JP4037090B2 - 熱現像感光材料への画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料への画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式処理が行われない乾式材料を用いる画像記録のようなドライシステムにおける記録に適用される画像形成装置の小型化等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蓄熱性蛍光体シートを用いた、デジタルラジオグラフィーシステム、CT、MR等の医療用の画像を記録する画像記録装置では、銀塩写真式感光材料に撮影または記録後、湿式処理して再現画像を得るウェットシステムが用いられている。
【0003】
これに対して近年、湿式処理を行うことがないドライシステムによる記録装置が注目されている。このような記録装置では、感光性および/または感熱性熱現像感光材料や熱現像感光材料のフィルム(以下、「熱現像感光材料」という。)が用いられている。また、このドライシステムによる記録装置では、画像露光部において熱現像感光材料にレーザービームを照射(走査)して潜像を形成し、その後、熱現像部において熱現像感光材料を加熱手段に接触させて熱現像を行い、その後、画像が形成された熱現像感光材料を装置外に排出している。
このようなドライシステムは、湿式処理に比べて短時間の内に画像形成ができるばかりでなく、湿式処理における廃液処理の問題を解消することができ、今後その需要が高まることが充分に予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライシステムで使用している熱現像感光材料はハロゲン化銀を赤外に分光増感したり、赤色に分光増感したりして用いられる。しかしながらこの様な分光増感された熱現像感光材料は、熱現像感光材料の生経時によって分光増感色素の分解が進み減感してくる。
一方、本出願人に係る特開2000−305213公報にはハロゲン化銀が分光増感されずに紫外〜青レーザーによって露光されることによってこのような問題点が改良されることが開示されている。しかしながらそこに開示されているような方法では十分に高感度なシステムを設計することができなかった。また、必要な画質(鮮鋭度)を得るためにも不充分であった。
本発明の目的は、紫外〜青色レーザー露光用の高感度で高画質な高沃化銀ハロゲン化銀感光材料を用いて初めて可能となる高密度・高精細な画像形成が可能となり、又は従来装置と比べて格段に小型化ができる画像形成方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の画像形成方法の発明は、支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料であって、該感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が5モル%以上100モル%以下で前記ハロゲン化銀が沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を持つ熱現像感光材料に、350nm〜450nmに発光ピークをもつレーザー光を発生する光源を有する走査光学系により露光することによって、該熱現像感光材料上に潜像を形成し、該熱現像感光材料上に熱現像部によって80℃〜250℃に加熱することによって現像し、該熱現像部によって加熱処理された該熱現像感光材料を冷却部にて搬送する間に該熱現像感光材料を現像停止温度以下に低下させることを特徴とする。
【0011】
このような構成により、青色レーザー露光による高感度で高画質な画像を形成できる熱現像感光材料を用いることができ、したがって400nm前後の短波長の高出力・小型化の半導体レーザが使用可能となる。その結果、▲1▼ 従来の大きさの装置に適用する場合に、ビーム径をより細く絞り込むことができるので、高密度・高精細な画像形成が可能となり、逆に、 ▲2▼ 従来と同等ビーム径を得るための光路長(焦点距離)を短くすることができるので、従来の光学装置と比べて格段に小型化ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、添付の図面を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。図示されるように、熱現像本装置10は、熱現像感光材料の搬送経路順に、熱現像感光材料供給部12と、幅寄せ部14と、画像露光部16と、熱処理装置18とを主たる構成要素として構成される。
【0013】
熱現像感光材料供給部12は、熱現像感光材料Aを一枚ずつ取り出して、熱現像感光材料Aの搬送方向の下流に位置する幅寄せ部14に供給する部分であり、装填部22および24と、前記各装填部に配置される吸盤26および28を有する熱現像感光材料供給手段ならびに供給ローラ対30および32と、搬送ローラ対34と、搬送ガイド38,40および42とを有して構成される。
【0014】
装填部22および24は、熱現像感光材料Aを収納したマガジン100を所定位置に装填する部位である。図示の例では、2つの装填部22および24を有しており、両装填部には、通常、サイズの異なる(例えば、CTやMRI用の半切サイズと、FCR(富士コンピューテッドラジオグラフィー)用のB4サイズ等)熱現像感光材料Aを収納するマガジン100が装填される。
各装填部22および24に配置される熱現像感光材料供給手段は、吸盤26および28によって熱現像感光材料Aを吸着保持して、リンク機構等の公知の移動手段で吸盤26および28を移動することによって熱現像感光材料Aを搬送し、それぞれの装填部22および24に配置される供給ローラ対30および32に供給する。
【0015】
熱現像感光材料Aは、少なくとも1本のレーザビームのような光ビームによって画像を記録(露光)し、その後熱現像して発色させる感光材料である。
また、熱現像感光材料Aは、熱現像感光材料状に加工され、通常、100枚等の所定単位の積層体(束)とされ、袋体や帯等で包装されてパッケージ80とされている。
尚、上記の熱現像感光材料Aに関しては、後段において詳細に説明する。
【0016】
供給ローラ対30に供給された装填部22の熱現像感光材料Aは、搬送ガイド38,40ならびに42に案内されつつ搬送ローラ対34ならびに36によって、他方、供給ローラ対32に供給された装填部24の熱現像感光材料Aは、搬送ガイド40ならびに42に案内されつつ搬送ローラ対36によって、それぞれ下流の幅寄せ部14に搬送される。
【0017】
幅寄せ部14は、熱現像感光材料Aを、搬送方向と直交する方向(以下、幅方向とする)に位置合わせすることにより、下流の画像露光部16における主走査方向の熱現像感光材料Aの位置合わせ、いわゆるサイドレジストを取って、搬送ローラ対44によって熱現像感光材料Aを下流の画像露光部16に搬送する部位である。
幅寄せ部14におけるサイドレジストの方法には特に限定はなく、例えば、熱現像感光材料Aの幅方向の1端面と当接して位置決めを行うレジスト板と、熱現像感光材料Aを幅方向に押動して端面をレジスト板に当接させるローラ等の押動手段とを用いる方法、前記レジスト板と、熱現像感光材料Aの搬送方向を幅方向で規制して同様にレジスト板に当接させる、熱現像感光材料Aの幅方向のサイズに応じて移動可能なガイド板等とを用いる方法等、公知の方法が各種例示される。
幅寄せ部14に搬送された熱現像感光材料Aは、上記の如く搬送方向と直交する方向に位置合わせされた後、搬送ローラ対44によって下流の画像露光部16に搬送される。
【0018】
画像露光部16は、光ビーム走査露光によって熱現像感光材料Aを像様に露光する部位で、露光ユニット46と副走査搬送手段48とを有して構成される。
図2はこの画像露光部16の1例を示している。
図2において、画像露光部16は、
▲1▼ 本発明の熱現像感光材料の出現を待って初めて使用可能な400nmの短波長のレーザビームL0を出力する高出力・小型の半導体レーザ50a,レーザビームを平行光束とするコリメータレンズ50b,シリンドリカルレンズ50cとからなる第一のレーザ光源50のほかに、
▲2▼ この光軸方向と直交して、前記第一のレーザ光とは異なる波長のレーザビームL1を出力する第二の半導体レーザ200a,コリメータレンズ200b,シリンドリカルレンズ200Cからなる第二のレーザ光源200を備えている。
400nmの短波長・高出力・小型の半導体レーザ50aとしては、例えば日亜化学工業製NLHV3000E半導体(青〜紫)レーザ[CW(連続発光)で、発振波長最小395nm〜405nm、最大定格35mWの光出力を出せる。]を用いることができる。
【0019】
各レーザ光源50,200からの光は、偏光ビームスプリッタ202を通じて同一位相の重畳されたビームとなり、反射ミラー204を通じてポリゴンミラー54に入光し、これの回転に伴いレーザビームは偏光されつつfθレンズ56及びシリンドリカルミラー58を介して主走査方向bに沿って照射される。
なお、fθレンズは、偏向された光ビームの焦点面が円弧状となり、平面上を走査する場合には、光ビームの走査面上のスポット径や走査速度が1回の走査中に変動するときに、光ビームのスポット径の変動を防止するとともに等速度走査させるためのレンズである。
また、シリンドリカルミラー58は、ポリゴンミラー54等における光ビームの反射面の変動により走査スポットの位置が、走査面内における光ビームの走査方向(以下、主走査方向という)に垂直な方向(以下、副走査方向という)に変動する現象が生じ、また、ポリゴンミラー54の製造精度に起因する各反射面の回転軸に対する平行度の誤差が原因でこれが副走査方向のピッチすなわち走査線の間隔を不安点なものにするという問題を解決するためのものである。
【0020】
そこで、画像信号の入力を受けて、図示しない制御部によりドライバ52を駆動し、ポリゴンミラー(回転多面鏡)54及びローラ対62に設けた送りモータ206を回転駆動制御してレーザビームを正確に熱現像感光材料Aの主走査方向bに走査しつつ熱現像感光材料Aを副走査方向aに送ることができる。
以上により、熱現像感光材料Aはローラ対62に設けた送りモータ206の送りによる副走査方向に順次送られながら、その表面に主走査方向に沿って所定の輪郭線の潜像を順次形成することになる。
【0021】
このように、第一のレーザ光のほかに、この光軸方向と直交しこれとは異なる波長のレーザビームを出力する第二のレーザ光を用いることによって後述するEm(乳剤:エマルジョン)層が薄いことによるレーザビームの層内での反射に伴う干渉縞の発生が抑制され、輪郭のはっきりした潜像を熱現像感光材料Aの表面に形成できる。
また、第一のレーザ光のほかに、この光軸方向と直交しこれと同一波長のレーザビームを出力する第二のレーザ光を用いる合波によって、光量を増やすことができ、高出力の露光が可能となる。
レーザー出力としては、1mW以上(0.1W/mm2)のものが好ましく、10mW以上のものがより好ましく、35mW以上の高出力のものが更に好ましい。その上限には特に制限はないが1W程度である。これらは合波によって可能となる。
【0022】
青域〜紫外線域の発光光源として、日亜化学工業製NLHV3000E半導体を挙げたが、もちろん他の半導体レーザーダイオードや他の発光光源を使うことも可能である。色素レーザー、SHG(Second Harmonic Generation)レーザ、YAGレーザー、ガス(Ar、Kr)レーザー等青域発光するものであればよい。
【0023】
ビーム径は原理的にはレーザ光源の波長まで絞り込めるが、光路長が長くなり装置が大型化するので、使用するビーム径はガウシアンビームの1/e2スポットサイズで略20μm〜150μmが好ましい。この範囲であれば、20μmのビーム径の場合、従来装置の大きさで精細な線画が得られ(高密度・高画質)、また150μmの場合、従来装置と同画質を維持したままで装置を小型化できる。
【0024】
本発明の熱現像感光材料を露光するには、1画素を形成するのにレーザー光を副走査方向に少しずつずらして重なり露光して走査線が見えないようにすることが好ましい。例えば、レーザー光の径としてガウシアンビームの1/e2スポットサイズ100μmを用いて、100μmの1画素を露光する場合、1回で露光するのではなくて、副走査方向へ25μmずつずらしながら4回露光し、その積分値の光量とすることで、副走査方向に隣接する画素との間に未画像露光部分がなくなり、良質な画像が得られる。
【0025】
露光ユニット46は、記録画像に応じて変調した光ビームLを主走査方向(熱現像感光材料Aの幅方向)に偏向して、所定の記録位置に入射する公知の光ビーム走査装置である。この露光ユニットには、これ以外にも、光源から射出された光ビームLを整形するコリメータレンズやビームエキスパンダ、面倒れ補正光学系、光路調整用ミラー等、公知の光ビーム走査装置に配置される各種の部材が必要に応じて配置されている。
ここで、前述のように、記録画像に応じてパルス幅変調された光ビームLは、主走査方向に偏向されているので、熱現像感光材料Aは光ビームによって2次元的に走査露光され、潜像が記録される。
【0026】
しかし、より高精度、高密度の走査が要求される一方、コストの削減、小型化も望まれており、球面素子や円筒素子だけで走査光学系を構成すると、小型化やコストダウンは困難となってきている。そこで高精度に面倒れ補正を行うことのできる光走査光学系として、偏向光を所定の走査面上に結像するとともにその走査面上で等速度走査せしめるための単レンズと、面倒れ補正のための走査方向に垂直な方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルミラーとから構成し、その単レンズの少なくとも1面を、単レンズがシリンドリカルミラーとともに面倒れを補正するようにトーリック面により形成すると共に主走査断面形状を非球面形状にすると良い。このようにすると、部品点数を抑制することもできコストアップの防止を図ることができる。
また、光走査光学系として、自由曲面により形成した1枚のミラーを用いて構成してもよい。
【0027】
本発明では半導体レーザーに直接信号を与えて変調させてグレースケール画像の潜像を形成する直接変調であるが、本発明はこれ以外にも、AOM(音響光学素子)等の外部変調器を用いてレーザー光を変調し熱現像感光材料上にグレースケール画像の潜像を形成する間接変調も可能である。
【0028】
図1に戻って、このように画像露光部16で熱現像感光材料A上に潜像が形成された後、搬送ローラ64、66等によって熱現像部18へ搬送される。その際、熱現像感光材料Aは、塵埃除去ローラ132によって裏面および表面の塵埃が除去される。なお、塵埃除去ローラは露光部16の前に配置されてもよい。
【0029】
図3は本発明の第1実施の形態に係る画像形成装置の熱現像部18の概略構成図である。この熱現像部18は熱処理を適用されるタイプの熱現像感光材料Aを加熱するものであり、構成としては、熱現像感光材料Aを処理するのに必要な温度となる加熱体としての熱現像感光材料Aの移送方向に並ぶ3つのプレートヒータ120a,120b,120cと、熱現像感光材料Aを各プレートヒータ120a,120b,120cの表面に接触させつつ、各プレートヒータ120a,120b,120cに対して相対的に移動させる(滑らせる)移送手段126と、プレートヒータ120a,120b,120cから熱現像感光材料Aへの伝熱のため、各プレートヒータ120a,120b,120cの熱現像感光材料A接触面の裏側を押圧する手段である押さえローラ122a,122b,122cを備える。
【0030】
この実施形態の各プレートヒータ120a,120b,120cは平板プレートとしている。それぞれのプレートヒータ120a,120b,120cは、その内部に少なくとも1つの加熱手段(例えば、ニクロム線等)を平面状に敷設して収容した板状の加熱部材を備え、熱現像感光材料Aの現像温度に維持される。なお、熱現像感光材料Aに接する面の材質は単に伝熱体とし、その裏にラバーヒータを取り付けたり、熱風又はランプによる加熱の構成としても良い。各加熱手段の温度は独立に制御されることが好ましい。
【0031】
また、各プレートヒータ120a,120b,120cは必ずしも同じ長さである必要はなく、熱処理の条件に合わせて任意に選択できる。各ヒータの間隔については、間隔が長いと熱現像感光材料への熱供給効率が悪くなるので、この間隔は50mm以下が望ましい。
更に、各プレートヒータ120a,120b,120cの表面に、熱現像感光材料材料Aとの接触面がフッ素樹脂で構成された処理熱現像感光材料を配設したり、同じく接触面にコーティングをしたりして、熱現像感光材料A移送時のスリキズ等の防止をすることが望ましい。
また、これらプレートヒータ120a,120b,120cの熱現像感光材料Aとの接触面側部分が熱伝導性ゴムにより構成され、その表面にフッ素樹脂層が形成される構成とされることができる。この構成とすることで、プレートヒータ120a,120b,120cと熱現像感光材料Aとの間にゴミや埃などが入ってもゴムによる弾性により、現像時にその部分のみが白抜けとなったり、熱現像感光材料A表面への傷となることを抑制できる。そして、フッ素樹脂層により熱現像感光材料Aの滑り性を確保することもできる。
【0032】
熱現像感光材料Aの昇温のために熱現像部18の前半部で多く熱量が必要であるので、熱現像部18の入口部のプレートヒータ120aに熱供給をより多くすることが好適である。更に、部分的な変化の度合いを少なくするために、熱容量は下流側に配置されたプレートヒータ120b,120cよりも大きくすることが好ましい。
更に、温度制御用の温度センサ位置に関して、各プレートヒータ120a,120b,120c毎に設けられるべきであり、その位置としては各ヒータの上流側よりも下流側の方が温度が高く安定しているので、熱現像感光材料の温度を設定温度に制御するためには、各プレートヒータの後端につけることが好ましい。
【0033】
熱現像感光材料Aは集積トレー202から吸引装置201により吸引された後、駆動装置(図示せず)により駆動される対ローラ126を介して熱処理装置18に案内される。そして、対ローラ126の駆動移送により、押さえローラ122a,122b,122cとそれらに対応するプレートヒータ120a,120b,120cとの間を通過し(滑り)、熱処理が施される。
熱処理を終えた熱現像感光材料Aは案内ローラ128を介して排出される。
擦り傷などをなるべく避けるために、熱現像感光材料Aのプレートヒータ120a,120b,120cと接する面は、熱処理を必要とする機能を備えた面を避けるのが好ましい。また、観察が特に重要とされるような熱現像感光材料である場合、その観察側の面が各プレートヒータ120a,120b,120cと接することを避けることが好ましい。
【0034】
押さえローラ122a,122b,122cは、対応する各プレートヒータ120a,120b,120cにおいてそれぞれ複数個備えられ、各プレートヒータの一方の面に接するか、または熱現像感光材料Aの厚み以下の間隔をもって熱現像感光材料A移送方向でのプレートヒータ120a,120b,120cの全長に渡り各プレートヒータ毎の所定ピッチで配設されている。
すなわち、熱現像感光材料Aの押圧について、押圧個所は熱現像部18の入口部をより多くする。また、押圧間隔も熱現像部18の入口部をより小さくする。これにより、熱現像感光材料昇温部での押圧が強固となるため、熱現像感光材料の座屈を防止するとともに温度ムラも防止できる。本実施形態のように熱現像感光材料を押圧する手段がローラ122a,122b,122cの場合、入口部のプレートヒータ120aにおけるローラ本数を他の多くし、ローラピッチを密にするとよい。
なお、押さえローラ122a,122b,122cの駆動系はローラ122それぞれにつけてもよいが、装置コスト、装置スペースを考慮すると1つの駆動系にすることがより望ましい。各ローラ122の周速度は熱現像感光材料の移送を安定にするため、同速度がよく、速度値は熱処理の能力によって決められる。
【0035】
それらの押さえローラ122a,122b,122cとプレートヒータ120a,120b,120cとによって熱現像感光材料搬送路124を形成している。熱現像感光材料搬送路124での押さえローラ122a,122b,122cとプレートヒータ120a,120b,120cとの間隔を熱現像感光材料Aの厚み以下とすることにより、熱現像感光材料Aが滑らかに挟み込まれる状態を実現し、熱現像感光材料Aの座屈が防止できる。この熱現像感光材料搬送路124の両端には、熱現像感光材料移送手段である供給ローラ対126と排出ローラ対128とが配設されている。
【0036】
これらの押さえローラとしては、金属ローラ、樹脂ローラ、ゴムローラ等が利用できる。そして、この押さえローラ122の熱伝導率は0.1〜200W/m/℃の範囲が適している。
また、押さえローラ122a,122b,122cを中心と見てプレートヒータ120a,120b,120cとは反対側位置に、保温のための保温カバー125a,125b,125cを配設することが好ましい。
【0037】
なお、熱現像感光材料Aが搬送される際に、熱現像感光材料Aの先端が押さえローラ122a,122b,122cに突き当たると、一瞬、熱現像感光材料Aが停止する。その時、各押さえローラ122a,122b,122cが等ピッチで離間している場合には、熱現像感光材料Aの同じ部分が各押さえローラ122a,122b,122c毎に停止してその部分が各プレートヒータ120a,120b,120cに長い時間押圧されることになり、結果として熱現像感光材料Aには、その幅方向に延びるスジ状の現像ムラを生じることにある。そこで、各押さえローラ122a,122b,122cのピッチを不均一にすることが好ましい。
【0038】
ここで、熱現像感光材料Aを移送させる手段としては、プレートヒータ120a,120b,120c直前で最上流の押さえローラ122a近傍に配置された対ローラ126が使用されている。このような移送手段として案内ローラ128にも駆動力を持たせることもできる。なお、移送手段としては、熱現像感光材料Aを熱処理装置に案内し、移送できるものならばこれらに限定されるものではない。従って、熱現像感光材料を移送させる手段はローラ122であってもよいし、熱現像感光材料入口部や熱現像感光材料出口部に熱現像感光材料移送装置(図示せず)をつけても良い。
【0039】
熱現像部18は上記の如く構成されるが、更に熱現像感光材料Aを熱現像部18に至る前に現像温度以下の温度で予備加熱しておくことが好ましい。これにより、現像ムラを更に低減することができる。
そして、熱現像部18から排出された熱現像感光材料Aは、ガイドプレート142に案内され、排出ローラ対144からトレイ146に送出される。
また、この熱現像装置10の下部には、上記各部を駆動するための電源部55と制御部500とが備えられている。
【0040】
熱現像部18は、加熱温度が高いため、通常運転時の消費電力をできるだけ小さくすることが要求される。これに対して、設定温度と現在温度を比較して、より温度差の大きい加熱体から順に許容電力以内で1つ以上のヒ−タに通電する制御をすることが好ましい。
一方、処理速度の向上のためには、熱現像部18は立ち上げ時間を短くすることも要求される。これに対して、各々のプレートヒータ120a,120b,120cを加熱する手段の電気容量と、対応するプレートヒータ120a,120b,120cの熱容量との比が一定であることが望ましい。
【0041】
そして、熱現像部18から排出された熱現像感光材料Aは、図4〜図13に示す冷却部を通した後、ガイドプレート142に案内され、排出ローラ対144からトレイ146に送出されるようにしてもよい。
【0042】
図4において、冷却部450は、熱現像部410で加熱処理された熱現像感光材料Aを通過させる間に、熱現像感光材料Aを熱交換によって冷却するものであり、本実施形態における冷却部450は、一対の金属ローラ460,462によって熱現像感光材料Aの温度を現像停止温度以下に低下させるものである。熱現像感光材料Aの温度は、熱現像直後で通常100°〜150°程度であるが、冷却部450により例えば70°〜110°程度まで冷却すれば、熱現像感光材料A内部の現像反応を停止し、外部環境温度の影響を受けずに安定した画像を得ることができる。
熱現像部410の端部と一対のローラ460,462との間隔d1は、熱現像装置10内の温度による影響を低減するため短いことが望ましい。距離d1としては、例えば20mm〜100mm程度の範囲が望ましい。
また、熱現像感光材料Aの搬送速度は、単位時間当たり処理枚数や熱現像部410の長さ等を考慮して適宜に選択される。例えば10mm/sec〜50mm/secの範囲が適している。一対のローラ460,462の外径は、熱現像感光材料Aの前記搬送速度を勘案して15mm〜30mmの範囲が適している。
このように図4の冷却部450は、一対のローラ460,462のいずれも金属ローラであり、加熱処理された熱現像感光材料Aを両面から挟み付けた状態で搬送する間に、前記温度に低下させる構成になっている。金属ローラは熱伝導特性が良く、搬送中に熱現像感光材料Aの全幅に密接するので熱現像感光材料Aの熱を効率的に奪うようになる。したがって、冷却効果は大きく、冷却部450内を搬送する間に熱現像感光材料Aを前記温度に効果的に冷却することができる。
しかし、一対のローラ460,462がいずれも金属製である場合、ローラ460,462に塵埃等の異物がトラップされて熱現像感光材料Aに筋状の濃度ムラが生じることがあった。
【0043】
そこで、図5に示すように一方のローラ462を金属ローラで構成し、他方のローラ460を表面が弾性体のローラ、例えばゴムローラ、スポンジローラ等に変えた。この構成によれば異物がローラ460,462に到来してもローラ間460,462を通過してしまうため筋状の濃度ムラを生じることがなくなる。
また、熱現像時に熱現像感光材料Aから油脂成分(ガス体等)が揮発し、それが金属ローラ462に付着するとスジムラがおきるという問題があったが、この問題に対しては、弾性体で構成したローラ460が金属ローラ462に対してクリーニングローラの作用をするので、熱現像感光材料Aの不通過時に金属ローラ462に付着した油脂成分が弾性体ローラ460によって除去され、金属ローラ462によるスジムラがなくなる。
さらに、弾性体で構成したローラ460の表面弾性体層は、必要に応じて脱着可能な構成にしてもよい。一対のローラ460,462は、回転駆動、駆動無しのいずれの構成であってもよい。
【0044】
図6は図5に示した熱現像感光材料Aの一部を拡大して示すもので、画像の形成面である熱現像感光材料Aの感光面であるエマルジョンEM層側を金属ローラ462に接し、非感光面であるバックコートBC面を弾性体ローラ460に接触させる構成が望ましい。この構成によれば、熱現像感光材料Aをより短時間で現像停止温度以下に低下させることができる。
熱現像部410の端部と一対のローラ460,462との間隔d1は、図4の場合と同じく、熱現像装置10内の温度による影響を低減するため短いことが望ましい。距離d1としては例えば20mm〜100mm程度の範囲が望ましい。
また、熱現像感光材料Aの搬送速度は、単位時間当たり処理枚数や熱現像部410の長さ等を考慮して適宜に選択される。例えば10mm/sec〜50mm/secの範囲が適している。一対のローラ460,462の外径は、熱現像感光材料Aの前記搬送速度を勘案して15mm〜30mmの範囲が適している。
【0045】
前記構成の冷却部450は、図7〜図13に示すような構成にしてもよい。
図7に示した構成は、熱現像感光材料Aの冷却をより短時間に行おうとするものである。即ち、一対のローラ460,462から熱現像感光材料Aを下流側に搬送する際、ラップ角αを設定している。このラップ角α分だけ金属ローラ462への熱現像感光材料Aの巻き付け距離が長くなるため、より大きく冷却されることとなる。但し、ラップ角αを大きくしすぎると、急冷しすぎとなり、熱現像感光材料Aにカールやシワが発生して平面性が損なわれるので、0≦α≦5°の範囲が望ましい。
【0046】
図8に示した構成は、複数のローラ460,462の配列を交互に千鳥配列に構成したものである。新たに追加された一対のローラ460a,462aについては、金属ローラやゴムローラ、さらに樹脂ローラ等を適用できる。
この千鳥配列構成によれば、熱現像感光材料Aがラップ角相当分だけ金属ローラ等460,462,460a,462aへの熱現像感光材料Aの巻き付け距離が長くなるため熱現像感光材料Aとローラとの接触時間が長くなり冷却効果がより一層向上するとともに、熱現像感光材料Aが交互に逆方向へ巻かれることとなりカールやシワが発生しにくくなり、平面性が損なわれることもなくなる。
【0047】
図9に示した構成は、ローラ462に代えてエンドレスベルト468を設けるとともに、熱現像感光材料Aをエンドレスベルト468に圧接させるための押さえローラ464を設けたものである。エンドレスベルト468は、例えば熱伝導性のよい金属や、弾性のあるゴム・樹脂等により構成され、時計方向に回転する速度は熱現像感光材料Aの搬送速度と同速度あるいは異なった速度に設定される。押さえローラ464の材質はエンドレスベルト468が金属の場合は弾性のあるゴム・樹脂等により構成され、逆にエンドレスベルト468がゴム・樹脂等の場合は熱伝導性のよい金属で構成されるのがよい。
そして、エンドレスベルト468が熱伝導性のよい金属エンドレスベルト468の場合、冷却ファン等の空冷機器Cにより空冷しながら前記のように回転させることにより、熱現像感光材料Aは押さえローラ464によってエンドレスベルト468に圧接されながら、しかも冷却されながら搬送されることになる。
【0048】
この構成によれば、熱現像感光材料Aとエンドレスベルト468との接触時間が長くなり、冷却効果が向上する。しかも、エンドレスベルト468を冷却することにより、熱現像感光材料Aの入力側端部の温度を一定温度に維持することができ、常に一定の条件で安定に冷却できる、という効果が得られる。
また、熱現像感光材料Aが搬送されていない時に、エンドレスベルト468の表面がローラ464によりクリーニングされるので、前記油脂成分による悪影響も軽減することができる。
【0049】
図10に示した構成は、エンドレスベルト468の内部に冷却フィン付きの金属ブロック410を設けたものである。この構成によれば、熱現像感光材料Aは押さえローラ464によって前記同様にエンドレスベルト468に圧接されながら搬送される。そして、熱現像感光材料Aからエンドレスベルト464に伝導した熱は、放熱フィン付きの金属ブロック410により放熱されるので、熱現像感光材料Aの熱を効果的に低下させることができる。
【0050】
図11に示した構成は、時計方向に回動付勢されるエンドレスベルト468と、反時計方向に回動付勢されるエンドレスベルト469とを設け、熱現像感光材料Aを上下両面から押さえ付けながら搬送するものである。エンドレスベルト468,469は図9同様に冷却ファン等の空冷機器Cにより冷却されるか、或いは図10同様に放熱フィン付きの放熱用の金属ブロックにより冷却される。
この構成によれば、熱現像感光材料Aの放熱がより一層効果的に行われるうえに、常に一定の条件で熱現像感光材料Aを冷却できる。
【0051】
図12に示した構成は、ローラ462内にヒートパイプ484を設け、ローラ462を冷却するものである。ヒートパイプ484は、アルミニウムやステンレス鋼、銅などのパイプの内側にガラス繊維や網状の細い銅線等で作ったウイック材を張り、内部を減圧にし、フレオン、アンモニア、水等の熱媒体の蒸気の移動と蒸発潜熱の授受によって熱移動させるものであるから、これを用いることによりローラ462内の熱が効率良く外気に排出されることとなる。
【0052】
また、図13に示すようにローラ軸の端部に冷却フィン472を設け、ファン474により送風してローラ462を冷却する。この構成によれば、ローラ462を効率的に冷却することができるうえに、温度上昇も抑えられるので、熱現像感光材料Aの冷却を効率的かつ安定に行うことができる。
【0053】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。この熱現像装置500は、熱現像感光材料の搬送経路順に、熱現像感光材料供給部を構成する装填部522および524と、幅寄せ部514と、画像露光部516と、熱現像部400とを主たる構成要素として構成される。
ここでこの実施形態の基本的構成は次のようになっている。すなわち、各部の対応として、装填部522および524には装填部22および24が、幅寄せ部514には幅寄せ部14が、画像露光部516には画像露光部16、熱現像部400には熱現像部18が、それぞれ対応している。そして、画像露光部516はに示した熱現像装置と同様の作用を備える。熱現像感光材料Aはこの画像露光部516における露光の後、搬送ローラ564,566により熱現像部400の熱現像感光材料搬入ローラ414まで搬送される。熱現像装置500の下部には、上記各部を駆動するための電源部555と制御部550とが備えられている。
この実施の形態に適用される熱現像部400の配置としては、図15〜図22に示す構成を与えている。そして、この熱現像部以外の構成部分については、上記のように図1に示した熱現像装置と同様な構成であり、その構成・作用説明を省略する。
【0054】
以降では、熱現像部400と冷却部450について図面を使用して説明する。
図15は本発明に係わる第2の実施形態の画像形成装置の熱現像部の外観を示している斜視図である。この熱現像部400は熱処理部410と冷却部450とに区分される。熱処理部410のフレーム402には、搬送される熱現像感光材料Aの両側辺位置で一対の外側カバー404が固定され、更に、熱処理部410の最外部には加熱体カバー412A,412B,412C,412Dが対の外側カバー404間に配置される。これら外側カバー404と加熱体カバー412A,412B,412C,412Dにより、後述する加熱ユニット及び熱処理部410の内部要素(後述する)が保護・保温される。この各加熱体カバー412A,412B,412C,412D表面には、操作者などが触れてもやけどしないように植毛がなされることができる。この植毛の材料としては毛状で150℃程度に対して耐熱であれば良く、例えば、6−ナイロン、66−ナイロンなどが使用される。更に、熱処理部410の下流側には冷却部450が連接され、カバー452により覆われ、保温及び安全性を確保している。
【0055】
図16は図15の熱現像部の内部構成及び搬送経路を示す概略構成図である。熱処理部410内部の加熱搬送形態次のようになっている。すなわち、各加熱体カバー412A,412B,412C,412Dの内部には、湾曲面424A,424B,424C,424Dを有するプレートヒータ417A,417B,417C,417Dを備えた加熱ユニット420A,420B,420C,420Dが上流側から順に配設されている。更に、これらの加熱ユニット420A,420B,420C,420Dにはそれぞれ複数の押さえローラ422A,422B,422C,422Dが各湾曲面424A,424B,424C,424Dに沿って備えられ、全体として、一連の円弧状配置となってる。
【0056】
各押さえローラ422A,422B,422C,422Dの軸方向端部には従動歯車423A,423B,423C,423Dが備えられ、押さえローラ422A,422B,422C,422Dの円弧配置の中心を軸としてこれらと噛み合う位置で、押さえローラ駆動歯車408がフレーム402に軸支されている。この押さえローラ駆動歯車408は、熱処理部410下方でフレーム402に支持されている主駆動歯車440により従動歯車406を介して回転される。
また、供給ローラ対416が加熱ユニット420Aの上流に設けられ、熱処理部410内部への熱現像感光材料Aの搬入をより確実にする。そして、押さえローラ駆動歯車408は、供給ローラ対416をも駆動させる構成とすることができる。
このように、押さえローラ駆動歯車408により供給ローラ対416及び各押さえローラ422A,422B,422C,422Dが回転されるので、加熱中の熱現像感光材料Aの搬送をスムーズに行うことができる。
この押さえローラ駆動歯車408の熱伝導率が高いと熱処理部410からの熱の放散が大きくなるので、樹脂材料(例えば、ベーク板など)などの熱容量の大きい材料とするのが好適である。なお、この際、歯の部分は耐久性の点から金属やガラス繊維などを用いても良い。
【0057】
また、主駆動歯車440は駆動力伝達歯車442Aに駆動力を伝達し、各駆動力伝達歯車442B,442C,442D,442E,442Fに張架された駆動ベルト444に動力を伝達し、熱現像感光材料搬入ローラ414、冷却部450の各搬送ローラ、送出ローラ446を駆動する。しかしながら、各部で異なる駆動源を使用することもできる。
そして、加熱ユニット420Dの下流位置には熱処理部排出ローラ対418が備えられている。この熱処理部排出ローラ対418に連接して、冷却部450が備えられている。熱現像感光材料Aは冷却部450内で熱現像感光材料搬送路A1で搬送され、送出ローラ446により熱現像進行温度以下となった熱現像感光材料Aが送出される。
ここで、熱処理部410の待機状態時には、回転可能部分をゆっくり回転させることで、各部の熱の偏りを抑えることができる。
また、加熱ユニットへの電源電圧をモニターし、それを基にプレートヒーターの発熱量を演算し、電源電圧又は通電のオンオフを調整して全体の熱量を制御することもできる。
【0058】
図17は図15の熱現像部の一つの加熱ユニット420Bの構成を示した斜視図である。各加熱ユニット420A,420B,420C,420Dの構成はほぼ同じであるので、加熱ユニット420Bのみの構成を以て説明する。
図のように、プレートヒータ417Bと各押さえローラ422Bとは対の加熱体側板421Bの間で保持されている。このとき、押さえローラ422Bの軸方向端部に備えられている従動歯車423Bは加熱体側板421Bの外側に位置する。さらに、この従動歯車423Bが備えられる側には加熱ユニット420Bをフレーム402に固定するための支持ピン428Bが各加熱体側板421Bに二本ずつ備えられる。加熱体側板421Bに対して、押さえローラ422Bは、プレートヒータ417B側で軸受け429Bによって回転自在に支持されている。この軸受け429Bは、保持部材427Bにより加熱体側板421Bに支持された付勢部材426Bによってプレートヒータ417Bの湾曲面424B方向へ付勢されている。図では保持部材427Bを加熱体側板421Bへねじ止めしているが、溶接や接着剤により固定することもできる。
【0059】
各押さえローラ422A,422B,422C,422Dの材質としてはシリコンを使用し、搬送性と保温性を両立している。また、軸受け429Bに使用されるグリースは150℃程度の耐熱性を備えている。
【0060】
図18は図16の熱現像部のX−X線部分の矢視図である。
図のように、押さえローラ422Bは、加熱体側板421Bに固定された支持部材425Bの軸受け429Bによって回転自在に支持されている。この支持部材425Bと軸受け429Bにおいて、押さえローラ422Bの軸は所定量だけプレートヒータ417B方向への進退移動が可能な構成となっている。そして、熱現像感光材料Aが押さえローラ422Bとプレートヒータ417Bとの間に搬送されると、この間隔が広がり、一方で付勢部材426Bにより軸受け429Bはプレートヒータ417B方向へ付勢されているので、熱現像感光材料Aに所望の押圧力を与え、プレートヒータ417Bとの隙間のない接触を可能とする。
【0061】
ここで、熱現像感光材料Aが搬入されない状態の時、押さえローラ駆動歯車408と従動歯車423Bとは近接してはいるが噛み合わない位置関係で配置されている。そして、熱現像感光材料Aが搬入されると、前述のように押さえローラ422Bとプレートヒータ417Bとの間隔が開き、逆に、従動歯車423Bが押さえローラ駆動歯車408のピッチ円上で噛み合うようになる。このような配置によって、熱現像感光材料Aを挟んでいない押さえローラは回転されないこととなり、押さえローラ駆動歯車408の駆動負荷を減らすことができる。
熱現像感光材料Aが搬入されない状態で維持される押さえローラ422Bとプレートヒータ417Bとの間隔は、熱現像感光材料Aの厚みより若干狭く設定される。例えば、熱現像感光材料Aの厚みが0.2mmであれば、0.15mm程度が適当で、この場合、押さえローラ422Bの軸の進退移動可能量としては、0.05〜0.65mm程度が好ましい。また、押さえローラ422Bの径と軸受け429Bの径との差は一定であるので、これを利用することで、この押さえローラ422Bとプレートヒータ417Bとの間隔の精度を上げることができる。
【0062】
ここで、プレートヒータ417Bのヒータ部分の構造としては、押さえローラ422Bに対向する金属プレートを備え、その対向面の裏面において、電熱線パターンを間に挟んで層状とされたシリコンラバーヒータを貼り付ける構成である。そして、これらを接着する工程では、金属プレートと未加硫のシリコンラバーヒータを一体にモールドすることで、シリコンラバーヒータの加硫と金属プレートへの接着を一気に行う。このような工程により、シリコンラバーヒータと金属プレートとを隙間なく均一に密着させることができる。従って、隙間空間が入り込んだ場合に発生する異常加熱により、シリコンラバーが溶けたり、燃えるといったことが発生しない。
【0063】
図19は図15に示した熱現像部の加熱ユニット部分の横断面矢視図である。
各加熱ユニット420A,420B,420C,420D間での、押さえローラ422A,422B,422C,422Dの繋がりを示している。各押さえローラは前述のように、保持部材427A,427B,427C,427Dに固定されている付勢部材426A,426B,426C,426Dにより、プレートヒータ417A,417B,417C,417D方向の所定位置まで付勢されている。付勢部材426A,426B,426C,426Dは内部にバネを収容した構成で、各保持部材427A,427B,427C,427Dに設けられたストッパー(図示せず)に係合して各押さえローラを付勢している。
また、各プレートヒータ417A,417B,417C,417Dには電力供給用の端子415A,415B,415C,415Dが備えられている。
【0064】
ここで、加熱ユニット420A,420B,420C,420Dの傾きにより、押さえローラ422A,422B,422C,422Dの重さの影響が各付勢部材426A,426B,426C,426Dに対して異なってしまう。従って、熱現像感光材料Aへの押圧力を一定とするために、各付勢部材の付勢力を各加熱ユニットそれぞれにおいて変更しなければいけない。そこで、各付勢部材の内部のバネは全て同じレートとし、保持部材427A,427B,427C,427Dごとに、ストッパー位置を変更して、所望の付勢力としている。図17では、このストッパー位置は保持部材427A,427B,427C,427Dの切れ込み底部436A,436B,436C,436Dに位置する。この切れ込み底部436A,436B,436C,436D位置の異なる保持部材を使用することにより、各付勢部材の付勢力を調整することができる。
【0065】
図20は図15に示した熱現像部の外側カバー及び加熱体カバーを除いた状態の部分斜視図である。
フレーム402の加熱ユニット配置位置には、加熱ユニット保持用の切れ込み432A,432B,432C,432Dが備えられ、加熱ユニットに備えられた対の支持ピン428A,428B,428C,428Dがはめ込まれる。そして、各支持ピンの対の一方には固定板430A,430B,430C,430Dが取り付けられ、この固定板430A,430B,430C,430Dをフレーム402に固定し、加熱ユニットを所定位置に固定する。図では、固定板を固定ねじ一本で行っている。この支持ピン428A,428B,428C,428Dはフレーム402との接触部を樹脂などの熱伝導性の低い材質を使用することで、加熱ユニットからの熱の放散を抑えることができる。
従って、フレームへの加熱ユニットの固定及び取り外しを容易にすることができる。
なお、ハンドル406Aは従動歯車406に直結しており、熱現像感光材料Aが詰まった場合などに、手動により押さえローラを回転させることができる。
【0066】
図21は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の冷却部の拡大図である。図において、熱現像感光材料A1の上下に冷却ローラ460を配置し、その際、上下の冷却ローラは対向配置でなくて、たがいに千鳥状の配置にしている。これにより、熱現像感光材料A1が冷却ローラ460に接触する時間が長くなるので、冷却効率が向上する。
さらに、冷却ローラ460の配置が直線状配置ではなくて、一定の曲率を持った配置にしてある。すなわち、この冷却部の機能は2つある。
▲1▼1つは100°C近辺で現像進行が止まるので、速くこの温度に近づけるとともにそれ以上の温度にならないようにすること。
▲2▼2つめは70°C近辺で熱現像感光材料のカールが決まるので、▲1▼の現像進行が止まった後は速く70°C近辺に近づくように冷却を強めること。
そこで、熱現像感光材料のベースとなっている熱現像感光材料ガラスの転移温度は70°C前後であるので、その間の冷却部ローラの配置がこのように一定の曲率となるようにしておくことにより、運転開始初期の状態でも定常状態でもまた諸要因によって冷却部の温度変動によって70°C近辺の冷却部が上流や下流へ移動しても常に一定の曲率での冷却状態が続くためカール量がばらつかなくなる。
【0067】
熱現像感光材料を積極的にカールさせる理由は次のとおりである。
すなわち、本来は出てくる熱現像感光材料は平らであるのが理想的であるが、完全に平らになるように温度を制御することは困難であり、したがって温度の若干の変動があったとき、作業者からみて凹面にカールしてしまったり、逆に凸面にカールして装置から出てくることとなった。このように温度の変動によって装置から出てくる熱現像感光材料が凹面になったり凸面になったり変わると、例えば出てきた熱現像感光材料を積み重ねる場合にも、きっちり重ならず隙間などが生じて作業者にとって作業しずらく、取り扱い難いものであった。
そこで、本発明では、平らになるような制御ではなくて最初から若干カールをして出てくるように、複数の冷却ローラを一定の曲率で配置させている。このようにすることにより、温度の若干の変動があって70°C近辺の冷却部が上流や下流へ移動しても一定の曲率での冷却状態が続くためカール量がばらつかなくなる。その際、同じカールでも作業者からみて凸面カールと凹面カールが考えられるが、本発明では作業者からみて若干凸面にカールして出てくるようにしてある。その理由は、凹面カールよりも凸面カールの方が机上においた場合両辺支持となり安定するなど、作業者にとって扱いやすいからである。
なお、この実施例では曲率半径350mmとしているが、熱現像感光材料の厚さ、材質によって当然、若干変わるものである。
図21において、熱現像感光材料A1は図の下方向に凸であるので、内側の中央付近の送り用ローラは不要となり、部品点数を減らすことができる効果もある。
【0068】
現像進行温度以下になる時期を一定として、濃度変化を小さくするために、以下の処置が好ましい。
つまり、この冷却ローラ460及び冷却部450内部雰囲気を温度調節しても良い。このような温度調節は、熱処理装置の立ち上げ直後と十分にランニングを行った後との状態をなるべく同様なものにし、濃度変動を小さくすることができる。
なお、この場合、図15からも分かるように、冷却部カバー452には複数の穴を下流に行くほど多く設けることで、制御機構を設けずにある程度所望の温度低下曲線を描く冷却を行うことができる。
冷却ローラ460はパイプ状とし、両端を熱伝導性の低い材料とすることで、熱容量を小さくし、熱処理装置の立ち上げ直後と十分にランニングした後とのローラ温度差を小さくすることができる。
最後に、冷却ローラ460はその表面に織物フェルトをスパイラルに巻回している。この構成により、フェルトの継ぎ目が熱現像感光材料A1の同じ位置に接触し続けるようなことが起きず、継ぎ目の跡を残すことがない。
【0069】
図22は図15に示した熱現像部の他の実施形態の内部構成及び搬送経路を示す概略構成図である。この熱処理部470において、図16の熱処理装置と同じ形態の要素には同じ符号を付す。
各加熱体カバー412A,412B,412C,412Dの内部には、湾曲面を有するプレートヒータ417A,417B,417C,417Dを備えた加熱ユニット420A,420B,420C,420Dが上流側から順に配設されている。更に、これらの加熱ユニット420A,420B,420C,420Dにはそれぞれ複数の押さえローラ422A,422B,422C,422Dが各湾曲面424A,424B,424C,424Dに沿って備えられ、全体として、一連の円弧状配置となってる。
【0070】
加熱ユニット420A,420B,420C,420Dそれぞれにおいて、プレートヒータ417A,417B,417C,417Dと押さえローラ422A,422B,422C,422Dとの間に、エンドレスの移送ベルト476A,476B,476C,476Dが押さえローラ422A,422B,422C,422Dに張架される形態で配置される。ここで押さえローラ422A,422B,422C,422Dと同様に加熱体側板421A,421B,421C,421Dに支持されているテンションローラ467A,467B,467C,467Dがエンドレスの移送ベルト476A,476B,476C,476Dに張力を与えている。
このような構成により、各押さえローラ422A,422B,422C,422Dの位置で、熱現像感光材料Aをプレートヒータ417A,417B,417C,417Dと移送ベルト476A,476B,476C,476Dとの間に挟み、移送ベルト476A,476B,476C,476Dを回転させて、熱現像感光材料Aを移送するものである。
【0071】
ここで、移送ベルト476A,476B,476C,476Dを回転させる駆動系としては、図16の熱処理装置と同様に、各押さえローラ422A,422B,422C,422Dの軸方向端部に備えた従動歯車423A,423B,423C,423Dに対して、フレーム402に軸支されている押さえローラ駆動歯車408を噛み合わせる構成とすることができる。この他にも、例えばテンションローラ467A,467B,467C,467Dに対して、ローラ駆動歯車408と同様の歯車を噛み合わせる構成とすることもできる。
【0072】
この時、熱現像感光材料Aに対するプレートヒータ417A,417B,417C,417D表面の摩擦係数よりも高い摩擦係数を移送ベルト476A,476B,476C,476Dが熱現像感光材料Aに対して有していることで、熱現像感光材料Aをプレートヒータ417A,417B,417C,417Dの表面に対して接触させつつ、相対的に移動させて(滑らせて)確実に移送することができる。従って、移送ベルト476A,476B,476C,476Dが熱現像感光材料A全面に接触することで、熱現像感光材料Aの押圧力分布が不均一となることを避け、これによって、加熱の不均一を抑制することができる。
【0073】
また、移送ベルト476A,476B,476C,476Dの熱現像感光材料Aに対向する面にはブラシ状に起毛される構成としても良く、この場合、搬送性をより向上させることができる。また、移送ベルト476A,476B,476C,476Dには通気性を持たせることで、熱現像感光材料A表面の熱処理層内の化学変化により発生するガスを排除して、熱現像感光材料Aとプレートヒータとの密着性を良くすることができる。
【0074】
なお、以上述べた各実施形態において、それぞれの実施形態で搬送方向に並ぶプレートヒータについて、互いの間に設けられた所定隙間を櫛歯形状のかみ合わせとなる形状とすることもできる。
【0075】
前記熱現像部はヒートプレートタイプのものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒートドラムタイプを適用することも可能である。
図23はそのヒートドラムタイプの熱現像装置410’を示す。130は加熱部材であるヒートドラムで、矢印方向Bに回転駆動されている。その内部に図示のないハロゲンランプやラバーヒータを配設し、これを温度制御している。また、ラバーヒータはヒートドラムの軸方向に複数分割されており、搬送されてくるフィルム(熱現像感光材料)の幅の違いに対応できるようにしている。ヒートドラム130の周方向外方には、保持部材として小径のフリーローラ131が複数本、ヒートドラム130の回転軸に対して平行にかつ、ヒートドラム130の周方向に等間隔に、加熱面であるヒートドラム130の外周面とフリーローラ131複数本が対向して設けられている。
そこで、搬送ローラ414はその回転を制御することにより熱現像感光材料Aは図の矢印方向Cに搬送され、ヒートドラム130とフリーローラ131との間に挟持されて、熱現像感光材料Aとヒートドラム130の外周とが密着した状態で矢印方向Bに示す方向に共に回転する。かかる状態で、ヒートドラム130は熱現像感光材料Aを加熱し熱現像し、熱現像感光材料Aの潜像を可視画像として形成する。その後、ヒートドラム130に対し右方まで回転したときに、ヒートドラム130から熱現像感光材料Aを離し、冷却部450に搬送する。
【0076】
前記画像処理装置の画像露光部16(図1)は熱現像感光材料を水平状態で露光していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱現像感光材料を垂直搬送しながらレーザー光を主走査露光する構成とすることも可能である。図24において10’はこの垂直露光タイプの画像形成装置を示している。図において、12は供給部、14は幅寄せ部、16’は画像露光部、18は熱現像部、そして500は制御部であり、供給部12、幅寄せ部14、熱現像部18、制御部500は図1と同一で、異なるのは画像露光部16’である。
画像露光部16’の下方で水平方向に搬送されてきた熱現像感光材料Aは搬送ローラ64’によって搬送方向を垂直方向へ変え、画像露光部16’に移行する画像露光部16’では熱現像感光材料Aに、上述の400nmのレーザ光Lレーザ光を照射する。画像露光部16’は画像信号に基づき強度変調されたレーザ光Lを偏向して熱現像感光材料A上を主走査すると共に、熱現像感光材料Aをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な進行方向に相対移動させることにより副走査して、熱現像感光材料Aに潜像を形成するものである。このように上方へ搬送するその搬送パスを利用することによって搬送パスの効率化、装置省スペース化となり、記録しながら熱現像部へ送るシステムに対応しやすくなる。
【0077】
図25は、本発明に係る熱現像感光材料の製造時のロット差や、本発明により用いられる青色レーザー光源の特性の時間的変化に伴う画像濃度のズレを簡単かつ迅速に補正する第4の実施の形態による濃度補正システムを説明するための図である。同図において、250は画像データ蓄積装置、252は露光制御部、253は信号切換部、254はD/A変換器、256は濃度測定回路、258は熱現像制御部、260は濃度補正演算部、261はテストパターン信号発生器、262は変換テーブル作成部である。濃度補正演算部260はテストパターン信号発生器261と変換テーブル作成部262から構成されている。
【0078】
そこで、画像形成は次のようにして行われる。
まず、画像データ蓄積装置250に蓄積されたデジタル画像信号S1が露光制御部252において後述の変換テーブルに基づいてデジタル画像信号S2に変換され、信号切換部253を介して、D/A変換器254に入力され、ここでアナログ化されたアナログ画像信号S4が画像露光部16に与えられる。画像露光部16では、アナログ画像信号S4に基づいた濃度で青色レーザー光により本発明に係る熱現像感光材料Aが露光され潜像が記録される。潜像が記録された熱現像感光材料Aは熱現像部18へ搬送され、ここで現像される。
上記のような構成の画像形成装置において、本発明によれば、熱現像部18の内部又は出口直近に濃度測定回路256が配備されており、これで熱現像感光材料A上の所定部分の画像濃度を検出し、同じく本発明により設けられた濃度補正演算部260で濃度補正が行われるものである。
【0079】
そこで次に、濃度補正方法について説明する。
まず、画像記録をする前に信号切換部253の可動接点をテストパターン信号発生器261側へ接続して、テストパターン信号発生器261のテストパターン信号S3を画像露光部16に入力する。熱現像感光材料Aはテストパターン信号S3により露光され、熱現像部18で現像される。その画像濃度が濃度測定回路256で測定され、濃度測定回路256で測定された画像濃度信号S5は変換テーブル作成部262へ送られる。変換テーブル作成部262では、テストパターン信号発生部261の信号S3と熱現像感光材料Aの対応箇所の画像濃度信号S5と比較をし、対応箇所の画像濃度がそのテストパターンの濃度と一致するようにデジタル画像信号S1を補正してデジタル画像信号S2に変換する変換テーブルを作成し、この変換テーブルを露光制御部252において設定させる。
露光制御部252に変換テーブルが設定されたら、信号切換部253の可動接点を露光制御部252側へ接続すると、画像データ蓄積装置250に蓄積されたデジタル画像信号S1が露光制御部252においてこの変換テーブルに基づいてデジタル画像信号S2に変換される。そこで、デジタル画像信号S2を用いて画像露光部16で露光記録すれば、濃度補正がなされた熱現像感光材料Aが得られる。
【0080】
この変換テーブルは熱現像感光材料Aのロットが変わる毎に作成し直したり、あるいは、レーザー光源の特性の時間的変化を加味して所定時間経過毎に作成し直してもよい。
【0081】
以上は、熱現像部18で現像された画像濃度を測定して変換テーブルを作成して、以後の画像露光部16での画像露光を補正するものであるが、露光部16と熱現像部18とを近接させれば、1枚の熱現像感光材料Aの記録方向の上流に記録・現像された画像濃度を測定して変換テーブルを作成して、1枚の熱現像感光材料Aの以後の画像露光にフイードバックさせるリアルタイム補正が可能となる。
【0082】
また、以上は、変換テーブル作成部262で作成された補正データを露光制御部252において利用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変換テーブル作成部262で作成された補正データを図で点線で示すように熱現像制御部258に入力し、熱現像部18の加熱温度を補正するようにして濃度補正をすることも可能である。
【0083】
以上の本発明の画像形成方法および装置の前提となる、熱現像感光材料のハロゲン化銀のハロゲンの部分にI(ヨウ素)を使用することによる短波長(400nm)のあたりに感度を有する熱現像感光材料に関して以下に詳細に説明する。
本発明に係る高沃化銀ハロゲン化銀感光材料ながら高感度で高画質な熱現像感光材料を得る目的は、以下の熱現像感光材料によって達成される。
(1) 透明支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、該ハロゲン化銀の沃化銀含量が5モル%以上100モル%以下であり、波長350nm〜450nmにピーク強度を持つ光で、1mW/mm2以上の照度を有するように露光されることを特徴とする熱現像感光材料。
【0084】
(2) 透明支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、該ハロゲン化銀が高沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を持つことを特徴とし、波長350nm〜450nmにピーク強度を持つ光で、1mW/mm2以上の照度を有するように露光されることを特徴とする熱現像感光材料。
【0085】
(3) 該ハロゲン化銀の粒子サイズが5nm以上80nm以下であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の熱現像感光材料。
【0086】
(4) 該ハロゲン化銀が有機酸銀の存在しない状態で形成されたものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0087】
(5) 該ハロゲン化銀の平均沃化銀含量が10モル%以上100モル%以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0088】
(6) 該ハロゲン化銀の平均沃化銀含量が40モル%以上100モル%以下であることを特徴とするする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0089】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として5モル%以上100モル%以下の沃化銀を含む高沃化銀乳剤であることが重要である。一般に高沃化銀含量を有するハロゲン化銀は低感度であり利用価値の低いものであった。
本発明のハロゲン化銀の一部は、直接遷移によって光を吸収する相を有することが好ましい。本発明の露光波長である350nm〜450nmにおいては、六方晶系のウルツァイト構造または立方晶系のジンクブレンド構造を有する高沃化銀構造を持つことによってこの直接遷移の吸収が実現できることはよく知られている。しかしながらこのような吸収構造をもつハロゲン化銀は一般に低感度であり写真工業的には利用価値の低いものであった。
【0090】
本発明者の研究によれば、非感光性有機酸銀塩および熱現像剤を有する熱現像感光材料において、露光照度を1mW/mm2以上の大照度で短時間(1秒以下、好ましくは10-2秒以下、更に、好ましくは10-4秒以下)露光することによって、このような高沃化銀感光材料で高感度・高鮮鋭度を達成することができることが分かった。
また本研究によれば、このときのハロゲン化銀のサイズは80nm以下であることが好ましい。このような粒子サイズの小さなハロゲン化銀において特に本発明の効果は明瞭に発揮される。
【0091】
以下、各内容について詳細に説明を加える。
本発明のハロゲン化銀の沃化銀含量は、5モル%以上100モル%以上であることが好ましい。より好ましい平均沃化銀含量は10モル%以上100モル%以下、より好ましくは40モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは70モル%以上100モル%以下、特に好ましくは90モル%以上100モル%以下である。このように高沃化銀含量になるほど本発明の効果は明瞭に発揮される。
【0092】
本発明のハロゲン化銀は、350nm〜450nmの間の波長に沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を示すことが好ましい。これらハロゲン化銀が直接遷移の光吸収を持っているかどうかは、400nm〜430nm付近に直接遷移に起因する励起子吸収が見られることで容易に区別することができる。
図26に本発明で好ましく用いられる沃化銀乳剤の光吸収を示す。420nm付近に高沃化銀の励起子に起因する吸収が見られるのが分かる。
【0093】
この様な直接遷移光吸収型高沃化銀相は、単独で存在してもかまわないが、臭化銀乳剤、塩化銀乳剤、または沃臭化銀乳剤、沃塩化銀およびこれらの混晶のような350nm〜450nmの波長域において間接遷移吸収を示すハロゲン化銀に接合して存在することも好ましく用いられる。
このような接合粒子の場合のトータルの沃化銀含量は5モル%以上100モル%以上であることが好ましい。より好ましい平均沃化銀含量は10モル%以上100モル%以下、より好ましくは40モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは70モル%以上100モル%以下、特に好ましくは90モル%以上100モル%以下である。
【0094】
この様な直接遷移によって光を吸収するハロゲン化銀相は一般に強い光吸収を示すが、弱い吸収しか示さない間接遷移のハロゲン化銀相に比べて低感度であり工業的には利用されていなかった。
本発明はこのようなハロゲン化銀感光材料の350nm〜450nmの露光において、露光照度を1mW/mm2以上にすることによって好ましい感度が得られることを見出したものである。
露光する波長としては、より好ましくは370nm〜430nmであり、更に好ましくは390nm〜430nmであり、特に好ましくは390nm〜420nmである。
【0095】
本発明のハロゲン化銀はその粒子サイズが5nm以上80nm以下であるとより好ましく特性を発揮する。特に直接遷移吸収を有する相が存在するハロゲン化銀粒子において、その粒子サイズが80nm以下と小さいことによって感度が出るようになることを見出した。
【0096】
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、より好ましくは5nm以上60nm以下、更に好ましくは10nm以上50nm以下が好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の体積と同体積の球に換算したときの直径をいう。
【0097】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11-119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特願平11-98708号、特開2000-347335号記載の方法も好ましい。
【0098】
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0099】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4-、[Fe(CN)6]3-、[Ru(CN)6]4-、[Os(CN)6]4-、[Co(CN)6]3-、[Rh(CN)6]3-、[Ir (CN)6]3-、[Cr(CN)6]3-、[Re(CN)6]3-などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0100】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n-ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0101】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0102】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10-5モル以上1×10-2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10-4モル以上1×10-3モル以下である。
【0103】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0104】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0105】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0106】
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。
周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。
好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好ましい。
これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7-225449号、特開平11-65021号段落番号0018〜0024、特開平11-119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0107】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)6]4-)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11-84574号段落番号0046〜0050、特開平11-65021号段落番号0025〜0031、特開平11-119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0108】
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0109】
本発明は固有感度を増加させる目的で強色増感剤と知られている種々化合物を用いることができる。本発明に用いる化合物としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5-341432号、同11-109547号、同10-111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0110】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7-128768号等に記載の化合物等を使用することができる。
特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11-65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5-313284号中の一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0111】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。特に分光増感後に行われることが好ましい。
【0112】
本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0113】
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。
これらに関する技術としては特開昭57-119341号、同53-106125号、同47-3929号、同48-55730号、同46-5187号、同50-73627号、同57-150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0114】
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/m2であることが好ましく、0.07〜0.4g/m2であることがさらに好ましく、0.05〜0.3g/m2であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.3モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.2モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.15モル以下である。
【0115】
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等がある。
【0116】
この様に本発明のハロゲン化銀は有機酸銀の存在しない状態で形成されたものであることが好ましい。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0117】
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。
具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章などに記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0118】
感光材料の階調は任意であるが、本発明の効果を有効に発現するためにはその濃度1.5から濃度3.0の平均コントラストが1.5以上10以下であることが好ましい。
ここで平均コントラストとは、レーザーの露光量の対数を横軸にとり、その露光量で露光された感光材料の熱現像後の光学濃度を横軸にとった特性曲線において、光学濃度1.5と濃度3.0を結ぶ線の傾きをいう。
この平均コントラストは1.5以上10以下であることが文字切れの性能向上のためには好ましい。特に好ましくは2.0以上7以下である。さらに好ましくは2.5以上6以下である。
【0119】
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。
【0120】
このような非感光性の有機銀塩については、特開平10-62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11-349591号、特開2000-7683号、同2000-72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、およびこれらの混合物などを含む。
本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0121】
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。
【0122】
本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短い方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
【0123】
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは20≧x(平均)≧2.0である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0124】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.23μmが好ましく0.1μm以上0.20μm以下がより好ましい。c/bの平均は好ましくは1以上6以下、より好ましくは1.05以上4以下、さらに好ましくは1.1以上3以下、特に好ましくは1.1以上2以下である。
【0125】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。
単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。
測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0126】
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10-62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11-349591号、特開2000-7683号、同2000-72711号、特願平11-348228〜30号、同11-203413号、特願2000-90093号、同2000-195621号、同2000-191226号、同2000-213813号、同2000-214155号、同2000-191226号等を参考にすることができる。
【0127】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。
本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し1mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mol%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
【0128】
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1〜30モル%の範囲が好ましく、更に2〜20モル%、特に3〜15モル%の範囲が好ましい。
混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0129】
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましくは0.3〜3g/m2、さらに好ましくは0.5〜2g/m2である。
【0130】
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤である熱現像剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。
このような還元剤の例は、特開平11-65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
【0131】
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
一般式(R)
【0132】
【化1】
Figure 0004037090
【0133】
一般式(R)において、R11およびR11'は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12およびR12'は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX1'は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0134】
一般式(R)について詳細に説明する。
11およびR11'は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
【0135】
12およびR12'は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1'も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0136】
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。
13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基などがあげられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様の基があげられる。
【0137】
11およびR11'として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。
11およびR11'としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0138】
12およびR12'として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
1およびX1'は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0139】
Lは好ましくは−CHR13−基である。
13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基である。
【0140】
13が水素原子である場合、R12およびR12'は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
13が炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基である場合、R12およびR12'はメチル基が好ましい。R13の炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい。
【0141】
11、R11’、R12およびR12’がいずれもメチル基である場合には、R13は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合R13の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調整することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0142】
以下に本発明の一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明の還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0143】
【化2】
Figure 0004037090
【0144】
【化3】
Figure 0004037090
【0145】
【化4】
Figure 0004037090
【0146】
本発明において還元剤の添加量は0.1〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3〜1.0g/m2である。
画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれることが好ましく、より好ましくは8〜30モル%であり、10〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
【0147】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0148】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
【0149】
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000-267222号明細書や特開2000-330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001-92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10-62895号明細書や特開平11-15116号明細書等に記載の一般式(I)、特願2001-074278号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特願平2000-76240号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が好ましく用いられる。
【0150】
これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5〜10モル%の範囲で、より好ましくは1〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物または乳化分散物として添加することが好ましい。
乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
【0151】
次に、本発明で用いられる水素結合性化合物について説明する。
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。
【0152】
その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
【0153】
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)
【0154】
【化5】
Figure 0004037090
【0155】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
【0156】
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
【0157】
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0158】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
【0159】
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0160】
【化6】
Figure 0004037090
【0161】
【化7】
Figure 0004037090
【0162】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特願2000-270498号、同2001-124796号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができる。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
【0163】
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20〜100モル%の範囲である。
【0164】
次に、本発明で用いられるバインダーについて説明する。
本発明の有機銀塩含有層のバインダーはいかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0165】
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は10℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということもある)ことが好ましく、15℃〜70℃であることがより好ましく、20℃以上65℃以下であることが更に好ましい。
【0166】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、 Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用した。
【0167】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0168】
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0169】
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。
水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0170】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0171】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0]×100(質量%)
【0172】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0173】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0174】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。
【0175】
分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、好ましくは5〜1000nmの範囲で、より好ましくは10〜500nmの範囲、さらに好ましくは50〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0176】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。
これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0177】
以下に、好ましいポリマーラテックスの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0178】
P-1;-MMA(70)-EA(27)-MAA(3)-のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
P-2;-MMA(70)-2EHA(20)-St(5)-AA(5)-のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
P-3;-St(50)-Bu(47)-MAA(3)-のラテックス(架橋性、Tg-17℃)
P-4;-St(68)-Bu(29)-AA(3)-のラテックス(架橋性、Tg17℃)
P-5;-St(71)-Bu(26)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg24℃)
P-6;-St(70)-Bu(27)-IA(3)-のラテックス(架橋性)
P-7;-St(75)-Bu(24)-AA(1)-のラテックス(架橋性、Tg29℃)
P-8;-St(60)-Bu(35)-DVB(3)-MAA(2)-のラテックス(架橋性)
P-9;-St(70)-Bu(25)-DVB(2)-AA(3)-のラテックス(架橋性)
P-10;-VC(50)-MMA(20)-EA(20)-AN(5)-AA(5)-のラテックス(分子量80000)
P-11;-VDC(85)-MMA(5)-EA(5)-MAA(5)-のラテックス(分子量67000)
P-12;-Et(90)-MAA(10)-のラテックス(分子量12000)
P-13;-St(70)-2EHA(27)-AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
P-14;-MMA(63)-EA(35)- AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
P-15;-St(70.5)-Bu(26.5)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg23℃)
P-16;-St(69.5)-Bu(27.5)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0179】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA ;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2-エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0180】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA-4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0181】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0182】
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン-ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン-ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラテックスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。
【0183】
本発明に用いることが好ましいスチレン-ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP-3〜P-8,15、市販品であるLACSTAR-3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
この様なスチレン-ブタジエン酸共重合体のラテックスの好ましいTgは10℃以上30℃以下、より好ましくは17℃以上25℃以下である。
【0184】
本発明の感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0185】
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0186】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0187】
本発明の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2、さらに好ましくは2〜10g/m2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(好ましい塗布液の溶媒)
【0188】
本発明において感光材料の有機銀塩含有層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。
水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。
好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0189】
次に、本発明に用いられるかぶり防止剤について説明する。
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体は特開平10-62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9-281637号、同9-329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、同6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。
また、本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、これらについては、特開平11-65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特開2000-284399号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10-339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特開2001-31644号および特開2001-33911号に記載の有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0190】
以下、本発明で好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
【0191】
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
【0192】
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。
【0193】
一般式(H)において、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子吸引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207-1216 等を参考にすることができる。
【0194】
このような電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等があげられる。σp値としては好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。
電子吸引性基として特に好ましいのは、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基で、なかでもカルバモイル基が最も好ましい。
【0195】
Xは、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−または−SO2 −を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2 −であり、特に好ましくは−SO2 −である。nは、0または1を表し、好ましくは1である。
【0196】
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0197】
【化8】
Figure 0004037090
【0198】
【化9】
Figure 0004037090
【0199】
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、1×10-4〜0.5モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10-3〜0.1モルの範囲で、さらに好ましくは5×10-3〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、カブリ防止剤を感光材料に含有させる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0200】
その他のカブリ防止剤としては特開平11-65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000-206642号のサリチル酸誘導体、特開2000-221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11-352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6-11791号の一般式(III)で表される化合物、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン等が挙げられる。
【0201】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59-193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55-12581号記載の化合物、特開昭60-153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。
アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
【0202】
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0203】
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10-62899号の段落番号0067〜0069、特開平10-186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9-297367号、特開平9-304875号、特開2001-100358号等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0204】
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10-62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000-356317号や特願2000-187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5、7−ジメトキシフタラジノンおよび2、3−ジヒドロ−1、4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5、7−ジメトキシフタラジンおよび2、3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4−メチルフタル酸との組み合わせである。
【0205】
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11-65021号段落番号0117、超硬調画像形成のための超硬調化剤やその添加方法や量については、同号段落番号0118、特開平11-223898号段落番号0136〜0193、特開平2000-284399号の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11-91652号記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11-65021号段落番号0102、特開平11-223898号段落番号0194〜0195に記載されている。
【0206】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0207】
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。
【0208】
特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。
具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好ましい。
【0209】
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。表面保護層については、特開平11-65021号段落番号0119〜0120、特願2000-171936号に記載されている。
【0210】
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。
PVAとしては、特開2000-171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜4.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0211】
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
【0212】
さらに、表面保護層用のバインダーとして、特願平11-6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特願平11-143058号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11-6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特願平10-199626号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。
【0213】
表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0214】
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0215】
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。
多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
【0216】
本発明の感光性層には色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10-268465号、同11-338098号等に詳細に記載されている。
【0217】
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を感光性層に対して光源から遠い側に設けることが好ましく行われる。
【0218】
熱現像感光材料は一般に、感光性層に加えて非感光性層を有する。非感光性層は、その配置から(1)感光性層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる保護層、(2)複数の感光性層の間や感光性層と保護層の間に設けられる中間層、(3)感光性層と支持体との間に設けられる下塗り層、(4)感光性層の反対側に設けられるバック層に分類できる。フィルター層は、(1)または(2)の層として感光材料に設けられる。アンチハレーション層は、(3)または(4)の層として感光材料に設けられる。
【0219】
アンチハレーション層については特開平11-65021号段落番号0123〜0124、特開平11-223898号、同9-230531号、同10-36695号、同10-104779号、同11-231457号、同11-352625号、同11-352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。本発明の場合は露光レーザーの波長は350nmから440nmにピーク波長を持つものであるため、アンチハレーションもこの波長を吸収するような染料を用いることが好ましい。
【0220】
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11-231457号等に記載されている。
【0221】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用することが好ましい。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m2程度である。
【0222】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
【0223】
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11-352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4-クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2-ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0224】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62-210458号、同63-104046号、同63-103235号、同63-208846号、同63-306436号、同63-314535号、特開平01-61745号、特開平2001-100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
【0225】
本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0226】
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11-65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/m2である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0μm、さらに好ましくは2.0〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
【0227】
また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0228】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0229】
本発明において、マット剤は感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0230】
本発明に適用することのできるバック層については特開平11-65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0231】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。
膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
【0232】
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特願平11-87297号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0233】
本発明の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2、4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N、N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N、N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6-208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62-89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0234】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。
具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章などに記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0235】
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11-65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11-84573号段落番号0061〜0064や特願平11-106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0236】
本発明においては金属酸化物を含む導電層を有することが好ましい。導電層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。
金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnO2に対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnO2が好ましい。
【0237】
異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。
【0238】
金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m〜200mg/m2の範囲である。本発明の導電層は乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。本発明の導電層の具体例は特開平7-295146号、特開平11-223901号に記載されている。
【0239】
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10-197985号、特開2000-19680号、特開2000-214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9-281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明においては特願2000-206560号記載のフッ素系界面活性剤の使用が特に好ましい。
【0240】
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8-240877号実施例記載の染料-1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。
【0241】
支持体には、特開平11-84574号の水溶性ポリエステル、同10-186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000-39684号や特願平11-106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。
また、帯電防止層若しくは下塗りについて特開昭56-143430号、同56-143431号、同58-62646号、同56-120519号、特開平11-84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11-223898号の段落番号0078〜0084に記載の技術を適用することができる。
【0242】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0243】
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10-186567号、同10-18568号等を参考にすることができる。
【0244】
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1に ある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791 号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。
【0245】
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11-52509号を参考にすることができる。
本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S-1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0246】
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56-62648号、同58-62644号、特開平9-43766、同9-281637、同9-297367号、同9-304869号、同9-311405号、同9-329865号、同10-10669号、同10-62899号、同10-69023号、同10-186568号、同10-90823号、同10-171063号、同10-186565号、同10-186567号、同10-186569号〜同10-186572号、同10-197974号、同10-197982号、同10-197983号、同10-197985号〜同10-197987号、同10-207001号、同10-207004号、同10-221807号、同10-282601号、同10-288823号、同10-288824号、同10-307365号、同10-312038号、同10-339934号、同11-7100号、同11-15105号、同11-24200号、同11-24201号、同11-30832号、同11-84574号、同11-65021号、同11-109547号、同11-125880号、同11-129629号、同11-133536号〜同11-133539号、同11-133542号、同11-133543号、同11-223898号、同11-352627号、同11-305377号、同11-305378号、同11-305384号、同11-305380号、同11-316435号、同11-327076号、同11-338096号、同11-338098号、同11-338099号、同11-343420号、特願2000-187298号、同2000-10229号、同2000-47345号、同2000-206642号、同2000-98530号、同2000-98531号、同2000-112059号、同2000-112060号、同2000-112104号、同2000-112064号、同2000-171936号も挙げられる。
【0247】
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。
酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0248】
【0249】
本発明の感光材料は、1mW/mm2以上の高照度の光での短時間露光でその特性を発揮する。このような高照度で露光を行うと、本願の高沃度ハロゲン化銀乳剤と非感光性有機銀塩を含む熱現像材料においても十分な感度を得ることができる。即ち、低照度露光に比べ、本願の高照度露光では高感度を得ることができる。
より好ましくはその照度は2mW/mm2以上50W/mm2以下であり、さらに好ましくは10mW/mm2以上50W/mm2以下である。
【0250】
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0251】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0252】
実施例1
(PET支持体の作成例)
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融し下記構造の染料BBを0.04wt%含有させた。その後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
【0253】
【化10】
Figure 0004037090
【0254】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0255】
(表面コロナ処理)
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0256】
(下塗り支持体の作成例)
(1)下塗層塗布液の作成例
処方▲1▼(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA-520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10質量%溶液 5.4g
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 935ml
【0257】
処方▲2▼(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン重量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジンナトリウム塩 8質量%水溶液 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
【0258】
処方▲3▼(バック面側第2層用)
SnO2/SbO (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC-5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP-1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0259】
(下塗り支持体の作成)
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り塗布液処方▲1▼をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲2▼をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲3▼をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0260】
(バック面塗布液の調製)
(ハレーション防止層塗布液の調製)
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青色染料化合物−1を0.1g、黄色染料化合物−1を0.1g、水を844ml混合し、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0261】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、N、N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)2.4g、t−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルアラニンカリウム塩)37mg、フッ素系界面活性剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15])150mg、フッ素系界面活性剤(F−3)64mg、フッ素系界面活性剤(F−4)32mg、フッ素系界面活性剤(F−7)を10mg、フッ素系界面活性剤(F−8)を5mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0262】
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
≪ハロゲン化銀乳剤1の調製≫
蒸留水1420mlに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン36.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、42℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え195.6mlに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム21.8gを蒸留水にて容量218mlに希釈した溶液Bを一定流量で9分間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンツイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。
【0263】
さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム60gを蒸留水にて容量600mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で120分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0264】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Bをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。
N、N'−ジヒドロキシ−N"−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1、3、4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
【0265】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当径の変動係数18%の純ヨウ化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。
【0266】
≪塗布液用混合乳剤Aの調製≫
ハロゲン化銀乳剤1を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。
【0267】
≪脂肪酸銀分散物の調製≫
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22-85R)87.6Kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。
【0268】
このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。
また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0269】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0270】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。(a、b、cは本文の規定)
【0271】
乾燥固形分260Kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3Kgおよび水を添加し、全体量を1000Kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0272】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0273】
(還元剤分散物の調製)
≪還元剤−2分散物の調製≫
還元剤−2(6、6'−di−t−ブチル−4、4'−ジメチル−2、2'−ブチリデンジフェノール)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製し、還元剤−2分散物を得た。
【0274】
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0275】
≪水素結合性化合物−1分散物の調製≫
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製し、水素結合性化合物−1分散物を得た。
【0276】
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.35μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0277】
≪現像促進剤−1分散物の調製≫
現像促進剤−1を10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。
【0278】
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0279】
現像促進剤−2、現像促進剤3および色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、20質量%の分散液を得た。
【0280】
(ポリハロゲン化合物の調製)
≪有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製≫
有機ポリハロゲン化合物―1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10Kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4Kgと、水14Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。
【0281】
こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0282】
≪有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製≫
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20Kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。
【0283】
こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0284】
≪フタラジン化合物−1溶液の調製≫
8Kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57Kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15Kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28Kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0285】
≪メルカプト化合物−2水溶液の調製≫
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイド)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0286】
≪SBRラテックス液の調製≫
Tg=22℃のSBRラテックスは以下により調整した。
重合開始剤として過硫酸アンモニウム、乳化剤としてアニオン界面活性剤を使用し、スチレン70.0質量、ブタジエン27.0質量およびアクリル酸3.0質量を乳化重合させた後、80℃で8時間エージングを行った。その後40℃まで冷却し、アンモニア水によりpH7.0とし、さらに三洋化成(株)製サンデットBLを0.22%になるように添加した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH8.3とし、さらにアンモニア水によりpH8.4になるように調整した。
このとき使用したNa+イオンとNH4 +イオンのモル比は1:2.3であった。さらに、この液1Kg対してベンゾイソチアゾリンノンナトリウム塩7%水溶液を0.15ml添加しSBRラテックス液を調製した。
【0287】
(SBRラテックス:-St(70.0)-Bu(27.0)-AA(3.0)-のラテックス) Tg22℃
平均粒径0.1μm、濃度43質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(43質量%)を25℃にて測定)、pH8.4
Tgの異なるSBRラテックスはスチレン、ブタジエンの比率を適宜変更し、同様の方法により調整できる。
【0288】
≪乳剤層(感光性層)塗布液−1の調製≫
上記で得た脂肪酸銀分散物1000g、水276ml、有機ポリハロゲン化合物−1分散物3.2g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物8.7g、フタラジン化合物−1溶液173g、SBRラテックス(Tg:20℃)液1082g、還元剤−2分散物155g、水素結合性化合物−1分散物55g、現像促進剤−1分散物1g、現像促進剤−2分散物2g、現像促進剤−3分散物3g、色調調整剤−1分散物2g、メルカプト化合物−2水溶液6mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤A117gを添加して良く混合した乳剤層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で40[mPa・S]であった。
【0289】
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ530、144、96、51、28[mPa・S]であった。
また、塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.25mgであった。
【0290】
≪乳剤面中間層塗布液の調製≫
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料の5質量%分散物272g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、9.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・S]であった。
【0291】
≪乳剤面保護層第1層塗布液の調製≫
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23ml、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・S]であった。
【0292】
≪乳剤面保護層第2層塗布液の調製≫
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルアラニンカリウム塩)の5質量%溶液を3.2ml、フッ素系界面活性剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=15])の2質量%水溶液を32ml、フッ素界面活性剤F−5の5%溶液を3ml、フッ素界面活性剤F−6の2%溶液を10ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0293】
≪熱現像感光材料−1の作成≫
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を405nmの吸収が0.3となるように、バック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作成した。
【0294】
バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作成した。このとき、乳剤層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、保護層第一層は37℃に温度調整した。
乳剤層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0295】
ベヘン酸銀 5.55
ポリハロゲン化合物−1 0.02
ポリハロゲン化合物−2 0.06
フタラジン化合物−1 0.19
SBRラテックス 9.67
還元剤−2 0.81
水素結合性化合物−1 0.30
現像促進剤−1 0.004
現像促進剤−2 0.010
現像促進剤−3 0.015
色調調整剤−1 0.010
メルカプト化合物−2 0.002
ハロゲン化銀(Agとして) 0.091
【0296】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
【0297】
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で感光性層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、感光層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0298】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0299】
【化11】
Figure 0004037090
【0300】
【化12】
Figure 0004037090
【0301】
【化13】
Figure 0004037090
【0302】
【化14】
Figure 0004037090
【0303】
(写真性能の準備)
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%の環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny 15μm/カーボン3%を含むポリエチレン50μm
酸素透過率:0ml/atm・m2・25℃・day、水分透過率:0g/atm・m2・25℃・day
【0304】
実施例2
実施例1と同様にして、ただし添加するハロゲン組成を変更することによって表1に記載の様な均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤2、3、6を調整しそれを用いて感光材料2、3、6を得た。
ハロゲン化銀の粒子サイズは粒子形成時の温度を変化させることによって平均球相当径0.040μmのものを作成した。
【0305】
実施例3
≪ハロゲン化銀乳剤4の調整≫
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、32℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.6gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。
【0306】
その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀30.64gに蒸留水を加えて187.6mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム21.5gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で12分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。
【0307】
その後硝酸銀22.2gに蒸留水130mlを加えた溶液Eと、ヨウ化カリウム21.7gを蒸留水にて容量217mlに希釈した溶液FとをpAg6.3に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。
0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0308】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、1分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Bをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。
N、N'−ジヒドロキシ−N"−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1、3、4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤4を作成した。
【0309】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当径の変動係数20%の臭化銀層70モル%に沃化銀層30モル%が接合した粒子であった。
沃化銀構造の結晶構造をもつ部分は直接遷移による光吸収を有していた。
このハロゲン化銀乳剤4を使用して、その他の条件は実施例1と同様にして熱現像感光材料4を作成した。
【0310】
≪ハロゲン化銀乳剤5の調整≫
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、34℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.7gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。
【0311】
さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム60gを蒸留水にて容量600mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で120分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを6.3に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。
銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。
0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0312】
その他の条件は実施例3と同様にしてハロゲン化銀乳剤5を調整した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当径の変動係数10%の臭化銀層30モル%に沃化銀層70モル%が接合した粒子であった。沃化銀構造の結晶構造をもつ部分は強い直接遷移による光吸収を有していた。
【0313】
実施例4
実施例1〜3で得られた感光材料を以下の様にして評価を行った。
(感光材料の露光)
実施例1〜3で得られた感光材料は以下の様にして露光処理を行った。
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPLの露光部に於いて半導体レーザー光源に日亜化学工業のNLHV3000E半導体レーザーを実装し、ビーム径を約100μmにしぼった。レーザー光の感光材料面照度を0および1mW/mm2〜1000mW/mm2の間で変化させて10-6秒で感材の露光を行った。レーザー光の発光波長は405nmであった。
【0314】
(感光材料の現像)
露光された感材は以下の様にして熱現像処理を行った。
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPLの熱現像部において、4枚有るパネルヒーターは112℃−115℃−115℃−115℃に設定し、フィルム搬送速度を速めることによって合計熱現像時間が14秒になるように熱現像を行った。
【0315】
(試料の評価)
得られた画像を濃度計に濃度測定し露光量の対数に対する濃度の特性曲線を作成した。未露光の部分の光学濃度を被りとし、また濃度3.0の光学濃度が得られる露光量の逆数を感度とし、感光材料1の感度を100とし相対値で表した。また光学濃度1.5と3.0の平均コントラストを測定した。
結果を表1に示す。
【0316】
(鮮鋭度の評価)
感光材料の露光と同様にして、ただし矩形波パターンを露光し、同様に熱現像を行った。空間周波数1本/mmの矩形波パターンの濃淡差を0.01本/mmの濃淡差で規格化したものを鮮鋭度とした。得られた鮮鋭度を感光材料1の鮮鋭度を100として相対値で評価を行った。
結果を表1に示す。
【0317】
(プリントアウト性能の評価)
現像処理後の感光材料を、25℃60%RHの部屋におき、蛍光灯で100ルクスのもとで30日間放置をした。現像処理直後の被り濃度に対して上記条件のもとで30日間放置した後の被り濃度の差をプリントアウトとした。この様な条件による放置でも被りの上昇が少ないことが好ましい。
得られた結果を表1に示す。
【0318】
【表1】
Figure 0004037090
【0319】
表1から明らかなように本発明の感光材料は高感度かつ低被りで、プリントアウト性能に優れることが分かる。また驚くべきことに鮮鋭度も高い。ハロゲン化銀の吸収が440nm以上長波で急激に減衰することから蛍光によるボケが減少したものと思われえる。
【0320】
実施例5
本発明の感光材料は、高照度・短時間露光において特に高感度で好ましい特性を示す。
実施例4と同様にして、ただし感光材料を1KWのタングステン光に405nmの干渉フィルターを入れて露光を行った。照度はステップウェッジによって0および0.001mW/m2〜0.1mW/m2と実施例4の露光に比べて非常に弱いものであったため露光時間を調整し必要な光学濃度が出るように露光を行った。感度は感光材料2の感度を100として相対値で示した。
結果を表2に示す。
【0321】
【表2】
Figure 0004037090
【0322】
表1、表2の比較から明らかなように、本発明の感光材料は特に照度の高い光で露光した場合において従来の感光材料2に対して好ましい特性を発揮することが分かる。
【0323】
実施例6
実施例1の感光材料1と同様にして、ただし粒子形成時の温度を変化させることによって粒子サイズ100nmの純沃化銀乳剤7を作製した。この乳剤7の塗布量を変化させることによってそれ以外の部分は実施例1の感光材料1と同様にして表3に記載の様な感光材料7、8,9を作製した。
実施例4と同様にして写真性の評価を行った。ここで熱現像後の試料の最高光学濃度をDmaxとした。結果を表3に示す。
【0324】
【表3】
Figure 0004037090
【0325】
表3から明らかなように本発明の沃化銀乳剤はそのサイズが100nmと大きいと十分に感度がでない。通常ハロゲン化銀の吸収は平均サイズの3乗に比例するため大サイズのハロゲン化銀ほど高感度が得られるはずであるが、本発明の高沃化銀乳剤はかならずしもそのようにはならない。
平均粒子サイズを小さくすることによってサイズの割には高感化し、同時にDmaxも上昇して好ましい。
【0326】
実施例7
実施例1のハロゲン化銀乳剤1と同様にして、ただし粒子形成時の温度を上げることによって平均粒子サイズ70nm、変動係数8%の純沃化銀乳剤8を形成た。同様に温度を変化させることによって平均粒子サイズ28nm、変動係数12%のハロゲン化銀乳剤9を作製した。
感光材料1において、ハロゲン化銀乳剤1と7と8を60:15:25の割合で混合し、ハロゲン化銀乳剤1の代わりに添加したことを除いては同様にして感光材料8を作成した。
得られた感光材料を実施例4と同様に評価をした結果、好ましい結果が得られた。感光材料の平均コントラストは2.7であった。
【0327】
同様にして、ハロゲン化銀乳剤5とハロゲン化銀乳剤8を85:15の割合で混合することによって感光材料9を作製した。実施例4と同様に評価を行った結果、好ましい結果が得られた。
このように本発明のハロゲン化銀乳剤どおしは任意の割合で混合することができる。
【0328】
実施例8
感光材料1、4,5,6,8、9を実施例4と同様に、ただし熱現像機の4枚のプレート温度を全て112℃に設定した以外は同様にして評価を行った。
実施例4と同様に好ましい結果が得られた。
【0329】
実施例9
実施例1の感光材料1、3〜6、実施例6の感光材料8、9と同様にして、ただしPET中に練りこんでいる染料BBを除いた以外は同様にして感光材料10〜16を作製した。実施例4と同様に評価を行った結果好ましい結果が得られた。
【0330】
実施例10
実施例4と同様にして、ただしレーザー光の発光波長が395nmのもので同様の評価を行った。本発明の感光材料は同様に好ましい結果が得られた。
【0331】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料であって、該感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が5モル%以上100モル%以下で前記ハロゲン化銀が沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を持つ熱現像感光材料に、350nm〜450nmに発光ピークをもつレーザー光を発生する光源を有する走査光学系により露光し、該熱現像感光材料上に熱現像部によって80℃〜250℃に加熱・現像し、該熱現像感光材料を冷却部にて搬送する間に該熱現像感光材料を現像停止温度以下に低下させることにより、高密度・高精細な画像形成が可能となり、又は従来装置と比べて格段に小型化ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による画像形成装置の概略構成図である。
【図2】画像露光部の1例を示す図である。
【図3】図1の熱現像部の概略構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第1変形例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第2変形例である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第3変形例である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第4変形例である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第5変形例である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第6変形例である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第7変形例である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第8変形例である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に用いられる冷却部の第9変形例である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による画像形成装置の概略構成図である。
【図15】図14の熱現像部の外観を示している斜視図である。
【図16】図15の熱現像部の内部構成及び搬送経路を示す概略構成図である。
【図17】図15の熱現像部の一つの加熱ユニット420Bの構成を示した斜視図である。
【図18】図16の熱現像部のX−X線部分の矢視図である。
【図19】図15に示した熱現像部の加熱ユニット部分の横断面矢視図である。
【図20】図15に示した熱現像部の外側カバー及び加熱体カバーを除いた状態の部分斜視図である。
【図21】図16に示した熱現像部の冷却部の拡大図である。
【図22】図15に示した熱現像部の他の実施形態の内部構成及び搬送経路を示す概略構成図である。
【図23】ヒートドラムタイプの熱現像装置を示す図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態による垂直露光タイプの画像形成装置の概略構成図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態による濃度補正システムを備えた画像形成装置のブロック図である。
【図26】本発明で好ましく用いられる沃化銀乳剤の光吸収を示す図である。
【符号の説明】
10,310,500 熱現像装置
12 供給部
14,514 幅寄せ部
16,516 画像露光部
18,410 熱現像部
120,240,320,360,417 プレートヒータ
122,152,242,322,362 押えローラ
124 熱現像感光材料搬送路
125,245 保温カバー
150,258,318,400 熱現像部
154 離間ローラ
156,366,476 移送ベルト
158 駆動ローラ
210 加熱装置
220 端子
250 画像データ蓄積装置
252 露光制御部
253 信号切換部
254 D/A変換器
256 濃度測定回路
258 熱現像制御部
260 濃度補正演算部
261 テストパターン信号発生器
262 変換テーブル作成部
368,478 テンションローラ
402 フレーム
404 外側カバー
408 押さえローラ駆動歯車
412 加熱体カバー
414 熱現像感光材料搬入ローラ
420 加熱ユニット
422 押えローラ
423 従動歯車
426 付勢部材
429 軸受け
430 固定板
432 切れ込み
440 主駆動歯車
450 冷却部
452 カバー
A 熱現像感光材料(熱現像感光材料(熱現像感光材料又は感光感熱熱現像感光材料))

Claims (1)

  1. 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料であって、該感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が5モル%以上100モル%以下で前記ハロゲン化銀が沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を持つ熱現像感光材料に、350nm〜450nmに発光ピークをもつレーザー光を発生する光源を有する走査光学系により露光することによって、該熱現像感光材料上に潜像を形成し、該熱現像感光材料上に熱現像部によって80℃〜250℃に加熱することによって現像し、該熱現像部によって加熱処理された該熱現像感光材料を冷却部にて搬送する間に該熱現像感光材料を現像停止温度以下に低下させることを特徴とする画像形成方法。
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