JP4041947B2 - ハンドルセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両におけるスマートエントリーシステムの自動解錠動作のきっかけ(トリガ)を生成するために、ドアハンドルを操作しようとする車両ユーザの手の検知などの用途に好適なハンドルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のエントリーシステムなどでは、車両ユーザが携帯する携帯機と車両に搭載された本体機との間で双方向通信を行って、必要な照合確認を行った上で車両装備の自動動作を実現する装置が提案され、一部実用化されている。
このような双方向通信式のものでは、本体機から送信される起動信号(携帯機を起動させる信号)又は/及びリクエスト信号に対して必要なコード(IDコードなど)を含むアンサー信号を携帯機から本体機に対して自動送信することが可能となるので、使用者がなんら操作をしなくても、車両装備の所定の動作を実現できる。例えば、車両のエントリーシステムでは、携帯機を携帯した使用者が対応する本体機を搭載した特定の車両のドアに近づくだけで、上記双方向通信が成立して施錠状態にあった車両ドアが自動開錠されるといった動作が可能となる。なお、このように基本的に使用者の意識的な操作を要さず車両ドアの開錠又は施錠動作を実現するより利便性の高いエントリーシステムは、一般的なキーレスエントリーシステムの発展型として、スマートエントリーシステム(或いは、パッシブエントリーシステム)などと呼ばれ、車両の商品価値を高めるものとして市場ニーズが高まっている。
【0003】
ところで、例えばこのようなスマートエントリーシステムでは、本体機からの起動信号やリクエスト信号をなるべく必要なときだけ送信して車両のバッテリ電力を節約しようとすると、車両ユーザの車両(例えば、ドアハンドル部分)への接近或いは接触を検知するセンサを設ける必要がある。
そして従来、このようなセンサとしては、例えば実開平6−61612号(実用新案登録第2585306号)により開示されているような単純な光学式センサ、又は静電容量式のセンサ、或いは機械式スイッチ(いわゆるマイクロスイッチなど)が使用されていた。光学式センサは、発光素子から出力された光が車両ユーザの手で遮られることによる受光素子の出力変化に基づいて、車両ユーザの手のドアハンドルへの接近のみを検知するものである。一方、静電容量式のセンサは、いわゆるタッチセンサであり、例えば車両ユーザの手の接触によってセンサ内のコンデンサ容量が変化することに基づいて、車両ユーザの手のドアハンドルへの接触を検知するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなセンサは、以下のような課題を有していた。
(イ)ハンドルへのユーザの手の接近又は接触のみを検出する構成であり、ユーザ操作によるハンドルの動作(押し方向又は/及び引き方向の動作)をハンドルへの手の接近又は接触と区別して検出できない。このため、ハンドル操作に関連する多様な制御を一つのセンサで実現することができず、適用システムの高機能化を低コストで実現できないという問題があった。例えば、車両のスマートエントリーシステムにおいて、ドアハンドルへの手の接近等とは別に、ドアハンドルが押し込まれる動作が検出できれば、いわゆるデッドロック用の操作ボタンとしてもドアハンドルを機能させることができ、デッドロック操作機能を低コストで付加することができる。しかし従来のセンサでは、ハンドルへの手の接近又は接触しか検出できない(即ち、ドアを開けようとするユーザの操作意思だけしか検知できない)ので、デッドロック操作機能を付加しようとすれば、ドアハンドルや上記センサとは別個に、操作部(例えば押しボタン)とそれに対応するスイッチを車両ドアなどに設ける必要がありコスト高となる。なお、デッドロックとは、車室内の開錠ノブ等を操作しても開錠できない防犯性の高い施錠状態を意味する。
【0005】
(ロ)静電容量式のセンサや機械式のスイッチの場合には、ユーザの手がセンサに完全に接触しないと検知されないので、少なくともセンサを単純にハンドルに取り付けた構成では、十分な応答性を得ることが困難であり、適用システムの動作に不具合が生じる恐れがある。例えば、車両のスマートエントリーシステムにおけるリクエスト信号送信のトリガを得るために、車両ドアのハンドルに前記センサが設けられる場合、ユーザの手がセンサに接触するまで接近しないと検知されない(即ち、リクエスト信号が出力されない)ので、ユーザがドアを開けようとドアハンドルを引き始めたのに、自動解錠がまだなされておらず、すぐにドアが開かない不具合(即ち、スマートエントリーシステムを利用して施錠状態のドアを開けようとしても、自動解錠までの動作が遅れてすぐにドアが開かず、引っかかるような手応えをユーザが感じてしまう現象)が生じる恐れがあった。
【0006】
(ハ)また、光学式センサの場合には、発光部や受光部の汚れによって誤動作する恐れがある。
そこで本発明は、簡素な構成でありながら、ハンドルへの手の接近とハンドルの動作とを区別して検出可能な光学式のハンドルセンサを提供することを主目的とし、また、光学式でありながら汚れの影響で誤動作する可能性の低いハンドルセンサを提供することをさらなる目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の第1の発明に係るハンドルセンサは、引き方向又は/及び押し方向に動作可能なハンドルの操作状態を検出するハンドルセンサであって、
前記ハンドルの一方側に第1受光素子を、前記ハンドルの他方側に第1発光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態にあると前記第1発光素子からの光が前記第1受光素子に入射し、前記ハンドル近傍に手が差し込まれると前記第1発光素子からの光が遮断されて前記第1受光素子に入射しなくなる構成とし、
さらに前記ハンドルの、前記第1受光素子があるのと同じ側に第2発光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態から動作すると、前記第2発光素子からの光が前記ハンドルに設けられた反射部で反射して前記第1受光素子に入射する構成としたものである。
ここで「ハンドル」とは、例えば車両におけるドアやトランクのハンドル(操作用のノブ)、住宅におけるドアノブなどを意味する。また、「非操作状態」とは、ユーザの手がハンドル近傍に差し込まれておらず、かつ、ハンドルになんら外力が加わっていない初期状態である。
【0008】
このハンドルセンサによれば、次のような効果が得られる。
(1)3個の受発光素子(第1発光素子と第1受光素子と第2発光素子)よりなる簡素な構成でありながら、第1発光素子の発光に対する第1受光素子の受光状態に基づいて、ハンドルへのユーザの手の接近(ユーザの操作意思)を検出できるとともに、第2発光素子の発光に対する第1受光素子の受光状態に基づいて、ユーザ操作によるハンドル動作(押し方向又は/及び引き方向の動作)を別個に検出できる。このため、ハンドル操作に関連する多様な制御を一つの簡素なセンサで実現でき、適用システムの高機能化(例えば、車両におけるデッドロック操作機能の付加)を低コストで実現できる。
(2)ハンドルへの手の接近を非接触で検出できるので、ユーザの操作意思を比較的応答性良く検知できる。
【0009】
なお、本装置の好ましい態様として、ハンドルが非操作状態にあるときに第2発光素子からの光が第1受光素子に入射するのを防ぐため、第2発光素子からの光を遮蔽する遮蔽部をハンドルの一方側に設けた構成としてもよい。この構成であれば、ハンドル動作の検知信頼度が高まる。
また、本装置の好ましい別の態様として、ハンドルが非操作状態から動作すると、第1発光素子、第1受光素子、及び第2発光素子のうちの一つ又は複数に接触してクリーニングするブラシ部を、ハンドルの一面側又は/及び他面側に設けた構成でもよい。このようにすれば、セルフクリーニングが実現され、光学式でありながら汚れの影響で誤動作する可能性が低減される。
【0010】
次に、この出願の第2の発明について説明する。第2の発明に係るハンドルセンサは、上述した第1の発明のハンドルセンサにおける発光素子と受光素子を逆にしたものである。即ち、第1発光素子、第1受光素子、及び第2発光素子の代わりに、第1受光素子、第1発光素子、及び第2受光素子を設けたものである。このような構成でも、第1の発明と同様の作用効果が実現できる。但し、一般に発光素子よりも受光素子の方が高価であるため、受光素子が2個必要な本装置よりも、受光素子が1個でよい第1の発明の方がコスト面で有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1形態例)
まず第1形態例を説明する。本形態例は、車両の引き上げ式ドアハンドル1(アウターハンドル)のセンサとして、本出願の第1の発明を適用した例である。なお、図1は本装置の構成を示す図であり、このうち図1(b)は図1(a)のB−B矢視図であり、図1(c)は図1(a)のC−C矢視図である。また、図2は本装置の動作を説明する図である。
この場合のドアハンドル1は、図1(a)に示すように、水平断面形状がコ字状のもので、図1(c)に示すような扇状の板部2及び3が左右両側に形成されている。そして、車両ドアのボディ外面に形成された凹部4に収納された状態に設けられ、図1(c)等に示す水平方向の回転軸5を中心として回動自在となっていて、図2(a)に示すように引き方向に回転動作させたり、図2(b)に示すように押し方向に回転動作させることが可能となっている。なおこのドアハンドル1は、手が挿入されておらず外力が加わっていない初期状態(非操作状態)では、図1(c)に示すような回転位置(以下、初期位置という)に保持されるように、図示省略した付勢手段によって付勢されている。また、このドアハンドル1を、引き方向に動作させれば、開錠状態のドアを開けることができるようになっている。
【0012】
次に、この場合のハンドルセンサについて説明する。本センサは、ドアハンドル1の内側に差し込まれた車両ユーザの手T(通常は指の部分)を検出し、ドアの自動開錠動作のトリガとなる検知出力を生成するためのセンサであり、ドアハンドル1の押し方向の動作も検出可能で、例えばデッドロック操作機能を容易に実現できるものである。
この装置は、図1(a)に示すように、ドアハンドル1の左側に第1受光素子11(PD)を、ドアハンドル1の右側に第1発光素子12(LED1)を配設し、さらにドアハンドル1の左側に第2発光素子13(LED2)を配設し、これら素子を例えばスマートエントリーシステムのコントローラ(ECU)14に接続してなるものである。
ここで、第1受光素子11は、凹部4の左側壁6の内側に、第1発光素子12に向けて取り付けられている。また、第1発光素子12は、凹部4の右側壁7の内側に、第1受光素子11に向けて取り付けられている。そして、凹部4の左側壁6と右側壁7、及びドアハンドル1の両側の板部2,3には、ドアハンドル1が初期位置にあるときに、第1受光素子11及び第1発光素子12と同軸上に位置する貫通孔15,16,17,18がそれぞれ設けられている。これにより、ドアハンドル1が初期状態にあると、第1発光素子12からの光がこれら貫通孔を介して第1受光素子11に入射し、ドアハンドル1内に手が差し込まれて光が遮断されるか、或いはドアハンドル1が初期位置から回転して上記貫通孔の位置がずれると、第1発光素子12からの光が第1受光素子11に入射しなくなる。
【0013】
また、第2発光素子13は、凹部4の左側壁6の内側に、第1受光素子11と並んで取り付けられている。そして、凹部4の左側壁6における第2発光素子13に対向する位置には、図1(b)に示すように第2発光素子13からの光を導出するための貫通孔19が設けられ、また、ドアハンドル1の板部2の外側面には、図1(c)に示すように遮蔽部20と反射部21とが形成されている。この遮蔽部20は、ドアハンドル1が初期位置にあるときに、第2発光素子13からの光が第1受光素子11に入射しないように、第2発光素子13からの光を確実に遮断するための凸状部である。また、反射部21は、ドアハンドル1が初期位置から押し方向に所定量動作したときに、第2発光素子13及び第1受光素子11に対向し、第2発光素子13からの光を積極的に反射して第1受光素子11に確実に入射させるものであり、局部的に反射率が高くなっている部分である。このような反射部21は、例えば反射率の高い材質よりなる薄板材を、板部2の外面に貼り付けることによって形成できる。
また図1(c)に示すように、ドアハンドル1の板部2の外側面には、ドアハンドル1が初期位置から引き方向に所定量動作すると、第1受光素子11及び第2発光素子13に接触してこれをクリーニングするブラシ部22が設けられている。
【0014】
次に、コントローラ14の処理内容について説明する。
コントローラ14は、図2(c)に示すように、第1発光素子12(LED1)と第2発光素子13(LED2)を交互に間欠駆動して発光させる制御を実行する。そして、第1発光素子12(LED1)の発光に対してのみ第1受光素子11(PD)の出力がオン(受光状態)になれば、ドアハンドル1が初期状態(非操作状態)と判定する。また、第2発光素子13(LED2)の発光に対してのみ第1受光素子11(PD)の出力がオン(受光状態)になれば、ドアハンドル1が押し方向への動作状態(PUSH状態)と判定する。また、第1受光素子11(PD)の出力が、何れの発光素子の発光に対してもオンとならない場合には、ユーザの手Tがドアハンドル1の内側に差し込まれたかドアハンドル1が引き方向へ動作した状態(PULL状態)にあると判定する構成となっている。
そしてコントローラ14は、上述のようにしてPULL状態にあると判定すると、前述のリクエスト信号等を送信するトリガが成立したとして所要の制御を行う。また、上述のようにしてPUSH状態にあると判定すると、デッドロックを指令するデッドロック操作がなされたとして所要の制御を行う。
【0015】
以上説明したハンドルセンサでは、ドアハンドル1が初期状態(非操作状態)にあると、第1発光素子12からの光が前述の貫通孔15,16,17,18を介して第1受光素子11に入射し、一方第2発光素子13の光は、遮蔽部20によって遮断されて確実に第1受光素子11に入射しない。このため、第1発光素子12の発光に対してのみ第1受光素子11の出力がオンとなり、前述したコントローラ14の処理によって確実に初期状態であることが検知される。
次に、ドアハンドル1の内側にユーザの手Tが差し込まれると、第1発光素子12からの光が手Tによって遮断されて第1受光素子11に入射しなくなる。このため、第1受光素子11の出力が、何れの発光素子の発光に対してもオンとならなくなり、ユーザの手Tがドアハンドル1の内側に差し込まれたかドアハンドル1が引き方向へ動作した状態にある(即ち、ユーザの開錠操作意思が存在する)と確実に検知される。なおこの検知状態は、この場合、差し込まれたユーザの手Tによってドアハンドル1が引かれて引き方向へ動作しても継続される。引き方向への動作によって、手Tが光を遮断する位置からずれたとしても、図2(a)に示すように前述の貫通孔15,16,17,18が同軸上に位置しなくなるため、やはり第1発光素子12からの光が遮断された状態に維持されるからである。
また、差し込まれたユーザの手Tによってドアハンドル1が引かれて引き方向へ所定量動作すると、図2(a)に示すようにブラシ部22が第1受光素子11及び第2発光素子13の前面(受光面又は発光面)に接触して、この面が自動的にクリーニングされる。
一方、ドアハンドル1が外側からユーザにより押されて所定量押し込まれたときには、図2(b)に示すように反射部21が第2発光素子13及び第1受光素子11に対向し、第2発光素子13からの光を積極的に反射して第1受光素子11に確実に入射させる。このため、第2発光素子13の発光に対してのみ第1受光素子11の出力がオンとなり、前述したコントローラ14の処理によって確実にPUSH状態であることが検知される。
【0016】
このように本装置によれば、3個の受発光素子(第1発光素子12と第1受光素子11と第2発光素子13)よりなる簡素な構成でありながら、第1発光素子12の発光に対する第1受光素子11の受光状態に基づいて、ドアハンドル1へのユーザの手Tの接近や引き方向へのハンドル操作を検出できるとともに、第2発光素子13の発光に対する第1受光素子11の受光状態に基づいて、押し方向へのハンドル操作を別個に検出できる。このため、ドアハンドル操作に関連する多様な制御を一つの簡素なセンサで実現でき、適用システム(この場合、スマートエントリーシステム)の高機能化(この場合、車両におけるデッドロック操作機能の付加)を低コストで実現できる。しかも本装置は、ドアハンドル1への手Tの接近を非接触で検出できるので、ユーザの操作意思を比較的応答性良く検知できる。
【0017】
また本装置の場合には、ドアハンドル1が非操作状態にあるときに第2発光素子13からの光が第1受光素子11に入射するのを防ぐため、第2発光素子13からの光を遮蔽する遮蔽部20を設けた構成となっているので、ハンドル動作の検知信頼度が特に高いものとなっている。
さらに本装置の場合には、ドアハンドル1が引き方向に動作すると、第1受光素子11及び第2発光素子13に接触してクリーニングするブラシ部22が設けられているため、セルフクリーニングが実現され、光学式でありながら汚れの影響で誤動作する可能性が低減されている。
【0018】
(第2形態例)
次に第2形態例を説明する。図3は本装置の構成を示す図であり、このうち図3(b)は図3(a)のB−B矢視図であり、図3(c)は図3(a)のC−C矢視図である。また、図4は本装置の動作を説明する図である。
本形態例は、第1形態例に対して、発光素子と受光素子を逆にするなどの部分的変更を加えたものである。即ち、図3(a)に示すように、第1形態例における第1発光素子12、第1受光素子11、及び第2発光素子13の代わりに、第1受光素子12a、第1発光素子11a、及び第2受光素子13aを設けたものである。また、第1形態例における貫通孔15,19の代わりに切り欠き15aを設け、さらに貫通孔16,17,18の代わりに、切り欠き16a,17a,18aをそれぞれ設けている。
【0019】
このような構成でも、第1形態例と同様の作用効果が実現できる。
即ち、ドアハンドル1が初期状態(非操作状態)にあると、第1発光素子11aからの光が前述の切り欠き15a,16a,17a,18aを介して第1受光素子12aに入射し、第2受光素子13aには入射しない。このため、第1発光素子11a(LED)の発光に対して第1受光素子12a(PD1)の出力のみがオンとなり、コントローラ14の処理によって図4(c)に示す如く確実に初期状態であることが検知される。
次に、ドアハンドル1の内側にユーザの手Tが差し込まれると、第1発光素子11aからの光が手Tによって遮断されて第1受光素子12aにも入射しなくなる。このため図4(c)に示す如く、コントローラ14の処理によってPULL状態にある(即ち、ユーザの開錠操作意思が存在する)と確実に検知される。なおこの検知状態は、この場合、差し込まれたユーザの手Tによってドアハンドル1が引かれて引き方向へ動作しても継続される。引き方向への動作によって、手Tが光を遮断する位置からずれたとしても、図4(a)に示すように前述の切り欠き15a,16a,17a,18aが同軸上に位置しなくなるため、やはり第1発光素子11aからの光が遮断された状態に維持されるからである。
また、差し込まれたユーザの手Tによってドアハンドル1が引かれて引き方向へ所定量動作すると、図4(a)に示すようにブラシ部22が第1発光素子11a及び第2受光素子13aの前面(受光面又は発光面)に接触して、この面が自動的にクリーニングされる。
一方、ドアハンドル1が外側からユーザにより押されて所定量押し込まれたときには、図4(b)に示すように反射部21が第2受光素子13a及び第1発光素子11aに対向し、第1発光素子11aからの光を積極的に反射して第2受光素子13aに確実に入射させる。このため、第1発光素子11a(LED)の発光に対して第2受光素子13a(PD2)の出力のみがオンとなり、コントローラ14の処理によって図4(c)に示す如く確実にPUSH状態であることが検知される。
【0020】
なお、本発明は上記形態例に限定されるものでなく、各種の変形や態様があり得る。
例えば上記形態例では、ハンドル内にユーザの手が差し込まれた状態と、ハンドルが引き方向に動作した状態とを、同じPULL状態として判定しているが、これらを識別して判定することもできる。例えば、第1形態例におけるドアハンドル1の板部2に、反射部21と同様の高反射率を有する部分を反射部21と反対側(ブラシ部22の側)にも形成することによって、ドアハンドル1が引かれて引き方向に動作すると、第2発光素子13の光が第1受光素子11に入射して第1受光素子11がオンする構成とすればよい。このような構成であればコントローラ14では、第1発光素子12の発光に対する第1受光素子11の出力が規定時間以上オフになった後に、第2発光素子13の発光に対する第1受光素子11の出力がオンに変化したことに基づいて、ドアハンドル1が引かれて引き方向に動作した状態にあることを、ドアハンドル1内に手が差し込まれただけの状態と区別して検知できる。なおこの場合、PUSH状態(手を差し込まないでハンドルを押した状態)は、第1発光素子12の発光に対する第1受光素子11の出力がオフになるのと略同時に、第2発光素子13の発光に対する第1受光素子11の出力がオンに変化したことに基づいて判定できる。
【0021】
また上記形態例では、光を通過させるハンドルの開口(貫通孔17,18や切り欠き17a,18a)を、非操作状態を検知するための必要最小限の大きさとするとともに、光を反射させる反射部21も所定量以上の押し込み操作を検知するための必要最小限の大きさとしているが、これに限らない。また上記形態例では、光を遮蔽する遮蔽部20も、非操作状態で第2発光素子13の発光に対して第1受光素子11をオンさせない必要最小限の大きさとなっているが、このような態様にも限定されない。このような詳細仕様は、適用システムの種類等に応じて適宜設計変更可能である。
例えば、第1形態例における貫通孔17,18を回転軸5に対して円弧状の長穴とすることによって、ドアハンドル1が僅かに押し引きされた程度では第1発光素子12の発光に対する第1受光素子11の出力がオフにならない構成としたり、或いは、ドアハンドル1内に手を差し込まない限り、ドアハンドル1をいくら押し引きしても第1発光素子12の発光に対する第1受光素子11の出力がオフにならないようにすることが可能である。
また、第1形態例における反射部21を回転軸5に対する周方向に幅の広いものとする(或いは、ドアハンドル1の板部2の外側面全体を反射部とする)ことによって、例えばドアハンドル1を僅かに押しただけでも、第2発光素子13の発光に対する第1受光素子11の出力がオンに変化して、この押し方向の動作が即座に検知される構成としてもよい。
【0022】
また、例えば上記形態例におけるブラシ部22を、回転軸5に対する周方向に幅の広いものとし、クリーニングが行われるハンドルの動作範囲を広げることもできる。また上記形態例では、板部2の側のブラシ部22についてのみ説明したが、ドアハンドル1のもう一方の板部3にも同様のブラシ部を形成して、例えば第1発光素子12のクリーニングも行われる構成としてもよい。また、本発明のブラシ部と反射部を一体的に形成する態様もあり得る。
また、本発明のハンドルセンサは、非操作状態から押し方向又は引き方向にのみ動作するハンドルに対しても適用可能であり同様の効果が得られる。この場合も、単にユーザの手が接近した状態と、ハンドルが操作されて実際に動作した状態とを、簡素な構成で明確に区別して検知可能だからである。
また、前述の第2形態例において、第1形態例の遮蔽部20と同様の構成要素を設けてもよい。即ち、ドアハンドル1が初期位置にあるときに、第1発光素子11aからの光が第2受光素子13aに入射しないように、第1発光素子11aからの光を確実に遮断する部分を、ドアハンドル1の板部2に設けてもよい。
また本発明は、上述した形態例のような引き上げ式のハンドルに限らず、例えばレバータイプのハンドル(いわゆるバーハンドル)にも適用可能である。
【0023】
【発明の効果】
本願各発明のハンドルセンサによれば、3個の受発光素子よりなる簡素な構成でありながら、ハンドルへのユーザの手の接近(ユーザの操作意思)を検出できるとともに、ユーザ操作によるハンドル動作(押し方向又は/及び引き方向の動作)を別個に検出できる。このため、ハンドル操作に関連する多様な制御を一つの簡素なセンサで実現でき、適用システムの高機能化(例えば、車両におけるデッドロック操作機能の付加)を低コストで実現できる。また、ハンドルへの手の接近を非接触で検出できるので、ユーザの操作意思を比較的応答性良く検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハンドルセンサ(第1形態例)の構成を示す図である。
【図2】ハンドルセンサ(第1形態例)の動作を説明する図である。
【図3】ハンドルセンサ(第2形態例)の構成を示す図である。
【図4】ハンドルセンサ(第2形態例)の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 ドアハンドル
11 第1受光素子
11a 第1発光素子
12 第1発光素子
12a 第1受光素子
13 第2発光素子
13a 第2受光素子
20 遮蔽部
21 反射部
22 ブラシ部
Claims (6)
- 引き方向又は/及び押し方向に動作可能なハンドルの操作状態を検出するハンドルセンサであって、
前記ハンドルの一方側に第1受光素子を、前記ハンドルの他方側に第1発光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態にあると前記第1発光素子からの光が前記第1受光素子に入射し、前記ハンドル近傍に手が差し込まれると前記第1発光素子からの光が遮断されて前記第1受光素子に入射しなくなる構成とし、
さらに前記ハンドルの、前記第1受光素子があるのと同じ側に第2発光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態から動作すると、前記第2発光素子からの光が前記ハンドルに設けられた反射部で反射して前記第1受光素子に入射する構成としたことを特徴とするハンドルセンサ。 - 前記ハンドルが非操作状態にあるときに前記第2発光素子からの光が前記第1受光素子に入射するのを防ぐため、前記第2発光素子からの光を遮蔽する遮蔽部を前記ハンドルの一方側に設けたことを特徴とする請求項1記載のハンドルセンサ。
- 前記ハンドルが非操作状態から動作すると、前記第1発光素子、前記第1受光素子、及び前記第2発光素子のうちの一つ又は複数に接触してクリーニングするブラシ部を、前記ハンドルの一面側又は/及び他面側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のハンドルセンサ。
- 引き方向又は/及び押し方向に動作可能なハンドルの操作状態を検出するハンドルセンサであって、
前記ハンドルの一方側に第1発光素子を、前記ハンドルの他方側に第1受光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態にあると前記第1発光素子からの光が前記第1受光素子に入射し、前記ハンドル近傍に手が差し込まれると前記第1発光素子からの光が遮断されて前記第1受光素子に入射しなくなる構成とし、
さらに前記ハンドルの、前記第1発光素子があるのと同じ側に第2受光素子を配設し、前記ハンドルが非操作状態から動作すると、前記第1発光素子からの光が前記ハンドルに設けられた反射部で反射して前記第2受光素子に入射する構成としたことを特徴とするハンドルセンサ。 - 前記ハンドルが非操作状態にあるときに前記第1発光素子からの光が前記第2受光素子に入射するのを防ぐため、前記第1発光素子からの光を遮蔽する遮蔽部を前記ハンドルの一方側に設けたことを特徴とする請求項4記載のハンドルセンサ。
- 前記ハンドルが非操作状態から動作すると、前記第1発光素子、前記第1受光素子、及び前記第2受光素子のうちの一つ又は複数に接触してクリーニングするブラシ部を、前記ハンドルの一面側又は/及び他面側に設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のハンドルセンサ。
Priority Applications (1)
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