JP4038421B2 - アスファルトプラントのドライヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラントの骨材加熱乾燥用ドライヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルトプラントではアスファルト混合物の素材である骨材を加熱乾燥するドライヤを備えており、該ドライヤは内周部に多数の掻き上げ羽根を周設した円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、その一端部にはバーナを、他端部には排気煙道を配設し、該排気煙道の末端に配設した排風機により排ガスを吸引することによってドラム内に高温ガス流を維持し、ドラム内に供給する骨材と高温ガス流を接触させて骨材を所望の温度に加熱するようにしている。更に、前記排気煙道の途中にはバグフィルターを配設し、排ガス中のダスト分を捕捉した後、清浄な排ガスを排気煙道の末端に配設した煙突より放出させている。
【0003】
前記バグフィルターのろ布は、排ガス温度が高くなり過ぎると焼損の危険があり、また露点温度以下になると露結してろ布が目詰まりする恐れがある。そのため、排ガス温度がろ布の耐熱限界に達するとバーナを消化させる安全策を設けている。ところが、排ガス温度が低くなっても省エネルギーの観点から何ら安全策を設けていないのが現状である。また、近年のドライヤは加熱効率を最大限高めた省エネルギー型となっており、排ガス温度を露点温度より少し高めの温度まで落として運転するようなものになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような加熱効率の良いドライヤでは供給骨材の含有水分条件が大きく変化したり、また乾燥能力を変化させたりすると、排ガス温度が露点温度以下となってバグフィルターで露結が生じ、ろ布の目詰まりを起こすトラブルが発生することがある。このときには、ドライヤ内の掻き上げ羽根の一部を取り外してドライヤの加熱効率を低下させることによって排ガス温度を上昇させてトラブルを解消することが行われており、省エネルギーの観点からはあまり良策とは言えないものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑み、ドライヤの運転状況が大きく変動しても排ガス温度が露点温度以下になることを阻止でき、バグフィルターで露結が生じることのないようにしたアスファルトプラントのドライヤを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤは、骨材加熱用のドライヤのバーナ側の排出ホッパにバイパス管を連結し、該バイパス管の他端をバグフィルター手前のドライヤの排煙道に連結すると共に、バイパス管の途中には風量調整ダンパーを配設し、バーナからドライヤ内に送り込む高温の熱風の一部を前記バイパス管を経由させてドライヤから導出される排ガスと合流させるようにしたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤは、前記バグフィルター手前の排煙道に排ガス温度センサーを配設すると共に、該排ガス温度センサーの検出温度を取り込んでバイパス管の風量調整ダンパーの開度調整を行うダンパー開閉調整器を備え、該ダンパー開閉調整器は排ガス温度が露点温度付近の設定温度より低下すると風量調整ダンパーを開放調整するようにしたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、ドライヤの排出ホッパとバグフィルター手前の排煙道とをバイパス管にて連結する共に、バイパス管には風量調整ダンパーを配設しておく。そして、ドライヤの運転中に排ガス温度が低下して露点温度付近となれば、バイパス管の風量調整ダンパーを自動または手動操作にて開放する。この風量調整ダンパーの開放によって、バーナからドライヤ内に送り込まれている高温の熱風の一部がバイパス管へと流れ、ドライヤから導出される排ガスと合流して排ガス温度を上昇させる。これによって、バグフィルターに導入される排ガスは、露点温度以上となって露結を阻止でき、ろ布の目詰まりを生じさせない。
【0009】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、排気煙道に配設した排ガス温度センサーにて排ガス温度を逐次検出し、排ガス温度が露点温度付近の設定温度以下となれば、ダンパー開閉調整器を介して風量調整ダンパーを自動的に開放し、高温の熱風をバイパス管を経由させてドライヤの排ガスと合流させ、排ガス温度を露点温度以上に上昇させ、最適温度となるように風量調整ダンパーの開度調整を行う。これによって、運転状況がいかに変動しても自動操作によってバグフィルターでの露結を阻止できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図中の1は骨材を加熱乾燥するドライヤであって、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム2を機台3上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させるようにしており、ドラム2の一端部の排出ホッパ4に配設したバーナ5よりドラム2内に熱風を送り込む一方、他端部の投入ホッパ6に連結した排気煙道7の末端に配設した排風機8にて排ガスを吸引してドラム2内を通過する高温ガス流を維持すると共に、供給コンベヤ9から供給する骨材と接触させて骨材を所望温度まで加熱している。そして、ドライヤ2にて発生する排ガスは、バグフィルター10を経由させ、ダストを捕捉した後、煙突11より放出している。
【0012】
12はバイパス管であって、一端を排出ホッパ4に、他端を集塵機10手前の排気煙道7に連結している。バイパス管12の途中にはコントロールモータ13にて開閉自在とした風量調整ダンパー14を配設している。また、排気煙道7には排ガス温度センサー15を配設しており、該排ガス温度センサー15にて検出する排ガス温度情報をダンパー開閉調整器16に取り込み、この排ガス温度情報に基づいてコントロールモータ13をコントロールし、風量調整ダンパー14を開閉操作している。
【0013】
前記ダンパー開閉調整器16には、風量調整ダンパー14を開放する排ガス温度が設定されており、この設定温度は、露点温度付近の適宜温度に設定される。そして、排ガス温度センサー15にて検出する排ガス温度が設定温度以下になると、ダンパー開閉調整器16はコントロールモータ13を動作させて風量調整ダンパー14を開放すると共に、排ガス温度を露点温度以上の最適の温度に維持するように風量調整ダンパー14の開度をコントロールする。なお、風量調整ダンパー14は自動制御でなく、操作員が排ガス温度を確認して手動にて開度調整する構成とすることもできる。
【0014】
しかして、ドライヤ1に骨材を供給して加熱すると、通常の運転状態では排ガス温度が露点温度以上となっていて風量調整ダンパー14は閉塞した状態となっている。そして、骨材の水分条件の大きな変動や乾燥能力の変化などによってドライヤ1から導出される排ガスが設定温度以下、即ち露点温度近くになったことを排ガス温度センサー15が検出すると、ダンパー開閉調整器16はコントロールモータ13を動作させて風量調整ダンパー14を開放する。
【0015】
風量調整ダンパー14が開放されると、バイパス管12の排気煙道7側の静圧が排出ホッパ4側の静圧よりも高いので、排出ホッパ側の高温の熱風の一部がバイパス管12を通って排気煙道7へと流れ込む。この高温の熱風と排ガスが合流すると、排ガス温度を露点温度以上に上昇させる。自動制御であれば、排ガス温度を露点以上の最適の温度となるように風量調整ダンパー14の開度調整が自動的に行われる。
【0016】
そして、供給する骨材の水分量が低くなるなどして排ガス温度が上昇してくると、排ガスへの高温熱風の混入は不要となり、ダンパー開閉調整器16はコントロールモータ13を動作させて風量調整ダンパー14を閉塞し、通常の運転状態となる。
【0017】
このように、排ガス温度が露点温度付近になると、バイパス管12を経由して高温の熱風を排ガス中に送り込み、排ガスが露点温度以下になることを回避させるので、運転状況が変動してもバグフィルター10で露結が起こらず、ろ布の目詰まりを生ずることもない。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、骨材加熱用のドライヤのバーナ側の排出ホッパにバイパス管を連結し、該バイパス管の他端をバグフィルター手前のドライヤの排煙道に連結すると共に、バイパス管の途中には風量調整ダンパーを配設し、バーナからドライヤ内に送り込む高温の熱風の一部を前記バイパス管を経由させてドライヤから導出される排ガスと合流させるようにしたので、排ガス温度が露点温度付近になれば風量調整ダンパーを開放して高温熱風を排ガスに合流させれば排ガス温度を露点温度以上に維持でき、バグフィルターでは露結が起こることもなく、ろ布の目詰まりを生じさせない。
【0019】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、前記バグフィルター手前の排煙道に排ガス温度センサーを配設すると共に、該排ガス温度センサーの検出温度を取り込んでバイパス管の風量調整ダンパーの開度調整を行うダンパー開閉調整器を備え、該ダンパー開閉調整器は排ガス温度が露点温度付近の設定温度より低下すると風量調整ダンパーを開放調整するようにしたので、排ガス温度センサにて検出した排ガス温度に基づいてダンパー開閉調整器では風量調整ダンパーの開閉を自動的にコントロールし、排ガスを露点温度以上に維持してバグフィルターでの露結を阻止し、ろ布の目詰まりを生じさせない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアスファルトプラントのドライヤの一実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…ドライヤ 5…バーナ
4…排出ホッパ 6…投入ホッパ
7…排気煙道 8…排風機
10…バグフィルター 12…バイパス管
13…コントロールモータ 14…風量調整ダンパー
15…排ガス温度センサー 16…ダンパー開閉調整器

Claims (2)

  1. 骨材加熱用のドライヤのバーナ側の排出ホッパにバイパス管を連結し、該バイパス管の他端をバグフィルター手前のドライヤの排気煙道に連結すると共に、バイパス管の途中には風量調整ダンパーを配設し、バーナからドライヤ内に送り込む高温の熱風の一部を前記バイパス管を経由させてドライヤから導出される排ガスと合流させるようにしたことを特徴とするアスファルトプラントのドライヤ。
  2. 前記バグフィルター手前の排煙道に排ガス温度センサーを配設すると共に、該排ガス温度センサーの検出温度を取り込んでバイパス管の風量調整ダンパーの開度調整を行うダンパー開閉調整器を備え、該ダンパー開閉調整器は排ガス温度が露点温度付近の設定温度より低下すると風量調整ダンパーを開放調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤ。
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