JP4044459B2 - 既設構築物の改修構築工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、既設の構築物における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体に対して、これらを表装改修するための既設構築物への改修構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、従来、既設の構築物の壁面等を修復施工する場合、典型的には、図4に示すような修復施工方法、即ち、ネットシートを用い、このネットシートをアンカーによってアンカーピンニングする構成の修復施工方法が開発され、適用されてきている。上記する従来の既設構築物に対する壁面等の修復施工方法について、図4にもとづいて詳細に説明する。この従来の例になる壁面等の修復施工方法は、既設コンクリート51、既設仕上げモルタル層52、既設仕上材(タイルあるいは塗り材)53を含む既設構築物Hに対して、以下に示す手順にしたがって、当該既設構築物Hを修復施工する。
【0003】
まず、既設構築物Hの修復すべき壁面の表面、即ち、修復すべき下地表面を表面処理する。この際、修復すべき下地表面に欠落部54が存在する場合には、当該欠落部54内に樹脂モルタル55を充填して表面を補修処理する。その後、浮止め用のアンカーを打設するためのアンカー打設孔56を穿設し、浮止めアンカー57を打設する。この場合、アンカー打設孔56内にモルタルあるいは浮止め樹脂58を注入して、浮止めアンカー57を固着し、浮止めを防止する。
【0004】
次いで、修復すべき下地表を高水圧で洗浄する。高水圧洗浄処理した修復すべき下地表に対して、プライマー59が塗布され、しかる後、第1回の中塗り層60が設けられる。第1回の中塗り層60を設けた後、その表面側にネットシート61が貼られ、第1回目の養生処理がなされる。
【0005】
前記第1回目の養生処理の後、前記ネットシート61を固定するためのネットシート固定用アンカー62が打設される。この場合も、アンカー打設孔63内にモルタルあるいは浮止め樹脂58が注入され、ネットシート固定用アンカー62が固着される。しかる後、前記ネットシート61をくるむようにして第2回の中塗り層64が設けられ、第2回目の養生処理がなされる。
【0006】
その後、前記第2回の中塗り層64上に、仕上げ上塗り層65を設け、第3回目の養生処理を行い、しかる後、新規の仕上がり材層66を設け、第4回目の養生処理を行って、既設壁面の修復処理を完了する。
【0007】
この従来の典型的な修復施工方法によれば、ネットシート固定用アンカー62によってネットシート61が固定されてしまい、面的なずれ応力に対して対応できないという問題点、並びに、各塗工工程における塗工材がそれぞれ異なり、且つその塗工工程が複数回におよび、塗工作業が煩雑であるとともに、それらの養生処理に過分の時間を要する等の点において、工期が長期化するという大きな問題点を有していた。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−303361号公報(図5)
【特許文献2】
特開2001−173242号公報(図2、図4、図6)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記するような従来技術にみられる上記する問題点を解決するべくなしたものであり、特に、既設構築物の壁面等を改修構築するに適した新規な塗工材を開発して、修復過程における塗工回数を減らし、その養生時間の短縮化を図り、もって、修復のための作業の省力化、工期の短縮化に貢献する既設構築物の壁面等改修構築工法を提供することにある。さらにまた、この発明にかかる既設構築物の壁面等改修構築工法は、アンカーによってネットを直接的に固定する構成に代えて、浮止め子ネット付きの特殊アンカーを適用して、面的なずれ応力に対して十分に対応し得る既設構築物の壁面等改修構築工法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、既設構築物における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材の砕体材とを混合してなる塗工材を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物における改修すべき下地体表面を修復のために調整処理する下地体表面調整処理工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネットの付いた浮止子ネット付き特殊アンカーを打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記既設構築物における改修すべき下地体に前記塗工材を中塗りし、その中に浮止子ネット付き特殊アンカーにおける子ネットを埋設する中塗り層を形成する中塗り工程と、
(g) 前記中塗り層の表面側に耐アルカリ性特殊ネットシートを貼り付ける特殊ネットシート貼り付け工程と、
(h) 前記耐アルカリ性特殊ネットシートの表面側に前記塗工材を上塗りし、その中に耐アルカリ性特殊ネットシート(10)を埋設する仕上げ塗り層を形成する仕上げ塗り工程と、
(i) 前記塗工材を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法を構成するものである。
【0011】
さらに、この発明は、既設構築物における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材による砕体材とを混合してなる塗工材を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物における改修すべき下地体の欠落断面補修部に、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネットの付いた欠落断面補修用アンカーを打設し、該欠落断面補修部に前記塗工材を充填して補修する欠落断面補修工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネットの付いた浮止子ネット付き特殊アンカーを打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記既設構築物における改修すべき下地体に前記塗工材を中塗りし、その中に浮止子ネット付き特殊アンカーにおける子ネットを埋設する中塗り層を形成する中塗り工程と、
(g) 前記中塗り層の表面側に耐アルカリ性特殊ネットシートを貼り付ける特殊ネットシート貼り付け工程と、
(h) 前記耐アルカリ性特殊ネットシートの表面側に前記塗工材を上塗りして仕上げ塗り層を形成する仕上げ塗り工程と、
(i) 前記塗工材を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法を構成するものである。
【0012】
さらにまた、この発明は、既設構築物における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材による砕体材とネットチップ材とを混合してなるネットチップ材入り塗工材を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物おける改修すべき下地体表面を修復のために調整処理する下地体表面調整処理工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネットの付いた浮止子ネット付き特殊アンカーを打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記塗工材を前記既設構築物の改修すべき壁面上に塗布し、その中に浮止子ネット付き特殊アンカーにおける子ネットを埋設する仕上げ塗り層を形成する仕上げ塗り工程と、
(g) 前記塗工材を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法を構成するものである。
【0013】
さらにまた、この発明において請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の既設構築物の改修構築工法であって、前記塗工材における樹脂ポリマーがアクリル系樹脂ポリマーであり、塗工材における無機質素材からなる砕体材が大理石を主成分とするものからなり、透湿防水性、接着性、撥水性、弾力性、伸縮性に優れたものであることを特徴とするものである。
【0014】
さらにまた、この発明は、前記耐アルカリ性特殊ネットが、耐アルカリ性の特殊グラスファイバーネット材でなる既設構築物の改修構築工法を構成するものでもある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明になる既設構築物の改修構築工法について、図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。
図1は、この発明になる既設構築物の改修構築工法の第1の実施例を示す概略的な側断面図であり、図2は、第2の実施例を示す概略的な側断面図であり、図3は、第3の実施例を示す概略的な側断面図である。
【0018】
まず、図1に基づいて、この発明になる既設構築物の改修構築工法の第1の実施例について、改修構築工法の手順について説明する。この第1の実施例になる壁面等の修復施工方法は、この発明の基本的な構成を示すものであり、既設コンクリート51、既設仕上げモルタル層52、既設仕上材(タイルあるいは塗り材)53を含む既設構築物Hに対して、以下に示す手順にしたがって、当該既設構築物Hを修復施工するものである。
【0019】
この発明では、上記する各実施例のいずれにおいても、先ずは、この発明の一つの特徴でもある塗工材1が準備される〔塗工材準備工程〕。この発明において前記塗工材1は、樹脂ポリマーと無機質素材の砕体材とを混合したものからなっている。より好ましい例において、前記塗工材は、樹脂ポリマーとしてアクリル系樹脂ポリマーが用いられ、無機質素材の砕体材として大理石を主成分とする砕体材が用いられる。この塗工材は、透湿防水性、接着性、撥水性、弾力性、伸縮性の諸性において極めて優れたものとして供される。
【0020】
この第1の実施例では、まず、既設構築物Hにおける改修すべき下地体の表面Haを修復のために調整処理する〔下地体表面調整処理工程〕。この下地面の調整工程では、既設壁における脆弱部の撤去、水洗いおよび清掃、樹脂モルタルによる欠落断面の修復などがなされる。その後、前記改修すべき下地体に対して、浮止子ネット3を備えた浮止子ネット付きの特殊アンカー2が打設される〔特殊アンカーピンニング工程〕。
【0021】
この発明において、一つの特徴である浮止子ネット付きの特殊アンカー2は、耐アルカリ性の特殊ネットシートを、例えば、一辺の寸法が約50〜100mm程度の大きさとなる矩形形状の子ネット3として形成される。この浮止子ネット3は、中央にアンカーボルト4が装着されており、例えば、図1に示すような態様で使用される。即ち、前記改修すべき下地体に対して、浮止め用のアンカーを打設するためのアンカー打設孔5を穿設し、前記浮止子ネット付きの特殊アンカー2を打設する。この場合、アンカー打設孔5内にモルタルあるいは浮止め樹脂6を注入して、当該浮止子ネット付きの特殊アンカー2を固着し、浮止めを防止するようになっている。
【0022】
一方、この段階で、前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する〔洗浄工程〕。この洗浄工程では、改修すべき下地体表面の埃、油分、その他の付着物を高圧水の噴射によって除去清掃する。このようにして洗浄した下地体表面にプライマー7が塗布される〔プライマー塗布工程〕。このプライマー塗布は、プライマーと水を1:1に調合したものを、約300g/m2 程度でローラー塗布により行う。
【0023】
この段階で、上記するように予め準備した塗工材1を用いて前記構築物Hにおける改修すべき下地体に中塗り層8を形成する〔中塗り工程〕。この中塗り工程では、前記塗工材1により、例えば、約1mm〜1.5mm程度の中塗り層8を形成することによって、前記浮止子ネット付きの特殊アンカー2における子ネット3をその中に埋設する。浮止子ネット付きの特殊アンカー2における子ネット3は、図1において点線で示すように、予め同一の塗工材によってアンカーフランジ9を形成しておくことができる。
【0024】
この中塗り層8の表面側に耐アルカリ性の特殊ネットシート10が貼り付けられる〔特殊ネットシート貼り付け工程〕。この耐アルカリ性の特殊ネットシート10は、耐アルカリ性の特殊グラスファイバーネット材であることが好ましい。
【0025】
次いで、前記耐アルカリ性特殊ネットシート10の表面側に前記塗工材1を上塗りして仕上げ塗り層11を形成する〔仕上げ塗り工程〕。この仕上げ塗り工程では、前記塗工材1により、例えば、約2mm〜2.5mm程度の仕上げ塗り層11を形成することによって、前記耐アルカリ性特殊ネットシート10をその中に埋設する。この発明において、前記塗工材1の塗工は、吹き付け塗工、ローラ塗工、コテ塗工のいずれであってもよい。その後、前記塗工材1の養生処理がなされる〔養生工程〕。この養生工程では、約24時間の養生処理がなされ、既設壁面の修復処理を完了する。
【0026】
次いで、図2に示すこの発明における第2の実施例について説明する。この第2の実施例は、既設のALC板51’を含む前記構築物Hにおける改修すべき下地体に欠落断面部12が存在する場合に効果的に適用される。この第2の実施例では、まず、既設構築物Hにおける改修すべき下地体の欠落断面補修部12に、子ネット13付きの欠落断面補修用アンカー14を打設し、欠落断面補修部12に前記塗工材1を充填することによって当該欠落断面補修部12を補修する〔欠落断面補修工程〕。
【0027】
この第2の実施例の場合、次段における工程は、前記第1の実施例のものと同一であり、欠落断面補修工程の後、〔特殊アンカーピンニング工程〕、〔洗浄工程〕、〔プライマー塗布工程〕、〔中塗り工程〕、〔特殊ネットシート貼り付け工程〕、〔仕上げ塗り工程〕並びに〔養生工程〕を経て、既設壁面の修復処理を完了する。
【0028】
次いで、図3に示すこの発明における第3の実施例について説明する。この第3の実施例は、前記塗工材を代えて、特殊ネットシートを用いない構成のものである。この第3の実施例における塗工材は、樹脂ポリマーと無機質素材による砕体材とネットチップ材16とを混合してなるネットチップ材入り塗工材15を備する〔ネットチップ材入り塗工材準備工程〕。
【0029】
この第3の実施例では、既設構築物Hにおける改修すべき下地体の表面を修復のために調整処理し〔下地体表面調整処理工程〕、その後、前記改修すべき下地体に対して、浮止子ネット3を備えた浮止子ネット付きの特殊アンカー2が打設される〔特殊アンカーピンニング工程〕。
【0030】
一方、この段階で、前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する〔洗浄工程〕。この洗浄工程では、改修すべき下地体表面の埃、油分、その他の付着物を高圧水の噴射によって除去清掃する。このようにして洗浄した下地体表面にプライマー7が塗布される〔プライマー塗布工程〕。
【0031】
その後、上記するように予め準備したネットチップ材入り塗工材15を用いて前記構築物Hにおける改修すべき壁面上に一体的な仕上げ塗り層17を形成し〔仕上げ塗り工程〕、しかる後、前記ネットチップ材入り塗工材15の養生処理がなされ〔養生工程〕、既設壁面の修復処理を完了する。
【0032】
【発明の効果】
以上の構成になる既設構築物の改修構築工法によれば、既設構築物の壁面等を改修構築するに適した新規な塗工材を開発し、当該塗工材を用いることにより、修復過程における塗工回数を減らすことができ、その養生時間の可及的な短縮化を図り、もって、修復のための作業の省力化、工期の短縮化に貢献するものであって、新たな既設構築物の壁面等改修構築工法を供し得る点において極めて有効に作用するものといえる。
【0033】
さらにまた、この発明になる既設構築物の改修構築工法によれば、アンカーによってネットを直接的に固定する構成に代えて、浮止め子ネット付きの特殊アンカーを適用して、面的なずれ応力に対して十分に対応し得る既設構築物の壁面等改修構築工法を提供し得る点においても極めて有効に作用するものといえる。
【0034】
さらにまた、この発明になる既設構築物の改修構築工法によれば、既設構築物の下地あるいは素材が、タイル、モルタル、コンクリート、ALC板、サイリングなどのいかなる下地のものに対しても適用がかのうであり、その点においても極めて有効に作用するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明になる既設構築物の改修構築工法の第1の実施例を示す概略的な側断面図である。
【図2】図2は、この発明になる既設構築物の改修構築工法の第2の実施例を示す概略的な側断面図である。
【図3】図3は、この発明になる既設構築物の改修構築工法の第3の実施例を示す概略的な側断面図である。
【図4】図4は、従来の典型的な既設構築物の改修構築工法の例を示す概略的な側断面図である。
【符号の説明】
1 塗工材
2 浮止子ネット付き特殊アンカー
3 子ネット
4 アンカーボルト
7 プライマー
8 中塗り層
9 アンカーフランジ
10 耐アルカリ性特殊ネットシート
11 仕上げ塗り層
12 欠落断面部
13 子ネット
14 欠落断面補修用アンカー
15 ネットチップ材入り塗工材
16 ネットチップ材
17 仕上げ塗り層
51 既設コンクリート
51’ 既設ALC
52 既設仕上げモルタル層
53 既設仕上材(タイルあるいは塗り材)
H 既設構築物
Claims (5)
- 既設構築物(H)における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材の砕体材とを混合してなる塗工材(1)を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物(H)における改修すべき下地体表面を修復のために調整処理する下地体表面調整処理工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネット (3) の付いた浮止子ネット付き特殊アンカー(2)を打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマー(7)を塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記既設構築物における改修すべき下地体に前記塗工材(1)を中塗りし、その中に浮止子ネット付き特殊アンカー (2) における子ネット (3) を埋設する中塗り層(8)を形成する中塗り工程と、
(g) 前記中塗り層(8)の表面側に耐アルカリ性特殊ネットシート(10)を貼り付ける特殊ネットシート貼り付け工程と、
(h) 前記耐アルカリ性特殊ネットシート(10)の表面側に前記塗工材(1)を上塗りし、その中に耐アルカリ性特殊ネットシート (10) を埋設する仕上げ塗り層(11)を形成する仕上げ塗り工程と、
(i) 前記塗工材(1)を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法。 - 既設構築物(H)における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材による砕体材とを混合してなる塗工材(1)を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物(H)における改修すべき下地体の欠落断面補修部(12)に、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネット (13) の付いた欠落断面補修用アンカー(14)を打設し、該欠落断面補修部(12)に前記塗工材(1)を充填して補修する欠落断面補修工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネット (3) の付いた浮止子ネット付き特殊アンカー(2)を打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマー(7)を塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記既設構築物における改修すべき下地体に前記塗工材(1)を中塗りし、その中に浮止子ネット付き特殊アンカー (2) における子ネット (3) を埋設する中塗り層(8)を形成する中塗り工程と、
(g) 前記中塗り層(8)の表面側に耐アルカリ性特殊ネットシート(10)を貼り付ける特殊ネットシート貼り付け工程と、
(h) 前記耐アルカリ性特殊ネットシート(10)の表面側に前記塗工材(1)を上塗りし、その中に耐アルカリ性特殊ネットシート (10) を埋設する仕上げ塗り層(11)を形成する仕上げ塗り工程と、
(i) 前記塗工材(1)を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法。 - 既設構築物(H)における改修すべき垂直、水平あるいは傾斜を含む下地体を修復して改修構築する既設構築物の改修構築工法であり、
(a) 樹脂ポリマーと無機質素材による砕体材とネットチップ材(16)とを混合してなるネットチップ材入り塗工材(15)を準備する塗工材準備工程と、
(b) 既設構築物(H)における改修すべき下地体表面を修復のために調整処理する下地体表面調整処理工程と、
(c) 前記改修すべき下地体に対して、耐アルカリ性特殊ネットでなる子ネット (3) の付いた浮止子ネット付き特殊アンカー(2)を打設する特殊アンカーピンニング工程と、
(d) 前記改修すべき下地体表面を高圧水を噴射して洗浄する洗浄工程と、
(e) 前記洗浄した下地体表面にプライマー(7)を塗布するプライマー塗布工程と、
(f) 前記塗工材(15)を前記既設構築物の改修すべき壁面上に塗布し、その中に浮止子ネット付き特殊アンカー (2) における子ネット (3) を埋設する仕上げ塗り層(17)を形成する仕上げ塗り工程と、
(g) 前記塗工材を養生する養生工程と、
からなることを特徴とする既設構築物の改修構築工法。 - 前記塗工材における樹脂ポリマーがアクリル系樹脂ポリマーであり、塗工材における無機質素材からなる砕体材が大理石を主成分とするものからなり、透湿防水性、接着性、撥水性、弾力性、伸縮性に優れたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の既設構築物の改修構築工法。
- 前記耐アルカリ性特殊ネットシートが、耐アルカリ性の特殊グラスファイバーネット材でなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の既設構築物の改修構築工法。
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