JP4035336B2 - Absアロイ樹脂の製造方法 - Google Patents

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ABSアロイ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護意識の高まりと共に、従来よりリサイクルされている金属材料の他に、石油化学製品のリサイクル、再生利用等の動きが強まってきている。日本国内だけを考慮しても、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号:通称、「廃棄物処理法」)、「再生資源の利用の促進に関する法律」(平成3年法律第48号:通称、「リサイクル法」)、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(平成7年法律第112号:通称、「容器包装リサイクル法」)、「特定家庭用機器再商品化法」(平成10年法律第97号:通称、「家電リサイクル法」)等が施行されており、これら法規制の整備に伴って、大型家電製品、自動車等の一部の製品群の中では、熱可塑性プラスチックのリサイクルが加速されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのリサイクルの多くは、熱源を用いるサーマルリサイクルや、再生した熱可塑性プラスチックの物性低下をさほど気にしなくてもよいカスケード利用のためのリサイクルが主体であった。このため、電気電子機器の分野においては、例えば、部品の製造に用いられる熱可塑性プラスチックの分別には、さほどの注意が払われていない場合がある等、部品化された熱可塑性プラスチックの再生方法は、十分には確立していない様に見受けられる。
【0004】
特に、電気電子機器の分野においては、リサイクル品の信頼性が低い等の理由から、リサイクルされた熱可塑性プラスチックを用いて部品を製造することは殆ど行われず、リサイクル品は使用されたとしても、包装容器および梱包材料等に限られている様に見受けられる。
【0005】
即ち、熱可塑性プラスチックの再生方法については多数の検討が報告されているものの、電気電子機器の部品に使用される熱可塑性プラスチックに要求される特性は梱包材料等と比較して特に厳しいため、ヴァージン材を射出成形して製造された部品を再生し、ヴァージン材と同等に使用するためには、再生方法を更に改良する必要があるのが現状である。
【0008】
本発明は、高品位なABSアロイ樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明において利用される再生ABS樹脂の原料としては、ヴァージン材を射出成形することにより部品化され、主に電気電子機器に使用されたABS樹脂を再生して得られる再生ABS樹脂がある
【0010】
また、得られた再生ABS樹脂と、PC、PVC及びPBTからなる群より選ばれる1種以上の樹脂とを含んでなる再生ABSアロイ樹脂が提供される。
【0012】
本発明によれば、ABSアロイ樹脂の製造方法であって、
(i)再生ABS樹脂と、PC、PVC及びPBTからなる群より選ばれる1種以上の樹脂とを混合する工程と、
(ii)該工程(i)で得られた混合物を溶融混練する工程と、
(iii)該工程(ii)で得られた溶融混練体をペレット化する工程とを有し、
前記工程(i)の再生ABS樹脂は、下記の工程(1)〜(3)を含む方法を経て得られることを特徴とするABSアロイ樹脂の製造方法が提供される:
(1)ABS樹脂成型品を粉砕し、4mm以上10mm以下のメッシュスクリーンを用いて篩い分けし、粉砕品を得る工程と、
(2)該工程(1)で得られた粉砕品を、粉砕品1質量部に対し10質量部以上の水で洗浄する工程と、
(3)該工程(2)で得られた水洗粉砕品を含水分率0.3質量%以下に乾燥する工程。
【0013】
ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene Resin)は、PS樹脂(Polystyrene Resin)の特性である電気絶縁性、溶融時の熱安定性、流動性を失うことなく、更に耐薬品性、耐熱性を向上させるためにアクリルニトリルを加え、耐衝撃性を向上させるためにブタジエンを加えたものであり、電気電子機器のカバーやハウジング等の射出成形により製造される部品で好適に使用される。そこで、本発明においては、射出成形可能なABS樹脂のリサイクルを主眼とした。
【0014】
本発明に用いる再生ABS樹脂の製造においては、ヴァージン材を射出成形して製造され、ABS樹脂より主になる部品を再生する際に、ABS樹脂の特性を考慮し再生の各工程の条件を適化して、特殊な工程を経ることなく操作性良好に再生を行う。得られた再生ABS樹脂は、ヴァージン材と同等に射出成形でき、電気電子機器の部品を良好に製造することができる。
【0015】
更に、本発明において用いられる再生ABS樹脂は、PC樹脂(PolycarbonateResin)、PVC樹脂(Polyvinyl Chloride Resin)、PBT樹脂(Polybutylene Terephthalate Resin)等の樹脂と混合して、再生ABSアロイ樹脂とすることができる。
【0016】
得られる再生ABSアロイ樹脂は、アロイ前のPC樹脂、PVC樹脂、PBT樹脂の持つ衝撃強さや引張り強さなどの機械的特性や透明性、電気的特性、寸法安定性や良成形性などの加工特性などの良特性はそのままで、低熱可塑性、耐衝撃性、加水分解性などの欠点を改良することができ、再生ABS樹脂の用途分野を更に展開できるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】
ヴァージン材として使用されるABS樹脂の製造方法は特に制限されないが、乳化状態のゴムに乳化状態のスチレン、アクリルニトリルの単量体を混ぜて重合させる乳化重合法;ゴムをスチレン、アクリルニトリルの単量体に溶解させて塊状重合させ、重合の途中でこの重合液を水中に懸濁させて懸濁重合条件下に重合を継続する塊状懸濁重合法等により製造することができる。なお、PC樹脂、PVC樹脂、PBT樹脂等をアロイ化する際には、使用されるABS樹脂の特性に応じた重合方法が選択されるが、一般には、乳化重合法および塊状懸濁重合法のいずれの重合方法において製造されたABS樹脂でも、アロイ化は可能である。
【0019】
本発明においては、再生ABS樹脂のアイゾット衝撃強さ(アイゾット衝撃値とも記述する)は、ヴァージン材のアイゾット衝撃強さの0.8倍以上であることが好ましい。なお、アイゾット衝撃強さは、JIS K 7110、ASTM D 256及びISO 180等に準拠して測定される。
【0020】
また、再生ABS樹脂のメルトフローレート(MFRとも記述する)は、ヴァージン材のメルトフローレートの1.2倍以下であることが好ましい。
【0021】
熱可塑性樹脂の物性値のうち、アイゾット衝撃値はその材料の衝撃強度を示す値であり、耐衝撃性、脆さ、粘り強さなどの特性を評価するものである。アイゾット衝撃値は材料の劣化の指標であり、材料が劣化して脆化を起こすと、アイゾット衝撃値は小さくなる。よって、再生ABS樹脂のアイゾット衝撃値がヴァージン材のアイゾット衝撃値と同程度であれば、再生の際の樹脂の劣化が抑制されていると考えることができる。
【0022】
MFRは熱可塑性プラスチックの溶融時における流動性を表す尺度であり、数値が大きいほど流動性は良好であり、樹脂の分子量は小さくなる傾向にある。材料が劣化すると分子量は低下する傾向にあるため、MFRは大きくなる。よって、再生ABS樹脂のMFRがヴァージン材のMFRと同程度であれば、再生の際の樹脂の劣化が抑制されていると考えることができる。
【0023】
アイゾット衝撃値およびMFRはヴァージン材においてもバラツキを持っており、共に±30%程度と言われる。しかしながら、このバラツキは、ある材料の一つのグレードに関するものであり、一つのグレードには複数の色がある。着色に用いる着色剤は顔料、染料、分散剤、安定剤などで構成されており、これらの配合比は一つのグレード内においても色毎で異なる。従って、一つのグレードで、ある色相の色に限ればアイゾット衝撃値およびMFRのバラツキは小さくなり、±25%程度と考えてよい。
【0024】
一方、再生プラスチック材料は、原料となる回収製品の状態によりロット毎の物性値にばらつきが生じる可能性が高い。一つのロットで考えると、ヴァージン材に比べ、ロット内のばらつきは若干大きいと予想される。
【0025】
従って、再生プラスチック材にヴァージン材と同等の性能を期待するためには、物性値を更に厳しく管理する必要があり、アイゾット衝撃値およびMFRを共に±20%以内のバラツキに抑えることが好ましい。
【0026】
よって、既に述べた通り、材料が劣化するとアイゾット衝撃値は小さくなり、MFRは大きくなるため、再生ABS樹脂の物性値は、ヴァージン材と比較して、アイゾット衝撃値で−20%、MFRで+20%以内に抑えることが望ましい。
【0027】
樹脂の劣化は、特にアイゾット衝撃値およびMFRに反映する。よって、アイゾット衝撃値およびMFRの変化を上記の範囲内に抑えることにより、再生ABS樹脂の品質を、ヴァージン材とほぼ同等に保つことができる。
【0028】
本発明においては、再生ABS樹脂のヴァージン材に対する色差(ΔEab*とも記述する)は、1.0未満であることが好ましい。
【0029】
ΔEab*は、JIS K 7105において以下のように規定されている;
ΔEab*=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
なお、ΔEab*はCIE(International Commission on Illumination:国際照明委員会)が1976年に定めたL***表色系における座標L*、a*、b*の差ΔL*、Δa*、Δb*によって定義される、二つの色刺激値の間の色差を表している。
【0030】
また、ABS樹脂の場合、特にΔb*に影響する色味のばらつきが大きいので、Δb*が1.0未満であることが好ましい。
【0031】
総じて、ABS樹脂の場合、ΔEab*又はΔb*を制御すれば、ヴァージン材と同じ工程で補色が可能であり、ヴァージン材よりなる部品と同様の色調の部品を、再生ABS樹脂により製造することができる。
【0032】
本発明においては、再生ABS樹脂の原料となる部品には、難燃剤および強化材の何れも充填されていないことが好ましい。
【0033】
難燃剤の種類と添加量は、要求される難燃レベルと使用する樹脂主材とに応じて決定され、難燃性の規格としてはUL94(Underwriter Laboratory)が一般的に知られている。
【0034】
ここで、所望の難燃剤を添加すべき樹脂が難燃剤を既に含有している場合、添加すべき難燃剤の種類および添加量を製造の都度処方する必要があり、生産性が低下する場合がある。また、添加すべき難燃剤の種類と再生ABS樹脂が含有している難燃剤の種類とが異なる場合には、難燃剤の種類によっては、所望の難燃剤を添加できない場合もある。
【0035】
同様の理由から、ガラス及びカーボン等のフィラー;タルク等の強化材も、再生ABS樹脂の原料となる部品には充填されていないことが望ましい。また、強化材は、再生時の粉砕工程において形状を破壊または切断されてしまい、粉砕後の強化材の大きさ及び形状は一定とは限らず、再生材の時点でヴァージン材の仕様を満足できない場合もある。
【0036】
更に、難燃剤および強化材以外の充填材、例えば、摺動剤および帯電防止剤などの機能添加剤なども再生ABS樹脂の原料となる部品には充填されていないことが望ましい。なぜなら、再生ABS樹脂に不必要な充填材が原料となる部品に充填されている場合、これを除去することは困難であり、充填材の種類によっては、再生ABS樹脂の用途が限られる場合があるからである。
【0037】
特に、再生ABSアロイ樹脂を製造する場合、再生ABS樹脂の原料となる部品は充填材を含有していないことが好ましい。アロイ化は、少なくとも2つの樹脂を混合し、混合される樹脂のそれぞれの欠点を補い、利点を効果的に作用させる処方の一つであり、最終的に混合された形態で求められる材料機能に支障を及ぼさないように、樹脂を配合する必要がある。しかしながら、混合される以前の樹脂において添加剤が付与されている場合、特に再生材を原料とする場合には、単一樹脂の時点においてロット毎に充填材の充填比率が変動する可能性が高く、アロイ化において、均一性の保持、機能の維持等、求める機能に対する材料管理が複雑となる場合がある。
【0038】
以上の様な観点から、再生ABS樹脂の原料となる部品は、着色剤などの必要最小限度の添加剤以外は非充填であることが望ましく、この場合、ヴァージン材も必要最小限度以外は非充填である。
【0039】
再生ABS樹脂を部品から再生する方法は、粉砕、洗浄、乾燥、異物除去等の従来から利用されている工程の組合わせであるが、各工程の条件は、所望の特性を有する再生ABS樹脂を生産性よく製造するために、注意深く至適化される。
【0040】
粉砕工程は、4mm以上10mm以下のメッシュスクリーンを用いて篩い分けを行いながら行われることが好ましい。より詳細には、ABS樹脂より主になる部品を粉砕する場合、高速回転式の粉砕機にて4mm以上10mm以下の範囲にあるメッシュスクリーンを用いて粉砕し、かつ振動篩を用いて2mm以下のプラスチック微粉や金属粉、ゴミなどを除去することが好ましい。
【0041】
粉砕時のメッシュスクリーンが4mm以上であれば微粉末量を低減できるため、洗浄および乾燥工程中での損失を抑制でき、再生効率を向上できる。また、10mm以下であれば、粉砕物が大きくなり過ぎることが抑制でき、後に続く処理における目詰まりなどの発生を抑制でき、作業性を向上できる。
【0042】
粉砕品は必要に応じて洗浄される。洗浄工程においては、粉砕品1質量部を、10質量部以上の水を用いて洗浄することが好ましい。粉砕品に対する洗浄液の割合が10質量倍以上であれば、洗浄すべき粉砕品が相互に重なり合う確率が低下し、洗浄効率を向上することができる。また、洗浄液としては、水が安価であるので好ましい。
【0043】
洗浄後の粉砕品は、遠心脱水方式により、含水分率が0.3質量%以下となるまで乾燥されることが好ましい。含水分率が0.3質量%以下の場合、フレーク状となった粉砕品が相互に貼り付いてしまう可能性が低くなり、作業性を向上できる。また、ABS樹脂の加水分解による劣化も抑制できる。更に、フィルタなどを用いた濾過方法と比較して洗浄時間が短縮され、最終的に得られる再生ABS樹脂の色調の劣化などを抑制することもできる。
【0044】
なお、異物を除去するため、風力分級により、再生ABS樹脂の嵩密度より嵩密度が0.5以上低い低密体を除去する場合もある。
【0045】
また、比重分離により、再生ABS樹脂の真密度より真密度が0.5以上高い高密体を除去する場合もある。
【0046】
嵩密度とは、多結晶体、粉体層、成形体で、外気と通じた空孔と内部に閉じ込められた空孔を含めた密度であり、真密度とは空孔を含まない固体そのものの密度である。
【0047】
対象となるABS樹脂製の部品として、例えばインクジェットプリンタの部品を例に挙げて説明する。風力分級を洗浄工程前に行うと、付着したインクの影響で嵩密度差が生じ難い場合があり、また、乾燥工程の前でも嵩密度が生じ難い場合がある。嵩密度差を生じ易くし除去効率を向上するため、風力分級は粉砕、洗浄および乾燥工程の後に行うのが好ましい。洗浄工程で落としきれなかった紙粉などが、この風力分級で分離され、取り除かれる。なお、嵩密度差が0.5以上であれば、精密分離を実現でき、十分な再生効率を確保できる。
【0048】
再生ABS樹脂に対して真密度差の大きなセラミックス、金属酸化物などは、水などの洗浄液中で沈降により比重分離する。真密度差が0.5以上であれば、分離効率が向上し、十分な再生効率を確保できる。
【0049】
更に、異物を除去するため、残留磁束密度1テスラ以上の磁石を用いて、金属を除去する場合がある。磁気分離は、強磁性の金属に対して好適であり、残留磁束密度が1テスラ以上の磁石を用いれば、強磁性体の十分な捕獲率を確保できる。
【0050】
また、金属検知除去装置を用いて、金属を除去する場合もある。磁力によっての分離ができない強磁性体以外の金属に対しては、渦電流を利用した金属分離が好ましく用いられる。
【0051】
以下、電気電子機器としてインクジェットプリンタを例に取り、図面を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の説明に限られるものではなく、他の技術にも応用することができる。
【0052】
図1は、インクジェットプリンタの外観図を示す。本例におけるインクジェットプリンタ11は、上ケース12と下ケース13との間に開閉可能な操作カバー14を具えており、図2に示すように、操作カバー14を開けた状態に保持することができるようになっている。また、上ケース12には、このインクジェットプリンタ11に装填し使用されるインクジェット記録ヘッドの、インクタンクの並び順を示すラベル15が貼り付けられており、このインクジェット記録ヘッドにより印刷された用紙はトレイ21上に排紙される。本例においては、インクジェットプリンタ11の上ケース12を、再生ABS樹脂の原料である部品として使用する。
【0053】
本例における再生システムの概略構成を図4に示す。すなわち、再生ABS樹脂の原料である部品は、粉砕機101により所定の大きさに粉砕され、粉砕品は搬送装置102によって所定量ずつ振動篩103に送られ、後の作業で目詰まりなどの支障をきたす微粉末を廃棄タンク104に排出すると共に、充分に粉砕されていない原料を回収タンク105に回収し、これを再度粉砕機101に戻す。
【0054】
また、所定の大きさに粉砕された原料は、磁気選別機106に通され、粉砕品中に含まれる強磁性の金属が捕捉されたのち、スクリューフィーダ107のホッパ108に供給される。スクリューフィーダ107は、モータ109により駆動されて洗浄液タンク110内に粉砕品を所定量ずつ供給する。
【0055】
本例における洗浄液タンク110の概略構造を図5に示す。すなわち、本例における洗浄液タンク110は複数に仕切られ、金属やその他の異物との比重差を利用してABS樹脂を分離する。最終槽111内に流れ込んだ粉砕品は、モータ112によって駆動される洗浄脱水装置113で乾燥され、空送ブロワ114によりサイクロン115に供給される。
【0056】
洗浄液端タンク110の溢流堰116から溢流する洗浄液Wは、バッファタンク117から蒸留濃縮装置118に送られる。洗浄液は蒸留濃縮装置118によって清浄化され、凝縮液タンク119に供給され、再び洗浄液タンク110に戻される。また、蒸留濃縮装置118によって濃縮されたインクなどで着色状態の残液は、濃縮液タンク120に排出される。
【0057】
なお、溢流堰116から溢流した洗浄液Wの一部は、フィルタ121を介してスクリューフィーダ107内で粉砕品を移動させる際の潤滑剤として利用される。
【0058】
サイクロン115に供給された粉砕品は、ここで風力分級され、ロータリ弁122により所定量ずつアスピレータ123側に投下され、粉砕品に対して嵩比重の小さな紙および発泡ポリウレタン樹脂などが、ブロワ124により回収タンク125に排出される。
【0059】
アスピレータ123から流下する金属粉などの付着した粉砕品は、再度磁気選別機126に通され、表面に付着している強磁性の金属粉が捕捉分離され、空送ブロワ127によりスクリューフィーダ128のストックタンク129に供給され、モータ130により駆動されるスクリューフィーダ128によって所定量ずつ渦電流などを利用して粉砕品から金属を分離するための金属分離装置131に送られ、この金属分離装置131によって粉砕品中に含まれる金属粉などが分離され、金属粉は回収タンク132に排出される。
【0060】
金属分離装置131により分離された粉砕品は、ブロワ133によってホッパ134に投下され、最終的な再生ABS樹脂として回収容器135に回収される。
【0061】
以上の様にして得られた再生ABS樹脂は、極めて高品位で、ヴァージン材と遜色のない、或いは殆ど遜色のないものであり、このような再生ABS樹脂をPC樹脂、PVC樹脂、PBT樹脂等の熱可塑性樹脂と混合し、溶融混練し、更にはペレット化することで、高品位な再生ABSアロイ樹脂のペレットを得ることができる。
【0062】
アロイ樹脂の製造は、通常2種もしくはそれ以上の樹脂の混合、及び溶融混練することにより行われる。そして、アロイ樹脂の品質を維持し、もしくは向上のために、アロイを構成する樹脂の品位には、アロイの製造に用いる各々の樹脂の品位が重要であり、その為に各々の樹脂の品質には通常何らかの基準が設けられている。ここで、アロイ樹脂の原料として再生樹脂を用いる場合、その再生樹脂の品位が悪ければ、得られるアロイ樹脂の高品位化を図ることは困難である。従って、如何に再生樹脂の品位を、ヴァージン材と同程度、もしくは同程度にまで近づけるかが重要であるが、上記した再生ABS樹脂の製造方法によれば、アロイ樹脂の製造に十分な品質の再生ABS樹脂を得られるものである。
【0063】
ここで、例えば、再生ABSアロイ樹脂は、少なくとも、再生ABS樹脂と、PC、PVC及びPBTからなる群より選ばれる1種以上の樹脂とを充分に混合する工程と、混合物を溶融混練する工程と、溶融混練体をペレット化する工程とを含む方法により製造することができるが、各工程で使用される装置および工程の条件は、所望の特性を有する再生ABSアロイ樹脂を得るために、注意深く至適化される。
【0064】
例えば、溶融混練工程はバンバリーミキサー又は押出機等により行われ、例えば220〜250℃の温度で90秒以上行う。
【0065】
PCを含有する再生ABSアロイ樹脂の場合を例とすると、10〜70質量部の再生ABS樹脂と90〜30質量部のPC樹脂とを混合することにより、熱可塑性に優れたアロイ樹脂を得ることができる。
【0066】
既に述べた通り、ABS樹脂の製造方法としては主に乳化重合法および塊状懸濁重合法がある。PC樹脂とのアロイに関しては、一般に、乳化重合法により製造されたABS樹脂を使用した方が、流動性に優れるABSアロイ樹脂を得られる傾向にある。一方、塊状懸濁重合法により製造されたABS樹脂を使用した場合、耐衝撃性に優れるABSアロイ樹脂を得られる傾向にある。しかしながら、再生ABS樹脂を50〜70質量部、及びPC樹脂を50〜30質量部の範囲で混合しアロイとした場合、ABS樹脂の製造法に依らず、十分な流動性および耐衝撃性を有する再生ABSアロイ樹脂を得ることができる。
【0067】
また、流動性および耐衝撃性のバランスの関係から、例えば平均分子量が20,000以上40,000以下のPC樹脂を使用する。
【0068】
なお、PC樹脂以外の樹脂と再生ABS樹脂とから再生ABSアロイ樹脂を製造する場合も、PC樹脂の場合と同様に、混合質量比および平均分子量に至適な範囲がある。
【0069】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0070】
ヴァージンABS樹脂の射出成型品である、図1に示すようなインクジェットプリンタ(キヤノン(株)製:BJ F600)の上ケース12(材質:ABS樹脂、平均肉厚:2.0mm、真比重:1.05)7.8kgを、再生ABS樹脂の原料とした。上ケース12には、図3に示すような、このインクジェットプリンタに装填し使用されるインクジェット記録ヘッドの、インクタンクの並び順を示すラベルを貼り付けられており、強度、摺動性、難燃性などの特性を付与する充填剤や強化材は含まれておらず、射出成形により製造される。
【0071】
なお、上記のラベルはABS樹脂に対して相溶性のあるものであり、基材はセブンタック#5990((株)倉本産業製:材質ABSフィルム、厚さ145μm)、コート材はセブンタック#5993((株)倉本産業製:材質ABSラミネート、厚さ55μm)であり、特開平8−67857号公報に記載されるものである。
【0072】
また、ラベルの印刷に使用されたインクは、ABS樹脂へのダメージを考慮し、ラベルメーカ指定の樹脂アタックの弱いものである。印刷はオフセット印刷による9色刷り(グレー系4色、Yellow系1色、Cyan系2色、Magenta系2色)で、ベース地色の印刷を含めるとインクはラベル表面積の全面に印刷されている。上ケース12の1個の質量は389gであり、貼り付けたラベルの質量は2gであるから、ラベルの混入率は0.51質量%である。
【0073】
(ABS樹脂の再生)
上記の上ケース12を、図4に示す粉砕機101(森田精機(株)製:JC−10)に6mmメッシュスクリーンを取り付けて粉砕した。
【0074】
得られた粉砕品を、洗浄・洗浄液除去装置((株)東洋整機製:ハイチップクリーナーCFP−500、図4の110、113に相当する)を用いて洗浄および洗浄液除去を行なった。
【0075】
同時に真密度差が0.5以上の重嵩比重の異物とその他の粉砕品とに分別した。
【0076】
この時の粉砕品の投入速度は、毎分2.5kg、洗浄液W(水道水を使用)の流量は毎分80リットルであった。洗浄液Wは、図5に示すような2000リットルの容量を持つ洗浄液タンク110で受け、図示しないポンプにて循環再使用するために、ナイロンモノフィラメント((株)ロフラー製:バッグフィルターR100NMO12M、濾過精度100μm)をフィルターハウジング(同社製:EBF112S6M)に収容して濾過した。
【0077】
洗浄および洗浄液除去された粉砕品の含水分率は、0.11質量%であった。
【0078】
その後、粉砕品は空送ブロワ114((株)ホーライ製:DF−5)にて、風力分別アスピレーターシステム((株)ホーライ製:KF−12、図4中の123に相当する)に搬送され、嵩密度差が0.5以下の軽嵩比重の異物とその他の粉砕品とに分別した。
【0079】
風力分別アスピレーターシステムを通過した粉砕品は、磁気選別機126((株)JMI製:マジックキャッチ、残留磁束密度1.3テスラ)上に投下され、粉砕品に含まれる強磁性体成分を除去した。
【0080】
続いて空送ブロワ127((株)ホーライ製:DF−1)にてストックタンク129に粉砕品を搬送した。このストックタンク129から毎分約3kgの割合で粉砕品を渦電流式金属検知除去装置(センサーテクノロジー(株)製:MDS−30A、図4中の131に相当する)へ定量搬送し、金属分を除去分別した。
【0081】
(特性の評価)
以上により得られた再生ABS樹脂と、上ケース12の製造に使用されるヴァージン材とをペレット化し、これを用いてアイゾット衝撃試験用サンプル片(ASTM−D256準拠:1/4インチノッチ付き)を5本作製し、アイゾット衝撃強度を測定した。
【0082】
ペレット化工程は、押出機(日本プラコン社製:DMG40)に60メッシュのフィルタを取り付け、シリンダ温度210℃で溶解、混練、押し出しを行った。アイゾット衝撃試験用サンプル片は、射出成形機(東芝機械製:IS−80G)にASTM試験片用ファミリー金型をセットし、シリンダ温度200℃で射出成形して作製した。
【0083】
また、アイゾット衝撃試験用サンプル片を用い、ヴァージン材を基準として再生ABS樹脂の色差測定(JIS Z 8722条件D準拠)を行った。
【0084】
更に、JIS K 7210のB法に準拠して、220℃、荷重98.07NによりMFRを5回測定し、平均した。この方法は、所定の温度および圧力条件の下で、溶融した熱可塑性プラスチックを所定の長さと直径のダイ(賦形用口金を伴う金属ブロック)を通して押し出したときの押出速度を測定するものであり、B法は、MFRが10分間あたり、0.50〜300gの材料に適用される自動時間測定方法である。
【0085】
試験装置は、テクノセブン製全自動メルトインデクサー(270型)を使用し、ダイ(樹脂押出し部)は長さ8.0137±0.025mm、内径はφ2.092±0.002mmであった。
【0086】
この試験装置に、80℃×2時間の条件で乾燥した再生ABS樹脂またはヴァージン材を1回あたり7g充填した。そして、220℃で6分間余熱した後、試験温度220℃、試験荷重98.07N(10kgf)で試料を押し出した。このときのピストンが25.0mm(Lとする)移動する間の時間t秒を計測し、以下によりMFRを算出した;
MFR=42.6×L×ρ/t。
【0087】
なお、試験温度における樹脂の溶融密度ρは0.953g/cm3であったので;
MFR=42.6×25.0×0.953/t。
【0088】
また、耐擦傷性の指標として、ロックウェル硬さもASTM−D785に準拠して測定した。
【0089】
以上で得られた測定結果を表1に示した。表1から明らかなように、アイゾット衝撃値は変化なく、MFRは2.1%減少しているのみである。再生プラスチック材料にヴァージン材と同等の性能を持たせるためには、アイゾット衝撃値の変化が0.8倍以内、MFRの変化が1.2倍以内である必要があるが、表1における物性値の変化率は、この基準を満足しており、再生ABS樹脂のプラスチック材料としての特性は充分であることが分かった。
【0090】
また、ロックウェル硬さも、ほぼ同等であり、再生ABS樹脂の耐擦傷性は十分であり、電気電子機器の部品の製造に好適なことが分かった。
【0091】
更に、ΔEab*は0.20であり、またΔb*は0.01であり、何れも1.0より十分小さく、ヴァージン材に対して色相の変化が殆ど無いことが分かった。
【0092】
【表1】
Figure 0004035336
(再生ABS樹脂を用いた部品の製造)
図1及び2に示すインクジェットプリンタ11(キヤノン(株)製:BJ F600)は、現在、すべてのプラスチック部品がヴァージン材で製造され、生産および販売されている。
【0093】
ここでは、上記で得られた再生ABS樹脂を用いて、インクジェットプリンタ11の上ケース12(平均肉厚:2mm、重量:389g)、下ケース13(平均肉厚:2mm、重量:545g)、操作カバー14(平均肉厚:2.3mm、重量:159g)を、ヴァージン材の場合と同様の条件で射出成形により製造した。
【0094】
得られた3つの部品は、ヴァージン材を用いて製造された部品と同等の特性、外観および色彩(色相、彩度、明度)を有しており、目視では差が認められなかった。
【0095】
以上では、ABS樹脂より主になる2gのラベルが貼り付けられた389gの上ケース12を原料としてABS樹脂を再生したので、既に述べた通り、得られる再生ABS樹脂のラベル混入率は0.51質量%であった。しかしながら、一般にABS樹脂を再生する場合には、ラベルが貼り付けられていない部品も原料とされるため、ラベルの混入率は低下する。例えば、上ケース12のみを別工程で再生する場合と比較して、インクジェットプリンタ11の上ケース12を含む外装部品を全て再生した方が、工数が少なく生産性に優れるため、一般には、外装部品は全て原料とされる。この時、外装部品の総質量は1093gであり、2gのラベルは上ケース12のみに貼り付けられているので、得られる再生ABS樹脂のラベル混入率は0.183質量%と、0.51質量%より低くなる。よって、外装部品の全てを原料としてABS樹脂を再生した場合、得られる再生ABS樹脂の物性値は、表1に記載の物性値よりも更にヴァージン材に近くなると期待でき、ヴァージン材とより同等に扱うことができると考えられる。
【0096】
以上で得られた再生ABS樹脂を用いて、PC及びABS樹脂、PVC及びABS樹脂、PBT及びABS樹脂等からなる再生ABSアロイ樹脂を製造することができる。本発明の再生ABS樹脂はヴァージン材と同等の特性を備えているので、ヴァージンABS樹脂を用いる場合と同様の方法により、再生ABSアロイ樹脂を製造することができる。そして、得られる再生ABSアロイ樹脂の物性は、ヴァージンABSアロイ樹脂の物性と同等である。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、ABS樹脂系の部品を原料として特性が良好なABS樹脂を再生でき、更に再生ABSアロイ樹脂を製造できることから、再生ABS樹脂の用途を広げることができ、広くはプラスチック材の再生を推進することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気電子機器の例を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明における電気電子機器の例を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明における電気電子機器に貼り付けられたラベルの例を示す平面図である。
【図4】本発明におけるABS樹脂の再生装置の例を説明するための模式図である。
【図5】本発明におけるABS樹脂の再生装置に具備される洗浄液タンクの例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
11 インクジェットプリンタ
12 上ケース
13 下ケース
14 操作カバー
15 ラベル
21 トレイ
101 粉砕機
102 搬送装置
103 振動篩
104 廃棄タンク
105 回収タンク
106 磁気選別機
107 スクリューフィーダ
108 ホッパ
109 モータ
110 洗浄液タンク
111 最終槽
112 モータ
113 洗浄脱水装置
114 空送ブロワ
115 サイクロン
116 溢流堰
117 バッファタンク
118 蒸留濃縮装置
119 凝縮液タンク
120 濃縮液タンク
121 フィルタ
122 ロータリ弁
123 アスピレータ
124 ブロワ
125 回収タンク
126 磁気選別機
127 空送ブロワ
128 スクリューフィーダ
129 ストックタンク
130 モータ
131 金属分離装置
132 回収タンク
133 ブロワ
134 ホッパ
135 回収容器
W 洗浄液

Claims (10)

  1. アクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法であって、
    (i)再生アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂と、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる1種以上の樹脂とを混合する工程と、
    (ii)該工程(i)で得られた混合物を溶融混練する工程と、
    (iii)該工程(ii)で得られた溶融混練体をペレット化する工程とを有し、
    前記工程(i)の再生アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂は、下記の工程(1)〜(3)を含む方法を経て得られることを特徴とするアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法:
    (1)アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂成型品を粉砕し、4mm以上10mm以下のメッシュスクリーンを用いて篩い分けし、粉砕品を得る工程と、
    (2)該工程(1)で得られた粉砕品を、粉砕品1質量部に対し10質量部以上の水で洗浄する工程と、
    (3)該工程(2)で得られた水洗粉砕品を含水分率0.3質量%以下に乾燥する工程。
  2. 工程(4)として、更に風力分級により、粉砕品の嵩密度より嵩密度が0.5以上低い低密体を粉砕品から除去する工程を有することを特徴とする請求項記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  3. 前記工程(4)を、前記工程(3)の後に行うことを特徴とする請求項記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  4. 工程(5)として、更に比重分離により、粉砕品の真密度より真密度が0.5以上高い高密体を除去する工程を有することを特徴とする請求項乃至3の何れかに記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  5. 前記工程(5)を、前記工程(2)と同時に行うことを特徴とする請求項記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  6. 工程(6)として、更に残留磁束密度1テスラ以上の磁石を用いて、粉砕品から金属を除去する工程を有することを特徴とする請求項乃至5の何れかに記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  7. 前記工程(6)を、前記工程(3)の後に行うことを特徴とする請求項記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ脂の製造方法。
  8. 工程(7)として、更に金属検知除去装置を用いて、粉砕品から金属を除去する工程を有することを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  9. 前記工程(7)を、前記工程(3)の後に行うことを特徴とする請求項記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法。
  10. 前記工程(i)において、50質量部以上70質量部以下の再生アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂と、30質量部以上50質量部以下のポリカーボネート樹脂を混合する請求項1乃至9の何れかに記載のアクリロニトリルブタジエンスチレンアロイ樹脂の製造方法
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