JP4044161B2 - 粒体状マレイミド類およびその取扱い方法 - Google Patents

粒体状マレイミド類およびその取扱い方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒体状マレイミド類およびその取扱い方法、詳しくはフレーク、ペレットなどの粒体の形態で、ペーパーバッグ、コンテナバッグなどの容器に充填して輸送ないしは貯蔵する際に容器内でブロッキングを起こさないなど取扱い性に優れた固体マレイミド類およびその取扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N−ベンジルマレイミドなどのマレイミド類は合成樹脂、医薬、農薬などの原料として有用なものである。具体的には、例えば、合成樹脂に耐熱性を付与するための共重合用の一成分として用いられている。
【0003】
常温で固体のマレイミド類を輸送ないしは貯蔵するために、本出願人は、先にマレイミド類をアクリロニトリルに溶解し、アクリロニトリル溶液の形態で取り扱う方法を提案した(特公平3−12057号公報)。この方法は工業的に極めて優れていることから、現在、広く用いられている。
【0004】
上記方法は、溶媒として使用するアクリロニトリルを共重合の一成分として利用できることから、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン(AAS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン(ACS)樹脂などアクリロニトリルを含有する樹脂の製造には好適に利用されるが、アクリロニトリルを含有しない樹脂、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィンなどの製造には利用できない。
【0005】
このため、アクリロニトリルを含有しない樹脂の耐熱性を向上させるためにマレイミド類を使用する場合には、マレイミド類をフレーク、ペレットなどの粒体の形態で輸送ないしは貯蔵することが工業的に行われている。
【0006】
また、マレイミド類をアクリロニトリル溶液の形態で使用する場合も、輸送コストなどを考慮して、マレイミド類を粒体の形態で輸送ないしは貯蔵し、適宜、アクリロニトリルに溶解することも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マレイミド類を粒体の形態で輸送ないしは貯蔵する場合には、粒体同士が接触して、いわゆるブロッキング(塊状化)が起こり、その取り扱いが極めて困難となる。このようなマレイミド類の性質は、例えば特開平2−160765号公報に記載されており(2頁右下欄)、また同公報には、塊状化する速度は極めておそく、塊状物を解砕するにことによってフレーク、タブレット、顆粒などの状態で短時間であれば容易に取り扱えることが記載されている(3頁左下欄)。
【0008】
上記特開平2−160765号公報に記載の方法は、それなりに優れた方法ではあるが、一旦ブロッキングが起こると、塊状物の解砕のために解砕機などの高価な設備を必要とするとの問題がある。この問題は、究極的には、マレイミド類を粒体の形態で輸送ないしは貯蔵する際のブロッキングを防止することにより解決することができる。
【0009】
かくして、本発明の目的は、ペーパーバッグ、コンテナバッグなどの容器に充填して輸送ないしは貯蔵する際にブロッキングを起こさないなど取扱い性に優れた粒体状マレイミド類およびその取扱い方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、48メッシュ以下の粉体状のマレイミド類の含有量を特定量以下に低減させると粒体状マレイミド類のブロッキングを効果的に防止できることが判明した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、粒体状マレイミド類を、全重量の90重量%以上が5〜32メッシュの範囲にあり、かつ48メッシュ以下の粉体の含有量が5重量%以下であって、さらに、不活性有機溶剤含有量が0.5重量%以下として取り扱うことを特徴とする粒体状マレイミド類の取り扱い方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の「マレイミド類」とは、一般式(1):
【0018】
【化1】
Figure 0004044161
【0019】
(式中、Rは炭素数1〜2または5〜12のアルキル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、またはフェニル基であり、ここでフェニル基は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい)で表されるN−置換マレイミド類であって、常温(25℃)で固体であり、粒体の形態で輸送ないしは貯蔵することができるものを意味する。
【0020】
その具体例としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド類;N−ベンジルマレイミド;N−シクロヘキシルマレイミド;N−フェニルマレイミド;N−ニトロフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−ジクロルフェニルマレイミド、N−ブロムフェニルマレイミド、N−ジブロムフェニルマレイミド、N−トリクロルフェニルマレイミド、N−トリブロムフェニルマレイミドなどの置換フェニルマレイミド類を挙げることができる。これらのうち、N−ベンジルマレイミドが好適に用いられる。
【0021】
本発明のマレイミド類は、反応媒体として不活性有機溶剤を用いて得られるマレイミド類であればいずれでもよく、その製造法によって限定されるものではない。例えば、(a)マレアミド酸類を不活性有機溶剤中で加熱して脱水環化を行わせ、脱水環化によって生成する水を不活性有機溶剤との共沸混合物として反応系外に留去する方法、(b)有機溶媒としてトルエンなどの不活性有機溶剤およびN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性の極性有機溶剤からなる混合溶媒を用い、この混合溶媒中でマレアミド酸類を加熱して脱水環化させる方法などによって得られるマレイミド類を用いることができる。
【0022】
したがって、本発明の「不活性有機溶剤」とは、上記反応(a)、(b)におけるように反応媒体として用いられる不活性有機溶媒であって、反応後の反応混合物からの溶剤分離、蒸留などの精製工程を経た後に精製マレイミド類中に残留するものを意味する。
【0023】
上記反応媒体として使用する不活性有機溶剤としては、通常、水と共沸性を有する非極性有機溶剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレン類、沸点50〜120℃の石油留分、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、クメン、メシチレン、プソイドクメン、トリメチルヘキサン、オクタン、テトラクロルエタン、ノナン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、エチルシクロヘキサン、沸点120〜170℃の石油留分、デカン、p−シメン、デカハイドロキノン、テトラハイドロキノン、ドデカン、ナフタリン、シクロヘキシルベンゼン、沸点170〜250℃の石油留分などが用いられることから、これら化合物を本発明の不活性有機溶剤の具体例として挙げることができる。これらのうち、トルエン、キシレン類(例えば、o−キシレン)などが好適に用いられる。
【0024】
本発明における「粒体」とは、通常の造粒操作により得られる、一般にペレット、フレーク、ブリケット、タブレット、顆粒などと呼ばれるもの(例えば、ケミカルエンジニアリング臨時増刊:工場操作シリーズ(造粒編)、化学工業社発行(昭和43年発行)参照)、および塊状物を通常の解砕機で解砕して得られる、一般に解砕物と呼ばれるものを意味する。これらのうち、マレイミド類は溶融物として得られることから、これを通常のドラム式またはベルト式フレーカーにかけて得られるフレーク状として取り扱うのが好適である。
【0025】
本発明によれば、48メッシュ以下の粉体の含有量を5重量%以下にすることにより、その輸送ないしは貯蔵時のブロッキングを効果的に防止し、その取扱い性を著しく向上させることができる。
【0026】
この理由は明らかではないが、粉体があると粒体間の接触面積が増大して、粒体状マレイミド類のブロッキングが起こるものと考えられる。
【0027】
粒体状マレイミド類中の不活性有機溶剤含有量は0.5重量%以下とするのがよい。不活性有機溶剤を完全に除去して0重量%としてもよいが、不活性有機溶剤の除去にともなうコストアップなどを考慮すれば0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%とすればよい。
【0028】
本発明にいう「48メッシュ以下の粉体」とは、標準ふるい(JIS Z8801 1982)を用いて分級した時に48メッシュの網目(opening:297μm)を通過する粉体状マレイミド類を意味し、本発明においては、48メッシュ以下の粉体状マレイミド類の含有量を、マレイミド類の全重量基準で、5重量%以下、好ましくは2重量%以下にする。
【0029】
不活性有機溶剤含有量が0.5重量%以下、かつ48メッシュ以下の粉体の含有量が5重量%以下の粒体状マレイミド類は種々の方法によって調製することができるが、フレーク状N−ベンジルマレイミドを例に挙げて、その代表的な方法を以下に説明する。
【0030】
トルエン、キシレンなどの不活性有機溶剤中で無水マレイン酸とN−ベンジルアミンとを反応させてN−ベンジルマレインアミド酸を生成させ、次いで得られるスラリーにオルソリン酸などの酸触媒を添加し、撹拌下、加熱して生成する水を溶剤とともに系外に留去しながら脱水環化反応を行わせる。反応終了後、反応混合物を有機層と酸触媒層とに分離し、有機層を回収する。次に、この有機層に水を加え、撹拌・水洗の洗浄操作を繰り返した後に、有機層から蒸留により溶剤を除去してN−ベンジルマレイミドを得る。さらに、必要に応じて、このN−ベンジルマレイミドを蒸留して精製する。この溶剤分離および蒸留精製の条件を選択することによりN−ベンジルマレイミド中の不活性有機溶剤含有量を0.5重量%以下にすることができる。
【0031】
次いで、溶融N−ベンジルマレイミドを、例えばドラム式フレーカーにかけてフレーク状にする。この際、溶剤を含まないガス、例えば窒素などの不活性ガスをドラムに導入し、この不活性ガスをブローさせることにより、得られるフレーク状N−ベンジルマレイミド中の不活性有機溶剤含有量を更に低下させることができる。例えば、ドラム式フレーカーの表面1m2当り5〜10m3/hr程度の窒素ガスをブローすることにより効果的に残留溶剤を除去することができる。
【0032】
したがって、不活性有機溶剤含量が0.5重量%以下のフレーク状のN−ベンジルマレイミドは、(1)前記の反応混合物から溶剤を蒸留により除去した後、得られるN−ベンジルマレイミドをさらに蒸留精製し、次いでこの精製した溶融N−ベンジルマレイミドをフレーカーにかけてフレーク状とする方法、(2)上記方法(1)において、不活性ガスをブローしながら、フレーク化する方法、(3)反応混合物から溶剤を蒸留除去した後、得られる溶融N−ベンジルマレイミドをフレーカーにかけてフレーク化するが、このフレーク化を不活性ガスをブローしながら行う方法などによって容易に製造することができる。
【0033】
そして、48メッシュ以下の粉体の含有量を5重量%以下にするには、上記のようにして得られるフレーク状のN−ベンジルマレイミドを常法にしたがって、ふるい網を有する分級機により分級すればよい。
【0034】
なお、上記溶剤分離および蒸留精製を実施する際の条件に関しては、例えば、0.5〜200mmHg、100〜200℃の範囲の条件で蒸留することにより溶剤分離を行い、また1〜100mmHg、115〜165℃の範囲の条件で蒸留することにより精製すればよい。
【0035】
本発明の粒体状マレイミド類のうち、不活性有機溶剤含有量が0.5重量%以下、かつ48メッシュ以下の粉体の含有量が5重量%以下であり、さらに5〜32メッシュの範囲のもの、すなわち4000μmの網目を通過するが、500μmの網目を通過しない大きさの粒体状マレイミド類が全体の90重量%以上を占めるような粒度分布を有するものが、非ブロッキング性のほかに、溶剤への溶解性、空気輸送性などの取扱い性が著しく優れていて特に好適である。
【0036】
上記のような粒体状マレイミド類は前記の不活性有機溶剤含有量の調整法および分級機による分級操作によって容易に調製することができる。
【0037】
なお、上記の溶剤への溶解性とは、粒体状マレイミド類をアクリロニトリルなどの溶剤に溶解して使用する場合の溶剤への溶解のし易さ、また空気輸送性とは粒体状マレイミド類を、空気圧または不活性ガス圧を利用してペーパーバッグ、コンテナーバッグなどの容器に充填する際の輸送のし易さである。
【0038】
本発明の粒体状マレイミド類は、ブロッキングの更なる防止のために、滑剤で被覆されていてもよい。この滑剤には特に制限はなく一般に使用されている、例えば炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、アミド系、エステル系および金属石鹸系滑剤を用いることができる。
【0039】
本発明の粒体状マレイミド類は、例えば、ペーパーバッグ、コンテナーバッグなどの容器に充填して輸送ないしは貯蔵し、そのまま耐熱性を付与する共重合成分として使用してもよいし、あるいは輸送ないしは貯蔵の後にアクリロニトリルなどの有機溶剤に溶解して使用してもよい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、フレーク状N−ベンジルマレイミドのブロッキング性は次の方法により測定した。
【0041】
ブロッキング試験法
N−ベンジルマレイミドをペーパーバック(長さ74cm、幅50cm、底幅10cm、クラフト紙3層)に20kg充填する。充填されたペーパーバッグ5袋をパレット(縦1100mm、横1100mm、厚さ140mm)上にならべ、上部から2100kgの荷重をかけて6ヶ月間保存する。保存後、そのうちの1袋を高さ500mmの台の上にのせ、側面を破袋し自然流下の状況と内部の塊状物の存在を確認する。
【0042】
実施例1
反応溶媒としてトルエンを用い、N−ベンジルアミンと無水マレイン酸とを酸触媒の存在下に反応させて、生成する水はトルエンとの共沸により留去させて系外に除去した。反応後、酸触媒を分離し、N−ベンジルマレイミドを含む有機層を水洗した後、40mmHg、150℃の条件下、蒸留によりトルエンを分離した。次いで、この粗製N−ベンジルマレイミドをさらに4mmHg、142℃の条件下で蒸留して精製した。
【0043】
得られたN−ベンジルマレイミドの溶融品を密閉型の浸液式シングルドラムフレーカー(楠木機械(株)製)にかけフレーク化製品を得た。この時、フレーカーのドラムの単位表面積(1m2)あたり5m3/hrの流量で窒素ガスを吹き込んで接触させた。また、フレークは分級機(48メッシュのスクリーン設置)により分級した。
【0044】
このようにして得られたフレーク状のN−ベンジルマレイミドを標準ふるいにより粒度分布を測定した結果を表1に示す。また、このフレーク状のN−ベンジルマレイミドをアセトンに溶解した後、ガスクロマトグラフィーによりトルエンの量を測定したところ、そのトルエン含量は0.06重量%であった。
【0045】
上記フレーク状のN−ベンジルマレイミドについて、前述のブロッキング試験法により、そのブロッキングの有無を確認したところ、破袋した側面からフレーク状のN−ベンジルマレイミドが自然流下し、内部には塊状物は認められなかった。このことから、ペーパーバッグ内部でブロッキングが起こっていないことが分かる。
実施例2
反応溶媒としてo−キシレンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。N−ベンジルマレイミドを含む有機層は水洗した後、20mmHg、160℃の条件下、蒸留によりo−キシレンを分離した。次いで、このN−ベンジルマレイミドをさらに4mmHg、142℃の条件下で蒸留して精製した。
【0046】
得られたN−ベンジルマレイミドの溶融品を密閉型の浸液式シングルドラムフレーカー(楠木機械(株)製)にかけフレーク化製品を得た。この時、フレーカーのドラムの単位表面積(1m2)あたり5m3/hrの流量で窒素ガスを吹き込んで接触させた。また、このフレークは実施例1と同様にして分級した。
【0047】
このようにして得られたフレーク状のN−ベンジルマレイミドの粒度分布およびo−キシレン含有量を実施例1と同様にして測定した。粒度分布を表1に示す。また、o−キシレンの含有量は0.10重量%であった。
【0048】
上記フレーク状のN−ベンジルマレイミドについて、前述のブロッキング試験法により、そのブロッキングの有無を確認したところ、破袋した側面からフレーク状のN−ベンジルマレイミドが自然流下し、内部には塊状物は認められなかった。このことから、ペーパーバッグ内部でブロッキングが起こっていないことが分かる。
【0049】
実施例3
反応溶媒としてo−キシレンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。N−ベンジルマレイミドを含む有機層は水洗した後、20mmHg、165℃の条件下、蒸留によりo−キシレンを分離した。次いで、このN−ベンジルマレイミドをさらに4mmHg、142℃の条件下で蒸留して精製した。
【0050】
得られたN−ベンジルマレイミドの溶融品を密閉型の浸液式シングルドラムフレーカー(楠木機械(株)製)にかけフレーク化製品を得た。この時、フレーカーのドラムの単位表面積(1m2)あたり10m3/hrの流量で窒素ガスを吹き込んで接触させた。また、このフレークは実施例1と同様にして分級した。
【0051】
このようにして得られたフレーク状のN−ベンジルマレイミドの粒度分布およびo−キシレン含有量を実施例1と同様にして測定した。粒度分布を表1に示す。また、o−キシレン含有量は0.04重量%であった。
【0052】
上記フレーク状のN−ベンジルマレイミドについて、前述のブロッキング試験法により、そのブロッキングの有無を確認したところ、破袋した側面からフレーク状のN−ベンジルマレイミドが自然流下し、内部には塊状物は認められなかった。このことから、ペーパーバッグ内部でブロッキングが起こっていないことが分かる。
比較例1
反応溶媒としてo−キシレンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、N−ベンジルマレイミドを含む有機層を水洗した後、60mmHg、95℃の条件下、蒸留によりo−キシレンを分離し、引続き10mmHg、165℃の条件下で蒸留して精製した。
【0053】
得られたN−ベンジルマレイミドの溶融品を密閉型の浸液式シングルドラムフレーカー(楠木機械(株)製)にかけフレーク化製品を得た。この時、フレーカーのドラムには窒素ガスを吹き込まなかった。
【0054】
このようにして得られたフレーク状のN−ベンジルマレイミドの粒度分布およびo−キシレン含有量を実施例1と同様にして測定した。粒度分布を表1に示す。また、o−キシレン含有量は1.6重量%であった。
【0055】
上記フレーク状のN−ベンジルマレイミドについて、前述のブロッキング試験法により、そのブロッキングの有無を確認したところ、破袋した側面からフレーク状のN−ベンジルマレイミドは流出せず、内部には塊状物が認められた。このことから、ペーパーバッグ内部でブロッキングが起こっていることが分かる。
【0056】
【表1】
Figure 0004044161
【0057】
表1における網目の大きさは次のとおりである。5メッシュ(4000μm)、8メッシュ(2380μm)、16メッシュ(1000μm)、32メッシュ(500μm)、48メッシュ(297μm)
【0058】
【発明の効果】
本発明の粒体状マレイミド類は、非ブロッキング性であって、ペーパーバッグ、コンテナーバッグなどの容器に充填して輸送ないしは貯蔵してもブロッキングを起こさず、取扱い性に優れている。
【0059】
本発明の粒体状マレイミド類、特にその90重量%以上が5〜32メッシュの範囲にある粒度分布を有する粒体状マレイミド類は、非ブロッキング性であるとともに、溶剤への溶解性、空気輸送性などの取扱い性が優れている。このため、この粒体状マレイミド類は工業的に極めて有利に輸送ないしは貯蔵することができる。

Claims (2)

  1. 粒体状マレイミド類を、全重量の90重量%以上が5〜32メッシュの範囲にあり、かつ48メッシュ以下の粉体の含有量が5重量%以下であって、さらに、不活性有機溶剤含有量が0.5重量%以下として取り扱うことを特徴とする粒体状マレイミド類の取り扱い方法。
  2. 不活性有機溶剤がトルエンおよび/またはキシレン類である請求項1に記載の粒体状マレイミド類の取り扱い方法。
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