JP4038440B2 - マルチパス生成装置、多重波フェージングシミュレータ及びマルチパス生成方法 - Google Patents
マルチパス生成装置、多重波フェージングシミュレータ及びマルチパス生成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に移動通信システム等の無線通信システムにおいて、マルチパス変動を模擬する時変マルチパス生成装置、該装置を用いた多重波フェージングシミュレータ及びマルチパス生成方法に関し、特に入力パラメータに対応する各伝搬パスのパラメータ(到来方向特性、位相特性、遅延特性、レベル特性)に時変パス変動を付加することにより時変マルチパスを生成する技法を用いた時変マルチパス生成装置、該装置を用いた多重波フェージングシミュレータ及びマルチパス生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に、基地局アンテナから電波を送信し、建物等で反射や回折を経て到達する電波を移動局が受信した場合の概念図を示す。図1の右側には、遅延プロファイルの例を示す。図1に示した遅延プロファイルにおいて、横軸は移動局に到来する電波の伝搬遅延時間(以下、時間遅延と呼ぶ)であり、縦軸は受信電力である。時間遅延、受信電力は絶対的なものであっても、相対的なものであっても良い。
【0003】
遅延プロファイルの▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼の電波は平面波(パス)と見なせる。時間遅延の最も小さいパスは基地局から最短距離で到達したパス▲1▼であり、時間遅延が▲1▼より大きなパスは遠方の建物や山岳等で反射、回折を経て到達したパスである。時間遅延が大きなパスほど伝搬距離が大きくなるために伝搬損失が増加し、反射、回折回数も増加するため受信電力は小さくなる傾向がある。
図2は、移動局が道路に沿って移動する度に測定した遅延プロファイルの測定例を示すグラフである(非特許文献1)。移動局の走行に伴ってパスの時間遅延と受信電力が刻々と変化している様子が分かる。
【0004】
移動通信システムにおいてある方式を設計する際にその方式がパス変動に耐えられるかどうかを判断するため、或いはその方式の中のパラメータの最適値を決定するため等に、基地局と移動局との間の空間における伝送品質をシミュレートするシミュレータが必要である。移動通信における伝送品質をシミュレーション装置で評価する場合等には、フェージングシミュレータを用いて、送信機から入力された変調信号にフェージングをかけて受信機に対して出力する。その際、フェージングシミュレータは、例えばITU(International Telecommunication Union)等で推奨されているプロファイルモデル(Vehicular-Bモデル(非特許文献2)に従いユーザが入力した時間遅延を有する伝搬波に変調信号を重畳した後、仲上−ライスフェージングあるいはレイリーフェージングをかけるか、又はレイトレースにより遅延プロファイルを計算した上で各時間遅延の伝搬波に変調信号を重畳した後、同様のフェージングをかけていた。
【0005】
伝送速度の低い従来の移動通信システムでは、受信レベル特性(例:レイリーフェージングモデル;非特許文献3)や遅延特性(例:等価伝送路モデル;非特許文献4)を考慮すれば十分であったため、実環境を正確に模擬したパスの伝搬特性を明らかにする必要はなかった。従って、複数のパスをベクトル合成したパスの変動として明らかにされている仲上−ライス分布やレイリー分布に従うレベル変動を、パス間での相関無しに与えるフェージングシミュレータが考えられていた。
【0006】
【非特許文献1】
進士昌明著 “無線通信の電波伝搬” 1992年 第210頁
【0007】
【非特許文献2】
ITU-R M.1225, "Guidelines for evaluations of radio transmission technologies for IMT-2000," 1997
【0008】
【非特許文献3】
Jakes W. C. Jr., ed. :“Microwave mobile communications”, John Wiley & Sons, Inc., New York , 1974
【0009】
【非特許文献4】
Y. Karasawa, T. Kuroda, and H. Iwai: “The equivalent transmission-path model, -A tool for analyzing error floor characteristics due to inter-symbol interference in Nakagami-Rice fading environments,” IEEE Trans. Veh. Technol. 46 [1] pp.194-202, 1997
【0010】
【非特許文献5】
:山田,富里,松本:「実伝搬データを用いた時空等化器のシステム評価」,信学技報A・P2000-96 (2000-10)
【0011】
【非特許文献6】
S. Ichitsubo, K. Tsunekawa, and Y. Ebine: “Multipath Propagation Model of Spatio-Temporal Dispersion Observed at Base Station in Urban Areas”, IEEE Journal on selected areas in communications, Vol.20, No.6, August 2002
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
例えば第4世代移動通信方式(広帯域伝送方式)においては、遅延時間軸上で不要なパスを除去する適応等化技術や空間軸(電波到来方向)上で不要なパスを分離するアダプティブアレーアンテナ(AAA)が必要不可欠であると考えられており、その実現に向けた研究開発が精力的に進められている(非特許文献5)。また、伝送速度を高速化(ビットレートを大きく)すればそれに応じて到来波を複数の伝搬遅延波(単一のパス、又は複数のパスを合成したもの)に分離することができるため、伝送速度の低い従来の伝送方式で問題であったフェージングの影響を軽減でき、高品質な通信が実現できる。そのため、高精度な伝送特性評価を行うためには送信局から送信された無線波が実伝搬路内を伝搬して受信局まで達するまでの複数の伝搬パスのそれぞれについて伝搬特性を再現できることが重要となる。
【0013】
パスの伝搬特性には、例えば伝搬遅延特性や到来方向特性があり、その形状の分析やモデル化の検討が盛んに進められている(非特許文献6)。例えば伝搬遅延特性に関しては、時間遅延に対して指数関数的に減衰する指数関数モデルでおおよそ近似できることが知られている(非特許文献3)。しかしながら、そのようなモデルに基づいた伝搬パスに対する時間変動特性の与え方は、単なる仲上−ライスフェージングやレイリーフェージング変動を重畳するという方法でしかなく、これらは複数のパスの合成結果として現れる変動特性を与えているに過ぎなかった。
【0014】
さらに、適応等化器やAAAを組み合わせた技術を用いる通信方式の評価を行うためには、パスの到来方向特性、遅延時間特性、及び受信レベル特性の全てを考慮したパスモデルが不可欠である。
【0015】
本来の各パス単位のレベル変動の要因として、周囲に存在する自動車、人体といった地物の移動によるパスの遮蔽を挙げる事ができる。さらに、移動局が移動する場合には、建物等によるパス遮蔽がそれに加わると考えることができる。これらの遮蔽によるレベル変動を各パスの変動として考慮すべきであるが、従来のフェージングシミュレータではそのような評価装置とはなっていなかった。
【0016】
また、受信局への到来方向がほぼ同じである伝搬波については、同一の遮蔽物によるパス遮蔽変動を受けている可能性が高く、従ってその変動特性には強い相関があるはずであるが、そのような空間的なパスの相関特性を考慮できるフェージングシミュレータは未だ提供されていない。
【0017】
そこで、本発明の一目的は、入力されたシミュレーション条件に対応する伝搬パスパラメータ(レベル特性、位相特性、時間遅延特性、到来方向特性)の時間変動特性(時変マルチパス変動)を、各パス単位で生成し、かつ空間的なパスの相関特性を考慮した時変パス特性として生成する時変マルチパス生成装置、該装置を用いた多重波フェージングシミュレータ及びマルチパス生成方法を提供することにある
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一特徴に従った、無線通信におけるマルチパス変動を模擬する時変マルチパス生成装置は、 複数の伝搬パスの生成条件を制御するパラメータ制御部; 複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルを記憶するデータ記憶部; パラメータ制御部から指定された乱数パラメータに基づき乱数を生成して出力する乱数生成部;及び データ記憶部から得たデータファイル及びパス生成パラメータ並びに乱数生成部から得た複数の乱数に基づいて複数の伝搬パス分の複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成し、それらを時系列的に並べて時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を伝搬パスの数だけ生成し、データ記憶部から得た初期値生成パラメータに基づき乱数生成部から出力された乱数を用いて初期振幅、初期位相、初期時間遅延及び初期到来方向を伝搬パスの各々のパスパラメータとして生成し、該複数の伝搬パスの各々の初期振幅及び初期位相に対してそれぞれ時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を個別に重畳して複数の時変伝搬パスを計算生成するパス生成部;
からなることを特徴とする。
【0019】
本発明の他の特徴に従った、無線通信におけるマルチパス変動を模擬する時変マルチパス生成装置は、 複数の伝搬パスの生成条件を制御するパラメータ制御部; 複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルを記憶するデータ記憶部; パラメータ制御部から指定された乱数パラメータに基づき乱数を生成して出力する乱数生成部; データ記憶部から得た遮蔽物パラメータ及び乱数生成部から得た乱数に基づき、複数の伝搬パスへの遮蔽特性としての複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成して出力する時変関数生成部;及び 該時変関数生成部から得た複数の伝搬パス分の複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成し、それらを時系列的に並べて時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を伝搬パスの数だけ生成し、データ記憶部から得た初期値生成パラメータに基づき乱数生成部から出力された乱数を用いて初期振幅、初期位相、初期時間遅延及び初期到来方向を伝搬パスの各々のパスパラメータとして生成し、該複数の伝搬パスの各々の初期振幅及び初期位相に対してそれぞれ時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を個別に重畳して複数の時変伝搬パスを計算生成するパス生成部; からなることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の特徴に従った、多重波フェージングシミュレータは、上記のような時変マルチパス生成装置; 該マルチパス生成装置から得た複数の時変伝搬パスの複素振幅を実部と虚部に分けてアナログ出力するパス出力部;及び 少なくとも1つのデジタル信号入力端子と,少なくとも1つのデジタル信号出力端子と,デジタル信号入力端子から入力される複数の信号から直交入力信号(Q成分)を作成し,複数の信号の入力信号(I成分)と該直交入力信号(Q成分)とを、それぞれN個の複数の縦続接続した遅延素子と乗算器からなるトランスバーサル回路に入力し、パス出力部から出力される各伝搬パスの初期時間遅延がトランスバーサル回路の遅延素子通過後の各段の合計遅延と等しくなる乗算器にそれぞれ入力し、遅延素子で遅延させた各デジタル信号にそれぞれのパス変動を乗算し、各遅延時間毎の乗算結果を加算して生成されるI成分及びQ成分の信号を再び合成する信号合成部を複数個(M個)有してパス出力部から出力されるアンテナ指向性利得パターン毎の時変伝搬パス出力(N×M個)に対して入力信号との信号合成を行い,該デジタル信号出力端子に出力する信号合成部;
から構成されることを特徴とする。
【0021】
本発明の他の特徴に従った、無線通信におけるマルチパス変動を模擬するための時変マルチパスを生成する方法は、 複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルをデータ記憶部に記憶する段階(S1); パラメータ制御部において、データ記憶部からパス生成パラメータファイルを読み出す段階(S1); パラメータ制御部において、M個のアンテナ指向性利得パターンファイル等のアンテナに関するデータファイルをデータ記憶部から読み出す段階(S2); 乱数生成部において、生成波のパスパラメータ初期値生成条件を満たす乱数を生成する段階(S3); パス生成部において、乱数に基づいてN個のパスパラメータの初期振幅値等の初期条件を設定する段階(S3);アンテナ指向性利得パターンファイルから得た到来波方向に対するアンテナ指向性利得を、N個の初期振幅値に乗算し、N×M個の伝搬パスパラメータを設定する段階(S3); パラメータ制御部において、データ記憶部から時変関数の定数パラメータ生成用条件ファイルを読み出す段階(S5); パス生成部5において、乱数生成部で生成した乱数に基づき時変関数の定数パラメータを決定する段階(S6); パス生成部5において、決定した時変関数の定数パラメータに基づき各N波のパスの時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性を生成し、それらを各波の振幅及び位相に対して演算することにより、各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性を生成する段階(S7); 及び生成した遮蔽変動特性に基づいて、時変マルチパスを生成する段階から構成される。
【0022】
本発明のさらに他の特徴に従った、無線通信におけるマルチパス変動を模擬するための時変マルチパスを生成する方法は、 複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルをデータ記憶部に記憶する段階(S1); パラメータ制御部において、データ記憶部からパス生成パラメータファイルを読み出す段階(S1); パラメータ制御部において、M個のアンテナ指向性利得パターンファイル等のアンテナに関するデータファイルをデータ記憶部から読み出す段階(S2); 乱数生成部において、生成波のパスパラメータ初期値生成条件を満たす乱数を生成する段階(S3); パス生成部において、乱数に基づいてN個のパスパラメータの初期振幅値等の初期条件を設定する段階(S3); アンテナ指向性利得パターンファイルから得た到来波方向に対するアンテナ指向性利得を、N個の初期振幅値に乗算し、N×M個の伝搬パスパラメータを設定する段階(S3); パラメータ制御部において、パス生成パラメータファイルに基づき計算モデルを指定する段階(S11); 乱数生成部において、遮蔽物のパラメータに対する各乱数を生成する段階(S12); 該乱数に基づき、時変関数生成部において、指定された計算モデルのN個の時変関数を生成する段階(S12); パス生成部5において、生成した時変関数に基づき各N波のパスの時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性を生成し、それらを各波の振幅及び位相に対して演算することにより、各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性を生成する段階(S13); 及び生成した遮蔽変動特性に基づいて、時変マルチパスを生成する段階 から構成される。
【0023】
【作用】
本発明は、各パスの合成結果としての変動特性である仲上−ライスフェージングやレイリーフェージングなどの変動を各パスの変動として模擬するのではなく、現実の伝搬路内で実際にパス変動の要因と考えられる車両や人体などの移動物体及び建物や構造物などの地物による遮蔽によって生じるパス変動を各パスの変動として与えるもので、そのようなパス変動を考慮することから更に空間的なパスの変動相関をも考慮できるパス変動を生成して多重波フェージングを模擬することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る時変マルチパス生成装置の構成例を示す図である。本明細書において「時変」とは、時間的変動の意味であり、例えばあるパスの初期値として与えた方向、位相、遅延等に対して時間的変動を与えるということを意味する。本実施形態に係る時変マルチパス生成装置9は、以下の処理部から構成される。すなわち、入力デバイス1、パラメータ入力・制御部2、データ記憶部3、乱数生成部4、パス生成部5、時変関数生成部6、出力データのバッファメモリ部7、時変伝搬パスの出力インターフェース部8から構成される。また、図4に本発明の多重波シミュレータの実施の形態を示す。多重波シミュレータ14は、時変伝搬パスの出力インターフェース部8、時変マルチパス生成装置9、パス出力部10、信号合成部11、デジタル信号入力端子12、デジタル信号出力端子13から構成される。以下に各部の説明を行う。
【0026】
入力デバイス1は、キーボード、マウス、フロッピー(登録商標)ディスク、メモリーカード、CD−ROM、DVD、MOなどから成り、パラメータ入力・制御部2において表示されるパス生成に必要な各種パラメータの入力、データ記憶部3に格納すべきデータファイル類の入出力を行うデバイスである。
【0027】
パラメータ入力・制御部2は、パス生成パラメータ、各種データファイルに関する情報を表示すると共に、入力デバイス1を用いて必要なパラメータの入力を行う。また、パス生成に必要な時変関数(時間を変数とした関数)やアンテナ指向性利得パターンなどのデータファイルを必要に応じて予めパラメータ入力・制御部2を介して入力され、データ記憶部3に格納する。データ記憶部3に予め必要なデータが記憶されている場合には、パラメータ入力・制御部3を介してデータを入力する必要はない。その場合には、単にパラメータ制御部として機能しても良い。更にパス生成のためのパラメータ指定等を行い、データ記憶部3、パス生成部5及び時変関数生成部6に対して必要な情報のやり取りを指示しながらパス生成の開始から終了までの制御を実行する。
【0028】
データ記憶部3には、パス生成パラメータファイル、時変関数ファイル、アンテナの指向性利得パターンファイル、到来波方向密度関数ファイル、分布関数ファイル等が保存される。
【0029】
パス生成パラメータファイルは、パラメータ入力・制御部2から入力された伝搬パスの周波数F[GHz]、生成波数N、出力アンテナブランチ数M、パスパラメータ初期値生成条件、遅延プロファイル関数指定、平均遅延スプレッドSD、時変関数タイプ指定値、定数パラメータ生成用条件ファイル、遮蔽時間間隔TA[sec]の平均値<TA>及び標準偏差σA、遮蔽振幅LB[dB]の平均値<LB>及び標準偏差σB、遮蔽発生時間間隔TC[sec]の平均値<TC>及び標準偏差σC、落込み係数Cdの平均値<Cd>及び標準偏差σCd、立ち上がり係数Crの平均値<Cr>及び標準偏差σCr、遮蔽時標準偏差σS(LB)、到来波角度差に対するパラメータ間相関特性ファイルρA(Ω)、ρB(Ω)、ρC(Ω)、遮蔽変動計算モデルファイル、遮蔽物寸法(Wh[m]、Dh[m]、Hh[m])の確率密度関数ファイル、伝搬パスへの遮蔽物体の進入角度θs[degree] の確率密度関数ファイル、送受信点間距離(最短パスの伝搬距離)L0、遮蔽物の進入位置Ld[m] の確率密度関数ファイル、遮蔽物の移動速度Vs[m/s] の確率密度関数ファイル、移動局の速度V[m/s]、データサンプリング間隔Dt[sec]等の情報から成る。
【0030】
時変関数ファイルには、パラメータ入力部2から入力されるパスの振幅及び位相に対する複数の遮蔽変動の関数Aj(t)、φj(t) が格納されている。
【0031】
アンテナの指向性利得パターンファイルには、シミュレーションにおいて使用する各種アンテナの指向性利得パターン(V偏波パターン及びH偏波パターン)が複数個格納され、それらは計算により作成されたものであっても測定により得られたものでもよく、同じフォーマットで記述されていないものであれば前記パラメータ入力・制御部2を介して同一フォーマットに変換したものが格納される。
【0032】
到来波方向密度関数ファイルは、到来波方向に対するパスの生起確率を規定した確率密度関数が複数個格納されており、それらはパス生成時に指定される環境条件に対してそれぞれ異なる確率密度関数が用いられる。
【0033】
分布関数ファイルには、各種環境条件に対する乱数生起用確率密度関数(指数分布関数、べき乗分布関数、一様分布関数等)が格納されている。
【0034】
乱数生成部4は、前記パラメータ入力・制御部2から指定された乱数生成パラメータに基づき各種乱数を要求された個数だけ生成し、パス生成部5及び時変関数生成部6に必要な乱数生成結果をわたす。前記パラメータ入力・制御部2からの生成要求が継続する場合には、前記パラメータ入力・制御部2から停止要求が出されるまで前記乱数の生成を繰り返し行い、パス生成部5及び時変関数生成部6に、生成した必要な乱数を繰り返しわたす。
【0035】
パス生成部5は、前記パラメータ入力・制御部2からの生成要求により、パス生成の開始及び停止を行う。パス生成部5はまず、前記パラメータ入力・制御部2から指定されるパス生成パラメータファイルの記述内容に基づき、伝搬パス数(N個とする)分のパスパラメータ(振幅、位相、時間遅延、到来方向)の初期値を前記乱数生成部4からの乱数生成結果に基づき設定する。パス生成部5で生成する時変遮蔽変動を前記データ記憶部3に格納した時変振幅関数及び時変位相関数を適用して生成するか、もしくは前記時変関数生成部6において新たに計算・生成される時変振幅関数及び時変位相関数を適用して生成するかは、前記パス生成パラメータファイルの記述内容に基づき選択される。
【0036】
データ記憶部3に格納した時変関数を適用する場合、時変関数は時変関数ファイルを読み込んで決まる。該時変関数が有する複数の定数パラメータは前記パス生成パラメータファイルの記述内容に基づき前記乱数生成部4に要求した乱数出力結果より生成し、N個の伝搬パス分の異なる時変関数を生成する。
【0037】
時変関数生成部6において新たに計算・生成される時変振幅関数及び時変位相関数を適用する場合、パス生成パラメータファイルの記述内容に基づく遮蔽計算モデルに従って時変関数生成部6が計算・出力する遮蔽変動特性(振幅、位相)の計算結果を時変関数として適用すると共に、前記パス生成パラメータファイルの記述内容に基づき前記乱数生成部4に要求した別の乱数出力結果より遮蔽条件を変えてN個の伝搬パス分の異なる時変関数を生成する。
【0038】
また、パス生成部5は、パラメータ入力・制御部2からの停止要求を受けるまで、前記手順を繰り返して時変関数をN個分ずつ生成し、それぞれの伝搬パスに対応する時変関数を時系列的に継続接続して連続する時変関数を生成する。このように生成したN個の連続時変振幅関数及びN個の連続時変位相関数を、それぞれN個の伝搬パスの初期振幅から減算しかつ初期位相に加算することにより、N個の伝搬パスの時変振幅特性及び時変位相特性の生成が実現される。
【0039】
図5に示すように、パス生成部5は、移動局の速度及び初期到来波方向(移動局の進行方向を基準に規定される)の情報から、各波の時間的位相回転Δφi(t)を次式で計算し、これをそれぞれのパスに対する初期位相に加算することにより、N個の伝搬パスの時変位相特性にドップラー位相回転の効果を与えることができる。
【0040】
【数1】
但し、V [m/sec]は移動局の速度、t[sec]は時間、Ωi=(θi,φi)はi番目の到来波の初期到来方向、λは波長である。
【0041】
更に、パス生成部5は、パス生成パラメータファイルの記述内容に基づき、指定されたアンテナの指向性利得パターンファイルのデータをパラメータ入力・制御部2を介してデータ記憶部3から読み込み、各パスの初期到来方向に応じた指向性利得を初期振幅に乗じて前記パス生成処理を行い、M個(M≧1)の複数のアンテナパターン毎にパス生成処理を実行してM個のグループに分けたN個の時変伝搬パスを出力することもできる。
【0042】
時変関数生成部6は、前記パラメータ入力・制御部2が指定したパス生成パラメータファイルの記述内容に基づき、指定された計算モデルとモデル計算に用いる各種計算条件を前記乱数生成部4の出力結果を用いて変更しながらN個の伝搬パス分の時変遮蔽特性(振幅,位相)を計算し、パス生成部5にその結果をわたす。パス生成部5あるいはパラメータ入力・制御部2の要求毎に必要な個数の時変遮蔽関数を計算して出力をつづけ、計算停止要求が来るまで実行を続ける。
【0043】
出力データのバッファメモリ部7は、パス生成部が生成した時変伝搬パスの出力データを一時的に格納し、パラメータ入力・制御部2からの停止要求が来ない場合は、該格納したデータが予め設定されたデータ容量の閾値を超えた時点で出力インターフェース部8にデータを転送し、パラメータ入力・制御部2からの停止要求が来た時点で格納されているデータ及びパス出力部5から転送されてくるデータを順次、全て出力インターフェース部8に転送する。
【0044】
図4を参照すると、時変伝搬パスの出力インターフェース部8は、パス生成部5で生成したN個の時変伝搬パス特性(時変振幅、時変位相、初期時間遅延、初期到来方向)の結果を図4に示すパス出力部9のような外部装置に出力するインターフェース部であり、生成データは一旦出力データのバッファメモリ部7に格納された後に本出力インターフェース部8に転送される。該時変特性は、N×M個の時系列的変動値として本インターフェース部8を介して外部装置に出力される。
【0045】
パス出力部10は、前記パス生成部5において計算生成され、前記出力インターフェース部8を介して得られるN個の複数の時変伝搬パスを時変振幅及び時変位相から複素振幅の実部と虚部の変動へと変換すると共に、デジタル/アナログ変換を行って2N×M個のアナログ信号を出力する。
【0046】
信号合成部11は、前記パス出力部10からのN個の複素振幅の実部時変信号wR (11) 〜wR (MN)とN個の複素振幅の虚部時変信号wI (11)〜wI (MN)を一つのグループとするM個のグループの時変伝搬パス信号を受信入力し、デジタル入力信号端子12において入力されたIF又はRF信号u(t)をM個に分配し、分配したそれぞれのデジタル信号毎に位相をπ/2だけ変化させた直交信号(Q成分)を作成し、前記デジタル入力信号(I成分:uI(t))とQ成分:uQ(t)をそれぞれN個の複数の遅延素子を縦続接続したトランスバーサル型回路(図16参照)に入力し、パス出力部10からのそれぞれの伝搬パスの時間遅延に対応するI成分のN個の遅延信号にN個の複素振幅の実部時変信号をそれぞれ乗算し、同様にQ成分のN個の遅延信号にN個の複素振幅の虚部時変信号をそれぞれ乗算し、それらを加算合成することにより、M個の合成信号y(M)(t)を生成し、デジタル信号出力端子13から出力する。入力信号と出力信号の関係を次式に示す。
【0047】
【数2】
ここに上式においては、キャリア成分表記を省略している。
【0048】
図6は、本実施形態に係る時変マルチパス生成装置9の動作を示すフローチャートである。以下にこのフローチャートの各ステップS1−S15に沿って本発明の動作を説明する。尚、本発明の時変マルチパス波の生成を実行する前に、パス生成パラメータファイル、時変関数ファイル、アンテナの指向性利得パターンファイル、到来波方向密度関数ファイル等のデータファイルがオペレータによって事前にデータ記憶部3に格納・保存されているものとする。
【0049】
S1:パラメータ入力・制御部2は、パス生成パラメータファイルをデータ記憶部3から読み出し、生成波数N、出力アンテナブランチ数Mに対応する生成データ格納用のメモリ領域を出力データ用バッファメモリ部7に確保する。パラメータ入力・制御2は、パス生成パラメータファイルをパス生成部5と共有しあるいはパス生成部5へも供給して、ステップ2(S2はステップ2を表す。)へと進む。
【0050】
S2:パラメータ入力・制御部2は、出力アンテナブランチ数Mに対応するM個のアンテナ指向性利得パターンファイルと到来波方向密度関数ファイルをデータ記憶部3から読み出して、ステップ3へと進む。
【0051】
S3:パス生成部5が、生成波のパスパラメータ初期値生成条件を満たす乱数生成・出力を乱数生成部4に対して要求し、乱数生成部4により生成した乱数を得る。この乱数によりN個のパスパラメータの初期条件(初期振幅、初期位相、初期時間遅延、初期到来方向)を設定する。
【0052】
初期振幅及び初期時間遅延は、例えばパス生成パラメータファイル内で指定される遅延プロファイル関数指定が指数分布関数(係数は指定値)であれば、生成波の遅延時間間隔をΔT、生成波数N、平均遅延スプレッド値SDによりN波の初期振幅及び初期時間遅延がそれぞれ決定される。また初期位相は、例えば[0,2π]の範囲で一様分布であるとすれば、一様乱数をN個生成することにより決定され初期到来方向は到来波方向密度関数ファイルに基づき、この到来波方向密度関数に従う乱数をN個生成することにより決定される。これらの初期値を与えるための乱数生成をどのように生成するかは、パス生成パラメータファイルで指定されるパスパラメータ初期値生成条件によって規定される。
【0053】
N個のパスパラメータの初期値を決定した後、それぞれの到来波方向に対するアンテナ指向性利得をデータ記憶部3内のアンテナ指向性利得パターンファイルから読み出して初期振幅値に乗算し、アンテナブランチ数M個に対するN×M個の伝搬パスパラメータを設定して、判断ステップ4へと進む。
【0054】
図7は、パス数:10、遅延プロファイルの形状:矩形型、遅延スプレッド:1[μsec]、到来方向特性:[0, 2π]の一様分布、位相特性:[0, 2π]の一様分布及び移動局の速度:0[m/s]としたパスパラメータ初期値生成条件により生成したパスパラメータ初期値を示した3種のグラフである。図7(a)は初期時間遅延と初期振幅を表す遅延プロファイル、図7(b)は初期位相、図7(c)は初期到来方向を示している。例えば、上記のような条件により、生成波のパスパラメータ初期値生成条件を規定する。
【0055】
S4:パラメータ入力・制御部2は、データ記憶部3から得たパス生成パラメータファイルの時変関数タイプ指定値に従って、時変関数をデータ記憶部3に格納した関数を用いるのか、それとも時変空間生成部6におけるモデル計算によって新たに生成するのかを選択する。通常、この選択はパス生成パラメータファイルの時変関数タイプ指定値に従ってなされるため、本判断ステップ4において、それ以降のステップ5又はステップ11のいずれに進むのかを選択することになる(ステップ5又はステップ11に進む)。
【0056】
S5:パラメータ入力・制御部2は、データ記憶部3から時変関数ファイルを読み込み、それをパス生成部5と共有しあるいはパス生成部5へと供給する。該時変関数ファイルに基づき、時変関数のタイプを決定すると共に該関数の定数パラメータ生成用条件ファイルをデータ記憶部3内のパス生成パラメータファイルから読み込む。また、データサンプリング間隔及び到来波角度差に対するパラメータ間相関特性ファイルも読み込んで、ステップ6へと進む。
【0057】
S6:パス生成部5は、パス生成パラメータファイル内の遮蔽時間間隔TA、遮蔽振幅LB、遮蔽発生時間間隔TCに対する確率密度関数に従う乱数の生成・出力を乱数生成部4に対して要求してその乱数を得る。このとき、これらの乱数に相関を与える必要がある場合には、到来波角度差に対するパラメータ間相関特性ファイルで規定される初期到来方向の差に応じた相関を与えて乱数発生を要求してその乱数を得る。このようにして得られた乱数により選択された時変関数の定数パラメータを決定して、ステップ7へと進む。
【0058】
ここで人などによる遮蔽を表した図8のグラフを参照して、時変関数ファイルとして与える時変振幅関数の例を説明する。図8(a)に示す関数f(t)においてTA[sec]は遮蔽時間間隔、LB[dB]は遮蔽振幅、TC[sec]は遮蔽発生時間間隔であり、これらの値により図8(b)に示すような関数形に変形できるので、関数形を決める定数パラメータとなる。そこで、これらの定数パラメータを決める条件として、例えば、遮蔽時間間隔TA[sec]が平均値<TA>[sec]及び標準偏差σA[sec]の正規分布に従い、遮蔽振幅LB[dB]が平均値<LB>[dB]及び標準偏差σB[dB]の正規分布に従い、かつ遮蔽発生時間間隔TC[sec]が平均値<TC>[sec]及び標準偏差σC[sec]の正規分布に従うと規定してあれば、それぞれの分布に従うN個の正規乱数を別々に乱数生成部4に要求して得ることができる。
【0059】
図9は、トラックやバス等の大きな物による遮蔽を表した、時変関数ファイルとして与える時変振幅関数の別の例を示す図である。図9(a)に示す関数g(t)においてTA[sec]は遮蔽時間間隔、LB[dB]は遮蔽振幅、TC[sec]は遮蔽発生時間間隔、Cd[dB/sec]は落込み係数、Cr[dB/sec]は立ち上がり係数、σS[dB]は遮蔽時標準偏差である。これらの値に依存して図9(b)に示すような関数形に変形できるので、関数形を決める定数パラメータとなる。そこで、これらの定数パラメータを決める条件として、例えば、遮蔽時間間隔TA[sec]が平均値<TA>[sec]及び標準偏差σA[sec]の正規分布に従い、遮蔽振幅LB[dB]が平均値<LB>[dB]及び標準偏差σB[dB]の正規分布に従い、遮蔽発生時間間隔TC[sec]が平均値<TC>[sec]及び標準偏差σC[sec]の正規分布に従い、落込み係数Cd[dB/sec]が平均値<Cd>[dB/sec]及び標準偏差σCd[dB/sec] の正規分布に従い、立ち上がり係数Cr[dB/sec]が平均値<Cr>[dB/sec]及び標準偏差σCr[dB/sec] の正規分布に従い、かつ遮蔽時変動が平均値0及び標準偏差σS[dB]の正規分布に従うと規定してあれば、それぞれの分布に従うN個の正規乱数を別々に乱数生成部4に要求して得ることができる。図8(人による遮蔽)及び図9(トラック、バス等の大きな物による遮蔽)で示した時変関数として、予め想定した環境条件に応じたものを用意しておく。従って、本発明ではそれらを時変関数ファイルとして必要なだけデータ記憶部3に格納することにより任意に実現できる。
【0060】
S7:パス生成部5が、ステップ6で決定した時変関数の定数パラメータに基づき、各N波のパスの時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性を生成し、各波の振幅及び位相に対して時系列的に該時変遮蔽振幅特性を減算及び該時変遮蔽位相特性を加算することにより、各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性を生成する。それと同時に、パス生成部5は、移動局の速度及び初期到来波方向(移動局の進行方向を基準に規定される)の情報から、各波の時間的位相回転Δφi(t)を式(1)で計算し、これをそれぞれのパスについての初期位相に加算することにより、N個の伝搬パスの時変位相特性にドップラー位相回転の効果を与えることができる。そしてステップ8へと進む。
【0061】
S8:パス生成部5が、次回の乱数発生によって継続加算される時変データが現在の結果に影響を及ばさないデータであることを確認し、出力データとしてバッファメモリ7への転送を開始する(ステップ9に進む)。
【0062】
S9:パス生成部5が、生成した各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性の生成データを順次繰り返し、時系列的に継続接続・加算して出力データを生成し続ける。すなわち、パス生成部5は、パラメータ入力・制御部2からのパス生成停止要求が有るか否かをチェックし、停止要求が無い場合にはステップ6に戻って各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性の生成を繰り返す。この際、各パスの振幅及び位相に加減算する時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性は遮蔽発生時間間隔毎に継続接続して生成する。
【0063】
従って、遮蔽時間間隔TA[sec]が遮蔽発生時間間隔TC[sec]よりも大きい値になる場合には、図10に示すように遮蔽時間が重複する(図10(b)の上のグラフ参照)。この場合にはこれら2つの遮蔽特性を単純加算したものを時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性とする(図10(b)の下のグラフ参照)。
【0064】
一方、パラメータ入力・制御部2からパス生成停止要求が有る場合には、停止要求が生じるまでの生成データを出力データのバッファメモリ7に転送して終了し、ステップ10へと進む。
【0065】
S10:出力データのバッファメモリ部7が、パス生成部5から転送されてきた生成データを格納すると共に、予め設定しておいた規定データ量を超えた時点から該格納データを出力インターフェース部8に対して出力する。このとき、パラメータ入力・制御部2からの実行停止要求が有れば、バッファメモリ部7のメモリ使用容量が前記規定データ量を下回っても全てのデータを吐き出すまで該格納データを出力インターフェース部8に対して出力して終了する(パス生成終了)。
【0066】
S11:パラメータ入力・制御部2が、先ず、パス生成パラメータファイルの遮蔽変動計算モデルファイル、伝搬パスの周波数F[GHz]及び送受信点間距離(最短パスの伝搬距離)L0[m]に基づき、時変関数生成部4に対して計算モデルを指定して、ステップ12へと進む。
【0067】
S12:パス生成部5が、遮蔽物寸法(Wh[m],Dh[m],Hh[m])の確率密度関数、伝搬パスへの遮蔽物体の進入角度θs[degree] の確率密度関数、遮蔽物の進入位置Ld[m] の確率密度関数、遮蔽物の移動速度Vs[m/s] の確率密度関数にそれぞれ従うような、遮蔽物寸法(Wh[m],Dh[m],Hh[m])、伝搬パスへの遮蔽物体の進入角度θs[degree]、遮蔽物の進入位置Ld[m]、遮蔽物の移動速度Vs[m/s]に対する各乱数を、乱数生成部4に対して要求して生成させて各乱数を得る。こうして得た乱数パラメータを時変関数生成部6へと転送して、計算モデルの各種パラメータを決定し、時変関数生成部6にそのモデルでのN個の時変関数の生成を要求する。このとき、これらの乱数生成に相関を与える必要がある場合には、到来波角度差に対するパラメータ間相関特性ファイルで規定される初期到来方向の差に応じた相関を与えて乱数発生を要求して乱数を得る。その後ステップ13へと進む。
【0068】
図11に、計算モデルによって時変振幅関数及び時変位相関数を生成する場合の計算手順のモデルのフローチャートを示す。
【0069】
図12に計算モデルの概要を図示する。図12に示す実施例で示す計算モデルにおいては、送受信点間距離(最短パスの伝搬距離)L0[m]、伝搬パスの周波数F[GHz]、移動局からの遮蔽物の進入位置Ld[m]、遮蔽物の進入角度θ[degree]を与え、また遮蔽物の大きさを短半径a[m]、長半径b[m]の楕円柱として与えている。遮蔽物が完全に見通し内のパス上に存在するとき、受信電界Eは以下のように表される。
【0070】
【数3】
ここで、E1,E2はそれぞれナイフエッジ1,2にて回折し到来する電波の電界強度である。
さらに、E1,E2は式(3)の形で与えられる。
【0071】
【数4】
ここで、Efは遮蔽物がない場合の受信点における自由空間電界であり、
【0072】
【数5】
ただしPは送信アンテナの放射電力である。C、Sはフレネル積分であり、次のように表される。
【0073】
【数6】
ここでωはクリアランス関数と呼ばれ、
【0074】
【数7】
と表される。L0は送受信間距離[m]、λは波長[m]、(x1, y1), (x2, y2) は図12で示すナイフエッジ1,2の座標を意味する。
【0075】
図11を参照しながら、本計算モデルによる時変関数の計算手順を説明する。先ずステップS401において、送受信点間距離(最短パスの伝搬距離)L0[m]及び移動局からの遮蔽物の進入位置Ld[m]、遮蔽物の進入角度θ[degree]、及び遮蔽物寸法(本モデルでは、短半径a[m]、長半径b[m]の楕円柱を仮定)のパラメータを用いて遮蔽物の中心が見通し線上に位置する場合のナイフエッジ1,2の位置を決め、ナイフエッジ1及びナイフエッジ2での回折パスの電界E1, E2 を計算し、式(2)にてベクトル合成した電界E を求める。
【0076】
ステップS402において、遮蔽物の位置を見通し線からデータサンプリング間隔×遮蔽物の速度[m]で決まるステップ距離だけ戻し(図12において下方向)、ステップS401と同様にナイフエッジ1,2の位置を決定し、回折パス1,2の電界を計算し、ベクトル合成した電界Eを求める。受信電界Eが遮蔽物が無い状態における電界(直接波の電界)Efを上回るまで遮蔽物の位置をステップ距離だけ繰り返し戻してこの手順を続ける。
【0077】
ステップS403において、遮蔽物の位置を見通し線からデータサンプリング間隔×遮蔽物の速度[m] で決まるステップ距離だけ進めた(図12において上方向)位置とし、ステップS401と同様にナイフエッジ1,2の位置を決定し、回折パス1,2の電界を計算し、ベクトル合成した電界Eを求める。この手順を、電界Eが遮蔽物が無い状態におけるレベルを上回るまで遮蔽物の位置をステップ距離だけ繰り返し進めて続ける。
【0078】
ステップS404において、ステップS401、ステップS402及びS403で求めた電界Eの振幅及び位相を遮蔽物の移動時間に対応させ、時変関数としてメモリ領域に保存する。
【0079】
図13はL0=13.5[m]、F=7[GHz]、Ld=3[m]、θ=45[deg]及びa=0.49[m]、b=0.20[m]の計算モデルパラメータを仮定した場合の受信電力変動の計算例を図示(実線)しており、受信電力Pと電界Eとの関係は次式で与えられる。
【0080】
【数8】
図13には、同条件で行った測定結果も併せて示してある(点線)。尚、測定では遮蔽物を人体としており、横軸は見通し線上に人体が存在している場合の位置を基準としている。図13より、受信電力変動特性、即ち時変振幅関数は本計算モデルで良く近似できていることが分かる。
【0081】
S13:時変関数生成部6で生成されるN個の時変関数(時変振幅関数及び時変位相関数)が各N波のパスの時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性であることから、パス生成部5がこれらを各波の振幅及び位相に対して時系列的に該時変遮蔽振幅特性を減算しかつ該時変遮蔽位相特性を加算することにより、各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性を生成する。それと同時に、パス生成部5は、移動局の速度及び初期到来波方向(移動局の進行方向を基準に規定される)の情報から、各波の時間的位相回転Δφi(t)を式(1)で計算し、これをそれぞれのパスに対する初期位相に加算することにより、N個の伝搬パスの時変位相特性にドップラー位相回転の効果を与えることができる。その後ステップ14に進む。
【0082】
S14:ステップ12で決定した各乱数に基づき、ステップ13で生成した各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性の生成データを、次のステップ15において順次繰り返し図10に示すように時系列的に継続接続・加算して出力データを生成し続けるが、本ステップ14において、パス生成部5が、次の乱数発生によって継続加算される時変データが現在の結果に影響を及ばさないデータであることを確認して、出力データとしてバッファメモリ7への転送を開始する(ステップ15に進む)。
【0083】
S15:パス生成部5は、パラメータ入力・制御部2からのパス生成停止要求が有るか否かをチェックし、停止要求が無い場合にはステップ12に戻り各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性の生成を繰り返す。この際、各パスの振幅及び位相に加減算する時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性は遮蔽発生時間間隔毎に継続接続して生成する。従って、ステップ9で記述したように、図10に示すような遮蔽時間が重複する時変特性を生成する場合がある。この場合にはこれら2つの遮蔽特性を単純加算したものを時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性とする。
【0084】
一方、パラメータ入力・制御部2からのパス生成停止要求が有る場合には、停止要求が生じるまでの生成データを出力データのバッファメモリ7に転送して終了し、ステップ10へと進む。
【0085】
図14は、各パスにレベル変動を与え終わった状態の例を示すグラフである。遮蔽発生間隔は平均値0.5[sec]の指数分布とし、移動局の速度は0[m/s]、各遮蔽に対し全く同一の進入位置、進入角度、遮蔽物の大きさ、及び遮蔽物の移動速度を与えた場合の各パスの時変振幅変動の一例である。本例では各遮蔽の遮蔽振幅LB は10[dB]、遮蔽時間間隔TAは1[sec]となっており、また、図10に示すような遮蔽の重複がない場合の例である。これらの遮蔽変動を与える条件は、ここに表記した条件に留まらず、模擬しようとする環境条件に応じた計算条件に代えられるものである。
【0086】
図15に、本実施形態に係る多重波シミュレータ13(図4)のパス出力部10の構成例を示す。パス出力部10は、実部/虚部分離変換部15、D/A変換器16から構成される。実部/虚部分離変換部15は、時変マルチパス生成装置から入力されるM×N個の伝搬パス変動の時変複素振幅を実部及び虚部の信号に分離し、D/A変換器16に出力する。M×2N個のD/A変換器16は、デジタル/アナログ変換を行い、時変パス信号をアナログ信号として出力する。
【0087】
図16に、本実施形態に係る多重波シミュレータ14の信号合成部11の構成例を示す。信号合成部11は、直交信号生成器17、トランスバーサル型回路18、遅延素子19、乗算器20、加算器21から構成される。各乗算器20には乗算ウェイトとしてパス出力部10のアナログ出力を与える。直交信号生成器17はデジタル信号入力端子12から入力された信号(I成分)から直交信号(Q成分)を生成する。I成分及びQ成分はそれぞれ第1信号から第M信号までM分割される。ここで、Nはパスの数であり、Mはアンテナの数である。I成分の第1信号は第I-1番、第2信号は第I-2番、…第M信号は第I-M番のトランスバーサル型回路18に入力される。同様にQ成分の第1信号は第Q-1番、第2信号は第Q-2番、…第M信号は第Q-M番のトランスバーサル型回路18に入力される。
【0088】
このような構成となっているので、パス出力部10の出力は、アンテナの個数Mに対応するM個のグループ化されたN個のパス信号であり、それぞれ実部信号と虚部信号がある。即ち、wR (11), wR (12),…wR (1N),wR (21), wR (22),…wR (2N),…,wR (M1), wR (M2),…wR (MN),及びwI (11), wI (12),…wI (1N),wI (21), wI (22),…wI (2N),…,wI (M1), wI (M2),…wI (MN)の信号が出力される。
【0089】
また、各乗算器20に与えるウェイトは第I-1番のトランスバーサル型回路18の場合は前段から後段に向ってそれぞれwR (11), wR (12),…wR (1N)のパス変動信号を与え、第I-M番のトランスバーサル型回路18の場合は前段から後段に向ってそれぞれwR (M1), wR (M2),…wR (MN)のパス変動信号を与える。同様にして、第Q-1番のトランスバーサル型回路18の場合は前段から後段に向ってそれぞれwI (11), wI (12),…wI (1N)のパス変動信号を与え、第Q-M番のトランスバーサル型回路18の場合は前段から後段に向ってそれぞれwI (M1), wI (M2),…wI (MN)のパス変動信号を与える。各トランスバーサル型回路18の出力は、アンテナに対応するグループ毎にI成分及びQ成分を加算し、M個の出力信号を得る。これによって、アンテナ毎に指向性パターンの影響を加味した出力を入力信号に乗算することができる。
【0090】
図17において、本発明の実施形態に係るフェージングシミュレータが出力した結果の例を細い線で示す。K=−∞, 3, 6, 10, 15[dB]とした場合のそれぞれの仲上ライス分布を太い線で示す。
【0091】
また、図18において、屋内環境にて受信レベル特性について行った測定結果の一例を細い線で示す。K=−∞, 6, 10[dB]とした場合のそれぞれの仲上ライス分布を太い線で示す。図面に示されるように、本実施形態におけるフェージングシミュレータの出力結果や測定結果の一例は共にKファクタを変更した仲上ライス分布と良く一致している。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の実施形態に従えば、再現しようとするシミュレーション条件に対応する伝搬パスパラメータ(レベル特性、位相特性、時間遅延特性、到来方向特性)の時間変動特性(時変マルチパス変動)を、従来の単純なレイリーフェージング変動や仲上−ライスフェージング変動などのように全体として近似的に与えるのではなく、各伝搬パスをパス単位で生成し、かつ空間的なパスの相関特性を考慮した時変パス特性として生成することができる。また、本発明の実施形態で生成した複数のパスをベクトル合成することにより、移動局が静止した状態でもレイリーフェージング変動や仲上−ライスフェージング変動などが再現できることが確認でき、本来の伝搬メカニズムで生起するパス変動を模擬することのできる多重波フェージングシミュレータを作ることができ、実際の伝搬環境の特性を再現する上で極めて有効かつ重要なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】基地局から送信された電波が反射や回折を経て移動局に到達する様子の概念図及び各波の遅延プロファイルを示すグラフである。
【図2】移動局が移動している場合の遅延プロファイルの測定例を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態に係る時変マルチパス生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る多重波シミュレータの構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る受信局の移動による位相の変化を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る時変マルチパス生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るパスパラメータ初期値の生成結果の例を示すチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る時変関数の例を示すグラフである。
【図9】本発明の実施形態に係る他の時変関数の例を示すグラフである。
【図10】本発明の実施形態に係る遮蔽時間の重複が生じるケースでのパス変動出力を説明するグラフである。
【図11】本発明の実施形態に係る時変関数生成部の動作を示すフローチャートである。
【図12】遮蔽によるレベル変動計算の例を示す模式図である。
【図13】遮蔽によるレベル変動計算結果と測定値を比較するためのグラフである。
【図14】各パスに遮蔽によるレベル変動を与え終わった状態の例を示すグラフである。
【図15】本発明の実施形態に係るパス出力部の構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施形態に係る信号合成部の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施形態に係るフェージングシミュレータが出力した結果の例を仲上ライス分布とともに示すグラフである。
【図18】合成した受信レベルの測定結果の一例を仲上ライス分布とともに示すグラフである。
【符号の説明】
1 入力デバイス
2 パラメータ入力・制御部
3 データ記憶部
4 乱数生成部
5 パス生成部
6 時変関数生成部
7 出力データバッファメモリ部
8 出力インターフェース部
9 時変マルチパス生成装置
10 パス出力部
11 信号合成部
12 デジタル信号入力端子
13 デジタル信号出力端子
14 多重波シミュレータ
15 実部/虚部分離変換部
16 D/A変換器
17 直交信号生成器
18 トランスバーサルアレイ回路
19 遅延素子
20 乗算器
21 加算器
Claims (7)
- 無線通信におけるマルチパス変動を模擬する時変マルチパス生成装置であって:
複数の伝搬パスの生成条件を制御するパラメータ制御部;
複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルを記憶するデータ記憶部;
前記パラメータ制御部から指定された乱数パラメータに基づき乱数を生成して出力する乱数生成部;及び
前記データ記憶部から得たデータファイル及びパス生成パラメータ並びに前記乱数生成部から得た複数の乱数に基づいて複数の伝搬パス分の複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成し、それらを時系列的に並べて時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を伝搬パスの数だけ生成し、前記データ記憶部から得た初期値生成パラメータに基づき前記乱数生成部から出力された乱数を用いて初期振幅、初期位相、初期時間遅延及び初期到来方向を前記伝搬パスの各々のパスパラメータとして生成し、該複数の伝搬パスの各々の初期振幅及び初期位相に対してそれぞれ前記時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を個別に重畳して複数の時変伝搬パスを計算生成するパス生成部;
からなり、
時変伝搬パスの計算生成の際、送受信見通し内のパス上に遮蔽物が存在するときに、受信電界Eを、遮蔽物の両端における各ナイフエッジにて回折される無線伝搬路の各電波の各電界強度E1とE2との和として与える計算法を、前記時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を生成するために用いる;
ことを特徴とする時変マルチパス生成装置。 - 無線通信におけるマルチパス変動を模擬する時変マルチパス生成装置であって:
複数の伝搬パスの生成条件を制御するパラメータ制御部;
複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルを記憶するデータ記憶部;
前記パラメータ制御部から指定された乱数パラメータに基づき乱数を生成して出力する乱数生成部;
前記データ記憶部から得た遮蔽物パラメータ及び前記乱数生成部から得た乱数に基づき、複数の伝搬パスへの遮蔽特性としての複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成して出力する時変関数生成部;及び
該時変関数生成部から得た複数の伝搬パス分の複数の時変振幅関数及び時変位相関数を生成し、それらを時系列的に並べて時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を伝搬パスの数だけ生成し、前記データ記憶部から得た初期値生成パラメータに基づき前記乱数生成部から出力された乱数を用いて初期振幅、初期位相、初期時間遅延及び初期到来方向を前記伝搬パスの各々のパスパラメータとして生成し、該複数の伝搬パスの各々の初期振幅及び初期位相に対してそれぞれ前記時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を個別に重畳して複数の時変伝搬パスを計算生成するパス生成部;
からなり、
時変伝搬パスの計算生成の際、送受信見通し内のパス上に遮蔽物が存在するときに、受信電界Eを、遮蔽物の両端における各ナイフエッジにて回折される無線伝搬路の各電波の各電界強度E1とE2との和として与える計算法を、前記時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を生成するために用いる;
ことを特徴とする時変マルチパス生成装置。 - 請求項1又は2のいずれかに記載の時変マルチパス生成装置であって:
前記パス生成部において、前記複数の伝搬パスに対して前記データ記憶部で記憶された到来波角度差に対するパラメータ間相関特性に応じた相関を有する乱数を前記乱数発生部で発生させ、遮蔽時間間隔、遮蔽振幅及び遮蔽発生時間間隔を有相関乱数値として生成して前記時変関数の定数パラメータとして与えることにより時変振幅関数及び時変位相関数を生成する;
ことを特徴とする時変マルチパス生成装置。 - 請求項1,2又は3のいずれかに記載の時変マルチパス生成装置であって:
前記パス生成部が、生成した複数の時変伝搬パスの位相に対してパラメータ制御部から得た移動局の移動速度と各伝搬波に与えた初期到来方向からドップラー変動に対する時変位相回転を各伝搬パスに対して計算し、複数の時変伝搬パスの各時変位相特性に対して前記時変位相回転を加える;
ことを特徴とする時変マルチパス生成装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載された時変マルチパス生成装置であって:
前記データ記憶部が、前記パラメータ制御部から得た移動局に適用する複数のアンテナの指向性利得パターンファイルを記憶し;
前記パス生成部が、移動局の進行方向に合わせて少なくとも一つの前記指向性利得パターンファイルを読み出し、複数のN個の伝搬パスの初期到来波方向に対する指向性利得を各伝搬パスの初期振幅に対して乗じてN個の時変伝搬パスを計算生成し出力し、かつ複数のアンテナパターン毎に前記計算生成を行ってアンテナパターンの数M個に対応する総計N×M個の時変伝搬パスを計算生成する;
ことを特徴とする時変マルチパス生成装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載された時変マルチパス生成装置;
該マルチパス生成装置から得た複数の時変伝搬パスの複素振幅を実部と虚部に分けてアナログ出力するパス出力部;及び
少なくとも1つのデジタル信号入力端子と,少なくとも1つのデジタル信号出力端子と,前記デジタル信号入力端子から入力される複数の信号から直交入力信号(Q成分)を作成し,前記複数の信号の入力信号(I成分)と該直交入力信号(Q成分)とを、それぞれN個の複数の縦続接続した遅延素子と乗算器からなるトランスバーサル回路に入力し、前記パス出力部から出力される各伝搬パスの初期時間遅延が前記トランスバーサル回路の遅延素子通過後の各段の合計遅延と等しくなる乗算器にそれぞれ入力し、前記遅延素子で遅延させた各デジタル信号にそれぞれのパス変動を乗算し、各遅延時間毎の乗算結果を加算して生成されるI成分及びQ成分の信号を再び合成する信号合成部を複数個(M個)有して前記パス出力部から出力されるアンテナ指向性利得パターン毎の時変伝搬パス出力(N×M個)に対して前記入力信号との信号合成を行い,該デジタル信号出力端子に出力する信号合成部;
から構成されることを特徴とする多重波フェージングシミュレータ。 - 無線通信におけるマルチパス変動を模擬するための時変マルチパスを生成する方法であって:
複数の伝搬パスの生成に必要な各種パス生成パラメータ及びデータファイルをデータ記憶部に記憶する段階(S1);
パラメータ制御部において、前記データ記憶部からパス生成パラメータファイルを読み出す段階(S1);
パラメータ制御部において、M個のアンテナ指向性利得パターンファイル等のアンテナに関するデータファイルをデータ記憶部から読み出す段階(S2);
乱数生成部において、生成波のパスパラメータ初期値生成条件を満たす乱数を生成する段階(S3);
パス生成部において、前記乱数に基づいてN個のパスパラメータの初期振幅値等の初期条件を設定する段階(S3);
アンテナ指向性利得パターンファイルから得た到来波方向に対するアンテナ指向性利得を、N個の初期振幅値に乗算し、N×M個の伝搬パスパラメータを設定する段階(S3);
パラメータ制御部において、パス生成パラメータファイルに基づき計算モデルを指定する段階(S11);
乱数生成部において、遮蔽物のパラメータに対する各乱数を生成する段階(S12);
前記の乱数に基づき、時変関数生成部において、指定された計算モデルのN個の時変関数を生成する段階(S12);
パス生成部5において、生成した時変関数に基づき各N波のパスの時変遮蔽振幅特性及び時変遮蔽位相特性を生成し、それらを各波の振幅及び位相に対して演算することにより、各パスの振幅及び位相に対する遮蔽変動特性を生成する段階(S13);及び
生成した遮蔽変動特性に基づいて、時変マルチパスを生成する段階
から構成され、
時変マルチパスの計算生成の際、送受信見通し内のパス上に遮蔽物が存在するときに、受信電界Eを、遮蔽物の両端における各ナイフエッジにて回折される無線伝搬路の各電波の各電界強度E1とE2との和として与える計算法を、前記時変遮蔽振幅関数及び時変遮蔽位相関数を生成するために用いる;
ことを特徴とする方法。
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