JP4036286B2 - サスペンションリンク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サスペンションリンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6及び図7はトラックやバスなどの大型車両におけるリヤサスペンション構造の一例を示すもので、車体の前後方向(図6中における左右方向)に延びる左右一対のフレーム1の下方に、車幅方向(図7中における上下方向)に延び且つその両端で車輪2を軸支する為のアクスル3が配置されており、該アクスル3の端部寄りの下面に一体的に組み付けられたサポートビーム4の前後端部と前記フレーム1下面との間に、上下方向の振動を吸収するエアスプリング5が介装されている。
【0003】
また、前側に配置されたエアスプリング5の更に前方のフレーム1には、下方向きに延びるブラケット6が取り付けられており、該ブラケット6の下端部と前記サポートビーム4の中間部との間が、車体のロール剛性を高めるスタビライザ7により傾動自在に連結されている。
【0004】
即ち、ここに図示しているスタビライザ7は、一般的にロアロッド一体式スタビライザと称されているもので、左右のブラケット6の下端部間に回動自在に架設された中空のパイプ(中空軸)から成るスタビライザバー8と、該スタビライザバー8の両端部に一端を固定して装着し且つ他端を前記サポートビーム4の中間部に設けたブラケット10に対しラバーブッシュを介して連結したアーム9とにより構成されて左右の車輪2の間をコの字型に橋渡しするようになっており、左右の車輪2が同時に上下動した場合はブラケット6に対しスタビライザバー8が回動してスタビライザ7が特に働くことはないが、コーナリングなどで左右の車輪2が異なる上下動を成した場合にスタビライザバー8に捩じれモーメントが作用し、その反力で左右の車輪2を元に戻すような働きを成すようになっている。
【0005】
ここで、このスタビライザ7におけるアーム9は、ロア側のトルクロッドとしてアクスル3の位置や角度決めを行う機能も兼ね備えており、ロア側のトルクロッドを別に設けなくても済むようにしてあるが、これらのアーム9だけでは、アクスル3にかかる軸回りの回転モーメント(制動力や駆動力)及び横方向への変位モーメントを確実に抑え込むことが困難である。
【0006】
この為、アクスル3の中央部上面と、左右のフレーム1の内側面との間が、アッパ側のトルクロッドとして機能するVロッド12により連結されるようになっており、より具体的には、このVロッド12の左右に別れた分岐端部12a(前側端部)が、左右のフレーム1の内側面から延ばしたブラケット13に対しラバーブッシュを介して連結され、また、Vロッド12中央の屈曲端部12b(後側端部)が、アクスル3の中央部上側に設けたブラケット14に対しラバーブッシュを介して連結されている。
【0007】
そして、このようなVロッド12を採用すれば、車体の前後方向と左右方向の両方の向きの入力に対して対応することが可能となるので、平行リンク式のトルクロッドを採用した場合のような左右方向の入力対策としてのラテラルロッドを別途並設しなくても済み、しかも、下側のアーム9に対し上方にオフセット配置されているので、アクスル3にかかる軸回りの回転モーメントを確実に抑え込むことが可能となる。
【0008】
尚、前記サポートビーム4の中途部と、その直上のフレーム1との間は、上下方向に延びるショックアブソーバ11により連結されており、このショックアブソーバ11により上下方向の振動の揺り返しを抑制して振動減衰が図られるようにしてある。
【0009】
他方、近年においては、前述したVロッド12に替わる新たなサスペンションリンクとして、図8に示す如き全体的な平面形状がX型を成すように一体成形されたXリンク15が提案されており、このような平面形状のXリンク15によれば、従来のVロッド12の場合と同様に車体の前後方向と左右方向の両方の向きの入力に対し対応することが可能である上、コーナリングなどで左右の車輪2(図6及び図7参照)が異なる上下動を成した場合に捩じれモーメントが作用し、その反力で左右の車輪2を元に戻すようなスタビライザの働きを成すようになっているので、図6や図7に示してあるようなロアロッド一体式のスタビライザ7を不要として、シンプルな平行リンク式のトルクロッドに置き換えることが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、鍛造による一体成形品としてXリンク15を製造するようにしていた為、製造コストが高くついてしまうという問題があり、しかも、全体重量が大きなものとなって組み付け時の作業性が悪くなるという問題があった。
【0011】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、従来のXリンクに劣らない優れた機能を確保しつつ、その製造コストの削減と全体重量の大幅な軽量化を図り得るようにした新規なサスペンションリンクを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一の板ばねピースと第二の板ばねピースとを向い合せの状態で上下に重ねて第一のI型ピースを構成すると共に、該第一のI型ピースを間に挟んで第三の板ばねピースと第四の板ばねピースとを向い合せの状態で上下に重ねて第二のI型ピースを構成し、これら第一及び第二のI型ピースの夫々を互いの長手方向中央部同士が交差するように配置し且つその交差部分を上下方向に貫通するピンにより該ピンを中心に第一及び第二のI型ピースの相互が水平方向に回動し得るように連結し、第一及び第二のI型ピースの夫々の一端部相互間に水平方向に延在する連結バーを架設し、該連結バーの両端部に下方向きに折れ曲がる曲折部を形成し且つ該各曲折部をアクスルに対し揺動自在に連結して前記連結バーを前記アクスルの直上にて車幅方向に延在せしめ、他方、第一及び第二のI型ピースの夫々の他端部を前記アクスルより車両前方となるフレームに対し揺動自在に連結し、前記連結バーの各曲折部の折れ曲がり形状により決まる車体のローリング中心が前記連結バーよりも上方で且つ車両重心よりも下方に配置されるように構成したことを特徴とするサスペンションリンク、に係るものである。
【0013】
而して、このようにすれば、通常の板ばねの生産工程を利用して安価に製作することが可能な第一乃至第四の板ばねピースを組み付けるだけでX型のサスペンションリンクを構成することが可能となるので、鍛造によりX型の一体成型品を製造する場合と比較して製造コストを大幅に削減することが可能となる。
【0014】
また、従来のXリンクの各アーム部分の断面形の高さ寸法より若干大きくなるように第一及び第二のI型ピースの高さ寸法を設定すれば、その上下の板ばねピースの相互間が空隙となっていて相互の断面積の総和が従来のXリンクの各アーム部分の断面積より小さくなっていても、実質的な断面二次モーメント(曲げモーメントに対する梁断面の幾何学的な曲がり難さを表す数値)に大きな違いは生じないので、鍛造による一体成型品のXリンクと比較して強度低下を招くことなく全体重量を大幅に軽量化することが可能となる。
【0015】
特に第一乃至第四の板ばねピースは、通常の板材と比較して高い靭性を有するものである上、第一及び第二のI型ピースの交差部分がピンにより回動自在に連結されて剪断応力が作用しないように工夫され、これにより各板ばねピースが単純な曲げ応力だけに対応すれば済む負担の少ない構造となっており、しかも、各I型ピースごとに向い合せの状態となっていて、上下の何れか一方が圧縮変形した時に他方が引っ張り変形するような理にかなった配置を採用しているので、従来のXリンクと同等の機能を確保する条件下で極めて合理的な軽量化を図ることが可能となる。
【0016】
しかも、各I型ピースの夫々の一端部側が連結バーを介してアクスルに揺動自在に連結されるようになっていて、該連結バーの両端部における各曲折部の折れ曲がり形状により車体のローリング中心が連結バーよりも上方で且つ車両重心位置よりも下方に配置されるようにしてあるので、車体のローリングの基点となるローリング中心の位置が従来より高くなって車両重心との相互間距離が短くなり、ローリング時にアンチローリングモーメントが作用してローリングモーメントの発生が著しく抑制されることになる。
【0017】
そして、このようにローリングモーメントの発生が著しく抑制されると、コーナリング時にスタビライザとしての機能を果たす為に各I型ピースが負担すべき捩じれモーメントが大幅に軽減されることになるので、各I型ピースの更なる小型、軽量化を実現することが可能となる。
【0018】
また、本発明においては、連結バーの各曲折部の折れ曲がり形状により決まるコンプライアンスステア中心がアクスルより車両後方に配置されるように構成することが好ましく、このようにすれば、コーナリング時に遠心力に対し逆向きに路面側から車輪の接地部に反力が作用した際に、コンプライアンスステアが上面視で車両中心に対し旋回側に向くようなアンダーステア傾向で現れ、このアンダーステア傾向のコンプライアンスステアによりロールオーバーステアが打ち消されることになる。
【0019】
即ち、一般的に用いられている既存のサスペンションは、何れの形式を採用したものであっても、路面衝撃入力の緩和により乗心地を向上する観点から、アクスルの軌跡を後傾気味に設定したものが多く、コーナリング時に反旋回側に向け遠心力が作用してローリングが生じると、アクスルに対し車体の旋回側が浮き上がり且つ反旋回側が沈み込み、車体が浮き上がる旋回側でアクスルが後傾軌道上を相対的に下降して前方に変位する一方、車体が沈み込む反旋回側ではアクスルが後傾軌道上を相対的に上昇して後方に変位し、アクスル全体が上面視で車両中心に対し反旋回側に向くように傾斜してアクスルステアが生じ、これによりフロント側で決めた舵取り方向への旋回半径を減少するようなロールオーバーステアを招き易い傾向にある。
【0020】
そこで、このような既存のサスペンションに関し共通の課題となっているロールオーバーステアをアンダーステア傾向のコンプライアンスステアを設定することで抑制できれば、コーナリング時における操縦安定性の向上に大きく貢献することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1〜図5は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1に示す如く、本形態例のサスペンションリンクにおいては、第一の板ばねピース16と第二の板ばねピース17とを向い合せの状態で上下に重ねて第一のI型ピース18を構成すると共に、該第一のI型ピース18を間に挟んで第三の板ばねピース19と第四の板ばねピース20とを向い合せの状態で上下に重ねて第二のI型ピース21を構成し、これら第一及び第二のI型ピース18,21の夫々を互いの長手方向中央部同士が交差するように配置し且つその交差部分を上下方向に貫通するピン22により該ピン22を中心に第一及び第二のI型ピース18,21の相互が水平方向に回動し得るように連結し、第一及び第二のI型ピース18,21の夫々の一端部相互間に水平方向に延在する連結バー23を架設した構造となっている。
【0023】
ここで、図1に示してある連結バー23は、車両後方から見て逆U字型を成すようにした上下二枚の分割バー24,25を四つのボス部26,27,28,29を介し連結した構造となっており、前記各I型ピース18,21の直伸部の両端に配置されたボス部26,27に対し各I型ピース18,21の一端部を上下から挟み込むように配置し、該各一端部に穿設された貫通孔16a,17a,19a,20a(図2参照)及び前記ボス部26,27に対しピン30,31を成すチューブラリベットを通して上下端部を押し潰すことにより相互を回動自在に連結するようにしてある。
【0024】
他方、第一乃至第四の板ばねピース16,17,19,20は、何れも図2に示す如き概ね同様の形状を成すように形成されており、各板ばねピース16,17,19,20の長手方向他端部に、その幅方向の片側に寄せてアイ16b,17b,19b,20bが形成されており、夫々の組み合わせ相手と向い合せの状態で上下に重ねた時に、互いのアイ16bとアイ17b、アイ19bとアイ20bが干渉せずに幅方向に並んでボス部を成すように構成されている。
【0025】
また、各板ばねピース16,17,19,20の長手方向中央部には、ピン22を摺動自在に貫通せしめる為の貫通孔16c,17c,19c,20cが穿設されており、図3に示す如く、これらを合致させた状態でピン22を成すチューブラリベットを通して上下端部を押し潰すことにより、各板ばねピース16,17,19,20の相互を回動自在に連結するようにしてある。
【0026】
そして、このように構成されたサスペンションリンクは、連結バー23の前記各ボス部26,27より外側で下方向きに折れ曲がるように形成された左右の曲折部32,33をアクスル3(図4及び図5参照)に対しブラケット等を介して揺動自在に連結し且つ前記連結バー23を前記アクスル3の直上にて車幅方向に延在せしめ、他方、第一及び第二のI型ピース18,21の夫々の他端部を前記アクスル3より車両前方となるフレーム1(図5参照)に対しブラケット等を介して揺動自在に連結されるようになっている。
【0027】
より具体的に述べれば、各曲折部32,33のアクスル3に対する揺動自在な連結は、前記各曲折部32,33に貫通装着されたボス部28,29に対しラバーブッシュを介して図示しない揺動ピンを嵌挿装着し、該各揺動ピンをアクスル3の上側に対しブラケットを介して取り付けることにより行われ、また、第一及び第二のI型ピース18,21の他端部のフレーム1に対する揺動自在な連結は、アイ16b,17b及びアイ19b,20bが成すボス部に対しラバーブッシュを介して図示しない揺動ピンを嵌挿装着し、該各揺動ピンを左右のフレーム1に対しブラケットを介して取り付けることにより行われるようにしてある。
【0028】
更に、連結バー23の各曲折部32,33の折れ曲がり形状は、図1に示す如き二面折りで形成されており、この二面折りの稜線を車両後方へ延長した時の交点が仮想のリンク支点PLを成すようにしてあり、あたかも各I型ピース18,21の一端部が仮想のリンク支点PLまで延び且つ該リンク支点PLから各曲折部32,33のボス部28,29のブッシュ中心PBまでの間が別のリンクロッドで繋がれているかのようなリンク作動が実行されるようになっている。
【0029】
そして、左右の仮想のリンク支点PLとブッシュ中心PBを結ぶ線を車両後方へ向けて延長した時の交点POが、各曲折部32,33のアクスル3に対する連結位置から車両後方へXだけ後退し且つ前記各曲折部32,33のアクスル3に対する連結レベルから上方へZだけ上昇した位置に配置され、この交点POを車両前後方向に通る位置に車体のローリング中心PRが決まり、交点POを上下方向に通る位置に車体のコンプライアンスステア中心PCが決まるようになっており、本形態例においては、図4に示す如く、ローリング中心PRが前記連結バー23よりも上方で且つ車両重心Gよりも下方に配置され、しかも、図5に示す如く、コンプライアンスステア中心PCがアクスル3より車両後方に配置されるようになっている。
【0030】
尚、補足して説明しておくと、従来のXリンクを採用した場合のローリング中心は、そのX形状の交差部分を車両前後方向に通るような高さ位置となり、Vロッドの場合には、そのV形状の中央の屈曲端部(後側端部)を車両前後方向に通るような高さ位置となるのであり、何れの場合もアクスル3に対する連結レベルに近い比較的低い高さ位置にローリング中心が配置されているのが通常である。
【0031】
而して、このようにサスペンションリンクを構成すれば、通常の板ばねの生産工程を利用して安価に製作することが可能な第一乃至第四の板ばねピース16,17,19,20を組み付けるだけでX型のサスペンションリンクを構成することが可能となるので、鍛造によりX型の一体成型品を製造する場合と比較して製造コストが大幅に削減されることになる。
【0032】
また、従来のXリンクの各アーム部分の断面形の高さ寸法より若干大きくなるように第一及び第二のI型ピース18,21の高さ寸法を設定すれば、その上下の板ばねピース16,17及び19,20の相互間が空隙となっていて相互の断面積の総和が従来のXリンクの各アーム部分の断面積より小さくなっていても、実質的な断面二次モーメント(曲げモーメントに対する梁断面の幾何学的な曲がり難さを表す数値)に大きな違いは生じないので、鍛造による一体成型品のXリンクと比較して強度低下を招くことなく全体重量を大幅に軽量化することが可能となる。
【0033】
特に第一乃至第四の板ばねピース16,17,19,20は、通常の板材と比較して高い靭性を有するものである上、第一及び第二のI型ピース18,21の交差部分がピン22により回動自在に連結されて剪断応力が作用しないように工夫され、これにより各板ばねピース16,17,19,20が単純な曲げ応力だけに対応すれば済む負担の少ない構造となっており、しかも、各I型ピースごとに向い合せの状態となっていて、上下の何れか一方が圧縮変形した時に他方が引っ張り変形するような理にかなった配置を採用しているので、従来のXリンクと同等の機能を確保する条件下で極めて合理的な軽量化を図ることが可能となる。
【0034】
しかも、各I型ピース18,21の夫々の一端部側が連結バー23を介してアクスル3に揺動自在に連結されるようになっていて、該連結バー23の両端部における各曲折部32,33の折れ曲がり形状により車体のローリング中心POが連結バー23よりも上方で且つ車両重心Gよりも下方に配置されるようにしてあるので、車体のローリングの基点となるローリング中心POの位置が従来より高くなって車両重心Gとの相互間距離が短くなり、ローリング時にアンチローリングモーメントが作用してローリングモーメントの発生が著しく抑制されることになる。
【0035】
即ち、図4に示す如く、コーナリング時に反旋回側に向けて作用する遠心力をFYとすると、この遠心力FYは、車両重心Gに対し反旋回側に作用するので、ローリング中心POからその上方にある車両重心Gまでの高さ寸法をLZとすると、車体をローリングさせるローリングモーメントMOは、下記の数式
【数1】
MO=LZ×FY
で表わされる。
【0036】
また、図4において、車両重心Gに遠心力FYが作用すると、連結バー23は図4の実線位置から仮想線に示す位置に変形し、ローリング中心POも仮想線で示すPO’の位置に移動するので、車両重心Gに作用する車体側の重量をWZとし、ローリング中心POのずれ量をLYとすると、アンチローリングモーメントMAは下記の数式
【数2】
MA=LY×WZ
で表わされる。
【0037】
従って、車両の旋回時に車体に作用する実際のローリングモーメントMは下記の数式
【数3】
M=MO−MA=LZ×FY−LY×WZ
で表わされ、その結果、ローリングモーメントMが小さくなって、車体側にアンチローリング効果を与えることができる。
【0038】
そして、このようにローリングモーメントの発生が著しく抑制されると、コーナリング時にスタビライザとしての機能を果たす為に各I型ピース18,21が負担すべき捩じれモーメントが大幅に軽減されることになるので、各I型ピース18,21の更なる小型、軽量化を実現することが可能となる。
【0039】
従って、上記形態例によれば、従来のXリンクに劣らない優れた機能を有するX型のサスペンションリンクを第一乃至第四の板ばねピース16,17,19,20を組み付けて安価に製造することができるので、その製造コストを著しく削減することができ、しかも、全体重量の大幅な軽量化を図ることができる。
【0040】
また、本形態例においては、連結バー23の各曲折部32,33の折れ曲がり形状により決まるコンプライアンスステア中心PCがアクスル3より車両後方に配置されるように構成してあるので、例えば、図5に示す如く、車両が矢印Aで示す右方向に旋回する際に、アクスル3全体が上面視で車両中心に対し旋回側に向くように傾斜してアクスルステアが生じ、これによりフロント側で決めた舵取り方向への旋回半径を増加するようなロールアンダステアが新たに生じたとしても、矢印Bで示す如く、遠心力と逆向きに路面側から車輪2の接地部に反力が作用した際に、コンプライアンスステアが上面視で車両中心に対し旋回側に向くようなアンダーステア傾向で現れ、このアンダーステア傾向のコンプライアンスステアによりロールオーバーステアが打ち消されることになる。
【0041】
即ち、一般的に用いられている既存のサスペンションは、何れの形式を採用したものであっても、路面衝撃入力の緩和により乗心地を向上する観点から、アクスル3の軌跡を後傾気味に設定したものが多く、コーナリング時に反旋回側に向け遠心力が作用してローリングが生じると、アクスル3に対し車体の旋回側が浮き上がり且つ反旋回側が沈み込み、車体が浮き上がる旋回側でアクスル3が後傾軌道上を相対的に下降して前方に変位する一方、車体が沈み込む反旋回側ではアクスル3が後傾軌道上を相対的に上昇して後方に変位し、アクスル3全体が上面視で車両中心に対し反旋回側に向くように傾斜してアクスルステアが生じ、これによりフロント側で決めた舵取り方向への旋回半径を減少するようなロールオーバーステアを招き易い傾向にある。
【0042】
そこで、このような既存のサスペンションに関し共通の課題となっているロールオーバーステアをアンダーステア傾向のコンプライアンスステアを設定することで抑制できれば、コーナリング時における操縦安定性の向上に大きく貢献することができるのである。
【0043】
尚、本発明のサスペンションリンクは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、様々な形式のサスペンション構造に適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
上記した本発明のサスペンションリンクによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0045】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、従来のXリンクに劣らない優れた機能を確保しつつ、その製造コストを著しく削減することができ、しかも、全体重量の大幅な軽量化を図ることができる。
【0046】
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、コーナリング時のコンプライアンスステアをアンダーステア傾向で現れるようにしてロールオーバーステアを抑制することができるので、コーナリング時における操縦安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の各板ばねピースの単品図である。
【図3】図1のサスペンションリンクの交差部分の断面図である。
【図4】アンチローリングモーメントの発生原理を説明する模式図である。
【図5】ロールオーバーステアの抑制原理を説明する模式図である。
【図6】従来例を示す概略図である。
【図7】図6のVII−VII方向の矢視図である。
【図8】従来のXリンクの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム
3 アクスル
16 第一の板ばねピース
17 第二の板ばねピース
18 第一のI型ピース
19 第三の板ばねピース
20 第四の板ばねピース
21 第二のI型ピース
22 ピン
23 連結バー
32 曲折部
33 曲折部

Claims (2)

  1. 第一の板ばねピースと第二の板ばねピースとを向い合せの状態で上下に重ねて第一のI型ピースを構成すると共に、該第一のI型ピースを間に挟んで第三の板ばねピースと第四の板ばねピースとを向い合せの状態で上下に重ねて第二のI型ピースを構成し、これら第一及び第二のI型ピースの夫々を互いの長手方向中央部同士が交差するように配置し且つその交差部分を上下方向に貫通するピンにより該ピンを中心に第一及び第二のI型ピースの相互が水平方向に回動し得るように連結し、第一及び第二のI型ピースの夫々の一端部相互間に水平方向に延在する連結バーを架設し、該連結バーの両端部に下方向きに折れ曲がる曲折部を形成し且つ該各曲折部をアクスルに対し揺動自在に連結して前記連結バーを前記アクスルの直上にて車幅方向に延在せしめ、他方、第一及び第二のI型ピースの夫々の他端部を前記アクスルより車両前方となるフレームに対し揺動自在に連結し、前記連結バーの各曲折部の折れ曲がり形状により決まる車体のローリング中心が前記連結バーよりも上方で且つ車両重心よりも下方に配置されるように構成したことを特徴とするサスペンションリンク。
  2. 連結バーの各曲折部の折れ曲がり形状により決まるコンプライアンスステア中心がアクスルより車両後方に配置されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンションリンク。
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