以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図1に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)を貸与するための貸与要求処理を行う遊技用装置(カードユニット20)と、該遊技用装置に対応して設けられ、前記貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行う遊技機(パチンコ機10)と、を遊技場内に備える遊技用システム1であって、特に遊技場の不正による貸与数の間引きを防止するためのものである。
以下においては、遊技機がパチンコ機10であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、該パチンコ玉の貸与にあたり消費税額が徴収され、消費税率が5%であり、パチンコ玉の税抜き貸与単価が4円(いわゆる4円貸し)であり、従ってパチンコ玉の税込み貸与単価が4.2円であり、1回の貸与で使用される単位有価価値が5度数500円であり、従って単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数が500円÷4.2円/個=119.04…の小数点以下を切り上げた120個である例について説明する。ここで小数点以下を切り上げるのは、120個×4.2円/個−500円=4円を遊技場が負担することとして、遊技者に損をさせないためである。また度数は、後述するカード残額を最小の単位有価価値である100円で除算した商である。なお消費税率,税抜き貸与単価,及び単位有価価値は、全てのカードユニット20について同一であるものとする。
ここで本発明には、図1〜図6に示す第1実施形態と、図7及び図8に示す第2実施形態とが含まれ、各々が以下の特徴を有する。まず第1実施形態では、遊技場以外の第三者機関(例えばカード会社)が管理するセンタサーバ5において、消費税率(ここでは5%)が設定され、該設定された消費税率が、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ4において記憶されると共に、全てのカードユニット20においてユニット制御部22のEEPROMで記憶される(図3のS113)。一方、第2実施形態では、前記センタサーバ5において、1回の貸与で使用される単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数(ここでは120個)が設定され、該設定された貸与数が、前記貸与数特定データとして、システムコントローラ4において記憶されると共に、全てのカードユニット20においてユニット制御部22のEEPROMで記憶される(図8のS113)。
そして本発明に係る遊技用システム1は、遊技場の不正による貸与数の間引きを防止するために、図1に示すように、カードユニット20が、パチンコ機10の製造元を特定可能な製造元IDを受信して記憶し(S106,S107)、図6に示すように、S113で記憶した貸与数特定データから特定される貸与数を示す貸与数データを、S107で記憶した製造元IDに対応する暗号化鍵で暗号化して(S203)、パチンコ機10に対して送信し(S204)、該パチンコ機10が、受信した貸与数データを、当該パチンコ機10の製造元IDに対応する復号化鍵で復号化して(S205)、該復号化した貸与数データが示す貸与数分のパチンコ玉を払い出して貸与する(S207)ことを特徴とするものである。なお暗号化及び復号化は、共通鍵暗号や公開鍵暗号等の公知の技術を用いて行われる。
そして第1実施形態では、図1に示すように、システムコントローラ4が、複数の製造元IDの各々に対応する複数の暗号化鍵及び復号化鍵を記憶しており、図3に示すように、カードユニット20は、S107で記憶した製造元IDに対応する暗号化鍵及び復号化鍵を、システムコントローラ4から受信して(S112)、該暗号化鍵を記憶すると共に(S117)、該復号化鍵をパチンコ機10に送信し(S118)、パチンコ機10は、該復号化鍵を記憶する(S119)。そして図6に示すように、カードユニット20は、S117で記憶した暗号化鍵で貸与数データを暗号化して(S203)、該暗号化した貸与数データをパチンコ機10に送信し(S204)、パチンコ機10は、S119で記憶した復号化鍵で該貸与数データを復号化する(S205)。一方、第2実施形態では、図7に示すように、カードユニット20が、複数の製造元IDの各々に対応する複数の暗号化鍵を記憶していると共に、パチンコ機10が、当該パチンコ機10の製造元IDに対応する復号化鍵を記憶している。そして図8に示すように、カードユニット20は、S107で記憶した製造元IDに対応する暗号化鍵を、前記記憶している複数の暗号化鍵の中から選択し(S202’)、該選択した暗号化鍵で貸与数データを暗号化して(S203’)、該暗号化した貸与数データをパチンコ機10に送信し(S204)、パチンコ機10は、前記記憶している復号化鍵で該貸与数データを復号化する(S205)。
以下においては、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、最後に変形例について説明する。また、以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップを「S」と略記する。
[1.第1実施形態]
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の構成について説明する。この遊技用システム1では、図1に示すように、遊技場内において、遊技島に設置され、複数のパチンコ機10及び各パチンコ機10に対応付けられている複数のカードユニット20と、ユニットストッカ30内にストックされ、パチンコ機10に対応付けられていない複数の予備のカードユニット20’と、第三者機関が管理し、各カードユニット20及び予備の各カードユニット20’と通信可能なシステムコントローラ4とが設けられており、また遊技場外において、第三者機関が管理し、システムコントローラ4と通信可能なセンタサーバ5が設けられている。また遊技用システム1では、紙幣2,プリペイドカード3が使用される。
紙幣2は貨幣の一例であって、ここでは図2(b)に示すように、1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類の紙幣が使用可能である。この紙幣2は、カードユニット20においてプリペイドカード3が受け付けられているときにのみ受付可能(即ち入金可能)とされ、カードユニット20においてプリペイドカード3が受け付けられていないときには受付不能(即ち入金不能)である。
プリペイドカード3は遊技用記録媒体の一例であって、パチンコ玉の貸与に使用可能なカード残額を特定するための情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、該プリペイドカード3を個々に識別可能なカードIDと、当該カード残額とが記録される。このプリペイドカード3は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードID及びカード残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路(ICチップ)を搭載したICカードである。このプリペイドカード3は、図示しないカード販売機において、紙幣2が受け付けられてカード発行処理が行われると、システムコントローラ4の残額管理DBにおいて、発行されるプリペイドカード3のカードIDに対応付けて、該受け付けられた紙幣2の金額がカード残額として記憶された後、該カードIDのプリペイドカード3に該カード残額が記録されて発行される。
センタサーバ5は、貸与数を算出するための所定の掛数である消費税率を設定する消費税率設定手段として機能するディスプレイ及び入力装置を備えているコンピュータである。このセンタサーバ5において、消費税率設定処理が実行されると、図示のような消費税率設定画面がディスプレイに表示される。この消費税率設定画面において、入力装置の操作により、消費税率(ここでは5%)を入力し、「設定」ボタンを操作すると、該入力された内容で消費税率が設定される。
そして該設定された消費税率は、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ4に対して送信されて記憶され、さらにカードユニット20又は予備のカードユニット20’からの要求に応じて該カードユニット20及び予備のカードユニット20’に対して送信されて記憶される(図3又は図4のS109,S111)。
システムコントローラ4は管理装置の一例であって、残額管理DB及び鍵管理DBを備えているコンピュータである。残額管理DBでは、各プリペイドカード3のカードIDに対応付けて、各プリペイドカード3に記録されているカード残額が記憶されて管理されている。この残額管理DBの管理内容は、後述する貸与要求処理が行われたカードユニット20から、カードID及び貸与に使用された使用額を含む減算要求(図6のS210)が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているカード残額から、該使用額が減算更新される。また残額管理DBの管理内容は、後述する入金処理が行われたカードユニット20から、カードID及び入金額を含む入金要求が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているカード残額に対して、該入金額が加算更新される。鍵管理DBでは、パチンコ機10の製造元を特定可能な製造元ID(ここではA〜C)の各々に対応付けて、暗号化鍵と復号化鍵とが管理されている。この暗号化鍵と復号化鍵は、定期的に更新される。
次に、遊技用システム1の構成要素であるパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、カードユニット20に対応して(ここではカードユニット20の右側に隣接して)設けられ、該カードユニット20が行う貸与要求処理に応じてパチンコ玉を貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に配置された遊技島(図示外)において該パチンコ機10の機種等に従って設置されており、前記貸与されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技が行われる。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,貸与ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の貸与通信部23と接続されており、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、図3に示す電源投入時や、図6に示す貸与操作の受付時に、カードユニット20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。この払出制御基板12は、演算処理を行うCPU,揮発性で書換可能な記憶手段であるRAM,不揮発性で書換不能な記憶手段であるROM,及び不揮発性で書換可能な記憶手段であるEEPROM等を備えている。ここでROMは、当該パチンコ機10の製造元を特定可能な製造元IDを、遊技機に割り当てられた識別情報である遊技機特定情報として記憶している。玉払出装置13は、貸与が行われて遊技者に貸し出されるパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器14は、対応するカードユニット20のカードR/W24にて受け付けているプリペイドカード3に記録されているカード残額から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは3桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、図1に示すように、貸与通信部23との間に図示しないLED駆動回路を介して設けられている度数表示信号線を介して、該貸与通信部23から残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、前述の如く、「カード残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。
貸与ボタン15は、対応するカードユニット20のカードR/W24にて受け付けているプリペイドカード3に記録されているカード残額を使用した貸与を行うための貸与操作を受け付けるボタンである。図1に示すように、貸与ボタン15が操作されたことにより、貸与通信部23との間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該貸与通信部23に貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、ユニット制御部22が貸与ボタン15が操作された旨を認識する。
カード返却ボタン16は、対応するカードユニット20のカードR/W24にて受け付けているプリペイドカード3を返却するための返却操作を受け付けるものである。図1に示すように、カード返却ボタン16が操作されたことにより、貸与通信部23との間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該貸与通信部23に返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、ユニット制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識し、カードR/W24に対してプリペイドカード3の排出指令を出力する。この排出指令が入力されたカードR/W24では、カード挿入口24aから挿入されたプリペイドカード3を内部に取り込む搬送機構が逆方向に回転されることにより、内部に取り込まれているプリペイドカード3がカード挿入口24aから排出されて返却される。
上記の残度数表示器14,貸与ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、カードユニット20と接続されているので、遊技用装置である該カードユニット20に属するものでもある。
次に、遊技用システム1の構成要素であるカードユニット20について説明する。カードユニット20は遊技用装置の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、パチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、パチンコ玉を貸与するための貸与要求処理を行うものである。
このカードユニット20は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ26,紙幣挿入口25a,及びカード挿入口24a等を備え、図1及び図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,システムコントローラ用通信部21,ユニット制御部22,貸与通信部23,及びカードR/W24等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なお、各カードユニット20は、ユニットIDによって個々に識別可能とされている。
システムコントローラ用通信部21は、システムコントローラ4と通信可能に接続されており、カードユニット20とシステムコントローラ4との間における通信を司るものである。このシステムコントローラ用通信部21は、カードユニット20の電源が投入されたときに、図3のS109に示すように、システムコントローラ4で記憶している消費税率(ここでは5%)を示す前記貸与数特定データの送信要求を該システムコントローラ4に対して送信するものである。またシステムコントローラ用通信部21は貸与数特定データ受信手段の一例であって、図3のS111に示すように、システムコントローラ4から前記貸与数特定データ(ここでは消費税率5%)を受信するものである。
ユニット制御部22は、演算処理を行うCPU,揮発性で書換可能な記憶手段であるRAM,不揮発性で書換不能な記憶手段であるROM,及び不揮発性で書換可能な記憶手段であるEEPROM等を備えており、ROM(あるいはEEPROM)に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ここでEEPROMは貸与数特定データ記憶手段の一例であって、前記貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データ(ここでは消費税率5%)を記憶するものである。またEEPROMは、前記税抜き貸与単価(ここでは4円)及び前記単位有価価値(ここでは5度数500円)や、前記ユニットIDを記憶するものでもある。
貸与通信部23は、パチンコ機10の払出制御基板12と接続されており、カードユニット20とパチンコ機10との間における通信を司るものである。この貸与通信部23と払出制御基板12との間には、接続確認信号線,払出可能信号線,製造元ID信号線,復号化鍵信号線,貸与数データ信号線,及び貸与完了信号線が設けられている。
接続確認信号線は、図3又は図4のS103に示すように、カードユニット20とパチンコ機10との接続確認を行うための信号線である。この接続確認信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、カードユニット20からパチンコ機10の発射制御基板(図示外)に対して電源が供給されて、パチンコ機10において発射ハンドルの操作が可能となる。
払出可能信号線は、図3又は図4のS104に示すように、パチンコ機10からカードユニット20に対して、該パチンコ機10とカードユニット20との間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。
製造元ID信号線は、図3又は図4のS105に示すように、カードユニット20からパチンコ機10に対して、当該パチンコ機10が記憶している遊技機特定情報である製造元IDの送信を要求し、同S106に示すように、パチンコ機10からカードユニット20に対して、該製造元IDを送信する信号線である。
復号化鍵信号線は、図3又は図4のS118や図5(b)のS136に示すように、カードユニット20からパチンコ機10に対して、当該カードユニット20がシステムコントローラ4から受信した復号化鍵を送信する信号線である。
貸与数データ信号線は、図6のS204に示すように、パチンコ機10からカードユニット20に対して、図3又は図4のS116で算出して記憶している貸与数を示し図6のS203で暗号化鍵により暗号化された貸与数データを送信する信号線である。
貸与完了信号線は、図6のS208に示すように、パチンコ機10からカードユニット20に対して、貸与応答処理が完了した旨を示す貸与完了信号を送信する信号線である。
カードR/W24は、カード挿入口24aから挿入されたプリペイドカード3を受け付けて、該受け付けたプリペイドカード3に記録されているカードID及びカード残額を読み取るものである。このカードR/W24によりプリペイドカード3が受け付けられると、システムコントローラ用通信部21は、ユニット制御部22の制御により、受付中のプリペイドカード3から読み取ったカードID及びカード残額を含むカード照合要求をシステムコントローラ4に対して送信する。該カード照合要求を受信したシステムコントローラ4は、該カード照合要求に含まれるカードIDに対応付けて残額管理DBで記憶されているカード残額と該カード照合要求に含まれるカード残額とが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合には、照合OKの照合結果情報をカードユニット20に対して返信し、一致しないと判定された場合には、照合NGの照合結果情報をカードユニット20に対して返信する。そしてカードユニット20は、照合OKの照合結果情報を受信した場合には、貸与操作を受付可能となり、照合NGの照合結果情報を受信した場合には、受け付けているプリペイドカード3を排出する。
紙幣識別機25は、カードR/W24によりプリペイドカード3を受け付けている状態で、紙幣挿入口25aから挿入された紙幣2を受け付けて、該受け付けた紙幣2が前記4種類の紙幣のうちのいずれの紙幣であるかを識別する(いずれの紙幣でもなければ正規の紙幣ではないと識別する)ものである。この識別により、受け付けた紙幣が正規の紙幣2であれば、該紙幣2の金額を入金額としてユニット制御部22に出力し、システムコントローラ用通信部21は、該ユニット制御部22の制御により、受付中のプリペイドカード3から読み取ったカードID及び該入金額を含む入金要求をシステムコントローラ用通信部21に対して送信する。該入金要求を受信したシステムコントローラ4は、前述の如く、該入金要求に含まれるカードIDに対応付けて残額管理DBで記憶されているカード残額に対して該入金要求に含まれる入金額を加算更新する。なお識別が完了した正規の紙幣2は、紙幣通路25bを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。一方、カードR/W24によりプリペイドカード3を受け付けていない状態で紙幣2が挿入された場合や、受け付けた正規の紙幣ではないと識別した場合には、該紙幣2を紙幣挿入口25aから返却する。
多機能ランプ26は、各種の態様で点灯や点滅することにより、当該カードユニット20や対応するパチンコ機10の状態を報知するものである。
図1に示すユニットストッカ30にストックされている予備のカードユニット20’は、パチンコ機10に対応付けられていない点を除き、カードユニット20と同様の構成を有するものである。
次に、図3〜図6を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の作用を説明する。
図3は、カードユニット20及びパチンコ機10において電源が投入された際の電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット20において電源が投入されると共に(S101)、パチンコ機10において電源が投入されると(S102)、接続確認信号線を介して、カードユニット20とパチンコ機10との間で接続確認を行い(S103)、該接続確認が行われると、払出確認信号線を介して、パチンコ機10からカードユニット20に対して払出確認信号を送信する(S104)。
次にカードユニット20は、パチンコ機10との間における通信が確立されたこと、即ちS104の払出確認信号を受信したことに基づいて、製造元ID信号線を介して、パチンコ機10に対して製造元IDの送信を要求し(S105)、該パチンコ機10は、遊技機特定情報送信手段として機能する払出制御基板12により、製造元ID信号線を介して、払出制御基板12のROMで記憶している製造元IDをカードユニット20に対して送信し(S106)、該カードユニット20は、遊技機特定情報受信手段として機能する貸与通信部23により、該製造元IDをパチンコ機10から受信して、ユニット制御部22のEEPROMにより、該受信した製造元IDを記憶する(S107)。これによれば、カードユニット20において、対応するパチンコ機10との間における通信が確立されたことに基づいて製造元IDの送信が要求されるので、パチンコ機10の交換等が行われても、正しい製造元IDに更新することができる。
S107の処理を行ったカードユニット20は、システムコントローラ4との間における通信が確立しているか否かを判定し(S108)、該通信が確立している(YES)と判定された場合には、システムコントローラ4に対して貸与数特定データの送信を要求すると共に(S109)、システムコントローラ4に対してS107で記憶した製造元IDに対応する暗号化鍵及び復号化鍵の送信を要求する(S110)。即ちS109の処理を行うカードユニット20は、システムコントローラ4との間における通信が確立されたことに基づいて、該システムコントローラ4に対して貸与数特定データの送信を要求するものであり、これによれば、例えばカードユニット20を遊技島から取り外した通信不能状態で不正が行われるような場合であっても、該カードユニット20が遊技島に設置されて通信可能状態となったときにシステムコントローラ4から貸与数特定データを取得することができる。
S109及びS110の送信要求を受信したシステムコントローラ4は、センタサーバ5から送信されてきて記憶している消費税率(ここでは5%)を所定の掛数として示す貸与数特定データをカードユニット20に対して送信すると共に(S111)、S110で送信されてきた製造元IDに対応する暗号化鍵及び復号化鍵をカードユニット20に対して送信し(S112)、該カードユニット20は、前記貸与数特定データ受信手段として機能するシステムコントローラ用通信部21により、システムコントローラ4から送信されてくる貸与数特定データを受信すると共に、鍵受信手段として機能するシステムコントローラ用通信部21により、システムコントローラ4から送信されてくる暗号化鍵及び復号化鍵(即ちS106で受信した製造元IDに対応する暗号化鍵及び復号化鍵)を受信する。
S111の貸与数特定データを受信したカードユニット20は、前記貸与数特定データ記憶手段として機能するユニット制御部22のEEPROMにより、該受信した貸与数特定データを記憶して(S113)、該記憶している貸与数特定データをシステムコントローラ4に対して送信し(S114)、該貸与数特定データを受信したシステムコントローラ4は、該受信した貸与数特定データと前記記憶している貸与数特定データとが一致するか否かを照合し(S115)、一致しなければ(NO)、前記S111の処理を行う。これによれば、カードユニット20が記憶している貸与数特定データがシステムコントローラ4に対して送信されるので、システムコントローラ4においてカードユニット20が記憶している貸与数特定データが正しいか否かを監視することができる。
S113の処理を行ったカードユニット20は、貸与数算出手段として機能するユニット制御部22により、前記記憶している貸与数特定データ(ここでは消費税率5%)と当該カードユニット20について予め定められている単位有価価値(ここでは4円貸し5度数500円)とに基づいて貸与数(ここでは120個)を算出して、ユニット制御部22のEEPROMにより、該算出した貸与数を記憶する(S116)。これによれば、システムコントローラ4から所定の掛数(消費税率5%)を示す貸与数特定データが送信され、該所定の掛数と当該カードユニット20について予め定められている単位有価価値(4円貸し5度数500円)とに基づいて貸与数が算出されるので、遊技場内に単位有価価値が異なるカードユニット20(例えば単位有価価値が4円貸し5度数500円の遊技用装置や1円貸し2度数200円の遊技用装置)が設置されている場合であっても、システムコントローラ4が単位有価価値毎の貸与数特定データを送信する必要が無い。
S112の暗号化鍵及び復号化鍵を受信したカードユニット20は、暗号化鍵記憶手段として機能するユニット制御部22のEEPROMにより、該受信した暗号化鍵(即ちS106で受信した製造元IDに対応する暗号化鍵)を記憶すると共に(S117)、復号化鍵信号線を介して、該受信した復号化鍵をパチンコ機10に対して送信して(S118)、貸与操作を受付可能なスタンバイ状態となる。パチンコ機10は、復号化鍵受信手段として機能する払出制御基板12により、システムコントローラ4からカードユニット20を介して送信されてくる復号化鍵(即ちS106で送信した製造元IDに対応する復号化鍵)を受信して、復号化鍵記憶手段として機能する払出制御基板12のEEPROMにより、該受信した復号化鍵を記憶する(S119)。これによれば、製造元IDに対応する復号化鍵をシステムコントローラ4から受信して、記憶している復号化鍵を該受信した復号化鍵に書き換えることにより、復号化鍵を容易に更新(例えば毎日更新)できるので、より不正を防止することができる。
図4は、予備のカードユニット20’において電源が投入された際の電源投入時処理,及び該予備のカードユニット20’がパチンコ機10に対応付けられた際の設置時処理の一例を表すフローチャートである。ユニットストッカ30にストックされている予備のカードユニット20’において電源が投入されると(S101)、該予備のカードユニット20’及びシステムコントローラ4において、前記S108,S109,S111,及びS113〜S116の処理を行う。そして該予備のカードユニット20’が、電源を切られてユニットストッカ30から取り出され、パチンコ機10に対応付けて設置されることにより前記カードユニット20となり、該カードユニット20において交換モードで電源が投入(例えばカードユニット20に設けられた交換モードスイッチを押した状態で電源が投入)されると共に(S101’)、パチンコ機10において電源が投入されると(S102)、前記S108,S109,S111,及びS113〜S116の処理を行うことなく、該カードユニット20及びパチンコ機10において、前記S103〜S107,S110,S112,及びS117〜S119の処理を行う。
即ち予備のカードユニット20’は、前記貸与数特定データ受信手段によりシステムコントローラ4から貸与数特定データを受信して(S111)、該受信した貸与数特定データを前記貸与数特定データ記憶手段により記憶する(S113)ものである。これによれば、予備のカードユニット20’も、システムコントローラ4から貸与数特定データを受信して記憶しているので、該予備のカードユニット20’をパチンコ機10に対応付けて設置したときにも、当該カードユニット20の稼働を迅速に開始することができる。
なお、図示しないが、予備のカードユニット20’は、パチンコ機10に対応付けられシステムコントローラ4との間における通信が確立されたことに基づいて、前記S114と同様に、前記記憶している貸与数特定データ(ここでは消費税率5%)をシステムコントローラ4に対して送信し、該貸与数特定データを受信したシステムコントローラ4は、前記S115と同様に、該受信した貸与数特定データと前記記憶している貸与数特定データとが一致するか否かを照合し、一致しなければ、前記S111の処理を行う。これによれば、予備のカードユニット20’が記憶している貸与数特定データがシステムコントローラ4に対して送信されるので、システムコントローラ4において予備のカードユニット20’が記憶している貸与数特定データが正しいか否かを監視することができる。
図5(a)は、カードユニット20とシステムコントローラ4との間において通信不能が発生した際の通信不能発生時処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット20は、システムコントローラ4との間における通信の可否を常時監視しており、システムコントローラ4との間で通信不能が発生したことを検知すると(S121)、ユニット制御部22のEEPROMで記憶している暗号化鍵を消去し(S122)、システムコントローラ4との間で通信可能に復帰したことを検知すると(S123)、システムコントローラ4に対してS107で記憶した製造元IDに対応する暗号化鍵の送信を要求し(S124)、前記鍵受信手段として機能するシステムコントローラ用通信部21により、該送信要求に応じてシステムコントローラ4から送信されてくる暗号化鍵を受信して(S125)、前記暗号化鍵記憶手段として機能するユニット制御部22のEEPROMにより、該受信した暗号化鍵(即ちS106で受信した製造元IDに対応する暗号化鍵)を記憶する(S126)。これによれば、システムコントローラ4との間における通信が不能になったことに基づいて、カードユニット20が記憶している暗号化鍵が消去されるので、該通信不能時に暗号化鍵が不正に取得されてしまうことを防止することができる。
図5(b)は、パチンコ機10とカードユニット20との間において通信不能が発生した際の通信不能発生時処理の一例を表すフローチャートである。パチンコ機10は、カードユニット20との間における通信の可否を常時監視しており、カードユニット20との間で通信不能が発生したこと、即ちS103の接続確認ができなくなったり、S104の払出確認信号を送信不能になったり、カードユニット20から発射制御基板(図示外)に対して電源が供給されなくなったことを検知すると(S131)、払出制御基板12のEEPROMで記憶している復号化鍵を消去し(S132)、カードユニット20は、パチンコ機10との間で通信可能に復帰したこと、即ちパチンコ機10から送信されてくるS103の接続確認信号及びS104の払出確認信号の受信を検知すると(S133)、システムコントローラ4に対してS107で記憶した製造元IDに対応する復号化鍵の送信を要求し(S134)、前記鍵受信手段として機能するシステムコントローラ用通信部21により、該送信要求に応じてシステムコントローラ4から送信されてくる復号化鍵を受信して(S135)、該受信した復号化鍵をパチンコ機10に対して送信し(S136)、該パチンコ機10は、前記復号化鍵受信手段として機能する払出制御基板12により、システムコントローラ4からカードユニット20を介して送信されてくる復号化鍵(即ちS106で送信した製造元IDに対応する復号化鍵)を受信して、前記復号化鍵記憶手段として機能する払出制御基板12のEEPROMにより、該受信した復号化鍵を記憶する(S137)。これによれば、カードユニット20との間における通信が不能になったことに基づいて、パチンコ機10が記憶している復号化鍵が消去されるので、該通信不能時に復号化鍵が不正に取得されてしまうことを防止することができる。
図6は、カードユニット20において貸与操作が受け付けられた際の貸与処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット20において、プリペイドカード3を受け付けている状態で貸与操作が行われると(S201)、受け付けているプリペイドカード3から読み取ったカード残額が当該カードユニット20について予め定められている単位有価価値(ここでは5度数500円。以下、「使用額」と称する。)以上であるか否かを判定する(S202)。
このS202でカード残額が使用額未満である(NO)と判定された場合には、S201の貸与操作を無効とする。一方、S202でカード残額が使用額以上である(YES)と判定された場合には、暗号化手段として機能するユニット制御部22により、貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数(ここではS116で貸与数算出手段により算出してユニット制御部22のEEPROMで記憶している貸与数)を示す貸与数データを、遊技機特定情報受信手段にて受信した製造元IDに対応する暗号化鍵(ここではS112でシステムコントローラ4から受信してS117でユニット制御部22のEEPROMに記憶している暗号化鍵)で暗号化して(S203)、貸与数データ送信手段として機能する貸与通信部23により、貸与数データ送信手段を介して、前記貸与要求処理として、該暗号化した貸与数データをパチンコ機10に対して送信する(S204)。
S204の貸与数データを受信したパチンコ機10は、復号化手段として機能する払出制御基板12により、該受信した貸与数データを、前記復号化鍵記憶手段であるEEPROMで記憶している復号化鍵で復号化して(S205)、該復号化ができたか否かを判定する(S206)。
このS206で復号化ができなかった(NO)と判定された場合には、S207の貸与応答処理を行わずに、エラー処理1及び2を行う。まずエラー処理1は、カードユニット20に対してエラー信号を送信する処理である。この処理を行うことにより、該エラー信号がカードユニット20を介してシステムコントローラ4に送信されるので、該システムコントローラ4を管理する第三者機関において迅速な対応をとることができる。またエラー処理2は、前記遊技機特定情報送信手段として機能する払出制御基板12により、EEPROMで記憶している製造元IDをパチンコ機10に対して送信する処理である。この処理を行うことにより、カードユニット20において、エラーの原因となる製造元IDの誤りを修正することができて、早期に復旧することができる。なおエラー処理1及び2の両方は行わずに、いずれか一方のみを行うものでも良い。
前記S206で復号化ができた(YES)と判定された場合には、前記貸与応答処理として、払出制御基板12の制御により、復号化した貸与数データが示す貸与数分のパチンコ玉を玉払出装置27から払い出し(S207)、該貸与応答処理が完了した後に、貸与完了信号線を介して、貸与完了信号をカードユニット20に対して送信する(S208)。
S208の貸与完了信号を受信したカードユニット20は、受け付けているプリペイドカード3のカード残額から使用額を減算する処理(即ち該減算後のカード残額をプリペイドカード3に書き込む処理)を行って(S209)、受け付けているプリペイドカード3のカードIDと使用額とを示す減算要求をシステムコントローラ4に対して送信し(S210)、該システムコントローラ4は、該減算要求が示すカードIDに対応付けて残額管理DBで記憶しているカード残額から該減算要求が示す使用額を減算更新する(S211)。
以上に説明した遊技用システム1によれば、遊技機の製造元を特定可能な遊技機特定情報(製造元ID)が該パチンコ機10からカードユニット20に対して送信され(S106)、カードユニット20において、貸与数を示す貸与数データが前記製造元IDに対応する暗号化鍵で暗号化されてパチンコ機10に対して送信され(S203,S204)、パチンコ機10において、前記製造元IDに対応する復号化鍵で復号化された貸与数データが示す貸与数の遊技媒体が貸与されるので(S205,S207)、例えば貸与数データを真似した偽データをパチンコ機10に対して送信する等の遊技場の不正による貸与数の間引きを防止することができる。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る遊技用システム1について説明する。この第2実施形態では、図7に示すように、センタサーバ5において、1回の貸与で使用される単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数(ここでは120個)が設定される。そして該設定された貸与数は、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ4に対して送信されて記憶される。またカードユニット20が、前記暗号化鍵記憶手段として機能するユニット制御部22のEEPROMにより、複数の製造元IDの各々に対応する複数の暗号化鍵を予め記憶している。この複数の暗号化鍵は、カードユニット20の製造時に予めEEPROMに記憶されるものでも良く、またシステムコントローラ4から受信して事後的にEEPROMに記憶されるものでも良い。さらにパチンコ機10が、前記復号化鍵記憶手段として機能する払出制御基板12のEEPROMにより、当該パチンコ機10の製造元IDに対応する復号化鍵を予め記憶している。この復号化鍵は、パチンコ機10の製造時に予めEEPROMに記憶されるものである。
そして図8に示すように、カードユニット20において電源が投入されると共に(S101)、パチンコ機10において電源が投入されると(S102)、前記S103〜S108の処理を行い、カードユニット20は、S108でYESと判定されると、システムコントローラ4に対して貸与数特定データの送信を要求し(S109)、該貸与数特定データの送信要求を受信したシステムコントローラ4は、前記記憶している貸与数(ここでは120個)を示す貸与数特定データをカードユニット20に対して返信する(S111’)。
S111’の貸与数特定データを受信したカードユニット20は、前記貸与数特定データ記憶手段として機能するユニット制御部22のEEPROMにより、該受信した貸与数特定データ(ここでは120個)を記憶して(S113)、該記憶している貸与数特定データをシステムコントローラ4に対して送信し(S114’)、前記S116の処理(即ち貸与数の算出と記憶)を行うことなく、スタンバイ状態となる。即ち第2実施形態において、ユニット制御部22は、前記貸与数算出手段としては機能せず、貸与数特定データと貸与数データは、同じ値(ここでは120個)を示すものである。S114’の貸与数特定データを受信したシステムコントローラ4は、該受信した貸与数特定データと前記設定された貸与数特定データとが一致するか否かを照合し(S115)、一致しなければ(NO)、前記S111’の処理を行う。
なお、カードユニット20が暗号化鍵を予め記憶していると共に、パチンコ機10も復号化鍵を予め記憶しているので、図3で説明した前記S110,S112,S117,S118,及びS119の処理は行わない。
そしてカードユニット20において、プリペイドカード3を受け付けている状態で貸与操作が行われると(S201)、前記S202の処理を行い、該S202でYESと判定された場合には、S106でパチンコ機10から受信してS107で記憶している製造元IDに対応する暗号化鍵を、前記記憶している複数の暗号化鍵の中から選択し(S202’)、前記暗号化手段として機能するユニット制御部22により、貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数(ここではS116で貸与数算出手段により算出してユニット制御部22のEEPROMで記憶している貸与数)を示す貸与数データを、遊技機特定情報受信手段にて受信した製造元IDに対応する暗号化鍵(ここではS202’で選択した暗号化鍵)で暗号化して(S203’)、前記S204に進む。これによれば、カードユニット20が複数の製造元IDの各々に対応する複数の暗号化鍵を記憶しており、該複数の暗号化鍵のうちの、対応するパチンコ機10の製造元IDに対応する暗号化鍵で暗号化が行われるので、複数種類のパチンコ機10に対応することができる。
なお第2実施形態に係る予備のカードユニット20’は、図4に示す電源投入時処理において、S111に代えてS111’の処理を行い、S114に代えてS114’の処理を行い、かつS116の処理を行わない。
[3.変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図1及び図7に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行うものであれば、遊技媒体としてメダルを使用し、貸与応答処理として該メダルを払い出したりクレジットに加算するスロットマシンや、遊技媒体としてパチンコ玉を使用し、貸与応答処理として該パチンコ玉を払い出すスロットマシンであるパロット(登録商標)や、遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入され、貸与応答処理として該パチンコ玉の計数値を加算する封入式のパチンコ機や、遊技媒体として得点データを使用し、貸与応答処理として該得点データを加算するパチンコ機,スロットマシン,及びパロット(登録商標)等であっても良い。
上記の実施形態では、図1,図7,及び図2(b)に示すように、貨幣が紙幣2である例について説明したが、これに限らず、該貨幣は、硬貨であっても良く、紙幣2と硬貨の両方であっても良い。また有体物である貨幣の入金を受け付ける例には限られず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データ,デビットカードの記録情報から特定される預金口座の残高,又はクレジットカードの記録情報から特定される与信金額等)の入金を接触又は非接触で受け付けるようにしても良い。さらに遊技用装置(カードユニット20)は、貨幣を受付不能(即ち入金不能)なものであっても良い。
上記の実施形態では、プリペイドカード3が、非接触式のICチップにより情報を記録するICカードである例について説明したが、これに限らず、該プリペイドカード3は、接触式のICチップ,磁気ストライプ,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。またこれらの形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらに遊技用記録媒体は、プリペイドカード3ではなく、ICチップを搭載した携帯電話等であっても良い。
上記の実施形態において、遊技用システム1に、プリペイドカード3に記録されているカード残額に相当する貨幣を払い出して精算を行うことができる精算装置を設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、図1,図7,及び図2(a)に示すように、残度数表示器14,貸与ボタン15,及びカード返却ボタン16が、パチンコ機10に設けられている例について説明したが、これに限らず、これらの一部又は全部がカードユニット20に設けられるようにしても良い。
上記の実施形態では、プリペイドカード3に記録されているカード残額と、該プリペイドカード3のカードIDと対応付けてシステムコントローラ4で管理されているカード残額との照合が行われ、照合OKであるときに、プリペイドカード3に記録されているカード残額を使用した貸与が行われる例について説明したが、これに限らず、例えばプリペイドカード3にはカード残額を記録せずに、該プリペイドカード3のカードIDと対応付けてシステムコントローラ4で管理されているカード残額を使用した貸与が行われるようにしても良く、逆にシステムコントローラ4ではカード残額を管理せずに、プリペイドカード3に記録されているカード残額を使用した貸与が行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技用装置(カードユニット20)について単位有価価値が予め設定されており、遊技場の係員や遊技者が変更できない例について説明したが、これに限らず、遊技場の係員がカードユニット20に対して単位有価価値を変更する信号を送信する処理を行ったり、遊技者がカードユニット20に設けられている単位有価価値設定ボタンを操作することにより、該単位有価価値を変更できるように構成しても良い。そして図3に示す第1実施形態において、カードユニット20について設定されている単位有価価値を変更した場合には、該カードユニット20は、S116で、変更後の単位有価価値に基づいて貸与数を算出して記憶する。また図8に示す第2実施形態において、カードユニット20について設定されている単位有価価値を変更した場合には、該カードユニット20は、変更後の単位貸与価値をシステムコントローラ4に対して送信し、該システムコントローラ4は、変更後の単位貸与価値に基づいて貸与数を算出して設定して、S111’で、該設定した貸与数を示す貸与数特定データをカードユニット20に対して送信し、該カードユニット20は、S113以下の処理を行う。
上記の実施形態では、単位有価価値(500円)÷税込み貸与単価(4.2円/個)で算出される商の小数点以下を切り上げて貸与数を特定する例について説明したが、これに限らず、該商の小数点以下を切り捨てたり四捨五入して貸与数を特定するようにしても良い。
上記の実施形態では、システムコントローラ4が管理装置である例について説明したが、これに限らず、センタサーバ5が管理装置として機能するように構成しても良く、この場合には、遊技用装置(カードユニット20)からシステムコントローラ4に対して送信される情報がセンタサーバ5に対して転送されて、該センタサーバ5が管理装置としての処理(即ち図3〜図6,及び図8においてシステムコントローラ4が行う処理)を行う。
上記の第1実施形態では、図1に示すように、所定の掛数として、消費税率を設定する例について説明したが、これに限らず、該所定の掛数として、将来導入される可能性のある遊技税率を設定するものであっても良い。
上記の第1実施形態では、図1に示すように、所定の掛数として、消費税率を設定する例について説明したが、これに限らず、該所定の掛数として、例えば税抜きの場合の貸与数(例えば125個)から税額に応じて減算する数(例えば5個)を設定するものであっても良い。
上記の実施形態では、図1及び図7に示すように、遊技機に割り当てられた識別情報である遊技機特定情報が、遊技機(パチンコ機10)の製造元を特定可能な製造元IDである例について説明したが、これに限らず、該遊技機特定情報は、遊技機の機種を特定可能な機種IDであっても良く、この場合には、システムコントローラ4の鍵管理DBにおいて、複数の機種IDの各々に対応する複数の暗号化鍵及び復号化鍵が記憶され、パチンコ機10のROMにおいて、当該パチンコ機10の機種の機種IDが記憶され、図3〜図8においては、製造元IDに代えて機種IDが送信される。このように、暗号化鍵及び復号化鍵を、機種IDに対応させることにより、製造元IDに対応させた場合よりも、細分化されるため、より不正を防止することができる。
上記の実施形態では、図1及び図7に示すように、貸与通信部23と払出制御基板12との間に、接続確認信号線,払出可能信号線,製造元ID信号線,復号化鍵信号線,貸与数データ信号線,及び貸与完了信号線が設けられている例について説明したが、これに限らず、これら信号線の全部又は一部をまとめてシリアル通信を行うものであっても良い。
上記の実施形態では、図3,図4,又は図8のS105及びS106に示すように、遊技用装置(カードユニット20)と遊技機(パチンコ機10)との間における通信が確立されたことに基づいて、遊技用装置から遊技機に対して遊技機特定情報(製造元ID又は機種ID)の送信が要求され、該送信要求に応じて遊技機から遊技用装置に対して遊技機特定情報が送信される例について説明したが、これに限らず、該遊技機特定情報の送信が、定期的(例えば1時間毎)に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図3のS108及びS109,又は図8のS108及びS109’に示すように、遊技用装置(カードユニット20)と管理装置(システムコントローラ4)との間における通信が確立されたことに基づいて、遊技用装置から管理装置に対して貸与数特定データの送信が要求され、該送信要求に応じて管理装置から遊技用装置に対して貸与数特定データが送信される例について説明したが、これに限らず、該貸与数特定データの送信が、定期的(例えば1時間毎)に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図3のS114,又は図8のS114’に示すように、遊技用装置(カードユニット20)における電源投入時に、該遊技用装置から管理装置(システムコントローラ4)に対して貸与数特定データが送信される例について説明したが、これに限らず、該貸与数特定データの送信が、定期的(例えば1時間毎)に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技機(パチンコ機10)に設けられる復号化鍵記憶手段が払出制御基板12である例について説明したが、これに限らず、該復号化鍵記憶手段は遊技制御基板11であっても良い。
上記の第1実施形態では、図3のS118に示すように、遊技用装置(カードユニット20)から遊技機(パチンコ機10)に対する復号化鍵の送信が、S117の処理の後に行われる例について説明したが、これに限らず、該復号化鍵の送信が、S112で当該復号化鍵を受信した直後に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図4のS101’に示すように、遊技用装置(カードユニット20)において交換モードで電源が投入されると、前記S109,S111,及びS103〜S116の処理を行わない例について説明したが、該遊技用装置において図3のS101に示すように電源が投入されると、該図3に示す処理を行う。
上記の実施形態では、単位有価価値が4円貸し5度数500円である場合に、遊技用装置(カードユニット20)から遊技機(パチンコ機10)に対して、貸与要求処理として、120個の貸与数を示す貸与数データを送信し、貸与応答処理が完了すると、遊技機から遊技用装置に対して、貸与完了信号を送信する例について説明したが、これに限らず、1度数100円毎に、遊技用装置から遊技機に対して24個の貸与を要求する貸与要求信号を送信し、該遊技機から遊技用装置に対して要求了解信号を送信し、該遊技用装置から遊技機に対して貸与指令信号を送信し、24個の貸与が完了すると該遊技機から遊技用装置に対して貸与完了信号を送信する処理(いわゆるハンドシェイク)を行い、当該処理を5回繰り返すことにより、貸与要求処理及び貸与応答処理を行うものであっても良い。
上記の実施形態では、図6のS209及びS210の処理が、S208の貸与完了信号を受信した後に行われる例について説明したが、これに限らず、該S209及びS210の処理は、S202でYESと判定された後、S208の貸与完了信号を受信する前に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図6のS210に示す減算要求を、貸与が行われる毎に送信する例について説明したが、これに限らず、カードユニット20がプリペイドカード3を受け付けている間は、該減算要求を蓄積して記憶しておき、該プリペイドカード3が返却される例に、該蓄積して記憶している減算要求を一括して送信するようにしても良い。
上記の実施形態では、全ての遊技用装置(カードユニット20)について、税抜き貸与単価(4円)及び単位有価価値(5度数500円)が同一である例について説明したが、これに限らず、例えば図1に示すように、管理装置(システムコントローラ4)において、対象となる遊技用装置(ここではユニットIDが0001〜0020のカードユニット20)の税抜き貸与単価及び単位有価価値が設定されると、該設定内容がユニット制御部22のEEPROMで記憶されるようにしても良い。この場合において、第1実施形態では、カードユニット20において、図3又は図4のS111で、設定された税抜き貸与単価及び単位有価価値に基づいて貸与数を算出して記憶して、S113以下の処理を行う。また第2実施形態では、システムコントローラ4において、設定された税抜き貸与単価及び単位有価価値に基づいて貸与数を算出して設定して、図6のS107’で、該設定した貸与数を示す貸与数特定データをカードユニット20に対して送信し、該カードユニット20は、S108以下の処理を行う。
上記の第2実施形態では、図8のS202’に示すように、貸与操作が行われる毎に暗号化鍵が選択される例について説明したが、これに限らず、貸与操作が行われる前に予め暗号化鍵を選択しておき、貸与操作が行われると、該選択されている暗号化鍵で暗号化を行うようにしても良い。
上記の実施形態では、図3のS203又は図8のS203’に示すように、貸与操作が行われる毎に貸与数データの暗号化が行われる例について説明したが、これに限らず、貸与操作が行われる前に予め貸与数データの暗号化を行っておき、貸与操作が行われると、該暗号化されている貸与数データを送信するようにしても良い。即ち貸与数データ送信手段(貸与通信部23)は、貸与要求処理の際に、暗号化した貸与数データを送信するものであるが、暗号化手段(ユニット制御部22)は、貸与要求処理の際に暗号化を行わずに、予め暗号化を行うものであっても良い。