JP4041871B2 - プーリー固定工具 - Google Patents

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発明の詳細な説明
本発明は、自動車等のエンジンを分解するとき、クランクシャフトに固定されたクランクプーリーをはずすときに使用する固定工具に関すると共に、その固定工具の使用方法に関する。
図4に従来の例をしめした。
レバー型工具100は、レバー110とこれに一体化された規制部材113、およびこのレバー部110に一端を固定されたワイヤー111からなる。ワイヤ111は、規制部材113にあけられた貫通穴114を貫通していて、ループ112を形成している。このループ112にエンジンプーリーを入れ込み、適正にワイヤー11を絞って径を調整する。この状態でレバー110へAの方向にトルクが派生すると、貫通穴114の両端でワイヤ112の間に大きな摩擦力を生じ貫通穴114の内面と端面にワイヤ112との間で大きな摩擦力を生じて固定する。
しかし、レバー型工具100を使用する場合、小型エンジンのように緩めトルクが少なくて済むタイプには適用可能だが、中型エンジン以上の大きなトルクが必要な車種(エンジン種類)に使用する場合問題が生じる。クランクプーリーを固定しているプーリーボルトの締め付けトルクが大きいため、クランクプーリー自体が少ない係止力で回転止めをされていると、回転してしまったり、レバーの強度が大きなトルクに勝てずに固定する金具が折れる、など不具合が発生するものであった。
発明が解決しようとする課題
このような事情を鑑み、エンジンのクランクプーリーをはずす際に、専用工具が使えなくて余分な部品を取り外さなければ成らず、余計な時間やコストが掛かっていた点を改善し、安価で確実に分解可能とする工具の提供と、その工具の使い方を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1に記載のように、エンジンからクランクプーリーを はずす際にクランクプーリーの回転止めをするために用いられるプーリー固定工具であっ て、該プーリー固定工具は、十分な強度を有するひも状部材の一端にリングを形成し、こ のリングにひも状部材の他端を挿通して、クランクプーリー固定用ループを形成するとと もに、前記ひも状部材の他端に、エンジンに備わる他のプーリーへの固定用ループを形成 したことを特徴とするプーリー固定工具であり、主にエンジンに備わる他のプーリーが、 ダイナモプーリーであることを特徴とする。
そして、前記リングを、クランクプーリーに対し、締め付ける方向にまきつけ、前記他端 のクランクプーリー固定用ループを固定方向位置にあるプーリーに引っ掛けて方向固定す る。
これにより、クランクプーリーにボルト等の会助力を加えても回転せずしっかりと固定さ れるため、従来の工具に比べてエンジンからクランクプーリーを分解する時間を短縮する と共に、少ない力で確実に仕事が行えるようになる。
(以下、ひも状部材の一端に形成されたリングを第1の固定部、又前記ひも状部材の他端 に形成したフック又はループを第2の固定部とも言う。)
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
図1に示したこのプーリー固定工具は、第1の固定部と第2の固定および、二つをつなぐひも状部材の本体部に被覆を有した金属ワイヤーを用いた例である。
一般的であるので図示は省略したが、金属ワイヤーでなくとも充分な強度を有するもの、たとえばチェーンでもよろしい。ゴム材料に付箋布を編みこんだ強化ゴムのようなものは、摩擦係数が高い意味で好ましい。
そして、第1の固定部が第1ループ2であり、第2の固定部が第2ループ4である。本体部1は充分な長さを有しなければならないが、この長さの必然性については、次に述べる図2の説明で行う。Bネック10は第2ループ4を固定するのみであるが、Aネック9は長さ調整手段を形成する長さ調整リンク3を固定している。
図2は、本願発明のプーリー固定工具をエンジン20のクランクプーリー6に取り付けて使用している状態を示している。
第1ループ2をクランクプーリー6の外周に取り付け、
長さ調整リンク3をクランクプーリー6の外周に密着するよう合わせて固定し、第2ループ4を、ダイナモプーリー8に掛ける。
このとき、第1ループ2はクランクプーリー6に対して略2回転巻回しており、このため、滑りやすい金属ワイヤーでも、完全にロックして固定が出来る。
そのため、ひも状部材の本体部1はクランクプーリー6に2回転巻回してもクランクプーリー6とダイナモプーリー8との間をつなぐだけ充分な長さに設計しなければならない。これば、エンジンのバリエーションを考えると、設計問題ではあるが、数種類の長さの製品を用意する可能性を示唆している。
このように固定された状態で、プーリーボルト5を右方向にラチェットハンドル等で回す事により、ひも状部材の本体部1がクランクプーリー6に巻き付き固定する事ができる。これにより、プーリーボルト5に工具を取り付けてとりはずすためのトルクを発生しても、クランクプーリー6は回転しないで、プーリーボルト5を安全に、かつ短時間で作業する事が可能である。
図3は、クランクプーリー部6とダイナモプーリー部8の距離関係が車種により異なる為距離関係が、図2の場合に比べて離れている場合を示した図である。そのため、図2に於いては第1ループ部から覗くワイヤー本体1が2回転近くクランクプーリーに巻回されているのに対して、図3では、ワイヤー本体1がプーリー間距離にとられてしまう。その際に滑らぬように、首から巻回方向と反対方向へ巻きつけることにより、大きな摩擦力を発生するから、1回転を少し超えた程度の少ない巻数でもすべることが無い。
図4は、既に述べた従来の図であるので、説明を省略する。
発明の異なる実施の形態
削除
発明の効果
固く締まったプーリーボルトでも簡単に緩み、どのようなクランクプーリー径を持った車種でも全車種に対応できる。
また本工具により、エンジンに標準として装備されたダイナモプーリーを工具の固定部材として使用できるため、短時間で効率の良い作業ができる。
本発明の正面図 本発明のエンジンのクランクプーリーに取り付けて使用状態を示す正面図 距離関係が大きく2回巻けない場合に使用する正面図 従来の工具の正面図
符号の説明
1 本体部(ワイヤーの中央部分)
2 第1ループ部(第1の固定部:プーリー用ループ)
3 長さ調整リンク部(可変手段)
4 第2ループ部(第2の固定部:ダイナモ用ループ)
5 プーリーボルト
6 クランクプーリー
7 工具穴部
8 ダイナモプーリー
9 Aネック
10 Bネック
20 エンジン

Claims (2)

  1. エンジンからクランクプーリーをはずす際にクランクプーリーの回転止めをするために用 いられるプーリー固定工具であって、該プーリー固定工具は、十分な強度を有するひも状 部材の一端にリングを形成し、このリングにひも状部材の他端を挿通して、クランクプー リー固定用ループを形成するとともに、前記ひも状部材の他端に、エンジンに備わる他の プーリーへの固定用ループを形成したことを特徴とするプーリー固定工具。
  2. エンジンに備わる他のプーリーが、ダイナモプーリーであることを特徴とする請求項1記 載のプーリー固定工具。
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