JP4040874B2 - シリコーン材料を使用してシリンダーヘッドガスケットに適用される剥離性漏れ止め被覆の形成法 - Google Patents
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Description
本発明の一般的な分野は、架橋物質、例えばエラストマーを製造する目的で架橋性シリコーン組成物を使用すること、特に、ポインティング、漏れ防止及び剥離において使用することである。
【0002】
より具体的に言えば、本発明は、シートガスケットの処理、特に、内燃エンジンのシリンダーヘッドガスケットの含浸又はワニス塗布(被覆)のために架橋性シリコーン組成物を使用することに関する。換言すれば、本発明は、これらの架橋性シリコーン組成物を使用して、シートガスケット(シリンダーヘッドガスケット)を含浸すること、及び/又は熱いエンジンの“エンジンブロック/シリンダーヘッド”界面(該界面は好ましくはシリンダーヘッドガスケットそれ自体である)において剥離被覆を形成することに関する。
【0003】
内燃エンジンの主ユニットは、エンジン内部への接近を可能にするために取り外されなければならない種々のサブユニットを含む。これらのサブユニットのうちの1つがシリンダーヘッドである。シリンダーヘッドとエンジンブロック(又はシリンダーブロック)との間の接触面は厳密には平行しておらず、そしてそれらの表面状態の仕上げは完全にはならない可能性がある。この不均一さを除くためには、シリンダーヘッドとエンジンブロックとの間に比較的軟質のガスケットを配置して上記の表面欠陥を吸収すると共に、燃焼中での冷却液(水+グリコール+アルカリ性剤)、油及びガスの交差循環に対して漏れ止めを提供することが必要である。また、シリンダーヘッドガスケットは、“エンジンブロック/シリンダーヘッド”脱着自在組立体の結合を可能にする役割も有している。それ故に、これらの役割を果たすためには、シリンダーヘッドガスケットは、少なくとも2つの基本的機能、即ち、漏れ止め性及び剥離性を示すことができなければならない。
【0004】
シリンダーヘッドガスケットの構成材料が多孔性である(複合ガスケット)ような場合には、この多孔度を含浸によって少なくとも一部分除去することが必要である。これは、第一に、エンジン中に存在する流体に対して材料の漏れ防止性を向上させ、第二に、シリンダーヘッドがエンジンブロックに接触したときにそれにガスケットの圧縮力を吸収するのに有用な可撓性を与えることを可能にする。
【0005】
更に、シリンダーヘッドを脱着するときに、ガスケットは、2つの結合面の表面に付着せずに容易に脱着されることができるべきである。この剥離性の機能は、被覆の形態で適用されるワニス塗布用製品によって提供される。
【0006】
シリンダーヘッドガスケットの最も普及した3つのタイプは、複合ガスケット、金属ガスケット及び多層金属ガスケットである。
【0007】
繊維(又はソフト)ガスケットとしても知られる複合ガスケットは、特殊車両、小型の家庭電化製品及びモーターバイクで使用される。複合ガスケットは、有機繊維(アラミド)及び無機充填剤(グラファイト)を基材とした2個の複合板の間に金属板又はコアを挿入して構成される。また、複合ガスケットは、クリンプ、燃焼リング(時には爆発室の上に配置される)、及び可能性のある漏れを表面に拘束するためのシリコーンエラストマー製縁を含む。
【0008】
これらの複合ガスケットは、通常、重縮合熱シリコーン樹脂(オクタン酸鉛で触媒作用されたヒドロキシル化樹脂)又は重付加熱シリコーン樹脂(白金で触媒作用されたSi/Si−ビニル樹脂)中に浸漬することによって含浸処理を受ける。含浸に続いて、(重付加及び重縮合)シリコーン樹脂を使用してガスケットのワニス塗布が行われる。最後に、シリコーンエラストマーより作られた縁がスクリーン印刷によって付着される。
【0009】
金属ガスケットは、幾つかの高級市場向けの車両及び重土木作業用の車両に使用される。また、熱硬化性エラストマーHCEタイプの金属−シリコーンエラストマーインサートも存在する。
【0010】
MLS(多層スチール)ガスケットとして通常知られる多層金属ガスケットは、特定の工業用車両で使用される。多層金属ガスケットは、両面をエラストマー被覆で覆った金属相より構成される。これらのMLS多層金属ガスケットは、大きな成長の恩恵を受けている。複合ガスケットとは対照的に、それらは、エラストマーを塗布することによる処理段階のみを受ける。
【0011】
MLSは、ゆがみを減少して捩りモーメントを向上させ、かくしてエンジンの効率を向上させることを可能にする。かくして、これは、より低い消費量、汚染物の放出量の減少及びより低いコストをもたらす。製造に関して言えば、MLSは、ガスケットの寸法及び厚さのより良好な制御を可能にし、これによって組み立て中の調整が容易になる。これらのMLSガスケットは、爆発や腐蝕に耐えるそれらの能力によって、複合繊維ガスケットよりも良好な性能を提供する。
【0012】
複合ガスケットに通常使用される含浸剤及びワニス塗布剤は、錫、チタン、ジルコニウム若しくは白金塩の如き金属触媒又はペルオキシドの存在下に高温(一般には100℃よりも高い)で架橋することができるSiOH若しくはSiH官能基(US−A−4720316、EP−A−272382)又はSiVi官能基(DE−A−3731032、US−A−4499135)を含む低粘度シリコーン油若しくは樹脂、又はSiH官能基を含むシリコーン油若しくは樹脂とSiVi官能基(DE−A−3731032、US−A−4499135)を含むシリコーン油若しくは樹脂との混合物より構成される組成物である。
【0013】
SiOH、SiH、SiVi又はSiH/SiVi官能基を含むシリコーン油又は樹脂を基材とする組成物は、一般的には、次の不利益のうちの少なくとも1つ、即ち、
・シリコーンマトリックス及び触媒よりなる混合物は周囲温度において不安定であり(特に、溶剤の不在下において)、この不安定性は粘度の増大によって、実際には含浸又はワニス塗布浴のゲル化によって反映され、これによって、2つの工程において含浸若しくはワニス塗布浴又は処理の頻繁な交換が要求される。例えば、US−A−4720316及びEP−A−272382は、ボードの製造中に触媒を使用すること、次いで乾燥ボードに対してSiH基を有するシリコーン油を含浸させることを勧めている。
・シリコーン+触媒混合物の安定性を向上させ且つその粘度を低下させるためには該混合物を有機溶剤中に分散させることが必要である場合が多い。これは、溶剤の使用に関連する不利益をもたらす(毒性、安全装置や溶剤剤循環装置の設置)。
・出発材料の価格コストが高く、特にSiH官能基を有する油又は樹脂及び白金触媒と組み合わせて随意に使用されるビニル化油又は樹脂の場合に高くなる。これらの混合物は、特に白金抑制剤の存在下において周囲温度で極めて安定になりうるが、しかしビニル化油又は樹脂の使用のために高価である。
、を示す。
【0014】
上記の公知の組成物を改良する目的を有するシリンダーヘッドガスケットの処理のための新規なシリコーン組成物の探求では、α,ω−ジOH POS、ポリメチルヒドロシロキサンタイプのSiH単位を有するPOS及びエチニルシクロヘキサノールを含むヒドロシリル化によって架橋可能なシリコーン組成物を使用することが準備された。後者の化合物は、シラノール官能基を有する樹脂を形成するのを可能にし、関係するPOSのSiH対SiOH比は、10/1〜30/1程度であり、そして組成物はカーステッドタイプ(Karsted type)の重付加触媒も含む(フランス特許出願FR−A−2697532を参照されたい)。
【0015】
たとえかかる組成物が安定性、反応性及び使用の融通性に関する向上を効率的にもたらすとしても、それは、なお、このタイプの組成物に対する特定の架橋が高温(160℃)で5〜10分間加熱する制限的工程を含む場合を残している。このような工程は、シリコーンを使用したシリンダーヘッドガスケットの処理又は被覆のための工業的方法の生産性に関して特に不利な立場に置かれている。かくして、例えば、長い加熱トンネルのような複雑で高価な装置の使用に頼ることが必要になる場合がある。それ故に、重付加によって架橋可能でありそしてシリンダーヘッドガスケットの被覆に使用されるこれらのシリコーン組成物は、剥離性及び圧縮性の規格値、並びに大規模生産のための生産性及び採算性の要件を満たすシリンダーヘッドガスケットのシリコーン含浸及び処理を実施する問題に対して完全に満足な解決策に依然として寄与しないようである。
【0016】
フランス特許出願2722203は、架橋性フルオルシリコーン被覆をシリンダーヘッドガスケットに適用する方法に関する。かかる被覆は、熱、UV線又は電子ビームの影響下にヒドロシリル化によって架橋可能なシリコーン組成物から得られる。この組成物は、ビニル化フルオルシリコーン、SiH単位を有するPOS、白金ヒドロシリル化触媒、ペルオキシドタイプの縮合触媒、及び随意成分としてのハロゲン化溶剤、エステル又はケトンタイプの溶剤を含む。この組成物を適用することができる支持体は、シリコーン性状を有するのが好ましいと記載される。より具体的に言えば、この被覆は、シリンダーヘッドガスケットの油に関して不透過性を低下させることを意図している。それは、比較的長い架橋時間(数分間)によって特徴づけられ、そしてUV線を使用する場合においてさえも架橋に対して加熱によって活性化されなければならない0.1〜10mmの比較的厚い被覆である。それ故に、この公知の被覆は、大規模な工業的生産に関する要件に関してどちらもそれ自体で満足なものではない。更に、このフルオルシリコーン組成物の架橋がSiH/SiViヒドロシリル化機構に基づいているという事実は安定性の問題を提起している。
【0017】
また、米国特許5260348は、縮合機構に従ってUV線下に架橋可能なシリコーン組成物を開示している。かかる組成物は、特にシリンダーヘッドガスケット用の剥離被覆の形成に有用である。この組成物は、ポリジメチルシロキサン又はポリジフルオルアルキルシロキサンタイプのα,ω−ジOH POS、メチル−若しくはエチレントリアセトキシシラン又はメチルトリベンゾキシシランタイプの架橋剤、及びオニウム(ヨードニウム)塩(その対陰イオンはBF4 -又はSbF6 -である)によって形成される光重合開始剤を含む。UV線下に縮合によって架橋可能なこれらのシリコーン組成物は、適切な架橋時間を得るためには追加的な熱活性化を受けなければならない。これは工業的方法を複雑にすることが明らかである。UV線下に最良の架橋性能を有する対陰イオンはSbF6 -であるが、しかしそれは環境に対して毒性の問題をもたらす可能性がある重金属を含むという大きな不利益を示すことが分かった。
【0018】
金属シリンダーヘッドガスケット特にMLS多層ガスケットのワニス塗布含浸に関して、商品名「Viton」タイプのNBRゴムエラストマー被覆又は弗素化エラストマー被覆が実際に知られている。
【0019】
NBRはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体によって形成されるエラストマーであるが、シリンダーヘッドガスケット用途におけるその主な不利益はその低い熱安定性である。
【0020】
商品名「Viton」は、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロペンとテトラフルオルエチレントのランダム共重合体である。また、商品名「Viton」を基材とするシリンダーヘッドガスケット用被覆組成物は、タルク又は珪酸マグネシウム、カーボンブラック、未結合シリコーン油、脂肪酸エステル(可塑剤)及びビスフェノール又はジアミンタイプの架橋剤を含む。日本国特許出願JP−A−08/209113は、商品名「Viton」を基材とする金属多層シリンダーヘッドガスケット用のかかるワニス塗布含浸剤に関する。商品名「Viton」エラストマー被覆又はワニス塗膜の形成は、200〜250℃の温度で2.5〜15分の熱架橋、それに続く高温で数時間の後架橋を包含する。
【0021】
加えて、未架橋「Viton」組成物の適用は、吹付ガンを使用して有機溶液を吹き付けることによって実施される。実際に、有機溶剤への依存は、安全性や毒性の問題を提起することが知られている。更に、この方法は、12μmよりも大きい厚さを有するエラストマーフィルムを製造するのを可能にしないという点で制限的である。この「Viton」を基材とするエラストマー被覆の金属に対する接着力を向上させることができる。最後に、そして特に、これらの「Viton」を基材とする被覆の“材料及び方法”コストは比較的高いままである。
【0022】
特許出願PCT/WO−A−98/29498は、金属シリンダーヘッドガスケット及び複合シリンダーヘッドガスケットの両方に関する。このPCT出願の課題である発明は、有機金属錯体のオニウム硼酸塩又は硼酸塩(この硼酸塩の対陰イオンは、少なくとも1個の置換(Me、F)フェニルに結合された少なくとも1個の硼素を含む)から選択される特定の光重合開始剤の存在下に且つ活性化下に陽イオン経路によって架橋可能なシリコーン組成物を使用することによるシリンダーヘッドガスケットの含浸及び/又は被覆である。液体シリコーン前駆物質は、陽イオン経路によって架橋するための、例えばエポキシ又はビニルオキシタイプの官能基によって置換されたポリジメチルシロキサンである。この発明は、シリンダーヘッドガスケット特にMLS多層金属シリンダーガスケットの被覆又はワニス塗布含浸に対する要件を構成する規格値のうちのいくらかに関して改善されることができることが分かった。これらの規格値を以下に記載する。
・架橋エラストマーフィルムで被覆したガスケット上のエンジンブロック及びシリンダーヘッドの剥離性
・この被覆の、ガスケットを構成する支持体特に金属支持体への接着力
・漏れ防止性
・機械的特性(硬度、耐引掻性)
・耐溶剤性
・エンジン液(油及び冷却液)に対する抵抗性
・耐熱性
【0023】
それ故に、斯界の現状では、シリンダーヘッドガスケット、特に金属シリンダーヘッドガスケット、より特定的にはMLS多層金属シリンダーヘッドガスケットに対して完全によく適合した漏れ止め性の剥離性エラストマー被覆が存在していないことを認めることが必要である。この記載は、これらのエラストマー被覆の未架橋液体前駆物質に対しても同等に当てはまる。
【0024】
かくして、このような点において、本発明の必須の目的のうちの1つは、シートガスケット特にシリンダーヘッドガスケット(特には、MLS金属ガスケット)の含浸及び/又は被覆に適した架橋性シリコーン組成物であって、しかも、従来技術の欠陥を打破すると共に上記の要件を満たすのに従来のものよりも良好であり、含浸及び/又は被覆を実施するための迅速な方法に近づく機会を与え、複雑な装置や、有毒で且つ危険な溶剤又は高温の使用を必要とせず、ガスケットの支持体に十分に密着するシリコーン被覆又はワニス塗布剤を得るのを可能にし、シリンダーヘッド及びエンジンブロックに対して十分な剥離性を与え、漏れ止め性であり、硬質であり、引掻き、溶剤及びエンジン液に対して抵抗性であり、更に、温度に対して安定である架橋性シリコーン組成物を提供することである。
【0025】
本発明の他の必須目的は、シートガスケット、特にシリンダーヘッドガスケット、好ましくはMLSシリンダーヘッドガスケットを含浸及び/又は被覆するための方法であって、経済的であり、使用するのが簡単であり、しかも、使用環境において十分に機能を果たす剥離性シリコーンシリンダーヘッドガスケットを得るのを可能にする含浸及び/又は被覆法を提供することである。
【0026】
本発明の他の必須目的は、上記の期待規格値をすべて示す剥製性で且つ圧縮可能な架橋シリコーンで含浸及び/又は被覆されたシートガスケット、特にシリンダーヘッドガスケット、好ましくはMLSシリンダーヘッドガスケットを提供することである。
【0027】
これらの目的が一旦設定されると、多くの研究及び実験後に、全く驚いたことに且つ意外にも、含浸を実施し及び/又は被覆を形成するための方法において、ポリオルガノシロキサンA、硼酸オニウム塩又は有機金属錯体硼酸塩タイプの開始剤B、及びPOS Aと同じ架橋性官能基を含む反応性希釈剤Cを使用するのが適当であることを見い出したことは本件出願人の功績である。特にMLSシリンダーヘッドガスケット用の優れたシリコーンワニスの製造にはこのABCの組み合わせが必須である。
【0028】
この結果として、本発明は、
エンジンのエンジンブロック/シリンダーヘッド界面において使用されそして特にシートガスケット特にシリンダーヘッドガスケットに適用される剥離性漏れ止め被覆の形成及び/又は含浸のための方法において、
本質上、
1.次の−A−〜−H−の成分を含むシリコーン組成物を使用すること、
−A−.陽イオン及び/又はラジカル経路によって、及び架橋性官能基(CFG)によって架橋可能な少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(POS)100重量部、ここで、これらのCFGは互いに同種又は異種であり、そして1個又はそれ以上の電子供与性原子(好ましくは、O、S、N又はP)を有する複素環式性の少なくとも1個の官能性単位を含むものから、及び/又はエチレン性不飽和でありそしてπ系の塩基度を向上させる少なくとも1個の電子供与性原子によって置換されるものから選択されるものとし、
−B−.周期律分類表[1985年2月4日のChem.& Eng.News,Vol.63,No.5,26]の15〜17族からの元素のオニウムの硼酸塩又は周期律分類表(同じ文献)の4〜10族からの元素の有機金属錯体によって形成される少なくとも1種の開始剤塩(PI)0.01〜10(好ましくは、0.1〜5)重量部、ここで、
□該硼酸塩の陽イオン部分は、次の(1)〜(4)から選択され、
(1)−式(I):
[(R1)n−A−(R2)m]+ (I)
[式中、
・Aは、例えば、I、S、Se、P又はNの如き15〜17族からの元素を表わし、
・R1はC6〜C20炭素環式又は複素環式アリール基を表わすが、該複素環式基は複素原子として窒素又は硫黄を含むことが可能であり、
・R2はR1、又は線状若しくは分岐状C1〜C30アルキル若しくはアルケニル基を表わすが、該R1及びR2基は、C1〜C25アルコキシ、C1〜C25アルキル、ニトロ、クロル、ブロム、シアノ、カルボキシ、エステル又はメルカプト基によって随意に置換され、
・nは1〜v+1の範囲の整数であるが、vは元素Aの原子価であり、
・mは1〜v−1の範囲の整数であるが、n+m=v+1である]のオニウム塩、
(2)−式(II):
【化13】
[式中、R6基は、線状又は分岐状C1〜C20アルキル基を表わす]を有するオキソイソチオクロマニウム塩、
(3)−陽イオン部分が次の→3.1〜3.2の種を含むスルホニウム塩、
→3.1.式(III.1):
【化14】
[式中、
・Ar1記号は互いに同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)残基である)及び式−Y4−Ar2(ここで、Y4及びAr2記号は直ぐ下に与えられる意味を有する)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される一価フェニル又はナフチル基を表わし、
・Ar2記号は互いに又はAr1と同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基又は−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12残基(好ましくはC1〜C6)である)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される一価フェニル又はナフチル基を表わし、 ・Ar3記号は互いに同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基又は−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)残基である)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される二価フェニレン又はナフチレン基を表わし、
・tは0又は1の整数であり、但し、
+t=0のときには、Y記号は、式:
【化15】
[式中、Ar1及びAr2は先に記載した意味を有する]の基を表わすY1一価基であり、
+t=1のときには、
*一方において、Y記号は、次の意味Y2〜Y4を有する二価基であり、
・Y2:式:
【化16】
[式中、Ar2記号は先に記載した意味を有する]の基、
・Y3:単一原子価結合、
・Y4:
【化17】
線状又は分岐状C1〜C12(好ましくはC1〜C6)アルキレン残基、及び式:−Si(CH3)2O−の残基から選択される二価残基、
*他方において、Y記号がY3又はY4を表わす場合においてのみ、Ar1及びAr2(末端)基は、先に記載した意味の他に、単一原子価結合Y’1、又はY4の規定に関して記載した残基から選択される二価残基であって、炭素原子間に挿入され、互いに面し、そしてS+陽イオンに直接結合された炭素原子に対してオルト位置で各芳香族環上に位置された二価残基Y’2よりなる残基Y’を介して互いに結合される可能性を有し、及び/又は、
→3.2.陽イオン1モル当たり1個のS+陽イオン中心を有し、そして大半の場合には、式(III.2):
【化18】
[式中、Ar1及びAr2は、式(III.1)に関して先に記載した意味を有するが、但し、Y’残基を含む式(II)でt=1のときに追加条件の規定に関して先に記載した態様に従ってAr1〜Ar2基のうちの1個だけがそれらの間に直接結合される可能性を含むものする]、
の種よりなる少なくとも1種のモノスルホニウム種、
(4)式(IV):
(L1L2L3M)q+ (IV)
[式中、
・Mは、特に鉄、マンガン、クロム又はコバルトから選択される4〜10族からの金属を表わし、
・L1はπ電子によって金属Mに結合した配位子を表わし、そしてこの配位子は、η3−アルキル、η5−シクロペンタジエニル及びη7−シクロヘプトラトリエニル配位子、並びに、随意に置換されるη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環(各環は、3〜8個のπ電子によって金属Mの原子価層に寄与することができる)を有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択され、
・L2はπ電子によって金属Mに結合した配位子を表わし、そしてこの配位子は、η7−シクロヘプタトリエニル配位子、並びに、随意に置換されるη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環(各環は、6又は7個のπ電子によって金属Mの原子価層に寄与することができる)を有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択され、
・L3はσ電子によって金属Mに結合した0〜3個の同種又は異種の配位子を表わし、そしてこの配位子はCO及びNO2から選択され、そしてL1、L2及びL3並びに金属Mのイオン電荷が寄与する錯体の全電子荷電qは正であって、1又は2である]の有機金属塩、
□該硼酸塩の陰イオン性部分は、式:
[BXaRb]-
[式中、
−a及びbは、aでは0〜3の範囲の整数であり、bでは0〜3の整数であり、そしてa+b=4であり、
−X記号は
*ハロゲン原子(好ましくは、塩素又は弗素)、a=0〜3、
*OH官能基、a=0〜2、
を表わし、
−R記号は同種又は異種であり、そして
・例えば、OCF3、CF3、NO2又はCNの如き少なくとも1個の電子吸引基によって、及び/又は少なくとも2個のハロゲン原子(極めて好ましくは、弗素)によって置換されるフェニル基、但し、これは、陽イオン部分が15〜17族からの元素のオニウム塩であるときであるとし、
・少なくとも1個の電子吸引元素又は基、特にハロゲン原子(より特には弗素)、CF3、OCF3、NO2又はCNによって置換されるフェニル基、但し、これは、陽イオン部分が4〜10族からの元素の有機金属錯体であるときであるとし、
・例えば、ビフェニル又はナフチルの如き少なくとも2個の芳香族環を含むアリール基であって、陽イオン部分が何であろうとも少なくとも1個の電子吸引元素又は基、特にハロゲン原子(より特には弗素)、OCF3、CF3、NO2又はCNによって随意に置換されるアリール基、
を表わす]を有し、
−C−.構造内に、先に記載した如き少なくとも1個のCFGを含みそして随意としてCFG以外の少なくとも1個の第二官能基(SFG)であるが、しかしCFGと化学的に反応することができる第二官能基(SFG)を含む非有機珪素、有機珪素又は有機化合物よりなる少なくとも1種の反応性希釈剤1〜50(好ましくは1〜35)重量部、
−D−.少なくとも1種の顔料、好ましくは黒色顔料そしてより好ましくはカーボンブラック0〜10(好ましくは0.1〜5)重量%、
−E−.無機性の充填剤0〜100(好ましくは0から50)重量部、
−F−.好ましくは(ポリ)芳香族化合物(随意として金属)及び/又は複素環式化合物から選択される少なくとも1種の光増感剤0〜10(好ましくは0.01〜1)重量部、
−G−.少なくとも1種の安定用アミン剤よりなる安定剤0〜10-2(好ましくは10-5〜10-2)重量部、
−H−.好ましくはアルコキシル化及び/又はエポキシ化シランから選択される接着促進剤0〜5(好ましくは0〜2)重量%、
2.この組成物を支持体(シリンダーヘッドシートガスケット又はシリンダーヘッド/エンジンブロック界面)に適用すること、及び
3.適用した組成物を光化学及び/又は熱活性化によって、及び/又は電子ビーム下に架橋させること、
よりなることを特徴とする被覆形成及び/又は含浸法、
に関する。
【0029】
本発明は、ポリオルガノシロキサンPOS A及び開始剤Bを含むが、しかしCFGそして随意としてのSFG官能基を有する希釈剤Cを含まない陽イオン経路によって架橋可能なシリコーン組成物を使用している特許出願WO−A−98/29498の発明に対する改良発明である。
【0030】
このABCの組み合わせは、シートガスケット特にシリンダーヘッドガスケットの含浸及び/又はワニス被覆に関して、剥離性、ガスケットの支持体(好ましくは金属支持体)への接着力、漏れ止め性、機械的特性、溶剤やエンジン液に対する抵抗性、及び耐熱性の面で有益で且つ予想外の結果をもたらす源である。
【0031】
このABCの組み合わせでは、開始剤Bは、そのオニウム硼酸塩又は有機金属硼酸塩性、及び電子吸引基例えば弗素化基によって置換されたボロフェニルタイプの硼酸塩対陰イオンによって特徴づけられる。他にもあるが、本発明に従った方法で使用される未架橋液体組成物は貯蔵時に優秀な安定性を有する。その粘度は、開始剤の存在にもかかわらず低いままである。この安定性は、実際に組成物を調製してから数ヶ月後でさえも数日間認められる(但し、それは光を排除して貯蔵されるものとする)。また、この前駆物質液体組成物は、周囲温度において極めて良好な反応性を有する。
【0032】
随意成分としてD及び/又はE及び/又はF及び/又はG及び/又はHを含む未架橋液体シリコーン組成物ABCは取り扱うのが容易である。その粘度は、CFGを有するPOS A油及び/又はCFGを有しそして随意としてSFGを有する希釈剤Cのモル質量、開始剤Bの濃度、並びにCFG/POS A及び(CFG+随意としてのSFG)/希釈剤Cモル比を調整することによって広い範囲内で調整されることができる。更に、未架橋液体シリコーン組成物は、毒性のある危険な有機溶剤を必ずしも含まないことに注目すべきである。
【0033】
本発明に従った方法は、経済的であり、簡単であり且つ迅速であり、それ故に究極的に生産性であり且つ採算的である。それは、シートガスケット、特にシリンダーヘッドガスケット、より特にMLS多層タイプの金属シリンダーヘッドガスケット上で、美しい外観(気泡の不在)を有し且つ剥離性、漏れ止め性及び圧縮性の所要要件を満たすワニス塗膜を特に得ることを可能にする。加えて、この架橋ワニス塗膜は、完全に満足である良好な機械的特性、耐摩耗性、熱安定性、並びに油そしてより一般的には冷却液の如き攻撃性物質に対する抵抗性を有する。
【0034】
本発明に従った方法の好ましい具体例に従えば、担体は、金属シリンダーヘッドガスケット、好ましくはMLSタイプの多層金属シリンダーヘッドガスケットである。
【0035】
この好ましい具体例に関しては、本法に従って、多層金属シリンダーヘッドガスケットを構成する層のうちの少なくとも1つの層の面のうちの少なくとも片方の上に被覆を形成するための準備をすることが有益であり、そしてこの被覆は多層ガスケットの両外面に適用されるのが好ましい。
【0036】
実施に当たって、ガスケットの各層はその両面が、随意成分としてD及び/又はE及び/又はF及び/又はG及び/又はHを含みそして光化学及び/又は熱活性化によって、及び/又は電子ビーム下に架橋されるABC組成物からシリコーン被膜で被覆されるのが好ましい。
【0037】
本発明に従った方法で使用されるシリコーン処理組成物の各種成分の性状に関して詳細に説明すると、POS Aに関して言えば、珪素原子によって結合されたCFG基中に含まれる官能性単位は、次の官能性単位の群、
・(メタ)アクリル酸、(メタ)アルキレート及びアルケニルエーテルの如きエチレン式不飽和及び活性化官能基
・エポキシド
・オキセタン
・それらの混合物
から選択されることが特に記載される。
【0038】
希釈剤Cに関して言えば、CFG基は炭素又は珪素原子に結合され、そしてそれらは先のパラグラフに記載した単位の群から選択される官能性単位を含む。希釈剤CのCFGは、POS AのCFGと同種又は異種であってよいことを理解されたい。希釈剤Cそして随意のCFG基に関して言えば、それらはここでは再び希釈剤Cの炭素又は珪素原子に結合され、そしてそれらは次の単位の群、
・ヒドロキシル
・アルコキシ
・カルボキシル
・それらの混合物
から選択される官能性単位を含む。
【0039】
より好ましくは、POS Aは、
→線状又は実質上線状であり、そして式(I)の単位よりなり、式(II):
【化19】
[式中、
・R3記号は同種又は異種であり、そして
−ヒドロキシル基、又は
−1個又はそれ以上のハロゲン及び/又はヒドロキシル基によって随意に置換される線状若しくは分岐状C1〜C18アルキル基(好ましい随意に置換されるアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオルプロピルである)、又は
−C2〜C8アルケニル基、又は
−随意に置換されるC5〜C8シクロアルキル基、又は
−特にハロゲン及び/又はアルコキシルによって随意に置換されるアリール若しくはアラルキル基(フェニル、キシリル、トリル及びジクロルフェニル基が特に選択される)、
のいずれかを表わし、そして
−より好ましくは、R3基の少なくとも60モル%がメチルであり、
・Z記号は同種又は異種であり、そして
−R3基、又は
−有益には2〜20個の炭素原子を含みそして随意に複素原子を含む二価基を介して珪素原子に結合されたエポキシド又はビニルエーテル残基に相当するCFG基、
のいずれかを表わし、そして
Z記号のうちの少なくとも1個はCFG基に相当する]の単位によって停止されるか、又は
→環状であり、そして式(II)の単位よりなる、
のどちらかであるエポキシシリコーン及び/又はビニルエーテルシリコーンである。
【0040】
エポキシタイプのCFG有機官能基の例としては、次の式:
【化20】
のものを挙げることができる。
【0041】
ビニルエーテルタイプのCFG有機官能基に関して言えば、例えば、次の式中に存在するものが挙げられる。
−(CH2)3−O−CH=CH2、−(CH2)3−O−R4−O−CH=CH2、−(CH2)3−O−CH=CH−R5
[式中、
R4=
・随意に置換される線状又は分岐状C1〜C12アルキレン、又は
・好ましくは1〜3個のC1〜C6アルキル基によって随意に置換されるアリーレン、好ましくはフェニレン
R5=線状又は分岐状C1〜C12アルキル]
【0042】
好ましいエポキシ官能性又はビニルオキシ官能性ポリオルガノシロキサンは、特に、次の特許、DE−A−4009889、EP−A−0396130、EP−A−0355381、EP−A−0105341、FR−A−2110115及びFR−A−2526800に開示されている。
【0043】
エポキシ官能性ポリオルガノシロキサンは、Si−H単位を有する油と、例えば、4−ビニルシクロヘキセンオキシド又はアルキルグリシジルエーテルの如きエポキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造することができる。
【0044】
ビニルオキシ官能性ポリオルガノシロキサンは、Si−H単位を有する油と例えばアリルビニルエーテル又はアリルビニルオキシエトキシベンゼンの如きビニルオキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造することができる。
【0045】
更により好ましくは、POS Aは、式(A.1)、(A.2)及び(A.3):
【化21】
[式中、X=CH3、フェニル、C5〜C8シクロアルキル、C1〜C18アルキル、C2〜C8アルケニル、−OH、H、−CH2−CH2−CH2−OH、−CH2−CH2−CF3又は−(CH2)n−CF3、n=1〜20]、
【化22】
[式中、
−a1、a2、b1及びb2は、これらの式(A.1)及び(A.2)においては、次の如く、
1≦a1、a2、 1≦b1、b2
好ましくは、 1≦a1、a2≦5000、 1≦b1、b2≦500
より好ましくは、1≦a1、a2≦1000、 1≦b1、b2≦100
と規定され、
−a2及びb2は、式(A.2)においてエポキシ化ジシロキサン(A.3)を形成するために0である]のエポキシシリコーンである。
【0046】
本発明の他の有益な特徴に従えば、POS (A)は、
・100〜10000、
・好ましくは200〜5000、
・より好ましくは300〜3000、
の粘度η(25℃でmPa・s単位で表わして)を有する。
【0047】
これらの粘度値は、本発明に従った用途に従って使用することができる線状POS及び環状POSの両方に関する。本発明において考慮されるシリコーン重合体のすべての動粘度(25℃)は、1972年2月のAFNOR標準NFT76102に従ってブルックフィールド粘度計を使用して測定されることができる。本発明に関係する粘度は、“ニュートン”粘度として知られる25℃での動粘度、即ち、測定された粘度が速度勾配に無関係であるのに十分なだけ低い剪断速度勾配においてそれ自体知られた方法で測定される動粘度である。
【0048】
本発明に従えば、先に規定した如き式(I)及び(II)の単位(線状及び/又は環状)を有する異なるPOS Aの混合物の使用を考えることが完全に可能である。
【0049】
本発明の好ましい特徴に従えば、開始剤Bは、例えば、ヨーロッパ特許出願EP−A−0562922又は国際出願PCT/WO−A−98/29498に開示される硼酸オニウム塩である(必要ならば、これらの出願の内容を参照されたい)。より具体的に言えば、実施に際して、次の式:
【化23】
の開始剤を使用することができる。
【0050】
実施に際して、本発明に従って使用される開始剤は、固体(粉末)形態で提供される硼酸オニウム又は有機金属錯体硼酸塩そして好ましくは硼酸オニウムを溶剤中に溶解させることによって極めて簡単な方法で製造される。
【0051】
硼酸オニウムに関する別の具体例に従えば、硼酸オニウムは、溶剤中において陽イオン(ヨードニウム)の塩(例えば、塩化物)からそして硼酸塩陰イオンの塩(例えば、カリウム)から直接製造することができる。
【0052】
しかしながら、本発明の範囲から逸脱せずに、開始剤(PI)は、好ましくはプロトン供与性溶剤から、そしてより好ましくは次の群、即ち、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、乳酸ブチル、エステル及びそれらの混合物から選択される有機溶剤中で溶液状態で使用されることができる。フランス特許2724660で記載されているように、芳香族性を有するプロトン供与性有機溶剤(ベンジルアルコール)は架橋促進剤として挙動する。それ故に、それらを使用して光重合開始剤を溶解させるのが有益である。
【0053】
用語「有効的陽イオン量のPI」は、本発明の範囲内では、架橋を開始させるのに十分な量を意味すると理解されたい。
【0054】
先に記載したように、開始剤を極性溶剤中に溶解させる限り、該溶剤は、得られる溶液中の開始剤の含量が1〜50重量%、好ましくは10〜30重量%そしてより好ましくは15〜25重量%になるような量で使用される。
【0055】
所定のモル含量のCFGを有するPOSを含む組成物中にPIを溶液状態で含めることは、POS Aに対してPIを0.01〜10重量%好ましくは0.1〜5重量%そしてより好ましくは0.2〜2重量%程度の割合で使用して実施される。
【0056】
反応性希釈剤Cに関して言えば、それは、
→CFG+随意基としてのSFG反応性基を有し、次の式:
【化24】
を有する非有機珪素有機化合物(C1)から、及び/又は
→CFG+随意基としてのSFG反応性基を有し、次の式:
【化25】
[ここで、R7=C1〜C10アルキル、好ましくはメチル、エチル又はプロピル]
【化26】
[ここで、R8は独立してC1〜C10アルキル、好ましくはメチルを表わす]
を有する有機珪素有機化合物(C2)から、
選択されるのが好ましい。
【0057】
この反応性希釈剤Cは、互いに及び/又はPOS AのCFG基とそれらのCFG+随意のSFG官能基によって反応することができる小さい架橋性分子より構成される。かくして、これらの反応性希釈剤化合物Cは、POS AのCFG基の反応後に形成される架橋性網状構造で少なくとも一部分侵入されうる架橋性網状構造を形成する。これらの反応性希釈剤Cの目的は、本発明に従った方法で使用される未架橋液体組成物を流体にすることである。これらは、フィルムを形成するための好ましくはUV線下での架橋前に、シリンダーヘッドガスケット特にMLSシリンダーヘッドガスケットに適用しようとする液体組成物の取り扱いを容易にする粘度低下剤である。
【0058】
本発明に従った方法の好ましい具体例に従えば、希釈剤Cは、それが標準大気圧でbp≧100℃、好ましくは100℃≦bp≦300℃の沸点及び25℃でη≦100mPa・s、好ましくは1≦η≦100mPa・sの粘度を示すように選択される。
【0059】
顔料Dに関して言えば、本発明に従った方法によれば、黒色顔料そしてより好ましくはカーボンブラックが使用される。好ましいカーボンブラックは、小さい粒度、有益には100ナノメーター未満の平均粒度を示し、及び/又は中性又は酸性(pHは有益には1〜7である)を有するものである。
【0060】
一例として、次の市販カーボンブラック、即ち、キャボット社によって製造販売される「Mogul L」、「Regal 400R」又は「Regal 660R」、並びにデガッサ社によって製造販売される「Special 250」又は「Printex 75」を挙げることができる。
【0061】
カーボンブラックは、POS Aに対して0.1〜5重量%そして好ましくは0.5〜2重量%のレベルで使用されるのが好ましい。
【0062】
本発明は顔料としてカーボンブラックを使用することに限定されず、例えば、二酸化チタン、フタロシアニン、ベンゾイミダゾロン、ナフトール、ジアゾピラゾロン、ジアリーリド又はモノアリーリド黄色顔料の如き異なる色彩を有する顔料を使用することが考えられる。
【0063】
随意成分としての充填剤Eは、例えば、ヘキサメチルジシラザンで又はオクタメチルシクロテトラシロキサンで処理されたフュームドシリカの如き珪酸質充填剤である。かくして処理されたこれらのフュームドシリカの比表面積は、通常、100〜400m2/gの範囲内で変動する。本発明に従った方法で使用することができる珪酸質充填剤Eの他の例は沈降シリカである。珪酸質充填剤とは別に、粉砕天然又は合成(重合体)繊維、炭化珪素、オキシ炭化珪素又はニトロ炭化珪素粉末又は無機繊維、炭酸カルシウム、タルク、粘土又は二酸化チタンより構成される充填剤を使用することも可能である。随意成分としての充填剤は、フュームドシリカ及び/又は沈降シリカを基にした珪酸質充填剤であるのが好ましい。
【0064】
随意成分としての光増感剤Fに関して言えば、それらは、(ポリ)芳香族化合物(これらは、随意に金属化合物及び複素環式化合物である)から、そして好ましくは次の化合物の群、フェノチアジン、テトラセン、ペリレン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントセン、チオキサントン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、キサントン、フルオレノン、アントラキノン、9,10−ジメチルアントラセン、2−エチル−9,10−ジメチルオキシアントラセン、2,6−ジメチルナフタリン、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、キサントピナコール、1,2−ゼンズアントラセン、9−ニトロアントラセン及びそれらの混合物から選択することができる。
【0065】
より具体的に言えば、光増感剤は、式:
【化27】
のチオキサントンベース化合物であってよい。
【0066】
本発明に従えば、使用される処方物をアミン抑制剤Tで安定化することが好ましい。使用することができるアミン剤は、線状第二若しくは第三アミン、又は、例えば、その構造内に窒素原子上のアルキル基によって置換された少なくとも1個のピペリジニル残基を含むHALSタイプの立体障害環状アミンであってよい。アミン剤の例としては、国際特許出願PCT/WO−A−98/07798に開示されるものを挙げらことができる。更に、必要ならば、この出願の内容を参照されたい。HALSタイプの立体障害環状アミンガ特に好適である。
【0067】
また、本発明に従った方法で使用される未架橋液体シリコーン組成物は、アルコキシル化及び/又はエポキシ化シラン並びにそれらの混合物から選択されるのが好ましい接着促進剤Hを含む。
【0068】
促進剤Hの例としては、
・式:
【化28】
の5,6−エポキシ−3−エチルシクロヘキシルトリエトキシシラン、又は
・式:
【化29】
の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)、又は
・式:
【化30】
のビニルトリメトキシシラン(VTMO)、
を挙げることができる。
【0069】
本発明に従った方法の有益な別法に従えば、工程1に先立って、被覆しようとする支持体は、接着プライマー、好ましくは
−少なくとも1個のエチレン性不飽和及び/又は少なくとも1個のエポキシド官能基を有するアルコキシル化シラン、好ましくはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)及び/又はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び/又はビニルトリメトキシシラン(VTMO)、
−(メタ)アクリレート、好ましくはポリ(メタクリル酸メチル)、
−金属キレート及び/又はアルコキシド、好ましくはチタン酸アルキルそしてより好ましくはチタン酸ブチル又は又はチタン酸プロピル、
−架橋性シリコーン組成物、及びシリコーンエラストマーの前駆物質である組成物、好ましくは重付加RTVシリコーンエラストマータイプのもの、
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むもののタイプの接着プライマーを使用して被覆される。
【0070】
重付加RTVシリコーンエラストマータイプの組成物よりなる接着プライマーに関して、以下に規定する如き群(i)、(ii)及び(iii)に属する組成物を使用することができる。
【0071】
(i)SiViタイプの少なくとも1種のPOS I、SiHタイプの少なくとも1種のPOS II、白金ヒドロシリル化触媒III、1分子当たり少なくとも1個のビニル基を含む少なくとも1種のアルコキシル化オルガノシランIV.1(ビニルトリメトキシシラン)、少なくとも1個のエポキシ基を含む少なくとも1種の有機珪素化合物IV.2(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO))及び少なくとも1種の金属MキレートIV.3及び/又は1種の金属アルコキシドを含む接着促進剤IV、随意成分としての無機充填剤、随意成分としての少なくとも1種の架橋開始剤、随意成分としての少なくとも1種のポリオルガノシロキサン樹脂、及び随意成分としての中空有機又は無機ミクロ球体を含むRTVタイプの被覆用シリコーンエラストマー組成物。これらのシリコーン組成物は、特許出願FR−A−2719598、WO−A−98/05723及びWO−A−99/02592に開示されている。
【0072】
(ii)SiViタイプのPOS I及びSiHタイプのPOS II、並びに、粒状充填剤であって、
・第一に、使用したシリコーン油の一部分が粒状充填剤の一部分と接触させる操作の前に及び/又はそれと実質上同時に調製媒体中に導入された相容化剤を使用する処理によって得られた粒状充填剤。この相容化剤の導入は、総粒状充填剤の多くて8重量%(乾燥)に相当する相容化剤の部分で1回以上実施される。
・第二に、POS及び充填剤を一緒にするこの操作後に、調製媒体中に導入された相容化剤を使用する処理によって得られた粒状充填剤。この相容化剤はヘキサメチルジシラザンHMDZである。SiVi油は、α,ω−ジヒドロポリジメチルシロキサン及びポリヒドロPDMS油である。
、からなる粒状充填剤を含む組成物から得られた重付加RTVシリコーンエラストマー。このエラストマー組成物(ii)は、重付加によって架橋可能であり、そしてHMDZで特定的に相容化された粒状充填剤を含む。また、このエラストマー組成物(ii)は、国際特許出願WO−A−98/58997に詳細に記載されている。
【0073】
(iii)重付加によって架橋されそして次の成分(1)〜(9)を含む組成物から得られたRTVシリコーンエラストマー被覆。
(1)1分子当たり、珪素原子に結合した少なくとも2個のC2〜C6アルケニル基を示す少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(例えば、α,ω−ビニル化ポリジメチルシロキサン(PDMS))
(2)1分子当たり、珪素原子に結合した少なくとも2個の水素原子を示す少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(例えば、α,ω−ジヒドロPDMS及びポリヒドロPDMS)
(3)白金族に属する少なくとも1種の金属より構成される触媒的有効量の少なくとも1種の触媒
(4)次の成分(4.1)〜(4.3)を含む三成分系接着促進剤
(4.1)1分子当たり少なくとも1個のC3〜C6アルケニル基を含む少なくとも1種のアルコキシ化オルガノシラン(例えば、γ−メタクリルオキシプロピル化トリメトキシシラン)
(4.2)少なくとも1個のエポキシ基を含む少なくとも1種の有機珪素化合物(例えば、γ−グリシドキプロピルトリメトキシシラン)
(4.3)少なくとも1種の金属Mキレート及び/又は一般式:M(OJ)nの少なくとも1種の金属アルコキシド(式中、n=Mの原子価、J=線上又は分岐状C1〜C8アルキル、そしてMはTi、Zr、Ge、Li、Mn、Fe、Al及びMgによって形成される群から選択される)(例えば、チタン酸ブチル)
(5)ポリオルガノシロキサン(I)の存在下に相容化剤(例えば、HMDZ)で現場処理された補強用珪酸質充填剤
(6)連鎖伸長剤として記載され、そしてヒドロ官能基を有する末端シロキシ単位を示すポリオルガノシロキサン
(7)随意成分としての中和剤
(8)このタイプの組成物中に使用される随意成分としての架橋抑制剤及び/又は他の添加剤(例えば、エチニルシクロヘキサノール)
(9)随意成分としての発泡又は発泡性中空無機ミクロ球体充填剤
【0074】
上記(iii)の組成物は、1998年12月23日出願のフランス特許出願98/16510に記載されている。
【0075】
シートガスケット特にシリンダーヘッドガスケットよりなる支持体へのプライマー層の適用は、本発明に従って選択されるシリコーン被覆の接着力を向上させるのを可能にする。
【0076】
GLYMO又はVTMOの如きアルコキシル化を含むプライマー組成物に関して言えば、分子規模の厚さに近い厚さ、即ち、1μm以下の厚さを有する層を適用することが望まれるときには、それらを適用に対して有機溶剤好ましくはアルコール、エーテル又はケトン(後者が特に好ましい)中の溶液の形態で使用することが可能である。プライマー溶剤として好適なケトンの例としては、メチルエチルケトン(MEK)を挙げることができる。溶液形態にあるプライマー組成物中のアルコキシル化シランの濃度は、0.1〜10、好ましくは0.1〜5そしてより好ましくは0.5〜2%である。
【0077】
陽イオン経路によって架橋可能なシリコーン組成物のこのタイプの適用に知られた他の添加剤を用いることが可能である。これに関連して、限定を暗示するものではないが、
・接着変性剤(例えば、ビニル、エポキシ、ビニルエーテル又はアルコール官能基を有する線状シリコーン樹脂又は重合体)、例えば、ヨーロッパ特許出願0738769に開示されるもの、
・周囲温度において液体であるヒドロキシル化カルボン酸エステルから選択されるのが好ましい1種又はそれ以上の重合及び/又は架橋促進剤、
を挙げることができる。
【0078】
実施に当たって、シートガスケット支持体、特にシリンダーヘッドガスケット支持体への未架橋シリコーン組成物の適用は、例えば、ドクターブレード又は塗布ロール技術の如き任意の適当な公知手段によって実施される。
【0079】
付着の程度は、有益には被覆しようとする表面積の2.5〜250g/m2そして好ましくは5〜100g/m2である。
【0080】
好ましい形態に従えば、支持体に適用される組成物の架橋は、UV線単独又はそれと赤外(IR)線との併用によって提供されるエネルギーを供給することによって実施される。
【0081】
このUV線は、例えば、200〜400ナノメーターそして好ましくは254〜360ナノメーターの波長を示す。IR線は、例えば、1〜10μmそして好ましくは1〜4μmの波長を示す。照射期間は短時間であってよく、そしてそれは一般には1秒以内である。極めて薄い被覆では、それは、1秒の数百分の1程度である場合もある。
【0082】
本発明によれば、達成される架橋は、いかなる加熱の不在においてさえも優秀であることが認められた。
【0083】
加えて、硬化時間は、特に、使用するUV+随意としてのIRランプの数によって、UV+随意としてのIR線への暴露時間によって、及び、組成物とUV+随意としてのIRランプとの間の距離によって調節されることができることが明らかである。
【0084】
MLS多層ガスケットタイプの金属シリンダーヘッドガスケット支持体に関して言えば、付着の程度は10〜50g/m2である。
【0085】
本発明に従った方法は、それが有機溶剤を少しも又は全く必要としないという点で有益である。この結果は、汚染の有意の減少である。加えて、架橋は急速であり、これによって、高い生産速度を得ることが可能になる。更に、架橋の活性化法は支持体の大部分に対して段階的でなく、そして高いエネルギー消費量を必要としない。最後に、そして特に、方法及び装置の単純さは、シリンダーヘッドガスケットの製造業者に必要な工業資本的支出のコストを有意に制限する。
【0086】
また、本発明に従った方法は適当な液体前駆物質シリコーン組成物の選択を可能にし、また、剥離性であり、シリンダーヘッドガスケットによって形成される好ましくは金属製の支持体用のものであり、漏れ止め性であり、硬度及び優秀な耐引掻性の機械的特性を有し、溶剤やエンジン液に耐え、しかも、高温安定性であるエンジンブロック/シリンダーヘッド界面用の被覆を得るのを可能にする。
【0087】
次の実施例は、本発明に従った方法をよりよく理解するのを可能にし、そして該方法の利益及び別の具体例をすべて例証するものである。
【0088】
(実施例)
使用する化合物
次の重合体及び化合物から光架橋性ワニス処方物を調製する。
【0089】
(A)ポリオルガノシロキサン:
式:
【化31】
の重合体が使用される。
A1:x=CH3、a=70、b=7
A2:x=CH3、a=444、b=35
【0090】
(B)開始剤:
式:
【化32】
の化合物が使用される。この開始剤Bは、イソプロピルアルコール中の18重量%溶液の形態にある。
【0091】
(C)反応性希釈剤:
式:
【化33】
の化合物が使用される。
【0092】
(D)顔料:
デガッサ社によって商品名「Special 250」の下に製造販売されるカーボンブラックタイプの黒色顔料が使用される。
【0093】
(E)無機充填剤:
オクタメチルシクロテトラシロキサンで処理されたフュームドシリカ(300m2/gの比表面積を有するシリカ)が使用される。
【0094】
(F)光増感剤:
式:
【化34】
のイソプロピルチオキサントンが使用される。
【0095】
(G)安定剤:
式:
【化35】
のアミン化合物が使用される。
【0096】
以下の実施例において、多層シリンダーヘッドガスケットの製造に直接使用することができる処方物の製造法を説明する。
【0097】
製造
1.カーボンブラックDをエポキシ化シリコーン油A1中に、均質な分散液が得られるまで(30分)撹拌しながら配合する。
2.この分散液をその後にミルに通す。
3.シリカEをエポキシ化シリコーン油A2中に撹拌しながら徐々に配合する。
4.1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル=反応性希釈剤Cを撹拌しながら入れる。
5.最後に、工程1及び2で調製した顔料ベースを撹拌下に入れ、次いで開始剤B及び光増感剤Fを入れ、そしてこの混合物を更に15分間激しく撹拌する。
6.この液体組成物を容器に貯蔵して光を排除する。
安定剤Gは、前もってエポキシ化シリコーン油A1中に配合される。
【0098】
例1
鋼又はステンレス鋼製タイプのMLS板を被覆する。
次の組成物、
・A1−30重量部
・A2−36重量部
・B−3重量部
・C−20重量部
・D−1重量部
・E−10重量部
・F−0.0198重量部
・G−0.004重量部
の15g/m2の量を、メイヤーバー技術を使用して1回で塗布した。
【0099】
金属支持体(鋼又はステンレス鋼)に、メチルエチルケトン中に溶解させたグリシジルプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)の1重量%溶液で予めプライマーを与え、そしてそれを200℃で30分間加熱する。被覆した面に、ガリウムドープ水銀UVランプを使用して10m/分の速度において120W/cmの動力で照射を施す。黒色の被覆が支持体に付着し、これは、耐熱性であり、エンジン油及び冷却液に対して抵抗性を有し(製造業者の要件)、そして溶剤や引掻試験に対して良好な抵抗性を示す。
【0100】
例2
鋼又はステンレス鋼製タイプのMLS板を被覆する。
例1におけると同じ処方物の30g/m2を例1におけると同じ態様で適用する。
測定された総合特性を次の表に集める。
【0101】
【表1】
【0102】
(1)MER抵抗性:エリクセン社から入手できる商品番号No.2の手動塗布棒上に形成した12μmのフィルムを乾燥して得た被覆の耐溶剤性を測定する。溶剤を含浸したぼろを使用して実施される前後運動の数であって、24時間乾燥後の被覆層を崩壊させるのに必要な数が記録される。
(2)ショアA硬度は、DIN標準53505の指示に従って測定される。
(3)剥離性試験は、ASTM標準F607−84の指示に従って実施される。この試験では、2つの被覆表面の圧縮(120℃で72h)後の分離時における引張強度(MPa単位)が測定される(特に)。
(4)引掻試験は、増大する大きさの重りを負荷したダイヤモンドチップによって引掻こうとする被覆の能力を測定することよりなる。この試験は、AFNOR標準NFT51−113(1976年8月)の指示に従って実施される。
(5)クロスハッチ試験は、被覆に櫛で十字模様を作ることによって引掻き傷を作り、次いで支持体に接着テープを粘着して剥がした後の表面状態を観察することよりなる。もしもフレーキングが全く起こらなかったならば、表面状態は指数“0”が与えられる。もしもフレーキングが十字模様の表面積の65%以上を占める場合には、表面状態は指数“5”が与えられる。この試験は、試料を熱油及び冷却液中で温度状態調節した後に実施される。この試験は、AFNOR標準NFT30−038の指示に従って実施される。使用される接着テープは、PSAシリコーンタイプの接着テープである。
Claims (9)
- エンジンのエンジンブロック/シリンダーヘッド界面において使用されそして特にシートガスケット特にシリンダーヘッドガスケットに適用される剥離性漏れ止め被覆の形成及び/又は含浸のための方法において、
本質上、
1.次の−A−〜−H−の成分を含むシリコーン組成物を使用すること、
−A−.陽イオン及び/又はラジカル経路によって、及び架橋性官能基(CFG)によって架橋可能な少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(POS)100重量部、ここで、これらのCFGは互いに同種又は異種であり、そして1個又はそれ以上の電子供与性原子を有する複素環式性の少なくとも1個の官能性単位を含むものから、及び/又はエチレン性不飽和でありそしてπ系の塩基度を向上させる少なくとも1個の電子供与性原子によって置換されるものから選択されるものとし、
−B−.周期律分類表[1985年2月4日のChem.& Eng.News,Vol.63,No.5,26]の15〜17族からの元素のオニウムの硼酸塩又は周期律分類表(同じ文献)の4〜10族からの元素の有機金属錯体によって形成される少なくとも1種の開始剤塩(PI)0.01〜10重量部、ここで、
□該硼酸塩の陽イオン部分は、次の(1)〜(4)から選択され、
(1)−式(I):
[(R1)n−A−(R2)m]+ (I)
[式中、
・Aは、15〜17族からの元素を表わし、
・R1はC6〜C20炭素環式又は複素環式アリール基を表わすが、該複素環式基は複素原子として窒素又は硫黄を含むことが可能であり、
・R2はR1、又は線状若しくは分岐状C1〜C30アルキル若しくはアルケニル基を表わすが、該R1及びR2基は、C1〜C25アルコキシ、C1〜C25アルキル、ニトロ、クロル、ブロム、シアノ、カルボキシ、エステル又はメルカプト基によって随意に置換され、
・nは1〜v+1の範囲の整数であるが、vは元素Aの原子価であり、
・mは1〜v−1の範囲の整数であるが、n+m=v+1である]のオニウム塩、
(2)−式(II):
(3)−陽イオン部分が次の→3.1〜3.2の種を含むスルホニウム塩、
→3.1.式(III.1):
・Ar1記号は互いに同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12残基である)及び式−Y4−Ar2(ここで、Y4及びAr2記号は直ぐ下に与えられる意味を有する)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される一価フェニル又はナフチル基を表わし、
・Ar2記号は互いに又はAr1と同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基又は−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12残基である)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される一価フェニル又はナフチル基を表わし、
・Ar3記号は互いに同種又は異種であってよく、そしてそれぞれ、線状又は分岐状C1〜C12アルキル基、線状又は分岐状C1〜C12アルコキシ基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基又は−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は線状又は分岐状C1〜C12残基である)から選択される1個又はそれ以上の基で随意に置換される二価フェニレン又はナフチレン基を表わし、
・tは0又は1の整数であり、但し、
+t=0のときには、Y記号は、式:
+t=1のときには、
*一方において、Y記号は、次の意味Y2〜Y4を有する二価基であり、
・Y2:式:
・Y3:単一原子価結合、
・Y4:
*他方において、Y記号がY3又はY4を表わす場合においてのみ、Ar1及びAr2(末端)基は、先に記載した意味の他に、単一原子価結合Y’1、又はY4の規定に関して記載した残基から選択される二価残基であって、炭素原子間に挿入され、互いに面し、そしてS+陽イオンに直接結合された炭素原子に対してオルト位置で各芳香族環上に位置された二価残基Y’2よりなる残基Y’を介して互いに結合される可能性を有し、及び/又は、
→3.2.陽イオン1モル当たり1個のS+陽イオン中心を有し、そして大半の場合には、式(III.2):
の種よりなる少なくとも1種のモノスルホニウム種、
(4)式(IV):
(L1L2L3M)q+ (IV)
[式中、
・Mは4〜10族からの金属を表わし、
・L1はπ電子によって金属Mに結合した配位子を表わし、そしてこの配位子は、η3−アルキル、η5−シクロペンタジエニル及びη7−シクロヘプトラトリエニル配位子、並びに、随意に置換されるη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環(各環は、3〜8個のπ電子によって金属Mの原子価層に寄与することができる)を有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択され、
・L2はπ電子によって金属Mに結合した配位子を表わし、そしてこの配位子は、η7−シクロヘプタトリエニル配位子、並びに、随意に置換されるη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環(各環は、6又は7個のπ電子によって金属Mの原子価層に寄与することができる)を有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択され、
・L3はσ電子によって金属Mに結合した0〜3個の同種又は異種の配位子を表わし、そしてこの配位子はCO及びNO2から選択され、そしてL1、L2及びL3並びに金属Mのイオン電荷が寄与する錯体の全電子荷電qは正であって、1又は2である]の有機金属塩、
□該硼酸塩の陰イオン性部分は、式:
[BXaRb]-
[式中、
−a及びbは、aでは0〜3の範囲の整数であり、bでは0〜3の整数であり、そしてa+b=4であり、
−X記号は
*ハロゲン原子、a=0〜3、
*OH官能基、a=0〜2、
を表わし、
−R記号は同種又は異種であり、そして
・少なくとも1個の電子吸引基によって、及び/又は少なくとも2個のハロゲン原子によって置換されるフェニル基、但し、これは、陽イオン部分が15〜17族からの元素のオニウム塩であるときであるとし、
・少なくとも1個の電子吸引元素又は基によって置換されるフェニル基、但し、これは、陽イオン部分が4〜10族からの元素の有機金属錯体であるときであるとし、
・少なくとも2個の芳香族環を含むアリール基であって、陽イオン部分が何であろうとも少なくとも1個の電子吸引元素又は基によって随意に置換されるアリール基、を表わす]を有し、
−C−.構造内に、先に記載した如き少なくとも1個のCFGを含みそして随意としてCFG以外の少なくとも1個の第二官能基(SFG)であるが、しかしCFGと化学的に反応することができる第二官能基(SFG)を含む非有機珪素、有機珪素又は有機化合物よりなる少なくとも1種の反応性希釈剤1〜50重量部、
−D−.少なくとも1種の顔料0〜10重量%、
−E−.無機性の充填剤0〜100重量部、
−F−.少なくとも1種の光増感剤0〜10重量部、
−G−.少なくとも1種の安定用アミン剤よりなる安定剤0〜10-2重量部、
−H−.接着促進剤0〜5重量%、
2.この組成物を支持体(シリンダーヘッドシートガスケット又はシリンダーヘッド/エンジンブロック界面)に適用すること、及び
3.適用した組成物を光化学及び/又は熱活性化によって、及び/又は電子ビーム下に架橋させること、
よりなることを特徴とする被覆形成及び/又は含浸法。 - 支持体が金属シリンダーヘッドガスケットであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 支持体が金属多層シリンダーヘッドガスケットであること、及び金属多層シリンダーヘッドガスケットを構成する層のうちの少なくとも1つの層の面のうちの少なくとも片方の上に被覆を形成すること特徴とする請求項2記載の方法。
- CFG基に含まれる官能性単位が、次の単位の群、
・エチレン式不飽和の活性化官能基、
・エポキシド、
・オキセタン、及び
・それらの混合物、
から選択されること、及び随意のSFG基に含まれる官能性単位が、次の単位の群、
・ヒドロキシル、
・アルコキシ、
・カルボキシル、及び
・それらの混合物
から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。 - POS Aが、
→線状又は実質上線状であり、そして式(I)の単位よりなり、式(II):
・R3記号は同種又は異種であり、そして
−ヒドロキシル基、又は
−1個又はそれ以上のハロゲン及び/又はヒドロキシル基によって随意に置換される線状若しくは分岐状C1〜C18アルキル基、又は
−C2〜C8アルケニル基、又は
−随意に置換されるC5〜C8シクロアルキル基、又は
−ハロゲン及び/又はアルコキシルによって随意に置換されるアリール若しくはアラルキル基、
のいずれかを表わし、
・Z記号は同種又は異種であり、そして
−R3基、又は
−2〜20個の炭素原子を含みそして随意に複素原子を含む二価基を介して珪素原子に結合されたエポキシド又はビニルエーテル残基に相当するCFG基、
のいずれかを表わし、そして
Z記号のうちの少なくとも1個はCFG基に相当する]の単位によって停止されるか、又は
→環状であり、そして式(II)の単位よりなる、
のどちらかであるエポキシシリコーン及び/又はビニルエーテルシリコーンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。 - 希釈剤Cが、標準大気圧において≧100℃の沸点B.p.及び25℃においてη≦100mPa.sの粘度を示すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
- 工程1に先だって、被覆しょうとする支持体が、
−少なくとも1個のエチレン性不飽和及び/又は少なくとも1個のエポキシド官能基を有するアルコキシル化シラン、
−(メタ)アクリレート、
−金属キレート及び/又はアルコキシド、
−架橋性シリコーン組成物、及びシリコーンエラストマーの前駆物質である組成物、
よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むもののタイプの接着プライマーを使用して被覆されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
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