JP3308567B2 - ディジタル音声処理装置及びディジタル音声処理方法 - Google Patents
ディジタル音声処理装置及びディジタル音声処理方法Info
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Description
補聴器に関し、特に明瞭度向上のためのディジタル信号
処理を行うディジタル補聴器に関する。
は、従来アナログ回路を用いて音声の振幅及びその周波
数特性を加工するアナログ型補聴器が主に使用されてき
た。これに対し近年、ディジタル信号処理を応用したデ
ィジタル補聴器の研究開発が盛んに行われている。この
研究開発動向については、例えば日本音響学会誌(19
89年45巻7号、P549〜P555)「補聴器の最
近の動向」等に詳述されている。
理は、ディジタルシグナルプロセッサ(以下DSPと略
す)を使用したディジタル信号処理により行われる。そ
してその処理内容はプログラムによって記述されてい
る。このためディジタル補聴器は従来の補聴器に比較し
て、音声処理の内容の変更がメモリ上のプログラムの変
更で行え、個々の患者に対して音声の明瞭度を最大にす
るための調整がより容易に行えるようになる。
理には、難聴者の周波数分解能、時間分解能、スペクト
ル弁別能、音像合成能力等の劣化を補う処理がある。例
としてはディジタルフィルタを用いた周波数特性加工
や、子音−母音間への無音区間挿入などが挙げられる。
これらの処理については、例えば日本音響学会誌(19
87年43巻5号、P356〜P361)「音声特徴抽
出機能を備えたディジタル補聴器」等に詳述されてい
る。
補聴器に代わるという意味から、リアルタイム処理、す
なわち使用者に感じられない程度の時間遅れ内に全ての
処理が終了することが前提になっている。
聴者を対象とした場合、音声を加工してその明瞭度を向
上させるためには、単に音声の周波数特性を加工しただ
けでは効果が少なく、時間特性も同時に加工して「ゆっ
くり、はっきり」とした音声にする必要がある。ところ
が従来のアナログ型補聴器ではもちろん、ディジタル補
聴器においても上述のとおりリアルタイム性が前提とな
っているため、音声の明瞭度を向上させるための処理に
加えて、加工した音声を低速度で呈示する手段について
は考慮されていなかった。
聞き直すことで、相手の話している内容を理解すること
が多いが、1対1の対話以外の場面ではこの聞き直し動
作ができないため不自由を余儀なくされている。ところ
が従来の補聴器では、この聞き直し動作を補助するため
の手段については全く考慮されていなかった。
された音声を入力時よりも低速度で呈示する機能を有す
るディジタル補聴器を提供することにある。
音声を繰返し再生できる機能を有するディジタル補聴器
を提供することにある。
ジタル補聴器内に音声が録音される手段と、音声信号の
時間軸を伸長する信号処理手段を設けることにより、達
成される。
長時間の音声が録音される手段と、使用者が再生動作を
制御するための手段とを設けることにより、達成され
る。
録音手段によって録音された後、音声信号の時間軸を伸
長する処理が施されるので、加工処理後の音声が低速度
で使用者に呈示されるようになる。
手段を用いて、上記録音手段に録音された音声を繰返し
て再生することができるので、直接話者に対して聞き直
し動作ができない場面においても、直前に呈示された音
声を繰返し聞き直すことが可能となる。
に説明する。図1は、本発明のディジタル補聴器の構成
図である。本発明のディジタル補聴器1は、A/D変換
を行う手段11と、ディジタル信号処理を行う手段12
と、D/A変換を行う手段13と、録音を行う手段14
と、制御信号の入出力を行う手段15とからなる。また
ディジタル信号処理を行う手段12は音声の周波数特性
を加工する手段121と、音声を入力時とは異なる速度
で出力する手段122とからなる。
実施例の詳細な構成図を示す。本実施例におけるA/D
変換を行う手段11は、マイクロホン出力を増幅する増
幅器と、A/D変換器とからなる。同様に処理されたデ
ィジタル信号をD/A変換する手段13は、D/A変換
器とイヤホンを駆動するための増幅器とからなる。また
録音手段14はディジタル化された音声信号を保持する
半導体データメモリからなり、下記コントローラ4から
の信号の入出力を制御する手段15はI/O回路からな
る。さらに本実施例におけるディジタル信号処理を行う
手段12は格納したプログラムにより処理内容が定めら
れるデジタルシグナルプロセッサ(DSP)である。上
記のディジタル補聴器1には、音声を入力するためのマ
イクロホン2と、音声を出力するイヤホン3と、補聴器
の動作を制御するコントローラ4とが接続されて使用さ
れる。上記DSPに内蔵されているプログラムメモリ内
には、音声の周波数特性を加工する手段121として周
波数特性加工プログラムが、また音声を入力時とは異な
る速度で出力する手段122として音声の時間軸伸長を
行うプログラムが設けられている。
ので、上記の音声加工プログラムは、各個人の特性に合
わせて処理のパラメータを調整した後に上記プログラム
メモリに格納される。図3には、上述のパラメータ調整
を行うためのシステムを示す。図2に詳細を示したディ
ジタル補聴器1は、DSPエミュレータ6を通じてパソ
コン5と接続されている。DSPエミュレータ6とパソ
コン5は、ディジタル補聴器に内蔵されているDSPの
機能をパソコン上の特性調整用プログラム51を用いて
模擬する。この特性調整用プログラム51のパラメータ
を変更し、使用者の反応を参考にしながら、音声加工処
理の内容を使用者各個人に最適な処理となるように調整
する。調整後のパラメータを、実際にディジタル補聴器
1に内蔵するDSP中のプログラムメモリに保存し使用
する。
ズムの概念図を示す。このアルゴリズムは一般に時間領
域調波構造伸縮またはTDHSと呼ばれる処理で、重複
する長さ2Pずつの区間にそれぞれ三角形の重みをづけ
を掛けて加え合わせたものをPの長さに圧縮し、元の1
/2の周期で標本化するというものである。
ルゴリズムの概念図を示す。このアルゴリズムは元の音
声信号中の無音区間を検出し、この無音区間だけを伸長
する処理である。これらの処理はテープレコーダの低速
度再生とは異なり、元の音声のピッチを落すことなく低
速度で音声が呈示できる処理である。
動作モードを持つ。その1つはリアルタイムモードで、
使用者に感じられない程度の時間遅れ内に、全ての処理
が終了するモードである。この動作モードでは、A/D
変換器出力に対して高域強調やホルマント強調などの周
波数特性加工処理、およびリアルタイム性を失わない程
度の時間軸加工処理(例えば子音−母音間に数ミリ秒の
無音区間を挿入など)を行う。この動作モードにおいて
は、A/D変換出力は常にデータメモリへも格納され続
けている。なお、データメモリの容量を超えて録音が続
くときは、データメモリのアドレスを周期的に使用する
ことで、最も新しいデータだけが常に残るようにする。
された音声に対して加工処理を施す録音再生モードであ
る。このモードでは、リアルタイムモードで行われる処
理に加え、上述の時間軸伸長処理を施すことが可能であ
る。このモードの使用により、使用者は聞き直し動作が
行えるようになる。また、時間軸伸長処理の使用によ
り、録音時に実際に呈示された速度よりも遅い速度で音
声を再生することが可能となる。さらに、リアルタイム
モードでの処理と時間軸伸長処理を併用することで、録
音された音声を使用者の聴覚特性に合った、しかもゆっ
くりとした音声として聞くことが可能となる。
ィジタル補聴器を使用する。そして、直前に与えられた
音声を聞き直したい場合には録音再生モードを使用す
る。2つのモードの切り替え、録音再生モードにおける
再生の開始及び停止、およびデータメモリ上の再生開始
番地の設定は、コントローラからの制御信号によって行
う。使用者は使用状況に対応して、コントローラを通じ
これらの制御を行う。再生番地の設定については、例え
ば、コントローラ上のスイッチを1度押すと数秒前の音
声から再生が始まり、スイッチを押すごとに同じ時間間
隔だけ過去に遡って再生する方法などが考えられる。
を加工する信号処理をDSPを用いて行う例を示した
が、必要なディジタル信号処理を行う回路をゲートアレ
イ等のディジタル回路を用いて実現しても、上記の例と
全く同じ機能が実現できることは言うまでもない。
るように周波数特性が加工された音声を低速度で呈示す
ることができるので、時間分解能の劣る難聴者の聴覚特
性を補うことが可能となる。
を有することができるので、入力された音声を後に繰返
し再生することが可能となる。これにより、難聴者が聞
き直し動作ができないような場面でも、音声により与え
られる情報を理解することが可能になる。
長処理を行う場合には、低速度で再生する分だけ時間的
に余裕があるため、リアルタイム処理ではDSPの処理
速度の点から実現できなかった複雑な処理も、使用する
ことが可能となる。
である。
システムを示す構成図である。
ゴリズムの概念図である。
ゴリズムの概念図である。
12…ディジタル信号処理を行う手段、121…音声の
周波数特性を加工する手段、122…音声を入力時とは
異なる速度で出力する手段、13…D/A変換を行う手
段、14…録音を行う手段、15…制御信号を入出力す
る手段、2…マイクロホン、3…イヤホン、4…コント
ローラ、5…パソコン、51…特性調整用プログラム、
6…DSPエミュレータ。
Claims (4)
- 【請求項1】ディジタル化された音声に対して、その時
間軸を変えることなく周波数特性を変更する周波数加工
処理及びそのピッチを変えることなく音声の時間軸を伸
張する時間軸加工処理を行う処理手段と、 上記処理手段の上記周波数加工処理または上記時間軸加
工処理の開始及び終了を指示する制御手段とを備え、 上記処理手段は、周期性のある波形をもつ音声部分を時
間領域調波構造伸縮処理することにより、もしくは音声
の無音区間を伸張することにより、上記時間軸加工処理
を行うことを特徴とするディジタル音声処理装置。 - 【請求項2】請求項1記載のディジタル音声処理装置に
おいて、上記周波数加工処理もしくは上記時間軸加工処
理のためのパラメータは、ユーザの聴覚特性に合わせて
調整されることを特徴とするディジタル音声処理装置。 - 【請求項3】入力された音声信号をディジタル化するA
/D変換器と、上記A/D変換器から出力されるディジ
タル音声信号を保持するメモリと、上記A/D変換器か
ら出力されるもしくは上記メモリに保持された上記ディ
ジタル音声信号を加工処理するプロセッサと、上記加工
処理されたディジタル音声信号をアナログ信号に変換す
るD/A変換器とを有し、 上記プロセッサは、コントローラからの指示を受け、音
声の周波数特性を加工するプログラムと音声の時間軸を
伸張するプログラムとに従って上記ディジタル音声信号
を加工処理し、 上記音声の時間軸を伸張するプログラムは、周期性のあ
る波形をもつ音声部分を時間領域調波構造伸縮処理する
ことにより、もしくは音声の無音区間を伸張することに
より、音声の時間軸を伸張することを特徴とするディジ
タル音声処理装置。 - 【請求項4】ユーザによる第一モードと第二モードの選
択に従って、メモリに保持されたディジタル音声信号を
指示するステップと、 上記指示されたディジタル音声信号に対して、周波数特
性及び時間軸を加工処理するステップとを有し、 上記指示するステップにおいて、上記第一モードにおい
ては、上記メモリに保持されたディジタル音声信号を時
系列に指示し、上記第二モードにおいては、過去にさか
のぼって上記メモリに保持されたディジタル音声信号を
指示し、 上記加工処理するステップにおいて、周期性のある波形
をもつ音声の部分を時間領域調波構造伸縮処理すること
により、もしくは音声の無音区間を伸張することによ
り、上記時間軸の加工処理を行うことを特徴とするディ
ジタル音声処理方法。
Priority Applications (4)
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US08/462,268 US5794201A (en) | 1991-08-23 | 1995-06-05 | Digital acoustic signal processing apparatus |
US09/132,214 US6226605B1 (en) | 1991-08-23 | 1998-08-11 | Digital voice processing apparatus providing frequency characteristic processing and/or time scale expansion |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0556499A JPH0556499A (ja) | 1993-03-05 |
JP3308567B2 true JP3308567B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=16613017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21187291A Expired - Lifetime JP3308567B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | ディジタル音声処理装置及びディジタル音声処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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AU2000269773B2 (en) * | 2000-09-18 | 2006-03-02 | Phonak Ag | Method for controlling a transmission system, use of this method, transmission system, receiving unit and hearing aid |
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DE102006058317B4 (de) * | 2006-12-11 | 2012-07-19 | Siemens Audiologische Technik Gmbh | Selbstprogrammierendes Hörsystem mit einem Hörgerät und entsprechendes Verfahren |
JP6113437B2 (ja) * | 2012-08-23 | 2017-04-12 | 株式会社レーベン販売 | 補聴器 |
JP2015007683A (ja) * | 2013-06-25 | 2015-01-15 | 日本電気株式会社 | 音声処理器具、音声処理方法 |
-
1991
- 1991-08-23 JP JP21187291A patent/JP3308567B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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