JP4038844B2 - ディジタル信号再生装置、ディジタル信号再生方法、ディジタル信号記録装置、ディジタル信号記録方法及び記録媒体 - Google Patents

ディジタル信号再生装置、ディジタル信号再生方法、ディジタル信号記録装置、ディジタル信号記録方法及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ装置やビデオ装置等に用いて好適なディジタル信号再生装置及びディジタル信号再生方法に関し、特に、快適な音や映像を提供することが可能なディジタル信号再生装置、ディジタル信号再生方法、ディジタル信号記録装置、ディジタル信号記録方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々を取りまく自然界は、風,光,温度等の他時間的にも空間的にもゆらいでいる。この自然界のゆらぎ自身が人工的なものでは与えられない快適性の一要素になっていて、最近では生体になじむゆらぎとして1/fゆらぎが注目されている。
【0003】
1/fゆらぎを用いた電子機器としては、CD(Compact Disc)の再生音にホワイトノイズをHPF(High Pass Filter)を介して1/fゆらぎ特性に応じてイコライズされた信号を付加することが特開平2−160297号公報に開示されている。また、1/fゆらぎをビブラート効果を付加するパラメータ部を有することで音の周波数と大きさが快くゆらぐコーラス効果が付加されることが特開平4−275596号公報に開示されている。空間的ゆらぎを有する残響音を付加することが特開平4−280197号公報に開示されている。
【0004】
また、特公平7−28177号公報では、電流ゆらぎから得られる電圧変動に基づいて空調の温度,風量,あるいは風等のコントロールに利用することができることが開示されている。特開平7−262403号公報では、1/fゆらぎ特性を有する自然動画の合成について開示されている。特開平8−6562号公報では、CD再生信号を1/fゆらぎを有する音響信号に変換することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CD,DVCR(Digital Video Cassette Recoder),DVD(Digital Video Disc)等の登場により、オーディオ信号やビデオ信号のディジタル化が進んでいる。ディジタル化は上述のゆらぎ(ノイズ)を排除することに大きな意味があるのだが、これにより特にオーディオマニアには音の膨らみがないとの批判もある。実際、クラシック音楽の音響のパワー変動や周波数変動も1/fゆらぎをしていることが知られている。
【0006】
ディジタル化は、標本化や量子化をそれぞれサンプルホールド回路やA/D変換器により行うわけであるが、当然その幅や大きさは一定である。もちろん、ADPCM(Adaptive Differencial Pulse Code Modulation)のように適応的に量子化幅を変化させる方式もあるが、決定された幅にはゆらぎが無い。
【0007】
また、同一のマスターテープから取ったディジタル信号のCDとアナログ信号のLPレコードではCDの方が奥行き感がないとの評価があったり、1/fゆらぎの音楽が評判になっている。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、標本化あるいは量子化という行為にゆらぎを取り入れることによりディジタルのふかみの無さを取り快適さを増加せしめるディジタル信号再生装置、ディジタル信号再生方法、ディジタル信号記録装置、ディジタル信号記録方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係るディジタル信号再生装置は、1/fゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、ディジタル信号を再生する再生系と、上記ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換手段とを備え、上記ディジタル/アナログ変換手段は、上記ゆらぎ発生手段で発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、上記再生系で再生されたディジタル信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とする。
【0010】
そして、上記ディジタル信号再生装置は、ディジタル化されたオーディオデータやビデオデータの振幅方向に1/fゆらぎ特性を与えることができ、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を得ることができる。
【0011】
本発明に係るディジタル信号再生方法は、1/fゆらぎ信号を発生し、ディジタル信号を再生し、1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えることによって、ディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換することを特徴とする。
【0012】
そして、上記ディジタル信号再生方法は、ディジタル化されたオーディオデータやビデオデータの振幅方向に1/fゆらぎ特性を与えることができ、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を得ることができる。
【0013】
本発明に係るディジタル信号記録装置は、1/fゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、上記ディジタル信号を記録媒体に記録する記録系とを備えることを特徴とする。
【0014】
そして、上記ディジタル信号記録装置は、1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御してアナログ信号をディジタル信号に変換して、自然に近い快適な音声や映像ゆらぎのあるディジタル信号を記録媒体に記録する。
【0015】
本発明に係るディジタル信号記録方法は、1/fゆらぎ信号を発生し、発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、上記ディジタル信号を記録媒体に記録することを特徴とする。
【0016】
そして、上記ディジタル信号記録方法は、1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換して、自然に近い快適な音声や映像ゆらぎのあるディジタル信号を記録媒体に記録する。
【0017】
本発明に係る記録媒体は、1/fゆらぎ信号を発生し、ディジタル信号を再生し、上記1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換するためのプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る記録媒体は、1/fゆらぎ信号を発生し、発生された1/fゆらぎ信号に基づいてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を記録媒体に記録するためのプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
本発明は、再生されたディジタル信号に対して時間軸方向及び/又は振幅方向に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換して、快適な音声信号や映像信号を出力することができるようにしたものである。
【0021】
本発明に係るディジタル信号再生装置10は、例えば図1に示すように、記録媒体に記録されたディジタル信号を再生する再生系11と、再生されたディジタル信号に所定の信号処理を施すディジタル信号処理回路12と、D/A変換器13と、アパーチャ回路14と、ノイズ成分をカットするローパスフィルタ15と、信号を増幅するラインアンプ16と、各回路にマスタークロックMCKを供給するクロックジェネレータ17と、ゆらぎ関数発生回路18とを備える。
【0022】
再生系11は、例えば、磁気テープ,フロッピー(登録商標)ディスク,光ディスク等に記録されたディジタル信号を再生して、このディジタル信号をディジタル信号処理回路12に供給する。ディジタル信号処理回路12は、ディジタル信号に所定の信号処理を施してD/A変換器13に供給する。
【0023】
D/A変換器13は、クロックジェネレータ17からのマスタークロックMCKで駆動し、ディジタル信号処理回路12から供給されるディジタル信号を標本化されたアナログ信号に変換する。ここで、D/A変換器13は、図2に示すように、例えば0〜255の8ビットの量子化幅でディジタル信号をアナログ信号に変換するようになっている。この量子化幅は、設定部23の設定に基づいて変更可能である。
【0024】
アパーチャ回路14は、クロックジェネレータ17のマスタークロックMCKで駆動し、D/A変換器13からの標本化されたアナログ信号をサンプリング間隔Tで出力するようになっている。サンプリング間隔Tは、上記設定部23の設定に基づいて変更可能である。
【0025】
ローパスフィルタ15は、アパーチャ回路14からのアナログ信号の高帯域のノイズ成分を除去して、ラインアンプ16を介してアナログ信号を出力する。
【0026】
ゆらぎ関数発生回路18は、1/fゆらぎ,1/f1.5ゆらぎ,自然界の1/fゆらぎ等の1/fゆらぎ信号を発生して、この1/fゆらぎ信号をスイッチ19を介してD/A変換器13に供給する。また、ゆらぎ関数発生回路18は、上記1/fゆらぎ信号を切換回路20を介してアパーチャ回路14又はクロックジェネレータ17に供給する。なお、スイッチのオン/オフ、切換回路20の切換設定はそれぞれ独立に行われるようになっている。
【0027】
さらに、ゆらぎ関数発生回路18は、設定部24の設定に応じて1/f〜1/fの範囲内の1/fゆらぎ信号を発生したり、また、その1/fゆらぎ信号の出力レベルも調整できる。特に、1/f1.5ゆらぎは、心地よいと感じる人が多く、好ましい。
【0028】
以上のように構成されたディジタル信号再生装置10において、最初に、スイッチ19がオフで切換回路20が端子bに設定される場合について説明する。
【0029】
クロックジェネレータ17は、ゆらぎ関数発生回路18の1/fゆらぎ信号に基づいて1/fゆらぎの生じたマスタークロックMCKを発生して、このマスタークロックMCKをD/A変換器13,アパーチャ回路14,ローパスフィルタ15にそれぞれ供給する。
【0030】
D/A変換器13は、通常の量子化幅Aに振幅ゆらぎΔAが生じた量子化幅(A±ΔA)のアナログ信号に変換する。ここで、振幅ゆらぎΔAは1/fゆらぎになっているので、D/A変換器13は、アナログ信号の振幅方向(パワー軸方向)に1/fゆらぎを与えることができる。
【0031】
例えば、ディジタル信号の振幅値「11001001b」は、ディジタル/アナログ変換時に、10進法で「201」であるものの、1/fゆらぎに応じて「201.4」になったり「200.6」になったりする。
【0032】
なお、振幅ゆらぎΔAは、例えば、
ΔA=±0.5ビット
である。但し、ユーザの好みに応じてこの値を変えてもよいのは勿論である。
【0033】
アパーチャ回路14は、通常のサンプリング間隔Tに時間ゆらぎΔTが生じたサンプリング間隔(T±ΔT)で信号を出力するようになっている。ここで、時間ゆらぎΔTは1/fゆらぎになっているので、アパーチャ回路14は、アナログ信号の時間軸方向に1/fゆらぎを与えることができる。
【0034】
なお、時間ゆらぎΔTは、例えば
ΔT≒T/1000〜T/100
である。
【0035】
つぎに、スイッチ19がオフで切替回路20を端子aに設定されている場合では、D/A変換器13は、クロックジェネレータ17により駆動され、アナログ信号の振幅ゆらぎを与えることなく出力する。一方、アパーチャ回路14は、クロックジェネレータ17からのマスタークロックMCKに基づいて駆動され、さらにゆらぎ関数発生回路18からの1/fゆらぎ信号が供給される。従って、アパーチャ回路14は、上記1/fゆらぎ信号に基づいてサンプリング間隔Tゆらぎを与えてアナログ信号を出力するようになっている。
【0036】
スイッチ19がオンで切換回路20が端子aに設定されている場合では、D/A変換器13及びアパーチャ回路14には、ゆらぎ関数発生回路18からの1/fゆらぎ信号が供給される。従って、D/A変換器13は、振幅ゆらぎΔAにより量子化幅Aに1/fゆらぎを与え、アパーチャ回路14は、時間ゆらぎΔTによりサンプリング間隔Tに1/fゆらぎを与えることができる。
【0037】
また、上記ディジタル信号再生装置10は、クラシック音楽の演奏等の1/fゆらぎや名画の1/fゆらぎ等のデータが記録されているゆらぎデータROM(Read Only Memory)21と、D/A変換器13で得られるアナログ信号の振幅電圧値を制御する振幅制御回路22とを備える。
【0038】
ゆらぎデータROM21は、測定対象から出てくるゆらぎの定常時系列をバンドパスフィルタ(周波数帯域幅Δf)を通して観測されたゆらぎデータが記録されている。例えば、自然界の川のせせらぎ音等の1/fゆらぎデータが記録されている。また、抵抗に直流電流を流したときに発生する端子電圧ゆらぎは1/fゆらぎになっていることが知られており、これをゆらぎデータとしてもよい。さらに、各人に合わせて、1/f2〜1/fの範囲内のゆらぎデータを記録しておいてもよい。
【0039】
振幅制御回路22は、ゆらぎデータROM21のゆらぎデータに基づいてディジタル/アナログ変換時のアナログ信号の振幅電圧を制御する。従って、D/A変換器13は、クラシック音楽演奏時や川のせせらぎ等の1/fゆらぎをアナログ信号の振幅に与えて、快い音声信号や映像信号を出力することができる。
【0040】
なお、D/A変換器13に供給されるディジタル信号が映像信号であるときは、輝度信号,色差信号の何れか一方又は両方に適用してもよい。
【0041】
以上のように、本発明に係るディジタル信号再生装置10は、ディジタル信号の振幅方向と時間方向の格子を歪ませることによって、各方向に1/fゆらぎが与えられた音声信号や映像信号を得ることができる。この1/fゆらぎは、ノイズ・ジェネレータで人工的に発生された1/fゆらぎに比べて極めて自然であるので、極めて快適な音声信号や映像信号を得ることができる。
【0042】
例えば、実写とコンピュータ・グラフィックス(CG)からなる映画において、不自然な動きのするCGに上記1/fゆらぎを与えることで、実写とCGとを完全に融合させることができる。また、シンセサイザ等の電子楽器に本発明を適用して残響音やビブラートに1/fゆらぎを与えることで、自然な音声を出力することができる。
【0043】
また、ユーザによって量子化幅や標本化周期を調整して1/fゆらぎを加えることができるので、従来の無機質なディジタル再生音に変えて、ユーザの好みに応じて重量感があって深みのあるディジタル再生音を実現することができる。
【0044】
なお、ユーザは、記録媒体に記録されている所定のプログラムをインストールすることによって、上記ディジタル信号再生装置10を上述のように制御することも可能である。ここで、所定のプログラムとは、1/fゆらぎ信号を発生し、ディジタル信号を再生し、上記1/fゆらぎ信号に基づいてディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換するためのプログラムである。
【0045】
ここで、記録媒体に記録されているプログラムとしては、上記ディジタル/アナログ変換特性を制御するためには、例えば、ゆらぎ関数発生回路18から発生された1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えたり上記アナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えたりするプログラムが好ましい。
【0046】
一方、ディジタル信号記録装置30は、例えば図3に示すように、ラインアンプ31と、ローパスフィルタ32と、サンプルホールド回路33と、A/D変換器34と、ディジタル信号処理回路35と、記録系36と、クロックジェネレータ37と、ゆらぎ関数発生回路38とを備える。
【0047】
ラインアンプ31は、例えば音声信号や映像信号のアナログ信号が供給され、このアナログ信号を増幅してローパスフィルタ32に供給する。ローパスフィルタ32は、高帯域のノイズ成分の除去されたアナログ信号をサンプルホールド回路33に供給する。
【0048】
サンプルホールド回路33は、アナログ信号を所定の周波数でサンプリングして標本化したアナログ信号をA/D変換器34に供給する。A/D変換器34は、このアナログ信号の振幅値をディジタル信号に変換する。なお、サンプリングの周期や振幅値の量子化幅は、設定部41の設定に応じて調整できるようになっている。
【0049】
ディジタル信号処理回路35は、A/D変換器34から供給されるアナログ信号に例えばホワイトバランス調整やガンマ補正等を施して記録系36に供給する。記録系36は、例えば磁気テープ,フロッピーディスク(登録商標),光ディスク等の記録媒体に上記ディジタル信号を記録するようになっている。
【0050】
ここで、クロックジェネレータ37は、所定のマスタークロックMCKを発生して、ローパスフィルタ32,サンプルホールド回路33,A/D変換器34,記録系36を駆動させるようになっている。
【0051】
ゆらぎ関数発生回路38は、上述のゆらぎ関数発生回路18と同様の構成となっていて、1/fゆらぎ特性を有する1/fゆらぎ信号を発生する。なお、設定部42の設定に応じて1/f〜1/fの範囲内の1/fゆらぎ信号を発生したり、また、その1/fゆらぎ信号の出力レベル調節したりもできる。また、ゆらぎ関数発生回路38は、1/fゆらぎ信号を切換回路39を介してサンプルホールド回路33又はクロックジェネレータ37に供給し、また、スイッチ40を介してA/D変換器34に供給する。なお、切換回路39,スイッチ40は、それぞれ独立に切り換え制御されるようになっている。
【0052】
以上のように構成されたディジタル信号の記録装置において、例えば切換回路39が端子aに設定されスイッチ40がオフに設定された場合では、ゆらぎ関数発生回路38は、切換回路39を介して1/fゆらぎ信号をクロックジェネレータ37に供給する。クロックジェネレータ37は、この1/fゆらぎ信号に基づいてマスタークロックMCKに1/fゆらぎを与えて各回路に供給する。
【0053】
サンプルホールド回路33は、サンプリング周波数期間Tに時間ゆらぎΔTを与えて入力されたアナログ信号にサンプリング処理を施す。すなわち、サンプルホールド回路33は、入力されたアナログ信号の時間軸方向に1/fゆらぎを与えるようになっている。
【0054】
A/D変換器34は、サンプルホールド回路33でサンプリングされたアナログ信号の量子化幅Aに振幅ゆらぎΔAを与えて、アナログ信号をディジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器34は、アナログ信号の振幅方向(パワー軸方向)に1/fゆらぎを与えるようになっている。
【0055】
また、切換回路39が端子bに設定されてスイッチ40がオフの場合では、サンプルホールド回路33が、アナログ信号の時間軸方向に1/fゆらぎを与え、切換回路39が端子a,bに設定されずスイッチ40がオンの場合では、A/D変換器34が、アナログ信号の振幅方向に1/fゆらぎを与えるようになっている。
【0056】
以上のように、ユーザによってアナログ信号の振幅の量子化幅やサンプリング周期を調整して1/fゆらぎを加えることができるので、従来の無機質なディジタル再生音に変えて、ユーザの好みに応じて重量感があって深みのあるようにディジタル信号を記録媒体に記録することがきる。
【0057】
また、映像信号の場合では、輝度信号,色差信号の何れか一方又は両方に1/fゆらぎを与えるようにしてもよい。
【0058】
なお、ユーザは、記録媒体に記録されている所定のプログラムをインストールすることによって、上記ディジタル信号記録装置30を上述のように制御することも可能である。ここで、所定のプログラムとは、1/fゆらぎ信号を発生し、発生した1/fゆらぎ信号に基づいてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を記録媒体に記録するためのプログラムである。
【0059】
上記アナログ/ディジタル変換特性を制御するためには、例えば、ゆらぎ関数発生回路38から発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、上記アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えたり、上記アナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えたりするプログラムが好ましい。
【0060】
また、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、例えば通常のPCM(Pulse Code Modulation)だけでなく、ADPCM(Adaptive Pulse Code Modulation),ADM(Adaptive Delta Modulation)に適用することができるのは勿論である。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るディジタル信号再生装置によれば、ディジタル化されたオーディオデータやビデオデータの時間軸方向や振幅方向に1/fゆらぎ特性を与えることができ、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を得ることができる。
【0062】
また、本発明に係るディジタル信号再生方法によれば、ディジタル化されたオーディオデータやビデオデータの時間軸方向や振幅方向に1/fゆらぎ特性を与えることができ、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を得ることができる。
【0063】
本発明に係るディジタル信号記録装置によれば、アナログ/ディジタル変換手段が1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換することによって、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像からなるディジタル信号を記録媒体に記録することができる。
【0064】
本発明に係るディジタル信号記録方法によれば、1/fゆらぎ信号に基づいてアナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御してアナログ信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号を記録媒体に記録することによって、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像からなるディジタル信号を記録媒体に記録することができる。
【0065】
本発明に係る記録媒体によれば、1/fゆらぎ信号を発生し、ディジタル信号を再生し、上記1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換するためのプログラムを記録することによって、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を再生することができるようにディジタル信号再生装置を制御することができる。
【0066】
本発明に係る記録媒体によれば、1/fゆらぎ信号を発生し、発生された1/fゆらぎ信号に基づいてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を記録媒体に記録するためのプログラムが記録されていることによって、深みがあってより自然に近い快適な音声や映像を得ることができるようにディジタル信号記録装置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディジタル信号再生装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】ディジタル/アナログ変換する際の量子化幅と標本化周期Tの関係を示す図である。
【図3】本発明に係るディジタル信号記録装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 再生系、13 D/A変換器、14 アパーチャ回路、18 ゆらぎ関数発生回路、21 ゆらぎデータROM、22 振幅制御回路

Claims (33)

  1. 1/fゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、
    ディジタル信号を再生する再生系と、
    上記ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換手段とを備え、
    上記ディジタル/アナログ変換手段は、上記ゆらぎ発生手段で発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、上記再生系で再生されたディジタル信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とするディジタル信号再生装置。
  2. 上記量子化幅を設定する設定手段を備え、
    上記設定された量子化幅に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号再生装置。
  3. 上記ディジタル/アナログ変換手段は、上記ゆらぎ発生手段で発生した1/fゆらぎ信号に基づいて、上記アナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えて上記ディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号再生装置。
  4. 上記サンプリング間隔を設定する設定手段を備え、
    ディジタル/アナログ変換手段は、設定されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項3に記載のディジタル信号装置。
  5. 1/fゆらぎのレベルを設定する設定手段を備え、
    上記ゆらぎ発生手段は、上記設定手段の設定に基づいて、レベルの調整された1/f揺らぎ信号を発生することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号発生装置。
  6. 上記ゆらぎ発生手段は、記録媒体に記録されたゆらぎデータに基づいて上記1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号再生装置。
  7. 記録媒体に記録されたゆらぎのデータに基づいて、1/f (1<a<2)ゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、
    ディジタル信号を再生する再生系と、
    上記ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換手段とを備え、
    上記ディジタル/アナログ変換手段は、上記ゆらぎ発生手段で発生された1/f (1<a<2)ゆらぎ信号に基づいて、上記再生系で再生されたディジタル信号の量子化幅に1/f のゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とするディジタル信号再生装置。
  8. 上記ゆらぎ発生手段は、記録媒体に記録されている自然界の1/fゆらぎのデータに基づいて1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号再生装置。
  9. 1/fゆらぎ信号を発生し、
    ディジタル信号を再生し、
    1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えることによって、ディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換することを特徴とするディジタル信号再生方法。
  10. 上記量子化幅を設定し、
    上記設定された量子化幅に1/fゆらぎを与えることによって、上記ディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号再生方法。
  11. 上記発生された1/fゆらぎ信号に基づいて上記アナログ信号のサンプリング間隔にゆらぎを与えることによって、上記ディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号再生方法。
  12. 上記サンプリング間隔を設定し、
    設定されたアナログ信号のサンプリング間隔に上記1/fゆらぎを与えることによって 、上記ディジタル/アナログ変換特性を制御することを特徴とする請求項11に記載のディジタル信号再生方法。
  13. 1/fゆらぎのレベルを設定し、
    上記設定したゆらぎのレベルに基づいて、レベルの調整された1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号再生方法。
  14. 記録媒体に記録されたゆらぎデータに基づいて、上記1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号発生方法。
  15. 記録媒体に記録されたゆらぎデータに基づいて、1/f (1<a<2)ゆらぎ信号を発生し、
    ディジタル信号を再生し、
    1/f a ゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/f ゆらぎを与えることによって、ディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換することを特徴とするディジタル信号再生方法。
  16. 記録媒体に記録された自然界の1/fゆらぎデータに基づいて、1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号再生方法。
  17. 1/fゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、
    発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、
    上記ディジタル信号を記録媒体に記録する記録系とを備えるディジタル信号記録装置。
  18. 上記ゆらぎ発生手段で発生された1/fゆらぎ信号に基づいて入力されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与え、上記アナログ信号をサンプルホールドするサンプルホールド手段を備え、
    上記アナログ/ディジタル変換手段は、上記サンプルホールド手段でサンプルホールドされたアナログ信号をディジタル信号に変換することを特徴とする請求項17に記載のディジタル信号記録装置。
  19. 上記量子化幅を設定する設定手段を備え、
    上記設定された量子化幅に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項17に記載のディジタル信号記録装置。
  20. 上記サンプリング間隔を設定する設定手段を備え、
    上記サンプルホールド手段は、設定されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項18に記載のディジタル信号記録装置。
  21. 1/f (1<a<2)ゆらぎ信号を発生するゆらぎ発生手段と、
    発生された1/f (1<a<2)ゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/f (1<a<2)ゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、
    上記ディジタル信号を記録媒体に記録する記録系とを備えるディジタル信号記録装置。
  22. 1/fゆらぎのレベルを設定する設定手段を備え、
    上記ゆらぎ発生手段は、上記設定手段の設定に基づいて、レベルの調整された1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項17に記載のディジタル信号記録装置。
  23. 1/fゆらぎ信号を発生し、
    発生された1/fゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、上記ディジタル信号を記録媒体に記録することを特徴とするディジタル信号記録方法。
  24. 発生された1/fゆらぎ信号に基づいて入力されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与え、上記アナログ信号をサンプルホールドし、サンプルホールドされたアナログ信号をディジタル信号に変換することを特徴とする請求項23に記載のディジタル信号記録方法。
  25. 上記サンプリング間隔を設定し、設定されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項24に記載のディジタル信号 記録方法。
  26. 上記量子化幅を設定し、
    上記設定された量子化幅に1/fゆらぎを与えることを特徴とする請求項23に記載のディジタル信号記録方法。
  27. 1/f (1<a<2)ゆらぎ信号を発生し、
    発生された1/f (1<a<2)ゆらぎ信号に基づいて、アナログ信号の量子化幅に1/f a (1<a<2)ゆらぎを与えてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、上記ディジタル信号を記録媒体に記録することを特徴とするディジタル信号記録方法。
  28. 1/fゆらぎのレベルを設定し、設定に基づいてレベルの調整された1/fゆらぎ信号を発生することを特徴とする請求項23に記載のディジタル信号記録方法。
  29. 1/fゆらぎ信号を発生し、ディジタル信号を再生し、上記1/fゆらぎ信号に基づいて量子化幅に1/fゆらぎを与えてディジタル/アナログ変換特性を制御して上記再生されたディジタル信号をアナログ信号に変換するためのプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
  30. 上記発生された1/fゆらぎ信号に基づいて上記アナログ信号のサンプリング期間にゆらぎを与えて上記ディジタル/アナログ変換特性を制御するためのプログラムが記録されていることを特徴とする請求項29に記載の記録媒体。
  31. 1/fゆらぎ信号を発生し、発生された1/fゆらぎ信号に基づいてアナログ/ディジタル変換特性を制御して、アナログ信号をディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を記録媒体に記録するためのプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
  32. 発生された1/fゆらぎ信号に基づいて上記アナログ信号の量子化幅に1/fゆらぎを与えて、上記アナログ/デジタル変換特性を制御するプログラムが記録されていることを特徴とする請求項31に記載の記録媒体。
  33. 発生された1/fゆらぎ信号に基づいて入力されたアナログ信号のサンプリング間隔に1/fゆらぎを与え、上記アナログ/ディジタル変換特性を制御するプログラムが記録されていることを特徴とする請求項31に記載の記録媒体。
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