JP4035402B2 - レンズ装置 - Google Patents

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JP4035402B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ装置、特に防水防滴性能を備えたレンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ズーム機構を備えたレンズ鏡筒(レンズ装置)において、最も被写体側に配置されたレンズまたはレンズ群を保持しているレンズ保持枠がズーミングに際して移動し(全長が変化し)、レンズ鏡筒の内部の空気の占める容積が変化するものが数多く存在する。このようにレンズ鏡筒の内部容積が変化する際には、レンズ鏡筒の隙間から空気がレンズ鏡筒内に出入りし、レンズ鏡筒内の圧力が外圧と実質的に同一に保たれ、レンズ保持枠がスムーズに移動可能となる。
【0003】
一方、このようなレンズ鏡筒に対して防水防滴性能を持たせようとすると、レンズ鏡筒は外部に対して密閉されるため、空気の出入りができなくなる。そこで、特許第2909906号、特開平9−197527号および特開平11−190881号公報には、カメラ本体の一部(グリップ部や側面)に開口部を設けたり、レンズ鏡筒の筒部分に開口部を設け、この開口部に空気の通過は許容し、水滴の通過は禁止するゴアテックス(登録商標)やミクロテックス(登録商標)などの撥水性微多孔部材を配置し、空気のみの流通路を設けるようにしたものが開示又は提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、交換レンズシステムにおけるカメラ本体には、複数の焦点距離レンジの交換ズームレンズ鏡筒が装着される。従ってカメラ本体に内圧調整用の通気孔を設けた場合には、防水防滴性能を満足させるために、最も容積変化が大きなレンズ鏡筒に対応する必要があり、かなり大きな防水通気孔をカメラ本体に設けなくてはならない。
【0005】
また、レンズ鏡筒に防水通気孔を設ける場合においても、外観を損ねてしまうという問題がある。
【0006】
実際に通気孔の面積が小さく、容積変化の大きいレンズ鏡筒をすばやく操作した際には、シーリング部分から空気が出入りし異音が発生するという問題もある。
【0007】
さらに、防水通気孔が外観に露出した構成であると、使用者が通常の撮影時にカメラやレンズ鏡筒を操作する使用者の指等によって撥水性微多孔部材が押圧されてしまい、はがれたりキズがついたりする等の不具合が生じたり、撮影者の指に付着している油や汚れ等により撥水性微多孔部材の撥水性が損なわれたりするおそれがある。
【0008】
一方、特開平9−197527号および特開平11−190881号公報にて提案されているように、通気孔が1箇所のみであると、その通気孔の殆どを覆う水滴が付着した場合、撥水性微多孔部材を通過する通気量が確保できず、ポンプ作用によって内部に水滴が入り込んでしまう場合がある。そしてこのように撥水性微多孔部材を水滴が一度通過してしまうと、その撥水効果は著しく劣ってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、光軸方向に進退し全長が変化するレンズ鏡筒において、外観を犠牲にすることなく防水防滴性能を確保できるようにしたレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願発明では、外部空間に面し、光軸方向に進退する移動筒を有するレンズ装置において、移動筒の周壁部に、この周壁部を貫通する通気孔を形成し、通気孔を塞ぐように配置された撥水性微多孔部材と、移動筒の周壁部の外周に撥水性微多孔部材を覆うように配置され、かつ通気孔および撥水性微多孔部材を通る空気の通路となる、外部空間に対して光軸方向に向かって開口する隙間を空けて配置された外観部材とを設けている。移動筒は、最も被写体側のレンズを保持する。そして、通気孔は、移動筒の周壁部に形成された、移動筒に対して前記レンズの光軸方向位置を調節するためのカム溝又はレンズを固定するために用いられる孔であることを特徴とする
【0011】
このように、外観部材によって撥水性微多孔部材を覆うことにより外観を損なわず、また使用者が直接、撥水性微多孔部材に触れることも防止でき、防水防滴性能を維持しつつ鏡筒の内部と外部との間の通気を確保することが可能となる。
【0014】
また、本願発明では、通気孔を、移動筒の周壁部に形成された、移動筒に対してレンズの光軸方向位置を調節するためのカム溝又はレンズを固定するために用いられる孔(ビス穴等)と兼用する。これにより、新たな孔形状を移動筒に追加する必要がなく、移動筒の部品としての強度上有利であり、製造コストも削減することが可能である。
【0015】
また、通気孔を、移動筒の周壁部の周方向複数箇所に形成し、これら複数の通気孔を、周方向に延びるよう一体に形成された撥水性微多孔部材で塞ぐようにすることにより、撥水性微多孔部材の一部に付着している水滴が鏡筒内に吸い込まれることを防止することが可能である。
【0016】
また、移動筒が最も被写体側のレンズを保持し、固定部に対して光軸方向に進退可能である場合に、レンズの周囲に形成される、複数の部材間の隙間をシール部材によって封止し、移動筒と固定部との間の隙間を、移動筒に対して摺動可能な摺動部材によって封止することにより、きわめて高い防水防滴性能を確保することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜図11には、本発明の実施形態である一眼レフカメラ用交換ズームレンズ鏡筒(レンズ装置)の構成を示している。このズームレンズ鏡筒は、防水防滴性能を有し、同じく防水防滴性能を有する一眼レフカメラ本体に装着されて防水防滴性能に優れたカメラシステムを構成する。
【0021】
図1は、本実施形態のズームレンズ鏡筒を光軸方向前側(被写体側)から見た図であり、図2〜図4はWIDE端でのズームレンズ鏡筒を示す図、図5〜図7はTELE端でのズームレンズ鏡筒を示す図である。なお、図4および図7は、図1のA−A線における矢印方向に見たときの断面図であり、それぞれ断面のみを示している。また、図8および図9は、本実施形態のズームレンズ鏡筒の主要部分を分解して示している。さらに、図10は、図1におけるD−D線での矢印方向に見たときの断面図であり、図11は図3におけるE−E線での矢印方向に見たときの断面図である。
【0022】
まず、図2〜図7を用いて本ズームレンズ鏡筒の構成について説明する。このズームレンズ鏡筒はその焦点距離範囲が24mm〜70mmのものであり、ズーム操作環16を回転させることでカム環31を回転させ、焦点距離を変化させることができるように構成されている。
【0023】
L1〜L6は第1〜第6レンズ群を表し、各レンズ群は、それぞれを保持するレンズ保持枠6,33,34,37,39,40に固定されている。
【0024】
第1レンズ群L1は1群保持枠6に固定され、1群保持枠6は移動筒9とビス10で一体化されている。移動筒9は、案内筒30に形成された光軸方向に延びる直進溝と、光軸回りで回転するカム環31に形成されたカム溝部31aとに、移動筒9に固定された直進カムフォロワー41が入り込むことで、光軸方向前後に進退駆動され、WIDEからTELEに焦点距離が変化する際には光軸方向後方に移動する。なお、1群保持枠6は、移動筒9に対してビス10で固定される前に、位置調整ができる構成となっているが、詳しくは後述する。
【0025】
第2レンズ群L2および第4レンズ群L4はそれぞれ、2群保持枠33および4群保持枠37に固定されている。2群保持枠33および4群保持枠37は共に直進筒32に不図示のコロ、ビス等により固定されており、WIDEからTELEに焦点距離が変化する際には光軸方向前方に一体的に移動する。
【0026】
第3レンズ群L3は3群保持枠34に固定されており、カム環31の回転に伴って2群、4群間を光軸方向に進退する。また、3群保持枠34には、絞りユニット36と、焦点距離に応じて開口径が変化する副絞りユニット35とが固定されている。
【0027】
第5レンズ群L5はフォーカス群であり、5群保持枠39に固定されている。5群保持枠39は、振動型モータユニット28と不図示の連結部材を介して連結されており、オートフォーカシング時には振動型モータユニット28の駆動力によって光軸回りで回転しながら不図示のカムの作用によって光軸方向に移動する。
【0028】
また、本実施形態のズームレンズ鏡筒は、焦点距離に応じてフォーカシングによるフォーカス群の進退量が異なる、所謂インナーフォーカスタイプであるため、焦点距離に応じたカムの使用領域の変更と光軸方向の位置調整とを、焦点距離の変更とともに回転するサブカム環38によって行っている。なお、このサブカム環38はカム環31と一体的に回転する。また、振動型モータユニット28は、公知の構成を有し、その詳細な説明は省略する。
【0029】
振動型モータユニット28の前端部には、フード保持環12が固定されている。このフード保持環12の爪部12aにフード(不図示)がバヨネット結合することでフードを保持することができる。
【0030】
第6レンズ群L6は固定群であり、6群保持枠40に固定されている。6群保持枠40は固定筒15に固定されている。
【0031】
22は一眼レフカメラ本体と結合するためのマウントであり、接点ブロック23においてカメラ本体側と電気的な通信を行えるようになっている。接点ブロック23からの信号は、フレキシブルプリント基板23aを介して接続されたメイン基板29に実装されている制御回路(図示せず)に伝達され、制御回路はズーミングやフォーカシング等の制御を行う。
【0032】
また、本ズームレンズ鏡筒がカメラ本体に結合された際には、シーリングゴム19がカメラ本体に当接し、マウント22付近の防水防滴性能が確保される。
【0033】
なお、振動型モータユニット28、案内筒30、固定筒15およびマウント22をここでは固定部と称し、これらの部材に固定される部材もまた固定部を構成する。
【0034】
13は振動型モータユニット28上に設けられたフォーカスリングであり、これを回転操作することでマニュアルによる焦点調節を行うことができるようになっている。14,17はゴムリングであり、操作部の操作感の向上を図るために設けられている。
【0035】
20は被写体距離を表示する目盛窓、21はA/M切り換えスイッチであり、フォーカスリング13を使用したマニュアルフォーカスと振動型モータによるオートフォーカシング動作とを切り換えるためのスイッチである。
【0036】
また、フォーカスリング13およびA/M切り換えスイッチ21の摺動部には防水防滴のために、シーリングゴムが設けられたり防水防滴油が塗布されたりされている。
【0037】
また、図4と図7との比較から分るように、本ズームレンズ鏡筒は焦点距離の変化に応じて全長が変化する構成であり、この際、特にズームレンズ鏡筒内の空間Cの容積変化が大きい。このため、ズームレンズ鏡筒内に対して、空間Cの容積変化分の空気の出入りが可能な通気孔が必要である。また、この通気孔において、容積変化によるポンプ作用によって外気をズームレンズ鏡筒内に引き込む吸引力が発生してしまうため、より高い防水防滴対策が必要である。
【0038】
そこで、本実施形態では、ズームレンズ鏡筒の先端付近に、空間Cの容積変化分の空気の出入りを行わせる通気孔を設けている。以下、図8および図10を用いて、上記通気孔の周辺の構成について説明する。
【0039】
移動筒9の周壁部9eの前端付近には、カム溝部9bと、このカム溝部9bと同一のリードを持ったビス止め用長孔部9cとが、周方向に略等角度間隔で3箇所ずつ、周壁部9eを貫通するように形成されている。なお、移動筒9の周壁部9eの外周におけるこれらカム溝部9bとビス止め用長孔部9cが形成された帯状部分9dは、他の部分に比べて径が若干小さく形成されている。
【0040】
また、移動筒9の周壁部9eの最前端面には、フィルター枠4を固定するためのビス穴9aが周方向3箇所に形成されている。
【0041】
この移動筒9に、第1レンズ群L1を保持した1群保持枠6を取り付ける際には、まず、1群保持枠6の3箇所に形成されたコロ座6cに、カム溝部9bを通過させたカムフォロワー8を入り込ませ、ビス7を締め付けて1群保持枠6を仮止めする。
【0042】
この状態で、1群保持枠6をカム溝部9bの周方向幅内で回転させると、カムのリードによって1群保持枠6の光軸方向位置が変化し、ズーミングの焦点ずれを補正するための光学調整を行うことができる。なお、カムフォロワー8はカム溝部9bと圧入設定されているため、光学調整が終わった状態でショックを与えない限り1群保持枠6は移動しない。
【0043】
次に、上記光学調整後の状態で1群保持枠6を固定するために、1群保持枠6の3箇所に形成されたビス穴6dに、ビス止め用長孔部9cを通過させたビス10を締め付ける。
【0044】
その後、一段外径が小さい帯状部分9dに、この帯状部分9dとほぼ同じ幅を有する帯状に形成された撥水性微多孔部材11を貼り付ける。これにより、カム溝部9bとビス止め用長孔部9cが撥水性微多孔部材11によって塞がれるかたちとなる。なお、撥水性微多孔部材11は、ゴアテックス(登録商標)やミクロテックス(登録商標)等、空気の通過は許容し、水滴の通過は禁止する素材により形成されている。
【0045】
これにより、図10中に矢印で示すように、カム溝部9bとビス止め用長孔部9cを通じた空間Cと鏡筒の外部空間との間での通気を確保しつつ、これらカム溝部9bとビス止め用長孔部9cを通してレンズ鏡筒内部(空間C)にゴミや水滴が侵入することを防止できる。
【0046】
なお、撥水性微多孔部材11は、帯状部分9d側の面の周縁部が、接着剤又は両面接着テープによって帯状部分9dに貼り付けられる。このため、撥水性微多孔部材11の周縁部と帯状部分9dとの間からの水滴等の侵入を防止できる。また、本実施形態のように、複数のカム溝部9bとビス止め用長孔部9cとを1つ(単一)の撥水性微多孔部材11で覆うようにすることで、カム溝部9bやビス止め用長孔部9cごとに撥水性微多孔部材を貼り付ける場合に比べて、組立作業が容易であり、コスト的にも有利である。
【0047】
その後、内周にフィルター取り付け用のネジ部が加工されているフィルター枠(外観部材)4を、このフィルター枠4に形成された孔4bを透過させた3本のビス5を移動筒9のビス穴9aに締め付けることで、移動筒9に固定する。
【0048】
移動筒9に固定されたフィルター枠4の後側部分4cは、撥水性微多孔部材11に対して光軸直交方向(ラジアル方向)に所定寸法を有する隙間Sを空けて撥水性微多孔部材11の外周を覆う。また、フィルター枠4の後端部4dは、撥水性微多孔部材11の外周に面する部分よりも若干内径が小さく形成されており、この後端部4dと移動筒9の外周との間の隙間が上記隙間Sに連通し、上記隙間Sの開口部Bとなっている。
【0049】
このようにフィルター枠4が撥水性微多孔部材11を覆うように配置されることにより、使用者は撥水性微多孔部材11(特に、カム溝部9bやビス止め用長孔部9cを塞いでいる部分)に触れることはできない。また、開口部Bは光軸方向後方に向かって開いている。これは、開口部が光軸方向前方に向かって開いている場合に比べて、開口部付近へのゴミや水滴の付着の可能性を少なくすることができるからである。また、開口部Bの隙間も被写体側から目立たなくすることができ、外観上も好ましいからである。
【0050】
なお、通気孔であるカム溝部9bおよびビス止め用長孔部9cが複数箇所に形成されていることにより、仮に水滴が開口部Bから隙間S内に侵入し、1つのカム溝部9b又はビス止め用長孔部9cを覆ったとしても、他のカム溝部9b又はビス止め用長孔部9cによって通気が確保されるため、ポンプ作用による水滴のレンズ鏡筒内への吸い込みを防止することができる。
【0051】
また、本ズームレンズ鏡筒の最前部における第1レンズ群L1の周囲に関しても防水防滴性能を確保する必要がある。そこで、本実施形態では、1群保持枠6の前側の段差部6aと、フィルター枠4の内側で1群保持枠6の前側に装着された化粧環1の後方に延びる壁部1aとの間には、Oリング(シール部材)3が挟み込まれている。
【0052】
また、化粧環1とフィルター枠4との間には、発泡シーリング材(シール部材)2が挟み込まれている。発泡シーリング材2は弾性変形しても防水防滴性を維持できる部材である。この発泡シーリング材2を化粧環1の後側に貼り付けた後に、化粧環1に形成された3箇所の爪部1bを1群保持枠6の3箇所に形成された周溝部6bに入り込ませることで、発泡シーリング材2とOリング3を圧縮しながら化粧環1を固定する。
【0053】
これにより、フィルター枠4と化粧環1との間は発泡シーリング材2によって、また化粧環1と1群保持枠6との間はOリング3によって、これら各部材間の防水防滴性能を確保している。なお、フィルター枠4と化粧環1との間に発泡シーリング材2を使用し、Oリングを使用していない理由は、1群保持枠6が前述した光学調整により光軸方向位置がレンズ鏡筒毎に変動するために、ある程度の発泡シーリング材2の潰し量に幅を持たせることができるからである。
【0054】
次に、図9(および図4,図7)を用いて、フード保持環12付近の摺動部の構成について説明する。
【0055】
フード保持環12の内周には、該内周の光軸方向前部よりも内径が大きい段部12dが形成されており、この段部12dの内側には、段部12dの内径よりも所定寸法だけ外径が小さい摺動リング25が配置される。段部12dの内径と摺動リング25の外径との差の分、摺動リング25はフード保持環12の内側で光軸直交方向に移動可能である。
【0056】
摺動リング25の内周前側に形成された段部には、撥水処理されたフェルト部材26が1周以上の長さで貼り付けられている。焦点距離の変化により固定部に対して光軸方向進退する移動筒9の周壁部9eの外周面は、このフェルト部材26と摺動リング25(これらにより摺動部材が構成される)に対して摺動する。なお、鏡筒への組み込み前の状態においては、フェルト部材26の内径は、移動筒9の外周面の径よりも小さい。このため、鏡筒への組み込み後は、フェルト部材26は移動筒9の外周面に対して圧接した状態で移動筒9の摺動を許容する。
【0057】
27は補強リングであり、その外径部がフード保持環12の内周に形成された圧入突起部12cの内径側に圧入されることで、フード保持環12に保持される。この補強リング27は、摺動リング25(つまりはフェルト部材26)の光軸方向移動を阻止する役割も兼ねている。
【0058】
摺動リング25の外周3箇所には凹部25aが形成されており、フード保持環12の内周に形成されている突起12bがこの凹部25aに入り込むことで、摺動リング25の回転が阻止される。なお、摺動リング25の前端面とこの前端面に対向する、フード保持環12の内周に形成された端面12eとの間、摺動リング25の後端面と補強リング27の前端面との間にはそれぞれ防水防滴油が塗布されている。
【0059】
以上の構成により、TELE側へのズーミングによって移動筒9が前方に伸長し、移動筒9および第1レンズ群L1等を含む移動部の自重や外力によって移動筒9が固定部の1つであるフード保持環12に対して光軸直交方向に移動(傾いた)した場合でも、摺動リング25は移動筒9とともにフード保持環12に対して光軸垂直方向にシフトする。このため、移動筒9と摺動リング25(フェルト部材26)との間に隙間が発生することはなく、ここからの水滴の侵入を防ぐことができる。
【0060】
また、前述したように、摺動リング25の前端面とフード保持環12の端面12eとの間および摺動リング25の後端面と補強リング27の前端面との間に防水防滴油が塗布されているため、これらの間の隙間から水滴が侵入することも防ぐことができる。
【0061】
なお、摺動リング25はその回転が阻止されているため、摺動リング25が回転することによる油切れの発生も防止できる。また、前述したフェルト部材26と移動筒9の外周面との寸法関係により、フェルト部材26は若干つぶれた状態にあり、移動筒9の外周面との間の隙間量の変化に応じてつぶれ量が変化するため、移動筒9の外周面とフェルト部材26との間に隙間が発生することもなく、防水防滴性能を維持できる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、移動筒9の光軸方向への進退によるズームレンズ鏡筒の内部容積の変化が大きくても、その容積変化に対応した空気の流通を防水防滴性能を維持したまま確保することができる。このため、ズームレンズ鏡筒の内圧を外圧と実質的に同一にでき、ズーミング時の移動筒9の移動がスムーズに行われる。
【0063】
なお、本実施形態においては、通気孔として光学調整用のカム溝部9bやレンズ固定ビス用の長孔部9cを兼用した場合について説明したが、専用の通気孔を設けた場合でも本発明を適用することができる。また、摺動リング25とフード保持環12の間に防水防滴油に代えて弾性接着剤を充填しても同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、上記実施形態のレンズ鏡筒の構成は例に過ぎず、本発明が適用されるレンズ装置の構成は上記実施形態のものに限られない。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、外観部材によって撥水性微多孔部材を覆うことにより外観を損なわず、また使用者が直接、撥水性微多孔部材に触れることも防止でき、防水防滴性能を維持しつつ鏡筒の内部と外部との間の通気を確保することができる。したがって、移動筒の移動をスムーズに行わせることができる。しかも、移動筒は、最も被写体側のレンズを保持し、通気孔は、移動筒の周壁部に形成された、移動筒に対して該レンズの光軸方向位置を調節するためのカム溝又はレンズを固定するために用いられる孔である。これにより、新たな孔形状を移動筒に追加する必要がなく、移動筒の部品としての強度上有利であり、製造コストも削減することが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるレンズ鏡筒を光軸方向前側から見た図である。
【図2】上記レンズ鏡筒のWIDE端での斜視図である。
【図3】上記レンズ鏡筒のWIDE端での正面図である。
【図4】図1のA−A線における上記レンズ鏡筒のWIDE端での断面図である。
【図5】上記レンズ鏡筒のTELE端での斜視図である。
【図6】上記レンズ鏡筒のTELE端での正面図である。
【図7】図1のA−A線における上記レンズ鏡筒のTELE端での断面図である。
【図8】本上記レンズ鏡筒の前側部分の分解斜視図である。
【図9】上記レンズ鏡筒のフード保持環付近の分解斜視図である。
【図10】図1のD−D線での上記レンズ鏡筒の断面図である。
【図11】図3のE−E線での上記レンズ鏡筒の断面図である。
【符号の説明】
L1〜L6 レンズ群
1 化粧環
2 発泡シーリング材
3 Oリング
4 フィルター枠(外観部材)
6 1群保持枠
9 移動筒
11 撥水性微多孔部材
12 フード保持環(固定部)
25 摺動リング(摺動部材)

Claims (3)

  1. 外部空間に面し、光軸方向に進退する移動筒を有するレンズ装置であって、
    前記移動筒の周壁部に、この周壁部を貫通する通気孔が形成されており、
    前記通気孔を塞ぐように配置された撥水性微多孔部材と、
    前記移動筒の周壁部の外周に前記撥水性微多孔部材を覆うように配置され、かつ前記通気孔および前記撥水性微多孔部材を通る空気の通路となる、外部空間に対して光軸方向に向かって開口する隙間を空けて配置された外観部材とを有し、
    前記移動筒は、最も被写体側のレンズを保持し、
    前記通気孔は、前記移動筒の周壁部に形成された、前記移動筒に対して前記レンズの光軸方向位置を調節するためのカム溝部又は前記レンズを固定するために用いられる孔部であることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記通気孔が前記移動筒の周壁部の周方向複数箇所に形成されており、これら複数の通気孔、周方向に延びるよう一体に形成された前記撥水性微多孔部材で塞がれていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記移動筒が該レンズ装置の固定部に対して光軸方向に進退可能であり、
    前記レンズの周囲に形成される、複数の部材間の隙間シール部材によって封止され
    かつ前記移動筒と前記固定部との間の隙間、前記移動筒に対して摺動可能な摺動部材によって封止されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ装置。
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