JP4036913B2 - スチ―ムトラップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気使用機器や蒸気配管に発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラップに関し、特に流体中に溶解している金属イオンが導出路の弁孔表面に堆積して閉塞してしまうことを防止したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
スチ―ムトラップは、弁部材の駆動原理によって、蒸気と復水の比重差を利用したメカニカルタイプ、蒸気と復水の熱力学的特性差を利用したサ―モダイナミックタイプ、蒸気と復水の温度差を利用したサ―モスタチックタイプ等に分類されるが、基本的構成は弁ケ―シングに入口と弁室と出口を形成し、弁ケ―シングあるいは弁ケ―シングに取り付けた弁座部材に弁室と出口を連通する導出路を形成すると共に、弁室内に弁部材を配置し、弁部材で弁孔を開閉することにより入口が連結する上流配管を流れてくる復水を自動的に出口に排出するものである。弁ケ―シングの材質は通常鋳鉄や鋳鋼等の鉄系金属であり、弁孔を形成する弁座部材は耐摩耗性を考慮して通常ステンレス鋼で形成される。また弁ケ―シングで弁孔が形成される場合や弁ケ―シングが小型の場合は、弁ケ―シングは通常ステンレス鋼で形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記スチ―ムトラップにおいては、流体中に溶解して弁室内に流入してきた金属イオンが導出路の弁孔表面に堆積し、弁孔を閉塞してしまう問題があった。例えば上流配管が銅管で形成されている場合には、銅管から溶解した銅イオンがステンレス鋼で形成された弁孔表面に堆積する。これは、導出路の弁孔は取り付けられる配管の断面積に比べて面積がかなり小さいために排出流体が高速に流れ、排出流体に溶解している金属イオンが弁孔表面に突刺さるためである。
【0004】
また、出口側の流体圧力が入口側よりも高くなると、出口側の流体が逆流して各種蒸気使用機器に到達し、蒸気使用機器の熱効率を低下させる問題があった。また出口側でのウォ―タ・ハンマによる衝撃的な逆流が生じた場合には、蒸気使用機器を破損させる問題があった。
【0005】
従って、本発明の技術的課題は、弁孔表面に金属イオンが付着堆積しないと共に、逆流を防止できるスチ―ムトラップを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングと、弁ケ―シングに形成された入口と弁室及び出口と、弁ケ―シングあるいは弁ケ―シングに一体に取り付けた弁座部材に形成され弁室と出口を連通する導出路と、弁室内に配置された弁部材とを具備し、入口を上流配管に接続して導出路の弁室側開口端に形成された弁孔を弁部材で開閉することにより上流配管を流れてくる復水を自動的に出口に排出するスチ―ムトラップにおいて、導出路の弁孔の下流側に弁孔よりも開口面積の小さな第1オリフィス孔を形成すると共に第1オリフィス孔の下流側に第1オリフィス孔よりも開口面積の小さな第2オリフィス孔を形成し、第2オリフィス孔の上端に一部を位置せしめた転動部材を第2オリフィス孔を貫通して配置し、転動部材の上に第1オリフィス孔を開閉して弁孔から第2オリフィス孔への流れを許し逆方向の流れを止める逆止弁体を設けたスチ―ムトラップにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、導出路の弁孔の下流側に弁孔よりも開口面積の小さな第1オリフィス孔を形成すると共に第1オリフィス孔の下流側に第1オリフィス孔よりも開口面積の小さな第2オリフィス孔を形成し、第2オリフィス孔の上端に一部を位置せしめた転動部材を第2オリフィス孔を貫通して配置している。そのため開弁時には弁孔内の圧力が入口側圧力に近い高圧となり、排出流体が緩かに弁孔を通過する。そのため金属イオンが弁孔表面に付着しない。同様に、排出流体が緩やかに第1オリフィス孔を通過する。そのため金属イオンが第1オリフィス孔の表面に付着しない。排出流体は第2オリフィス孔を高速に流れ、金属イオンが第2オリフィス孔表面に付着することとなる。この第2オリフィス孔表面に付着する金属イオンは排出流体によって転動する転動部材によって取除かれるので堆積することはない。金属イオンは排出復水と共に出口に流れ去る。
【0008】
また、本発明は、転動部材の上に第1オリフィス孔を開閉して弁孔から第2オリフィス孔への流れを許し逆方向の流れを止める逆止弁体を設けている。そのため出口側の流体圧力が入口側よりも高くなると、逆止弁体が第2オリフィス孔から弁孔への逆流を防止する。これによって、出口側での逆流が各種蒸気使用機器に到達することがなくなる。この逆止弁体は、入口側の流体圧力が出口側よりも高い通常時には、弁孔から第2オリフィス孔へ流下する排出流体によって転動するので、転動部材の転動をより確実なものとすることができる。
【0009】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。
本実施例は熱応動式式スチ―ムトラップに適用したものである。
上ケ―シング1と下ケ―シング2とをねじ結合して、内部に弁室3を有する弁ケ―シングが形成される。上ケ―シング1に入口4が、下ケ―シング2に出口5が形成される。入口4と出口5は同軸に形成されている。下ケ―シング2の横断壁6に、弁室3と出口5を連通する導出路7を有する弁座部材8がねじ結合される。上ケ―シング1と下ケ―シング2及び弁座部材8は夫々ステンレス鋼で形成される。
【0010】
弁座部材8の上方に温度制御機素10が位置する。温度制御機素10は、注入口11を有する壁部材12と、注入口11を密封する栓部材13と、壁部材12との間に収容室14を形成するダイヤフラム15と、収容室14に密封した膨脹媒体16と、ダイヤフラム15に固着した弁部材17と、ダイヤフラム15の外周縁を壁部材12との間に挟んで固着する固着壁部材18とから成る。弁部材17が弁座部材8に離着座して導出路7を開閉する弁部を成す。温度制御機素10は、下ケ―シング2の内周に固定されたスナップリング20によって保持され、固着壁部材18の下面外周が下ケ―シング2の内周に形成され複数個のリブ19の段部に当っている。温度制御機素10とスナップリング20は共にステンレス鋼で形成される。膨脹媒体16は、水、水より沸点の低い液体、或いはそれらの混合物で形成される。
【0011】
弁座部材8の導出路7は、弁室3側から出口5側に順次形成された、弁孔21と、弁孔21よりも開口面積の小さな第1オリフィス孔22と、第1オリフィス孔22よりも開口面積の小さな第2オリフィス孔23とから成る。第2オリフィス孔23は、導出路7に圧入固定されたされたオリフィス部材24に形成される。第2オリフィス孔23を貫通して転動部材25を配置する。転動部材25は、細長い棒材を曲げて、上部に第2オリフィス孔23よりも大きな外形の円状部を形成したものであり、円状部は第2オリフィス孔23の上端に載っている。転動部材25はオリフィス孔23を貫通し、下端がオリフィス部材24の下方に位置している。
【0012】
転動部材25の上に球形の逆止弁体27を自由状態で配置する。逆止弁体27は、入口4側の流体圧力が出口5側よりも高い通常時には下方に変位し、出口5側の流体圧力が入口4側よりも高くなると上方に変位して上方の第1オリフィス孔22の下端を閉口する。逆止弁体27は転動部材25の円状部の径よりも大径に形成して、入口4側の流体圧力が出口5側よりも高い通常時に転動しやすくする。これにより、転動部材25の転動をより確実なものとすることができる。逆止弁体27の形状は上記の球状に限らず円板状等であってもよい。また転動部材25に連結してもよい。第2オリフィス部材24と転動部材25と逆止弁体27は夫々ステンレス鋼で形成される。番号26はスクリ―ンである。
【0013】
上記熱応動式スチ―ムトラップの作動は次の通りである。
入口4側の流体圧力が出口5側よりも高い通常時は、逆止弁体27が入口4側の流体圧力の作用を受けて下方に変位して転動部材25に載り、第1オリフィス孔22の下端を開口している。入口4から弁室3に流入してくる流体の温度が低い場合、膨脹媒体16は収縮し、ダイヤフラム15が壁部材12側に変位し、弁部材17が弁座部材8から離座して導出路7を開口している。これにより、復水を導出路7から出口5に排出する。このとき、排出流体は第1及び第2オリフィス孔22,23の作用によって弁孔21を緩かに流れる。同様に、排出流体は第2オリフィス孔23の作用によって第1オリフィス孔22を緩かに流れる。これにより、流体中に解している金属イオンが弁孔21及び第1オリフィス孔22の表面に付着しない。排出流体は第2オリフィス孔23を高速に流れ、金属イオンが第2オリフィス孔23表面に付着するが、排出流体によって逆止弁体27と転動部材25が転動するので、第2オリフィス孔表面に付着する金属イオンは転動部材25の転動によって取除かれ堆積することはない。金属イオンは排出復水と共に出口5に流れ去る。
【0014】
復水の排出によって弁室3内に蒸気が流入してくると、膨脹媒体16が膨脹し、ダイヤフラム15が固着壁部材18側に変位し、弁部材17が弁座部材8に着座して導出路7を閉止する。これにより、蒸気の流出を防止する。
【0015】
出口5側の流体圧力が入口4側よりも高くなると、逆止弁体27が出口5側の流体圧力の作用を受けて上方に変位し、第1オリフィス22の下端を閉口して逆流を防止する。
【0016】
上記実施例では熱応動式スチ―ムトラップを例示したが、本発明はフロ―ト式やディスク式等の他の型式のスチ―ムトラップにも適用できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、弁孔表面に金属イオンが付着堆積しないので、排出流量の減少や、ひいては弁孔を閉塞してしまうことがなく、スチ―ムトラップ本来の機能を長期に渡って維持することができる。また、逆流を防止することができるので、蒸気使用機器の熱効率を低下させたり破損させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスチ―ムトラップの実施例の熱応動式スチ―ムトラップの断面図。
【符号の説明】
1 上ケ―シング
2 下ケ―シング
3 弁室
4 入口
5 出口
7 導出路
8 弁座部材
10 温度制御機素
15 ダイヤフラム
16 膨脹媒体
17 弁部材
21 弁孔
22 第1オリフィス孔
23 第2オリフィス孔
25 転動部材
27 逆止弁体
Claims (1)
- 弁ケ―シングと、弁ケ―シングに形成された入口と弁室及び出口と、弁ケ―シングあるいは弁ケ―シングに一体に取り付けた弁座部材に形成され弁室と出口を連通する導出路と、弁室内に配置された弁部材とを具備し、入口を上流配管に接続して導出路の弁室側開口端に形成された弁孔を弁部材で開閉することにより上流配管を流れてくる復水を自動的に出口に排出するスチ―ムトラップにおいて、導出路の弁孔の下流側に弁孔よりも開口面積の小さな第1オリフィス孔を形成すると共に第1オリフィス孔の下流側に第1オリフィス孔よりも開口面積の小さな第2オリフィス孔を形成し、第2オリフィス孔の上端に一部を位置せしめた転動部材を第2オリフィス孔を貫通して配置し、転動部材の上に第1オリフィス孔を開閉して弁孔から第2オリフィス孔への流れを許し逆方向の流れを止める逆止弁体を設けたことを特徴とするスチ―ムトラップ。
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Applications Claiming Priority (1)
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1996
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