JP4042919B2 - 抗転移剤及び抗新生物剤としての、ru(▲iii▼)アニオン複合体の新規な塩 - Google Patents
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Description
最新技術
抗腫瘍の単剤化学療法及び多剤化学療法の両者において、これまで広く使用されてきたシスプラチン(シス−ジアミノ−ジクロロ−白金(II)))の抗腫瘍特性の発見は、金属と有機物の複合体の抗腫瘍活性の研究に関心を抱かせてきた。多数の抗腫瘍剤に関し、シスプラチンの作用の特異性は、特異的区画(精巣、卵巣、膀胱、頭の頸部)に悪影響を及ぼす新生物(腫瘍)の方に向けられている。一方、肺及び胸の中に局在する腫瘍、結腸・直腸の腫瘍等の、他の種の腫瘍は、この薬剤を用いた治療にほとんど反応を示さない(C.F.バーナード(Barnard)等,Chemistry in Britain,1001〜1004,1986)。
このように、配位複合体の分野における研究は、用途の範囲の拡大と、最新技術において知られている抗腫瘍剤の毒性レベルよりも低い毒性レベルとの両方を可能にし得る、Pt及び/又は他の遷移元素を含有する新しい薬剤の開発に向けられている。
白金の代替物としてルテニウムを抗腫瘍剤として使用する潜在的可能性が、例えば、シス−Ru(II)−テトラキス−ジメチルスルホキシドのようなRu(II)複合体(T.ギラルディ(Giraldi)等,Cancer Res.,37,2662,1977)に対して、もっと最近では、fac−[RuCl3(NH3)3]等の、中性複合体(M.J.クラーケ(Clarke),Metal Ions in Biological Systems,11(5),231〜281,1980,Helmut Signal出版)に対して、研究された。
また、複素五員環を有する、Ru(III)のアニオン複合体が幾つか(特に、イミダゾリウム−ビス−イミダゾール−テトラクロロ−ルテニウム酸塩(B.K.ケプラー(Keppler)等,J.Cancer Res.Clin.Oncol.,111:166〜168,1986))が調製された。
もっと最近では、DMSOを有する幾りかのRu(III)複合体が開発された。特に、国際特許出願WO90/13553には、式(i):
[Ru(RxRySO)(Cl3)AB] (i)
(式中、RxRySOはスルホキシド、好ましくはジメチルスルホキシドであり;Aはスルホキシド又は塩化物であり;及びBは、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及び窒素原子を含有する複素環から成る群から選ばれる窒素配位子である)を有するRu(III)複合体が記載されている。
抗新生物剤として使用し得るこれら複合体は、Aがスルホキシドである場合、中性であるが、Aが塩化物である場合、負電荷を有する。後者において、アニオン複合体は、アルカリカチオン及びアルカリ土類カチオン(好ましくはナトリウム)を有する対応塩の形態で単離される。上記複合体は、抗転移活性を有するものの、十分な治療組成物の投与と調製とを非常に困難にさせる幾つかの重大な不都合を示す。実は、これらのアニオン複合体がナトリウム塩の形態で単離されるとき、結晶体の二つの溶媒分子を常に含有しており、これら結晶体分子を含有しない純粋な形で単離することができないのである。
特に、式(i)(式中、Rx=Ry=メチル、A=Cl、B=イミダゾールであり、負電荷はNa+によって中和されている)に対応する、[トランス−RuCl4(DMSO)Im]Na 2DMSOは、マウスの腫瘍モデルに対して良好な抗新生物活性と抗転移活性とを発揮することができる。また、この塩は、一層容易な投与を可能にする優れた水溶性によって特徴付けられる。
しかし、この化合物は、上記国際特許出願で報告される諸例(特に、例3、4、8及び10)において実証される通り、二つのDMSOの溶媒和分子を伴わなければ単離され得ない。これら溶媒和分子は、化合物の安定性を低減する。
更に、結晶体分子(これは、DMSO、アセトン及び水、及び一層一般的には二つのジメチルスルホキシドの分子であり得る)(E.アレシオ(Alessio)等,Inorganica Chimica Acta,203(1993):205〜217)の質的変化を観察することができる。
それら結晶体分子は、ほとんど制御されない方法では調製の度に変化するという事実のために、構造分析、分子量の決定、及び元素分析における不確実性の問題が生じる。従って、その化合物、及びその化合物の後続の製剤の純度に関する問題が生じるかも知れない。実は、これら化合物の構造を再現させるのが困難であるということは、同じ量のルテニウムが投与量と必ずしも一致しないことを意味する。一定でない投与量と、予め容易には確かめることのできない治療的活性とによって、これら化合物に対する薬理学的関心は低減する。
クラース・クラマー(Klaas Kramer)等によって報告されているように(Gen.Pharmac.,第26巻,n°6,第1404頁〜1497頁,1995)、上記化合物の更なる欠点は、DMSOによって生じる薬理学的負の効果に起因しており、ルテニウム複合体及びその複合体の諸性質に差異が生じることを考慮して、等量モル又は2倍量で生体に導入される。
結局、上述の塩は溶媒和分子を含有するので、室温で外気にさらされると、その品位が急速に低下し、褐色の半固体物質になる。
概要
今回、出願人は意外にも、顕著な抗転移活性及び抗新生物活性を示しアンモニウムカチオンを有するRu(III)アニオン複合体の新規な塩を見いだした。これらの塩は式(I):
(式中、R1、R2及びR3は互いに同一又は異なり、H、直鎖状又は枝分れ状の、飽和又は不飽和のC1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、フェニル基、及びアリール基から成る群から選ばれるか;或いはNR1R2R3は、飽和又は不飽和の5〜7員の窒素含有複素環(任意に、一つ以上のO、S及び/又はNの原子を含有する)であり、この窒素含有複素環は任意に、ベンゾ基(benzo group)で縮合され、及び/又はC1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシル基、C1〜C4アルキルチオ基、アリール基若しくはベンジル基で置換され;しかも、R4及びR5は互いに同一又は異なり、H、C1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、フェニル基及びアリール基から成る群から選ばれるか、或いはR4及びR5は、S原子と共に4〜7員の複素環を形成する)に相当する。
本発明の他の目的は、[トランス−RuCl4(R4R5SO)2][(R4R5SO)2H](II)(式中、R4及びR5は、上記の意義を有する)の合成を含む、上記塩(I)の新規な製法を提供することにある。これは、HClの存在下、RuCl3をR4−SO−R5で処理し、次いで、有機溶媒の存在下、複合体(II)を式NR1R2R3の窒素含有化合物と反応させることによって得られる。
また、本発明は、適切な賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせた、式(I)の上記塩の少なくとも一種の治療効果的量を含有する薬剤組成物;並びにそれら薬剤組成物の抗新生物剤及び/又は抗転移剤としての使用方法に関する。
図面の説明
図A2及び図A1はそれぞれ、MCa乳癌に冒された対照マウスの腫瘍組織の壊死領域及び外部結合被膜(external connective capsule)を示す。
図B2及び図B1はそれぞれ、上述の国際特許出願WO90/13553に記載の通り、[トランス−RuCl4(DMSO)Im]Na・2DMSOで処理した後の、MCa乳癌に冒された対照マウスの腫瘍組織の壊死領域及び外部結合被膜を示す。
最後に、図C2及び図C1はそれぞれ、本発明の塩[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)で処理した後の、MCa乳癌に冒された対照マウスの腫瘍組織の壊死領域及び外部結合被膜を示す。
発明の詳細な説明
本発明の特徴及び利点は、次の詳細な説明の中で更に詳しく説明する。上述の式(I)の塩において、式NR1R2R3の窒素化合物の窒素原子は、Ru(III)原子との配位結合の形成において、非共有電子対を与える。
一層具体的に言えば、本発明の塩において、R1は好ましくはR2及びR3と同一であって、それらはH又はエチル基である。
NR1R2R3が、窒素含有の複素五員環であるとき、それは、イミダゾール、N−メチル−イミダゾール、ピラゾール及びオキサゾールから成る群から選ばれる。最も好ましくは、その窒素含有複素環はイミダゾールである。
NR1R2R3が、複素六員環であるとき、それは、ピリジン、ピラジン、3,5−ルチジン、及び4−メチルピリジンから成る群から選ばれる。
NR1R2R3が、複素七員環であるとき、それは、アゼピン、ジアゼピン、及びオキサゼピン(oxazepine)から成る群から選ばれる。
最終的に、その複素環がベンゾ基で濃縮されるとき、それは、インダゾール、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、及び1,5,6−トリメチル−ベンゾイミダゾールから成る群から選ばれる。
本発明の、式(I)の塩において、R4−SO−R5スルホキシド配位子は、好ましくはジメチルスルホキシド(R4=R5=メチル基)、ジエチルスルホキシド(R4=R5=エチル基)、又はテトラメチレンスルホキシド(S原子と共に、R4及びR5は五員環を形成する)である。
これらの塩は、同一モルの投与量及び同一の処理パターンを適用したとき、対応するナトリウム塩の抗腫瘍性よりかなり高い抗腫瘍性(特に、抗転移性)を予期されなかったほど発揮することができる。
また、最新技術に記載の塩と比べて、式(I)の塩は、空気中ではいつまでも安定しているので、非常に好都合である。一方、対応するナトリウム塩は、非常に吸湿性が高く、加水分解を受け易い。それに加えて、既知の複合体と比べて、本発明の塩は、DMSO結晶分子の存在に起因する薬理学的欠点を示さない。
式(I)の塩には結晶分子が全くないので、これらの塩は、再現可能な分析結果だけでなく、一定の分子量値をも有する。このために、有効化合物の確実な量を含有する製剤と、むらのない一定の投与量とが実現可能となる。
式(I)のRu(III)複合体の塩は、下記工程から成る、新規で非常に容易で好都合な手順によって得られる。
1)HClの存在下、RuCl3をR4−SO−R5と反応させて、式(II)
(式中、R4及びR5は上記に報告の意義を有する)の複合体を生成させる。
この反応工程において、R4及びR5は、好ましくはメチル基であって、RuCl3はジメチルスホキシド(DMSO)と反応して[(Me2SO)2H][トランス−RuCl4((Me2SO)2]を生成する。
調製の好ましい方法によると、RuCl3は、加熱済み有機溶媒(エタノール又はメタノールが好ましい)に予め溶解させ;この方法で得られた溶液にR4−SO−R5及び濃HClを添加し、次いで、好ましくは60〜90℃の範囲の温度で(一層好ましくは、約80℃の温度で)加熱する。
2)工程(1)から得られる複合体(II)は、下記に報告する図式に従って、一種以上の有機溶媒(好ましくは、アセトン及びジクロロメタン)中、室温で、窒素含有化合物NR1R2R3と1:2〜1:6のモル比で反応させ、式(I):
(式中、R1〜R5は、前に定義した意義を有する。)の塩を与える。
工程(2)において、中間体(II)は、アキシアル(axial)な二つのスルホキシド基の一つが置換され、次いで、その窒素化合物の一つの分子がプロトン化し、最終的に二つのスルホキシド結晶体分子が分離することによって、窒素含有化合物NR1R2R3と反応する。従って、複合体(I)は、非常に高い収率で得られる。
本発明の更なる目的は、種々の性質の新生物を治療するための、及び転移の形成を防止するための上記塩(I)の使用方法にある。上記新生物は、胃腸管の癌、乳癌、肺腫瘍、転移性癌、転移性腫瘍の肺転移部等の、固形発生腫瘍(solid spawning tumors)であるのが好ましい。
本発明の塩は、非経口経路、経口経路、局所経路又は経皮経路によって、有利に投与することができる。
非経口投与の中では、静脈経路、筋肉経路、腹腔経路及び皮下経路が好ましい。
これらの塩の投与量は、新生物の重篤さの他、投与の経路及び方法によっても変化する。また、この投与量は、患者の年齢、体重及び一般的健康状態に関しても変化する。
一回分又は複数回分の投与量で投与されるべき、これら塩の治療有効投与量は、これら塩が非経口で投与される場合、好ましくは0.1〜300mg/kg/日の範囲であり、更に好ましくは、10〜200mg/kg/日の範囲であり;一方、経口投与の場合の投与量は、前記範囲の3〜10倍多い。
更に、上記塩(I)は、上述の病理において、通常、臨床的に使用される他の抗腫瘍薬剤(例えば、シスプラチン、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、アントラサイクリン、タクソール等)と組合わせて、多剤化学療法の実験的プロトコールに有利に使用することができる。
また、本発明は、有効化合物としての式(I)の少なくとも一種の塩の治療効果量を、適切な賦形剤及び/又は希釈剤と組合わせて含有する薬剤組成物にも関する。
これらの薬剤組成物は、静脈注射、注入(infusions)及び筋肉注射又は皮下注射に特に適した、水性媒体及び非水性媒体の両者中で、溶液又は懸濁液の形態で調製することができる。これらの溶液は使用前に、適切な溶媒中に、本発明の凍結乾燥済み化合物を可溶化させるか又は懸濁させることによって、調製することができる。
局所投与、皮膚投与若しくは経皮投与を行うためのインサート、ゲル若しくは軟膏剤の形態の;又は粉末、丸剤、錠剤及びカプセルの形態の固形組成物又は半固形組成物にも向けられる。更に、本発明の塩は、最新技術において知られているコントロールド・リリース(controlled-release,一定の時間を置いて徐々に効き始める)組成物の形態で投与することもできる。
上記組成物は、最新技術において知られている手順に従って、容易に調製することができる。
次の諸例は、本発明を限定しないで本発明を説明するために報告する。
実験部分
例1:
式(II)(式中、R4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(Me2SO)2][Me2SO)2H]複合体の調製
RuCl3・3H2O 1g(0.0038モル)をエタノール30ml中に懸濁させ、次いで、3時間の間、加熱しながら還流し、濃い緑色の溶液を得た。その溶液は、紙で濾過し、可能な限りの不溶性固形物を除去した。次いで、その溶液は、回転蒸発器を使用することによって、初期容量の1/10以下に濃縮した。それに、水性の濃HCl(37%)1ml及びDMSO 1mlを添加し、次いで、かくして得られた混合物は80℃の温度で、澄んだオレンジ色の溶液が得られるまで約15分間保持した。
これらの混合物を室温まで冷却した後、アセトン20mlを添加し、生成物が凝固した後、赤オレンジ色(red-orange)結晶の形態で溶液から分離した。なお、これら結晶の形成は、エチルエーテルを2〜3滴添加することによって促進させた。次いで、結晶はフィルター上に集め、冷アセトン(20ml)で洗浄し、次いで、エチルエーテル(10m1)で洗浄し、最終的に、室温で真空乾燥した。
最終生成物1.5gが収率72%で得られた。
[トランス−RuCl4(Me2SO)2][(Me2SO)2H]の物理化学的特徴は次の通りである。
-物理状態 : 赤オレンジ色、結晶性固形体
-組成式(raw formula): C8H25Cl4O4RuS4
-分子量 :556.40
-元素分析
実験
C=17.33 H=4.61 Cl=25.2 S=23.2
理論
C=17.27 H=4.53 Cl=25.48 S=23.04
更に、IRスペクトル、UVスペクトル及びX線により構造を決定し、E.アレシオ(Alessio)等(上記参考文献)によって報告されたものと一致することが分かった。
例2:
式(I)(式中、NR1R2R3はイミダゾール(Im)、及びR4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]の調製
例1に記載の通りに調製した[トランス−RuCl4(Me2SO)2][Me2SO)2H]複合体 1.0g(0.0018モル)を室温でアセトン(20ml)に懸濁させた。イミダゾール 0.49g(0.0072モル)を添加した後、その混合物は、4時間の間、撹拌し続けた。この間、沈殿物の色は、オレンジ色から赤れんが色へと徐々に変化した。フィルター上に集め、アセトン(10ml)で洗浄し、次いで、エチルエーテル(10ml)で洗浄し、生成物は、室温、真空で、又はオーブン、60℃で2〜3時間の間乾燥した。これによって、最終生成物0.75gが収率92%で得られた。
[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]の物理化学的特性は次の通りである。
-物理状態 : 赤れんが色の結晶性固形体
-組成式 : C8H15N4Cl4ORuS
-分子量 : 458.17
-元素分析
実験
C=20.8 H=3.30 N=12.2
理論
C=20.87 H=3.30 N=12.23
-D20(ppm vs DSS)での1H−NMRスペクトル:−15.2(非常に広い、DMSO)、−3.53(広い、H2 Im)、7.48(2,H3及び4H ImH+)、8.70(1,H2 ImH+);
-IRスペクトル(選定周波数,ヌジョール,cm-1):vNH3150(非常に広い、中程度)、vSO1159(非常に強い)、vRu−S 421(中程度)、vRu−Cl 342(強い)。
例3:
式(I)(式中、NR1R2R3はイミダゾール(Im)、及びR4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]の調製
例1に記載の通りに調製した[トランス−RuCl4(Me2SO)2][(Me2SO)2H]複合体 1.0g(0.0018モル)を、例2に記載の通りに、1−メチルイミダゾール 0.59g(0.0072モル)で処理し、最終生成物0.8gが収率93%で得られた。
[トランス−RuCl4(DMSO)(1−Me−Im)][1−Me−ImH]の物理化学的特性は次の通りである。
-物理状態 : 赤れんが色の結晶性固形体
-組成式 : C10H19N4Cl4ORuS
-分子量 : 486.23
-元素分析
実験
C=24.8 H=3.83 N=11.4
理論
C=24.7 H=3.94 N=11.52
-D20(ppm vs DSS)での1H−NMRスペクトル: −15.7(非常に広い、DMSO)、−3.76(広い、H2 1−Me−Im)、−0.95(広い、Me1,1−Me−Im)、3.95(3,Me1,1−Me−ImH+)、7.45(2,H3及びH4 1−Me−ImH+);
-IRスペクトル(選定周波数,ヌジョール,cm-1):vNH3150(非常に広い、中程度)、vSO1093(非常に強い)、vRu−S 424(中程度)、vRu−Cl 326(強い)。
例4:
式(I)(式中、NR1R2R3はピリジン、及びR4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(DMSO)(Py)][PyH]の調製
例1に記載の通りに調製した[トランス−RuCl4(Me2SO)2][(Me2SO)2H]複合体 1.0g(0.0018モル)を、例2に記載の通りに、ピリジン 0.57g(0.0072モル)で処理し、最終生成物0.8gが収率94%で得られた。
[トランス−RuCl4(DMSO)(Py)][PyH]の物理化学的特性は次の通りである。
-物理状態 : 暗黄色の微結晶性固形体
-組成式 : C12H17N2Cl4ORuS
-分子量 : 480.22
-元素分析
実験
C=31.8 H=3.77 N=5.43
理論
C=30.01 H=3.57 N=5.83
-D20(ppm vs DSS)での1H−NMRスペクトル: −14.5(非常に広い、DMSO)、−2.90(広い、Py)、8.10,8.65,8.82(PyH+);
-IRスペクトル(選定周波数,ヌジョール,cm-1):vNH3150(非常に広い、中程度)、vSO1074(非常に強い)、vRu−S 432(中程度)、vRu−Cl 344(強い)。
例5:
式(I)(式中、NR1R2R3はNH3、及びR4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)][NH4]の調製
例1に記載の通りに調製した[トランス−RuCl4(Me2SO)2][(Me2SO)2H]複合体 1.0g(0.0018モル)を、室温でCH2Cl2(20ml)に懸濁させ、水ポンプで真空を作った後、気体状NH3を泡立たせ、かくして得られたシステムを、アンモニア雰囲気中、室温で4時間の間、撹拌し続けた。この時間の間、沈殿物の色は、オレンジ色から暗い赤色へと徐々に変わった。
生成物は、フィルター上に集め、冷CH2Cl2で洗浄し、次いで、エチルエーテル(10ml)で洗浄し、次いで、室温、真空乾燥した。
[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)][NH4]の物理化学的特徴は次の通りである。
-物理状態 : 赤れんが色の微結晶性固形体
-組成式 : C2H13N2Cl4ORuS
-分子量 : 356.08
-元素分析
実験
C=6.75 H=3.44 N=7.63
理論
C=6.75 H=3.68 N=7.87
-IRスペクトル(選定周波数,ヌジョール,cm-1):vNH3304,3174(中程度)、vSO1069(非常に強い)、vRu−N 458(弱い)、vRu−S 431(中程度)、vRu−Cl 334,321(強い)。
例6:
式(I)(式中、NR1R2R3はピラジン、及びR4=R5=メチル基)に該当する[トランス−RuCl4(DMSO)(Pyr)][PyrH]の調製
例1に記載の通りに調製した[トランス−RuCl4(Me2SO)2][(Me2SO)2H]複合体 1.0g(0.0018モル)を、例2に記載の通りに、ピラジン0.43g(0.0053モル)で処理し、次いで、最終生成物0.5gを収率57%で得た。
[トランス−RuCl4(DMSO)(Pyr)][PyrH]の物理化学的特性は次の通りである。
-物理状態 : 暗黄色の結晶性固形体
-組成式 : C10H15N4Cl4ORuS
-分子量 : 482.20
-元素分析
実験
C=24.7 H=3.07 N=11.1
理論
C=24.9 H=3.13 N=11.6
-D20(ppm vs DSS)での1H−NMRスペクトル:−13.8(広い、DMSO)、−7.5(非常に強い、H2.6Pyr)、−2.1(強い、H3.5Pyr)、8.69(Pyr);
-IRスペクトル(選定周波数,ヌジョール,cm-1):vピラジン1605(中程度)、vSO1076(非常に強い)、vピラジン807(強い)、vプロトン化されたピラジン773(強い)、vRu−S 435(中程度)、vRu−Cl 351,326(強い)。
-水中でのUV/VIS(nm,ε(モル-1 cm-1):400(4200),469(490)。
生物活性
i)ルイス肺癌に冒されたマウスに関する、本発明による塩(I)の生体内活性試験
例(i)−A
物質と方法
3つの群(それぞれ、チャールズ・リバー(Charles River)(Calco,Como,イタリー)から入手した、21±1gのメスBD2F1マウス10匹から成る)に、ダルベッコ緩衝カルシウム・マグネシウム非含有溶液(Dulbecco's buffered calcium and magnesium-free solution)(PBS)0.05ml中に懸濁させた106個のルイス肺癌細胞を、滅菌したインシュリン注射器を用いて筋肉注射によって接種した。
腫瘍線は、腫瘍保管銀行(Tumor Repository Bank),NCI,NIH,Bethesda(米国)によって得られ、液体窒素で保存した。
上記接種から5日後における腫瘍の平均重量は、0.4±0.01gに等しかった。3つのマウス群は、5日目から11日目までに、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…上述のWO90/13553国際特許出願に記載の通りに、[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)]Na・2DMSOを44mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。接種から12日後に、一次腫瘍を手術により取り除いた。
接種から21日後に、マウスは頸部転移によって犠牲となり、肺転移部を数えた。肺は、マウスが死亡した後、直ちに外転させ、個々の分画(lobes,葉)に分割した。次いで、個々の分画は、接眼鏡上にグリッド(方眼)を備えた低倍率の立体顕微鏡を使用して調べた。それによって、“a”及び“b”の直交軸(ここに、a≦b)を検出することができた。
次いで、肺転移部の大きさによって、肺転移部を分類し、次いで、各動物の転移部の重量を、個々の転移部の重量の合計として計算した。各々転移部は、式(π/6)a2×bによる固形体と見なした。
次いで、得られた実験データは、スチューデント・ニューマン・コイルス検定(Student-Newmann-Keuls statistical test)により解析した。
得られた結果は、下記の表1に報告する。表1で、処置されたマウス(2)及び(3)の両方の群における転移部の数とそれらの重量とは、対照群(1)と比較して報告する。数字は、各々群で得られた個々の値の平均±S.E.として報告する。
上記に報告される数字は、本発明による[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]を用いて処置すれば、転移の重量と数の両方が減少し、その減少量は、最新技術において知られている基準化合物を用いて得られたものより一層大きいという事実の大要を説明している。
転移の数及び重量の減少量%は、下記の表2に報告する。
最新技術において知られている基準化合物と比べた、本発明の化合物を用いて得られた利点は、上記に報告される数値によって一層整然と示される。
上記の通りに処置した後、マウスの群(1)及び(3)から分離した肺転移部は、数えて、直径の大きさ(d)によって3つのグループ、即ち、直径d<1mm(小さい)の転移部、1mm〜2mmの範囲の直径(中程度)の転移部、及び直径d>1mm(大きい)の転移部に分割した。得られた結果は、下記の表3に報告する
これらの数字は、処置された動物群において、中程度の大きさの転移部こぶ、及び大きい転移部こぶは、対照に比べて、(中程度の大きさの転移部こぶは)ほとんど存在しないか、又は(大きい転移部こぶは)存在しないという事実の大要を説明している。
例(i)−B
物質と方法
3つの群(それぞれ、チャールズ・リバー(Calco,Como,イタリー)から入手した、21±1gのメスBD2F1マウス10匹から成る)に、ダルベッコ緩衝カルシウム・マグネシウム非含有溶液(PBS)0.05ml中に懸濁させた106個のルイス肺癌細胞を、滅菌したインシュリン注射器を用いて筋肉注射によって接種した。
腫瘍線は、腫瘍保管銀行,NCI,NIH,Bethesda(米国)によって得られ、液体窒素で保存した。
上記接種から5日後における腫瘍の平均重量は、0.4±0.01gに等しかった。マウスの3つの群は、12日目から17日目までに、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…シスプラチンを2mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
接種から11日後、一次腫瘍は手術によって除去した。
接種から25日後、マウスは頸部転移によって犠牲となり、肺転移部を数えた。肺は、マウスが死亡した後、直ちに外転させ、個々の分画に分割した。次いで、個々の分画は、接眼鏡上にグリッド(方眼)を備えた低倍率の立体顕微鏡を使用して調べた。それによって、“a”及び“b”の直交軸(ここに、a≦b)を検出することができた。
次いで、肺転移部の大きさによって、肺転移部を分類し、次いで、各動物の転移部の重量を、個々の転移部の重量の合計として計算した。各々転移部は、式(π/6)a2×bによる固形体と見なした。
次いで、得られた実験データは、スチューデント・ニューマン・コイルス検定により解析した。
得られた結果は、下記の表4に報告する。表4で、処置されたマウス
(2)及び(3)の両方の群における転移部の数とそれらの重量とは、対照群(1)と比較して報告する。数字は、各々群で得られた個々の値の平均±S.E.として報告する。
5;群毎のデータのt検定。
上記に報告される数字は、本発明による[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]を用いて処置すれば、転移の重量と数の両方が減少し、その減少量は、最新技術において知られている基準化合物を用いて得られたものより一層大きいという事実の大要を説明している。
例(ii)−A:
物質と方法
23±2gのメスCBAマウス7匹から成る3つの群を、血族動物のための手順に従って飼育された群体から入手した。当初、ロンドンのChester Beatthy Instituteから入手した群体は、次いで、1:1〜1:4の範囲の比率で、血族(兄弟と姉妹)間の直列交尾(serial couplings)を続けさせた。それらの交尾は、第5週に生まれた動物の性的成熟度のピークにおいて起こった。標準体重以下の動物又は明らかな器官異常を持つ動物は除いた。
3つの群に、ダルベッコ緩衝カルシウム・マグネシウム非含有溶液(PBS)0.05ml中に懸濁させた106個のルイス肺癌細胞を、滅菌した注射器を用いて筋肉注射によって接種した。
腫瘍線は、Rudjer Boskovic Instituteから入手し、液体窒素で保存した。
上記接種から13日後における腫瘍の平均重量は、1.2±0.2gであった。3つのマウス群は、13日目から18日目までに、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…上述のWO90/13553国際特許出願に記載の通りに、[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)]Na・2DMSOを44mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
接種から19日後、一次腫瘍は手術によって取り除いた。
接種から27日後、マウスは頸部転移によって犠牲となり、試験(i)に記載の通り、肺転移部を数えた。
次いで、得られた実験データは、スチューデント・ニューマン・コイルス検定により解析した。
本発明の塩の活性を評価すべく、上記3つの群のマウスから一次腫瘍を手術によって取り除き、次いで、解剖した。各群について腫瘍1個をランダム法によって選定し、そのようにして10区画/腫瘍を得、新生物の全体量を評価した。腫瘍のスライスを10%ホルマリン中に固定し、パラフィン中に包埋し、次いで、上皮細胞、結合マトリックス及び赤血球の存在をはっきり示すために、カハール・ガレゴ色素(Cajal-Gallego dye)で染色した。浸潤は、アポプトーシス体(apoptotic body)の存在の他、多形核(PMN)の劣化を観察することによって評価した。
結果:
得られた結果は、表5に報告する。表5において、群(2)及び(3)で得られた転移部の数及びそれらの重量は、対照群(1)と比較される。数字は、各々群で得られた個々の値の平均±S.E.として示した。
本発明の化合物を用いて得られた、転移部の数及びそれらの重量の減少割合、並びに最新技術において知られている、対照としてのナトリウム塩を用いて得られたそれら減少割合は、下記の表6に報告する。
本発明の塩の効果に関する結果は、下記の表7に報告する。
基準化合物[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)]Na・2DMSO(44mg/kg/日)に比べて、化合物[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]は、十分なヒストロジック修飾(hystologic modifications)を生じる。特に、本発明による塩で処置した腫瘍は、新生物白血球と結合した広い出血領域及び壊死領域;多形核(PMN)の劣化;多数のアポプトーシス体(apoptotic body)の存在;並びに腫瘍を取り囲む結合被膜の腫れ上がり部分を有する。
これらの結果は、外側結合被膜(outer connective capsule)に文字“C”が付されており(図A1、B1及びC1)、一方、壊死領域は文字“N”が付されている図(図A2、B2及びC2)において一層明白である。
本発明による塩が薬理効果を発揮する活性機構を限定しようとしないでも、上記の観察結果は、一次腫瘍から引き起こされる腫瘍細胞が防止される結果としての、上記塩の抗転移効果を、少なくとも部分的に説明するのに寄与する。
例(ii)−B
物質と方法
血族動物のための手順に従って飼育された群体から入手した、22gのメスCBAマウス12匹から成る2つの群、及び14匹から成る1つの群(対照)に、試験(ii)−Aで報告される通り、106個のMCa乳癌細胞を接種した。
マウスの3つの群は、上記接種から9日目から14日目までに、毎日、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)][NH4](例5)を27mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
接種から27日後に、ラットは頸部転移によって犠牲となり、試験(i)に記載の通りに、肺転移部を数えた。
次いで、得られた実験データは、スチューデント・ニューマン・コイルス検定により解析した。
一次腫瘍に関する、本発明の塩の活性を評価すべく、上記処置の初めと終りに、一次腫瘍の平均重量を査定した。
結果:
得られた結果は、表8に報告する。表8で、マウス(2)及び(3)の群における転移部の数とそれらの重量とは、対照群(1)と比較して示す。数字は、各々群で得られた個々の値の平均±S.E.として示す。
本発明の化合物を用いて得られた、転移部の数及びそれらの重量の減少割合と、最新技術において知られているナトリウム塩を用いて得られたその減少割合とを、対照と比較して、下記の表9に示す。
一次腫瘍の成長に対する、本発明の塩の効果に関する結果は、表10に示す。表10において、一次腫瘍の重量、及び対応する成長割合は、本発明の塩を用いて処置する初めと終りに測定した。
上記に示す数値から、本発明による塩を用いて処置した諸群中の一次腫瘍の成長の減少量は、対照を基準として、[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH]で59.9%であるが、[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]NH4で44.5%である
例(ii)−C
物質と方法
血族動物のための手順に従って飼育された群体から入手した、22gのメスCBAマウス7匹から成る2つの群、及び9匹から成る1つの群(対照)に、試験(ii)−Aで報告される通り、106個のMCa乳癌細胞を筋肉注射によって接種した。
3つのマウス群は、9日目から14日目までに、毎日、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…上記の国際特許出願WO90/13553に記載の通りに、[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]Na・2DMSOを44mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]NH4(例5)を27mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
一次腫瘍に対する、本発明の塩の活性を評価すべく、成長の変化の割合の他に、本発明の塩を用いた処置の初めと終りに一次腫瘍の平均重量を査定した。
得られた結果は、下記の表11に示す。表11は、成長変化(%)の他に、処置の初めと終りに一次腫瘍の重量を示す。
上記に報告される数字は、Ru(III)複合体の塩で処置した群中の一次腫瘍の成長の低減量は、対照を基準とし、[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]Na・2DMSOでは18.7%であるが、[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]NH4では32.8%である。これらの数値は、本発明の[トランス−RuCl4(DMSO)(NH3)]NH4が、一次腫瘍の成長に対して抗腫瘍効果を発揮することができ、この効果は、最新技術において知られている化合物と比べて著しく高いことを示す。
例(ii)−D:
物質と方法
23±2gのメスCBAマウス7匹から成る3つの群を、血族動物のための手順に従って飼育された群体から入手した。当初、ロンドンのChester Beatthy Instituteから群体を入手し、次いで、1:1〜1:4の範囲の比率で、血族(兄弟と姉妹)間の直列交尾(serial couplings)を続けさせた。それらの交尾は、第5週に生まれた動物の性的成熟度のピークにおいて起こった。標準体重以下の動物又は明らかな器官異常を持う動物は除いた。
3つの群に、ダルベッコ緩衝カルシウム・マグネシウム非含有溶液(PBS)0.05ml中に懸濁させた106個のMCa乳癌細胞を、滅菌した注射器を用いて筋肉注射によって接種した。
上記接種から13日後に、一次腫瘍は手術によって取り除いた。
3つのマウス群は、14日目から19日目までに、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…シスプラチンを2mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
例(ii)−E
TS/A乳腺癌に冒されたマウスに対する、本発明による塩(I)の生体内活性試験
物質と方法
3つの群(それぞれ、Harlan Nossan(イタリア)から入手した、21±1gのメスBALBcマウス10匹から成る)に、ダルベッコ緩衝カルシウム・マグネシウム非含有溶液(PBS)0.05ml中に懸濁させた105個のTS/a乳腺癌細胞を、滅菌したインシュリン注射器を用いて筋肉注射によって接種した。
腫瘍線は、Istituto immunogenetica (Univ.Torino, イタリア)から入手し、液体窒素で保存した。
3つのマウス群は、13日目から18日目までに、腹膜組織内を次の通りに処置した。
群1…対照:滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群2…シスプラチンを2mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日;
群3…[トランス−RuCl4(DMSO)(Im)][ImH](例2)を35mg含有する、滅菌したピロゲン非含有生理的溶液を10ml/体重kg/日。
接種から19日後、一次腫瘍は手術によって取り出した。
接種から33日後、マウスは頸部転移によって犠牲となり、肺転移部を数えた。肺は、マウスが死亡した後、直ちに外転させ、個々の分画(lobes,葉)に分割した。次いで、個々の分画は、接眼鏡上にグリッド(方眼)を備えた低倍率の立体顕微鏡を使用して調べた。それによって、“a”及び“b”の直交軸(ここに、a≦b)を検出することができた。
次いで、肺転移部の大きさによって、肺転移部を分類し、次いで、各動物の転移部の重量を、個々の転移部の重量の合計として計算した。各々転移部は、式(π/6)a2×bによる固形体と見なした。
次いで、得られた実験データは、スチューデント・ニューマン・コイルス検定により解析した。
得られた結果は、下記の表13に示す。表13で、処置したマウス(2)及び(3)の両方の群における転移部の数とそれらの重量とは、対照群(1)と比較して示す。数字は、各々群で得られた個々の値の平均±S.E.として示す。
転移性固形腫瘍に対する、[トランス−Rucl4(DMSO)(Im)][ImH]及びシスプラチンの効果を比較するために選定される投与量は、採用した処置(注射1回/日/連続6日間)によって、それらが最大許容投与量を示す場合に、比較できる。
処置の間の体重増加量の低下に及ぼす、本発明の化合物及びシスプラチンの影響を比較することによって、ルテニウム化合物(対照に対する体重増加量の低下(%)=+1(ルイス肺癌)、−6(MCa乳癌))は、シスプラチン(対照に対する体重増加量の低下(%)=−11)より常に、毒性が少ないことが分かる。処置した動物の脾臓重量(対照に対する脾臓重量の低下(%)=−11)を比較することによっても、本発明の化合物を用いた薬剤処置が、シスプラチンで動物を処置した場合(対照に対する脾臓重量の低下(%)=−52)より抗毒性が遥かに優れていることが分かる。
腫瘍の転移に対して、本発明の化合物はシスプラチンより効果的である(MCa乳癌)か、又は一層効果的である(ルイス肺癌及びTS/A乳腺癌)。本発明の化合物は、腫瘍の成長の初期段階で投与される場合(即ち、手術による剥脱(TS/A乳腺癌)の前)か、又は成長の進行段階の肺転移部を有するマウスに投与される場合(即ち、一次腫瘍の手術による剥脱(ルイス肺癌)の後)、肺転移部の数を減少させる。そして、肺転移部の減少は、処置したマウス(MCa乳癌)の手術後の期待寿命を有意に延ばすことと一致する。
上記に報告される生体内実験モデルは、本発明の化合物を用いた、成長の進行段階の、げっ歯類に生じる2種の固形腫瘍の処置に関する。一次腫瘍の成長と、肺転移部の形成の両方において、統計的に有意で顕著な低減が観察された。この低減は、ルイス肺癌のモデル(i)と、MCa乳癌のモデル(ii)の両方において分かる通り、肺転移の成長の顕著な抑制のためである。実際、対照と比較して、処置した動物群における中程度の癌/大きい癌の存在は、著しく低いか、又は大きいこぶに関する限り存在しない。
特に、転移部の効果的な減少に関するデータを総合的に比較すると、本発明の化合物は、ルイス肺癌の治療においても、MCa乳癌の治療においても、最新技術において知られている基準化合物より、一層明白であり且つ統計的に有意であり、驚愕すべきほど非常に活性である。
Claims (24)
- 式(I):
(式中、R1、R2及びR3は互いに同一又は異なり、H;直鎖状又は枝分れ状の、飽和又は不飽和のC1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;フェニル基;及びアリール基から成る群から選ばれるか;或いはNR1R2R3は、飽和又は不飽和の5〜7員の窒素含有複素環(任意に、一つ以上のO、S及び/又はNの原子を含有する)であり、前記窒素原子は任意に、C1〜C4アルキル残基、アリール残基又はベンジル残基で置換され;前記窒素含有複素環は任意に、ベンゾ基で縮合され、及び/又はC1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシル基、C1〜C4アルキルチオ基、アリール基又はベンジル基で置換され;しかも、R4及びR5は互いに同一又は異なり、H、C1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、フェニル基及びアリール基から成る群から選ばれるか、或いはR4及びR5は、S原子と共に4〜7員の複素環を形成する)のアンモニウムカチオンを有するRu(III)アニオン複合体の塩。 - R1、R2及びR3は、H又はエチル基である、請求項1記載の塩。
- NR1R2R3は、イミダゾール、N−メチル−イミダゾール、ピラゾール及びオキサゾールから成る群から選ばれる、窒素含有複素五員環である、請求項1記載の塩。
- NR1R2R3は、ピリジン、ピラジン、3,5−ルチジン、及び4−メチルピリジンから成る群から選ばれる複素六員環である、請求項1記載の塩。
- NR1R2R3は、インダゾール、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、及び1,5,6−トリメチル−ベンゾイミダゾールから成る群から選ばれるベンゾ基で濃縮される窒素含有複素環である、請求項1記載の塩。
- R4−SO−R5は、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド及びテトラメチレンスルホキシドから成る群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩。
- NR1R2R3はイミダゾールであり、R4−SO−R5はジメチルスルホキシドである、請求項1、3又は5に記載の塩。
- NR1R2R3はNH3であり、R4−SO−R5はジメチルスルホキシドである、請求項1、2又は6に記載の塩。
- R4及びR5は、メチル基又はエチル基である、請求項9記載の製法。
- 工程(1)において、RuCl3は有機溶媒に溶解させ、次いで、このやり方で得た溶液を、60〜90℃の範囲の温度でR4−SO−R5及び濃HClと反応させる、請求項9記載の製法。
- RuCl3はエタノール又はメタノールに溶解させ、次いで、このやり方で得た溶液を、約80℃の温度でR4−SO−R5及び濃HClと反応させる、請求項11記載の製法。
- 工程(2)において、複合体(II)と窒素含有化合物NR1R2R3とは、1:2〜1:6のモル比で反応させる、請求項9記載の製法。
- 工程(2)において、有機溶媒はアセトン又はジクロロメタンである、請求項9記載の製法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の塩の少なくとも一種からなる、抗転移剤及び抗新生物剤の一方又は両方としての薬剤。
- 転移部を生じる固形腫瘍の治療に用いる、請求項15記載の薬剤。
- 固形腫瘍は、胃腸管の癌、乳癌、肺腫瘍、転移性癌、及び転移性腫瘍の肺転移部から成る群から選ばれる、請求項16記載の薬剤。
- 式(I)の塩は、一回投与又は複数回投与で、0.1〜300mg/kg/日の範囲の量で投与する、請求項15記載の薬剤。
- 式(I)の塩は、非経口経路、経口経路、局所経路、又は経皮経路で投与する、請求項15記載の薬剤。
- 適切な賦形剤及び希釈剤と組合わせて、活性化合物としての請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも一種の式(I)の塩を治療有効量含有する、薬剤組成物。
- 溶液又は懸濁物の形態である、請求項20記載の薬剤組成物。
- ゲル、軟膏、粉末、丸剤、錠剤、カプセル又はインサートの形態である、請求項20記載の薬剤組成物。
- 式(I)の塩は、一種以上の抗腫瘍薬剤と組み合わされている、請求項20記載の薬剤組成物。
- 抗腫瘍薬剤は、シスプラチン、5−5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、アントラサイクリン及びタクソールから成る群から選ばれる、請求項23記載の薬剤組成物。
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