JP4931590B2 - アダマンタンの固結防止方法 - Google Patents

アダマンタンの固結防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、アダマンタンの固結防止方法に関し、詳しくは、アダマンタンを保管または輸送する際のアダマンタンの固結防止方法に関するものである。
アダマンタンは一般的に工業用化学品として、特に化成品や医療用薬品、フォトレジスト用モノマー基材等の原料として使用され、最近、需要が拡大している物質である。また、それらを二次的に加工したアダマンタン誘導体においても同様の利用が期待されている。
このようなアダマンタンは、ジシクロペンタジエンを原料として、塩化アルミニウム等のルイス酸を触媒として合成され、通常、有機溶媒による洗浄工程を経て工業用化学品としてドラム缶や紙袋といった荷姿で出荷・流通されている。
ところで、アダマンタンの融点は268℃と高温ではあるが、常温における蒸気圧が高く、昇華性を有するために、保管や輸送中に固結しやすい性質を元来有している。そして、一旦固結すると荷姿の形状を保つ位に強固に凝集が進行し、二次加工メーカーでは容器から取り出す際に粉砕をかける必要があるなど、操作性が著しく悪くなり、当業者間での大きな問題となっている。しかし、かかる問題点は認識されながらも、有効な手段がないまま固結状態を含む形態で流通されてきた。
そのような状況下で、固結の少ないアダマンタンを得る方法として、アダマンタン粉末をローラー圧縮法やスラッグ打錠法によって造粒し、昇華物結晶の成長を抑制し、凝結を防止する手法が開示されている(特許文献1)。
特許文献1のように造粒をすることによって後の操作性を向上させようとする手段は、一定の効果を示すものの、長期間保管する際には錠剤同士で再凝集が起きたり、製造工程においては、塊を粉砕してから造粒することになり、アダマンタンを大量に製造するには工程が煩雑になるのを免れず、効率良く生産できないという不都合がある。
アダマンタンの製造者や二次加工業者にとって、上記のような課題を有する形態で流通することは、当然に望ましいことではなく、安定した品質のアダマンタンを供給することが、製造者や二次加工業者にとって大きな課題である。
特開2003−160517号公報
背景技術に記載のように、アダマンタンは、粒子が互いに凝集し、経時的に凝集がひどくなり、保管用のドラム缶や紙袋中で固結してしまうことから、アダマンタンを取り扱う際の作業性が著しく悪い。
本発明は、このように粒子が互いに凝集し固結することのない、安定した品質のアダマンタンを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべくアダマンタンの固結防止方法について検討を鋭意重ねた結果、アダマンタンの製造工程において、製品アダマンタンに含まれる溶媒の残存量を一定量以下とすること、特にアダマンタンの精製に用いた有機溶媒の残存量を短時間で一定量以下とすることにより、凝集や固結が全く起こらないアダマンタンが得られること、また、ナフテン系溶媒を用いて精製された製品アダマンタンにおいては、他の溶媒を用いた場合と比較して溶媒残存量が多くても凝集や固結が起こり難いことを見出し、本発明に到達した。このような本発明は、従来のアダマンタンは凝集するのが当然といった当業者間の常識を覆すものである。
即ち本発明は、以下のアダマンタンの固結防止方法を提供するものである。
(1) ナフテン系溶媒を用いて精製されたアダマンタンに含まれる溶媒量を、50℃以下の温度、40kPa以下の圧力による60分以内の乾燥で0.35質量%以下とすることを特徴とするアダマンタンの固結防止方法。
(2) アダマンタンに含まれる溶媒の常圧における沸点が150℃以下であり、60分以内の乾燥によりアダマンタンに含まれる溶媒量を0.3質量%以下とする(1)のアダマンタンの固結防止方法。
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を用いて精製されたアダマンタンに含まれる溶媒量を、50℃以下の温度、40kPa以下の圧力による60分以内の乾燥で0.05質量%以下とすることを特徴とするアダマンタンの固結防止方法。
) アダマンタンに含まれる溶媒の常圧における沸点が150℃以下であり、60分以内の乾燥によりアダマンタンに含まれる溶媒量を0.04質量%以下とする()のアダマンタンの固結防止方法。
) アダマンタンを35℃以下で保管する(1)〜()のいずれかに記載のアダマンタンの固結防止方法。
アダマンタン粒子(ADM粒子と記す)の集合体における溶媒の挙動を示す説明図である。
本発明におけるアダマンタンは固形品であり、その形状は特に限定されるものではないが、フレーク品またはその粉砕品や粒状品などを挙げることができる。後の操作性を考慮すると、一般的には平均粒径として100〜600μm程度の微細な粉体のものを好適に用いることができる。
アダマンタンは、普通、ジシクロペンタジエンを水素化してトリメチレンノルボルナンとし、これを塩化アルミニウムや塩化水素等の酸性物質を触媒として異性化することによって合成されている。しかし、異性化の反応収率は100%になるということではなく、異性化原料であるendo-トリメチレンノルボルナン、副生されるexo-トリメチレンノルボルナンなどが製造品に残存するため、工業原料として利用するためには洗浄や場合によっては再結晶による精製工程が必須である。そのためアダマンタンの精製品にはどうしても洗浄溶媒あるいは再結晶溶媒が残存することになる。本発明はこの残存溶媒が元来昇華性をもつアダマンタン類の凝集をさらに助長する原因となることを見出したものである。
本発明は、アダマンタンの製造工程において、製品アダマンタンに含まれる溶媒量を、ナフテン系溶媒を用いて精製された場合は0.35質量%以下、他の溶媒を用いた場合は0.05質量%以下とすることによりアダマンタンを固結防止するものであるが、アダマンタン粒子内部に残存した溶媒は蒸発しにくく、乾燥時間を長くしても一旦ある一定レベルの残存濃度に達するとその後はほとんど減少しなくなる。言い換えれば、アダマンタンを大気圧下での自然蒸発に任せておくと、表面からの除去に留まり、溶媒が全体的に高い濃度で残存してしまうことになる。
そのため、アダマンタンに含まれる溶媒量を0.35質量%以下又は0.05質量%以下にするには、ある一定の短い時間内で急激に(例えば減圧下に)溶媒を除去する必要がある。
すなわち、アダマンタンの精製工程において、常圧における沸点が150℃以下の溶媒を用い、乾燥工程では開始から60分以内でその溶媒の残存量を0.35質量%以下又は0.05質量%以下に抑制することにより、後の自然保管に際しては全く凝集せず、かつ通常紙袋のような荷姿で、互いに袋の自重によって粉体に自ずと圧力がかかるような、いわゆる保管状況としては過酷な条件にあっても固結することがないアダマンタンを得ることができる。
アダマンタンに含有する溶媒、すなわちアダマンタンを精製するための洗浄又は再結晶等に用いられる溶媒としては、常圧における沸点が150℃以下のものが好ましい。ナフテン系溶媒はアダマンタンと構造が類似しているため、残存溶媒の一部が結晶中に取り込まれるので、溶媒の残存量が高くとも固結し難いものと見られる。ナフテン系溶媒は、通常、C5〜C7の炭化水素の混合物であり、ナフテン系の化合物が50質量%以上占めるものである。ナフテン系溶媒以外の溶媒としては、その種類は特に限定されないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン類の脂肪族炭化水素、ベンセン、トルエン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類などが用いられ、ヘキサン、2−プロパノールが好適に用いられる。
製品のアダマンタンに残存する溶媒量は、ナフテン系溶媒の場合には0.35%以下、好ましくは0.30質量%以下であり、ナフテン系以外の溶媒の場合には0.05%以下、好ましくは0.04質量%以下である。残存溶媒量の下限値については特に制限はないが、乾燥操作上の面から、ナフテン系溶媒の場合では、通常0.05質量%程度、ナフテン系以外の溶媒では、通常0.005質量%程度である。
すなわち、アダマンタン製造の精製工程である洗浄または再結晶等の溶媒を用いる工程においては、上記のように常圧の沸点が150℃以下の有機溶媒を用い、50℃以下の温度条件で40kPa以下の圧力下で、作業開始から60分以内に該溶媒の除去・乾燥を行い、製品のアダマンタンに残存する溶媒量をナフテン系溶媒の場合には0.30質量%以下、ナフテン系以外の溶媒の場合には0.04質量%以下とすることが好ましい。
沸点が150℃を超えるものは、上記の圧力以下で乾燥を試みても、長時間を要し、粒子内部の溶媒残存量も多くなってしまうだけでなく、アダマンタンそのものの昇華が進行するため、効率的でなく、本発明にふさわしいアダマンタンを得ることが困難である。
前述のように、アダマンタン粉体は内部に残存した溶媒は蒸発しにくく、乾燥時間を長くしても一旦ある一定レベルの残存濃度に達するとその後はほとんど減少しなくなるが、アダマンタン粉体をある一定の短い時間内で急激に(例えば減圧下に)溶媒を除去すると残存溶媒を低濃度にできる。すなわち、アダマンタン粉体を大気圧での自然蒸発に任せておくと、表面からの除去に留まり、溶媒が全体的に高い濃度で残存してしまうことになるが、減圧下で急激に溶媒を蒸発させると固結しにくいアダマンタン粉体が得られる。
このようなアダマンタン粉体の特性を、図1を用いて説明する。図1の左上部に示すように、アダマンタン粉体はアダマンタン粒子(ADM粒子)の集合体であり、精製工程からのアダマンタン粉体は粒子の表面に溶媒が付着した集合体となっている。
このアダマンタン粉体を大気圧で自然乾燥する場合(即ち減圧乾燥しない場合)、アダマンタン粉体の表面は乾燥しやすいが、粉体内部の溶媒は残存してしまう。つまり、粉体内部の粒子表面が「溶媒に溶解」⇔「溶媒からの析出」の平衡にあり、粒子同士が凝集し易い。一旦凝集体ができると、かつて表面に残存していた溶媒分子は、粉体内に残った格好となり、蒸発しにくくなり、それが滞留しているため、凝集体がより強固に結合する。これが繰り返されて固結が起きる。
これに対して精製工程からのアダマンタン粉体を減圧乾燥する場合は、低温下にアダマンタン粉体の内部からも効率よく溶媒が蒸発する。よって、粉体内部で上記の凝集が起きにくく、粒子同士が乖離された状態で乾燥されるため、凝集体内部の滞留しやすい残存溶媒が少なくなり、固結しにくい粉体になる。よって、短時間の内に、溶媒をいかに効率よく除去することが固結防止にとって重要であるかが理解できる。
一方、上記のような処理が施されたアダマンタンを保管する場合の温度条件については、35℃以下で保管することが重要である。すなわち、35℃以下での保管・輸送環境を維持すれば、いかに長時間で保管したとしても、袋やドラム缶中での固結が全く認められず、一方これを超える温度条件では、固結が進行する傾向にある。このように、アダマンタンの固結が35℃を境に急激に助長されるという現象は従来全く知られておらず、本発明者によって初めて確認された事項である。
アダマンタン精製品の保管・輸送方法については、温度条件を35℃以下という状態を保てば良く、保管・輸送の形態やコンテナーの形状は特に問題としない。ただし、長期間の保管中では、多少なりとも空気酸化などが起る場合も考えられるため、窒素やその他の不活性ガスの雰囲気下におくことが望ましい。また、本発明においては、酸化を防止するために、酸化防止剤を混入させたアダマンタンについても制約を受けることなく実施することができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例において、アダマンタンの固結状態(ブロッキング)の判定は、音波ふるい分け測定装置(株式会社朝日製作所、朝日ソニックシフターA1)にアダマンタンを10g仕込み、850μmのふるい上に残存した状況から、残存量が5g未満の場合に固結しない状態(○)、残存量が5g以上の場合に固結する状態(×)と判定した。
実施例1(ナフテン系以外の溶媒)
伝導受熱式溝型撹拌乾燥器(容積117L、伝熱面積3.88m2)を用い、精製溶媒に用いた2−プロパノール(沸点82.4℃)10.00質量%を含む平均粒子径350μmのアダマンタン粒子(炭素数10以上の炭化水素0.92質量%)20kgを、圧力10kPa、温度50℃で40〜60分間乾燥させた。
40分後におけるアダマンタン粒子の2−プロパノール含有量は0.04質量%、60分後で0.03質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。なお、このアダマンタン粒子に荷重を加え、30kPaの圧力下で保管したが、90日経過後に固結していなかった。
実施例2
乾燥時の温度を40℃とした以外は、実施例1と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後におけるアダマンタン粒子の2−プロパノール含有量は0.04質量%、60分後で0.03質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。なお、このアダマンタン粒子に荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合でもあっても、90日経過後に固結していなかった。
実施例3
乾燥時の温度を0℃とした以外は、実施例1と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後におけるアダマンタン粒子の2-プロパノール含有量は0.05質量%、60分後で0.04質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。なお、このアダマンタン粒子に荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合でもあっても、90日経過後に固結していなかった。サンプルは25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。
実施例4
乾燥時の圧力を40kPa、温度条件を40℃とした以外は、実施例1と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後における2−プロパノール含有量は0.04質量%、60分後で0.03質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。なお、このアダマンタン粒子に荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合でもあっても、90日経過後に固結していなかった。
実施例5
精製溶媒の2−プロパノールをヘキサン(沸点68.7℃)にした以外は、実施例2と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後におけるヘキサン含有量は0.01質量%、60分後で0.01質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していなかった。なお、このサンプルに荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合でもあっても、90日経過後に固結していなかった。
比較例1
乾燥時の圧力を100kPaに変更した以外は、実施例4と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後における2−プロパノール含有量は0.87質量%、60分後で0.20質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していた。なお、このアダマンタン粒子に荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合にも、90日経過後に固結していた。
比較例2
乾燥時の圧力を100kPaに変更した以外は、実施例5と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。40分後におけるヘキサン含有量は0.61質量%、60分後で0.06質量%であった。なお、かかる処理を施したアダマンタン粒子は25℃、常圧下で90日経過後に固結していた。なお、このサンプルに荷重を加え、30kPaの圧力下で保管した場合にも、90日経過後に固結していた。
以上の各実施例および比較例の操作条件と評価結果を第1表に示す。
Figure 0004931590
実施例6(ナフテン系溶媒)
実施例1において、洗浄・精製溶媒としてナフテン系溶媒であるのイプゾールL(出光興産製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様に行った。操作条件と評価結果を第2表に示す。なお、イプゾールLの概略組成は以下の通りである。
メチルシクロペンタン:31質量% メチルペンタン:24質量%
シクロヘキサン: 20質量% n−ヘキサン: 15質量%
実施例7
乾燥時の温度を40℃とした以外は、実施例6と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。操作条件と評価結果を第2表に示す。
比較例3
乾燥時の温度を10℃とした以外は、実施例6と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。操作条件と評価結果を第2表に示す。
比較例4
乾燥時の圧力を100kPaとした以外は、実施例7と同様としてアダマンタン粒子の乾燥を行った。操作条件と評価結果を第2表に示す。
Figure 0004931590
実施例8(常圧での保存試験)
実施例2の条件で製造した精製アダマンタン粒子(2−プロパノール含有量:0.04質量%、平均粒子径350μm)を、常圧下に、温度0℃、20℃、35℃、38℃、40℃および50℃で保存し、乾燥処理終了後、1、2、4、8、16、64、128、365日に固結状態の判定を行った。結果を第3表に示す。温度40℃では16日まで固結が起らず、38℃以下では常圧で1年間(365日)保存ししても固結が起らないことが分かった。
Figure 0004931590
実施例9(加圧下での保存試験)
30kPaの加圧下とした以外は実施例8と同様として保存試験を行った。結果を第4表に示す。35℃以下では30kPaの加圧条件下でも1年間(365日)経過しても全く固結が観測されなかったが、38℃以上では2日後経過にすでに固結が起こり、40℃では1日からの固結が激しく起ることが分かった。更に温度条件を過酷にした50℃においては、更に激しい固結が起こった。
総合的には35℃以下の温度で保管すれば、安全に保管できるものと判断される。
Figure 0004931590
実施例10(ナフテン系溶媒:常圧での保存試験)
精製溶媒としてイプゾールLを用い、乾燥したアダマンタン粒子(イプゾールL残存量0.10質量%)に所定量のイプゾールLを添加し、常温の3週間密閉状態で保持し、保持後のブロッキング状態を測定した。結果を第5表に示す。第5表において「IP−L添加率」はアダマンタン粒子に液として添加したイプゾールL量(質量%)、「IP−L残存率」は添加イプゾールLに原アダマンタン粒子が取り込んだイプゾールLを加えた量(質量%)である。第5表から、ナフテン系溶媒(イプゾールL)の場合には、アダマンタンに含まれる溶媒量が0.35質量%未満であれば、ブロッキングがなく、安全に保管できるものと判断される。
Figure 0004931590
本発明により、アダマンタンの製造工程において、製品アダマンタンに含まれる溶媒量を一定量以下とすることによって、アダマンタンの固結を防止することができ、製品の品質安定化や供給形態の安定化が図られると共に、従来、アダマンタンを利用する際に顧客においてかなりの労力が費やされていた粉砕操作が不要となり、省力化される。

Claims (5)

  1. ナフテン系溶媒を用いて精製されたアダマンタンに含まれる溶媒量を、50℃以下の温度、40kPa以下の圧力による60分以内の乾燥で0.35質量%以下とすることを特徴とするアダマンタンの固結防止方法。
  2. アダマンタンに含まれる溶媒の常圧における沸点が150℃以下であり、60分以内の乾燥によりアダマンタンに含まれる溶媒量を0.3質量%以下とする請求項1に記載のアダマンタンの固結防止方法。
  3. ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を用いて精製されたアダマンタンに含まれる溶媒量を、50℃以下の温度、40kPa以下の圧力による60分以内の乾燥で0.05質量%以下とすることを特徴とするアダマンタンの固結防止方法。
  4. アダマンタンに含まれる溶媒の常圧における沸点が150℃以下であり、60分以内の乾燥によりアダマンタンに含まれる溶媒量を0.04質量%以下とする請求項に記載のアダマンタンの固結防止方法。
  5. アダマンタンを35℃以下で保管する請求項1〜のいずれかに記載のアダマンタンの固結防止方法。
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