JP4042968B2 - 遊技用システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、会員登録をした遊技者に対して発行される会員用記録媒体を使用した価値加算処理(会員入金処理)及び第1の使用処理(会員玉貸処理)が可能であると共に、該会員用記録媒体を使用しない第2の使用処理(ビジタ玉貸処理)も可能な遊技用装置を管理する遊技用システムに係り、特に会員用記録媒体を使用した場合における会員売上情報及び会員用記録媒体を使用しない場合におけるビジタ売上情報を正確に管理できる遊技用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機(例えばパチンコ機)に対応して設けられ、遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録された記録媒体(例えばプリペイドカードや会員カード等)を受け付けて該記録媒体の記録情報を読み出し、該受付中の記録媒体から読み出された記録情報により特定される遊技用有価価値の大きさ(例えば残度数)の範囲内における所定の大きさの遊技用有価価値を対応する遊技機での遊技に使用させるための処理(例えば玉貸処理)を行う遊技用装置(例えばカードユニット)が知られている。
【0003】
また該カードユニットにおいて、貨幣を受け付けて該貨幣を識別し、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの遊技用有価価値を前記記録媒体から読み出された記録情報により特定される遊技用有価価値の大きさに対して加算する価値加算処理や、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの遊技用有価価値を特定可能な情報が記録された記録媒体(例えばビジタカード)を発券する発券処理を行うものも知られている。
【0004】
一方、前記カードユニットと、該カードユニットを管理する管理装置から構成され、前記玉貸処理に供された遊技用有価価値の大きさ(消費金額)と、前記価値加算処理や前記発券処理に供された遊技用有価価値の大きさ(入金金額)を、カードユニットと管理装置の双方で記憶しておき、遊技場の閉店処理時に、カードユニットに記憶されている消費金額及び入金金額を管理装置に対して送信し、管理装置において消費金額及び入金金額の照合を行うシステムがある(例えば特許文献1を参照)。このシステムによれば、カードユニットと管理装置の双方で記憶されている消費金額及び入金金額を照合するので、それらを正確に管理できる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−172266号公報(第13〜14頁,図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記カードユニットが、会員登録をした遊技者に対して発行される会員用記録媒体を使用した価値加算処理及び第1の使用処理(例えば会員玉貸処理)が可能であると共に、該会員用記録媒体を使用しない第2の使用処理(例えばビジタ玉貸処理)も可能な遊技用装置である場合には、消費金額及び入金金額を管理するだけでは不十分である。例えばカードユニットと管理装置との間で通信障害が生じたりカードユニットにおいて不正が行われると、カードユニットに記憶されている消費金額及び入金金額と管理装置に記憶されている消費金額及び入金金額がそれぞれ異なる場合が生ずるが、この場合に、会員用記録媒体を使用した場合における会員売上情報と会員用記録媒体を使用しない場合におけるビジタ売上情報のいずれに異常があったかを特定することはできない。
【0007】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技機に対応して設けられ、会員登録をした遊技者に対して発行される会員用記録媒体を使用した価値加算処理及び第1の使用処理が可能であると共に、該会員用記録媒体を使用しない第2の使用処理も可能な遊技用装置を管理する遊技用システムにおいて、会員用記録媒体を使用した場合における会員売上情報及び会員用記録媒体を使用しない場合におけるビジタ売上情報を正確に管理できる遊技用システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。
【0009】
まず請求項1に係る発明は、遊技機に対応して設けられ、会員登録をした遊技者を個々に特定可能な遊技者特定情報及び遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録された会員用記録媒体を受け付けて該会員用記録媒体の記録情報を読み出す読み出し手段と、貨幣を受け付ける貨幣受付手段と、前記会員用記録媒体の受付中に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値を前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさに対して加算するための価値加算処理を行う価値加算手段と、前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第1の使用処理を行う第1の使用処理手段と、前記会員用記録媒体の受付中以外に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を該所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値に変換し、該変換された前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第2の使用処理を行う第2の使用処理手段と、を有する遊技用装置と、該遊技用装置と通信可能であり、前記遊技用装置を管理する管理装置と、を備える遊技用システムであって、前記遊技用装置は、前記価値加算処理により加算された遊技用有価価値の大きさ及び/又は前記第1の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさを含む会員売上情報と、当該価値加算処理及び/又は第1の使用処理に供された会員用記録媒体の遊技者特定情報とを、所定のタイミングで前記管理装置に対して送信する会員売上情報送信手段と、前記第2の使用処理により変換された遊技用有価価値の大きさ及び/又は前記第2の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさを含むビジタ売上情報を所定のタイミングで前記管理装置に対して送信するビジタ売上情報送信手段と、前記会員売上情報を前記遊技者特定情報毎に累積して記憶する会員売上情報累積記憶手段と、前記ビジタ売上情報を累積して記憶するビジタ売上情報累積記憶手段と、前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を該管理装置に対して送信する売上情報送信手段と、前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を消去する売上情報消去手段と、を有し、前記管理装置は、前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の送信を要求する売上情報送信要求手段と、前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の消去を要求する売上情報消去要求手段と、前記会員売上情報を前記遊技用装置毎かつ前記遊技者特定情報毎に記憶する会員売上情報記憶手段と、前記ビジタ売上情報を前記遊技用装置毎に記憶するビジタ売上情報記憶手段と、前記会員売上情報送信手段から送信されてきた遊技者特定情報及び会員売上情報に基づいて、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている当該遊技者特定情報の会員売上情報を更新する会員売上情報更新手段と、前記ビジタ売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報に基づいて、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報を更新するビジタ売上情報更新手段と、前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきた各遊技者特定情報の会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている各遊技者特定情報の会員売上情報とを、遊技者特定情報毎に照合する会員売上情報照合手段と、前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報とを照合するビジタ売上情報照合手段と、を有し、前記売上情報消去要求手段は、前記会員売上情報照合手段及びビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合一致である場合に、前記消去を要求することを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
また請求項2に係る発明は、請求項1に記載した遊技用システムであって、前記管理装置は、前記会員売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段から送信されてきた会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段に記憶されている会員売上情報との差を特定可能な情報を出力し、前記ビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段に記憶されているビジタ売上情報との差を特定可能な情報を出力する情報出力手段をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0011】
また請求項3に係る発明は、請求項2に記載した遊技用システムであって、前記情報出力手段は、前記会員売上情報照合手段又はビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技用装置を特定可能な情報を出力することを特徴とする遊技用システムである。
【0013】
さらに請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、前記管理装置は、前記会員売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技者特定情報が記録されている前記会員用記録媒体の使用を不可とする処理を行う使用不可処理手段をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用システム1は、図1に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、会員登録をした遊技者に対して発行される会員用記録媒体(会員カード2)を使用した価値加算処理(会員入金処理)及び第1の使用処理(会員玉貸処理)が可能であると共に、該会員用記録媒体を使用しない第2の使用処理(ビジタ玉貸処理)も可能な遊技用装置(カードユニット20)を管理するものであり、特に会員用記録媒体を使用した場合における会員売上情報及び会員用記録媒体を使用しない場合におけるビジタ売上情報を正確に管理できるものである。
【0015】
ここで会員用記録媒体を使用した価値加算処理は、会員用記録媒体の受付中に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの遊技用有価価値を前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさに対して加算するための処理である。また会員用記録媒体を使用した第1の使用処理は、前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための処理であり、ここでは前記所定の大きさの遊技用有価価値に応じた遊技媒体(パチンコ玉)を貸与する会員玉貸処理である。
【0016】
さらに会員用記録媒体を使用しない第2の使用処理は、会員用記録媒体の受付中以外に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を該所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値に変換し、該変換された遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための処理であり、ここでは前記変換された遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録されたビジタ用記録媒体(ビジタカード3)を発券し、該発券されたビジタ用記録媒体から読み出された記録情報により特定される遊技用有価価値の大きさの範囲内における遊技用有価価値に応じた遊技媒体(パチンコ玉)を貸与するビジタ玉貸処理である。
【0017】
また会員売上情報は、前記価値加算処理により加算された遊技用有価価値の大きさ(会員入金度数)及び/又は前記第1の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(会員消費度数)を含む情報である。またビジタ売上情報は、前記第2の使用処理により変換された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ入金度数)及び/又は該第2の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ消費度数)を含む情報である。なお遊技用有価価値の大きさは、会員用記録媒体に対する価値加算又はビジタ用記録媒体の発券に供された貨幣金額が所定の比率(例えば100円で1度数)で度数に変換された残度数である。
【0018】
まず、遊技用システム1の構成について説明する。なお、以下においては、リーダ/ライタを「R/W」と略記する。遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20と、該カードユニット20と通信可能であり、該カードユニット20を管理する管理装置40と、からなる。この遊技用システム1では、図2に示すように、会員カード2及びビジタカード3を使用可能である。
【0019】
会員カード2は会員用記録媒体の一例であって、会員登録をした遊技者を個々に特定可能な遊技者特定情報及び遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録されたものである。ビジタカード3はビジタ用記録媒体の一例であって、遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録されたものである。ここで遊技者特定情報は会員IDであり、遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報は前記残度数である。
【0020】
この会員カード2は、会員登録をした遊技者に対して発行され、後述する図2(c)に示すように、該遊技者によりカードユニット20の外部から該カードユニット20の内部に挿入されて使用される。またビジタカード3は、後述する図2(b)に示すように、遊技者が指触不能なようにカードユニット20の内部に封入されている。これら会員カード2及びビジタカード3は、例えば長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、前記情報が記録された記録領域が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。
【0021】
図1に戻り、パチンコ機10及びカードユニット20は、図示しない遊技島において、該パチンコ機10の機種等に従って所定の位置に配置されている。このパチンコ機10は台番号(1番台,2番台…)により識別可能とされており、カードユニット20は該台番号と共通のユニット番号(1番ユニット,2番ユニット…)により識別可能とされている。これらパチンコ機10及びカードユニット20は、遊技島に設けられる台端末,及び遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられる中継コンピュータを介して、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられる管理装置40と通信可能に接続されている。この台端末は、複数(例えば4つ)の接続コネクタを備え、各接続コネクタに各パチンコ機10及び各カードユニット20を接続することにより、該接続された機器との間で通信可能なものである。また中継コンピュータは、台端末と管理装置40との間における通信を中継するものである。
【0022】
パチンコ機10は前記遊技機の一例であって、図2(a)に示すように、ここではカードユニット20と通信可能に接続され、該カードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われてパチンコ玉が貸し出される、いわゆるCR式のパチンコ機10である。
【0023】
このパチンコ機10の前面には、図2(a)に示すように、入賞口(例えば始動入賞口,大入賞口,一般入賞口等)や可変表示装置等を有する遊技領域11,パチンコ玉を該遊技領域11に打ち込む操作を受け付けるための発射ハンドル12,後述する玉払出装置17から払い出されるパチンコ玉を貯留するための上皿13,該上皿13内に貯留しきれない余剰のパチンコ玉を貯留するための下皿14等が設けられている。この上皿13の前面には、カードユニット20にて受け付けられている会員カード2の記録情報により特定される残度数を表示するための残度数表示器13a,該残度数を使用したパチンコ玉の貸与操作を受け付けるための玉貸ボタン13b,該会員カード2の返却操作を受け付けるための会員カード返却ボタン13cが設けられている。
【0024】
またパチンコ機10の背面には、図示しないが、遊技状態を制御するための遊技制御基板15,玉払出装置17を制御するための払出制御基板16,及びパチンコ玉を払い出すための玉払出装置17等が設けられている。これらパチンコ機10に設けられる各機器は、図3に示すように接続されている。
【0025】
カードユニット20は前記遊技用装置の一例であって、前述した価値加算処理,会員玉貸処理,発券処理,及びビジタ玉貸処理を行うものである。このカードユニット20は、図1及び図2(a)に示すように、パチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものである。このカードユニット20の前面には、図2(a)に示すように、多機能ランプ36,紙幣投入口25a,硬貨投入口26a,硬貨返却ボタン27,突出部28,硬貨返却口27a,会員カード挿入口23a,及びビジタカード確認窓24aが設けられている。またカードユニット20の内部には、図2(b)及び図2(c)に示すように、紙幣搬送路25b,紙幣識別機25,硬貨移動通路26b,硬貨識別機26,管理装置用通信部21a,玉貸通信部21b,制御部22,会員カード搬送路23b,会員カードR/W23,及びビジタカードR/W24が設けられている。
【0026】
またカードユニット20の背面には、図2(a)及び図2(b)に示すように、電源ボックスが設けられている。さらに突出部28の右側面には、図2(b)に示すように、タッチパネル式のディスプレイ29,会員カード使用可ランプ30,ビジタカード発券中ランプ31,紙幣使用可ランプ32,硬貨使用可ランプ33,金額設定ボタン34,及び金額表示器35が、遊技者に向くように設けられている。これらカードユニット20に設けられる各機器は、図3に示すように接続されている。以下、カードユニット20に設けられる各機器について説明する。
【0027】
管理装置用通信部21aは、台端末及び中継コンピュータを介して管理装置40の後述する通信部41と通信可能に接続されており、カードユニット20と管理装置40との間における通信を司るものである。この管理装置用通信部21aは、前記会員売上情報を所定のタイミング(ここでは前記価値加算処理又は前記会員玉貸処理が行われる毎)で管理装置40に対して送信する会員売上情報送信手段,前記ビジタ売上情報を所定のタイミング(ここでは前記ビジタ玉貸処理が行われる毎)で管理装置40に対して送信するビジタ売上情報送信手段,及び管理装置40からの要求に応じて(ここでは遊技場の閉店処理時に)、後述する会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている会員売上情報及び後述するビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を該管理装置に対して送信する売上情報送信手段として機能するものである。
【0028】
玉貸通信部21bは、パチンコ機10の払出制御基板16と通信可能に接続されており、これにより、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。
【0029】
制御部22は、CPU,RAM,及びROM等を備え、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20に設けられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部22は、ディスプレイ29に表示させる表示内容の制御を行う表示制御手段として機能するものである。また制御部22は、前記価値加算処理を行う価値加算手段,前記第1の使用処理(会員玉貸処理)を行う第1の使用処理手段,及び前記第2の使用処理(ビジタ玉貸処理)を行う第2の使用処理手段として機能するものであるが、これらの機能については後述する。
【0030】
さらに制御部22のRAMは、前記会員売上情報を累積して記憶する会員売上情報累積記憶手段として機能するものであり、ここでは該会員売上情報を会員ID毎に累積して記憶するものである。具体的には、図4(a)に示すように、前記価値加算処理が行われた場合に、前記価値加算手段により加算に供された残度数が会員ID毎に会員入金度数の欄に累積されて記憶されると共に、前記会員玉貸処理が行われた場合に、前記第1の使用処理手段により遊技に使用された残度数が会員ID毎に会員消費度数の欄に累積されて記憶され、該会員ID毎の入金度数及び消費度数の合計が算出されて記憶される。
【0031】
また制御部22のRAMは、前記ビジタ売上情報を累積して記憶するビジタ売上情報累積記憶手段として機能するものである。具体的には、図4(b)に示すように、前記ビジタ玉貸処理が行われた場合に、前記第2の使用処理手段により変換された残度数がビジタ入金度数の欄に累積されて記憶されると共に、該第2の使用処理手段により遊技に使用された残度数がビジタ消費度数の欄に累積されて記憶される。
【0032】
なお制御部22は、管理装置40からの要求に応じて、会員売上情報累積記憶手段として機能する制御部22のRAMに累積して記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報累積記憶手段として機能する制御部22のRAMに累積して記憶されているビジタ売上情報を消去する売上情報消去手段として機能するものである。具体的には、管理装置40の後述する売上情報消去要求手段から消去が要求された場合に、会員売上情報又はビジタ売上情報が消去される。
【0033】
会員カードR/W23は読み出し手段の一例であって、会員カード2を受け付けて会員カード2の記録情報を読み出すためのものであり、ここでは会員カード2に搭載されている非接触式の集積回路の記録情報を読み書きするためのICリーダ/ライタが設けられている。また会員カード挿入口23aは、カードユニット20の外部から会員カード2の挿入を受け付けるための開口である。また会員カード搬送路23bは、会員カードR/W23に対して会員カード2が移動するものであり、ここでは会員カード挿入口23aから挿入された会員カード2を会員カードR/W23に対して搬送するための搬送ベルトが設けられている。
【0034】
ビジタカードR/W24は、内部に封入されているビジタカード3の記録情報を読み出すためのものであり、ここではビジタカード3に搭載されている非接触式の集積回路の記録情報を読み書きするためのICリーダ/ライタが設けられている。またビジタカード確認窓24aは、ビジタカードR/W24の内部において移動不能に封入されているビジタカード3を確認するための窓である。
【0035】
紙幣識別機25は貨幣受付手段の一例であって、貨幣としての紙幣を受け付けて、該受け付けた紙幣を識別するためのものであり、ここでは1000円,2000円,5000円,及び10000円の4種類の紙幣を受付可能なものである。また紙幣投入口25aは、カードユニット20の外部から紙幣の投入を受け付けるための開口である。また紙幣搬送路25bは、紙幣識別機25に対して紙幣が移動するものであり、ここでは紙幣投入口25aから投入された紙幣を紙幣識別機25に対して搬送するための搬送ベルトが設けられている。なお紙幣識別機25により受け付けられた紙幣は、カードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構により搬送されて、金庫に回収される。
【0036】
硬貨識別機26も貨幣受付手段の一例であって、貨幣としての硬貨を受け付けて、該受け付けた貨幣を識別するためのものであり、ここでは100円,及び500円の2種類の硬貨を受付可能なものである。また硬貨投入口26aは、カードユニット20の外部から硬貨の投入を受け付けるための開口である。また硬貨移動通路26bは、硬貨識別機26に対して硬貨が移動(ここでは硬貨投入口26aから投入された硬貨が落下)するものである。なお硬貨識別機26により受け付けられた硬貨は、カードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構により搬送されて、金庫に回収される。
【0037】
硬貨返却ボタン27は、硬貨移動通路26bや硬貨識別機26において詰まった硬貨の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン27が操作されると、該詰まった硬貨が硬貨返却口27aに戻る。
【0038】
タッチパネル式のディスプレイ29は、各種の情報(例えば遊技情報やイベント情報等)を表示すると共に、各種の入力(例えば貯玉再プレイ操作等)を受け付けるものであり、液晶表示器等の表示画面と、遊技者による押圧操作を検出するタッチパネルを備えている。
【0039】
会員カード使用可ランプ30は、ランプの状態により会員カード2の使用の可否を報知するものであり、具体的には、会員カード2を使用できる旨を点灯状態で報知し、会員カード2が会員カード挿入口23aから返却された旨を点滅状態で報知し、会員カード2を使用できない旨を消灯状態で報知する。
【0040】
ビジタカード発券中ランプ31は、会員カード2の受付中以外に貨幣を受け付けてビジタカード3の発券が行われている際に、ビジタカード3を発券中である旨を点灯状態で報知し、該ビジタカード3から読み出された記録情報により特定される残度数を使用した前記ビジタ玉貸処理が行われている際に、玉貸中である旨を点滅状態で報知する。
【0041】
紙幣使用可ランプ32は、ランプの状態により紙幣の使用の可否を報知するものであり、具体的には、紙幣を使用できる旨を点灯状態で報知し、エラー発生のために遊技者に対して紙幣を返却する必要がある旨を点滅状態で報知し、紙幣を使用できない旨を消灯状態で報知する。
【0042】
硬貨使用可ランプ33は、ランプの状態により硬貨の使用の可否を報知するものであり、具体的には、硬貨を使用できる旨を点灯状態で報知し、エラー発生のために遊技者に対して硬貨を返却する必要がある旨を点滅状態で報知し、硬貨を使用できない旨を消灯状態で報知する。
【0043】
金額設定ボタン34は、玉貸ボタン13bの操作に応じて1回の玉貸に供される玉貸単位金額を設定するためのボタンであり、会員カード2の受付中に遊技者により金額設定ボタン34が操作されると、例えば100円→200円→300円→500円の順で玉貸単位金額が選択されて設定される。金額表示器35は、会員カード2の受付中に前記金額設定ボタン34により設定された玉貸単位金額を表示するものである。なお会員カード2から読み出された記録情報により特定される残度数がゼロである場合や、会員カード2の受付中以外では、金額設定ボタン34による玉貸単位金額の設定はできず、金額表示器35にも玉貸単位金額は表示されない。
【0044】
多機能ランプ36は、ランプの状態によりカードユニット20の動作状態を報知するものであり、具体的には、電源が入っていないか使用禁止になっていることを消灯状態で報知し、待機中又はビジタカード3を使用中である旨を緑色点灯状態で報知し、会員カード2を使用中である旨を青色点灯状態で報知し、使用されている会員カード2がイベントの対象である旨を青色点滅状態で報知し、管理装置40とオフライン中である旨を赤色点灯状態で報知し、エラー発生のために使用できない旨を赤色点滅状態で報知する。電源ボックス37は、カードユニット20に対して電源を供給するためのものである。
【0045】
以上に説明したカードユニット20において、会員カード2が使用される場合には、価値加算手段及び第1の使用処理手段として機能する制御部22の作用により、以下のようにして価値加算処理及び会員玉貸処理が行われる。まず会員カード使用可ランプ30の点灯状態中に、遊技者により会員カード挿入口23aから会員カード2が挿入されると、該会員カード2が会員カード搬送路23b上を移動して会員カードR/W23にて受け付けられると共に、会員カード使用可ランプ30が消灯状態となる。
【0046】
次に会員カードR/W23により会員カード2の記録情報(会員ID及び残度数)が読み出されると、該会員カード2から読み出された会員IDが管理装置40に対して送信され、管理装置40において、該送信されてきた会員IDに基づいて、会員カード2が使用可能であるか否かが判定される。ここで後述する使用不可処理手段により会員カード2の使用を不可とする処理が行われており、会員カード2が使用不能であると判定された場合には、該判定結果がカードユニット20に対して送信され、カードユニット20において、前記受け付けられている会員カード2が会員カード挿入口23aから排出される。一方、会員カード2が使用可能であると判定された場合には、該判定結果がカードユニット20に対して送信され、カードユニット20において、会員カード2から読み出された残度数がゼロであるか否かに応じて、以下の処理が行われる。
【0047】
まず会員カード2から読み出された残度数がゼロである場合には、紙幣使用可ランプ32及び硬貨使用可ランプ33が点灯状態となって、1000円,2000円,5000円,及び10000円の4種類の紙幣,又は100円,及び500円の2種類の硬貨の使用が可能になる。次に遊技者により貨幣(紙幣又は硬貨)が投入されると、該貨幣が紙幣搬送路25b又は硬貨移動通路26b上を移動して貨幣受付手段(紙幣識別機25又は硬貨識別機26)にて受け付けられ、該受け付けた貨幣の金額に相当する残度数が会員カードR/W23により会員カード2に書き込まれて価値加算処理が行われる。
【0048】
そして加算された残度数(会員入金度数)が残度数表示器13aに表示されると共に、紙幣使用可ランプ32及び硬貨使用可ランプ33が消灯状態となり、かつ金額設定ボタン34により設定されている玉貸単位金額が金額表示器35に表示される。また図4(a)に示すように、制御部22のRAMにおいて、会員入金度数が会員ID毎に累積して記憶されると共に、該会員入金度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報が管理装置40に対して送信される。
【0049】
一方、会員カード2から読み出された残度数がゼロでない場合には、該残度数が残度数表示器13aに表示されると共に、紙幣使用可ランプ32及び硬貨使用可ランプ33が消灯状態となり、かつ金額設定ボタン34により設定されている玉貸単位金額が金額表示器35に表示される。次に遊技者により玉貸ボタン13bが操作されると、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われて、玉貸単位金額分のパチンコ玉が玉払出装置17から払い出されて前記会員玉貸処理が行われる。なお会員カード2から読み出された残度数が玉貸単位金額分の度数に満たない場合には、該残度数分のパチンコ玉が玉払出装置17から払い出されて会員玉貸処理が行われる。
【0050】
そして遊技に使用された残度数(会員消費度数)が、会員カード2に記録されている残度数から減算されると共に、残度数表示器13aに表示されている残度数から減算される。また図4(a)に示すように、制御部22のRAMにおいて、会員消費度数が会員ID毎に累積して記憶されると共に、該会員消費度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報が管理装置40に対して送信される。なお遊技者により会員カード返却ボタン13cが操作されると、前記受け付けられている会員カード2が会員カード挿入口23aから排出されると共に、会員カード使用可ランプ30が点滅状態になる。そして遊技者により会員カード2が会員カード挿入口23aから抜き去られると、会員カード使用可ランプ30が点灯状態になる。
【0051】
またカードユニット20において、会員カード2が使用されていない場合には、第2の使用処理手段として機能する制御部22の作用により、以下のようにしてビジタ玉貸処理が行われる。まず会員カード2の受付中以外には、紙幣使用可ランプ32及び硬貨使用可ランプ33が点灯状態となって、1000円の紙幣,又は100円,及び500円の2種類の硬貨の使用が可能になる。即ち会員カード2の受付中以外には、2000円,5000円,及び10000円の3種類の紙幣は使用できない。
【0052】
次に遊技者により貨幣(紙幣又は硬貨)が投入されると、該貨幣が紙幣搬送路25b又は硬貨移動通路26b上を移動して貨幣受付手段(紙幣識別機25又は硬貨識別機26)にて受け付けられ、該受け付けられた貨幣の金額が該貨幣の金額に相当する残度数に変換されて、該変換された残度数(ビジタ入金度数)がビジタカードR/W24によりビジタカード3に書き込まれて、ビジタカード発券中ランプ31が点灯状態となる。
【0053】
そして該書込が終了すると、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われて、ビジタカード3から読み出された残度数分のパチンコ玉が玉払出装置17から払い出されてビジタ玉貸処理が行われると共に、ビジタカード発券中ランプ31が点滅状態となる。即ちこのカードユニット20においては、会員カード2の受付中以外に貨幣が受け付けられると、該貨幣の金額に相当する数のパチンコ玉が一括して払い出される。
【0054】
そして該ビジタ玉貸処理が終了すると、遊技に使用された残度数(ビジタ消費度数)がビジタカード3から消去されると共に、ビジタカード発券中ランプ31が消灯状態となる。また図4(b)に示すように、制御部22のRAMにおいて、ビジタ入金度数及びビジタ消費度数が累積して記憶されると共に、該ビジタ入金度数,ビジタ消費度数,及びユニット番号を含むビジタ売上情報が管理装置40に対して送信される。
【0055】
管理装置40は、図1に示すように接続される通信部41,ハードディスク42,制御部43,ディスプレイ44,及びプリンタ45等を備えている。
【0056】
通信部41は、前述の如く台端末及び中継コンピュータを介してカードユニット20の管理装置用通信部21aと通信可能に接続されており、管理装置40とカードユニット20との間における通信を司るものである。この通信部41は、カードユニット20に対して制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の送信を要求する売上情報送信要求手段として機能するものであり、ここでは遊技場の閉店処理時に該送信を要求する。また通信部41は、カードユニット20に対して制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の消去を要求する売上情報消去要求手段として機能するものであり、ここでは後述する売上情報照合手段による照合結果が照合一致である場合に該消去を要求する。
【0057】
ハードディスク42は、図5(a)に示すように、カードユニット20に設けられる管理装置用通信部21aから送信されてきた会員売上情報をカードユニット20毎に記憶する会員売上情報記憶手段として機能するものであり、ここでは該会員売上情報を会員ID毎に記憶するものである。またハードディスク42は、図5(b)に示すように、カードユニット20に設けられる管理装置用通信部21aから送信されてきたビジタ売上情報をカードユニット20毎に記憶するビジタ売上情報記憶手段として機能するものである。なおハードディスク42には、図示しないが、会員カード2が使用可能であるか否かの情報が該会員カード2毎に記憶されている。
【0058】
制御部43は、CPU,RAM,及びROM等を備え、ハードディスク42に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、管理装置40に設けられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部43は、ディスプレイ44に表示させる表示内容の制御を行う表示制御手段として機能するものである。
【0059】
また制御部43は、前記会員売上情報送信手段として機能する管理装置用通信部21aから送信されてきた会員売上情報及び前記ビジタ売上情報送信手段として機能する管理装置用通信部21aから送信されてきたビジタ売上情報に基づいて、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報を更新する売上情報更新手段として機能するものである。
【0060】
具体的には、図5(a)に示すように、会員入金度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報がカードユニット20から送信されてきた場合に、該会員入金度数を該カードユニット20毎かつ会員ID毎に会員入金度数の欄に累積して更新すると共に、会員消費度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報がカードユニット20から送信されてきた場合に、該会員消費度数を該カードユニット20毎かつ会員ID毎に会員消費度数の欄に累積して更新し、該会員ID毎の入金度数及び消費度数の合計を更新する。
【0061】
また図5(b)に示すように、ビジタ入金度数,ビジタ消費度数,及びユニット番号を含むビジタ売上情報がカードユニット20から送信されてきた場合に、該ビジタ入金度数を該カードユニット20毎にビジタ入金度数の欄に累積して更新すると共に、該ビジタ消費度数を該カードユニット20毎にビジタ消費度数の欄に累積して更新する。
【0062】
また制御部43は、前記売上情報送信要求手段として機能する通信部41からの要求に応じて売上情報送信手段として機能する管理装置用通信部21aから送信されてきた会員売上情報及びビジタ売上情報と、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報とを照合する売上情報照合手段として機能するものである。即ちカードユニット20と管理装置40との間で通信障害が生じたりカードユニット20において不正が行われると、カードユニット20の制御部22に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報と、管理装置40のハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報が、それぞれ異なる(食い違う)場合が生ずるため、両者を照合することにより、照合一致又は照合不一致の判定を行うものである。
【0063】
具体的には、会員売上情報については、前記要求に応じて送信されてきた会員売上情報(図5(a’)を参照)と、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報(図5(a)を参照)とが照合される。この例では、ユニット番号が1番であるカードユニット20において、会員IDがM0018である会員カード2が使用された場合の会員入金度数,及び合計の会員入金度数がそれぞれ食い違っており、またユニット番号が3番であるカードユニット20において、会員IDがM0992である会員カード2が使用された場合の会員消費度数,及び合計の会員消費度数がそれぞれ食い違っているため、それらカードユニット20及び会員カード2については照合不一致と判定され、それ以外のカードユニット20及び会員カード2については照合一致と判定される。
【0064】
またビジタ売上情報については、前記要求に応じて送信されてきたビジタ売上情報(図5(b’)を参照)と、ハードディスク42に記憶されているビジタ売上情報(図5(b)を参照)とが照合される。この例では、ユニット番号が1番であるカードユニット20において、ビジタ入金度数及びビジタ入金度数が食い違っており、またユニット番号が4番であるカードユニット20において、ビジタ入金度数及びビジタ入金度数が食い違っているため、それらカードユニット20については照合不一致と判定され、それ以外のカードユニット20については照合一致と判定される。
【0065】
さらに制御部43は、前記売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した会員IDが記録されている会員カード2の使用を不可とする処理を行う使用不可処理手段として機能するものであり、具体的には、前記売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、ハードディスク42において会員カード2毎に記憶されている該会員カード2が使用可能であるか否かの情報が、「使用不能」と更新される。前記図5に示す例では、会員IDがM0018とM0992である会員カード2について使用不可処理が行われる。
【0066】
ディスプレイ44は各種の情報を表示するものであり、具体的には後述する図7に示すような画面を表示する。プリンタ45は各種の情報を印刷するものである。これらディスプレイ44及びプリンタ45は、前記売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨を出力すると共に、会員売上情報及びビジタ売上情報のそれぞれについて、前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきた会員売上情報及びビジタ売上情報と、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報との差を特定可能に出力し、該照合不一致が発生したカードユニット20を特定可能に出力する出力手段として機能するものであるが、その具体的な作用については後述する。
【0067】
次に、遊技用システム1の作用について、図6を参照して説明する。まず遊技場の営業中には、以下のような処理が行われる。まずカードユニット20において、価値加算処理が行われた場合には(S10)、図4(a)に示すように、前記価値加算手段として機能する制御部22により加算された残度数である会員入金度数が制御部22のRAMにおいて会員ID毎に累積して記憶され(S11)、該会員入金度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報がカードユニット20から管理装置40に対して送信され(S12)、該管理装置40において、前記売上情報更新手段として機能する制御部43により、図5(a)に示すように、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報の会員入金度数がカードユニット20毎かつ会員ID毎に更新される(S13)。
【0068】
またカードユニット20において、前述の如く会員玉貸処理が行われた場合には(S20)、図4(a)に示すように、前記第1の使用処理手段として機能する制御部22により遊技に使用された残度数である会員消費度数が制御部22のRAMにおいて会員ID毎に累積して記憶され(S21)、該会員消費度数,会員ID,及びユニット番号を含む会員売上情報がカードユニット20から管理装置40に対して送信され(S22)、該管理装置40において、前記売上情報更新手段として機能する制御部43により、図5(a)に示すように、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報の会員消費度数がカードユニット20毎かつ会員ID毎に更新される(S23)。このように、会員売上情報が会員ID毎に記憶されるので、異常があった会員カード2を迅速に把握して、異常の原因をより詳細に究明できる。
【0069】
さらにカードユニット20において、前述の如くビジタ玉貸処理が行われた場合には(S30)、図4(b)に示すように、前記第2の使用処理手段として機能する制御部22により変換された残度数であるビジタ入金金額,及び前記第2の使用処理手段として機能する制御部22により遊技に使用された残度数であるビジタ消費度数が制御部22のRAMにおいて累積して記憶され(S31)、該ビジタ入金度数,ビジタ消費度数,及びユニット番号を含むビジタ売上情報がカードユニット20から管理装置40に対して送信され(S32)、該管理装置40において、売上情報更新手段として機能する制御部43により、図5(b)に示すように、ハードディスク42に記憶されているビジタ売上情報のビジタ入金度数及びビジタ消費度数がカードユニット20毎に更新される(S33)。
【0070】
次に遊技場の閉店処理時には、管理装置40からカードユニット20に対して、制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の送信が要求され(S50)、カードユニット20から管理装置40に対して、該要求に応じて制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報が送信され(S51)、管理装置40において、売上情報照合手段として機能する制御部43により、カードユニット20から送信されてきた会員売上情報及びビジタ売上情報(図5(a’)及び図5(b’)を参照)と、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報(図5(a)及び図5(b)を参照)とが照合される(S52)。
【0071】
ここで前記照合結果が照合不一致である場合には、後述する図7に示すような画面がディスプレイ44に表示されると共に、使用不可処理手段として機能する制御部43により該照合不一致が発生した会員IDが記録されている会員カード2の使用を不可とする処理が行われる(S53)。このように、管理装置40において、照合不一致が発生した会員IDが記録されている会員カード2の使用を不可とする処理が行われるので、異常があった会員カード2が継続して使用されることによるトラブルを未然に防止できる。
【0072】
一方、前記照合結果が照合一致である場合には、管理装置40からカードユニット20に対して、制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の消去が要求され(S54)、該カードユニット20において、売上情報消去手段として機能する制御部22により、制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報が消去される。なお前記照合結果が照合不一致である場合にも、前記S53の処理が行われた後に、管理装置40からカードユニット20に対して、制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の消去が要求され、該カードユニット20において、売上情報消去手段として機能する制御部22により、制御部22のRAMに記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報が消去される。
【0073】
次に図7は、管理装置40のディスプレイ44に表示される画面の一例を表す図である。管理装置40では、前記図6に示すS53で、図7に示す照合不一致情報表示画面が表示される。この照合不一致情報表示画面では、照合不一致である旨が表示されて出力されると共に、会員売上情報とビジタ売上情報のそれぞれについて、要求に応じてカードユニット20から送信されてきた会員売上情報及びビジタ売上情報と、ハードディスク42に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報との差が表示されて出力され、また照合不一致が発生したカードユニット20のユニット番号が表示されて出力される。
【0074】
なお、この画面で、「前へ」ボタン,又は「次へ」ボタンが操作されると、該画面に表示されているカードユニット20の前後のカードユニット20の照合不一致情報が表示され、「印刷」ボタンが操作されると、プリンタ45により該画面に表示されている内容が印刷されて出力され、「メニュー」ボタンが操作されると、図示しないメニュー選択画面に戻る。
【0075】
このように、管理装置40において、照合不一致である旨が出力されると共に、会員売上情報とビジタ売上情報のそれぞれについて管理装置40の記憶内容とカードユニット20の記憶内容との差が出力されるので、該会員売上情報とビジタ売上情報のそれぞれについてどれだけのズレがあったかを迅速に把握して、異常の原因を究明できる。また管理装置40において、照合不一致が発生したカードユニット20を特定可能に出力されるので、異常があったカードユニット20を迅速に把握して、異常の原因を究明できる。
【0076】
以上に説明したように、本発明に係る遊技用システム1によれば、カードユニット20と管理装置40において会員売上情報とビジタ売上情報が別個に記憶され、管理装置40において該会員売上情報とビジタ売上情報とが別個に照合されることにより、該会員売上情報とビジタ売上情報のいずれに異常があったかを容易に特定することができるので、該会員売上情報とビジタ売上情報を正確に管理できる。
【0077】
以上に説明した実施形態と対応付けて本願の請求項に係る発明を説明すると、以下のとおりである。
【0078】
まず請求項1に係る発明は、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、会員登録をした遊技者を個々に特定可能な遊技者特定情報(会員ID)及び遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさ(残度数)を特定可能な情報が記録された会員用記録媒体(会員カード2)を受け付けて該会員用記録媒体の記録情報を読み出す読み出し手段(会員カードR/W23)と、貨幣(紙幣及び硬貨)を受け付ける貨幣受付手段(紙幣識別機25及び硬貨識別機26)と、前記会員用記録媒体の受付中に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値を前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさに対して加算するための価値加算処理を行う価値加算手段(制御部22)と、前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第1の使用処理(会員玉貸処理)を行う第1の使用処理手段(制御部22)と、前記会員用記録媒体の受付中以外に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を該所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値に変換し、該変換された前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第2の使用処理(ビジタ玉貸処理)を行う第2の使用処理手段(制御部22)と、を有する遊技用装置(カードユニット20)と、該遊技用装置と通信可能であり、前記遊技用装置を管理する管理装置(40)と、を備える遊技用システム(1)であって、前記遊技用装置は、前記価値加算処理により加算された遊技用有価価値の大きさ(会員入金度数)及び/又は前記第1の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(会員消費度数)を含む会員売上情報と、当該価値加算処理及び/又は第1の使用処理に供された会員用記録媒体の遊技者特定情報とを、所定のタイミングで前記管理装置に対して送信する会員売上情報送信手段(管理装置用通信部21a)と、前記第2の使用処理により変換された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ入金度数)及び/又は前記第2の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ消費度数)を含むビジタ売上情報を所定のタイミングで前記管理装置に対して送信するビジタ売上情報送信手段(管理装置用通信部21a)と、前記会員売上情報を前記遊技者特定情報毎に累積して記憶する会員売上情報累積記憶手段(制御部22)と、前記ビジタ売上情報を累積して記憶するビジタ売上情報累積記憶手段(制御部22)と、前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を該管理装置に対して送信する売上情報送信手段(管理装置用通信部21a)と、前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を消去する売上情報消去手段(制御部22)と、を有し、前記管理装置は、前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の送信を要求する売上情報送信要求手段(通信部41)と、前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の消去を要求する売上情報消去要求手段(通信部41)と、前記会員売上情報を前記遊技用装置毎かつ前記遊技者特定情報毎に記憶する会員売上情報記憶手段(ハードディスク42)と、前記ビジタ売上情報を前記遊技用装置毎に記憶するビジタ売上情報記憶手段(ハードディスク42)と、前記会員売上情報送信手段から送信されてきた遊技者特定情報及び会員売上情報に基づいて、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている当該遊技者特定情報の会員売上情報を更新する会員売上情報更新手段(制御部43)と、前記ビジタ売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報に基づいて、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報を更新するビジタ売上情報更新手段(制御部43)と、前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきた各遊技者特定情報の会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている各遊技者特定情報の会員売上情報とを、遊技者特定情報毎に照合する会員売上情報照合手段(制御部43)と、前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報とを照合するビジタ売上情報照合手段(制御部43)と、を有し、前記売上情報消去要求手段は、前記会員売上情報照合手段及びビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合一致である場合に、前記消去を要求することを特徴とする遊技用システムである。
【0079】
また請求項2に係る発明は、請求項1に記載した遊技用システムであって、前記管理装置は、前記会員売上情報照合手段(制御部43)による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段(管理装置用通信部21a)から送信されてきた会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段(ハードディスク42)に記憶されている会員売上情報との差を特定可能な情報を出力し、前記ビジタ売上情報照合手段(制御部43)による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段(ハードディスク42)に記憶されているビジタ売上情報との差を特定可能な情報を出力する情報出力手段(ディスプレイ44及びプリンタ45)をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0080】
また請求項3に係る発明は、請求項2に記載した遊技用システム(1)であって、前記情報出力手段(ディスプレイ44及びプリンタ45)は、前記会員売上情報照合手段(制御部43)又はビジタ売上情報照合手段(制御部43)による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技用装置(カードユニット20)を特定可能な情報(ユニット番号)を出力することを特徴とする遊技用システムである。
【0082】
さらに請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システム(1)であって、前記管理装置(40)は、前記会員売上情報照合手段(制御部43)による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技者特定情報(会員ID)が記録されている前記会員用記録媒体(会員カード2)の使用を不可とする処理を行う使用不可処理手段(制御部43)をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0083】
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0084】
上記の実施形態では、遊技機が、いわゆるCR式のパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば指触不能に封入されたパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれ、該パチンコ玉の入賞に応じて所定数の遊技媒体である得点が付与される封入式のパチンコ機や、画像にて表示されたパチンコ玉が画像にて表示された遊技領域に打ち込まれ、該パチンコ玉の入賞に応じて所定数の遊技媒体である得点が付与される画像式のパチンコ機であっても良い。さらに遊技機は、メダルを使用して遊技を行うスロットマシンや、クレジットを使用して遊技を行うクレジット式のスロットマシンでも良い。
【0085】
上記の実施形態では、遊技用有価価値の大きさ(残度数)を遊技機での遊技に使用させるための処理が、パチンコ機10での遊技に使用可能なパチンコ玉を貸与する玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該遊技用有価価値の大きさを遊技機での遊技に使用させるための処理は、例えば封入式のパチンコ機での遊技に使用可能な得点を付与する処理でも良く、またスロットマシンでの遊技に使用可能なメダルを貸与する処理でも良く、さらにクレジット式のスロットマシンでの遊技に使用可能なクレジットを加算する処理でも良い。
【0086】
上記の実施形態では、会員用記録媒体(会員カード2)及びビジタ用記録媒体(ビジタカード3)がカード状のものである例について説明したが、これに限らず、該記録媒体は、コイン状のものでも良い。また該記録媒体は非接触式のICカードには限られず、密着式のICカード,接触式のICカード,又は磁気カード等でも良い。
【0087】
上記の実施形態では、会員用記録媒体(会員カード2)に、遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報として残度数自体が記録されている例について説明したが、これに限らず、該会員用記録媒体には残度数自体は記録されておらず、該会員用記録媒体から読み出された遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報を管理装置40に照会することにより、残度数が特定されるものでも良い。
【0088】
上記の実施形態では、紙幣識別機25により識別された紙幣が紙幣搬送機構により搬送され、硬貨識別機26により搬送された硬貨が硬貨搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該識別された紙幣及び/又は硬貨は、遊技用装置(カードユニット20)の内部に貯留されるようにしても良い。
【0089】
上記の実施形態では、会員用記録媒体(会員カード2)から読み出された記録情報により特定される遊技用有価価値の大きさ(残度数)がゼロであるときに価値加算処理が可能である例について説明したが、これに限らず、該価値加算処理は、会員用記録媒体から読み出された記録情報から特定される遊技用有価価値の大きさが所定の大きさ以下(例えば10度数以下)となったときに可能なようにしても良く、またかかる制限無しにいつでも可能なようにしても良い。
【0090】
上記の実施形態では、価値加算処理において、受け付けた貨幣の金額(即ち全額)に相当する遊技用有価価値の大きさ(残度数)が加算される例について説明したが、これに限らず、受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を遊技者が選択可能に構成し、該選択された所定の金額に相当する遊技用有価価値の大きさが加算され、「受け付けた貨幣の金額−選択された所定の金額」の式で算出される釣銭が払い出されるようにしても良い。具体的には、5000円紙幣を受け付けた場合において、3000円分の価値加算が選択された場合には、該選択された3000円分の遊技用有価価値の大きさが加算され、2000円の釣銭が払い出される。
【0091】
上記の実施形態では、第2の使用処理において、受け付けた貨幣の金額(即ち全額)に相当する遊技用有価価値の大きさ(残度数)を特定可能な情報が記録されたビジタカード3が発券される例について説明したが、これに限らず、受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を遊技者が選択可能に構成し、該選択された所定の金額に相当する遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録されたビジタカード3が発券され、「受け付けた貨幣の金額−選択された所定の金額」の式で算出される釣銭が払い出されるようにしても良い。具体的には、1000円紙幣を受け付けた場合において、500円分の発券が選択された場合には、該選択された500円分の遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録されたビジタカード3が発券され、500円の釣銭が払い出される。
【0092】
上記の実施形態では、第2の使用処理において、ビジタカード3から読み出された記録情報から特定される遊技用有価価値の大きさ(即ち全度数)に相当するパチンコ玉を払い出す例について説明したが、これに限らず、ビジタカード3から読み出された記録情報から特定される遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の遊技用有価価値の大きさに相当するパチンコ玉を払い出すようにしても良い。即ち全度数に相当するパチンコ玉を一括して貸し出すのではなく、一部の度数に相当するパチンコ玉を貸し出すものでも良い。
【0093】
上記の実施形態では、第2の使用処理において、変換された遊技用有価価値の大きさ(残度数)を特定可能な情報が記録されたビジタカード3が発券される例について説明したが、これに限らず、該ビジタカード3を発券せずに、変換された遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの遊技用有価価値を対応する遊技機(パチンコ機10)での遊技に使用させるための処理を行うものでも良い。
【0094】
上記の実施形態では、ビジタカード3が指触不能かつ移動不能なように遊技用装置(カードユニット20)の内部に封入されている例について説明したが、これに限らず、該ビジタカード3は、遊技用装置の内部から排出されて指触可能なものでも良く、また遊技用装置の内部に封入されているが例えば前後方向に移動可能なものでも良い。
【0095】
上記の実施形態では、図4及び図5に示すように、会員売上情報及びビジタ売上情報が度数により管理される例について説明したが、これに限らず、該会員売上情報及びビジタ売上情報は金額により管理されるようにしても良い。
【0096】
上記の実施形態では、図6に示すように、遊技用装置(カードユニット20)から管理装置40に対して、価値加算処理が行われる毎に加算された遊技用有価価値の大きさ(会員入金度数)を含む会員売上情報が送信され(S12)、第1の使用処理(会員玉貸処理)が行われる毎に遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(会員消費度数)を含む会員売上情報が送信され(S22)、第2の使用処理(ビジタ玉貸処理)が行われる毎に変換された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ入金度数)及び遊技に使用された遊技用有価価値の大きさ(ビジタ消費度数)を含むビジタ売上情報が送信される(S32)例について説明したが、これに限らず、該会員売上情報及びビジタ売上情報を遊技用装置において一時的に記憶しておき、該一時的に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報を所定のタイミング(例えば30分毎、1時間毎等)で遊技用装置から管理装置40に対して送信するようにしても良い。
【0097】
上記の実施形態では、図6に示すように、管理装置40から遊技用装置(カードユニット20)に対して、遊技場の閉店処理時に遊技用装置に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の送信が要求される(S50)例について説明したが、これに限らず、例えば遊技場の開店処理時や一定時間毎等の任意のタイミングで前記送信が要求されるようにしても良い。
【0098】
上記の実施形態では、売上情報照合手段(制御部43)による照合結果が照合不一致である場合に、管理装置40から遊技用装置(カードユニット20)に対して、会員売上情報累積記憶手段及びビジタ売上情報累積記憶手段(制御部22のRAM)に記憶されている会員売上情報及びビジタ売上情報の消去が要求され、遊技用装置において、該会員売上情報及びビジタ売上情報が消去される例について説明したが、これに限らず、売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、遊技場の店員の操作により、前記会員売上情報及びビジタ売上情報が消去されるようにしても良い。
【0099】
【発明の効果】
本発明に係る遊技用システムによれば、以下のような効果を奏する。
【0100】
まず請求項1に係る遊技用システムによれば、遊技用装置と管理装置において会員売上情報とビジタ売上情報が別個に記憶され、管理装置において該会員売上情報とビジタ売上情報とが各遊技用装置について別個に照合されることにより、該会員売上情報とビジタ売上情報のいずれに異常があったかを容易に特定することができるので、該会員売上情報とビジタ売上情報を正確に管理できると共に、会員売上情報については、遊技用装置において遊技者特定情報毎に累積して記憶され、かつ管理装置においても遊技者特定情報毎に累積して記憶されて、両者で記憶されている会員売上情報が各遊技用装置について遊技者特定情報毎に照合されることにより、会員売上情報に異常があった場合に、どの遊技者特定情報に対応する会員売上情報に異常があったかを容易に特定することができるので、異常があった会員用記録媒体を迅速に把握して、異常の原因をより詳細に究明できる。
【0101】
また請求項2に係る遊技用システムによれば、管理装置において、照合不一致である旨の情報が出力されると共に、会員売上情報とビジタ売上情報のそれぞれについて管理装置の記憶内容と遊技用装置の記憶内容との差を特定可能な情報が出力されるので、該会員売上情報とビジタ売上情報のそれぞれについてどれだけのズレがあったかを迅速に把握して、異常の原因を究明できる。
【0102】
また請求項3に係る遊技用システムによれば、管理装置において、照合不一致が発生した遊技用装置を特定可能な情報が出力されるので、異常があった遊技用装置を迅速に把握して、異常の原因を究明できる。
【0104】
さらに請求項に係る遊技用システムによれば、管理装置において、照合不一致が発生した遊技者特定情報が記録されている会員用記録媒体の使用を不可とする処理が行われるので、異常があった会員用記録媒体が継続して使用されることによるトラブルを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)はパチンコ機及びカードユニットの一例を表す正面図であり、図2(b)は該カードユニットの右側面図であり、図2(c)は図2(a)のX−X線断面図である。
【図3】図3はパチンコ機及びカードユニットの一例を表す機能ブロック図である。
【図4】図4(a)は会員売上情報累積記憶手段として機能するカードユニットの制御部に記憶されている会員売上情報の一例を表す図であり、図4(b)はビジタ売上情報累積記憶手段として機能するカードユニットの制御部に記憶されているビジタ売上情報の一例を表す図である。
【図5】図5(a)は会員売上情報記憶手段として機能する管理装置のハードディスクに記憶されている会員売上情報の一例を表す図であり、図5(a’)は要求に応じてカードユニットから送信されてきた会員売上情報の一例を表す図であり、図5(b)はビジタ売上情報記憶手段として機能する管理装置のハードディスクに記憶されているビジタ売上情報の一例を表す図であり、図5(b’)は要求に応じてカードユニットから送信されてきたビジタ売上情報の一例を表す図である。
【図6】図6は遊技用システムの作用の一例を表す図である。
【図7】図7は管理装置のディスプレイに表示される画面の一例を表す図である。
【符号の説明】
1…遊技用システム
2…会員カード
10…パチンコ機
20…カードユニット
21a…管理装置用通信部
22…制御部
23…会員カードR/W
25…紙幣識別機
26…硬貨識別機
40…管理装置
41…通信部
42…ハードディスク
43…制御部
44…ディスプレイ
45…プリンタ

Claims (4)

  1. 遊技機に対応して設けられ、
    会員登録をした遊技者を個々に特定可能な遊技者特定情報及び遊技に使用可能な遊技用有価価値の大きさを特定可能な情報が記録された会員用記録媒体を受け付けて該会員用記録媒体の記録情報を読み出す読み出し手段と、
    貨幣を受け付ける貨幣受付手段と、
    前記会員用記録媒体の受付中に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値を前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさに対して加算するための価値加算処理を行う価値加算手段と、
    前記受付中の会員用記録媒体から読み出された記録情報により特定される前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第1の使用処理を行う第1の使用処理手段と、
    前記会員用記録媒体の受付中以外に貨幣を受け付けたときに、該受け付けた貨幣の金額の範囲内における所定の金額を該所定の金額に相当する大きさの前記遊技用有価価値に変換し、該変換された前記遊技用有価価値の大きさの範囲内における所定の大きさの前記遊技用有価価値を前記対応する遊技機での遊技に使用させるための第2の使用処理を行う第2の使用処理手段と、を有する遊技用装置と、
    該遊技用装置と通信可能であり、前記遊技用装置を管理する管理装置と、
    を備える遊技用システムであって、
    前記遊技用装置は、
    前記価値加算処理により加算された遊技用有価価値の大きさ及び/又は前記第1の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさを含む会員売上情報と、当該価値加算処理及び/又は第1の使用処理に供された会員用記録媒体の遊技者特定情報とを、所定のタイミングで前記管理装置に対して送信する会員売上情報送信手段と、
    前記第2の使用処理により変換された遊技用有価価値の大きさ及び/又は前記第2の使用処理により遊技に使用された遊技用有価価値の大きさを含むビジタ売上情報を所定のタイミングで前記管理装置に対して送信するビジタ売上情報送信手段と、
    前記会員売上情報を前記遊技者特定情報毎に累積して記憶する会員売上情報累積記憶手段と、
    前記ビジタ売上情報を累積して記憶するビジタ売上情報累積記憶手段と、
    前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を該管理装置に対して送信する売上情報送信手段と、
    前記管理装置からの要求に応じて、前記会員売上情報累積記憶手段に累積して記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に累積して記憶されているビジタ売上情報を消去する売上情報消去手段と、を有し、
    前記管理装置は、
    前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている前記遊技者特定情報毎の会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の送信を要求する売上情報送信要求手段と、
    前記遊技用装置に対して前記会員売上情報累積記憶手段に記憶されている会員売上情報及び前記ビジタ売上情報累積記憶手段に記憶されているビジタ売上情報の消去を要求する売上情報消去要求手段と、
    前記会員売上情報を前記遊技用装置毎かつ前記遊技者特定情報毎に記憶する会員売上情報記憶手段と、
    前記ビジタ売上情報を前記遊技用装置毎に記憶するビジタ売上情報記憶手段と、
    前記会員売上情報送信手段から送信されてきた遊技者特定情報及び会員売上情報に基づいて、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている当該遊技 者特定情報の会員売上情報を更新する会員売上情報更新手段と、
    前記ビジタ売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報に基づいて、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報を更新するビジタ売上情報更新手段と、
    前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきた各遊技者特定情報の会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されている各遊技者特定情報の会員売上情報とを、遊技者特定情報毎に照合する会員売上情報照合手段と、
    前記売上情報送信要求手段からの要求に応じて前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段で送信元の遊技用装置について記憶されているビジタ売上情報とを照合するビジタ売上情報照合手段と、を有し、
    前記売上情報消去要求手段は、前記会員売上情報照合手段及びビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合一致である場合に、前記消去を要求することを特徴とする遊技用システム。
  2. 請求項1に記載した遊技用システムであって、
    前記管理装置は、前記会員売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段から送信されてきた会員売上情報と、前記会員売上情報記憶手段に記憶されている会員売上情報との差を特定可能な情報を出力し、前記ビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致である旨の情報を出力すると共に、前記売上情報送信手段から送信されてきたビジタ売上情報と、前記ビジタ売上情報記憶手段に記憶されているビジタ売上情報との差を特定可能な情報を出力する情報出力手段をさらに有することを特徴とする遊技用システム。
  3. 請求項2に記載した遊技用システムであって、
    前記情報出力手段は、前記会員売上情報照合手段又はビジタ売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技用装置を特定可能な情報を出力することを特徴とする遊技用システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
    前記管理装置は、前記会員売上情報照合手段による照合結果が照合不一致である場合に、該照合不一致が発生した前記遊技者特定情報が記録されている前記会員用記録媒体の使用を不可とする処理を行う使用不可処理手段をさらに有することを特徴とする遊技用システム。
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