JP4042498B2 - 透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法、並びにそれにより得られた透明導電性シートおよびそれを用いたタッチパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネル等の光学用部材として有用な、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法、並びにそれにより得られた透明導電性シートおよびそれを用いたタッチパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯情報端末(PDA)や携帯電話などの携帯端末には、液晶表示部分の上部に、ペン等でタッチすることにより入力できるタッチパネルが設けられている。タッチパネルには、抵抗膜式、光学式、静電容量式、超音波式のものが知られている。抵抗膜式のタッチパネルは、インジウム−スズ酸化物(ITO)などの透明導電体の薄膜を付けた樹脂フィルムからなる上部電極と、ガラスや樹脂基体に透明導電体を設けたものからなる下部電極とを、間隔をおいて配置した構造を有しているのが普通である。この抵抗膜式タッチパネルでは、入力に際して、上部電極のITOと下部電極のITOが接触した状態で、ペンなどを用いて表面をこするため、ITOが削り取られたり、基体から剥離してしまうという問題が生ずることがある。ITOが除去された部分は、上下の電極間の抵抗値が大きくなり、入力に支障を生ずるようになる。
【0003】
そこで、ITO膜を高温で加熱して焼結することが提案されているが、それには200℃以上の高温が必要となる。従って、透明樹脂を基体とし、これに透明導電体を配置した透明導電性シートの場合には、この処理は基体の溶融や変形、着色などが発生するため、実施することが不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ペン等による入力時にも電極表面が傷つかない透明導電性シートを得ることができる、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法、並びにそれにより得られた透明導電性シートおよびそれを用いたタッチパネルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂の透明基体上に透明導電体が配置されてなる透明導電性シートに、アルカリ溶液処理および加熱処理を施す、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法、並びに、その耐慴動性向上方法により得られた透明導電性シート、及び、その透明導電性シートを用いてなる抵抗膜式タッチパネル、を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に係る透明導電性シートは、透明基体上に透明導電体が配置された構造を有している。透明基体としては、ガラス、透明プラスチック等が挙げられ、本発明においては透明プラスチックが好ましい。透明基体の厚さは、通常100〜2000μmであり、好ましくは150〜1500μmである。また透明導電体としては、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、金、銀、パラジウム等の導電性物質が挙げられ、本発明においてはITOが好ましい。なお本発明における「透明」とは、可視光領域での光線透過率が80%以上であることを意味する。
【0007】
透明導電性シートの具体例としては、例えばガラス板やプラスチック製のシートの上にスパッタリングや蒸着によって酸化スズやITOを積層したものが挙げられる。
以下、透明プラスチック製のシートにITOを成膜する場合を例にとり、詳細に説明する。
【0008】
透明プラスチック製のシートとしては、可視光領域で透明であればいずれのものも使用できる。シートを構成する透明プラスチックとしては、例えばポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、脂環式アクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂、等が挙げられる。中でもITOの成膜性の観点から、架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂が好適に用いられる。架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂は、架橋性の(メタ)アクリレートをモノマーとするポリマーであり、架橋性の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、等の含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロイルオキシプロパン、等の脂肪族2官能メタクリレート;トリメチロールプロパン=トリメタクリレート、ペンタエリスリトール=トリメタクリレート、ペンタエリスリトール=テトラメタクリレート、等の3官能以上の脂肪族多官能メタクリレートが挙げられる。
【0009】
これらのうち、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート及びビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレートから選ばれるものが好ましい。
【0010】
これらの架橋性(メタ)アクリレートは、いくつか併用することもできる。また架橋性(メタ)アクリレートには、重合に際し、補助成分としてラジカル重合可能な他の単量体、メルカプタン化合物等の連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、染顔料、充填剤、有機シラン化合物等を含有させることができる。
【0011】
ラジカル重合可能な他の単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのモノメタクリレート;スチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0012】
上記の架橋性(メタ)アクリレート、ないしはこれに他のモノマー、その他の補助成分を含有させたものの重合は、公知の方法で行うことができる。通常は、重合に供する原料液に加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる方法(以下「熱重合」という場合がある)、原料液に紫外線等の活性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤を添加しておき、活性エネルギー線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という場合がある)のいずれかが用いられる。本発明においては光重合がより好ましい。
【0013】
熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等を用いることができる。
また光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等を用いることができる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノンなどを用いるのが好ましい。
【0014】
これらの重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の添加量は、全モノマー成分に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、生成する架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂の複屈折を大きくするだけでなく色相も悪化するおそれがある。一方、少なすぎると重合が十分に進行しないおそれがある。
【0015】
光重合の際照射する活性エネルギー線の量は、光重合開始剤がラジカルを発生させる範囲であれば任意であるが、通常は原料液の組成および光重合開始剤の種類や量に応じて、200〜400nmの紫外線を0.1〜200J/cm2の範囲で照射する。活性エネルギー線を複数回に分割して照射すると、より好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂が得られる。使用する活性エネルギー線源の具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ等を挙げることができる。
【0016】
重合をすみやかに完了させる目的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。この場合には、活性エネルギー線照射と同時に30〜300℃の範囲に加熱して重合を行わせる。この場合にも熱重合開始剤を添加してもよいが、大量に添加すると得られる架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂の複屈折率の増大と色相の悪化をもたらすので、熱重合開始剤は、全モノマー成分に対して0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%となるように用いるのが好ましい。
【0017】
また、光重合後に、得られた架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂を更に加熱してもよい。これにより重合反応の完結及び重合時に発生した内部歪みを低減させることができる。加熱温度は、重合に供した原料液の組成や生成した架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂のガラス転移温度に応じて適宜選択されるが、通常、ガラス転移温度付近かそれ以下の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂の色相悪化をもたらすおそれがある。
【0018】
重合は、通常はシート状の重合物が生成するように扁平な成形型を用いて行う。例えば、熱重合の場合には、表面平滑な2枚の相対する平板の間に、その周囲にスペーサーを配置してキャビティを形成させた成形型に、架橋性(メタ)アクリレート、熱重合開始剤及びその他の補助成分を含んでなる原料液を注入し、加熱して重合させる。また、光重合の場合には、少なくとも一面が活性エネルギー線が透過可能な平板である成形型に原料液を注入し、活性エネルギー線を照射して重合させる。成形型を構成する平板としては、得られるシートの表面平滑性の点から、好ましくは研磨ガラス、または熱等により容易にその形状を変化させることがなく、かつ研磨ガラスと同等な表面平滑性を有するアクリル板等のプラスチックが挙げられる。また、成形型を構成する平板の内面に剥離層を設け、重合により生成したシートを成形型より取り出しやすくする処理を行うこともできる。成形型に用いるスペーサーは特に限定されるものではなく、所望のシート厚さが得られるものであればよい。通常は、シリコンゴム等のゴム、又はポリテトラフルオロエチレン等の樹脂製のものが挙げられる。
【0019】
なお、上記は架橋性(メタ)アクリレート、ないしはこれに他のモノマー、その他の補助成分を加えたものでシートを形成する場合について説明したが、他のラジカル重合性モノマーを用いる場合もこれに準じて重合させ、透明なシートを得ることができる。
上記の様にして形成された透明シート上へのITO膜等の透明導電体の形成は、蒸着でもスパッタリングでも良い。スパッタリング法は膜厚の制御が行いやすく、比較的低温で膜を形成しやすいので好適である。ITO膜の厚みは必要とされる抵抗値に応じて選ぶことができるが、50〜2000Åが好適に用いられる。特に100〜200Åとすることにより、表面抵抗値を500Ω/□程度にすることができ、好適である。
【0020】
本発明では、このようにして形成した透明導電性シートに、アルカリ溶液処理及び加熱処理を施すことが必要である。アルカリ溶液処理に用いることのできるアルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、ヒドラジン等の無機塩基の他、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン等の有機塩基等の水溶液、アルコール溶液等が挙げられる、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等である。アルカリ溶液はpH8以上が好ましく、特にpH10以上が好ましい。処理方法としては、アルカリ溶液に、透明導電性シートを室温〜沸点の範囲内、好ましくは30〜50℃で、10秒〜60分程度、好ましくは1〜10分程度浸漬する方法が挙げられる。なお、pH12以上の強アルカリ溶液により処理を行う場合は、透明導電性シートとの接触時間を数分以下とすることにより、アルカリによる透明導電体の損傷を防ぐことができると同時に、作業時間を短縮することができる。
【0021】
加熱処理は、透明導電性シートを、100〜250℃、より好ましくは120〜200℃で、1分〜3時間程度、より好ましくは30分〜2時間程度加熱する方法等が挙げられる。
本発明においては、アルカリ溶液処理と加熱処理を別々に行うこともできるが、加温したアルカリ溶液で処理することにより、両処理を同時に行うこともできる。別々に処理を行う場合は、アルカリ溶液処理後の透明導電性シートを一旦純水等で洗浄し、これを乾かした後に加熱処理を行うのが好ましい。またこのときの加熱処理温度は、100℃以上とすることがより好ましい。加温したアルカリ溶液で処理する場合は、上記アルカリ溶液を50℃〜沸点に加温した後、これに透明導電性シートを1〜60分程度浸漬し、乾燥させればよい。本発明においては、アルカリ溶液処理後に加熱処理を行うことが好ましい。
【0022】
上記で得られる透明導電性シートは、抵抗膜式のタッチパネルの光学部材として好適に使用することができる。具体的には、本発明に係る透明導電性シートを下部電極とし、ITO付きのポリエチレンテレフタレートフィルム等の常用の部材を上部電極とし、両者を通常100〜700μm、好ましくは150〜300μm程度の間隔で配置することにより、抵抗膜式のタッチパネルを形成することができる。
【0023】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例で得られた透明導電性シートは以下の方法で評価した。
色相:スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューターを用いてYI値を測定した。
表面抵抗率:株式会社ダイアインスツルメンツ製Loresta−SPを用いて透明導電性シートの中央部を四端子四探針方式、定電流印加方式で測定した。測定条件は以下の通りである。
▲1▼測定プローブ:リニア
▲2▼電極間距離:5mm
【0024】
摺動性評価:新東科学株式会社製SURFACE PROPERTY TESTER トライボギア Type:HEIDON−14DR を用いて摺動試験を行った。試験に供した透明タッチパネルは、透明導電性シートを下部電極とし、常用のITO付きPETフィルムを上部電極として、両者を200μmの間隔をおいて対向配置させて形成した。試験条件は以下の通りである。
▲1▼摺動速度:6000mm/min
▲2▼荷重:500gf
▲3▼摺動距離:20mm
▲4▼摺動PEN:先端形状R0.8ポリアセタール製
【0025】
全光線透過率:スガ試験機株式会社製直読ヘーズコンピューター(HGM−2DP)を用いて測定した。
表面観察:摺動試験を行った箇所を目視により行った。摺動箇所が白化している場合を×、摺動痕が有る場合を△、摺動痕がない場合を○とした。
【0026】
実施例1
(架橋したポリメタクリレート樹脂シートの作成)
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート94重量部に、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)6重量部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.05重量部及びベンゾフェノン0.05重量部を混合して均一に攪拌した後、脱泡して重合に供する原料液を調製した。この原料液を、2枚の光学研磨ガラスの間に、スペーサーとして厚さ0.4mmのシリコン板を配置した成形型に注入し、ガラス面より40cm隔てて成形型の上下に配置した出力80W/cmのメタルハライドランプで、5分間紫外線を照射した。重合物を脱型し、170℃で1時間加熱して厚さ0.4mmの架橋したポリメタクリレート樹脂シートを得た。
【0027】
(透明導電体の形成)
上記で得られた樹脂シートの片面に、スパッタ装置で150Åの厚みでITOを成膜した。
(アルカリ水溶液処理)
水酸化ナトリウム40g(和光純薬工業株式会社製試薬特級)を純水3960gに溶解して、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。本水溶液のpHは12.9であった。この水溶液を40℃に保持し、これに透明導電性シートを3分間浸漬した後、取り出し、純水にてよく洗浄し、エアガンで水滴を除去した。
(加熱処理)
アルカリ水溶液処理を行った導電性シートをオーブンに入れ、160℃1時間加熱処理を行った。得られたアルカリ・加熱処理済み透明導電性シートの表面抵抗値、色相、全光線透過率、摺動性評価は表1に示す通りであった。
【0028】
実施例2
加熱処理を180℃で1時間とした以外は実施例1と同様にして、透明導電性シートを得た。得られたアルカリ・加熱処理済み透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
実施例3
水酸化ナトリウム80g(和光純薬工業株式会社製試薬特級)を純水3920gに溶解して調製した水酸化ナトリウム水溶液(pHは13.2)を用いた以外は実施例1と同様にして、透明導電性シートを得た。
得られた透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
実施例4
加熱処理を180℃1時間とした以外は実施例3と同様にして、透明導電性シートを得た。得られた透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
【0029】
比較例1
実施例1において、アルカリ処理を行う前の透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
比較例2
実施例1において、アルカリ水溶液処理のみを行った透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
比較例3
実施例1において、アルカリ水溶液処理を行わずに180℃1時間の加熱処理のみを行った透明導電性シートの評価結果は表1に示す通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、摺動特性がよく、光線透過率が高く、色相の良い透明導電性シートを提供することができる。また本発明は、耐熱性があまり高くないプラスチックを基体とする透明導電性製シートにも適用が可能である。本発明に係るアルカリ処理及び加熱処理を経た透明導電性シートは、タッチパネル用の部材として有用である。
Claims (7)
- 架橋したポリ(メタ)アクリレート樹脂の透明基体上に透明導電体が配置されてなる透明導電性シートに、アルカリ溶液処理および加熱処理を施すことを特徴とする、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法。
- アルカリ溶液処理を、透明導電性シートをpH10以上のアルカリ溶液に浸漬することにより施す請求項1に記載の、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法。
- 加熱処理を、透明導電性シートを100〜250℃の温度に加熱することにより施す請求項1または2に記載の、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法。
- アルカリ溶液処理を施した後、加熱処理を施す請求項1〜3のいずれか1項に記載の、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法。
- 透明導電体がインジウム−スズ酸化物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の、透明導電性シートの透明導電体の耐慴動性向上方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐慴動性向上方法により得られたものであることを特徴とする透明導電性シート。
- 請求項6に記載の透明導電性シートを用いてなることを特徴とするタッチパネル。
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