JP4039628B2 - ガスハイドレートの再ガス化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスハイドレートの再ガス化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ガスハイドレート(NGH)の生成には、天然ガスと水を反応器内で上手く混合(例えば、攪拌やバブリング)しながら反応熱を除去する必要がある。この反応熱を除去は、一般に、冷凍機によって行われている。冷凍機の負荷は、反応熱の除去のほか、天然ガスハイドレートの生成に使用する水及び天然ガスの顕熱除去にも必要である。例えば、1t/hの天然ガスハイドレートの生成に必要な冷凍機及び補機動力は、生成条件にもよるが530kWが必要である。
【0003】
一方、天然ガスは、ガスホルダに貯蔵する方法が一般的である。しかし、通常、大容量の天然ガスを貯蔵する際に、50MPa以上の圧力で貯蔵することは、設備コスト及び安全性の面で得策でないため、現実的に存在しない。
【0004】
天然ガスハイドレートは、ガス包蔵能力が高いので、天然ガスを10〜50MPaの圧力で貯蔵したガスタンクに比べて極めて小さい容器で同一ガス量を貯蔵することができるため、天然ガスハイドレートに関する技術開発が天然ガス貯蔵技術の一つとして着目されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
兼子 弘、”天然ガスハイドレート船−新しい天然ガス輸送技術−”「Energy Review 」、1999年11月号、第22〜25ページ
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、天然ガスハイドレートに製造には、上述したような動力を消費するため、必ずしも上述の有利性を発揮できるところが少ないのが現状である。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ガスハイドレートの生成に要する生成動力の低減を計り、以て、市中に存在する多数のガスホルダを代替えするガスハイドレートの再ガス化方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明のガスハイドレートの再ガス化方法は、ガスハイドレートの再ガス化方法であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成工程と、該ガスハイドレート生成工程で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯蔵工程と、該スラリー貯蔵工程から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離工程と、該固液分離工程で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化工程と、該減圧ガス化工程で生じた氷塊と水及び固液分離工程で分離された母液を前記ガスハイドレート生成工程に戻す冷熱リサイクル工程とからなるものである。
【0009】
一方、本発明のガスハイドレートの再ガス化装置は、ガスハイドレートの再ガス化装置であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成槽と、該ガスハイドレート生成槽で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯槽と、該スラリー貯槽から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離機と、該固液分離機で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化器と、該減圧ガス化器で生じた氷塊と水及び固液分離機で分離された母液を前記ガスハイドレート生成槽に戻す冷熱リサイクルラインとからなるものである。
【0010】
ここで、本発明の冷熱リサイクルラインは、減圧ガス化器で生じた氷塊と水と、固液分離機で分離された母液とを混合する混合器を備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0012】
図1は本発明に係る天然ガスハイドレートの再ガス化方法を実施する設備の概略構成図、図2は天然ガスハイドレートの分解乖離曲線の説明図である。
【0013】
図1において、1は、天然ガスハイドレート生成槽(以下、NGH生成槽という)であり、スラリー状の天然ガスハイドレート(以下、スラリー状のNGHという)dを生成するようになっている。
【0014】
即ち、NGH生成槽1内に配したノズル2からNGH生成槽1内の母液eにガスブースタ3によって所定の圧力(例えば、34ata(3.33MPa))に昇圧された天然ガスfを噴出すると、水eと天然ガスfが反応してスラリー状のNGH(d)が生成される。その際、水eと天然ガスfの反応熱は、冷凍機4によって除去される。
【0015】
NGH生成槽1内のスラリー状のNGH(d)は、スラリーポンプ5によってスラリー貯槽6に送出され、一旦、貯蔵される。
【0016】
しかして、需要先(例えば、市中)のガス需要が切迫した場合には、スラリー貯槽6に貯蔵されているスラリー状のNGH(d)を再ガス化した後、中圧管(例えば、3ata(0.297MPa))7を経て需要先に供給するのである。尚、この中圧管7と、上流側の中圧管(例えば、10ata(0.9807MPa))8は、ガバナ弁9を介して接続されている。
【0017】
スラリー貯槽6からスラリーポンプ10によって送出されたスラリー状のNGH(d)は、固液分離機11によって脱水された後、スクリューコンベヤ12によって減圧ガス化器13に供給される。14は、ロックホッパである。
【0018】
減圧ガス化器13内の天然ガスハイドレート(NGH)(d’)は、減圧により再ガス化し(例えば、3ata(0.297MPa))、上述した中圧管7に供給される。その際、天然ガスハイドレート(NGH)自体を形成していた生成水及び脱水後の天然ガスハイドレート(NGH)(d)に付着していた母液、すなわち、生成時に対してNGHの分解乖離熱によって水の大半は、氷結して減圧ガス化器13内に氷スラリーとして溜まる(但し、ガス化器操作温度は、0℃とすることによって一部は水のまま溜まる。)。
【0019】
図2において、aは、生成された天然ガスハイドレートの状態であるが、減圧ガス化器にてガス化bする。天然ガスハイドレート(NGH)のガス化に際して、減圧状態にすると、非平衡状態になるため、不安定になるが、乖離線に近づこうとして安定な再NGH化に移行するが、自分自身が持ち込んだ水及び分解乖離水を氷結して再NGH化しない。
【0020】
減圧ガス化器13内の氷塊hは、図示しない破砕機によって破砕された後、配管18を経て混合器15に送出される。一方、固液分離機11によって分離された母液e’は、母液槽16に、一旦、溜められた後、ポンプ17を備えた配管19を経て混合器15に供給され、そこで、氷塊hと混合して氷スラリーとして配管20よりNGH生成槽1に導入される。18〜20は、リサイクルラインを示している。
【0021】
減圧ガス化器13で生じた氷塊hと水のスラリーは、冷熱を保有しているので、その分、NGH生成槽1に付随している冷凍機4の動力を低減することができる。
【0022】
尚、21は循環系ライン、22は熱交換器、23はポンプを示す。また、24は、ガス戻しライン、25はブロア、26は常温水器を示している。
【0023】
【実施例】
(実施例)
本発明と従来例の使用動力を[表1]に表わした。[表1]から本発明は、従来例より使用動力を約418kW(≒530kW−111.5kW)低減できることが分かる。
【0024】
【表1】
尚、試算条件は、下記の通りである。
【0025】
(1)NGH生成条件は、ガス圧34 ata (3.33MPa )、温度4℃の都市ガス13Aを対象とした。
(2)動力の算定基準は、都市ガス13Aを1ton /hrを原料とし、生成・分解するものとした。
(3)減圧ガス化槽の操作温度を0℃とする。
【0026】
【発明の効果】
上記のように、本発明のガスハイドレート再ガス化方法は、ガスハイドレートの再ガス化方法であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成工程と、該ガスハイドレート生成工程で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯蔵工程と、該スラリー貯蔵工程から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離工程と、該固液分離工程で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化工程と、該減圧ガス化工程で生じた氷塊と水及び固液分離工程で分離された母液を前記ガスハイドレート生成工程に戻す冷熱リサイクル工程とから構成されており、ガスハイドレート生成工程に戻された氷塊や固液分離工程で分離された母液による氷スラリーは、冷熱を保有しているので、ガスハイドレート生成工程で発生する生成熱を除去する冷凍機の動力又は負荷を低減することができる。
【0027】
また、本発明のガスハイドレート再ガス化装置は、ガスハイドレートの再ガス化装置であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成槽と、該ガスハイドレート生成槽で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯槽と、該スラリー貯槽から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離機と、該固液分離機で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化器と、該減圧ガス化器で生じた氷塊と水及び固液分離機で分離された母液を前記ガスハイドレート生成槽に戻す冷熱リサイクルラインとから形成されており、ガスハイドレート生成槽に戻された氷塊や固液分離機で分離された母液との氷スラリーは、冷熱を保有しているので、ガスハイドレート生成槽で発生する生成熱を除去する冷凍機の動力又は負荷を低減することができる。
【0028】
尚、生成時の反応熱は、NGH生成生成に伴う発熱量であり、分解時は、同等の解離吸熱量によって氷結作用が行われており、氷結のための凝固熱として、一旦、貯蔵されているため、その蓄熱が非常に大きいので、生成槽へ供給できる冷熱量が余剰になるため、場合によって供給する氷の一部融解する熱交換器として常温水器26を設ける場合もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天然ガスハイドレートの再ガス化方法を実施する設備の概略構成図である。
【図2】天然ガスハイドレートの分解乖離曲線の説明図である。
【符号の説明】
d スラリー状のガスハイドレート
d’ 脱水されたガスハイドレート
e 水
e’母液
f ガス
h 氷塊
1 ガスハイドレート生成槽
6 スラリー貯槽
11 固液分離機
13 減圧ガス化器
18〜20 冷熱リサイクルライン
Claims (3)
- ガスハイドレートの再ガス化方法であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成工程と、該ガスハイドレート生成工程で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯蔵工程と、該スラリー貯蔵工程から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離工程と、該固液分離工程で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化工程と、該減圧ガス化工程で生じた氷塊と水及び固液分離工程で分離された母液を前記ガスハイドレート生成工程に戻す冷熱リサイクル工程とからなるガスハイドレートの再ガス化方法。
- ガスハイドレートの再ガス化装置であって、ガスと水からガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成槽と、該ガスハイドレート生成槽で生成されたスラリー状のガスハイドレートを貯蔵するスラリー貯槽と、該スラリー貯槽から送出されたスラリー状のガスハイドレートを脱水する固液分離機と、該固液分離機で脱水されたガスハイドレートを導入して再ガス化させる減圧ガス化器と、該減圧ガス化器で生じた氷塊と水及び固液分離機で分離された母液を前記ガスハイドレート生成槽に戻す冷熱リサイクルラインとからなるガスハイドレートの再ガス化装置。
- 冷熱リサイクルラインに、減圧ガス化器で生じた氷塊と水と、固液分離機で分離された母液とを混合する混合器を備えた請求項2記載のガスハイドレートの再ガス化装置。
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