JP4039156B2 - 地絡検知回路の故障診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気自動車の車体と電源との地絡を検知する地絡検知回路の故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気自動車に搭載された地絡検知回路の診断を行うために、組電池と車体との接続/非接続を切り換えるリレーを有し、車両起動時にリレーをオンとすることで、組電池と車体とを擬似的に地絡させ、このときの地絡検知回路の出力に基づいて、地絡検知回路の診断を行う技術が開示されている(特開平10−221395号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、擬似的に地絡を発生させることで地絡検知回路の診断を行うようにしていたので、診断中に実際の地絡が発生するので、適当ではなかった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、擬似的に地絡を発生させることなく地絡検知回路の故障診断を行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の周波数の矩形波パルスが地絡検知回路に供給された場合に、電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値に基づいて、地絡の発生を検知し、第1の周波数よりも小さい周波数の第2の矩形波パルスが供給された場合に、電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値に基づいて、地絡検知回路の診断を行うようにした。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、地絡を発生させることなく、地絡検知回路の診断をすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0008】
本発明は、例えば図1に示すように構成された電気自動車に適用される。
【0009】
[電気自動車の構成]
本実施の形態の電気自動車(以下、車両ともいう)は、組電池5から放電される直流電力がインバータ1で3相交流電力へと変換され、モータ2へと供給されることで、モータ2が駆動する。このモータ2の駆動力は、減速機10、ドライブシャフト11を介してタイヤ12へと伝達されて、車両が駆動する。
【0010】
また、車両が減速時にモータ2が発生する回生電力が、インバータ1を介して、組電池5へと供給されることで、組電池5が充電される。なお、3は組電池5とインバータ1との接続/非接続を切り換えるリレーである。
【0011】
また車両コントローラ4は、ブレーキセンサ7によって検出されるブレーキ操作量、アクセルセンサ8によって検出されるアクセル操作量、車速センサ9によって検出される車両の速度に基づいて、要求制駆動力を演算し、この要求制駆動力をモータ2が発生するようにインバータ1およびモータ2が制御される。
【0012】
車両コントローラ4は、CPU21、ROM22、RAM23や図示しない入出力インターフェースなどの周辺部品を備えており、各種演算を行う。車両コントローラ4には、インジケータ14が接続され、各種情報をインジケータ14によって報知すると共に、バッテリコントローラ35と接続され、バッテリコントローラ35との間で各種情報を送受信する。また、6は、イグニッションスイッチ(IGN−SW)6であり、車両コントローラ4およびバッテリコントローラ35に接続されている。なお、図1において車両の有する静電容量である車体容量をCLとして図示する。
【0013】
バッテリコントローラ35は、CPU41、ROM42、RAM43や図示しない入出力インターフェースなどの周辺部品を備えており、各種入力情報に基づいて、後述の診断処理を行う。
【0014】
13は地絡検知回路であって、第1比較器31、第2比較器34、抵抗R、カップリングコンデンサ32、外部ノイズ除去回路33によって構成されている。組電池5のプラス母線5Aはカップリングコンデンサ32の一端と接続され、カップリングコンデンサ32の他端は抵抗Rを介して、第1比較器31と接続されたうえで、バッテリコントローラ35の出力端子OUTと接続されている。また抵抗Rとカップリングコンデンサ32の接続点、上述したカップリングコンデンサ32の他端には、抵抗rとコンデンサCが直列に接続された外部ノイズ除去回路33が接続されている。外部ノイズ除去回路33の抵抗rとコンデンサCの接続点には、第2比較器34が接続されたうえで、バッテリコントローラ35の入力端子INに接続されている。
【0015】
バッテリコントローラ35は地絡検知回路13を用いて、組電池5と車体との地絡を検知すると共に、地絡検知回路の診断を行う。
【0016】
次に、図2に示すフローチャートを用いて、本実施の形態の動作について説明する。
【0017】
なお図2に示すフローチャートは、バッテリコントローラ35で行われる制御プログラムである。
【0018】
先ず、ステップS1において、IGN−SW6の状態を検出し、IGN−SW6がオン状態である場合にステップS2に処理を進める。
【0019】
ステップS2においては、周波数が1Hzの診断用の矩形波パルスを出力端子OUTから出力して、ステップS3に処理を進める。なお、本例では、地絡検知回路13の診断として出力する診断用矩形波パルスの周波数を1Hzとしたが、組電池5の地絡検知をするときに出力する地絡検知用の矩形波パルスよりも周期が長く低い周波数であって、地絡検知回路13側と組電池5側との絶縁に影響を与えない程度の周波数であればよい。
【0020】
ステップS3においては、第2比較器34から入力端子INに入力された入力パルスに基づいて、地絡検知回路13の診断を行う。このとき、所定間隔ごとに入力パルスをサンプリングし、各サンプリング時の入力パルスの振幅値を検出する。
【0021】
ここで、地絡検知回路13が正常動作しているときには、図3(a)に示すような周期T1(地絡検知時の矩形波パルスの周期T<<T1)矩形波パルスを出力端子OUTから出力した場合に、図3(b)に示すような入力パルスが入力端子INに入力される。このとき、図3(b)中の矢印時刻にてサンプリングをすることで地絡検知回路13の回路部分が正常動作していることを認識する。
【0022】
これに対し、図3(a)に示す矩形波パルスを出力した場合に、図4に示すように入力パルスがL(低)レベルの一定値でH(高)レベルにならない場合には、地絡検知回路13の回路部分の一部がGNDとショートしている故障が発生したと診断する。
【0023】
また、図3(a)に示す矩形波パルスを出力した場合に、図5に示すように入力パルスがH(高)レベルの一定値でL(低)レベルにならない場合には、地絡検知回路13の回路部分の一部が組電池5とショートしている故障が発生したと診断する。
【0024】
更に、図3(a)に示す矩形波パルスを出力した場合に、図6に示すように入力パルスのレベルが安定せず、不定値である場合には、地絡検知回路13の回路部分の一部が開放する故障が発生したと診断する。
【0025】
次に、ステップS4においては、ステップS3での診断結果を車両コントローラ4に送信する。このとき、バッテリコントローラ35は、地絡検知回路13が正常動作をしているとの診断結果、又は、地絡検知回路13がGNDとショートした故障の診断結果、地絡検知回路13が組電池5とショートした故障の診断結果、地絡検知回路13が開放した故障の診断結果を送信する。
【0026】
次のステップS5においては、ステップS3での診断の結果から、地絡検知回路13に故障が発生していると診断した場合には処理を終了し、地絡検知回路13に故障が発生していないと診断した場合にはステップS6に処理を進める。
【0027】
ステップS6においては、地絡検知回路13の外部ノイズ除去回路33を診断するために、周波数が100Hzの矩形波パルスを出力する。なお、本例では、外部ノイズ除去回路33の診断として出力する矩形波パルスの周波数を100Hzとしたが、組電池5の地絡検知をするときに出力する地絡検知用の矩形波パルスよりも周期が短く高い周波数であって、外部ノイズ除去回路33のコンデンサCに対する影響を大きくするような周波数であればよい。
【0028】
次のステップS7においては、ステップS6にて矩形波パルスを出力したことに応じて入力される入力パルスに基づいて、外部ノイズ除去回路33の診断を行う。
【0029】
ここで、外部ノイズ除去回路33が正常な場合には、図7(a)に示すような周期T2(地絡検知時の矩形波パルスの周期T>>T2)の矩形波パルスを出力端子OUTから出力した場合に、図7(b)に示すように、振幅がE2の入力パルスが入力端子INに入力される。このとき、図7(b)中の矢印時刻にてサンプリングをし、各サンプリングタイミングにてサンプリングした入力パルスの振幅値を所定値E2と比較する。
【0030】
入力パルスの振幅が所定値E2より小さい場合に外部ノイズ除去回路33のノイズ除去用コンデンサC及びノイズ除去用抵抗rの抵抗値が正常であることを認識する。これに対し、図7(a)に示す矩形波パルスを出力した場合に、所定値E2以上の振幅の入力パルスが入力された場合には、外部ノイズ除去回路33の抵抗rの抵抗値及びコンデンサC、又は抵抗Rの抵抗値が異常であると診断する。
【0031】
具体的には、図8に示すように、出力した矩形波パルスの振幅Eと同じ振幅の入力パルスが入力された場合には、コンデンサCの容量成分が無いことによる外部ノイズ除去回路33の故障が発生したと診断する。また、図9に示すように、所定値E2よりも大きい振幅E3の入力パルスが入力された場合には、抵抗RとコンデンサC又は抵抗rとコンデンサCの積分回路となったため、入力パルスの振幅E2よりも大きな振幅E3が入力されたと診断し、抵抗R又は抵抗rの抵抗値の故障と診断する。
【0032】
次のステップS8においては、ステップS7にて得た診断結果を車両コントローラ4に送信する。このとき、バッテリコントローラ35は、外部ノイズ除去回路33が正常動作をしているとの診断結果、又は、外部ノイズ除去回路33のコンデンサCが故障したとの診断結果、抵抗R又は抵抗rが故障したとの診断結果を送る。
【0033】
次のステップS9においては、ステップS7での診断の結果、外部ノイズ除去回路33又は抵抗Rに故障が発生していると診断した場合には処理を終了し、外部ノイズ除去回路33及び抵抗Rに故障が発生していないと診断した場合にはステップS10に処理を進める。
【0034】
ステップS10においては、出力端子OUTから周波数を100Hzとした矩形波パルスを出力してカップリングコンデンサ32の診断を行う。バッテリコントローラ35では、100Hzの矩形波パルスを出力しているときに、車両コントローラ4にてリレー3がオフ状態からオン状態にされたときの入力パルスの振幅変化を検出する。バッテリコントローラ35は、リレー3がオフ状態時の入力パルスの振幅とオン状態にした後の入力パルスの振幅とで振幅変化が無いと判定した場合にはカップリングコンデンサ32に異常があり、地絡検知回路13にて組電池5側の地絡検知が不能であると診断する。一方、オフ状態時の入力パルスの振幅とオン状態にした後の入力パルスの振幅とで振幅変化があると判定した場合にはカップリングコンデンサ32に異常が無いと診断する。
【0035】
例えば、リレー3がオフ状態のときに、図7(a)に示す100Hzの矩形波パルスを出力した場合に、入力端子INに入力される入力パルスの振幅が図10(a)に示すようにE2であるとする。このときにリレー3をオフ状態からオン状態にした場合に、入力端子INに入力される入力パルスの振幅が図10(b)に示すように、E2よりも小さい振幅E4になった場合には、カップリングコンデンサ32に異常がないと診断する。一方、リレー3をオフ状態からオン状態にした場合に、入力端子INに入力される入力パルスの振幅が図11に示すように、E2と同じ振幅E4である場合には、カップリングコンデンサ32に異常があると診断する。
【0036】
次のステップS11においては、ステップS10にて得た診断結果を車両コントローラ4に送信してステップS12に処理を進める。
【0037】
ステップS12においては、ステップS10での診断の結果、カップリングコンデンサ32が故障している場合には処理を終了し、カップリングコンデンサ32が故障していない場合にはステップS13に処理を進める。
【0038】
ステップS13においては、地絡検知を行うために、周波数が10Hzの矩形波パルスを出力端子OUTから出力して、ステップS14に処理を進める。
【0039】
ステップS14においては、ステップS13にて矩形波パルスを出力したことに応じて、入力端子INに入力された入力パルスの振幅が所定値以下か否かを判定する。ここで、ステップS13にて図12(a)に示すような矩形波パルスを出力して、図12(b)に示すような入力パルスが入力された場合に、入力パルスの振幅Einが所定値以下であると判定した場合には地絡が発生していると診断してステップS16に処理を進め、地絡が発生していないと判定した場合にはステップS14に処理を進めてステップS14及びステップS15を繰り返す。
【0040】
ステップS16においては、地絡検知回路13の診断を行うために、ステップS2と同様に周波数が1Hzの矩形波パルスを出力し、ステップS17ではステップS3と同様に地絡検知回路13の診断を行う。そして、次のステップS18において、地絡検知回路13の故障が発生していると判定した場合には地絡検知回路13の故障が発生した旨を車両コントローラ4に送信し(ステップS19)、地絡検知回路13の故障が発生していない場合には、地絡検知回路13が正常に動作して地絡検知したと判定して地絡が発生した旨を車両コントローラ4に送信する(ステップS20)。
【0041】
つぎに、車両コントローラ4で行う処理内容について図13のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
先ず、ステップS21において、IGN−SW6の状態を検出し、IGN−SW6がオン状態である場合にステップS22に処理を進める。
【0043】
ステップS22においては、リレー3をオフ状態に制御してステップS23に処理を進める。
【0044】
ステップS23においては、上述のステップS2〜ステップS4の処理をバッテリコントローラ35にて行うことによる診断結果を参照して地絡検知回路13の故障が発生したか否かを判定し、地絡検知回路13の故障が発生したと判定した場合には、地絡検知回路13が故障した旨を利用者に通知するようにステップS24にてインジケータ14を点灯させるように制御する。ここで、上述のステップS2〜ステップS4では、車両コントローラ4によりリレー3がオフにされた状態にて処理を行っている。
【0045】
一方、地絡検知回路13の故障が発生していないと判定した場合にはステップS25に処理を進め、リレー3をオフ状態からオン状態にするように制御をしてステップS26に処理を進める。
【0046】
ステップS26においては、上述のステップS6〜ステップS8の処理をバッテリコントローラ35にて行うことによる診断結果を参照して外部ノイズ除去回路33又は抵抗Rの故障が発生したか否かを判定し、外部ノイズ除去回路33又は抵抗Rの故障が発生したと判定した場合にはステップS24にてインジケータ14を点灯させるように制御する。
【0047】
一方、外部ノイズ除去回路33の故障が発生していないと判定した場合にはステップS27に処理を進め、上述のステップS10及びステップS11の処理をバッテリコントローラ35にて行うことによる診断結果を参照してカップリングコンデンサ32の故障が発生したか否かを判定し、カップリングコンデンサ32の故障が発生したと判定した場合にはステップS24にてインジケータ14を点灯させるように制御する。
【0048】
カップリングコンデンサ32の故障が発生していないと判定した場合にはステップS28に処理を進め、上述のステップS13〜ステップS19の処理をバッテリコントローラ35にて行うことによる診断結果を参照して地絡検知回路13の故障が発生したか否かを判定し、地絡検知回路13の故障が発生したと判定した場合にはステップS24にてインジケータ14を点灯させるように制御する。
【0049】
ここで、上述のステップS6〜ステップS20では、ステップS25にてリレー3がオンにされた状態にして診断を行っている。
【0050】
地絡検知回路13が故障していないと判定した場合には、ステップS29に処理を進め、上述のステップS13〜ステップS20の処理をバッテリコントローラ35にて行うことによる診断結果を参照して地絡が発生したか否かを判定する。地絡が発生したと判定した場合には、その旨を通知するようにステップS30にてインジケータ14を点灯させるように制御し、ステップS31にて車両走行を停止させるようにインバータ1及びモータ2を制御する。一方、地絡が発生していないと判定した場合にはステップS28及びステップS29の処理を繰り返す。
【0051】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、地絡検知回路13により地絡を検知する場合よりも周期の長い周波数の矩形波パルスを地絡検知回路13に出力したことに応じて入力される入力パルスに基づいて地絡検知回路13の故障診断を行うので、実際に組電池5を地絡させることなく地絡検知回路13の故障診断を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、入力パルスが一定値である場合に地絡検知回路13の短絡による故障と診断し、入力パルスの振幅が不定値である場合に地絡検知回路13の開放による故障と診断するので、容易に地絡検知回路13の短絡、開放による故障診断することができる。
【0053】
更に、本実施形態によれば、地絡検知回路13からの入力パルスに基づいて、組電池5と地絡検知回路13との短絡故障か、GNDと地絡検知回路13の短絡故障かを区別して診断することができる。
【0054】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13により地絡検知を行う場合に地絡検知回路13に出力する矩形波パルスの周波数よりも周期の短い周波数の矩形波パルスを地絡検知回路13に出力し、地絡検知回路13からの入力パルスに基づいて診断を行うので、地絡検知回路13を構成するコンデンサ及び抵抗値の故障診断を行うことができる。
【0055】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13の故障診断を、組電池5とインバータ1との間に設けられたリレー3がオフであるときに行うので、組電池5側の容量成分に対する影響を無くして地絡検知回路13の診断を行うことができる。
【0056】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13により地絡検知を行う場合に地絡検知回路13に出力する矩形波パルスの周波数よりも周期の短い周波数の矩形波パルスを地絡検知回路13に出力し、リレー3をオフ状態からオン状態にした場合の地絡検知回路13からの入力パルスの振幅変化に基づいて、カップリングコンデンサ32の故障診断を行うので、オフ状態での地絡検知回路13内の容量成分に応じた入力パルスに対する、オン状態での地絡検知回路13及び組電池5側の容量成分に応じた入力パルスの変化を検出してカップリングコンデンサ32の故障診断を行うことができる。
【0057】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13の診断の結果、地絡検知回路13が故障していない場合に、地絡検知回路13による地絡検知を行うので、地絡検知回路13が正常に動作する状態にて地絡検知をすることができ、確実に地絡検知をすることができる。
【0058】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13の診断の結果、地絡検知回路13が故障していると診断された場合に、その旨をインジケータ14にて報知するので、地絡検知回路13の修理を利用者に促すことができる。
【0059】
更にまた、本実施形態によれば、地絡検知回路13により地絡検知を行った結果、地絡が検知された場合に、その旨をインジケータ14にて報知するので、地絡検知回路13が故障していない状態にて地絡検知をしたことを利用者に提示することができる。
【0060】
なお請求の範囲と実施の形態の対応関係は以下の通りである。
【0061】
地絡検知回路13が地絡検知回路を、バッテリコントローラ35および図2のステップS13が第1の矩形波パルス出力手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS2が第2の矩形波パルス出力手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS6が第3の矩形波パルス出力手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS3が第1の診断手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS7が第2の診断手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS10が第3の診断手段を、ステップS3,ステップS7,ステップS10,ステップS14が電圧振幅検出手段を、バッテリコントローラ35および図2のステップS14が地絡検知手段を、それぞれ構成する。また、抵抗Rが第1の抵抗を、抵抗rが第2の抵抗を構成する。また、ノイズ除去回路33が、ノイズ除去回路を、リレー3がリレーを構成する。また、インジケータ14および図13のステップS24、ステップS30が報知手段を構成する。
【0062】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電気自動車の構成を示すブロック図である。
【図2】バッテリコントローラによる診断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】地絡検知回路の故障診断をするに際して出力端子OUTから出力する矩形波パルスの時間変化(a)、地絡検知回路に故障がない場合の入力端子INに入力する入力パルスの時間変化及びサンプリングタイミング(b)を示す図である。
【図4】地絡検知回路の一部がGNDとショートして故障している場合の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図5】地絡検知回路の一部が組電池とショートして故障している場合の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図6】地絡検知回路の一部が開放して故障している場合の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図7】地絡検知回路の故障診断をするに際して出力端子OUTから出力する矩形波パルスの時間変化(a)、地絡検知回路に故障がない場合の入力端子INに入力する入力パルスの時間変化及びサンプリングタイミング(b)を示す図である。
【図8】外部ノイズ除去回路のコンデンサの容量成分が無いことによる故障が発生した場合の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図9】外部ノイズ除去回路の抵抗値の故障が発生した場合の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図10】カップリングコンデンサが正常な場合における、リレーオフ時の入力パルスの時間変化(a)及びリレーオン時の入力パルスの時間変化(b)を示す図である。
【図11】カップリングコンデンサが故障した場合における、リレーオン時の入力パルスの時間変化を示す図である。
【図12】地絡検知回路により地絡検出をするときの矩形波パルスの時間変化(a)及び入力パルスの時間変化(b)を示す図である。
【図13】地絡検知回路の故障診断及び地絡検知回路による地絡検知をするときの車両コントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 インバータ
2 モータ
3 リレー
4 車両コントローラ
5 組電池
6 IGN−SW
7 ブレーキセンサ
8 アクセルセンサ
9 車速センサ
10 減速機
11 ドライブシャフト
12 タイヤ
13 地絡検知回路
14 インジケータ
21,41 CPU
22,42 ROM
23,43 RAM
31 第1比較器
32 カップリングコンデンサ
33 外部ノイズ除去回路
34 第2比較器
35 バッテリコントローラ
Claims (9)
- 少なくとも電源の母線に接続されたカップリングコンデンサと、
上記カップリングコンデンサに接続された第1の抵抗と、
上記第1の抵抗を介して上記カップリングコンデンサに、第1の周波数の矩形波パルスである矩形波パルスを供給する第1の矩形波パルス出力手段と、
上記第1の抵抗と上記カップリングコンデンサとの接続点の電圧振幅値を検出する電圧振幅検出手段と、
上記第1の矩形波パルスが供給された場合に、上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値に基づいて、地絡の発生を検知する地絡検知手段と、
を有する地絡検知回路の診断を行う故障診断装置において、
上記第1の周波数よりも小さい第2の周波数の矩形波パルスである第2の矩形波パルスを上記第1の抵抗を介して上記カップリングコンデンサに供給する第2の矩形波パルス出力手段と、
上記第2の矩形波パルスが供給された場合に、上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値に基づいて、上記地絡検知回路の診断を行う第1の診断手段とを備えることを特徴とする地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記第1の診断手段は、上記第2の矩形波パルス出力手段から第2の矩形波パルスが供給されている時に、
上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値が0である場合には、上記地絡検知回路が短絡していると判断し、
上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値が不定値である場合には、上記地絡検知回路が開放していると判断することを特徴とする請求項1に記載の地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記第1の診断手段は、上記第2の矩形波パルス出力手段から第2の矩形波パルスが供給されている時に、
上記電圧振幅検出手段により検出される電圧値が低レベルで電圧振幅が0であって且つ、電圧値が高レベルとならない場合には、上記地絡検知回路がグランドと短絡していると判断し、
上記電圧振幅検出手段により検出される電圧値が高レベルで電圧振幅が0であって且つ、電圧値が低レベルとならない場合には、上記地絡検知回路が電源と短絡していると判断することを特徴とする請求項2に記載の地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記地絡検知回路は、上記第1の抵抗と上記カップリングコンデンサとの接続点に接続された第2の抵抗と、当該第2の抵抗に接続されたコンデンサとから形成されたノイズ除去回路を有し、
上記電圧振幅検出手段は、上記第2の抵抗と上記コンデンサとの接続点の電圧振幅値を検出することによって、上記接続点の電圧振幅値を検出し、
上記第1の周波数よりも大きい第3の周波数の矩形波パルスである第3の矩形波パルスを上記第1の抵抗を介して上記カップリングコンデンサに供給する第3の矩形波パルス出力手段と、
上記第3の矩形波パルスが供給された場合に、上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値に基づいて、上記ノイズ除去回路の診断を行う第2の診断手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記電源の母線は、オンオフ制御をされるリレーを介して、上記電源からの電力によって駆動される交流回路と接続され、
上記第1の診断手段は、上記リレーがオフであるときに、上記地絡検知回路の診断を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記第1の周波数よりも大きい第3の周波数の矩形波パルスである第3の矩形波パルスを上記第1の抵抗を介して上記カップリングコンデンサに供給する第3の矩形波パルス出力手段と、
上記リレーがオフであり、上記第3の矩形波パルスが供給されたときに、上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値と、上記リレーがオンであり上記第2の矩形波パルスが供給されたときに、上記電圧振幅検出手段により検出される電圧振幅値との変化に基づいて、上記カップリングコンデンサの診断を行う第3の診断手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。 - 上記地絡検知手段は、少なくとも上記第1の診断手段の診断の結果、地絡検知回路が故障していないと判断される場合にのみ、地絡の検知を行うことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。
- 少なくとも上記第1の診断手段の診断の結果、地絡検知回路が故障していると判断される場合に、報知を行う報知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。
- 上記地絡検知手段により、地絡が検知された場合に、報知を行う報知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の地絡検知回路の故障診断装置。
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