JP4044661B2 - 水なし平版印刷原版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を吸収して熱を発生する光熱変換材料を用いたダイレクト製版用水なし平版印刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザー技術の発達に伴い、高速記録や高密度、高画質記録を目的にレーザー光を熱に変換して記録する方式、例えば、レーザー感熱記録材料、レーザー熱転写記録材料等の画像形成方法が検討されている。また、コンピューターの普及やディジタル画像処理技術の向上等のエレクトロニクスの急速な発展を背景に、ディジタルデータからダイレクトに印刷版を作成する、コンピューター・ツー・プレート(CTP製版)技術の開発が活発に検討されている。
【0003】
レーザー光を熱に変換して画像を記録する方式(レーザーサーマル記録方式)においては、レーザーの波長に合った光熱変換材料を使用し、吸収した光を熱に変換し画像を形成することが行われているが、レーザーの出力を相当大きくしないと画像形成に必要な熱エネルギーが得られず、よって、光熱変換効率のよい材料の開発が望まれている。
【0004】
CTP製版技術においては、製版方法から分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでインキ反撥またはインキ着肉層を形成する方法などが知られている。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、および製版速度の面で他の方式よりも優れており、種々の画像形成方法が検討されている。
【0005】
また、最近では近赤外域(750nm〜1000nm)に発光領域を持つ小型で高出力で安価な半導体レーザーが容易に入手できるようになってきており、製版する際の露光光源として有用となってきている。
【0006】
レーザー光を利用する製版方法としては、感光性タイプ及び感熱性タイプがある。感光性タイプの版材としては、有機半導体(OPC)を用いる電子写真方式、銀塩を用いる銀塩方式等があるが、これらの版材は、その製造装置が大型かつ高価であり、版価格が従来のPS版に比べ割高である。また、現像液の廃棄処理問題も有する。そのため、これらの版材は実用化に至っていない。
【0007】
感熱性タイプの版材は、感光性タイプの版材に比べ感度が低い事が欠点であるが、通常の室内(明室)で取り扱え、装置が小型で安価であることから精力的に検討されている。
【0008】
感熱性タイプの版材は、いずれも光を熱に変換するいわゆる光熱変換材料を必要とする。
【0009】
光熱変換材料は、使用するレーザー光を吸収することが必須であり、感度を向上させるために、使用するレーザー光の吸収能力がより高いことが必要である。光熱変換材料に使用できる光熱変換剤は、顔料タイプ及び染料タイプの物質がある。顔料タイプの物質としては、通常カーボンブラックが用いられている。一方、染料タイプの物質としては、種々提案されているが、通常ポリメチン系色素が用いられている。カーボンブラックは使用レーザーの選択の幅が広いが、染料タイプの物質に比べ、一般にレーザー光の吸収能力が低く、使用量を多くしなければならない。
【0010】
染料タイプの物質を使用する場合には、使用半導体レーザー光の吸収能力が高いこと、画像形成成分、樹脂バインダー等の他の成分との相溶性や使用する溶剤への溶解性が良いことが必要となる。
【0011】
ところが、通常使用されているポリメチン系色素は、基本的に塩構造であるため使用溶剤についての制約があり、画像形成物質、バインダー樹脂等との相溶性が悪い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、近赤外域(750nm〜1000nm)に発光領域を持つレーザー、特に半導体レーザーに対する感度が高く、これを使用した高速記録が可能で高密度、高画質のレーザーサーマル記録材料に使用できる光熱変換材料及び高画質の印刷物を与える事のできるダイレクト製版用平版印刷原版等に好適な光熱変換材料を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために種々検討した結果、本発明者らは、特定の構造を有するナフタロシアニン化合物を光熱変換剤として用いることにより、レーザーに対する感度が良好で光熱変換効率が高く、種々の用途への加工が容易な光熱変換材料を得ることができ、本発明を達成することができた。
【0014】
本発明の第一の発明は、支持体上に光熱変換層を設けてなるダイレクト製版用平版印刷原版において、光熱変換層中に下記一般式(1)で表わされるナフタロシアニン化合物を含有する光熱変換材料を含有することを特徴とするダイレクト製版用水なし平版印刷原版である。
【0015】
【化2】
〔式中、A1〜A24は各々独立に、水素原子またはハロゲン原子を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属、3価の金属誘導体または4価の金属誘導体を表す〕
【0017】
本発明の第二の発明は、上記第一の発明のダイレクト製版用水なし平版印刷原版に、光源として750nm〜1000nmに発光領域を持つ半導体レーザー光を照射して平版印刷版を作成する方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0019】
前記一般式(1)のナフタロシアニン化合物おいて、
A1〜A24は各々独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素原子である。
【0020】
Mが2価の金属であるものとしては、Mg、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Snが好ましく、3価または4価の金属誘導体としては、AlF、AlCl、AlBr、AlI、InCl、FeCl、MnOH、SiCl2、SnCl2、GeCl2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、、VO、TiOが好ましい。Mとしては特にAlCl、Mg、Co、Ni、Cu、Zn、VO、TiOが好ましい。更に好ましいのはVOである。
【0021】
本発明に用いることができる一般式(1)のナフタロシアニンは、例えば下記一般式(2)で表わされるフタロニトリル化合物と金属または金属誘導体を、適当な溶媒中、好ましくは沸点130℃以上の有機溶媒中、100〜300℃で反応させることにより製造できる。
【0022】
【化3】
〔式中、B1〜B6は各々独立に、水素原子またはハロゲン原子を表す。〕
【0023】
一般式(1)のナフタロシアニン化合物は公知の物質であり、Zhurnal Obshchei Khimii, Vol. 39, No 11, 2554 (1969)に記載されている。本発明者らがこれらの化合物を光熱変換材料に採用したところ、レーザーに対する感度が良好で光熱変換効率が高く、例えば、高速記録ができ、高密度、高画質の画像を与えるレーザー熱転写記録材料、レーザー感熱記録材料等に好適に用いることができることが判明した。また、一般式(1)のナフタロシアニン化合物は、ダイレクト製版用平版印刷原版の光熱変換層の作製に用いる種々のバインダー樹脂等に含有させることで、ダイレクト製版用平版印刷原版の製造に特に適していることがわかった。
【0024】
本発明の光熱変換材料は、光熱変換剤としての式(1)のナフタロシアニン化合物以外にバインダー樹脂等を含有してもよい。
【0025】
光熱変換剤としては一般式(1)のナフタロシアニン化合物以外に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の種々の近赤外吸収剤が併用できる。
【0026】
併用できる近赤外吸収剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック等の顔料や、『化学工業(1986年、5月号)』の「近赤外吸収色素」(p45〜51)やシーエムシー編集部『90年代 機能性色素の開発と市場動向』シーエムシー(1990)第2章2.3に記載されているポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン(類似)系色素、アミニウム、ジインモニウム系色素等、またアゾ系色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素等の顔料、染料系の色素が挙げられる。
【0027】
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることが出来る。
【0030】
本発明の光熱変換材料は、ダイレクト製版用平版印刷原版に好適に用いることができる。ダイレクト製版用平版印刷原版は、支持体上に光熱変換層を設けてなる。また、光熱変換層上にシリコーンゴム層を積層してもよいし、更に、保護層等を積層してもよい。
【0031】
光熱変換層を構成する成分としては、上記の光熱変換材料以外に、画像形成成分、バインダー樹脂等がある。あるいは画像形成成分を含む層を光熱変換層の上に積層して設けてもよい。
【0032】
画像形成成分としては、熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成するもので、従来から種々検討されているものが使用できる。例えば、特開平3−108588号公報に開示されているマイクロカプセル化された熱溶融性物質と結着性樹脂等を含有するもの、特開昭62−164049号公報に開示されている親水性表面を有する支持体上に活性水素含有バインダーと共にブロックイソシアネート等を含有するもの、特開平7−1849号公報に開示されているマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマー等を含有するもの、特開平8−220752号公報に開示されている酸前駆体、ビニルエーテル基を有する化合物、及びアルカリ可溶性樹脂等を含有するもの、特開平9−5993号公報に開示されている水酸基を有する高分子化合物とo−ナフトキノンジアジド化合物等を含有するもの、特開平9−131977号公報に開示されているニトロセルロース等を含有するもの、特開平9−146264号公報に開示されている重合開始剤及びエチレン性不飽和モノマー、オリゴマー、マクロモノマー等を含有するもの等が挙げられ、特に制限はない。場合によっては、特開平9−80745号公報、特開平9−131977公報、特開平9−146264号公報等に開示されているように光熱変換層(感光層または感熱記録層)上にシリコーンゴム層を積層し、露光後、シリコーンゴム層を密着または剥離することにより画像部を形成してもよい。
【0033】
光熱変換層に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることが出来る。
【0034】
本発明の印刷用平版印刷原版は通常の印刷機にセットできる程度のたわみ性を有し、同時に印刷時にかかる加重に耐え得るものでなければならない。すなわち、用いる支持体としては、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等のような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックフィルム等が挙げられるが、代表的なものとして、コート紙、アルミニウムのような金属板、ポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックフィルム、ゴム、あるいはそれらを複合させたものを挙げることができ、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム含有合金及びプラスチックフィルムである。支持体の厚みは25μm〜3mm、好ましくは100μm〜500μmである。
【0035】
通常は、光熱変換材料、画像形成成分、バインダー樹脂等を有機溶剤等に分散または溶解させ支持体に塗布し、印刷用平版印刷原版を作製する。
【0036】
塗布する溶剤としては、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどのセルソルブ類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどの塩素系炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤等を挙げることができる。
【0037】
支持体と光熱変換層との間には、接着性向上や印刷特性向上のためのプライマー層を設けてもよいし、支持体自身を表面処理してもよい。用いるプライマー層としては、例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを光熱変換層を積層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。
【0038】
光熱変換層または更にその上に設けられるシリコーンゴム層の表面保護のための保護膜としては、透明なフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等をラミネートしたり、これらのフィルムを延伸して用いてもよい。
【0039】
本発明の第三の発明である平版印刷版を作成する方法では、光源として750nm〜1000nmに発光領域を持つレーザー、特に半導体レーザーを用いて、前記ダイレクト製版用平版印刷原版に画像書き込みを行う。使用するレーザーとしては、上記発光領域に発振波長を有するものであれば特に制限は無い。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
実施例1
ポリカーボネート(帝人(株)製、K−1300)1gをジクロロメタンに溶解した液中に、超音波分散により下記化合物(3)0.1gを均一に分散させた。
【0042】
【化4】
【0043】
平均厚さ5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、上記ポリカーボネート溶液をワイヤーバーで乾燥後の膜厚が約5μmとなるよう塗布して試料とした。
【0044】
単一モード半導体レーザー(波長830nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径10μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが50〜200mWの範囲で変化できるように半導体レーザーを調整し、20μsのパルス幅で単一のパルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが70mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0045】
実施例2
化合物(3)を用いる代わりに下記化合物(4)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0046】
【化5】
【0047】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0048】
実施例3
ポリカーボネートに代えてアクリル系樹脂(旭化成(株)製;商品名「デルペット80N」)を用いた以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、ワイヤーバーで乾燥後の膜厚が約5μmとなるよう塗布して試料とした。
【0049】
単一モード半導体レーザー(波長870nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径10μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが50〜200mWの範囲で変化できるように半導体レーザーを調整し、20μsのパルス幅で単一のパルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが70mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0050】
実施例4
アクリル系樹脂に代えてポリエステル樹脂(東洋紡(株)製;商品名「バイロン200」)を用いた以外は実施例3と同様の操作を行った。
【0051】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0052】
実施例5
超音波分散を行う代わりに、ポリカーボネートと色素を10:1の割合で加熱混合(300℃)し、色素を樹脂中に均一に分散させた後に、ジクロロメタンを加えて溶液とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0053】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが70mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0054】
実施例6
化合物(3)を用いる代わりに下記化合物(5)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0055】
【化6】
【0056】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0057】
実施例7
化合物(3)を用いる代わりに下記化合物(6)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0058】
【化7】
【0059】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0060】
実施例8
化合物(3)を用いる代わりに下記化合物(7)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0061】
【化8】
【0062】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0063】
実施例9
化合物(3)を用いる代わりに下記化合物(8)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0064】
【化9】
【0065】
照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、表面に到達するレーザーのパワーが80mW時、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることが確認できた。
【0066】
実施例10
・下塗り層の形成
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にプライマー層として、乾燥膜厚0.2μmとなるようにゼラチン下塗り層を形成した。
【0067】
・光熱変換層の形成
下記の成分で作成した塗布液を前記のゼラチン下塗りポリエチレンテレフタレート上に乾燥膜厚2μmとなるように塗布し、光熱変換層を形成した。
【0068】
【表1】
【0069】
・シリコーンゴム層の形成
下記の成分で作成した塗布液を前記の光熱変換層上に乾燥膜厚2μmとなるように塗布し、シリコーンゴム層を形成した。
【0070】
【表2】
【0071】
上記のようにして得られた平版印刷用原版に、版面上のパワーが110mWとなるようにビーム径10μm、発振波長830nmの半導体レーザーを用いて書き込みを行った。レーザー記録感度は200mJ/cm2、解像力8μmでシャープなエッジの平版印刷版が形成できた。
【0072】
実施例11
化合物(3)に代えて化合物(4)を用いた以外は実施例10と同様の操作で平版印刷用原版を作製した。
【0073】
上記のようにして得られた平版印刷用原版に、版面上のパワーが110mWとなるようにビーム径10μm、発振波長830nmの半導体レーザーを用いて書き込みを行った。レーザー記録感度は200mJ/cm2、解像力8μmでシャープなエッジの平版印刷版が形成できた。
【0074】
実施例12
化合物(3)に代えて化合物(5)を用いた以外は実施例10と同様の操作で平版印刷用原版を作製した。
【0075】
上記のようにして得られた平版印刷用原版に、版面上のパワーが110mWとなるようにビーム径10μm、発振波長790nmの半導体レーザーを用いて書き込みを行った。レーザー記録感度は200mJ/cm2、解像力8μmでシャープなエッジの平版印刷版が形成できた。
【0076】
【発明の効果】
本発明の光熱変換材料は、近赤外域(750nm〜1000nm)に発光領域を持つ半導体レーザーに対して高い感度を示し、光熱変換効率が高いため種々の用途に使用できる。また、この光熱変換材料を用いたダイレクト製版用印刷原版は作製が容易で、高画質の印刷物を提供することができる。
Claims (3)
- 一般式(1)においてMがAlCl、Mg、Co、Ni、Cu、Zn、VOまたはTiOである請求項1のダイレクト製版用水なし平版印刷原版。
- 請求項1あるいは2のダイレクト製版用水なし平版印刷原版に、光源として750nm〜1000nmに発光領域を持つ半導体レーザー光を照射して平版印刷版を作製する方法。
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