JP4036482B2 - エステルの同時製造 - Google Patents
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Description
酢酸エチルまたは酢酸n−ブチルのようなエステルを、それぞれエタノールまたはn−ブタノールと酢酸とを酸性触媒の存在下で反応させて製造することは良く知られている。しかしながら、エステルの共製造におけるn−ブタノールと酢酸とから酢酸n−ブチルの形成において、反応を完了させるのに困難があり、n−ブタノールが混入した酢酸n−ブチルが生じる。これらのエステルを、単一の反応器内で、反応器を順次に操作して、即ち、まず一つのエステルを酸と第1のアルコールとの反応により製造し、次に回転操作で第2のアルコールに変えて第2のエステルを生成して、共に製造することも知られている。エステル化用のアルコールの混合物の使用を含む全てのこれらの反応において、酢酸との反応用に比較的純粋な反応体を使用することが重要である。このことは、両エステルを順次製造でなく同時に製造する方法で共製造する場合、特に重要である。
高純度の反応体の使用は、エステルの製造コストを著しく付加するので、商業的に経済的でないであろう。比較的不純な一組の反応体からこれらのエステルの混合物を同時に共製造することは、今まで比較的難しかった。これは下記の理由による。例えば、エタノール反応体が例えばクロトンアルデヒド、メチルエチルケトン等のようなカルボニル化合物を含む不純物で汚染されている場合、その結果のエステル生成物を不純物から分離するのは非常に難しい。例えば、クロトンアルデヒドは酢酸エチルと沸点が明確に異なるが、非常に小量でしか存在していなくても、エステル生成物の匂いに異常に大きい衝撃を与えるばかりでなく、反応カラムの過度の汚れを引き起こし、高いボイル−アウト頻度を生じる。一方、メチルエチルケトンは酢酸エチルと非常に似た沸点を有し、この二つを例えば蒸留で分離するのは実用的でない。同様に、n−ブタノール反応体がブチルアルデヒドで汚染されていると−このことはn−ブタノールがいわゆる“オキソ”法により製造された場合、よくあるケースであるが−、ブチルアルデヒドの沸点は酢酸エチルと非常に似ており、それ故に容易に分離できない。
かかるエステルが、比較的不純な原料から、比較的純粋なエステルの回収を可能にする一連のカラムを使用することにより、同時に共製造できることがここで見いだされた。
従って、本発明は、酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを、エタノールおよびn−ブタノールの混合物と酢酸との、液相中で酸性触媒の存在下での反応により同時に共製造する方法であり、下記を特徴とする:
i.エタノール、n−ブタノールおよび酢酸を含む反応体を、酸性エステル化触媒を含みそして高温に維持された反応カラムAの底部に供給して、該カラムAを昇る酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを含む生成物を形成する、
ii.酢酸エチルと酢酸n−ブチルとの混合物を含む該カラムAからのオーバーヘッドを、場合によってはデカンテーション工程の後に、高温で操業される蒸留カラムCのほぼ上半分に供給し、これにより:
a.軽い末端留分を反応生成物から分離しそしてオーバーヘッドとして該反応生成物から回収する、
b.主として酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを含む流れをカラムCの底部から取り出し、そして精製カラムEの上半分に供給する、
c.反応体アルコール、水およびいくらかのエステルを含む側部流をカラムCの上半分から取り出し、そこからデカンターに供給し、デカンテーションの後にEtOHを該側部流から洗い落とし、油性相をカラムC供給物に戻し、そして水性相をカラムDに供給する、
iii.酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを含む流れをカラムEで分別して、下記のものを回収する:
a.実質的に純粋な酢酸エチルオーバーヘッド、
b.カラムEの底部から実質的に純粋な酢酸n−ブチル、および
c.上記(iii)(a)の取り出し位置および(iii)(b)の取り出し位置の間の中間位置での液体廃棄物流であって、望ましくないカルボニル化合物(その流れは廃棄される)を含む望ましくない不純物を含む該液体廃棄物流、
iv.カラムDに供給されるエステルとアルコールとの混合物を含む側部流を分別して、主としてエタノールとn−ブタノールをそれぞれ少量の水、酢酸エチルおよび酢酸n−ブチルオーバーヘッドと共に含む混合物、並びにカラムDの底部からの水を除去する。
下記の記述で、いろいろなカラム、特にカラムAおよびE、の中の実際のトレーおよび理論的トレーへの言及は、トレー効率が50%との計算に基づくことに注意されたい。しかしながら、トレー効率は制御できるかまたはかかるカラムに最も一般的な他の条件またはかかるカラムで使用した他の条件に依存して変わることは当業者によく知られており、従って別の個数の実際のトレーおよび理論的トレーを容易に計算しそして使用して、本発明を損なうことなく同じまたは同等の結果を達成することができる。
本発明の方法でのエステル化反応はカラムAの底部で起こり、該カラムAは反応容器および反応釜(ボイラー)の組み合せとして作用し、該反応釜は該カラムの底部に位置する。このカラムの底部から残留物を該反応容器に再循環させるのが、特にカラムAが一体化した反応容器および反応釜でない場合、好ましい。反応釜に存在する酢酸の量を制御して、酸オーバーヘッドが反応生成物と共に通過するのを最小にしなければならず、これにより酢酸n−ブチル生成物が反応体酸で汚染されるのを避ける。これは反応速度を制御する必要性によって調和される。即ち、反応釜中の酸性度が高ければ高いほど、反応速度は速くなる。カラムAの底部の酢酸の量は全反応釜内容物の30から75%の範囲にあるのが適当である。酢酸の実際の量は生成しようとする酢酸エチル:酢酸ブチルの比、従って供給材料に添加される反応体アルコールのそれぞれの重量に依存するであろう。従って、酢酸エチル(70%)と酢酸n−ブチル(30%)との混合物を含む生成物を生成するためには、酢酸反応体と酸性触媒を基準にして、反応釜内の酸性度は、約53重量%であるのが適当であると思われる。カラムAの中の酢酸n−ブチル、エタノールおよび酢酸エチルに加えて反応混合物中にブチルアルデヒドとn−ブタノールとが存在するために、このカラムは、適当な場合は望ましくない不純物を分離し、回収しそして再循環するのを可能にする温度プロフィールを有する。例えば、このカラムAの温度プロフィールに依存して、このカラムは(不純物および廃棄物を除去するための)側部引抜き具を備えるか、あるいはかかる側部引抜き具を省略しそして不純物を、カラムEから除去される液体廃棄物流と共に、カラムEから除去してもよい。カラムAは、該カラムの底部における105℃から該カラムの頂部における80℃にわたる温度プロフィールで、大気圧にて操作するのが適当である。カラムAはパックされたカラムでもパックされていないカラムでもよい。カラムAは2バールゲージ(barg)圧で25ないし70個の実際の(12ないし35個の理論的)プレート、好ましくは45ないし60個の実際の(24ないし30個の理論的)プレート、を有し、そして0.5:1から4:1の範囲、例えば0.5:1、の還流比で操作するのが適当である。しかしながら、この範囲内で、内部凝縮を考慮すると、還流比は1.5:1が効率的であろう。
カラムAからのオーバーヘッドはデカンターS1に供給して、主として水、反応体アルコールおよび少量の生成物エステルを含む水性相を、主として生成物エステルをそれぞれ比較的少量の水、反応体アルコールおよび他の不純物と共に含む油性相から予備的に分離するのが適当である。該デカンターからの水性相は直接カラムDに、カラムCからの側部流を洗浄するのに使用される水と別々にまたは混合して、供給するのが適当である。ある場合、特に高い酢酸ブチル:酢酸エチル(30:70より大きい)比で製造する場合、水を該カラムに水性還流物として戻してもよい。S1から回収される油性相はカラムCに供給されるが、この油性相の一部はカラムAの上半部に再循環してもよい。
カラムCは精製カラムであり、該カラムの底部における115℃から該カラムの頂部における85℃にわたる温度プロフィールで、2バールゲージ圧にて操作するのが適当である。カラムCはパックされたカラムであってもよく、Mellapack(登録商標)パッキング(Sulzer社から販売)でパックされている。カラムCは20ないし60個の理論的プレート、好ましくは35ないし45個の理論的プレート、を有し、そして2バールゲージ圧で全還流下で、該カラムの頂部の温度を一定に維持するためにオーバーヘッドから少量のパージ物を取り出しながら操作するのが適当である。取り出す量はパージ物に存在する不純物の性質に依存するであろう。カラムAからのオーバーヘッドと共に、カラムCからの側部流を水と混合しそしてデカンターS2に供給して、カラムAに付随するデカンターS1から回収された水性相と組成が類似しそして水、反応体アルコール、少量の生成物エステルおよび微量の不純物を含む水性相を分離する。カラムCに付随するデカンターS2からの油性相もまた、生成物エステル、幾分の反応体アルコールおよび少量の水の混合物を含む。この油性相を、デカンターS1からの油性相とは別々にまたは該油性相と混合して、カラムCに再循環させることができる。
デカンターS1およびS2は、関連する流れが該デカンターに供給される温度またはそれ以下で操作するのが適当である。
カラムEは蒸留カラムであるのが適当であり、そして20ないし60個の理論的プレートを含むのが適当であり、好ましくは23ないし40個の理論的プレート、典型的には28個の理論的プレート(これは、理論的プレートの約0.5のトレー効率で、約55個の実際のトレーに対応する)を含む。カラムEには、カラムCの底部から回収され、そして主として酢酸エチル(60−70%)および酢酸n−ブチル(40−30%)を含み、少量の他の不純物をも含む生成物が供給される。これらの不純物はエタノール(10ppm)、n−ブタノール(約5000−6000ppm)、アルデヒドおよびケトン(600−1000ppm)、並びに他のエステル(1500−2000ppm)にわたる。カラムEへの供給物は約60−80℃、例えば70℃、の温度に予備加熱するのが適当であり、該カラムが55個のトレー(28個の理論的プレート)を有する場合、ほぼトレー15(理論的プレート8)に供給される。クロトンアルデヒド、未反応n−ブタノール、プロピオン酸エチル、ギ酸ブチル、メチルペンタノンの異性体、およびそれぞれ少量のメチルエチルケトンおよびブチルアルデヒドを含む廃棄物流を、55個のトレー(28個の理論的プレート)カラムのトレー35(理論的プレート18)の上の蒸気スペース内に位置するのが適当である側部取出し位置から取り出す。カラムEは1:1から4:1の範囲、例えば2:1、の還流比で操作するのが適当である。しかしながら、この範囲内で、内部凝縮を考慮すると、還流比は3:1が効率的であろう。このカラムEの大気圧での温度プロフィールは典型的には以下の範囲にわたる:
プレート1−15 = 77−100℃、
プレート15−24 = 81−125℃、
プレート24−33 = 125−130℃。
カラムEから回収された酢酸エチルおよび酢酸ブチルは、いくつかの微量の不純物を含むが、非常に高品質のものである。例えば、酢酸エチルはそれぞれ微量のメチルエチルケトンおよびブチルアルデヒドを含み得るが、これらの化合物の沸点が非常に接近しているためである。酢酸n−ブチルは99.5%より高い純度を有し、殆どの商業的目的に充分受け入れられるが、それぞれ微量のn−ブタノール、メチルペンタノン、酢酸n−ブチルの異性体およびいくらかのジブチルエーテルを含み得る。
カラムDは簡単な蒸留カラムであり、ここでオーバーヘッドは主として反応体アルコール、水および生成物エステル共沸混合物を含む。これらは供給材料としてカラムAに再循環され、そして水および少量の有機物を含む底部生成物はカラムCに付随するデカンターS2に再循環するか、または排出液として廃棄することができる。
本発明の方法は、樹脂防護床を使用して、所望のエステル生成物中の、例えばクロトンアルデヒドまたはブチルアルデヒドのような最後の微量のアルデヒドを除去することにより、更に精製された方法にしてもよい。例えばブチルアルデヒドは、常にn−ブタノールに付随する不純物であり、n−ブタノールの使用前に除去するか、あるいはエステル生成物から除去することができる。この目的の樹脂はマクロ網状樹脂であるのが適当であり、好ましくは塩、例えばスチレン−ジビニルベンゼンポリマー骨格の芳香族基の一つの上のトリメチルアンモニウム置換基のハロゲン化物のような塩であるか、あるいは該樹脂はアクリレート樹脂である。該樹脂は、大きい表面積を有する高度に多孔性のビーズの形体で使用するのが適当である。使用前に、該樹脂を塩酸のような酸で、例えば50℃のような中程度の高温で洗って、存在する遊離アミンとの塩を形成するのが好ましく、次に該塩は系から容易に洗い流すことができる。その後、酸洗浄樹脂を、重亜硫酸塩を含む溶液、例えば1モルの重亜硫酸ナトリウム溶液、を用いて処理するのが適当である。この溶液を、選択した酸洗浄樹脂の床を典型的には1時間当たり約2床容積(以後BVと云う)の流速で通過させて溶出するのが適当である。室温では、10mlの樹脂容積当たり約100mlの重亜硫酸塩溶液を使用しなければならないであろう。この段階で、塩素イオンは重亜硫酸イオンに交換される。一旦樹脂に所望のイオンが充填されると、該樹脂を脱気水で数回、該樹脂から出る溶出液の水伝導度が最低になるまで(典型的には100マイクロシーメンスよりもよくなるまで)洗浄する。この最終伝導度は、洗浄水がどれだけよく脱気されたかに依存する。何故なら、重亜硫酸塩は酸素と反応して亜硫酸塩および硫酸塩を形成するからである。後者(硫酸塩)のイオンは二価でありそして樹脂上で二つの部位を取るので、重亜硫酸イオンを樹脂から失わせ、それにより樹脂の有効性を減少させる。水洗浄した樹脂を次に、例えばエタノールのような溶媒で状態調整(コンデショニング)して、生成物中のカルボニル不純物、n−ブタノールおよびエステルが樹脂上の重亜硫酸塩の部位に最適に接近できるようにする。この状態調整過程で水が樹脂から除去されるが、樹脂の幾分の収縮と溶出液の変色を引き起こし得る。このように状態調整された樹脂は、処理すべき溶媒を床に通すことにより更に状態調整されるが、これは樹脂を更に収縮させることになり得る。置換された状態調整用溶媒、例えばエタノール、を反応生成物中の他の溶媒と共に再循環させて、再加工することができる。これらの予備処理段階は必要である。何故なら、カルボニル化合物は重亜硫酸塩と付加反応して、樹脂に重亜硫酸塩−カルボニル付加複合体が付着して該樹脂上に保持されるからである。
特にブチルアルデヒドをn−ブタノールから除去する場合、樹脂が能率的に作用するためには、溶媒、例えばn−ブタノールまたは酢酸エチル、に存在するブチルアルデヒドは、樹脂の孔内に位置する重亜硫酸塩部位に接近するために、ある時間が必要である。これは最低滞留時間を決定し、この滞留時間は状態調整用の溶媒の粘度および観察された樹脂の収縮量に依存する。n−ブタノールを用いた場合、水を加えない限り、非常に長い滞留時間が必要であることが観察された。水は多分、樹脂の収縮および状態調整用溶媒の粘度を減少させるように作用するであろう。商業的に実行できる方法とするために、10重量%までの水をn−ブタノールに添加して、樹脂の能率を改良し、従って必要な滞留時間を例えば40ないし60分(1.0−1.5BV/時間)に減少させることを想定することができる。このような条件下で、ブチルアルデヒドの90から95%を除去することができる。
酸触媒の存在下で、アルコールはアルデヒドと反応してアセタールを形成することができる。重亜硫酸ナトリウムの水溶液は僅かに酸性である。この反応は樹脂上でも起きて、処理する不純物がブチルアルデヒドおよびn−ブタノールである場合は、1,1−ジブトキシブタン(アセタール)を形成することが有り得る。この反応は避けなければならない。何故なら、この反応はエステル化反応の条件下では可逆的であり、従って遊離ブチルアルデヒドを放出し得、これにより樹脂床の効率に悪影響を及ぼすからである。アセタールの形成は樹脂床からの溶出液で監視でき、そして樹脂床が一旦充満した時にのみアセタールを溶離することが見いだされた。アセタールの形成はプロトンの存在を必要とするので、アセタール形成は、重亜硫酸塩から亜硫酸塩が樹脂床内でその場で形成されたことによるであろう。これは、酸素が系内にいずれかの段階で入ったことによるか、または重亜硫酸塩からプロトンを引き抜くことにより、起き得る。従って、樹脂の処理および引き続くエステル生成物またはアルコールの精製中に使用される全ての水および溶媒を確実に脱気するように注意するのが重要である。
同様に、ブチルアルデヒドは酢酸エチルから、汚染された酢酸エチルを処理済み樹脂内を通すことにより除去することができる。この方法でブチルアルデヒドの量を70ppmのレベルから検出限界未満にすることができる。
上記の重亜硫酸塩−アルデヒド複合体を形成する方法の代わりに、例えばエタノールまたはn−ブタノールのような1種またはそれ以上の供給原料に重亜硫酸塩を投与し、そして投与した溶液を、カラムAに供給する前に、イオン交換樹脂を通過させることも可能であろう。この方法は上記の樹脂床の進行的不活化の問題を緩和するであろう。
重亜硫酸塩で処理した樹脂床を、使用後に再生することが可能である。アルデヒド−重亜硫酸塩付加複合体はpHおよび温度に依存性であることが見いだされた。従って、該複合体を含む使用済み床を、該床を高いpHおよび温度に付して、該複合体の破壊を促進することにより、再生することが可能である。該pHは、重炭酸ナトリウム(pH10−11)のような弱塩基を使用することにより、または水溶液としても使用できる例えばトリエチルアミンのような有機アミンを使用して、調節することができる。アミンの選択は、そのブチルアルデヒドからの分離性および再使用のための回収性により決定されるであろう。これは、アルデヒドとアミンとの混合物を、ブチルアルデヒドがアルドール型縮合されて高分子量生成物を形成するのを可能にする適当な溶媒中で、還流することにより行い得る。還流はアミンの分離を容易にし、そしてこの分離は、アミンが比較的揮発性であれば、回収が行われるバッチ蒸留器からオーバーヘッドとして回収できるので、更に改良されるであろう。或いは、トリエタノールアミンのようなアミンが使用されれば、ブチルアルデヒドをバッチ蒸留器からオーバーヘッドとして除去でき、その後にトリエタノールアミンの水溶液が残り、そこからアミンを回収しそして後に再使用することができる。ブチルアルデヒドはプラントフレアシステムに送ることができる。
上記の重亜硫酸塩−アルデヒド複合体を形成する方法の更に別の代替法として、例えばエタノールまたはn−ブタノールのような1種またはそれ以上の供給原料に、ホウ水素化ナトリウムのような金属ホウ水素化物を含む溶液を投与し、そして投与溶液を、カラムAに供給する前に、イオン交換樹脂を通過させることも可能であろう。この方法において、例えばブタノールのようなアルコールを90重量%溶液に希釈し、次にこの溶液にホウ水素化ナトリウム溶液を水酸化ナトリウムの存在下で添加すると(例えば14MのNaOH中に12重量%のホウ水素化ナトリウム溶液)、存在するアルデヒドは対応するアルコールに、例えばブチルアルデヒドがブタノールに、変換される。ホウ水素化物溶液のアルコール水溶液に対する添加割合は、アルコール水溶液1kg当たり例えば約0.14gであり、それは約70ppmのブチルアルデヒドを変換するのに必要なホウ水素化物の量に対応する。1モルのホウ水素化ナトリウムは2.4モルのブチルアルデヒドを減少させることができると思われる。アルコール/水混合物中で目立つ、得られた混合物を30分から60分の時間反応させ、そして例えばUP252(水素型陽イオン樹脂)とUP900(水酸型陰イオン樹脂)のような陰イオン樹脂と陽イオン樹脂との組合せを代表する樹脂の1種またはそれ以上の床を通して、該混合物からホウ酸イオンおよびナトリウムイオンを除去する。上記のUP252およびUP900は両方とも、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体マトリックスを基材とする(両方ともRohm&Haas社からの超高純度樹脂)。該樹脂床は望ましくない無機物質が反応器に蓄積するのを回避させる。この方法はブタノールからブチルアルデヒドを除去するのに特に重要であり、従って反応器へのn−ブタノール供給材料は、反応カラムAに入れる前に、これらの樹脂床を通して供給するのが適当である。
高レベルのホウ水素化ナトリウム添加では(例えばブチルアルデヒドのレベルが70ppmに近い場合)、例えば硼酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムのようないくつかの塩は、10重量%の水を含むブタノール溶液への溶解度を越えるので、溶液から離れる。この理由で、系にフィルターを樹脂床の前に導入することにより、樹脂床を保護することが必要である。このようにして、樹脂床の汚れを防止することができる。樹脂床内でのホウ水素化物反応とイオン交換工程の両方をいろいろな温度で操作できるが、高い温度が好ましく、しかし工程全体の費用が高くなるであろう。30℃の温度が許容できる性能を与えることが見いだされた。
超高純度UP252およびUP900樹脂以外の樹脂を使用した場合、樹脂製造工程で残留するポリマー破片を除くために、樹脂のいくつかの予備状態調整が必要であろう。該ポリマー破片はそうしなければ反応カラムに無用に渡されるであろう。予備状態調整は、水を用いた樹脂の洗浄、そして次に溶媒として使用されるブタノール/水混合物を用いた樹脂の洗浄を含む。更に、超高純度UP252およびUP900樹脂以外の樹脂を使用した場合、樹脂の供給型に依存して、更にいくつかの樹脂の予備状態調整が必要であろう。例えば、陽イオン樹脂がナトリウム型として供給された場合、これを使用前に水素型に変換する必要がある。同様に、陰イオン樹脂が塩素型として供給された場合、これを使用前に水酸型に変換する必要がある。この予備状態調整工程は以下に記載する再生工程に似ており、使用前に2回行われる。
使用済み樹脂は、再利用のために次のようにして再生することができる:陰イオン交換用の樹脂床は、使用済み床をそれぞれ水、1MのNaOH溶液、水およびブタノール/水混合物を用いた一連の処理に付すことにより再生される。陽イオン交換用の樹脂床は、使用済み床をそれぞれ水、1Mの硫酸、水およびブタノール/水混合物を用いた一連の処理に付すことにより再生される。
本発明を、添付の図面を参照して更に詳しく記載するが、該図面は本願の方法の概略流れ図を表し、ここで引用された全てのパーセントおよびppmは、特に記載がない限り、重量による。以下の記載で、カラムAおよびEについてのデータは実験室規模の実験から得られたもので、一方カラムCおよびDのデータはアスペン(Aspen)シミュレーションおよび存在するプラントデータから得られた。該図面は、カルボニル化合物を除去するための樹脂処理なしの、酢酸エチルと酢酸n−ブチルの共(同時)製造を示す。この方法のために、エタノール(EtOH)、酢酸(AcOH)およびn−ブタノール(BuOH)をライン(1)を経てカラムAに供給する。新しいエタノール供給材料は、典型的には89.0から90.5%の間のエタノール、7から10%の間の水、<0.3%(0.3%未満)のアセトアルデヒド、<2.0%(2.0%未満)のジエチルエーテル、<0.1%(0.1%未満)のメチルエチルケトン、<0.05%(0.05%未満)のクロトンアルデヒド、および<0.25%(0.25%未満)の非揮発性の残留物を含み、そして15℃で約815kg/m3の密度を有した。新しい酢酸供給材料は、99.85%の酢酸、<0.15%(0.15%未満)の水、それぞれ<0.05%(0.05%未満)のギ酸およびアセトアルデヒド、および100ppmのプロピオン酸を有した。新しいn−ブタノール供給材料は、>99.7%(99.7%より大)の純度を有し、そして<0.05%(0.05%未満)の水、<1500ppm(1500ppm未満)のイソ−ブタノール、<1000ppm(1000ppm未満)のジ−n−ブチルエーテルおよびn−ブタナールとして<0.05%(0.05%未満)のカルボニル、<0.05%(0.05%未満)のsec−ブタノールを含み、そして20℃で0.809から0.810kg/lの密度を有した。カラムAへの新しい初期供給材料の相対的割合は:エタノール(31.3%)、n−ブタノール(15.6%)、酢酸(51.5%)および付随する水(1.6%)であった。
カラムAは、5cm(2インチ)オールダーシャウ(Oldershaw)カラムであり、45個のトレーを有し、そして反応釜があるカラムの底部に再循環装置(R)を備えている。大気圧でそして還流比0.5:1(内部還流を含めた場合、1.5:1)で操業されるこのカラムの温度プロフィールは、以下の通りであった:
頂部トレー =81℃
トレー15 =85℃
トレー25 =87℃
トレー33 =93℃
トレー45 =103℃。
カラムAのオーバーヘッドを60から40℃の間に冷却し、そしてライン(2)を経てデカンター(S1)に供給して、有機化合物が優勢の油性相を、水および水溶性成分が優勢の水性相から分離できるようにした。相分離を可能にする短い持続時間の後に、デカンター(S1)からの油性相の一部をライン(3)を経てカラムAの頂部に還流として還流比0.5:1で再循環し、油性相の残部をライン(4)を経てカラムCに供給したが、該ライン(4)はデカンター(S2)からの再循環流を含む。デカンター(S1)からの水性相は、ライン(5)を経てカラムDに供給した。該カラムDは供給位置より上に10個の実際のプレートをそして供給位置より下に24個の実際のプレートを有していた。
カラムCは主として精製カラムであり、その機能は、軽い末端不純物を所望の生成物から分離し、そしてデカンター(S1)の油性相内に残るアルコールの回収を可能にすることである。カラムCは、約0.4mの理論的プレートと同等の高さをもつ15.4メートルのパッキング(Mellapack(登録商標)パッキング、Sulzerから)を有する。これは38−39理論的プレートに相当する。カラムCへの供給物は、主としてデカンター(S1)からの油性相であり、該デカンター(S1)は、カラムCに付随するデカンター(S2)からの油性相を補充され、そして以下に記載される。カラムCへの供給物は、該カラムが供給位置より下に11メートルのパッキングを有しそして該供給位置より上に4.4メートルのパッキングを有するような位置に供給される。このカラムCは2バールゲージ(barg)の圧力で操作した場合、下記の温度プロフィールを有する:
カラムCの底部 119℃
カラムCの頂部から9.9メートル 116℃
カラムCの頂部から2.2メートル 100℃
カラムCの頂部 85℃。
このカラムは殆ど全還流で操作され、少量の不純物は連続的にシステムから追い出される。側部流(10)はカラムCから、エタノールのようなアルコールが殆ど凝縮する該カラム内の位置で取り出される。供給位置(10)の直ぐ上に位置するこの側部流取出し物は、水洗(図示されていない)の後に、デカンター(S2)に供給され、ここで前のデカンター(S1)におけるようにして、水性相と油性相とに分離された。油性相はライン(6)を経て再循環されてデカンター(S1)からの油性相(ライン(4))と混合され、そしてライン(4)を経てカラムCに供給された。デカンター(S2)からの水性相はライン(12)を経て取り出されてデカンター(S1)からの水性相(ライン(5))と混合され、そしてライン(7)を経てカラムDに供給された。主として所望のエステル、酢酸エチルおよび酢酸n−ブチルからなるカラムCからの底部生成物は、ライン(11)を経て取り出され、そして分離カラムEに供給された。主として軽い末端生成物からなる頂部生成物は、ライン(8)を経て除去され、そして殆ど焼き尽くされ(flared off)、一部分はライン(9)を経て該カラムの頂部に戻された。
カラムEは、5cm(2インチ)オールダーシャウ(Oldershaw)カラムであり、55個の実際のトレー(28個の理論的トレーに相当する)を有し、そしてカラムCの底部からこのカラムへの供給物はライン(11)を経た。再循環装置(R)を備えていた。このカラムEへの供給物は下記の組成を有していた:酢酸エチル(67.83%)、酢酸n−ブチル(31.35%)、そして残部は副生物および他の不純物であり、該不純物の組合せ量は主として(i)n−ブタノールおよび酢酸イソプロピル−5835ppm、(ii)ギ酸エステル−800ppm、(iii)他の酢酸エステル−1025ppm、および(iv)ケトン−710ppmであり、この供給物中のブチルアルデヒドおよびメチルエチルケトンの量は分析しなかった。この供給物は70℃に予備加熱されそして前に述べたようにカラムEのトレー15に供給した。このカラムは下記の温度プロフィールを有していた:
底部トレー(55)=127.5℃
トレー50 =126.7℃
トレー45 =126℃
トレー40 =125℃
トレー38 =123℃
トレー35 =120℃(液体廃棄物流の取り出し)
トレー30 =93℃
トレー25 =81.3℃
トレー20 =80.6℃
トレー15 =81℃
トレー5 =79℃、そして
トレー1(頂部) =77℃。
液体廃棄物流(13)は、このカラムのトレー35の上の蒸気用スペースに、連続的に約10.5g/時間の割合で120℃で取り出した。このカラムは大気圧下で、供給割合690g/時間、還流比2:1(内部還流を考慮した場合は3:1)で操作し、取り出された液体廃棄物流(13)は供給割合の1.5%を示した。液体廃棄物流取り出し位置は、クロトンアルデヒド、未反応n−ブタノール、プロピオン酸エチル、ギ酸ブチルおよびメチルペンタノンの異性体のような主な不純物の除去を最大にするのに最適の位置にした。このカラムでは少量のメチルエチルケトンおよびブチルアルデヒドしか除去されなかった。上記の条件下で50時間連続操作した後にカラムEから取り出した頂部生成物(ライン(14))、底部生成物(ライン(16))および液体廃棄物流(ライン(13))の組成データは以下の通りであった:
カラムAおよびCに付随するデカンター(S1およびS2)からの水性相は、ライン(7)を経てカラムDに供給される。このカラムDは、単に水を溶解された有機物質から分離する。カラムDは34個の実際のトレーを有し、ライン(5)および(12)からの水性相はライン(7)を経てカラムDのトレー10に供給される。カラムDは還流比1.5:1、圧力1.2バールゲージで以下のように125から93℃の温度プロフィールで操作される:
頂部トレー =93℃
トレー4 =96℃
トレー6 =97℃
トレー14 =117℃
トレー34(底部)=125℃。
カラムDからのオーバーヘッドはライン(17)を経て回収されそして供給ライン(1)からカラムAに戻される(図示されていない)。カラムDからのオーバーヘッドの一部はライン(18)を経て再循環/還流物としてカラムDに戻される。カラムDからの底部生成物はライン(19)を経て除去されそして主として水からなり、該水はカラムCのデカンター(S2)およびライン(10)に戻される(図示されていない)か、または排出液として排出される。
Claims (29)
- エタノールおよびn−ブタノールの混合物と酢酸とを、液相中で酸性触媒の存在下で反応させて、酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを同時に共製造するための、下記を特徴とする製造法:
i.エタノール、n−ブタノールおよび酢酸を含む反応体を、酸性エステル化触媒を含みそして高温に維持された反応カラムAの底部に供給して、該カラムAを昇る酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを含む生成物を形成する、
ii.酢酸エチルと酢酸n−ブチルとの混合物を含む該カラムAからのオーバーヘッドを、場合によってはデカンテーション工程の後に、高温で操業される蒸留カラムCのほぼ上半分に供給し、これにより:
a.軽い末端留分を反応生成物から分離しそしてオーバーヘッドとして該反応生成物から分離する、
b.主として酢酸エチルと酢酸n−ブチルとを含む流れを該カラムCの底部から取り出し、そして精製カラムEの上半分に供給する、
c.反応体アルコール、水およびいくらかのエステルを含む側部流を該カラムCの上半分から取り出し、そこからデカンターに供給し、デカンテーションの後に、油性相をカラムC供給物に戻し、そして水性相をカラムDに供給する、
iii.酢酸エチルと酢酸n−ブチルとの混合物を含む流れをカラムEで分別して、下記のものを回収する:
a.実質的に純粋な酢酸エチルオーバーヘッド、
b.上記カラムEの底部から実質的に純粋な酢酸n−ブチル、および
c.上記iiiaの取り出し位置およびiiibの取り出し位置の間の中間位置での液体廃棄物流であって、望ましくないカルボニル化合物でありその流れが廃棄されるカルボニル化合物を含む望ましくない不純物を含む該液体廃棄物流、そして
iv.上記カラムDに供給されたエステルとアルコールとの混合物を含む側部流を分別して、主としてエタノールとn−ブタノールをそれぞれ少量の水、酢酸エチルおよび酢酸n−ブチルオーバーヘッドと共に含む混合物、並びに該カラムDの底部からの水を除去する。 - 上記エステル化反応がカラムAの底部で起こり、該カラムAは反応容器および反応釜の組み合せとして作用し、該反応釜は該カラムの底部に位置する、請求の範囲1に記載の方法。
- 上記カラムAが一体化した反応容器および反応釜であり、該反応釜に存在する酢酸の量を制御して、酸オーバーヘッドが反応生成物と共に通過するのを最小にし、これにより酢酸n−ブチル生成物が反応体酸で汚染されるのを避ける、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 上記カラムAの底部の酢酸の量が、該カラムAでエステル化反応に使用された反応器内容物の全重量を基準にして30から75%の範囲にある、請求の範囲1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 30:70の重量比の酢酸n−ブチル:酢酸エチルを製造するために、酢酸反応体および酸触媒を基準にした反応釜内の酸度が約53重量%である、請求の範囲4に記載の方法。
- 上記カラムAが、該カラムの底部における105℃から該カラムの頂部における80℃にわたる温度プロフィールで、大気圧にて操作される、請求の範囲1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムAが2バールゲージ圧で25ないし60個の実際のプレートを有し、そして0.5:1から4:1の範囲の還流比で操作される、請求の範囲1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムAからのオーバーヘッドをデカンターS1に供給して、主として水、反応体アルコールおよび少量の生成物エステルを含む水性相と、主として生成物エステルをそれぞれ比較的少量の水、反応体アルコールおよび他の不純物と共に含む油性相との予備的分離を実施する、請求の範囲1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
- 上記デカンターS1からの水性相を直接カラムDに、カラムCデカンターからの水性側部流と別々にまたは混合して、供給する請求の範囲8に記載の方法。
- 上記デカンターS1から回収される油性相の凝集相をカラムCに供給し、この油性相の一部をカラムAの上半部に再循環する、請求の範囲8または9に記載の方法。
- 上記カラムCを、該カラムの底部における119℃から該カラムの頂部における85℃にわたる温度プロフィールで、2バールゲージ圧にて操作する、請求の範囲1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムCがパックされたカラムである、請求の範囲1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムCが20ないし60個の理論的プレートを有し、そして2バールゲージ圧で全還流下で操作される、請求の範囲1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムCからの側部流を水と混合しそしてデカンターS2に供給して、水性相を油性相から分離する、請求の範囲1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムCに付随するデカンターS2からの油性相もまた、生成物エステル、幾分の反応体アルコールおよび少量の水の混合物を含み、該油性相を、デカンターS1からの油性相と別々にまたは混合して、カラムCに再循環させる、請求の範囲14に記載の方法。
- 上記カラムEが蒸留カラムであり、そして20ないし60個の理論的プレートを含む、請求の範囲1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムEに、カラムCの底部から回収されそして主として酢酸エチルを60−70%および酢酸n−ブチルを40−30%と、少量の他の不純物とを含む生成物を供給し、該不純物はエタノールを10ppm、n−ブタノールを約5000−6000ppm、アルデヒドおよびケトンを600−1000ppm、並びに他のエステルを1500−2000ppmにわたる、請求の範囲1ないし16のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムEへの供給物が約60−80℃の温度に予備加熱され、そして1:1から4:1の範囲の還流比で操作される、請求の範囲1ないし17のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムEが大気圧で80から130℃の温度プロフィールを有する、請求の範囲1ないし18のいずれか1項に記載の方法。
- 上記カラムDが蒸留カラムであり、ここでオーバーヘッドは主として反応体アルコール、水および生成物エステル共沸混合物を含む、請求の範囲1ないし19のいずれか1項に記載の方法。
- 1種またはそれ以上の供給材料および/または工程流を、アルデヒドを保持できる樹脂防護床で処理して、最後の微量のアルデヒドをそこから除去する、請求の範囲1ないし20のいずれか1項に記載の方法。
- 上記樹脂防護床がマクロ網状樹脂である、請求の範囲21に記載の方法。
- 上記樹脂防護床がアミノ置換スチレン−ジビニルベンゼンポリマー骨格を含むか、あるいはアクリレート樹脂である、請求の範囲21または22に記載の方法。
- 上記樹脂防護床がスチレン−ジビニルベンゼンポリマー骨格の芳香族基の一つの上のトリメチルアンモニウム置換基の塩を含む、請求の範囲23に記載の方法。
- 上記塩がハロゲン化物塩である、請求の範囲24に記載の方法。
- 上記防護床内の樹脂が、大きい表面積を有する高度に多孔性のビーズの形体で使用される、請求の範囲21ないし25のいずれか1項に記載の方法。
- 上記樹脂に、使用前に、該樹脂に保持される重亜硫酸塩−カルボニル付加複合体を形成することができる重亜硫酸イオンを充填する、請求の範囲23ないし26のいずれか1項に記載の方法。
- エタノールおよびn−ブタノールから選ばれた1種またはそれ以上の供給原料に重亜硫酸イオンを含む溶液を投与し、そして投与した溶液を、カラムAに供給する前に、樹脂防護床を通過させる、請求の範囲23ないし26のいずれか1項に記載の方法。
- エタノールおよびn−ブタノールから選ばれた1種またはそれ以上の供給原料に金属ホウ水素化物およびアルカリを含む溶液を投与し、そして投与した溶液を、カラムAに供給する前に、少なくとも一つの樹脂防護床を通過させる、請求の範囲23ないし26のいずれか1項に記載の方法。
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