JP4036396B2 - 車椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体障害者等が使用する車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車椅子は、座席の左右両側部に側部フレーム枠が立設されており、この側部フレーム枠が使用者の上半身を横方向から支持するための部材、あるいは、座席外側との仕切り部材となっていた。この側部フレーム枠は所定の幅に設定されており、その間隔は使用者が乗り降りする際に容易に腰部が通過できる幅となっている。
【0003】
車椅子は車幅が狭い方が屋内等の狭い通路を通過できるので便利である。しかし、車幅を狭くするには、座席幅を必要最小限に切り詰めると共に左右の側部フレーム枠の間隔を狭くしなければならず、そうすると乗り降りが困難になってしまう。逆に、使用者の乗り降りを優先して座席幅を十分に取り、左右の側部フレーム枠の間隔を広げると、車幅が広くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、身体障害者等が使用する車椅子、特に車幅の狭い車椅子を、使用者が容易に乗り降りできるようにすることを課題としている。
【0005】
本発明は上記課題を解決するために、次のようにした。すなわち、本発明の車椅子は、左右に離間して設けられる一対の側部フレーム枠に、中間部が枢着されて開閉可能に設けられるX字状の交差フレームの左右両下端部を連結すると共に、交差フレームの左右上端部には、それぞれ座席フレームが固着され、この座席フレーム間にシート状部材を張設してなる座席を備えることにより、折りたたみ可能に構成した本体フレームを備えた車椅子において、前記側部フレーム枠と交差フレームの上側はそれぞれ連結リンクで連結されると共に、該連結リンクの一方側にはそれぞれ長孔が穿設され、両側部フレーム枠をそれぞれ外方へ傾倒可能に構成する一方、側部フレーム枠には受け部材を固設すると共に、この受け部材の上縁面には山型状のカムを形成し、前記座席フレーム下側に軸支されたローラーがこのカム面を移動可能に構成することにより、前記側部フレーム枠を押し引きするだけで両側部フレーム枠が外側に傾倒した状態と立設状態とでそれぞれ保持可能に構成した保持手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
この車椅子に乗り降りするときは、左右の側部フレーム枠を外側へ押し開く。すると、側部フレーム枠が下部側を軸心として外方へ傾倒し、保持手段によりその傾倒状態で保持され、正面視で上端側が開いた逆ハ字状となり、乗り降りするには十分な側部フレーム枠の間隔を得ることができる。
【0007】
車椅子を元の状態に戻すには、傾倒状態の側部フレーム枠を内側へ引き寄せればよい。すると、側部フレーム枠は保持手段により立設状態で保持され、通常の車椅子と同様に使用することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0009】
1は車椅子の本体フレームであり、左右に離間して設けられる一対の側部フレーム枠2,2を、中間部が枢着されて開閉可能に設けられるX字状の交差フレーム3により連結して、折りたたみ可能に構成している。前記交差フレーム3の左右両上端部には、それぞれ前後方向の座席フレーム4,4が固着されており、この座席フレーム4,4間にシート状部材を張設して座席5を形成している。
【0010】
前記側部フレーム枠2は、後側下部に設けられる前後方向の後下部フレーム部6と、この後下部フレーム部6から上方に向けて伸びる後部フレーム部7と、この後部フレーム部7の上端から前方に向けて伸びる上部フレーム部8と、この上部フレーム部8の先端から前方下方に向けて伸びる前部フレーム部9と、この前部フレーム部9の下部後側から後方へ向けて伸び、その後端側が前記後下部フレーム部6と同軸心である前下部フレーム部10とからなる。そして、前記後下部フレーム部6と前下部フレーム部10との間に、両フレーム部に前後両端が差し込まれる回動軸11回りに回動可能な回動フレーム12が設けられている。この回動フレーム12に前記交差フレーム3の下端部が固着されている。
【0011】
前記上部フレーム部8の上側には、門型状に形成した肘掛けフレーム13が設けられており、その上部に肘掛け14が取り付けられている。また、前記前部フレーム部9の下端部には、フットレスト15が取り付けられている。
【0012】
16は連結リンクであり、前記交差フレーム3の上側部とそれと同じ側の後部フレーム部7とを連結して、本体フレーム1の折りたたみの際に側部フレーム枠2が回動軸11を軸心として左右方向に倒れるのを防止するものである。この連結リンク16の交差フレーム3側連結部には長孔16aが形成されており、側部フレーム枠2が回動軸11を軸心として、外方へ傾倒可能となっている。
【0013】
17は側部フレーム枠2の保持手段であり、外方へ傾動可能な側部フレーム枠2を、立設状態と外方傾倒状態のそれぞれの状態において保持するものである。これは、図3及び図4に示すように、前記座席フレーム4の前後両端下側部にブラケットを介してローラー18を回転自在に軸支し、一方、側部フレーム枠2の上部フレーム部8に前記ローラー18の受け部材19を固設し、側部フレーム枠2を傾動させると、ローラー18が受け部材19の上縁面を転動するようになっている。そして、受け部材19の端部にはストッパー19aを一体的に設け、ローラー18が上部フレーム部8とストッパー19aの何れかに当接することにより、側部フレーム枠2を立設状態あるいは傾倒状態でそれ以上傾動しないように規制している。前記受け部材19の上縁面は山型状のカムを形成しており、通常はローラー18がこの頂部を乗り越えることができず側部フレーム枠2を立設状態あるいは傾倒状態で保持し、側部フレーム枠2の状態を切り替えるとき、前記頂部をローラー18が乗り越えるだけの外力を側部フレーム枠2に加えなければならないようになっている。したがって、側部フレーム枠2の状態を切り替えるための特別な操作は必要なく、ただ単に側部フレーム枠2を押し引きするだけでよい。
【0014】
20は大径の後輪であり、その車軸20aを前記後部フレーム部7に取り付けている。また、この後輪20の外側部には、ハンドリム21が一体的に取り付けられており、このハンドリム21を回転操作することによって車椅子を操作することができるようになっている。
【0015】
22は方向転換自在なキャスター型の前輪であり、前記上部フレーム部8の前側部から下方に伸び、下端部を前下部フレーム部10に接合した縦パイプ23の外側に固着されるキャスターパイプ24の下部に取り付けられている。
【0016】
25は背部フレームであり、その上端部に手押し走行用のハンドルグリップ26を着脱可能に取り付け、下端部にL字形のブラケット27を固着し、このブラケット27の端部と前記座席フレーム4の後端部とをピン28を介して枢着し、当該背部フレーム25を折りたたみ可能としている。そして、この左右の背部フレーム25,25間にはシート部材を張設して背もたれ29を形成している。
【0017】
30は背部フレーム25のロック機構であり、図7に示すように、前記ブラケット27部に固着された筒体31にロックピン32を摺動自在に嵌合し、その先端突起部32aが筒体31の前側へ突出するようバネ33で付勢している。そして、前記突起部32aが、座席フレーム4の後端部に穿設した孔34に嵌合することにより背部フレーム25が固定されるようになっている。また、ロックピン32の反突起部側端部には抜け止めを兼ねるつまみ部32bが設けられており、これをバネ33に抗して引っ張ると、ロックピン32の先端突起部32aが孔34から抜け出て、背部フレーム25が折りたたみ自在な状態となる。この状態から背部フレーム25を起立させていくと、ロックピン32の先端突起部32aが孔34と合致したところで自動的に嵌合し、背部フレーム25が固定される。
【0018】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の車椅子は、座席の左右両側に設けられる側部フレーム枠を外方へ傾倒可能に構成し、また、前記側部フレーム枠を立設状態と傾倒状態のそれぞれの状態で保持可能な保持手段を設けたから、車幅の狭い車椅子であっても、使用者が乗り降りするときには側部フレーム枠を外方へ傾倒させることによってその間隔を広げることができ、乗り降りが容易となる。また、それほど車幅の狭くない車椅子であっても、さらに乗り降りが容易となることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車椅子の全体側面図
【図2】その正面図
【図3】保持手段の正面図
【図4】その作用説明図
【図5】側部フレーム枠が傾倒状態である全体正面図
【図6】背部フレームの折りたたみを示す側面図
【図7】ロック機構の拡大断面図
【符号の説明】
1 本体フレーム
2 側部フレーム枠
5 座席
17 保持手段
20 後輪
22 前輪
Claims (1)
- 左右に離間して設けられる一対の側部フレーム枠に、中間部が枢着されて開閉可能に設けられるX字状の交差フレームの左右両下端部を連結すると共に、交差フレームの左右上端部には、それぞれ座席フレームが固着され、この座席フレーム間にシート状部材を張設してなる座席を備えることにより、折りたたみ可能に構成した本体フレームを備えた車椅子において、前記側部フレーム枠と交差フレームの上側はそれぞれ連結リンクで連結されると共に、該連結リンクの一方側にはそれぞれ長孔が穿設され、両側部フレーム枠をそれぞれ外方へ傾倒可能に構成する一方、側部フレーム枠には受け部材を固設すると共に、この受け部材の上縁面には山型状のカムを形成し、前記座席フレーム下側に軸支されたローラーがこのカム面を移動可能に構成することにより、前記側部フレーム枠を押し引きするだけで両側部フレーム枠が外側に傾倒した状態と立設状態とでそれぞれ保持可能に構成した保持手段を設けたことを特徴とする車椅子。
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JP32751396A JP4036396B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 車椅子 |
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JP32751396A JP4036396B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 車椅子 |
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JPH10127696A JPH10127696A (ja) | 1998-05-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32751396A Expired - Fee Related JP4036396B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 車椅子 |
Country Status (1)
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- 1996-11-01 JP JP32751396A patent/JP4036396B2/ja not_active Expired - Fee Related
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