JP4039733B2 - 搬送波周波数同期回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、搬送波周波数同期回路に関し、詳細には、直交周波数分割多重されて送信されたマルチキャリア信号を受信して復調する復調器に適用される搬送波周波数同期回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル無線通信でビット幅の短い高速データを伝送しようとすると、建物などに反射して受信機に到来する遅延波が数〜数十シンボル遅れて受信される。このため、シンボル間で干渉が生じて周波数選択性フェージングが発生する。周波数選択性フェージングは受信波形を著しく歪ませて伝送特性を大きく劣化させる。このフェージング対策の一つの方式にマルチキャリア伝送と呼ばれる方式がある。
【0003】
マルチキャリア伝送では、送信側において高速データを直並列変換してビット幅の長い複数の低速データに変換した後に複数の搬送波(サブキャリア)を変調して送信する伝送形態がとられる。受信側では、各サブキャリアの受信信号を復調した後に並直列変換して復調データを得る処理が行われる。これにより、シンボル間干渉の発生が阻止される。ここで、「直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)」と呼ばれる方式は、このマルチキャリア伝送を実現する一つの方式である。
【0004】
OFDM伝送方式に関しては、文献1“OFDMディジタル伝送方式”、中原俊二、ITUジャーナル、Vol.27、No.1に詳しく記されている。図9には、上記文献1に示されているOFDM変調器とOFDM復調器間の関係を表す一般的な構成が示されている。図9において、8はOFDM変調器であり、9はOFDM復調器である。OFDM変調器8は、直並列変換器81、IFFT(逆高速フーリエ変換)プロセッサ82、D/A変換器83a,83b、LPF(ローパスフィルタ)84a,84b、ミクサ85a,85b、π/2移相器86、搬送波発振器87、および、加算器88を備えている。また、OFDM復調器9は、BPF(バンドパスフィルタ)91、ミクサ92a,92b、π/2移相器93、搬送波発振器94、LPF95a,95b、A/D変換器96a,96b、17はFFT(高速フーリエ変換)プロセッサ97、および、並直列変換器98を備えている。
【0005】
つづいて、OFDM伝送方式の概要を説明する。図10には、送信シンボルのフォーマットが示されている。まず、図9に示されたOFDM変調器8の構成を用いて説明する。OFDM変調器8では、図10(a)に示したように、直列に並んだN(Nは自然数)個の送信シンボルC0 〜CN-1 は、直並列変換器81によって並列に並べ替えられる。
【0006】
このとき、直列に並んだ送信シンボルの幅をTとすると、直並列変換器81から出力される並列に並んだシンボルの幅Tsは、図10(b)に示すように、N×Tとなって、シンボル幅がN倍に広がる。ここで、送信シンボルCK (k=0 〜N-1)は一般的に、aK +jbK の形で表されて、その位相と振幅が送信するデータに応じて変化する。aK 、bK の値は採用する変調方式により異なり、たとえばQPSKの場合には送信データに応じて±1のいずれかの値をとり、その位相がπ/4、3π/4、−3π/4、−π/4の4とおりをとる。
【0007】
直並列変換器81から出力されるN個のシンボルC0 〜CN-1 は、IFFTプロセッサ82によって逆フーリエ変換の処理を施され、その結果、送信ベースバンド信号の同相成分Iと直交成分Qとが生成される。IFFTプロセッサ82から出力される同相成分信号I,直交成分信号Qは、それぞれD/A変換器83a,83bによりアナログ信号に変換された後に、LPF84a,84bで不要な高調波成分が除去される。LPF84a,84bからの出力信号は、それぞれミクサ85a,85bに入力され、それぞれIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号に変換される。
【0008】
LPF84aの出力信号は、ミクサ85aにおいて、ミクサ85aのもう一方の入力端子に入力されている搬送波発振器87の出力信号と乗積される。LPF84bの出力信号は、ミクサ85bにおいて、ミクサ85bのもう一方の入力端子に入力されているπ/2移相器86の出力信号と乗積される。π/2移相器86は、搬送波発振器87の出力信号を入力して、その出力信号の位相をπ/2だけシフトした信号を出力する。ミクサ85a,85bから出力された信号は加算器88で加算される。加算器88から出力される送信IF信号は、一般の送信機と同様に、後段の周波数変換回路(図示せず)によって所望のRF(Radio Frequency )信号に変換された後にアンテナ(図示せず)から送出される。
【0009】
上述のOFDM変調器8の構成において、D/A変換器83a,83b、LPF84a,84b、ミクサ85a,85b、π/2移相器86、搬送波発振器87および加算器88から構成される部分は、一般的な変調器の直交変調部と同一構成である。したがって、OFDM変調器8の特徴的な部分は、直並列変換器81およびIFFTプロセッサ82である。ここで、IFFTプロセッサ82が行う逆フーリエ変換処理は、周波数軸上の信号を時間軸上の信号に変換する処理である。
【0010】
したがって、IFFTプロセッサ82に入力されるN個の送信シンボルシンボルC0 〜CN-1 は、周波数軸上に並んだN個の信号と見なすことができる。すなわち、各N個の送信シンボルC0 〜CN-1 によって各N個の搬送波(サブキャリア)を変調するというマルチキャリア伝送における変調処理を、OFDM方式ではIFFTプロセッサ82によって実現している。
【0011】
図11はOFDM変調器8から出力される送信IF信号のスペクトルを表す図である。図11において、各N個の送信シンボルC0 〜CN-1 により変調された各N個のサブキャリアW0 〜WN-1 が周波数軸上に並ぶ様子が示されている。ここで、サブキャリアの間隔は1/Tsと小さくなるので、隣接するサブキャリア同士がオーバーラップする点がOFDM方式の特徴である。
【0012】
つぎに、OFDM方式における復調動作を図9に示した一般的なOFDM復調器9の構成を用いて説明する。アンテナ(図示せず)によって受信されたRF信号は、一般の受信機と同様に周波数変換回路(図示せず)によって受信IF信号に変換される。受信IF信号はまずBPF91に入力される。このBPF91は受信IF信号に含まれる不要な周波数成分を除去する。
【0013】
BPF91の出力信号は2分岐されて、それぞれミクサ92a,92bに入力される。BPF91から出力後に2分岐された一方の信号は、ミクサ92aにおいて、ミクサ92aのもう一方の入力端子に入力されている搬送波発振器94の出力信号と乗積される。ミクサ92aの出力信号はLPF15aに入力されて不要な高調波成分が除去されてベースバンド信号の同相成分となる。
【0014】
また、BPF91の出力後に2分岐されたもう一方の信号は、ミクサ92bにおいて、ミクサ92bのもう一方の入力端子に入力されているπ/2移相器93の出力信号と乗積される。π/2移相器93は搬送波発振器94の出力信号を入力して、その出力信号の位相をπ/2だけシフトした信号を出力する。ミクサ92bの出力信号はLPF95bに入力され、そこで不要な高調波成分が除去されてベースバンド信号の直交成分となる。LPF95a,95bの出力信号はそれぞれA/D変換器96a,96bに入力されてディジタル信号に変換された後、FFTプロセッサ97に入力される。
【0015】
FFTプロセッサ97は、入力された同相成分の信号Iおよび直交成分の信号Qに対してフーリエ変換処理を行い、N個の復調シンボルC0 〜CN-1 を出力する。FFTプロセッサ97から出力された信号すなわち並列に並んだN個の復調シンボルは、並直列変換器98によって直列に並んだN個の復調シンボルに変換されてOFDM復調器9から出力される。
【0016】
上述のOFDM復調器9の構成において、BPF91、ミクサ92a,92b、π/2移相器93、搬送波発振器94、LPF95a,95bおよびA/D変換器96a,96bから構成される部分は、一般的な復調器の準同期検波部としてよく採用される構成と同一である。したがって、OFDM復調器9の特徴的な部分は、FFTプロセッサ97および並直列変換器98である。これら2つの部分によって、OFDM変調器8における直並列変換器81およびIFFTプロセッサ82で行った処理の逆の処理を行い、送信シンボルを再生している。
【0017】
すなわち、IFFTされた信号に対してFFT処理を施せば、FFT処理後の信号はIFFTする前の元の信号が得られるので、FFTプロセッサ97から出力されるN個の復調シンボルC0 〜CN-1 は、送信シンボルC0 〜CN-1 と一致する。すなわち、N個の変調波を復調するというマルチキャリア伝送における復調処理を、OFDM方式ではFFTプロセッサ97によって実現している。
【0018】
前述のとおり、OFDM方式では、各サブキャリアの周波数間隔は1/Tsであるが、一般に、このサブキャリア間隔1/Tsは数kHz程度と小さい。すると、搬送波発振器87と94の発振周波数の差(周波数オフセット)が問題となる。搬送波周波数にオフセットが存在すると、OFDM復調器9においてサブキャリア間で干渉が発生する。
【0019】
すなわち、送信側でサブキャリアkで送信したシンボルCK が、搬送波周波数オフセットにより、受信側では、…k−1、k、k+1、…というように、本来のサブキャリアkの周辺のサブキャリアにも混入してしまうので、複数の送信シンボルがお互いに干渉して伝送特性が著しく劣化してしまう。したがって、OFDM復調器9では、搬送波発振器94の発振周波数を搬送波発振器87の発振周波数すなわち受信IF信号の搬送波周波数に一致させるための搬送波周波数同期回路が必要となる。
【0020】
そこで、従来の搬送波周波数同期回路を説明する。図12は、文献2“OFDMにおけるガード期間を利用した新しい周波数同期方式の検討”、関 隆史、多賀 昇、石川 達也、テレビジョン学会技術報告、Vol.19、No.38 、pp. 13-18 (1995)に示された、従来の搬送波周波数同期回路を備えたOFDM復調器の構成図である。図9に示した一般的なOFDM復調器9と同じ部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
図12に示したOFDM復調器には、前述の搬送波発振器94に替わって発振周波数を可変にする搬送波発振器99が設けられるとともに、その搬送波発振器99の発振周波数を制御電圧に応じて可変させる搬送波周波数同期回路100が追加される。この搬送波周波数同期回路100は、入力された信号を1シンボル時間(=Ts)だけ遅延して出力する遅延回路101、A/D変換器96a,96bの出力信号と遅延回路101の出力信号とを入力し、これらの信号の相関値を求めてその結果を出力する相関器102、相関器102の出力信号を入力してその信号の位相を検出する位相検出回路103、位相検出回路103の出力信号をシンボル周期でサンプリングするラッチ104、および、ラッチ104の出力信号から不要な雑音成分を除去して出力するLF(ループフィルタ)105を備えている。ここで、LF105の出力信号は電圧制御搬送波発振器99の発振周波数を制御する電圧となる。
【0022】
上記相関器102は、入力信号の複素共役を出力する共役回路102b、A/D変換器96a,96bの出力信号と共役回路102bの出力信号との複素乗算を行いその結果を出力する複素乗算器102a、および、複素乗算器102aの出力信号の移動平均を求めてその結果を出力する移動平均回路102cを備えている。
【0023】
つぎに、上記搬送波周波数同期回路100の動作を説明する。図12に示した搬送波周波数同期回路100では、A/D変換器96a,96bの出力信号(ディジタル化された受信ベースバンド信号)はそれぞれ2分岐されて、一方の出力信号は相関器102に入力され、もう一方は遅延回路101に入力されて1シンボル時間(=Ts)だけ遅延される。相関器102では、共役回路102b、複素乗算器102aおよび移動平均回路102cによって入力信号の相関が求められる。すなわち、現在受信されているベースバンド信号と、Ts時間前に受信されたベースバンド信号の相関が求められる。
【0024】
上記搬送波周波数同期回路100が、送信されるベースバンド信号に繰り返し成分が挿入されていることを利用した回路であることから、ここで、送信されるベースバンド信号に挿入される繰り返し成分について説明を補足する。図13には、送信ベースバンド信号波形の同相成分が示され、図14には、受信ベースバンド信号の遅延と相関値との関係が示されている。この同相成分は図9に示したOFDM変調器8のD/A変換器83aの出力信号波形であり、かつ、図12に示したOFDM復調器におけるA/D変換器16aの出力を信号変換したものである。
【0025】
図13に示すように、送信ベースバンド信号の先頭部分には幅がTgのガードインターバルと呼ばれる期間があり、この期間には送信ベースバンド信号の末尾部分の幅Tgの波形と同一波形がコピーされて挿入されている。ガードインターバルを除く部分は有効シンボルと呼ばれている。ガードインターバルは、遅延波の影響を低減する目的のために挿入されるものである。図12に示した従来の搬送波周波数同期回路100は、このガードインターバルの波形と、有効シンボルの末尾部分の波形が同一である点を利用して搬送波周波数の同期をとる回路である。
【0026】
すなわち、受信されたガードインターバルの部分の波形と有効シンボルの末尾部分の波形は同一であるから強い相関を示すので、受信ベースバンド信号を2つに分岐して、片方をTs時間だけ遅延させて相関をとれば、図14に示すように、Ts時間毎に大きな相関出力を得ることができる。この相関出力には以下の説明のように搬送波周波数オフセットの成分が含まれている。従来の方式はこの成分を検出して搬送波周波数の同期をとっている。
【0027】
図14において、受信ベースバンド信号のガードインターバルの部分A1の信号rA1(t)を複素数で表現すると次式(1)のように表すことができる。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、ρ(t)は包絡線、θ(t)は位相である。一方、Ts時間後に受信されるA2の部分の信号rA2(t)は、A1の部分と同一波形が搬送波周波数オフセットによって位相回転したものになり、次式(2)のように表すことができる。
【0030】
【数2】
【0031】
ここで、Δfは搬送波周波数オフセットである。上式(1)で表される信号は搬送波周波数同期回路100の構成における遅延回路101の出力信号に対応し、上式(2)で表される信号はA/D変換器96a,96bの出力信号に対応している。共役回路102bの出力は、上式(1)の信号の複素共役信号となるので次式(3)となる。
【0032】
【数3】
【0033】
ここで、上式(3)中の*は複素共役を表す。複素乗算器102aの出力信号は、上式(2)および(3)の積であるから、次式(4)となる。
【0034】
【数4】
【0035】
上式(4)には搬送波周波数オフセットΔfが含まれているので、この搬送波周波数オフセットΔfが後段の回路で検出される。移動平均回路102cは、ガードインターバル期間Tg分の入力信号の平均をとるので、その移動平均回路102cの出力信号は次式(5)で表される。
【0036】
【数5】
【0037】
ここで、Yはρ(t)2 がTg時間に渡って平均された値であり、ほぼ一定値となる。位相検出回路103では上式(5)で表される信号の位相が検出される。したがって、位相検出回路24の出力信号は2πΔfTsとなるので、搬送波周波数オフセットΔfに比例した信号が得られる。この2πΔfTsが搬送波周波数同期のための誤差信号として用いられる。この誤差信号は、図14に示したように、相関値がピークの時点で得られるので、ラッチ104によりシンボル周期でサンプリングされる。
【0038】
ラッチ104の出力信号はLF105によって不要な雑音成分が除去されて電圧制御搬送波発振器99の制御電圧として使われる。電圧制御搬送波発振器99は、制御電圧が正電圧の場合には出力周波数を小さくし、逆に負電圧の場合には大きくする。よって、Δf>0の場合には発振周波数を小さく補正し、Δf<0の場合には大きく補正することから、上記誤差信号は補正量を表すことになる。このようにして、搬送波周波数オフセットΔfが0になるように制御が行われ、搬送波周波数の同期が確立される。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
以上の搬送波周波数回路では、フェージングが発生した場合、受信信号のレベルすなわち受信レベルが変動するため、その受信レベルの大小は周波数毎に異なってくる。この点を図15を参照して説明する。図15にはフェージングが発生している伝送路の周波数特性と、受信されたOFDM信号のスペクトルとが示されている。OFDMでは、フェージングによって各サブキャリアの受信レベルが異なっている。すなわち、図15において、伝送路の周波数特性が落ち込んでいるサブキャリアで伝送された信号(図中、a1,a2の位置)は受信レベルが小さくなって、信頼性が低下する。逆に、周波数特性が大きい所の信号は受信レベルが大きくなるので、信頼性は高くなる(図中、b1,b2,b3の位置)。
【0040】
このような差異を考慮しないで搬送波周波数の同期をとろうとすると、受信レベルの小さい信号が同期特性に悪影響を与える。すなわち、従来の搬送波周波数同期回路では、繰り返し送信される同一波形を用いて搬送波周波数の同期をとっており、その際に、フェージングによる受信信号レベルの大小に留意していないので、フェージングにより同期性能が劣化するという問題があった。
【0041】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、OFDM復調器用の搬送波周波数同期回路として、フェージング伝送路においても、搬送波周波数の同期を精度良くとることが可能な搬送波周波数同期回路を得ることを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1(L1は自然数)個の信号を含んだ信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の前記基準となるL1個の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された前記基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記基準となるL1個の信号間において前記検出手段で検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数、L2≦L1)個の前記基準となる信号を選択する選択手段と、前記選択手段で選択された前記基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出して、その検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数、L2≦L1)個の信号を選択し、その選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で受信レベルの小さい受信信号が同期処理から排除され、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0044】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、複数の送信信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の複数の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行う変調除去手段と、前記変調除去手段で変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記変調除去された複数の信号間において前記検出手段で検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数)個の信号を選択する選択手段と、前記変調除去された複数の信号のうちで前記選択手段で選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数)個の信号を選択し、その選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で受信レベルの小さい受信信号が同期処理から排除され、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0046】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、前記補正手段は、前記選択手段で選択された信号を加算する加算器と、前記加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得る位相検出回路とを有したことを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、搬送波周波数を補正する際に、加算器では選択によって得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、選択された信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0048】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1(L1は自然数)個の信号を含んだ信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の前記基準となるL1個の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された前記基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記基準となるL1個の信号のうち、前記検出手段で検出された受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された前記基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出し、受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出して、その抽出された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で一定レベル以下の受信レベルをもつ受信信号を同期処理から排除され、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0050】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、複数の送信信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の複数の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行う変調除去手段と、前記変調除去手段で変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記変調除去された複数の信号のうち、前記検出手段で検出された受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出する抽出手段と、前記変調除去された複数の信号のうちで前記抽出手段で抽出された信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出し、その抽出された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で一定レベル以下の受信レベルをもつ受信信号を同期処理から排除され、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0052】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、前記補正手段は、前記抽出手段で抽出された信号を加算する加算器と、前記加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得る位相検出回路とを有したことを特徴とする。
【0053】
この発明によれば、搬送波周波数の補正の際に、加算器では抽出によって得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、抽出された信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0054】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、前記抽出手段は、前記検出手段で検出された受信レベルについて一定レベル以上の場合に出力をオンし、一定レベルに満たない場合にオフするスイッチを有したことを特徴とする。
【0055】
この発明によれば、抽出の際には、スイッチにより一定レベル以上の場合に信号の出力をオンし、一定レベルに満たない場合に信号の出力をオフするようにしたので、オン/オフ制御で簡単に所要の受信レベルをもつ信号を抽出することが可能である。
【0056】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1(L1は自然数)個の信号を含んだ信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の前記基準となるL1個の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された前記基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記基準となるL1個の信号それぞれに対して前記検出手段で検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加する重み付け手段と、前記重み付け手段で重み付けされた基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0057】
この発明によれば、基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出し、基準となるL1個の信号それぞれに対して検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加し、その重み付けされた基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、同期処理時に受信レベルが小さいパイロット信号の影響を小さくすることができ、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0058】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、送信側では、複数の送信信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の複数の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、前記送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行う変調除去手段と、前記変調除去手段で変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、前記変調除去手段で変調除去された複数の信号それぞれに対して前記検出手段で検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加する重み付け手段と、前記重み付け手段で重み付けされた信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0059】
この発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルの大きさに応じた重みを付加し、その重み付けされた信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、同期処理時に受信レベルが小さいパイロット信号の影響を小さくして、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0060】
つぎの発明に係る搬送波周波数同期回路は、前記補正手段は、前記重み付け手段で重み付けされた信号を加算する加算器と、前記加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得る位相検出回路とを有したことを特徴とする。
【0061】
この発明によれば、搬送波周波数の補正の際に、加算器では重み付けで得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、各信号の重み付けに応じて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る搬送波周波数同期回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0063】
実施の形態1.
まず、構成について説明する。図1は本発明の実施の形態1によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図であり、同図において、1は本実施の形態1のOFDM復調器を示している。図1において、従来例と同一部分には同一符号を付し説明を省略する。図1に示したOFDM復調器1は、図9のOFDM復調器の全体構成において、搬送波周波数同期回路100に替わる搬送波周波数同期回路10を有している。この搬送波周波数同期回路10は、前述した搬送波周波数同期回路100(図9参照)と同様に、搬送波発振器99の電圧制御を行って搬送波周波数の同期を確立する。この搬送波周波数同期回路10は、FFTプロセッサ97の出力に接続される点で前述した搬送波周波数同期回路100とは接続関係が異なる。
【0064】
具体的に説明すると、OFDM方式では、特定の複数のサブキャリアを用いてパイロット信号(一般には無変調のパイロットシンボル)が伝送される場合がある。無変調のパイロットシンボルとは、全て「0」もしくは全て「1」のように時間的に変化しないデータから成るシンボルを言う。上記搬送波周波数同期回路10は、これら送信側から送られる複数のパイロット信号を用いて搬送波周波数の同期をとる回路である。図1において、FFTプロセッサ97のN個の出力のうち、太線で示したP1,P2,…、PL1までのL1個の出力が受信パイロット信号を表している。パイロット信号の数L1はシステムにより異なるが、通常数個から数十個である。
【0065】
上記搬送波周波数同期回路10は、例えば図1に示したように、L1個のパイロット信号にそれぞれ対応してL1個設けられ、L1個の受信パイロット信号からそれぞれの位相シフト量を検出する位相シフト検出回路111 〜11L1、受信レベルの大きい所定数の位相シフト量を選択する選択器12、受信パイロット信号から選択器12が選択すべき位相シフト検出回路の出力を指示する選択制御回路13、選択位相シフト量を加算する加算器14、加算位相シフト量から位相を検出する位相検出回路15、および、検出位相から雑音を除去するLF16から構成される。なお、各位相シフト検出回路111 〜11L1は、該当する受信パイロット信号の位相シフト量を検出する遅延検波回路11aと、該当する受信パイロット信号から受信レベルを検出するレベル検出回路11bとにより構成される。
【0066】
ここで、OFDM方式の伝送フォーマットについて説明する。図2は、OFDM方式に使用される伝送フレームのフォーマット例を示す図である。伝送フレームのフォーマットは、図2に示したように、ヌルシンボル、データ、パイロットシンボル、データで構成されている。先頭シンボルとして無変調のヌルシンボルが挿入される。この位置は、復調シンボルC0 の位置にあたる。それ以降はデータが挿入される。本実施の形態1では、パイロット信号のデータ系列は既知のため、パイロットシンボルの位置は既知である。したがって、パイロットシンボルの位置は復調シンボルC1 ,C4 …CN-2 の位置にあたる。復調シンボルC1 ,C4 …CN-2 の位置にはそれぞれパイロット信号P1,P2…PL1が該当する。
【0067】
つぎに、動作について説明する。図1に示した搬送波周波数同期回路において、各位相シフト回路111 〜11L1には、FFTプロセッサ97から出力された各パイロット信号が入力され、パイロット信号の位相シフト量がそれぞれ検出されるとともに、各パイロット信号のレベルが検出される。すなわち、遅延検波回路11aでは該当する受信パイロット信号から位相シフト量が検出され、レベル検出回路11bでは該当する受信パイロット信号から受信レベルが検出される。
【0068】
このようにして検出されたL1個の位相シフト量は選択器12に入力される。また、各位相シフト検出回路111 〜11L1のレベル検出回路11bで検出されたL1個の受信レベルは選択制御回路13に入力される。選択制御回路13は、L1個の入力信号(受信レベル)のうち、検出レベルの大きい上位L2個の信号(位相シフト量)を選択するための選択信号を選択器12へ出力する。ここでは、L2≦L1と設定する。
【0069】
選択器12では、選択制御回路13から出力される選択信号に従ってL2個の位相シフト量が選択され、後段の加算器14へ出力される。加算器14では、入力されたL2個の信号(位相シフト量)が加算され、その加算結果が位相検出回路15へ出力される。位相検出回路15では、加算器14の出力信号から位相が検出され、その位相はLF16によって不要な雑音成分が除去されて電圧制御搬送波発振器99の制御電圧として使われる。
【0070】
つづいて、位相シフト検出回路111 〜11L1について具体的に説明する。各位相シフト検出回路111 〜11L1の遅延検波回路11aに入力される各パイロット信号P1,P2…PL1を複素数で表すと次式(6)のように表される。ただし、簡単のために伝送路での重畳される雑音は除いて記述してある。
【0071】
【数6】
【0072】
ここで、ρi,θiはそれぞれ受信パイロット信号の包絡線と位相である。ρiは、各パイロット信号の受信レベルを表しており、図15のようにフェージングの影響があると各パイロット信号で異なる大きさとなる。
【0073】
そして、遅延検波回路11aは1シンボル毎(Ts時間毎)に入力信号を遅延検波しその結果を出力するので、フェージングによる位相変動が十分小さい状態を仮定すると、遅延検波回路11aの出力信号は次式(7)のように表される。
【0074】
【数7】
【0075】
上記式(7)から分かるように、各遅延検波回路11aの出力信号には、搬送波周波数オフセット成分Δfが含まれている。このΔfを検出して搬送波周波数オフセットを補正すれば良いのであるが、前述のように、ρiの大きさは各パイロット信号毎に異なる。すると、各パイロット毎にSN比(信号対雑音電力比)が異なるために、検出されるΔfの精度が各パイロット毎に異なることになる。すなわち、ρiの大きさが小さくSN比が悪い受信パイロット信号を用いるとΔfの検出精度が低下する。本実施の形態1の回路構成では、このフェージングによる受信レベルの差異に留意して、なるべく受信レベルの大きなパイロット信号のみを使用して周波数を補正することで、フェージングのある伝送路でも搬送波周波数の同期を高精度にとる。
【0076】
そのために、各位相シフト検出回路111 〜11L1内の各レベル検出器11bは対となる遅延検波回路11aの出力信号のレベルρi2 (i=1,2,…,PL1)を検出する。そこで、選択制御回路13はρi2 (i=1,2,…,PL1)の中からレベルの大きい上位L2個を選択して選択器12にその選択結果を出力する。選択器12は、この選択結果に基づいて受信レベルの大きい上位L2個のパイロット信号に対する遅延検波結果のみを選択して出力する。ここで、L2とL1の関係をL2≦L1に設定することにより、受信レベルが小さくSN比の悪い受信パイロット信号を選択器12により排除することができる。そして、加算器14の出力信号は次式(8)となる。
【0077】
【数8】
【0078】
ここで、Rは選択されたL2個の遅延検波結果の大きさρi2 を合計した値である。加算器14後段の位相検出回路15は上式(8)で表される入力信号から位相2πΔfTsを検出して出力するが、式(8)の加算結果にはフェージングにより受信レベルの落ち込んだパイロット信号が含まれていないので、位相検出回路15の出力信号のSN比は大きく、周波数オフセットの補正精度が高くなる。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、各受信パイロット信号の位相シフトを検出する際に、レベル検出回路によって各受信レベルを検出して、この検出結果に基づいてSN比の大きな受信信号(パイロット信号)のみを選択して同期確立を行うようにしているので、フェージング下で受信レベルの小さい受信信号が同期処理から排除され、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0080】
また、搬送波周波数を補正する際に、加算器14では選択器12の選択によって得られたパイロット信号を加算し、位相検出回路15では加算器14の加算結果によるパイロット信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、選択されたパイロット信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0081】
実施の形態2.
さて、前述した実施の形態1では、位相検出用として選択されるパイロット信号数をL2個に固定していたが、本発明はこれに限定されず、以下に説明する実施の形態2のように、受信レベルに応じて使用されるパイロット信号数を変化させてもよい。
【0082】
まず、構成について説明する。図3は本発明の実施の形態2によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。図3において、2は本実施の形態2のOFDM復調器を示している。このOFDM復調器2は、前述した実施の形態1によるOFDM復調器1と全体的には同様の構成を採用しており、OFDM復調器1とは搬送波周波数同期回路10から搬送波周波数同期回路20に置き換えた部分で相違する。したがって、このOFDM復調器2においては、OFDM復調器1と同様の構成には同様の番号を付してその説明を省略する。
【0083】
搬送波周波数同期回路20では、前述した搬送波周波数同期回路10とは、位相シフト検出回路を含めて加算器14前段の構成が相違する。すなわち、搬送波周波数同期回路20は、加算器14の前段から選択器12および選択制御回路13を省き、位相シフト検出回路111 〜11L1に替わって位相シフト検出回路211 〜21L1だけを設けている。
【0084】
位相シフト検出回路211 〜21L1は、前述した位相シフト検出回路111 〜11L1と同様に該当する復調出力すなわちパイロット信号出力に接続される。各位相シフト検出回路211 〜21L1は、例えば図3に示したように、該当する受信パイロット信号の位相シフト量を検出する遅延検波回路21a、該当する受信パイロット信号から受信レベルを検出するレベル検出回路21b、パイロット信号に関して受信レベルに応じてパイロット信号の有効/無効を決定する制御回路21c、および、制御回路21cの制御に従ってパイロット信号の出力/非出力を切り替えるスイッチ21dにより構成される。ここで、制御回路21cは、レベル検出回路21bが検出したレベルが所定値以上である場合にスイッチ21dをONにするための制御信号を出力し、逆に、所定値未満である場合にはスイッチ21dをOFFにするための制御信号を出力する。
【0085】
つぎに、前述した実施の形態1と相違する動作についてのみ説明する。図4はフェージング伝送路で小さい受信レベルをもつ受信信号の除去方法を説明する図である。図4には前述した図15と同じ状態が示されている。搬送波周波数同期回路20では、遅延検波回路21aとレベル検出回路21bの動作は前述した実施の形態1で説明した動作と同じため説明を省略する。制御回路21cは、レベル検出回路102の出力およびスイッチ21dの入力に接続され、レベル検出回路102の出力信号に基づいてスイッチ21dのON/OFFを切り替えるための制御信号を出力する。
【0086】
図4において、伝送路の周波数特性が落ち込んでいるサブキャリアで伝送された信号(図中、a1,a2の位置)は受信レベルが小さくなる。このa1,a2位置の部分を含めて同期確立を行う場合には、信頼性が低下してしまうが、あらかじめ所定値としてTHを定めておけば、その所定値THを基準にして制御回路21cがスイッチ21dを切り替え、受信レベルが所定値に達しないパイロット信号(図4中、受信信号C1 ,c2)を排除することができる。スイッチ21dの出力は加算器14に入力される。以降の処理は前述した実施の形態1と同一のため説明を省略する。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態2によれば、フェージング下で所定値以上の受信レベルをもつパイロット信号だけを抽出して、所定値以下の受信レベルをもつパイロット信号については同期処理から排除するようにしたので、この場合にも前述した実施の形態1と同様に、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0088】
また、本実施の形態2は、伝送路特性が大きく変化して、選択するパイロット信号数L2の値を固定できない場合に有効である。
【0089】
また、搬送波周波数の補正の際に、加算器14では位相シフト検出回路211 〜21L1の抽出によって得られた信号を加算し、位相検出回路15では加算器14の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、抽出されたパイロット信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0090】
また、各位相シフト検出回路211 〜21L1において、抽出の際には、スイッチ21dにより所定値以上の場合に信号の出力をオンし、所定値に満たない場合に信号の出力をオフするようにしたので、オン/オフ制御で簡単に所要の受信レベルをもつ信号を抽出することが可能である。
【0091】
実施の形態3.
さて、前述した実施の形態1では、位相検出用として選択されるパイロット信号数をL2個に固定していたが、本発明はこれに限定されず、以下に説明する実施の形態3のように、全てのパイロット信号を使用する代わりに、受信レベルに応じてパイロット信号に重みを付加するようにしてもよい。
【0092】
まず、構成について説明する。図5は本発明の実施の形態3によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。図5において、3は本実施の形態3のOFDM復調器を示している。このOFDM復調器3は、前述した実施の形態1によるOFDM復調器1と全体的には同様の構成を採用しており、OFDM復調器1とは搬送波周波数同期回路10から搬送波周波数同期回路30に置き換えた部分で相違する。したがって、このOFDM復調器3においては、OFDM復調器1と同様の構成には同様の番号を付してその説明を省略する。
【0093】
搬送波周波数同期回路30では、前述した搬送波周波数同期回路10とは、位相シフト検出回路を含めて加算器14前段の構成が相違する。すなわち、搬送波周波数同期回路30は、加算器14の前段から選択器12および選択制御回路13を省き、位相シフト検出回路111 〜11L1に替わって位相シフト検出回路311 〜31L1だけを設けている。
【0094】
位相シフト検出回路311 〜31L1は、前述した位相シフト検出回路111 〜11L1と同様に該当する復調出力すなわちパイロット信号出力に接続される。各位相シフト検出回路311 〜31L1は、例えば図5に示したように、該当する受信パイロット信号の位相シフト量を検出する遅延検波回路31a、該当する受信パイロット信号から受信レベルを検出するレベル検出回路31b、レベル検出回路31bの出力に接続され、パイロット信号に関して受信レベルに応じてパイロット信号に対する重み係数を設定する係数設定回路31c、および、係数設定回路31cで設定された重み係数をパイロット信号に掛け合わせる乗算器21dにより構成される。
【0095】
つぎに、前述した実施の形態1と相違する動作についてのみ説明する。搬送波周波数同期回路30では、遅延検波回路31aとレベル検出回路31bの動作は前述した実施の形態1で説明した動作と同じため説明を省略する。係数設定回路31cは、レベル検出回路31bの出力信号に基づいて乗算器31dにて遅延検波回路31aの出力信号に乗積するための重み係数を設定する。具体的には、係数設定回路31cはレベル検出回路31bが検出した受信レベルに比例した重み係数を設定する。すなわち、検出された受信レベルが大きい場合には大きな重み係数を設定し、逆に検出された受信レベルが小さい場合には小さな重み係数を設定する。したがって、受信レベルの大きいパイロット信号に対する遅延検波回路31aの出力には大きな重み係数が乗積されるが、受信レベルが小さい場合には小さな重み係数が乗積される。これにより、加算器14においては、受信レベルが小さいパイロット信号の寄与分が小さくなる。
【0096】
以上により、乗算器31dでは、遅延検波回路31aの出力信号に係数設定回路31cにより設定された重み係数が乗算される。乗算器31dの出力は加算器14に入力される。以降の処理は前述した実施の形態1と同一であるため説明を省略する。
【0097】
以上説明したように、本実施の形態3によれば、フェージング下で受信レベルの大きいパイロット信号には大きい重みを付加し、一方、小さいパイロット信号には小さい重みを付加するようにしたので、同期処理時に受信レベルが小さいパイロット信号の影響が小さくなり、この場合にも前述した実施の形態1と同様に、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能である。
【0098】
また、本実施の形態3は、伝送路特性が大きく変化して、選択するパイロット信号数L2の値を固定できない場合に有効である。
【0099】
また、搬送波周波数の補正の際に、加算器14では位相シフト検出回路311 〜31L1の重み付けで得られたパイロット信号を加算し、位相検出回路15では加算器14の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、各信号の重み付けに応じて搬送波周波数を補正することが可能である。
【0100】
実施の形態4.
さて、前述した実施の形態1では、既知である複数のパイロット信号から同期確立を行うようにしていたが、本発明はこれに限定されず、以下に説明する実施の形態4のように、FFTプロセッサ97の全ての出力(受信信号)を使用して同期確立を行うようにしてもよい。
【0101】
まず、構成について説明する。図6は本発明の実施の形態4による搬送波周波数同期回路の一構成例を示すブロック図である。図6において、4は本実施の形態4のOFDM復調器を示している。このOFDM復調器4は、前述した実施の形態1によるOFDM復調器1と全体的には同様の構成を採用しており、OFDM復調器1とは搬送波周波数同期回路10から搬送波周波数同期回路40に置き換えた部分で相違する。したがって、このOFDM復調器4においては、OFDM復調器1と同様の構成には同様の番号を付してその説明を省略する。
【0102】
搬送波周波数同期回路40では、前述した搬送波周波数同期回路10とは、FFTプロセッサ97の全ての出力を使用し、位相シフト検出回路111 〜11N の前段にそれぞれ変調除去回路411 〜41N を設けた点が異なる。その他の部分は前述した実施の形態1と同じなので重複する説明は省略する。なお、本実施の形態4では、パイロット信号だけを同期処理の対象とはせず、すべての受信信号を対象としていることから、位相シフト検出回路は111 〜11N までのN個用意される。ただし、位相シフト検出回路111 〜11N に関して、その内部構成および機能については、前述した実施の形態1の位相シフト検出回路と同様である。
【0103】
変調除去回路411 〜41N はFFTプロセッサ97からの入力信号の変調成分を除去する。この変調成分の除去方法はいろいろ考えられるが、例えば、各サブキャリアの変調方式がBPSKであれば入力信号を2乗、QPSKであれば入力信号を4乗すればよい。もしくは、データ判定を行った後に、データによる受信信号点の変移を判定データに基づいて除去する方法でもよい。このような方法をとることにより、変調除去回路411 〜41N の各出力信号には変調成分が含まれず、位相シフト検出回路111 〜11N の入力信号は無変調信号となって前述した実施の形態1と同じ処理が可能となる。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態4によれば、前述の実施の形態1と同様の構成からフェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることができることはもちろん、変調除去回路411 〜41N の構成を追加することにより、全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0105】
実施の形態5.
さて、前述した実施の形態2では、既知である複数のパイロット信号から同期確立を行うようにしていたが、本発明はこれに限定されず、以下に説明する実施の形態5のように、FFTプロセッサ97の全ての出力(受信信号)を使用して同期確立を行うようにしてもよい。
【0106】
まず、構成について説明する。図7は本発明の実施の形態5による搬送波周波数同期回路の一構成例を示すブロック図である。図7において、5は本実施の形態5のOFDM復調器を示している。このOFDM復調器5は、前述した実施の形態2によるOFDM復調器2と全体的には同様の構成を採用しており、OFDM復調器2とは搬送波周波数同期回路20から搬送波周波数同期回路50に置き換えた部分で相違する。したがって、このOFDM復調器5においては、OFDM復調器2と同様の構成には同様の番号を付してその説明を省略する。
【0107】
搬送波周波数同期回路50では、前述した搬送波周波数同期回路20とは、FFTプロセッサ97の全ての出力を使用し、位相シフト検出回路211 〜21N の前段にそれぞれ変調除去回路511 〜51N を設けた点が異なる。その他の部分は前述した実施の形態2と同じなので重複する説明は省略する。なお、本実施の形態5では、パイロット信号だけを同期処理の対象とはせず、すべての受信信号を対象としていることから、位相シフト検出回路は211 〜21N までのN個用意される。ただし、位相シフト検出回路211 〜21N に関して、その内部構成および機能については、前述した実施の形態2の位相シフト検出回路と同様である。
【0108】
変調除去回路511 〜51N はFFTプロセッサ97からの入力信号の変調成分を除去する。この変調成分の除去方法はいろいろ考えられるが、例えば、各サブキャリアの変調方式がBPSKであれば入力信号を2乗、QPSKであれば入力信号を4乗すればよい。もしくは、データ判定を行った後に、データによる受信信号点の変移を判定データに基づいて除去する方法でもよい。このような方法をとることにより、変調除去回路511 〜51N の各出力信号には変調成分が含まれず、位相シフト検出回路211 〜21N の入力信号は無変調信号となって前述した実施の形態2と同じ処理が可能となる。
【0109】
以上説明したように、本実施の形態5によれば、前述の実施の形態2と同様の構成からフェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることができることはもちろん、変調除去回路511 〜51N の構成を追加することにより、全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0110】
実施の形態6.
さて、前述した実施の形態3では、既知である複数のパイロット信号から同期確立を行うようにしていたが、本発明はこれに限定されず、以下に説明する実施の形態6のように、FFTプロセッサ97の全ての出力(受信信号)を使用して同期確立を行うようにしてもよい。
【0111】
まず、構成について説明する。図8は本発明の実施の形態6による搬送波周波数同期回路の一構成例を示すブロック図である。図8において、6は本実施の形態6のOFDM復調器を示している。このOFDM復調器6は、前述した実施の形態3によるOFDM復調器3と全体的には同様の構成を採用しており、OFDM復調器3とは搬送波周波数同期回路30から搬送波周波数同期回路60に置き換えた部分で相違する。したがって、このOFDM復調器6においては、OFDM復調器3と同様の構成には同様の番号を付してその説明を省略する。
【0112】
搬送波周波数同期回路60では、前述した搬送波周波数同期回路30とは、FFTプロセッサ97の全ての出力を使用し、位相シフト検出回路311 〜31N の前段にそれぞれ変調除去回路611 〜61N を設けた点が異なる。その他の部分は前述した実施の形態3と同じなので重複する説明は省略する。なお、本実施の形態6では、パイロット信号だけを同期処理の対象とはせず、すべての受信信号を対象としていることから、位相シフト検出回路は311 〜31N までのN個用意される。ただし、位相シフト検出回路311 〜31N に関して、その内部構成および機能については、前述した実施の形態3の位相シフト検出回路と同様である。
【0113】
変調除去回路611 〜61N はFFTプロセッサ97からの入力信号の変調成分を除去する。この変調成分の除去方法はいろいろ考えられるが、例えば、各サブキャリアの変調方式がBPSKであれば入力信号を2乗、QPSKであれば入力信号を4乗すればよい。もしくは、データ判定を行った後に、データによる受信信号点の変移を判定データに基づいて除去する方法でもよい。このような方法をとることにより、変調除去回路611 〜61N の各出力信号には変調成分が含まれず、位相シフト検出回路311 〜31N の入力信号は無変調信号となって前述した実施の形態3と同じ処理が可能となる。
【0114】
以上説明したように、本実施の形態6によれば、前述の実施の形態3と同様の構成からフェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることができることはもちろん、変調除去回路611 〜61N の構成を追加することにより、全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効である。
【0115】
以上、この発明を実施の形態1〜6により説明したが、この発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出して、その検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数)個の信号を選択し、その選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で受信レベルの小さい受信信号が同期処理から排除され、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0117】
つぎの発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数、L2≦L1)個の信号を選択し、その選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で受信レベルの小さい受信信号が同期処理から排除され、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0118】
つぎの発明によれば、搬送波周波数を補正する際に、加算器では選択によって得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、選択された信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0119】
つぎの発明によれば、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出し、受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出して、その抽出された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で一定レベル以下の受信レベルをもつ受信信号を同期処理から排除され、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0120】
つぎの発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルが一定レベル以上の信号を抽出し、その抽出された信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、フェージング下で一定レベル以下の受信レベルをもつ受信信号を同期処理から排除され、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0121】
つぎの発明によれば、搬送波周波数の補正の際に、加算器では抽出によって得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、抽出された信号だけを用いて搬送波周波数を補正することが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0122】
つぎの発明によれば、抽出の際には、スイッチにより一定レベル以上の場合に信号の出力をオンし、一定レベルに満たない場合に信号の出力をオフするようにしたので、オン/オフ制御で簡単に所要の受信レベルをもつ信号を抽出することが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0123】
つぎの発明によれば、基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出し、基準となるL1個の信号それぞれに対して検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加し、その重み付けされた基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、同期処理時に受信レベルが小さいパイロット信号の影響を小さくすることができ、これにより、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0124】
つぎの発明によれば、送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行い、その変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出して、受信レベルの大きさに応じた重みを付加し、その重み付けされた信号に基づいて搬送波周波数を補正するようにしたので、同期処理時に受信レベルが小さいパイロット信号の影響を小さくして、フェージングのある無線伝送路においても精度の高い周波数同期をとることが可能であることはもちろん、無変調信号となる全ての受信信号を使うので全受信電力を無駄なく使えることから、パイロット信号の数が少なくて所望の周波数同期精度が得られない場合に有効な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【0125】
つぎの発明によれば、搬送波周波数の補正の際に、加算器では重み付けで得られた信号を加算し、位相検出回路では加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得るようにしたので、各信号の重み付けに応じて搬送波周波数を補正することが可能な搬送波周波数同期回路が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図2】 OFDM方式に使用される伝送フレームのフォーマット例を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態2によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図4】 本実施の形態2においてフェージング伝送路で小さい受信レベルをもつ受信信号の除去方法を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態3によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態4によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態5によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態6によるOFDM復調器の一構成例を示すブロック図である。
【図9】 従来例によるOFDM変調器とOFDM復調器間の関係を表す一般的な構成図である。
【図10】 送信シンボルを説明する図であり、同図(a)は直並列変換前の送信シンボルのフォーマットを示し、同図(b)は直並列変換後の送信シンボルのフォーマットを示している。
【図11】 OFDM変調器から出力される送信IF信号のスペクトルを表す図である。
【図12】 従来例によるOFDM復調器を示すブロック図である。
【図13】 送信ベースバンド信号波形の同相成分を示す図である。
【図14】 受信ベースバンド信号の遅延と相関値との関係を示す図である。
【図15】 フェージング伝送路の周波数特性と受信信号のスペクトルとの関係を説明する図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6 OFDM復調器、10,20,30,40,50,60 搬送波周波数同期回路、11a,21a,31a 遅延検波回路、11b,21b,31b レベル検出回路、111 〜11N ,211 〜21N ,311 〜31N 位相シフト検出回路、12 選択器、13 選択制御回路、14 加算器、15 位相検出回路、16 LF、21c 制御回路、21d スイッチ、係数設定回路、31d 乗算器、411 〜41N ,511 〜51N ,611 〜61N 変調除去回路。
Claims (6)
- 送信側では、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1(L1は自然数)個の信号を含んだ信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の前記基準となるL1個の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、
前記基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された前記基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、
前記基準となるL1個の信号間において前記検出手段で検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数、L2≦L1)個の前記基準となる信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された前記基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする搬送波周波数同期回路。 - 送信側では、複数の送信信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の複数の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、
前記送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行う変調除去手段と、
前記変調除去手段で変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、
前記変調除去された複数の信号間において前記検出手段で検出された受信レベルの大小関係から大きい順にL2(L2は自然数)個の信号を選択する選択手段と、
前記変調除去された複数の信号のうちで前記選択手段で選択された信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする搬送波周波数同期回路。 - 前記補正手段は、前記選択手段で選択された信号を加算する加算器と、前記加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得る位相検出回路とを有したことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送波周波数同期回路。
- 送信側では、搬送波周波数の同期確立のために基準となるL1(L1は自然数)個の信号を含んだ信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の前記基準となるL1個の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、
前記基準となるL1個の信号が使用する周波数で受信された前記基準となるL1個の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、
前記基準となるL1個の信号それぞれに対して前記検出手段で検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加する重み付け手段と、
前記重み付け手段で重み付けされた基準となる信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする搬送波周波数同期回路。 - 送信側では、複数の送信信号を直交周波数分割多重して搬送波信号を生成し、受信側では、搬送波周波数の同期確立のため、前記送信側で生成された搬送波信号内の複数の信号の状態に応じて搬送波周波数を補正するシステムに適用され、当該システムの受信側で使用される搬送波周波数同期回路において、
前記送信側から送られてきた複数の信号に対して変調除去を行う変調除去手段と、
前記変調除去手段で変調除去された複数の信号の各受信レベルを検出する検出手段と、
前記変調除去手段で変調除去された複数の信号それぞれに対して前記検出手段で検出された受信レベルの大きさに応じた重みを付加する重み付け手段と、
前記重み付け手段で重み付けされた信号に基づいて搬送波周波数を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする搬送波周波数同期回路。 - 前記補正手段は、前記重み付け手段で重み付けされた信号を加算する加算器と、前記加算器の加算結果による信号の位相を検出して搬送波周波数を補正するための補正量を得る位相検出回路とを有したことを特徴とする請求項4または5に記載の搬送波周波数同期回路。
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