JP4038162B2 - 圧板機構、自動原稿送り装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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このような、原稿をコンタクトガラスに圧接する圧板を備える構成においては、折り目、波うち、カールがある紙の原稿を、コンタクトガラスからの浮きが生じないように押さえなくてはならない。
ここでもしも大きな浮きが生じた場合、読み取った画像には地汚れや部分的な画像の乱れが生じてしまう。部品寸法のバラツキや公差の積み上げによって、圧板とスキャナ側コンタクトガラスとの間に隙間が生じてしまうような場合、このような問題が起こりうる。とくに構造が複雑となるADFの場合に発生の懸念が比較的高い。
従来は、生じ得る隙間を吸収するために、圧板の樹脂製の白色シートを十分なストロークを有する弾性体、例えばスポンジ等の軟質クッション材や板ばねで押さえる構成であることが多い。
なおかつ圧板に十分な押さえ力を付勢するために、圧板ユニットを支持するヒンジに閉力を持たせる構成であったり、マグネットを使用して圧板ユニットが閉じた状態でスキャナ側に着磁させたりする構成が採られていることもある。
しかしながら、圧板としては押さえ力が圧板面積全域にわたって均等であることが望ましいが、これらの方法では押さえ力を均等にすることは非常に困難である。またその一方で、圧板に押さえ力を付勢すると、圧板ユニットを持ち上げるさいに重くなり、操作性が悪くなってしまう。
また、圧板シート部材とコンタクトガラスを密着させると、平滑な圧板シートがコンタクトガラスにピッタリと貼り付いてしまい、持ち上げるさいの操作性悪化だけでなく、無理に勢いよく持ち上げた場合、スキャナ側、または圧板ユニットが破損してしまう懸念も出てくる。
以上のことから、従来は画像品質が優先され、操作性の重さは制約事項として割り切ったり、コンタクトガラスへの貼り付きに対しては白色シートにシボをつける、あるいは隙間に空気を入れるために白色シートに凸部材を貼り付けるなどの対策が必要であった。
このように、良好な画像品質を得るためには圧板の押さえ部材を全域にわたってコンタクトガラスに均等に密着させることが必要であるが、クッション材やばねを使用する従来の方法では非常に困難であり、またそうすると圧板ユニットの操作性が悪くなることが問題であった。
この場合、スポンジシート95の弾性力により、部品寸法誤差および取り付け誤差等による原稿押さえ力の不均等の吸収を狙っているが、スポンジシート95の面積が大きく比較的薄い場合、圧縮時のストロークがさほどないため、十分な効果が得られない場合がある。
図8では、コンタクトガラスにならう程度の剛性、および平面度を有する樹脂製白色板94aが、その裏面に取付けられた、□15〜20程度のスポンジ片あるいは板ばねなどの圧板−ADF取り付け手段(弾性部材)93aによりADF底部に取り付けられている。
圧板−ADF取り付け手段(弾性部材)93aの十分なストロークおよび弾性力により、部品寸法誤差および取り付け誤差等による原稿押さえ力の不均等の吸収を狙っている。しかしながら、樹脂製白色板94aの平面度など、部品のできが原稿押さえ力に及ぼす影響も少なくない。
さらに、図7および図8の両方の場合に共通な現象として、樹脂製白色シート94または樹脂製白色板94aがコンタクトガラスに対して吸盤のようになって貼り付くことがある。樹脂製白色シート94または樹脂製白色板94aに反りがあり、中央がコンタクトガラスと反対方向に凸になっている場合に同現象が生じやすい。
この現象に対し、樹脂製白色シート94または樹脂製白色板94aの手前側に高さ0.5mm程度の凸部を設けてコンタクトガラスとの間に微小な隙間を空け、圧板開動作時に空気が流れ込むことにより前記のような貼り付きを防止する対策がとられていることがある。
ここで、前記隙間は微小であり、画像読み取り品質に影響を及ぼすことはほとんどないが、浮きがないように原稿を押さえるという圧板の機能に対しては望ましい方向性ではない。
本発明の目的は、上記課題を解決するために、比較的単純な方法で画像品質および圧板の操作性を両立させ、圧板が押さえる面積の全域で均等な押さえ力を得ることができ、しかも原稿押さえ部材のコンタクトガラスへの貼り付きを防止する圧板機構、自動原稿送り装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
請求項2に記載の発明は、前記中空部材が、原稿を直接押さえる構成である請求項1記載の圧板機構を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記中空部材が、軟質の樹脂製白色シートを介して原稿を押さえる構成である請求項1記載の圧板機構を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記中空部材、または前記中空部材が取り付けられている支持部材を、前記中空部材の上部に設置された少なくとも1つの弾性部材を介して圧板側に取り付ける構成である請求項1ないし3記載の圧板機構を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記中空部材の内圧を調整可能とする内圧調整機構を備える請求項1ないし4記載の圧板機構を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記原稿押さえ部材内部の流動性のある充填材を増加または減少させることにより内圧を調整する調整機構を備える請求項5記載の圧板機構を特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項記載の圧板機構を備える自動原稿送り装置を特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5記載の自動原稿送り装置を備える画像形成装置を特徴とする。
前記画像読み取り装置には、フラットヘッドスキャナおよび複写機などがあり、それぞれには、スキャナのコンタクトガラスのカバーを兼ねた圧板、あるいはシートスルー式自動原稿給送装置(シートスルーADF)の底面に取り付けられた圧板などが備えられている。
以下の説明では、とくに最も構造が複雑になる、シートスルーADFの場合を取り上げ、その基本的な構成、動作、作用、および本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用しようとする自動原稿送り装置を示す断面図である。図2は図1の自動原稿送り装置の制御ブロック図である。図1および図2を参照して、まず、同一サイズの原稿束の処理動作について説明する。
自動原稿送り装置は被読み取り原稿束をセットする原稿セット部1、セットされた原稿束から1枚毎原稿を分離して給送する分離給送部2、給送された原稿を一次突き当て整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部3から構成されている。
前記自動原稿送り装置は、また、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読みとり側(下方)に向けて搬送するターン部4、原稿の表面画像を、コンタクトガラスの下方より読み取りを行わせる第1読み取り搬送部5、読み取り後の原稿の裏面画像を読み取る第2読み取り搬送部6から構成されている。
前記自動原稿送り装置は、さらに、表裏の読み取りが完了した原稿を機外または、反転部に送り込む排紙部7、再読み取りのための反転を行う反転部8、読み取り完了後の原稿を積載保持するスタック部9、これら搬送動作の駆動を行う各駆動部101〜104、さらに、一連の動作を制御するコントローラ100とから構成されている。
この状態で、原稿セット検知フィラー21が破線位置から実線位置に変位し、これに伴って原稿セット検知センサ28の遮光が解除され、原稿のセットが検知されるとI/F部107を介して本体制御部111に原稿セット信号が送信される。
さらに原稿テーブル面に設けられた原稿長さ検知センサ12または14(反射型センサまたは、原稿1枚にても検知可能なアクチェーター・タイプのセンサが用いられる)により原稿の搬送方向長さの概略が判定される(少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置が必要)。
その後、原稿給紙信号(図示しない操作部より入力され、本体制御部からI/F部107を介してコントローラ100へ指示される信号)により原稿給紙動作が実行される。
原稿ストッパ25が駆動部(呼び出しモータ)101のCW(正転)駆動(本実施の形態ではステッピングモーターであるが、ソレノイドでも実現可能)により実線位置まで待避し原稿先端を開放する。
しかる後ピックアップローラ20が破線位置から実線位置で示す原稿上面に駆動部(呼び出しモータ)101の逆転駆動(本実施の形態ではステッピングモーターであるが、ソレノイドでも可)により移動し所定の力で圧接される。ホームポジションセンサ19はピックアップローラ20および原稿ストッパ25の状態を検知するためのセンサである。
このピックアップローラ20の圧接動作時、原稿枚数が少ない場合は、落下高さが大きいことと、原稿セットテーブル10とピックアップローラ20間に原稿のクッション作用が少ないことによりピックアップローラ20の落下衝撃音が大きくなる不具合が発生する。
この解決策として、原稿セットテーブル10のピックアップローラ20との接触点には凹み形状のローラ逃げが形成されており、ピックアップローラ20が直接原稿セットテーブル10を叩かないような配慮がなされている。
このとき、給紙ベルト23、はベルトプーリ22と24に所定の張力を持って掛け渡されており、対向的に設けられた分離ローラ26に巻き掛けられるように圧接している。
分離ローラ26は所定の大きさのトルクを有する図示しないトルクリミッタを介して、フリクション駆動されており、給紙ベルト23との直接係合時または、原稿1枚を介して係合している状態では、給紙ベルト23の回転につられて反時計方向に回転させられる。
原稿が、万が一、2枚以上、給紙ベルト23と分離ローラ26間に進入した場合は、連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されており、分離ローラ26は、本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをし、重送が防止される。
給紙ベルト23と分離ローラ26との作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト23によってさらに送られ、給紙路27中を進む。この過程で、突き当てセンサ29によって先端が検知されさらに進んで停止しているプルアウトローラ31に突き当たる。
その後前出の突き当てセンサ29の検知から所定量定められた距離送られ、結果的には、プルアウトローラ31に所定量撓みを持って押し当てられた状態で駆動部102を逆転させることにより給紙ベルト23の駆動が停止される。
このとき、駆動部101をCCW(逆転)方向に回転させることでピックアップローラ20を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルト23の搬送力のみで送ることにより、原稿先端はプルアウトローラ31、プルアウト従動ローラ30の上下ローラ対のニップに進入し、先端の整合(スキュー修正)が行われる。
その後プルアウトローラ31が駆動部102の逆転により駆動され原稿をターン部4方向に搬送する。ここでは、原稿束の1枚目をレジスト停止位置まで給紙するさいにはプルアウトローラ31の搬送スピードを読み取りスピードよりも高速に設定し、読み取り搬送ローラ43も駆動部(読み取りモータ)103により同速で駆動する。
そこで、読み取り中の原稿後端が突き当てセンサ29を抜けると紙間を制御するためのパルスカウントをスタートさせて読み取り中の原稿後端の進行具合を監視しながら、次原稿の先出し搬送を開始する。
まず、駆動部101の正転によりピックアップローラ20を次原稿上面に圧接させ、ついで駆動部102を正転駆動して停止しているプルアウトローラ31に突き当たるまで搬送する。
ここで、読み取り中の原稿後端位置を前記紙間パルスカウント値から算出し、プルアウトローラ31部から所定の紙間分進んだところで駆動部102を逆転駆動させる。プルアウトローラ31は1枚目と同様に高速で駆動され、先端検知センサ34までこのスピードで送り込む。
先端検知センサ34の検知により読み取りスピード(読み取り搬送ローラ43の速度)まで減速させる。この動作を連続する原稿の紙間で行うことにより、原稿突き当て動作で停止した時間を取り戻し所定の原稿間隔を維持することが可能となる。
また、プルアウトローラ31を過ぎた原稿先端はサイズ検知センサ32により搬送方向と直交する方向の巾が検知される。この巾信号と、前記原稿長さ検知センサ12または14によって得られた長さ信号との組み合わせによって、正確な原稿サイズが確定されると本体制御部111に対して原稿サイズ信号がコントローラ100よりI/F部107を介して送信される。
その後、原稿は読み取り搬送ローラ43と加圧ローラ35とのニップに進み、レジストセンサ40の検知から所定パルス搬送した位置で停止し、レジスト停止信号を本体制御部111に送信して、本体制御部111からの読み取りスタート信号(転写紙との同期或いは画像メモリへの蓄積の準備が完了した時点で送信される信号)の入力を待つ。
このときの駆動部(読み取りモータ)103の駆動速度は図示しない本体操作部から入力される読み取り倍率により本体制御部111からコントローラ100に送信される情報に基づいて決定される。
第1読み取り搬送部5では、読み取りガラス54とその上面に所定の間隔を持って配置された白色背景板51との間を原稿が搬送される。この間に画像が図示しない読み取り系により読み取られ、CCDを介して電気的に変換され、図示しないメモリ装置に記憶される。
この読み取り搬送部5は、搬送ギャップをできる限り狭く取り、原稿の自由度を極力少なくする手段が講じられる。その方法として、読み取り入り口ガイド42の内面から可撓性のガイド部材を白色背景板51方向に張り出してその隙間を埋める等の方法が有効である。
また、白色背景板51は読み取りガラス54上に0.5mm±0.2mm程度のギャップで所定の弾力性を持って圧接され、読み取り深度方向の誤差も押さえられている。
読み取り点位置では原稿面が積極的に読み取りガラス54に接触せず、しかも原稿先端は読み取りガラス54の読み取りポイント付近をワイピング(先端でガラス面の異物を掻き落とす作用)できるような構成が取られている。
原稿先端が前記読み取り搬送部5に到達するタイミングを駆動部103のパルスカウントにより制御し、そのタイミングで副走査方向の表面画像有効読み取り領域を示す表面DFゲート信号を送信する。その後原稿は読み取りを行いながら進み、ピックアップガイド52を経て中間搬送加圧コロ53に送り込まれる。
加圧ローラ41と中間搬送加圧コロ53とは読み取り搬送ローラ43による共通駆動であるため、送り込みと引き出し速度は、同一の速度となり、受け渡しショックの発生を低減させる効果がある。
中間搬送加圧コロ53によって第1読み取り搬送部5から送り出された原稿は、第2読み取り搬送部6に送り込まれ、上面より読み取り部を下方に向けて配置された密着イメージセンサ61と下方より密着イメージセンサ61の読み取り面に所定圧と所定の間隔を持って配置された押圧部材62の間を通過する。
この信号に基づいて原稿の裏面に当たる面の画像が読み取られ、表面と同じに電気的に変換され、図示しないフレームメモリ部に一時記憶された後、本体制御部111に転送される。押圧部材62はシェーデングの基準としての働きと、白色背景板としての働きをする。
この押圧部材62は図1に示す板状のガイド部材で構成されるものの他に、回転体で構成することも可能である。表面および裏面の原稿読み取り領域終了のタイミングは原稿後端をレジストセンサで検知した時点からのパルスカウントによって制御する。
その後、原稿は排紙駆動ローラ71と排紙加圧ローラ72で構成される排紙ローラ対71、72によりスタック部9に排出される。排紙スタッカー90は下流側が高く構成され、排出原稿の飛び出し防止と、スタック原稿の揃え精度向上に寄与している。
複数枚原稿の連続読み取り時には、原稿排出完了タイミングよりも次原稿先出しによるレジスト停止動作によって駆動部(読み取りモータ)103の駆動が停止するため、読み取り完了した原稿の排出動作は次原稿の読み取り開始による読み取りモータの駆動再開によって原稿後端が排紙センサを抜けた時点で本体制御部111に排紙完了信号を送信して完了することになる。
また、小サイズ原稿のスタック時は、反転部8の反転切り換え爪80を駆動部(反転切り換えソレノイド)105により破線で示す状態に切り換えて、反転経路85に原稿を搬送する。
反転排紙駆動ローラ81と反転排紙従動ローラ82で構成される反転搬送ローラ対81、82から原稿スタッカー90上の1部として構成された小サイズ専用スタッカー91上に排出される。このことによって、小サイズ原稿の排出後の視認性が良くなる。
また、原稿セットテーブル10は回転支点15を中心に上方に回転待避できるように構成され、スタック原稿の取り出し性を高めている。また、原稿排出時、反転切り換え爪80の動作と排出原稿後端との同期を取り、原稿が排出された直後に、反転切り換え爪80を駆動部105により破線方向に回動させ、排出原稿の後端を叩き、排出原稿後端残りを防止する制御が行われている。
サイズ混載時には、原稿長さが混在しているため、テーブル上の原稿長さ検知センサ12、14では判別が不可能なため、原稿を1枚に分離した後、原稿後端が用紙束から離れ、完全に独立した状態になった時点で初めてサイズを確定することができる。
そのため、読み取り前に原稿サイズを確定したい場合は、原稿経路構成を、分離後の最初の原稿後端検知位置から、読み取り前のレジストセンサ位置までの間を、最大原稿長さの1/2以上の長さに設定する必要がある。
これを満足させると、原稿セット位置を読み取り位置から大きく離す必要があり、原稿テーブル10と搬送経路を含む部分が大きくなり装置全体が巾広なものとなってしまう欠点がある。そのため装置を小さく作るには、混載時の原稿長さ検知に工夫が必要となる。
この対応策として、サイズ混載時、原稿サイズを読み取りスタート前に確定できない場合、最初の搬送では読み取りを全く行わず、サイズの読み込みだけのために通紙し、反転部を介した2回目の読み取り通過時に表面と裏面を同時に読み取るという方式が取られている。
この場合、1回目のレジスト停止までの搬送動作は同一サイズの原稿束時と同じであるが、本体制御部111から送信される読み取りスタート信号受信後の動作(とくに排出部7以後の処理)が異なる。
その後原稿は駆動部(反転モータ)104により駆動される反転排紙ローラ対 81、82により、原稿後端が排紙ローラ対71、72を通過するまで送られる。この制御は排紙センサ70からのパルスカウントにより行われる。
原稿停止後反転切り換え爪80が駆動部105により実線方向に移動し原稿後端を反転搬送ローラのニップ方向に向ける。その後、反転排紙駆動ローラ81が反時計方向に逆転動作し、停止している排紙駆動ローラ71と反転上ローラ83で構成される反転ローラ対71、83のニップ部に原稿端(初期状態から見ると後端になる)を突き当て、先端スキュー整合動作がなされる。
しかる後反転ローラ対71、83が駆動部103によって送りを開始し再度ターン部4を経て第1読み取り搬送部5、および第2読み取り搬送部6に送られ表裏の読み取りが行われる。
このとき、原稿は裏と表が反転した状態にあるため読み取り順序は裏が先で、表が後の読み取りとなるため、まず裏面ゲートオン信号が送信され、ついで表面ゲート信号オン信号が送信される。この信号を基に画像処理装置側での頁順の入れ換え処理が行われる。
これで読み取り動作は完了したわけであるが、このまま排出すると頁順が狂うため、もう一度反転動作を繰り返してから排出される。
なお、前記サイズ読み取りだけのための搬送と頁合わせだけのための搬送は、画像の読み取りを伴わない搬送動作のため装置の持つ最速搬送速度で送るように構成され、ロス時間の低減が図られている。
前出の第1読み取り搬送部5での読み取り動作によって表面の読み取りが完了した原稿は、反転部8を経て再度第1読み取り搬送部5に搬送され裏面の読み取りが行われ、その後、頁合わせの反転排出を経て原稿スタッカー90上に排出される。
このように第2読み取り搬送部6を持たない構成の装置では、両面原稿から両面コピーを作る場合の生産性低下が発生する。この対応策として、複数枚の原稿をユニット内に送り込み画像読み取りと、原稿反転排出を交互に組み合わせ、紙間ロスを低減する方法が採られている。
まず、1枚目の原稿を送り込み、第1読み取り搬送部5にて1頁の画像読み取りを実行し、これを反転部8に送り込み反転ローラ対71、83への突き当て整合を経て再度、第1読み取り搬送部5に送り込み2頁目の読み取りを実行し、排紙時の頁順を揃えるために反転部8に送り込む。
これに前後して2枚目の原稿を送り込み、第1読み取り搬送部5にて3頁目の読み取りを実行する。これに引き続き1枚目の原稿の反転排出を実行する。さらに、これに引き続き2枚目の原稿の4頁目の読み取りを実行する。その後2枚目の原稿を反転部8に送り込み、これに前後して3枚目の原稿を送り込み、5頁目の読み取りを実行し、これに引き続き2枚目の原稿の反転排出を行う。
このように、表面の読み取りと、裏面の読み取りの間に既に読み取りを完了した原稿の反転排出動作を挟んで処理を行うことによって、読み取りを行わない反転排出動作の紙間ロス時間を最小限にとどめることが可能となる。なお、この処理が可能となるのは、反転搬送ローラ対81、82からレジストセンサ40の間に収まる長さのサイズの原稿に限られる。
図3において、軟質中空部材96の内部には、流動性のある半固体のゲルが充填材97として適量封入されて密封されている。前記軟質中空部材96の上側は、適度な剛性のある支持部材である背面板99に取り付けられている。
背面板99に取り付けられた圧板−ADF取り付け手段(弾性部材)93aによって、ADF底部へと取り付けられている。さらに、既存の圧板に使用されるような比較的薄手の樹脂製白色シート94が軟質中空部材96の下側に取り付けられている。
ここで、前記軟質中空部材96の材質が、原稿押さえの用途に適するような、耐久性、光反射特性、清掃性を備えているならば、前記樹脂製白色シート94がなく、前記軟質中空部材96が直接原稿を押さえる構成でもよい。
軟質中空部材96は、流動性のある半固体のゲルである充填材97によりコンタクトガラス側に凸になるため、従来の例のようにコンタクトガラスに対して吸盤のようになって貼り付くことはない。
しかし、このような場合でも、軟質中空部材96の内部に充填された流動性のある半固体のゲルである充填材97が流動し、最終的には、軟質中空部材96、または前記樹脂製白色シート94が流動性のある半固体のゲルである充填材97の圧力により、接触面積全域で均等にコンタクトガラス100を押さえる。
軟質中空部材96に封入された流動性のある半固体のゲルである充填材97の圧力を利用して、他の手段による押さえ力の付勢がなくても、軟質中空部材96が押さえる面積の全域で均等な押さえ力を得ること、および原稿押さえ部材のコンタクトガラス100への貼り付きを防止することができる。
なお、背面板99に取り付けられた、圧板−ADF取り付け手段(弾性部材)93aは、それらの弾性力により、従来技術での機能と同様に、背面板99を介して軟質中空部材96を押さえ付ける。
軟質中空部材96そのものが原稿押さえ部材を兼ねることで、部品点数を少なくして単純化し、低コストおよび部品製作に関する高信頼性を得られる。
軟質中空部材96が直接原稿を押さえるのではなく、従来実績のある原稿押さえ部材を介して原稿を押さえることで、原稿押さえ機能に関して高信頼性が得られ、また、複数の弾性部材を併用することにより、軟質中空部材96だけでは得ることが困難である最適な原稿押さえ機能も得られる。
軟質中空部材96の内圧を調整することにより、初期状態によらない最適な原稿押さえ機能を提供でき、軟質中空部材96の内圧調整を、内圧調整弁によって単純で低コストの方法で行うことができる。
さらに、本発明では軟質中空部材96の内部に充填する流動性のある半固体のゲルである充填材97による圧力を調整する圧力調整機構を備えており、その実施の形態を示す。圧力調整機構の一例として流動性のある半固体のゲルである充填材97の充填量の増減による圧力調整機構がある。
例えば、図6に示すように、ゴム製の調整弁98を設け、注射器101のようなもので流動性のある半固体のゲルである充填材97の充填量を調整し、原稿押さえ力を調整することができる。
94 樹脂製白色シート
96 軟質中空部材(原稿押さえ部材)
97 流動性のある充填材
98 内圧調整機構(圧力調整弁)
100 コンタクトガラス
C 圧板機構
D 画像形成装置
E 自動原稿送り装置
F 圧板
Claims (8)
- 原稿を読み取り、この原稿の画像を転写して画像形成を行なう画像形成装置における圧板機構において、原稿をコンタクトガラスに圧接する圧板を備え、この圧板の原稿押さえ部の少なくとも一部分が、流動性のある半固体のゲルが封入された密封性のある軟質の中空部材で構成され、前記圧板を閉じる際に前記中空部材を、前記コンタクトガラスに対して左右の高さに差異を設け、かつ中央部が前記コンタクトガラス側に凸となるように対向位置させ、前記圧板を閉じて前記中空部材が前記コンタクトガラスに接触するときに、前記ゲルが前記中空部材の内部を移動して、接触面積全体で均等に前記コンタクトガラスを押さえることを特徴とする圧板機構。
- 前記中空部材が、原稿を直接押さえる構成であることを特徴とする請求項1記載の圧板機構。
- 前記中空部材が、軟質の樹脂製白色シートを介して原稿を押さえる構成であることを特徴とする請求項1記載の圧板機構。
- 前記中空部材、または前記中空部材が取り付けられている支持部材を、前記中空部材の上部に設置された少なくとも1つの弾性部材を介して圧板側に取り付ける構成であることを特徴とする請求項1ないし3記載の圧板機構。
- 前記中空部材の内圧を調整可能とする内圧調整機構を備えることを特徴とする請求項1ないし4記載の圧板機構。
- 前記原稿押さえ部材内部の流動性のある充填材を増加または減少させることにより内圧を調整する調整機構を備えることを特徴とする請求項5記載の圧板機構。
- 請求項1ないし6のいずれか1項記載の圧板機構を備えることを特徴とする自動原稿送り装置。
- 請求項7記載の自動原稿送り装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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