JP4043436B2 - 封緘具付きicタグ - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂で成形された直線状のフイラメント部の両端部にそれぞれ挿通頭部を持つ雄部と、この挿通頭部と係合する挿通孔を持つ雌部をそれぞれ設けた封緘具あるいは、フイラメント部の長さの中央部で折り返してV形あるいは間隔が狭いU型、あるいは松葉形に形成され、その両端に挿通頭部を持つ雄部と、この挿通頭部と係合する挿入部を持つ雌部がそれぞれ配置され、これらを嵌合して簡単に輪状に結合でき、しかも、これに取付けられた表示札を管理できる封緘具と、これに連結部を介して連結されたICタグ部とからなる封緘具付ICタグに関する。
例えば、缶詰や各種の食品を入れた袋物には粘着剤層を背面に設けた値札や表示札がラベラーによって貼付けられている。これに対して衣類やカバンやスリッパ等のように、粘着剤で値札を貼付けることができない商品の場合は、値札やブランドタグやメーカータグ、又は商品説明用タグ(以下タグ類)を糸で縫付ける方法が使用されてきたが、これは取付けの作業性が極めて悪い。
そこで、合成樹脂成形品のフイラメント状の封緘具が使用されるようになった。この基本的な封緘具は、直線状のフイラメント部の一端に挿通頭部を持つ雄部と、他端にこの挿通頭部に係合する挿入部を持つ雌部をそれぞれ配置して前記雌部の孔に雄部を挿通してフイラメント部を輪状に形成するようにしたものである(例えば、特許文献3)。
また、前記基本的な封緘具を進化させたものとして、フイラメント部を二つ折りにした形状とし、その一端に雄部を、他端にこの雄部を受け入れて係合する雌部をそれぞれ設け、雄部側を値札やブランドタグや商品説明タグ(以下タグ類)に設けた孔に通し、更に商品の孔や把手などに通した後、この雄部を雌部の孔に嵌合連結するものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特公昭60−36588号公報 特公平1−36631号公報 特公昭57−8473号公報
特許文献1に記載された発明に係る封緘具は、いわゆる松葉形の封緘具と称されているもので、直線状のフイラメント部を二つ折りにすると共に、雄部と雌部に近い支持部分を切断可能に小面積で連結したものである。
この封緘具はフイラメント部が二つ折りになっていることから、タグ類の孔に雄部を通す作業が容易であり、更に、雄部と雌部とが接近して連結されていることから、封緘具をリング状に連結する作業も容易である。また、フイラメント部の折り返した部分にタグ類を移動させないように保持ないし挟持することができることからタグ類の位置保持も容易である。
また、特許文献2に記載された発明も同様に松葉形の封緘具であり、金型を小型化するために雄部と雌部との連結部に改良を加えており、この封緘具も前記特許文献1のものと同様な特徴を持っている。また、特許文献3に記載された封緘具は、フイラメント部を直線状にした、この種の封緘具の基本形を示しており、雄部と雌部の係合部の構造の詳細を示している。
前記3件の特許文献に記載された封緘具は、効率的に製造することができる上に封緘操作が単に雌部に雄部を挿入するだけであるので極めて容易であるという特徴がある。
そして、これらの封緘具は、衣類にタグ類を取付け、その衣類を展示し、販売する際にレジにおいて、その封緘具を鋏で切断してタグ類を外し、このタグ類を利用して商品の製造・保管・販売までの一貫した管理を行っている。
前記特許文献1と2の松葉形の封緘具の場合は、フイラメントの折り曲げた部分にタグ類を支持できるので、タグ類の位置を安定させることができ、商品を展示した際の見栄えも良好である。従って、この商品の販売と共にこのタグ類を廃棄する場合は別として、切断した封緘具よりタグ類を分離する操作が煩雑である。つまり、切断された封緘具のフイラメント部がタグ類を挟んだ状態になっており、このタグ類を分離する際には片手でタグ類を持ち、他方の手で切断された封緘具を持ってタグ類の孔からこの封緘具を引き抜かなければならず、その操作が煩雑である。
最近、大量の情報を記憶できる微小寸法のICチップが開発され、これは例えば本やCDや家電製品その他大量販売される商品の表示や価格の管理手段として使用されるようになってきた。
このICチップは小型、小粒子状でありながら、多量の情報を記録することができることから、これを商品の管理情報として使用すると、その商品の製造から販売までの各種の管理に使用することができる。
例えば、このICチップ及び/又はアンテナを、直接衣料品等の商品に編み込んだり、埋め込んだり、組み込んだりし、ICチップに記憶された各種の情報を利用して有効な商品及び顧客管理を行うことができる。また、ICチップとアンテナとを結合した「インレット」を紙あるいは合成樹脂シートに添付して「IC付きタグ」を形成し、このIC付きタグを別体の封緘具(合成樹脂製)によって商品に取付けることができれば、顧客がその商品を購入した際、このIC付きタグを利用して有効な商品及び顧客管理を行うことができる。しかし、このような「ICチップ」、「インレット」又は「IC付きタグ」を使用した場合は、次のような問題がある。
1)ICチップ及び/又はアンテナを直接衣料品等の商品に編み込んだり、埋め込んだり、組み込んだりした場合には、ICチップを追跡することによって、当該衣料品を購入した個人の情報を収集することができるので、プライバシーの侵害につながる恐れがある。特に、クレジットカード等を利用して当該衣料品を購入した場合には、クレジットカード情報から個人の情報を得ることができるので、ICチップと個人とを紐付けることができ、プライバシー侵害の問題はさらに大きくなる可能性がある。
2)通常、商品には、製造者名、販売会社名、代理店名、ブランド名、ロゴ及び/又は商品名等が記載されたブランドタグが取付けられる。上述した「ICチップ」、「インレット」又は「IC付きタグ」を、商品に取付けようとする場合、既に存在するブランドタグの裏面に「インレット」を貼り付けるとか、ブランドタグに「IC付きタグ」を取付ける等の加工を施そうとする可能性がある。しかしながら、ブランドタグは、言い換えれば製造者、販売会社又は代理店等の「顔」に該当するので、ブランドタグの加工は,一切許されない可能性が高い。
3)ブランドタグの他にも、商品名や商品の性質を表示するための商品タグ、値札等が商品に取付けられて販売される。そこで、紙層の中に「インレット」をすき込んでシートを製造し、所定の形状に切断して、印刷や印字を行って、ブランドタグ、商品タグ又は値札を作成することも考えられる。しかしながら、「インレット」をブランドタグ、商品タグ又は値札等にすき込む場合には、ブランドタグ、商品タグ又は値札の印刷や印字ミスが発生した場合、これらと共に「インレット」をも廃棄しなければならず、大きな損失となる。
4)「IC付きタグ」を別個に商品に取付けることが考えられる。一般に、値札はレジで外すことが多いが、それ以外のタグ等は、そのまま商品と一緒に顧客に渡すこととなり、したがって「IC付きタグ」も顧客に渡ることとなる。しかしながら、「IC付きタグ」には、各種情報が記憶されており、それらの情報が第3者に渡ってしまう可能性があり、これは一種の営業秘密の漏洩にもなる。
5)ICチップ及び/又はアンテナを直接衣料品等の商品に編み込んだり、埋め込んだり、組み込んだりすると、その為の工程が必要となり、製造原価がUPしてしまう。また、ブランドタグに「ICチップ」、「インレット」又は「IC付きタグ」を取付ける場合にも、取付け工程が必要となり、原価のUPにつながる。
6)そこで、封緘具と「ICチップ」、「アンテナ」又は、「インレット」等とを樹脂で一体成形することも考えられる。しかしながら、「ICチップ」は耐熱性に劣ることから、樹脂で一体成形すると、高温で溶解している樹脂の熱で「ICチップ」が損傷する可能性があり、製造工程における温度管理が複雑になる。また、「ICチップ」、「アンテナ」又は,「インレット」と樹脂との収縮率が異なるため、「アンテナ」や「インレット」内のアンテナ部に波打ちが発生して無線通信の機能が劣化する。また、金型内に「ICチップ」、「アンテナ」又は「インレット」を配置すると、樹脂の注入圧力によって配置位置がズレて、正常に機能しない可能性がある。
本発明は、前記従来のタグの問題点を解消するもので、封緘具と「ICタグ部」を成形工程において一体化したものであるが、このICタグ部の主要部の機能を損なわないように、一定温度以上に加熱しないことを特徴とするものである。
前記ICタグ部は、従来の商品を表示する商品タグあるいは製造メーカーやそのメーカーのブランドを表示するブランドタグのように、顧客に商品と共に手渡すことを前提とするものではなく、レジにおいて回収してその商品情報が外部に漏れることを防ぎ、この商品情報をその商品、あるいは関連する商品の製造・販売の情報として利用することができるものを意味する。
また、手操作によりICタグ部と合成樹脂製封緘具とを簡単に分離できるIC付きタグを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するための本発明にかかる封緘具付きICタグは、次のように構成されている。
1)一端に突起部と他端に拡大部とが形成された雄部と、一端に挿通孔と他端に拡大部とが形成された雌部とを併列し、前記雄部の拡大部と雌部の拡大部とを分離可能に接合し、更に雄部の拡大部と雌部の拡大部よりそれぞれフィラメントが延長されて屈曲部2に連結された封緘具と、前記屈曲部の外周面より延長される連結部に接続した固定部を介して成形と同時に一体的に接続されたICタグ部とから形成されており、前記ICタグ部はICチップとアンテナとを内蔵しており、前記連結部は手操作で切断可能に形成されていることを特徴としている。
2)前記屈曲部は、U形、V形、丸形の形状に形成されていることを特徴としている。
3)前記連結部は、捻り操作によって切断可能であることを特徴としている。
4)前記連結部は、1本以上の糸状に形成され、これに捻り操作でタグ部が分離可能になっていることを特徴としている。
5)前記連結部は、薄肉の板状に形成され、該連結部にICタグ部が分離可能に接続されていることを特徴としている。
6)前記連結部に断面縮小部を形成し、この部分に捻り操作を与えることによってICが内蔵されたICタグ部が分離可能になっていることを特徴としている。
請求項1の発明により、通常の封緘具のように使用して衣類やバッグ類などの商品に、製造メーカー名や商品説明、材質など説明のタグ類を簡単に取付けることができ、更に、その封緘具にICチップを内蔵したICタグ部(通常の商品タグとは別に扱うことが可能なもの、回収可能なもの)が添付されているので、このICタグ部に大量の商品の製造・販売などの情報を入力しておくことができる。
この商品の販売時に、添付されていたICタグ部を商品より簡単に手操作で分離し、回収する。そしてこのICタグ部に記録されていた商品に関する大量のデータを利用して次の商品の製造・販売のデータとしたり、関連する商品や次の商品の開発のデータなどに利用することができる。
請求項2の発明により、直線状のフイラメントを持つ封緘具とICタグ部とが直線状に形成されているので、IC付きタグの整理が容易である。
請求項3の発明により、封緘具はV形あるいは松葉形に形成されているので、極めて簡単な操作でIC付きタグを商品に固定することができ、容易に商品管理を行うことができる。
請求項4の発明により、各種形状を持つV形あるいは松葉形の封緘具を持つIC付きタグを提供することができる。
請求項5の発明により、封緘具とICチップを内蔵するICタグ部(札部)とを手操作によって切断することができるので、ICタグ部を容易に商品より分離し、保管することができる。
請求項6〜8の発明により、捻り、引き千切りや折り曲げなどの「手操作」で容易に封緘具とICタグ部とを分離できる連結部の各種の形態のものを提供することができる。
前記のように商品から分離されたICタグ部は、製造メーカーやデパートなどの販売者の極めて利用価値のある重要な情報であると共に、販売価格や商品の名称や購入したデパート等の大量の情報を含むもので、これが商品より分離されて回収されることは、商品だけではなく、その商品を購入した顧客の追跡情報、すなわち個人情報の漏洩の防止ともなり、プライバシーの保護にも役立つものである。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1〜6は第1の実施例に関係しており、図1は第1の実施例に係る封緘具付きICタグの全体の形状を示す正面図、図2は左側面図、図3は右側面図である。
この実施例における封緘具付きICタグ20の構成要素である封緘具1は、U形あるいはC形などに形成された折曲部2を起点として、第1フイラメント3と第2フイラメント4がほぼ等長で二重に松葉状に延長されている。そして第1フイラメント3の端部に挿通頭部を持つ雄部5が、また、第2フイラメント4の端部に挿通頭部を係合する挿通孔6bを持つ雌部6がそれぞれ設けられている。
そしてこの雄部5と雌部6の根元部に形成された2個の球状の拡大部5a、6aが小面積の接点7により一体的に接続されて雄部5と雌部6とが一時的(製造から使用までの間)に分離しないようになっている。しかし、この接続状態は手操作で簡単に分離できる程度のものであることは言うまでもない。
そして衣類やバッグ類などの商品にタグ類を取付ける封緘操作においては、この雄部5を引っ張って接点7を分離し、これをタグ類の孔に通した後、更に雌部6の挿通孔6b内に挿入することでフイラメント部3、4を輪状に連結することができる。
詳細な構造説明は省略するが、前記雄部5の頭部に複数個の羽状の突起部5b(羽部)が形成されており、この雄部5を雌部6の挿通孔6bに挿通すると、前記突起部5bが前記挿通孔6b内に形成された図示しない環状係合部に押圧されて縮小し、この環状係合部を通過した後に、この突起部5bが元の状態に拡開して環状係合部の係止面に引っかかって引き抜き不能に係合する。
なお、この実施例においては、雄部5側に設けた突起部5bと雌部6側に設けた挿通孔6b内に設けた環状係合部とが係合する例を示したが、本発明においてはこれ以外に公知の構造、例えば、米国特許第4,854,014号に記載された構造のものなど、各種の係合構造を採用することができる。
そして、前記屈曲部2の下端部には切断可能に構成された「連結部9」を介して固定部10が一体的に連結され、この固定部10に図6に示すようにICチップ12aとアンテナ12bで形成されているIC体12(インレット)を内蔵した「ICタグ部11」が固定されている。
この固定部10は、ICタグ部11の上端部の両面をコ字形に覆って成形され、更に、このICタグ部11の端部の表面まで貫通した小孔13a(押さえピンの跡)が形成されて固定部10によりICタグ部11と封緘具1を一体化している。
また、このICタグ部11の端部にあけた小孔13b(図6)を貫通して小柱が形成されて固定部10の両面を接続し、このICタグ部11と封緘具1を一体化している構造やICタグ部11の端部に凹部を設けることで樹脂13cがその部分に流れ込み、このICタグ部11と封緘具1を一体化する構造も採用することもできる。
このICタグ部11は、紙製あるいは合成樹脂シート製で2枚合わせになっており、図3(及び図6)に示すように、2枚の紙あるいは合成樹脂シート(紙、紙と合成樹脂シート、2枚の合成樹脂シート)の間に前記IC体12が挟持状態で封入されている。その外面は平面状になっており、従って、その表面に識別表示やマークなどもすることができる。また、ICタグ部11は、1枚の紙もしくは合成樹脂シート製のものに貼りつけられたものでも良い。
前記封緘具1の下部を形成している屈曲部2は、U形、V形、C形、コ字形あるいはこれに全体として類似した形状を採用しており、その部分でタグ類(いわゆる商品タグ)の挟持部2s(あるいは位置決め部)を形成している。
封緘具1からICタグ部11を固定する固定部10までを一体成形する材料としては、ポリプロピレンやナイロン等の延伸によって強度が増加する特性を持つ合成樹脂(線状熱可塑性樹脂)を使用し、前記屈曲部2と雄部5と雌部6と連結部9と、更に固定部10まで一体的に成形される。
この第1フイラメント3と第2フイラメント4は成形された原型のままの「未延伸タイプ」と、成形した金型(前後に2分されている)を使用し、一方又は双方を移動する金型内延伸方法によって約3倍程度に延伸されて直径を減少させ、それに伴なって引っ張り強度を増加さた「延伸タイプ」とがある。なお、通常の封緘具1は、第1フイラメント3と第2フイラメント4の強度は封緘操作に対応するために約5〜7kg程度の強度を与えた延伸タイプである。
本発明に係る封緘具付きICタグ20は、封緘具1と連結部9を介してICタグ部11が接続されている。この実施例における連結部9は、1本の糸状形成されており、例えば、商品を販売するレジの女性が指先で、屈曲部2と固定部10との間に捻り作用あるいは引っ張り力を与えることによりネジ切ったり、千切ったりする「手操作」を行うことによってICタグ部11を封緘具1より分離し、このICタグ部11を回収、利用することができる。
この連結部9は、それ自体に封緘の際の張力が作用するものではなく、ICタグ部11を封緘具1側に連結する機能を持つものであれば良く、手で捻ったり、あるいは引っ張ったりすることで切断できるものであれば良い。
(実施例2)
図7〜図10は第2の実施例を示すもので、この実施例における連結部9Aは2本の糸状体のf1とf2を間隔をおいて形成されている(図9)。この2本の糸状体のf1、f2の間隔と太さはICタグ部11の大きさやICタグ20全体としてのデザイン性などを考慮して決定される。この連結部9Aを切断する際は、屈曲部2と固定部10との間に手操作を加えれば良い。なお、ICタグ部11の大きさはIC体12の大きさにより形状や大きさは適宜設計できる。
(実施例3)
図11と図12とは第3の実施例に係る連結部9Bを示すもので、この連結部9Bは薄板状であり、これも手操作によって容易に切断することができ、ICタグ部11を簡単に分離することができる。
(実施例4)
図13と図14とは第4の実施例に係る連結部9Cを示すもので、この連結部9Cは薄板状で、両縁部にくびれが形成され、中央部が細くなっており、実施例3の場合よりも切断操作が容易であり、簡単にICタグ部11を分離することができる。
(実施例5)
図15と図16とは第5の実施例に係る連結部9Dを示すもので、この連結部9Dは右側の縁部にくびれが形成されており、手操作により簡単にICタグ部11を分離することができる。
(実施例6)
図17と図18は第6の実施例に係る連結部9Eを示すもので、この連結部9Eは前記実施例5とは逆向きにくびれが形成されている。実施例5とこの実施例6の連結部9Dと9Eは機能的には差がなく、手操作によって簡単に切断してICタグ部11を分離することができる。
(実施例7、8、9)
図19と20は、第7の実施例に係る両縁くびれ形の連結部9Fを示し、固定部10の上縁がなで肩状に形成され、首部が切断用連結部を形成している。
図21と22とは第8の実施例に係る釣り鐘形のくびれで形成された連結部9Gを示している。
また、図23と24は、第9の実施例に係る2個の小球体を連結した連結部9Hを示している。この実施例のものは一種のビーズ形をしており、見栄えも良い。
前記 いずれの連結部9F、9G及び9Hにおいても、手操作によって容易に切断でき、それによってICタグ部11を分離し、これを保管することができる。
(実施例10,11,12)
図25及び図26は第10の実施例を示しており、この実施例においては屈曲部2と固体部10との糸状の連結部で切断は可能であるが、連結部9Jに微細なミシン目を入れており、矢印Jのように分離できる。
図27及び図28は第11の実施例を示しており、切断部9Kは片面あるいは両面をローラによって押圧して溝状に薄くしたもので、この部分よりICタグ部11を手操作で切断することができる。
図29及び図30は第12の実施例を示しており、ICタグ部11と固定部10の間にタグ部11自体に縮小部を形成したものである。
(実施例13,14,15)
図31〜図33は、第13の実施例を示しており、固定部10に直接2本のフイラメント部3、4を連結したもので、この場合はICタグ部11にミシン目状の連結部9Nを形成している。
図34及び図35は第14の実施例を示しており、連結部9Pをロール加工した溝部で形成している。
図36及び図37は第15の実施例を示しており、連結部9Qをミシン目加工して形成している。
図31〜図37に示した実施例においては、図1〜図5に示した第1の実施例における屈曲部2の代わりに固定部10と2本のフイラメント3、4で同様な機能を与えている。このように、本発明における封緘具付きICタグは、封緘具1とICタグ部11の固定部10との間に切断できる連結部を形成した構造、あるいはICタグ部11自体に切断できる連結部を形成するなど、各種の変形が含まれている。
寸法的には、封緘具の種類にもよるが、封緘具1の雄部5の先端から屈曲部2の下面との間の長さは20〜160mmである。また、屈曲部2に一端が連結される連結部9の太さは約0.1〜0.6mm程度である。周知のように、ナイロンやポリプロピレンなどは延伸と共に強度と靱性が増加するために切断が困難であるが、成形したままの部分は比較的脆く、折り曲げや捻りに弱い特性を持っており、本発明はこの特性を有効に利用する。(実施例16)
図38〜42は第16の実施例を示すもので、図38は直線状のフイラメント3aの両端に雄部5と雌部6を設けた封緘具1Aの雌部6に連結部9を介して固定部10を形成し、この固定部10にICタグ部11を固定した直線状の封緘具付きICタグ20Aを示している。
前記雄部5と雌部6の係合構造は前記実施例に記載したものや公知の各種の構造を採用できる。そして前記雌部6の近傍に切断可能に形成された「連結部9」を介して固定部10が一体的に連結され、この固定部10に図6に示すようなICチップ12aとアンテナ12bで形成されているIC体(インレット)を内蔵したICタグ部11が固定されている。
また、前記固定部10も前記実施例に記載された各種のものを採用することができる。また、ICタグ部も1枚もしくは2枚合わせにした紙製もしくは合成樹脂シートで構成されており、そこにIC体12を貼りつけるか封入されている。
図41と42は実施例16の封緘具1Aと固定部10との間に一体的に形成される連結部9の1例を示しており、この連結部9は小径の糸状のもので形成されており、これを手操作によって簡単に切断することができる。なお、この連結部9は前記第1の実施例などに記載されたものを採用することができる。
手操作で分離できるとは、常人が、特別な器具を利用せずに、ねじ切る、ねじって引っ張る、折り曲げる、折り曲げてねじ切る、折り曲げてねじって引っ張る、引き千切る、又は千切ること等によって、容易に分離できること又は分離可能に連結したことを言う。そのために、前述した実施例では、切り込み、ミシン目、くびれ又は未延伸処理(ナイロンやポリプロピレン等で延伸せずに成形したままの状態にした部分)等によって、連結部に封緘具の強度に比べて強度を低下させた強度低下処理部分を設けたり、連結部自体の強度を封緘具の強度に比べて低下させたりしている。
前述した実施例をまとめると、手操作によって、ねじ切ることによって分離できるものとしては、実施例1〜9、12及び16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。また、手操作によって、ねじった上で、引っ張ることによって分離できるものとしては、実施例1〜9、12及び16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。さらに、手操作で折り曲げることによって分離できるものとしては、実施例3〜7及び10〜16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。さらに、手操作によって、折り曲げた上で、ねじ切ることによって分離できるものとしては、実施例3〜7及び10〜16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。さらに、手操作によって、折り曲げた上で、ねじりながら引っ張ることによって分離できるものとしては、実施例3〜7及び10〜16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。さらに、手操作によって、引き千切ることによって分離できるものとしては、実施例1、2、4〜9、12及び16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。さらに、手操作によって、千切ることによって分離できるものとしては、実施例10〜16等に示された連結部を有するIC付きタグがある。
図44は商品タグ25と本発明に係る封緘具付きICタグ20を組み合わせた状態を示している。例えば、ワイシャツ26にこのタグ20を取付ける際には、予め第1フイラメント3側に商品タグ25を支持させ、そしてこの第1フイラメント3をワイシャツ26のボタンホール27に通した後、雄部5を雌部6の挿通孔6b内に係合させることで封緘具1を簡単にリング状に連結して商品タグ25をワイシャツ26に取付け、この状態で商品であるワイシャツ26を展示販売するのである。そして顧客がこの商品を購入した時には、レジにおいて販売員が、ICタグ部11を素早く手操作で分離し、保管し、タグ25は商品に付けたままでその顧客に手渡すことになる。
本発明の第1の実施の形態に係る封緘具付きICタグの正面図である。 図1の左側面図である。 図1の右側面図である。 図1の屈曲部とICタグ部と連結部を示す正面図である。 図4の側面図である。 ICタグ部の拡大図である。 第2の実施の形態に係る2本の糸状体で形成される連結部を持つICタグの正面図である。 図7に示すICタグの側面図である。 図7の屈曲部とICタグ部と連結部を示す正面図である。 図9の側面図である。 第3の実施の形態に係る薄板形の連結部の正面図である。 図11の側面図である。 第4の実施の形態に係る縮小形の連結部の正面図である。 図13の側面図である。 第5の実施の形態に係る縮小形の連結部の正面図である。 図15の側面図である。 第6の実施の形態に係る縮小形の連結部の正面図である。 図17の側面図である。 第7の実施の実施の形態に係る両縁縮小形の連結部の正面図である。 図19の側面図である。 第8の実施の形態に係る釣り鐘形の連結部の正面図である。 図21の側面図である。 第9の実施の形態に係るビーズ形の連結部の正面図である。 図23の側面図である。 第10の実施の形態に係るタグ切断形のタグと封緘具との関係を示す正面図である。 図25の側面図である。 第11の実施の形態に係るタグ切断形のタグと封緘具との関係を示す正面図である。 図27の側面図である。 第12の実施の形態に係るタグ切断形のタグと封緘具との関係を示す正面図である。 図29の側面図である。 第13の実施の形態に係るタグ切断形のタグと封緘具との関係を示す正面図である。 図31の左側面図である。 図31の右側面図である。 第14の実施の形態に係るタグ切断形のタグを示す正面図である。 図34の側面図である。 第15の実施の形態に係るタグ切断形のタグを示す正面図である。 図36の側面図である。 第16の実施の形態に係る封緘具付きICタグの正面図である。 図38の右側面図である。 図38の左側面図である。 糸形の連結部を示す正面図である。 糸形の連結部を示す側面図である。 商品であるワイシャツにICタグを利用して商品タグを取付けた状態を示す図である。 ICタグと商品タグを組み合わせた状態の説明図である。
符号の説明
1 封緘具 2 屈曲部 3 第1フイラメント
4 第2フイラメント 5 雄部 5a 拡大部 5b 突起部
6 雌部 6a 拡大部 6b 挿通孔 7 接点
9,9A,9B,9C,9D,9E,9F,9G,9H,9J,9K,9M 連結部
10 固定部 11 ICタグ部
12 IC体(インレット) 12a ICチップ 12b アンテナ
20 ICタグ

Claims (6)

  1. 一端に突起部と他端に拡大部とが形成された雄部と、一端に挿通孔と他端に拡大部とが形成された雌部とを併列し、
    前記雄部の拡大部と雌部の拡大部とを分離可能に接合し、更に雄部の拡大部と雌部の拡大部よりそれぞれフィラメントが延長されて屈曲部2に連結された封緘具と、
    前記屈曲部の外周面より延長される連結部に接続した固定部を介して成形と同時に一体的に接続されたICタグ部とから形成されており、
    前記ICタグ部はICチップとアンテナとを内蔵しており、前記連結部は手操作で切断可能に形成されていることを特徴とする封緘具付きICタグ。
  2. 前記屈曲部は、U形、V形、丸形の形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の封緘具付きICタグ。
  3. 前記連結部は、捻り操作によって切断可能であることを特徴とする請求項1記載の封緘具付きICタグ。
  4. 前記連結部は、1本以上の糸状に形成され、これに捻り操作でタグ部が分離可能になっていることを特徴とする請求項1記載の封緘具付きICタグ。
  5. 前記連結部は、薄肉の板状に形成され、該連結部にICタグ部が分離可能に接続されていることを特徴とする請求項1記載の封緘具付きICタグ。
  6. 前記連結部に断面縮小部を形成し、この部分に捻り操作を与えることによってICが内蔵されたICタグ部が分離可能になっていることを特徴とする請求項1記載の封緘具付きICタグ。
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