、理論上のSYT信号の生成が自動的に行われる。
そして、このSYT信号の自動生成中に、受信用FIFO113の受信前処理回路110によりタイムスタンプデータが格納される所定のアドレスで指定される領域がエンプティであり、かつ理論値を超えてもエンプティ状態である場合には、何らかの通信エラーでSYTを検出することができず、SYT生成回路1112でSYT信号の生成が行われないものとして、自動生成したSYT信号がマルチプレクサ1115に出力される。
一方、理論値内に非エンプティ状態に遷移した場合には、自動生成したSYT信号のマルチプレクサ1115への出力は行われない。
【0100】
そして、マルチプレクサ1115から、SYT生成回路1112によるSYT信号または自走SYT生成回路1113によるSYT信号を再生用基準信号S111としてアプリケーションインタフェース回路103を介してPLL回路44に出力される。
【0101】
PLL回路44では、4μs幅のパルス信号である1/8FS再生信号であるSYT信号S111を受けて、2048逓倍した256FS信号が生成される。
この256FS信号は、アプリケーションインタフェース回路103を介して受信後処理回路111に入力される。
受信後処理回路111では、256FS信号をクロック信号として受信用FIFO113に格納されている暗号化データが読み出されて、暗号処理回路107のマルチプレクサ173を介して暗号エンジン回路1074に供給される。
【0102】
暗号処理回路107では、暗号モード検出回路1072において、受信後処理回路111を介して入力した暗号化されたデータに付加されている暗号化情報から、データの暗号化に用いられた暗号モード(キー)が検出される。そして、その検出結果が暗号キー選択信号S1072として暗号モード選択回路1071に出力される。
暗号モード選択回路1071においては、暗号キー選択信号S1072に基づき、CPU30からCFR114に設定された6個の暗号モード(キー;key)のうちの一の暗号キーが選択され、その情報が暗号エンジン回路1074に供給される。
【0103】
暗号エンジン回路1074は、マルチプレクサ1073を介して入力した受信データが、暗号モード選択回路1071により指定された暗号キーに基づいて復号される。
そして、復号されたデータがアプリケーションインタフェース回路103を介し、たとえばAMストリームデータとしてIEC958オーディオ回路44へ出力される。
【0104】
以上説明したように、本実施形態によれば、最初のAMデータのサンプルが到着した時刻から8番目のサンプルが到着した時刻に、CPU30からホストインタフェース102を介してCFR114にセットされた遅延時間Txdelay (352μs)を加算した4バイトのタイムスタンプデータを生成して送信用FIFO112に格納する送信前処理回路108と、送信用FIFO112に格納されたタイムスタンプデータの値TSと現時刻CTとの関係からパケットを送信しても受信側に到達したときは時間が過ぎてしまい無意味になったしまう場合には、そのパケットの送信を行わないレイト処理を行い、レイト処理を行わず正常なパケット送信を行う場合にのみ、タイムスタンプデータ値をCIPヘッダ2のSYT領域に同期情報として設定し、同期情報を多重した形態で送信パケットの生成を行う送信後処理回路109とを設けたので、AMプロトコルデータのようにクロック成分をもたないデータに対して同期情報を多重してシリアルインタフェースバスBSに送出することができ、かつ、送信のレイト処理を自動的に行うことができ、的確なパケット送信を実現できる。
また、上述したよう、送信前処理回路108では、8番目のサンプルが到達した時刻に固定の遅延時間Txdelay を加える構成を採用していることから、その回路構成が簡単になるという利点がある。
【0105】
また、本実施形態によれば、リンクコア101を介してIEEE1394シリアルバスBSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受けて、受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2等の内容を解析し、CIPヘッダ2のSYT領域にSYT値が設定される場合にはタイムスタンプデータを付加し、受信用FIFO113に格納するとともに、CIPヘッダ2のFDF領域に設定されている受信データの標本化周波数コードS110を検出して受信後処理回路111に出力する受信前処理回路110と、受信用FIFO113から読み出したタイムスタンプデータ(TS)とリンクコア101内にあるサイクルタイマによるサイクルタイム(CT)とを比較し、一致した場合にSYT信号を再生し、AMデータ通信時にSYTが多重されたパケットにエラーが発生し、受信側でSYTを再生することができなくなる場合には受信データの標本化周波数コードS110に基づいてSYT信号を自走カウンタを用いて自動的に再生する受信後処理回路111と設けたので、AMプロトコルデータのようにクロック成分をもたないデータに対して同期情報が多重されシリアルインタフェースバスBSを伝搬されたパケットデータからSYT(同期情報)を抽出し、抽出したSYT信号に基づいてデータを再生してアプリケーション側に送出することができることはもとより、PPL回路44等による受信同期系回路に悪影響を防止でき、安定な動作を実現できる利点がある。
【0106】
また、本実施形態では、受信後処理回路111は、送信側でレイト処理の結果、送信を停止しなければならないにもかかわらず、送信されてきた場合には、SYTが多重されたパケットを受信し、SYTを検出可能な場合であっても、SYT信号の生成をキャンセルする機能を有していることから、システムが破綻をきたすことを防止できる利点がある。
【0107】
さらにまた、本実施形態では、データ送信時には、CPU30からCFR114に設定された暗号キー選択情報に基づき、CPU30からCFR114に設定された複数の暗号モード(キー;key)のうち一の暗号キーを選択し、選択しが暗号キーにより、アプリケーションインタフェース回路103を介して入力した送信すべきデータをたとえば所定の共通鍵暗号方式により暗号化し、送信前処理回路108に出力し、受信後処理回路111を介して入力した暗号化されたデータの暗号化に用いられた暗号モード(キー)を検出し、その暗号キー情報に基づいて暗号化データを復号してアプリケーションインタフェース回路103に出力する暗号処理回路107を設けたので、異なる機器間で送信または受信するディジタルデータの不正なコピーを防止でき、しかも良好なアイソクロナス通信を実現できる利点がある。
【0108】
なお、本実施形態では、アプリケーション側データとしてAMプロトコルデータを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、ディジタルオーディオ等、各ディジタルデータに適用できることはいうまでもない。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クロック成分を持たないプロトコルデータに対して同期情報が多重され、シリアルインタフェースバスを伝搬されたパケットデータから同期情報を的確に抽出でき、抽出した同期情報に基づいてデータを再生してアプリケーション側に送出することができる。
【0110】
また、通信エラーが発生し、受信側で同期情報を再生することができなくなる場合には自動的に再生することから、受信同期系回路としての再生クロック生成回路への悪影響を防止でき、安定な動作を実現できる利点がある。
【0111】
また、送信側でレイト処理の結果、プロトコル違反のパケットデータを受信した場合には、同期情報の生成をキャンセルする機能を有していることから、システムが破綻をきたすことを防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】IEEE1394シリアルインタフェースに適用される本発明に係るMPEG用信号処理回路の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る暗号モードおよび暗号キーの例について説明するための図である。
【図3】本発明に係る暗号処理回路の構成例を示すブロック図である。
【図4】FIFOに暗号化データを格納する場合に付加する暗号化情報の一形態を示す図である。
【図5】本発明に係る送信前処理回路におけるタイムスタンプデータ生成回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】AMプロトコルデータのアイソクロナス通信用パケットの基本構成例を示す図である。
【図7】AMプロトコルに準拠したCIPヘッダ2におけるSYT領域の具体的な構成を示す図である。
【図8】SYT領域におけるサイクルカウントCC領域およびサイクルオフセットCO領域の具体的な内容を説明するための図である。
【図9】ブロック転送とノンブロック転送のパケット送信のタイミングチャートを示す図である。
【図10】IEEE1394規格のアイソクロナス通信でデータを送信させるときの送信形態の一例を説明するための図である。
【図11】本発明に係る受信後処理回路で再生されるSYT信号のタイミングチャートを示す図である。
【図12】レジスタ「SYTSLFSTEP」への基準信号に対するジッタ幅の設定例を示す図である。
【図13】レジスタ「SYTSKIP」、「SYTSLF」、「SYTWIND」、および「SYTSLPSTEP」へ設定される自動でSYTを再生する機能およびキャンセル機能の制御内容を示す図である。
【図14】本発明に係る受信後処理回路におけるSYT再生系回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】IEEE1394シリアルインタフェースにおけるアイソクロナス通信系回路の基本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…リンク・レイヤ回路、101…リンクコア(Link Core))、102…ホストインタフェース回路(Host I/F)、103…アプリケーションインタフェース回路(AP I/F) 、103A…ストリームデータ抽出系回路、1031…PIDフィルタ、1032…タイミング生成回路、1033…マルチプレクサ、104…アシンクロナス通信の送信用FIFO(AT-FIFO)、105…アシンクロナス通信の受信用FIFO(AR-FIFO) 、106…インサートパケットバッファ(IPB)、107…暗号処理回路、1071…暗号モード選択回路、1072…暗号モード検出回路、1073…マルチプレクサ(MUX) 、1074…暗号エンジン回路、108…アイソクロナス通信用送信前処理回路(TXOPRE)、1081…サンプルカウンタ(CNTR)、1082…加算回路(ADR) 、1083…マルチプレクサ(MUX) 、109…アイソクロナス通信用送信後処理回路(TXOPRO)、110…アイソクロナス通信用受信前処理回路(TXPRE) 、111…アイソクロナス通信用受信後処理回路(TXIPRO 、112…アイソクロナス通信の送信用FIFO(IT-FIFO) 、113…アイソクロナス通信の受信用FIFO(IR-FIFO) 、114…コンフィギュレーションレジスタ(CFR)、20…フィジカル・レイヤ回路、30…CPU、40…アプリケーション側回路、41…MPEGトランスポータ、42…D/Aコンバータ、43…IEC958ディジタルオーディオ回路、44…PLL回路。

Claims (4)

  1. 送信側で所定の時間情報に基づいて設定される受信側でのデータ再生用同期情報を多重可能で、あらかじめ決められた時間サイクルでシリアルインタフェースを送信されるパケットデータを受信し、再生クロック生成回路からのクロックに基づいてデータを再生してアプリケーション側へ出力する信号処理回路であって、
    記憶手段と、
    上記受信パケットから上記同期情報の検出を行い、検出した同期情報をタイムスタンプデータとして上記記憶手段の所定のアドレス領域に格納する第1の受信回路と、
    上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータに応じて、シンクタイム信号を生成可能な第1および第2のシンクタイム再生系回路を含み、いずれか一方のシンクタイム再生系回路が生成したシンクタイム信号を上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給し、その結果供給されるクロック信号に基づいて上記記憶手段に記憶された受信データを再生してアプリケーション側へ出力する第2の受信回路とを有し、
    上記第1のシンクタイム再生系回路は、
    上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータを読み出し、タイムスタンプデータの時間情報が現時刻と一致した場合に、上記シンクタイム信号を生成して上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給するシンクタイム生成回路と、
    上記記憶手段から読み出したタイムスタンプデータから現時刻を減じた値があらかじめ決められた判定しきい値以上であるか否かを判別し、タイムスタンプデータから現時刻を減じた値が判定しきい値以上である場合には、上記シンクタイム信号の生成をキャンセルするキャンセル回路とを含み、
    上記第2のシンクタイム再生系回路は、
    上記記憶手段の所定のアドレス領域にタイムスタンプデータが格納されていない場合には、シンクタイム信号を自動的に生成し、上記記憶手段にタイムスタンプデータが格納されるべき期間内にタイムスタンプデータが格納されない場合には、自動生成したシンクタイム信号を上記再生クロック生成回路に再生用基準信号として供給する自動生成回路と
    を含む信号処理回路。
  2. 上記第1のシンクタイム再生系回路は、
    上記記憶手段に格納されたタイムスタンプデータの時間情報が現時刻と一致するか否かを判別する比較回路を含み、
    上記比較回路は、
    判別結果が一致した場合は、上記シンクタイム信号を生成する旨の信号を生成し、一致しない場合は、上記シンクタイム信号をキャンセルする旨の信号を生成し、上記シンクタイム生成回路および上記キャンセル回路に出力する
    請求項1記載の信号処理回路。
  3. 上記シリアルインタフェースを送信されるパケットデータには標本化周波数コード情報が多重されており、
    上記自動生成回路は、上記標本化周波数コードに基づいて理論上のシンクタイム信号を自動的に生成する
    請求項に記載の信号処理回路。
  4. 上記シリアルインタフェースを送信されるパケットデータには標本化周波数コード情報が多重されており、
    上記自動生成回路は、上記標本化周波数コードに基づいて理論上のシンクタイム信号を自動的に生成する
    請求項に記載の信号処理回路。
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