JP4042538B2 - 液圧成形における予備成形体および中空成形体の液圧成形方法 - Google Patents

液圧成形における予備成形体および中空成形体の液圧成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧成形における予備成形体および中空成形体の液圧成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フロントサイドメンバやクラッシュボックスのように衝撃吸収部材として機能する自動車の車体構造部材は、一般的に、衝撃の吸収に適した中空外郭形状を有している。この車体構造部材は、ある程度の強度を持つ一方で、衝撃の吸収も効果的にできるようにするため、その内部を仕切るように補強板が配され、かつ、長手方向に渡り断面形状が漸増するように構成される。このような車体構造部材の製造は押し出し成形によって行われる。
【0003】
下記の特許文献1には、車体構造部材を押し出し材から成形する技術が開示されている。特許文献1に開示されている車体構造部材は、自動車前部で前後方向に軸線が延びる左右のクラッシュボックスである。クラッシュボックスはアルミ押し出し材から成形される。
【0004】
クラッシュボックスを製造するには、まずその矩形中空部内を十字状に仕切る補強板を矩形中空部に配し、矩形中空部の外面から外側に向かって突出するフランジを一体的に押し出し成形した後、そのフランジの前方側から後方側に向かってフランジ幅が漸増するように、そのフランジを切断する。
【0005】
このような手順で押し出し成形することによって、主に内部を仕切るように配された補強板と矩形中空部とによって大きな軸圧縮荷重が得られるとともに、フランジ幅が漸増したフランジ部にて軸圧縮荷重を漸増させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−155981号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車体構造部材では、主に衝撃エネルギーを吸収する矩形中空部を一定断面積とし、フランジ部のフランジ幅のみを漸増させることによりエネルギー吸収性能をコントロールしているため、性能設計の自由度が極めて狭い。また、矩形中空部が一定断面積であるため、軸圧縮時に潰れ残りが生じ、その分有効な潰れストロークが短くなってエネルギー吸収性能が不足する場合もあるという問題がある。
【0008】
また、アルミ押し出し材を用いた場合、断面を仕切る補強板を押出し成形によって形成するため、矩形中空部は長手方向では一定断面積となり、長手方向の任意の位置に、断面を仕切る補強板を自由に配置することが困難であり、エネルギー吸収性能を設計する上で、形状やレイアウトの自由度が低いという問題がある。
【0009】
本発明は、以上のような従来の種々の問題を解決するために成されたものであり、設計の自由度が大きく、軸圧縮時に潰れ残りが生じ難い構造を有する予備成形体および中空成形体の液圧成形方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる液圧成形における予備成形体は、互いに重ね合わされた少なくとも2枚の金属板を有し、当該2枚の金属板の長手方向に沿う両側縁部が接合され、液圧成形により当該2枚の金属板がその長手方向に伸延する中空外郭体へと膨出変形される液圧成形における予備成形体であって、前記2枚の金属板の間には、前記2枚の金属板のそれぞれの内面に接合された予備補強体が予め介装され、当該予備補強体の断面方向の幅は前記金属板の長手方向に向けて漸次変化しており、前記予備補強体は、前記液圧成形により、前記中空外郭体の内部を長手方向に伸延しかつ当該内部をその断面積が漸次変化する複数の空間に仕切る補強体へと変形され、前記補強体は、互いに交差する一対の平板部からなり、各平板部は、上記中空外郭体の互いに対向する内面に架け渡されていることを特徴とする。
【0011】
また、上記した課題を解決し、目的を達成するため、発明にかかる中空成形体の液圧成形方法は、互いに重ね合せた第1金属板と第2金属板との間に、前記第1金属板および前記第2金属板のそれぞれの内面に接合された予備補強体が配設される予備補強部と、液圧成形の際に液体が注入される液体注入部と、前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向の前記予備補強部と前記液体注入部との間に位置し前記予備補強体が配設されていない中間部とを設け、前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向に沿う両側縁部を互いに接合して予備成形体を形成し、当該予備成形体をキャビティが形成される上型と下型の間に挟持し、前記予備成形体の液体注入部に液体を注入し、中空成形体を膨出成形し、前記中空成形体の長手方向に直交する断面形状は矩形をなしており、この矩形の対角線上に前記上型と前記下型との分割面が配置されることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
本発明の液圧成形における予備成形体によれば、液圧成形することにより、互いに重ね合わせた2枚の金属板により中空外郭体を成形でき、同時に、この中空外郭体の断面をその長手方向に断面積が漸次変化するように仕切る補強体を成形することができ、しかもその製造が容易である。加えて、補強体へと変形する予備補強体は、変形前の金属板に予め接合しておくことができるので、その接合作業が容易であるとともに、補強材のレイアウトおよび形状の自由度が高くなる。
【0013】
本発明の中空成形体の液圧成形方法によれば、液体注入部と予備補強部との間に予備補強体が配置されていない中間部を設けているため、液体注入部へ高圧の液体を注入すると、まず中間部から徐々に変形していき、これに追従するように予備補強部が変形していく。したがって、補強体により仕切られた複数の空間の形状がばらつくことなく適正に形成され、これら空間に作用する均等な液圧により金属板を適正に膨出変形させていくことができ、高強度で、かつエネルギー吸収性能に優れた中空成形体を容易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる液圧成形における予備成形体および中空成形体の液圧成形方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、自動車車体1の前部の骨格を示す斜視図である。自動車車体1の前部には前後方向に延びるフロントサイドメンバ2が左右に設けられている。左右のフロントサイドメンバ2の前端には、クラッシュボックス3が連結され、クラッシュボックス3を介してフロントバンパー4が連結されている。左右のフロントサイドメンバ2の上方には、やはり左右のフードレッジ5が設けられている。車体前方からの衝突に対しては、主にこれらの各部材でエネルギーが吸収される。
【0016】
[実施の形態1]
まず、自動車の車体構造としてのフロントサイドメンバ2に本発明を適用した実施の形態1について説明する。図2は、フロントサイドメンバ2の斜視図であり、図3は図2のP方向からの矢視図である。
【0017】
フロントサイドメンバ2は、第1金属板6と第2金属板7を組み合わせてなる中空外郭体を有している。中空外郭体は中空断面形状で、長手方向に延びるに従い断面積が漸増する略矩形形状の閉断面構造をなしている。第1金属板6と第2金属板7は、図3に示すように、それぞれ略L字状に折曲して、中空外郭体の2つの側壁をそれぞれ形成している。これらの金属板6、7は、両側縁部10の2箇所で長手方向に沿って互いに接合されている。両側縁部10は、中空外郭体の矩形部分から外側に突出するフランジ形状を呈しており、その方向は矩形部の対角線上に延びるように突出しており、その突出端近傍で両金属板6、7が互いに接合されている。
【0018】
中空外郭体の内部には、第1補強板8と第2補強板9とが互いにL字状に折曲して、かつ長手方向に延びる折曲部11で接合され、断面略十字形状の補強体が構成されている。第1補強板8は折曲部11でほぼ直角に折曲しており、かつ、両側縁部12が長手方向に沿って第1金属板6の内面に接合されている。第2補強板9も折曲部11でほぼ直角に折曲しており、かつ、両側縁部13が長手方向に沿って第2金属板7の内面に接合されている。
【0019】
図2のように、フロントサイドメンバ2は、補強体が配設された補強部15と、補強体が配設されていない非補強部14とにより構成されている。非補強部14は、車両組立状態で車両前部側となる位置に設けられ、中空外郭体の内部を空洞化した形状となっている。
【0020】
フロントサイドメンバ2は、後述する予備成形体20を液圧成形により中空成形体に膨出成形した後、図示しない裁断工程などを経て製造される。図4は、上述した2枚の金属板6、7、および2枚の補強板8、9により構成された予備成形体20を示す図である。図5は、図4のX−X線に沿った予備成形体20の断面図であり、図6は、図4のY−Y線に沿った予備成形体20の長手方向の断面図である。
【0021】
図4のように、予備成形体20は後述する液体注入部21から長手方向に向かって、その直角断面方向の幅は漸増していく形状をなしており、図5のように、上述した第1金属板6と第2金属板7および、2枚の補強板8、9により構成されている。2枚の金属板6、7は互いに重ね合せた状態で、両側縁部10を含め全周縁部で互いに接合されている。2枚の補強板8、9は、液圧成形後には図3に示すように折曲することとなるが、予備成形体20の段階では折曲しておらず、平板形状をなしており、互いに重ね合わせた状態で、2枚の金属板6、7の間にサンドイッチ状に挟み込まれている。
【0022】
予備成形体20は、長手方向でいくつかの部分に分けることができ、補強板8、9からなる予備補強体が配設される予備補強部22と、高圧な液体が注入される液体注入部21と、その間に長手方向で予備補強部22と液体注入部21との間に位置する所定長さの中間部23とを有している。中間部23および液体注入部21には、2枚の金属板6、7の間に補強板8、9を配設しない。図2に示した補強部15は、予備補強部22から形成され、非補強部14は中間部23から成形される。
【0023】
図5および図6を参照しながら予備成形体20の形成手順を説明する。まず一対の補強板8、9を、互いに板幅方向にオフセットして重ね合わせた状態で、その板幅方向中央部に位置する交差位置11で、長手方向に沿って互いに接合する。この接合はレーザーによる重ね溶接、アーク溶接によるスロット溶接またはプラグ溶接、あるいは、接着、カシメなどにより行うことができる。次に第2補強板9の両側縁部13を長手方向に沿って第2金属板7の内面に接合する。次いでこれら補強板8、9を挟み込むように第1金属板6を第2金属板7に重ね合わせて、第1金属板6と第1補強板8aの両側縁部12とを接合する。次いで互いに重ね合わせた金属板6、7の両周縁部10を全周に渡って接合し、予備成形体20を得る。この接合は例えばレーザー溶接やアーク溶接あるいは、接着剤などで行うことができ、この全周接合により両金属板6、7の内部が密閉状態に保たれる。
【0024】
このように形成される予備成形体20に対し、図7、図8、図9に示すような上型24、下型25を用いて液圧成形を行う。なお、図7は図4のX−X線に沿う断面に、図8は図4のY−Y線に沿う断面に対応している。上下型24、25には、フロントサイドメンバ2の断面方向が略矩形断面で、長手方向に向かって断面が漸増する外形形状がキャビティ26、27として形成されおり、上下型24、25の分割面28はその矩形断面の対角線上にある。
【0025】
下型25には液体注入ノズル29が取り付けられている。ノズル29には、下型25に形成された液体通路30および液体通路30に接続する高圧ホース34を経由して、図示しない高圧発生装置から高圧の液体が供給される。ノズル29を受容するように、予備成形体20の液体注入部21は、予め中空形状に形成されるとともに、ノズル29が勘合する勘合孔31が第2金属板7に形成されている。
【0026】
上型24および下型25には予備成形体20の中空形状をなす液体注入部21の形状が収まる凹溝32、33がそれぞれ形成され、凹溝32、33と金型のキャビティ26、27との間には凹溝32、33からキャビティ26、27へ向かって断面積が徐々に拡大するように傾斜する傾斜面32a、33aがそれぞれ形成されている。これら凹溝32、33、および傾斜面32a、33aは、金属板6、7の合わせ面、つまり上型24と下型25の分割面28に対して実質的に均等に形成されており、分割面28を挟んでほぼ同じ面積(容積)となるように設定されている。分割面28上に、矩形形状をなすフロントサイドメンバ2の対角線、ノズル29の噴射軸線、更には予備補強体の中心を含む補強板8、9の合わせ面が配置するように設定されている。つまり、補強板8、9の中心と中間部23の中心とを分割面28上の同一位置に設定している。
【0027】
図7に示すように、予備成形体20を上型24と下型25の間で狭持型締めした状態で、高圧発生装置により発生された高圧な液体を、高圧ホース34および液体通路30を経由してノズル29へ供給し、ノズル29により予備成形体20に形成した勘合孔31から液体注入部21の内部へ注入する。この高圧な液体は、互いに重ね合わせた2枚の金属板6、7の周縁部10が全周に渡って互いに接合されているため予備成形体20の外部へ漏れ出すことはない。
【0028】
この液体の高い圧力により、予備成形体20がノズル29に近い部分から予備補強部22へ向かって徐々に膨出変形していくこととなる。この液圧成形により図2、図3に示すように金属板6、7および、補強板8、9が適正な形状へ変形していくことになるが、それは以下のような理由によるものである。中空成形による変形過程において、まず予備変形部47、35が凹溝32、33の内面に沿うように変形していく。これら予備変形部47、35はそのノズル側が予め凹溝32、33の内面に沿うように形成されており、かつ、分割面28に対して上下均等(相似形)に設定されているため、ノズル側の部分の形状に追従するように、長手方向および、長手方向に直交する方向に関して均一かつスムーズに凹溝32、33に沿って膨出変形していく。また、傾斜面部32a、33aの部分で断面積が徐々に拡大するように設定されているため、金属板6、7はキャビティ26、27の内面に沿う形状へとスムーズに膨出変形していく。
【0029】
従って、予備補強部22が変形し始める段階では、既に中間部23周辺部分の金属板6、7がキャビティ26、27の壁面に沿うように膨出変形しており、この部分の形状に追従するように、まず予備補強部22の中間部23寄りの金属板6、7の部分が適切に膨出変形していく。金属板6、7の変形に応じて、金属板6、7に接合する補強板8、9が変形・折曲していく。このように予備補強部22の変形が良好に進行していくように、中間部23の長手方向長さが充分に長く設定されている。補強板8、9の変形に応じて、これら補強板8、9によって仕切られら長手方向に延びる4つの空間が、その形状が個々にばらつくことなく、均一に形成されていき、これら空間から金属板6、7の内面に均等な液圧Pが作用することにより、これら金属板6、7がキャビティ26、27の壁面に沿う最終的な矩形断面形状で、かつ長手方向で断面の大きさが漸次変化した形状へと膨出変形していく。成形後の金型断面を図9に示す。
【0030】
上述したように、液圧成形後の中空外郭体の対角線が、上型24および下型25の分割面28上に位置し、分割面28に沿って金属板6、7を互いに接合したフランジ状の両側縁部10を配置しているため、金属板6、7が液体により徐々に膨出変形していく過程において、フランジ状をなす両側縁部10がスムーズにキャビティ26、27側へと引き込まれて流入していく。このため、金属板6、7をスムーズに膨出変形させていくことができる。
【0031】
変形完了後に、液体の圧力を除去し、上型24および下型25内から中空成形体36を取り出し、長手方向両端の不要部分を切除することにより、上述した断面が複数に仕切られた補強部15と非補強部14で構成された断面積が漸増するフロントサイドメンバ2を得ることができる。
【0032】
フロントサイドメンバ2によれば、前面衝突時には、まず非補強部14が速やかに潰れ、次に補強体で断面を仕切っている補強部15が潰れる。補強部15は断面を仕切る補強板8、9により断面内に稜線が増えるため、高強度となり高反力が得られる。さらにフロントサイドメンバ2では、補強体を有した略矩形部の断面形状が、長手方向で均等に漸増するように構成された外形形状をなしているため、この反力は潰れが進行するに従い大きくなるとともに、潰れた部分が重なりにくくなるため、潰れ残りが少なくなり有効な潰れストロークが増えるため、衝突時の初期反力を抑えつつ、全体として衝突エネルギー吸収効率を効果的に高めることができる。さらに対角線方向にフランジが突出することにより、潰れモードが安定する。また、平板部8a、8bが互いに直交するように交差する形状となっているため、長手方向に直交する方向の荷重に対しても高い強度が得られる。
【0033】
実施の形態1では、2枚の補強板8、9により構成しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図10に示すように、金属板6、7からなる中空外郭体の内部を2つの空間に仕切る一枚の補強板37を構成してもよい。また、同様に図11のように、金属板6、7からなる中空外郭体の内部を3つの空間に仕切る2枚の補強板38、39を構成してもよい。図10および図11に示す補強体を有した中空外郭体は、それぞれ図12と図13に示すような構成の予備成形体40、41を用いて液圧成形を行うことにより形成できる。さらにこれらの断面形状は長手方向の途中で任意に変化させることが可能であり、求められるエネルギー吸収性能に応じて自由に組合せ選択も可能である。
【0034】
なお、以上の説明では、フロントサイドメンバ2として説明したが、車両後部に設置され、車両後面からの衝突に対してエネルギー吸収を行うリアサイドメンバ(図示せず)にも適用できることは言うまでもない。
【0035】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を説明する。この実施の形態は、図1に示した自動車車体1のフロントサイドメンバ2の前端からさらに前方方向に延びるクラッシュボックス3に本発明を適用したものである。なお、この実施の形態の説明をするに当たって、実施の形態1と重複する構成、およびその構成の作用、効果についての説明は適宜省略する。
【0036】
図1において、クラッシュボックス3はフロントサイドメンバ2の前端に左右略対称に配置されており、左右のクラッシュボックス3にはさらにその前方に位置されるバンパー4が連結されている。前面衝突時のエネルギーはまずバンパー4に伝わり、それが左右のクラッシュボックス3に伝達され、さらにフロントサイドメンバ2に伝わる構造となっている。
【0037】
図14はクラッシュボックス3の斜視図である。クラッシュボックス3は、2枚の金属板51、52からなる中空外郭体をなしている。中空外郭体は、断面略矩形形状で、長手方向に漸次断面を拡大しながら延びる閉断面構造をなしている。中空外郭体の内部には、互いに交差する一対の補強板53、54を備えた断面略十字状をなす補強部56が設けられている。これら補強板53、54によって、中空外郭体の内部が長手方向に延び、かつ断面空間の大きさが漸増する4つの空間に仕切られている。中空外郭体の両側縁部55は、中空外郭体の矩形部分から突出するフランジ形状を呈しており、その方向は矩形部分の対角線上に延びるように突出しており、その突出端近傍で両金属板51、52が互いに接合されている。
【0038】
クラッシュボックス3は、後述する予備成形体57を液圧成形することにより得られる中空成形体から、裁断加工等を経て製造される。図15は予備成形体57の斜視図である。予備成形体57は中空外郭体となる2枚の金属板51、52と、補強部56となる2枚の補強板53、54とにより構成されており、その断面形状は図5に示した形状と同様である。しかし本実施の形態では図15に示すように、予備成形体57が、液体注入部58から非補強部59、補強部56へと、順次、長手方向と直交する側の幅は漸増していくが、中央から後方へは漸減していく、つまり中央で前後対称形状をもった予備成形体57であり、後述するように、左右のクラッシュボックスを中央で繋げた2ヶ取り用の形状をなしている。
【0039】
予備成形体57を液圧成形により膨出変形する方法は、実施の形態1と同様である。しかしながら、本実施の形態では、クラッシュボックス3の外郭形状に対応したキャビティが形成された上型と下型には、図16に示すように、断面が漸増する右側用クラッシュボックス61と、断面が漸減する左側用クラッシュボックス62が、中央変化部63で組み合わされた外郭形状で、金型のキャビティが形成されているのが特徴である。
【0040】
予備成形体57の液体注入部58から、2枚の金属板51、52と補強板53、54とで仕切られる各空間部に液体を注入すると、液体注入部58近傍は実施の形態1と同様の構成となっているため、補強板で仕切られる各空間に均等に液圧を作用させることができ、予備成形体57を膨出変形させることで中空成形体が得られる。中空成形体の前後の不要部分を裁断すると、図16に示したような、右側用クラッシュボックス61と、左側用クラッシュボックス62が、中央変化部63で繋がった中間成形体60が得られ、これをさらに中央で2分割することにより、一度にクラッシュボックス3の左右用2部品を同時に得ることができる。
【0041】
この製造方法によって得られた中空成形体から図14に示したクラッシュボックス3が製造される。クラッシュボックス3によれば、補強部56は断面を仕切る補強板53、54により断面内に稜線が増えるため、高強度となり高反力が得られる。さらに補強板を有した略矩形部分の断面形状が、長手方向で均等に漸増するように構成された外形形状をなしているため、その反力は潰れが進行するに従い大きくなるとともに、潰れた部分が重なりにくいため、潰れ残りが少なくなり有効な潰れストロークが増える。従って、全体として衝突エネルギー吸収効率を効果的に高めることができる。また、断面が漸増する右側用クラッシュボックス61と、断面が漸減する左側用クラッシュボックス62を中央で繋げた外郭形状で金型のキャビティを形成することにより、一回の成形で左右部品が同時に成形でき、生産性や材料歩留りが向上するとともに、成形体が膨出変形しやすい滑らかな形状となるため、成形が容易に行えるという効果も得られる。
【0042】
なお、クラッシュボックス3においても、実施の形態1で、図10、図11に示したような補強板の数や構造を、要求性能に応じて任意に選択、適用できることは言うまでもない。
【0043】
[実施の形態3]
この実施の形態は、図1に示す自動車車体1のサイドメンバ2の上方に位置するフードレッジ5に本発明を適用したものである。
【0044】
図17は、フードレッジ5の斜視図であり、図18は図17のQ方向からの矢視図を示す。図17に示すフードレッジ5の形状は、2枚の金属板71、72からなる中空外郭体をなしている。中空外郭体は、断面略矩形で、長手方向に漸次断面積を拡大しながら延びる閉断面構造をなしているが、その拡大方向が、図1の車両組み付け状態で、車両内側と車両下方方向には変化がなく、車両外側と車両上方には漸次拡大していく形状を有している。中空外郭体の内部には、互いに交差する一対の平板部73a、73bを備えた断面略十字状をなす補強板73、74が設けられている。これら補強板73、74によって、中空外郭体の内部が長手方向に延び、かつ断面空間の大きさが漸増する4つの空間に仕切られている。中空外郭体の両側縁部75は、中空外郭体の矩形部分から突出するフランジ形状を呈しており、その方向は矩形部分の対角線上に延びるように突出しており、その突出端近傍で両金属板71、72が互いに接合されている。
【0045】
フードレッジ5は、図19に示す予備成形体77を、実施の形態1と同様、液圧成形することにより得られる中空成形体から裁断加工などを経て製造される。図19は予備成形体77の斜視図である。予備成形体77は中空外郭体となる2枚の金属板71、72と、補強部76となる2枚の補強板73、74とにより構成されており、断面形状としては図5に示すものと同様である。しかし本実施の形態では、図19に示すように、予備成形体77が、液体注入部78から非補強部79、補強部76へと、順次、長手方向と直交する側の幅が一方向だけ(図19では図の手前側)に漸増していく非対称形状をもった予備成形体77である。
【0046】
予備成形体77を液圧成形により膨出変形する方法は、実施の形態1と同様であるが、前述したように、フードレッジ5の外郭形状は断面略矩形で、長手方向に漸次断面を拡大しながら延びる閉断面構造をなしている。その拡大方向は、車両組み付け状態で、車両内側と車両下方方向には変化がなく、車両外側と車両上方には漸次拡大していく形状となっているため、図20に示すようにこの形状に対応して特定方向に断面が漸増したキャビティ82、83が形成された上型80および下型81を用いる。
【0047】
予備成形体77の液体注入部78から、2枚の金属板71、72と補強板73、74とで仕切られる各空間部に液体を注入すると、液体注入部78近傍は実施の形態1の場合と同様の構成となっているため、補強板で仕切られる各空間に均等に液圧を作用させることができ、予備成形体77を膨出変形させることで中空成形体が得られる。
【0048】
この製造方法によって得られた中空成形体から図17に示したフードレッジ5が製造される。フードレッジ5も前述のサイドメンバやクラッシュボックスと同様に、高強度な補強部76は高反力が得られる。さらに補強板73、74を有した略矩形部の断面形状が、長手方向で特定方向に漸増する外形形状をなしているため、軸方向に作用する荷重に対する反力も漸増す。かつ、潰れ残りが少なくなり有効な潰れストロークが増えるため、全体として衝突エネルギー吸収効率を効果的に高めることができる。またそれと同時に、フードレッジ5は車両組み付け状態で、車両内側と車両下方方向には断面拡大をなくせるため、エンジンやタイヤ、サスペンションなどとの干渉が避けられ、車両部品のレイアウトがしやすい。
【0049】
なお、フードレッジ5においても、サイドメンバについての実施の形態1で、図10、図11に示したような補強板の数や構造を任意に選択適用できることはもちろんである。また逆に、本実施の形態に示したような、補強部を有し、かつ特定方向にのみ断面が拡大する形状を、前述のサイドメンバやクラッシュボックスに適用してもよい。この場合は、斜め衝突などの際、必要となる特定方向に対して高強度となり高反力が得られるサイドメンバやクラッシュボックスの製造が可能となる。
【0050】
[実施の形態4]
この実施の形態は、図1の自動車車体1の前端部もしくは、図示しない後端部で、左右方向に延びるバンパー4に本発明を適用したものである。
【0051】
図21はバンパー4の斜視図、図22は図21のR方向からの矢視図を示す。バンパー4は、略矩形断面の中空外郭体を形成する金属板91、92の内部が、複数の補強板93、94で断面が仕切られており、かつ、その複数の補強板93、94の交差位置96が、中空外郭体の中心位置からオフセットした断面形状を有している。また断面形状は、図1に示す車両組み付け状態で、車両の左右中心方向に向かうに従い、車両前方部98および、車両上方部97に拡大する形状を有したバンパー4である。
【0052】
予備成形体95の断面図を図23に示す。これは、実施の形態3とほぼ同様の予備成形体95であるが、第1の補強板93と第2の補強板94との断面方向の幅が異なり、かつ互いに接合された交差位置96が、2枚の金属板91、92の中心位置からオフセットした予備成形体95である。その後の製造方法は実施の形態3の場合と同様である。
【0053】
なお、本実施の形態では、液圧成形後、矩形部分の対角線89上にある車両前方側のフランジ99に曲げ加工を施し、車両前側壁88と面一となるように形成している。
【0054】
本発明により得られる車両左右中心に向かって断面が拡大する形状を有したバンパー4により、ポール衝突やオフセット衝突など、バンパー中央部あるいは、バンパーの片側に衝突入力が作用する場合に、左右のクラッシュボックス3間での折れ曲がりを防止でき、また、バンパー4連結されているクラッシュボックス3やサイドメンバ2へ荷重を良好に伝達することができる。なお、複数の補強板93、94の交差位置は、バンパー4の高さ方向の位置と、左右のクラッシュボックス3やサイドメンバ2の高さ方向の位置に応じて、任意に設定が可能であり、バンパー4からの荷重をサイドメンバ2に良好に伝達するように適宜設定ができ、構造設計の自由度が高い。またバンパー4の補強体は、実施の形態1の場合と同様に、図10、図11で示したような補強板の数や構造を適宜、適用できる。
【0055】
以上のように具体的な実施の形態1〜4に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲で、種々の変形、変更は可能である。例えば、重ね合わせる金属板や補強板の材質、板厚などは、図示された形態に限定されるものではなく、要求性能に応じて任意に設定できる。
【0056】
なお、各請求項に記載した発明は次のような効果を奏する。
【0057】
請求項1に記載の液圧成形における予備成形体によれば、この予備成形体を液圧成形することにより、互いに重ね合わせた2枚の金属板により中空外郭体が成形されるとともに、この中空外郭体は長手方向に断面積が漸次変化する中空断面を仕切る補強体を同時に成形することができ、しかもその製造が容易である。加えて、補強体へと変形する予備補強体は、変形前の金属板に予め接合しておくことができるので、その接合作業が容易であるとともに、補強体のレイアウトおよび形状の自由度も高い。また、成形後の中空外郭体の内部が平板部によって長手方向に伸びる4つの空間に仕切られた形状となり、強度・剛性に優れたものとなる。
【0059】
請求項に記載の液圧成形における予備成形体によれば、この予備成形体から成形される中空成形体は、長手方向に断面積が漸次変化するとともに、中空外郭体の対向面を互いに連結する補強体により、強度・剛性に優れたものとなり、衝撃荷重を有効に吸収・分散することができる。また補強体を長手方向の一部にのみ配置することも可能で、レイアウトの自由度も高い。さらに、予備成形体から得られる製品の補強性は優れたものとなる。
【0061】
請求項に記載の液圧成形における予備成形体によれば、得られる製品における補強板間で荷重を分散させることができ、補強性能に優れている。
【0062】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、液体注入部と予備補強部との間に予備補強体が配置されていない中間部を設けているため、上記液体注入部へ高圧な液体を注入すると、まず中間部から徐々に変形していき、これに追従するように予備補強部が変形していく。従って補強体により仕切られた複数の空間の形状がばらつくことなく適正に形成され、これら空間に作用する均等な液圧により金属板を適正に膨出変形させていくことができる。このように、2枚の金属板を、長手方向に断面が漸次変化する中空形状に膨出変形する中空成形時に、断面を複数に仕切る補強体を同時に成形することが可能となり、高強度で、かつエネルギー吸収性能に優れた中空成形体を容易に製造することができる。また、液圧成形により金属板が徐々に膨出変形していくに従って、フランジ状の両側縁部を金型のキャビティ内へスムーズに導き入れることができ、金属板の膨出変形を良好に行わせることができる。また対角線方向にフランジが突出することにより、エネルギー吸収効率に優れた部材が得やすくなる。
【0064】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、例えば一枚の補強板からなる第1の予備補強体と、複数の補強板からなる第2の予備補強体と、を一つの予備成形体の長手方向で異なる位置に設けることもでき、性能に応じた設計が可能となる。
【0065】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、液圧成形後の中空成形体の内部が2枚の補強板により上下左右に仕切られることとなり、上下・左右のどちらの方向にも、また軸方向にも高強度な中空成形体が得られる。
【0066】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、上記2枚の補強板により内部が4つの均等に仕切られた中空成形体を得ることが可能となる。
【0067】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、例えば中空成形体の断面が長手形状の場合であっても、上記2枚の補強板により中空成形体の断面を均等に、または任意の位置で仕切ることができる。
【0068】
請求項に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、長手方向で断面が変化するとともに、内部に補強板を有した中空成形体を容易に得ることができる。
【0069】
請求項10に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、例えば左右部品や複数部品を同時に得ることができ、製造に係る生産性や経済性が向上する。
【0070】
請求項11に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、補強材により断面内に稜線が増えるため、高強度となり高反力が得られる。また補強材を有した中空部の断面積が長手方向で均等に漸次拡大していく一体構造部材が形成可能となり、軸圧縮時に潰れ残りが少なくなるため、衝突エネルギー吸収効率を効果的に高めることができる。また補強材を中空成形体の長手方向の任意の位置に容易に配置することが可能となり、エネルギー吸収性能を設計する上で、形状やレイアウトの自由度が高くなる。
【0071】
請求項12に記載の中空成形体の液圧成形方法によれば、斜め衝突などの際の必要となる特定方向に対して高強度となり高反力が得られる。
【0072】
請求項13に記載の中空成形体の液圧成形によれば、必要となる特定方向に対して高強度となり高反力が得られる。またエネルギー吸収性能を設計する上で、形状やレイアウトの自由度が高くなる。
【0073】
請求項14に記載の中空成形体の液圧成形によれば、バンパー中央部あるいは、バンパーの片側に衝突入力が作用する場合に、左右のクラッシュボックス間での折れ曲がりを防止でき、また、車体へ荷重を良好に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車車体の前部の骨格を示す斜視図である。
【図2】フロントサイドメンバの斜視図である。
【図3】図2のP方向からの矢視図である。
【図4】2枚の金属板および2枚の補強板により構成された予備成形体を示す図である。
【図5】図4のX−X線に沿った予備成形体の断面図である。
【図6】図4のY−Y線に沿った予備成形体の長手方向の断面図である。
【図7】実施の形態1に係る金型および予備成形体の液圧成形前の断面図である。
【図8】図7のZ−Z線に沿う断面図である。
【図9】実施の形態1に係る金型および予備成形体の液圧成形後の断面図である。
【図10】実施の形態1に対する他の例を示す断面図である。
【図11】実施の形態1に対するさらに他の例を示す断面図である。
【図12】実施の形態1に対する他の例の予備成形体を示す断面図である。
【図13】実施の形態1に対するさらに他の例の予備成形体を示す断面図である。
【図14】実施の形態2に係るクラッシュボックスの斜視図である。
【図15】実施の形態2に係る予備成形体の斜視図である。
【図16】実施の形態2に係る中間成形体の斜視図である。
【図17】実施の形態3に係るフードレッジの斜視図である。
【図18】図17のQ方向からの矢視図である。
【図19】実施の形態3に係る予備成形体の斜視図である。
【図20】実施の形態3に係る金型および予備成形体の液圧成形後の断面図である。
【図21】実施の形態4に係るバンパーの斜視図である。
【図22】図21のR方向からの矢視図である。
【図23】実施の形態4に係る予備成形体の断面図である。
【符号の説明】
1…自動車車体前端部
2…フロントサイドメンバ
3…クラッシュボックス
4…バンパー
5…フードレッジ
6、7、51、52、71、72、91、92…金属板
8、9、37、38、39、53、54、73、74、93、94…補強板
10、12、13、55、75…両側縁部
11、96…折曲部
14、59、79…非補強部
15、56、76…補強部
20、40、41、57、77、95…予備成形体
21、58、78…液体注入部
22…予備補強部
23、59、79…中間部
24、25、80、81…上下型
26、27、82、83…キャビティ
28…分割面
29…ノズル
30…液体通路
31…勘合孔
32、33…凹溝
32a、33a…傾斜面
34…高圧ホース
35、47…予備変形部
36…中空成形体
60…中間成形体
61…右側用クラッシュボックス
62…左側用クラッシュボックス
63…中央変化部
73a、73b…平板部
88…車両前側壁、
96…交差位置、
97…車両上方部、
98…車両前方部、
99…フランジ。

Claims (14)

  1. 互いに重ね合わされた少なくとも2枚の金属板を有し、当該2枚の金属板の長手方向に沿う両側縁部が接合され、液圧成形により当該2枚の金属板がその長手方向に伸延する中空外郭体へと膨出変形される液圧成形における予備成形体であって、
    前記2枚の金属板の間には、前記2枚の金属板のそれぞれの内面に接合された予備補強体が予め介装され、当該予備補強体の断面方向の幅は前記金属板の長手方向に向けて漸次変化しており、前記予備補強体は、前記液圧成形により、前記中空外郭体の内部を長手方向に伸延しかつ当該内部をその断面積が漸次変化する複数の空間に仕切る補強体へと変形され
    前記補強体は、互いに交差する一対の平板部からなり、各平板部は、上記中空外郭体の互いに対向する内面に架け渡されていることを特徴とする液圧成形における予備成形体。
  2. 互いに重ね合わされた少なくとも2枚の金属板を有し、当該2枚の金属板の長手方向に沿う両側縁部が接合され、液圧成形により当該2枚の金属板がその長手方向に伸延する中空外郭体へと膨出変形される液圧成形における予備成形体であって、
    前記2枚の金属板の間には、前記2枚の金属板のそれぞれの内面に接合された予備補強体が配設される予備補強部と、前記液圧成形の際に液体が注入される液体注入部と、前記金属板の長手方向の前記予備補強部と前記液体注入部との間に位置し前記予備補強体が配設されていない中間部と、を有し、
    前記予備補強体の断面方向の幅は前記金属板の長手方向に向けて漸次変化し、
    前記予備補強体は、前記金属板の長手方向に伸延する交差位置で互いに交差する一対の平板部により構成され、各平板部の両側縁部がそれぞれ隣接している前記中空外郭体の内面にそれぞれ接合されていることを特徴とする液圧成形における予備成形体。
  3. 前記予備補強体は、前記交差位置で互いに接合されていることを特徴とする請求項2に記載の液圧成形における予備成形体。
  4. 互いに重ね合せた第1金属板と第2金属板との間に、前記第1金属板および前記第2金属板のそれぞれの内面に接合された予備補強体が配設される予備補強部と、液圧成形の際に液体が注入される液体注入部と、前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向の前記予備補強部と前記液体注入部との間に位置し前記予備補強体が配設されていない中間部とを設け、前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向に沿う両側縁部を互いに接合して予備成形体を形成し、
    当該予備成形体をキャビティが形成される上型と下型の間に挟持し、
    前記予備成形体の液体注入部に液体を注入し、
    中空成形体を膨出成形し、
    前記中空成形体の長手方向に直交する断面形状は矩形をなしており、この矩形の対角線上に前記上型と前記下型との分割面が配置されることを特徴とする中空成形体の液圧成形方法。
  5. 前記予備補強体は、1枚以上の補強板により構成されることを特徴とする請求項4に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  6. 前記予備補強体は、2枚の補強板により構成され、これら2枚の補強板は、前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向に沿う交差位置で互いに接合されていることを特徴とする請求項4に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  7. 前記交差位置は、前記液圧成形後には前記中空成形体のほぼ中央に配置されることを特徴とする請求項6に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  8. 前記2枚の補強板は、その断面幅方向で前記中空成形体の中央から互いにオフセットして接合されていることを特徴とする請求項6に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  9. 前記予備補強体は、その断面方向の幅が前記第1金属板および前記第2金属板の長手方向の中央部までは漸増し、それ以降では漸減することを特徴とする請求項4に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  10. さらに、前記予備成形体を液圧成形した後、中空成形体をその断面 方向ほぼ中央から切断することにより、2個の中空成形体を得る工程を有することを特徴とする請求項9に記載の中空成形体の液圧成形方法。
  11. 前記中空成形体は、自動車の車体構造部材であって、前記補強体を備えた略矩形の断面形状がその長手方向に均等に漸増するように構成されたサイドメンバまたはクラッシュボックスであることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の中空成形体の液圧成形方法。
  12. 前記中空成形体は、自動車の車体構造部材であって、前記補強体を備えた略矩形の断面形状がその長手方向で特定方向にのみ漸増するように構成されたサイドメンバまたはクラッシュボックスであることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の中空成形体の液圧成形方法。
  13. 前記中空成形体は、自動車の車体構造部材であって、前記補強体を備えた略矩形の断面形状がその長手方向で特定方向にのみ漸増するように構成されたフードレッジであることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の中空成形体の液圧成形方法。
  14. 前記中空成形体は、自動車の車体構造部材であって、前記補強体を備えた略矩形の断面形状がその長手方向で特定方向に漸増かつ漸減するように構成されたバンパーであることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の中空成形体の液圧成形方法。
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