JP4035319B2 - 車両用取付部材及びその製造方法 - Google Patents

車両用取付部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用部品、例えば消音器等の排気系の部品を車両のフレーム等に取り付ける際に用いられる車両用取付部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明において問題とする車両用部品の一つとして、例えば図13に示す排気管1及びその下流側端部に接続された消音器2がある。排気管1及び消音器2は、次のようにして車両のフレーム(図示せず)に支持固定されている。すなわち、排気管1の上流側端部には、フランジ部1aが形成されており、このフランジ部1aがマニホールド等の他の部品(図示せず)を介してフレームに支持されている。一方、排気管1の下流側端部には、この発明の対象たる車両用取付部材3の基端部が固定されている。この取付部材3の先端部は、比較的硬質のゴム等からなる緩衝連結部材4の取付孔4a(図14参照)に嵌合固定されている。この緩衝連結部材4のもう一つの取付孔4aには、他の取付部材(図示せず)の一端部が嵌合固定されており、当該他の取付部材の他端部は、車両のフレームに固定されている。消音器2も同様にして取付部材3、緩衝連結部材4及び他の取付部材を介してフレームに取り付けられている。これにより、排気管1及び消音器2がフレームに支持されている。
【0003】
図14に上記取付部材3の従来の一例を示す。この取付部材3は、金属製の丸棒を鍛造したものであり、緩衝連結部材4の取付孔4aとほぼ同一か若干大径である軸部3aを有している。この軸部3aの外周面の先端から基端側へ所定距離だけ離れた箇所には環状の鍔部3bが形成されており、軸部3aの先端部には環状突出部3cが形成されている。鍔部3b及び環状突出部3cの外径は、取付孔4aの内径より大径になっている。鍔部3bと環状突出部3cとの間隔は、緩衝連結部材4の厚さとほぼ同一か若干大きく設定されている。
【0004】
このように構成された取付部材3は、その先端部から取付孔4a内に挿入される。そして、環状突出部3cが取付孔4aを通過すると、軸部3aのうちの鍔部3bと環状突出部3cとの間の部分に緩衝連結部材4が嵌合される。これにより、取付部材3の先端部に緩衝連結部材4が取り付けられる。勿論、緩衝連結部材4のもう一つの取付孔4aには、フレーム等に固定された他の取付部材の先端部が嵌合固定される。
【0005】
上記従来の取付部材3においては、取付孔4aに嵌合される軸部3aの先端部のみならず、鍔部3bより後端側の部分の外径も取付孔4aの内径とほぼ同一になっており、当該部分は必要以上に大径になっている。このため、材料が無駄になるのみならず、重量が嵩むという問題があった。
【0006】
そこで、最近では、上記取付部材3に代えて図15に示す取付部材3Aが多用されている。この取付部材3Aは、金属製の軸体3eと、この軸体3eの外周面に溶接固定された鍔部3fと、この鍔部3fに突き当たるまで軸体3eの外周に嵌合され、先端部が軸体3eの先端部に溶接固定された金属製の筒体3gとを有している。筒体3gの先端部には、環状突出部3hがプレス成形されている。環状突出部3hを除く筒体3gの外径は、緩衝連結部材4の取付孔4aの内径とほぼ同一か若干大径であり、鍔部3fと環状突出部3hは、取付孔4aより大径になっている。また、鍔部3fと環状突出部3hとの間隔は、緩衝連結部材4の厚さとほぼ同一か若干大きくなっている。したがって、環状突出部3hが取付孔4aを通過すると、鍔部3fと環状突出部3hとの間の筒体3gの外周に緩衝連結部材4が嵌合される。これにより、取付部材3Aの先端部に緩衝連結部材4が取り付けられている。
【0007】
この取付部材3Aにおいては、軸体3eの外径を筒体3gの外径よりその厚さの分だけ小径にすることができる。したがって、取付部材3Aの材料の無駄を軽減するとともに、その軽量化を達成することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、取付部材3Aにおいては、筒体3gをプレス成形した後、軸体3eに溶接しており、取付部材3Aの製造には少なくとも筒体3gのプレス工程と溶接工程とを必要とする。このため、製造費が嵩むという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、第1の発明に係る車両用取付部材は、金属製の軸体と、この軸体の先端部外周面に嵌合された金属製の筒体とを備え、上記筒体の先端部には、その内周面及び外周面を径方向外側へ突出させることによって環状突出部が形成され、この環状突出部に対応する上記軸体の外周面には、上記環状突出部の内周面に嵌合する嵌合突出部が形成されていることを特徴としている。
この場合、上記軸体の外周面には、上記筒体の基端面が突き当たる環状の鍔部が形成されており、この鍔部の外径が上記筒体の外径より大径に設定されていることが望ましい。
また、上記筒体の基端部外周面には、その内周面及び外周面を径方向内側へ突出させることによって凹陥部が形成され、この凹陥部に対応する上記軸体の外周面には、上記凹陥部が嵌合する係合凹部が形成されていることが望ましい。
さらに、上記筒体の基端部外周面には、その内周面及び外周面を径方向外側へ突出させることによって環状膨出部が形成され、この環状膨出部に対応する上記軸体の外周面には、上記環状膨出部の内周面に嵌合する係合突出部が形成されていることが望ましい。
【0010】
上記の問題を解決するために、第2の発明に係る車両用取付部材は、第1軸体と、この第1軸体の先端部に螺合固定された第2軸体とを備え、上記第2軸体の外径が上記第1軸体の外径より大径にされ、上記第2軸体の先端部外周面に環状突出部が形成されていることを特徴としている。
この場合、上記第2軸体の基端部外周面に環状の鍔部が形成されていることが望ましい。
【0011】
第3の発明は、請求項1に記載の車両用取付部材の製造方法であって、
上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形することを特徴としている。
この場合、上記軸体及び上記筒体の各先端部が外面から突出した状態で上記軸体及び上記筒体を上記軸体の先端側から後端側へ向かう方向へ移動不能に支持する第1金型と、上記軸体及び上記筒体の各先端面との対向面に上記第1環状突出部に対応した形状を有する成形凹部が形成された第2金型とを用い、上記第1、第2金型を互いに突き当たるまで上記軸体の軸線方向へ移動させて、上記筒体及び上記軸体の各先端部を上記成形凹部の内面に押し付けることにより、上記筒体の先端部に上記環状突出部を成形すると同時に上記軸体の先端部に上記嵌合突出部を成形することが望ましい。
【0012】
第4の発明は、請求項3に記載の車両用取付部材の製造方法であって、上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形する第1成形工程と、互いの対向面に上記軸体及び上記筒体の周方向の各半分が嵌合する嵌合溝がそれぞれ形成されるとともに、各嵌合溝の内周面に径方向内側へ向かって突出する膨出部が形成された一対の第3及び第4金型を用い、この第3及び第4金型の対向面どうしを互いに突き当て、上記各嵌合溝に上記軸体及び上記筒体の各半分を嵌合させ、上記膨出部によって上記筒体の外周面をその径方向内側へ向かって押し潰すことにより、上記筒体に上記凹陥部を成形すると同時に、上記軸体に上記係合凹部を成形する第2成形工程とを備えたことを特徴としている。
【0013】
第5の発明は、請求項4に記載の車両用取付部材の製造方法であって、上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形する第1成形工程と、上記軸体及び上記筒体の先端部が基端側から先端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合される第1嵌合孔が形成されるとともに、この第1嵌合孔の開口部に上記軸体の軸線方向における上記環状膨出部の半分に対応する第1環状凹部が形成された第5金型と、上記軸体及び上記筒体の基端部が先端側から基端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合される第2嵌合孔が形成されるとともに、この第2嵌合孔の開口部に上記軸体の軸線方向における上記環状膨出部の半分に対応する第2環状凹部が形成された第6金型とを用い、上記第1環状凹部と上記第2環状凹部とが互いに所定距離だけ離れた状態にして、上記第5金型の第1嵌合孔に上記軸体及び上記筒体の先端部をそれらの基端側から先端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合させるとともに、上記第6金型の第2嵌合孔に上記軸体及び上記筒体の基端部をそれらの先端側から基端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合させ、上記第5及び第6金型を互いに突き当たるまで接近移動させることにより、上記軸体及び上記筒体の上記第5金型と上記第6金型との間の部分を上記軸体の軸線方向に押し潰して上記第1、第2環状凹部の内周面に押し付けて上記筒体に上記環状膨出部を成形するとともに、上記軸体に係合突出部を成形する第2成形工程とを備えたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図12を参照して説明する。
図1は、第1の発明に係る車両用取付部材の一実施の形態を示すものである。この車両用取付部材10は、軸体20と筒体30とを備えている。
【0015】
軸体20は、鋼又はアルミニウム等の金属からなるものであり、断面円形の棒状に形成されている。軸体20の外周面には、その先端面から所定距離だけ後端側に向かった箇所に鍔部21が形成され、先端部に嵌合突出部22が形成されている。鍔部21は、断面半円状をなしており、軸体20の外周面に一体に、かつ環状に形成されている。嵌合突出部22は、軸体20の先端部に一体に、かつ環状に形成されている。環状突出部22の先端部には、軸体20の先端から後端側へ向かうにしたがって大径になる内側テーパ部22aが形成されている。軸体20の先端面における内側テーパ部22aの外径(内側テーパ部22aの最小径)は、軸体20の外径より若干小径になっている。
【0016】
上記筒体30は、鋼又はアルミニウム等の金属からなるものであり、環状突出部31を除いて一定の内外径を有するストレートな円筒として形成されている。筒体30の外径は、図13及び図14に示す緩衝連結部材4の取付孔4aの内径と同一か若干大径に設定されている。筒体30の内径は、軸体20の外径とほぼ同一に設定されており、筒体30の内周には軸体20の鍔部21より先端側の外周が嵌合されている。したがって、軸体20の外径は、ほぼ筒体30の厚さの分だけ取付孔4aの内径より小径になっている。筒体30の基端面は、鍔部21に押圧接触させられている。これによって、軸体20の先端側から基端側への筒体30の移動が阻止されるとともに、鍔部21と筒体30の基端面との間から軸部20の外周面と筒体30の内周面との間に雨水等が侵入することが防止されている。筒体30の長さは、軸体20の先端面から鍔部21までの距離と同一に設定されている。したがって、筒体30の先端面は、軸体20の先端面と面一になっている。
【0017】
筒体30の先端部には、環状突出部31が形成されている。この環状突出部31は、外周面を外側に突出させるのみならず、内周面も外周面とほぼ同一量だけ外側へ突出させることによって形成されている。環状突出部31の内周面は、軸体20の嵌合突出部22の外周面と同一形状をなしており、嵌合突出部22の外周面に押圧接触した状態で嵌合させられている。これにより、軸体20の軸線方向への筒体30の移動、特に軸体20の後端側から先端側への移動が阻止されている。なお、筒体30の先端側から後端側への移動は、上記のように、主として筒体30の後端面が鍔部21に突き当たることによって阻止されているが、環状突出部31と嵌合突出部22との嵌合によっても阻止されている。したがって、鍔部21は必ずしも形成する必要はない。
【0018】
環状突出部31は、先端側の外側テーパ部31a及びその後端側に続くストレート部31bを有しており、ストレート部31bの後端面は筒体30の軸線とのなす角度が90°である垂直面31cになっている。外側テーパ部31aは、その内周面が内側テーパ部22aの外周面と同一形状、同一寸法になっており、内側テーパ部22aに所定の押圧力で嵌合されている。これにより、内外のテーパ部22a,31aが互いに密着され、両テーパ部22a,31aの小径側の端縁間から軸体20の外周面と筒体30の内周面との間に雨水が侵入することが防止されている。筒体30の先端における外側テーパ部31aの外径(外側テーパ部31aの最小外径)は、筒体30の外径より若干小径であるのみならず、取付孔4aの内径より若干小径に設定されている。これにより、筒体30をその先端部から緩衝連結部材4の取付孔4aに挿入するときに、環状突出部31を取付孔4aに容易に挿入することができるようになっている。しかも、環状突出部31が取付孔4aに挿入されるとき、テーパ部31aが取付孔4aを弾性的に拡径させる。これにより、環状突出部31が取付孔4a内を容易に通り抜けることができるようになっている。一方、ストレート部31bは、一定の外径を有しており、その外径は鍔部21の外径とほぼ同一に設定されている。勿論、取付孔4aの内径より大径になっている。鍔部21と環状突出部31との間隔は、緩衝連結部材4の厚さとほぼ同一か若干大きくなっている。したがって、筒体30を取付孔4aに環状突出部31が通り抜けるまで挿入すると、緩衝連結部材4が鍔部21と環状突出部31との間の筒体30の外周に嵌合される。この状態においては、緩衝連結部材4は、鍔部21に突き当たることによって図1の左方への移動が阻止され、環状突出部31の垂直面31cに突き当たることによって筒体30から図1の右方への抜け出ることが阻止されている。
なお、軸体20の基端側への緩衝連結部材4の移動を阻止する必要がないこともある。そのような場合には、鍔部21が不用である。
【0019】
上記構成の車両用取付部材10においては、軸体20の外径を取付孔4aの内径よりほぼ筒体30の厚さの分だけ小径にすることができる。したがって、その分だけ取付部材10の材料費の無駄を省くことができるとともに、軽量化を図ることができる。しかも、筒体30は、その環状突出部31の内周面に嵌合突出部22が嵌合することによって軸体20に固定されているので、筒体30を軸体20に溶接する必要がない。したがって、溶接工程を省くことができ、これによって取付部材10の製造費を低減することができる。特に、この実施の形態では、鍔部21も軸体20に一体に形成されているので、鍔部21も溶接する必要がなく、その分だけ製造費をさらに低減することができる。
【0020】
次に、上記構成の車両用取付部材10の製造方法、つまり第3の発明に係る製造方法について説明する。
取付部材10を製造するに際しては、一様な断面形状を有する軸体20をまず用意する。そして、図2に示すように、軸体20の外周面の所定の箇所に鍔部21を成形する。鍔部21は、図3に示すようにして成形することができる。
【0021】
鍔部21の成形に際しては、互いに対向して配置された固定金型40と可動金型50とが用いられる。固定金型40の可動金型50との対向面には、嵌合孔41が形成されている。この嵌合孔41は、軸体20の先端から鍔部21の中央までの距離とほぼ同一の深さを有している。嵌合孔41の開口部には、環状凹部42が形成されている。この環状凹部42は、軸体20の軸線方向における鍔部21の先端側の半分と同一形状を有している。
【0022】
可動金型50は、一対の挟持型50A,50Bから構成されている。一対の挟持型50A,50Bは、軸体20の軸線と直交する方向に対向して配置されており、互いに対向する方向、及び固定金型40に対して接近離間する方向へ移動可能に配置されている。一対の挟持型50A,50Bの各対向面には、挟持凹部51,52がそれぞれ形成されている。挟持凹部51,52は、断面略半円状をなしており、その曲率半径は、軸体20の半径とほぼ同一に設定されている。そして、一対の第2金型50A,50Bを互いの対向面が接触するまで接近移動させると、挟持凹部51,52によって断面円形の孔が形成され、その孔の内周面によって軸体20の外周面が移動不能に挟持される。一対の挟持凹部51,52によって形成される断面円形の孔の第固定金型40側の開口部には、環状凹部53が形成されている。この環状凹部53は、軸体20の軸線方向における鍔部21の基端側の半分と同一形状に形成されている。
【0023】
上記固定金型40及び金型50を用いて鍔部21を成形する場合には、まず軸体20の先端面が嵌合孔41の底面に突き当たるまで、軸体20の先端部を嵌合孔41に挿入する。次に、嵌合孔41から突出した軸体20の外周面を一対の挟持型50A,50Bによって挟持させる。この場合、一対の挟持型50A,50Bは、第1金型40から所定距離だけ離間させておく。次に、一対の挟持型50A,50Bを第1金型40に接近移動させる。勿論、一対の挟持型50A,50Bを位置固定し、第1金型40を挟持型50A,50Bに接近移動させてもよく、両者を同時に接近移動させてもよい。
【0024】
一対の挟持型50A,50Bを固定金型40に接近移動させると、それらの間に位置する軸体20が軸線方向に圧縮される。その結果、図3において想像線で示すように、固定金型40と可動金型50との間の軸体20の外周面には、径方向外側へ膨出する膨出部23が形成される。この膨出部23の外径は、可動型50が固定金型40に接近するにしたがって大径になる。そして、可動金型50が固定金型40に突き当たるまで移動すると、膨出部23が環状凹部42、53によって形成される環状の空間に充満してその内面に押し付けられる。換言すれば、可動金型50が固定金型40に突き当たったときに、膨出部23が環状凹部42,52によって形成される環状の空間に充満するように、固定金型40と可動金型50との初期位置が設定されているのである。環状凹部42,53によって形成される環状の空間は、鍔部21と同一形状を有している。したがって、膨出部23が環状凹部42,53によって形成される環状の空間の内面に押し付けられることにより、膨出部23が鍔部21として成形される。
【0025】
なお、鍔部21の成形が完了したら、可動金型50を固定金型40に対して元の位置まで離間移動させる。その後、可動金型50を構成する一対の挟持型50A,50Bを互いに離間移動させる。この場合、少なくとも一対の挟持型50A,50Bの挟持凹部51,52間を鍔部21が軸体20の軸線方向へ通り抜けることができるまで離間移動させる。その後、軸体20をその先端側から基端側へ移動させて、固定金型40の嵌合孔41から抜き出すとともに、挟持型50A,50Bの挟持凹部42,52の間から抜き出す。
【0026】
上記のようにして鍔部21の成形が完了したら、図4に示すように、筒体30の基端面が鍔部21に突き当たるまで筒体30を軸体20の先端部に外挿する。その後、図5に示すように、筒体30の先端部に環状突出部31を成形するとともに、軸体20の先端部に嵌合突出部22を成形する。環状突出部31と嵌合突出部22とは、次のようにして同時に成形することができる。
【0027】
環状突出部31及び嵌合突出部22の成形に際しては、図5に示すように、互いに対向して配置された第1金型60と第2金型70とが用いられる。
第1金型60は、軸体20の軸線と直交する方向に対向して配置された一対の挟持型60A,60Bを有している。挟持型60A,60Bは、軸体20の軸線と直交する方向に対向し、かつ同方向へ移動可能に配置されている。一対の挟持型60A,60Bの対向面には、挟持凹部61,62がそれぞれ形成されている。一方の挟持型60Aの挟持凹部61は、挟持型60Aの第2金型70との対向面から軸体20の基端側へ向かって順次形成された第1、第2及び第3凹部61a,61b,61cから構成されている。他方の挟持型60Bの挟持凹部62も、挟持型60Bの第2金型70との対向面から軸体20の基端側へ向かって順次形成された第1、第2及び第3凹部62a,62b,62cから構成されている。そして、一対の第2金型60A,60Bの対向面を互いに付き合わせると、第1凹部61a,62aが筒体30を挟持する。この場合、第1凹部61a,62aは、筒体30の先端部を除く部分を挟持するだけであり、筒体30の先端部は第1凹部61a,62aから第2金型70側に突出する。また、第2凹部61b,62bが鍔部21を挟持し、第3凹部61c,62cが鍔部21より基端側の軸体20を挟持する。これにより、軸体20及び筒体30が第1金型60に固定される。特に、軸体20の先端側から基端側へ向かう方向への軸体20及び筒体30の移動は、鍔部21が第2凹部61b,62bの軸体20の先端側を向く面に突き当たることによって確実に阻止される。
【0028】
第2金型70の第1金型60との対向面には、成形凹部71が形成されている。この成形凹部71の内周面は、筒体30の環状突出部31の外周面に対応した形状をなしている。つまり、成形凹部71は、環状突出部31の外側テーパ部31a及びストレート部31bの各外周面とそれぞれ同一形状、同一寸法の内周面を有するテーパ孔部71aとストレート孔部71bとを有している。したがって、成形凹部71の深さは、筒体30の先端面からストレート部31bの基端側の端面31cまでの距離とほぼ同一に設定されている。しかも、成形凹部71は、その軸線を一対の挟持型60A,60Bによって挟持固定された軸体20の軸線と一致させて配置されている。
【0029】
上記構成の第1及び第2金型60,70を用いて嵌合突出部22及び環状突出部31を成形する場合には、まず一対の挟持型60A,60Bによって筒体30の先端部を除く部分及び軸体20の鍔部21から基端側に続く部分を挟持固定する。次に、第1金型60を第2金型70に接近移動させる。勿論、第1金型60を第2金型70に接近移動させる代わりに、第1及び第2金型60,70の両者を同時に接近移動させてもよく、あるいは第2金型70を第1金型60に接近移動させてもよい。
【0030】
図6に示すように、第1、第2金型60,70を互いの対向面が突き当たるまで接近移動させると、筒体30の外周面と先端面との交差部及びその近傍部分が成形凹部71のテーパ孔部71aの内周面に突き当たって筒体30の軸線方向及び径方向に押し潰される。それによって、筒体30の先端部に外側テーパ部31aが形成される。これと同時に、軸体20の先端部が筒体30を介してその径方向に押し潰されて内側テーパ部22aが形成される。その一方、第1金型60から第2金型70側に突出した軸体20及び筒体30のうち、第1金型60近傍部分は、軸体20及び筒体30が成形凹部71のテーパ孔部71aの内周面及び底面により軸体20の先端側から基端側へ向かって押されることにより、径方向外側へ膨出する。そして、筒体30の膨出部分が、成形凹部71のストレート孔部71bの内周面に突き当たることにより、環状突出部31のストレート部31bが成形され、第1金型60の第2金型70との対向面に突き当たることにより、垂直面31cが成形される。これと同時に、軸体20の膨出部分が、環状突出部31の内周面に対応した形状の嵌合突出部22として成形される。これによって、車両用取付部材10の成形が完了する。
なお、成形完了後には、第1、第2金型60,70を互いに離型させるとともに、第1金型60の一対の挟持型60A,60Bを離型させる。これにより、第1及び第2金型60,70から取付部材10を取り出すことができる。
【0031】
図7は、この発明に係る車両用取付部材の第2実施の形態を示す。この実施の形態の取付部材10Aにおいては、上記の実施の形態の鍔部21が形成されておらず、筒体30の基端部にその外周面及び内周面を径方向内側へ向かって突出させることにより、凹陥部33が形成されている。この凹陥部33は、筒体30の周方向に環状に形成されているが、周方向の複数箇所にそれぞれ形成してもよい。凹陥部33と対向する軸体20の外周面には係合凹部24が形成されている。この係合凹部24を区画する底面には、凹陥部33の内周面が隙間無く押し付けられた状態で嵌合している。これにより、軸体20の外周面と筒体30の内周面との間にそれらの基端側から雨水が侵入するのを防止するようになっている。その他の構成は、上記取付部材10と同様である。
【0032】
上記取付部材10Aの凹陥部33及び係合凹部24は、図8及び図9に示す第3、第4金型80A,80Bを用いて成形することができる。第3金型80Aの第4金型80Bとの対向面には、第1、第2嵌合溝(嵌合溝)81,82が形成されている。第1、第2嵌合溝81,82は、いずれも断面半円状をなしており、第1嵌合溝81の曲率半径は軸体20の半径と同一に設定され、第2嵌合溝82の曲率半径は筒体30の半径と同一の設定されている。第4金型80Bの第3金型80Aとの対向面には、第1、第2嵌合溝81,82とそれぞれ同一形状、同一寸法を有する第3、第4嵌合溝(嵌合溝)83,84が形成されている。しTがって、第3、第4金型80A,80Bの対向面を互いに突き合わせると、第1、第3嵌合溝81,83によって筒体30の基端に続く軸体20の外周面が挟持され、第2、第4嵌合溝82,84によって筒体30の環状突出部31を除く部分が挟持される。
【0033】
第2、第4嵌合溝82,84の基端側の底面には、膨出部82a,84aが形成されている。膨出部82a,84aは、筒体30の基端側の同一位置に配置されている。しかも、膨出部82a,84aは、同一の断面形状(この実施の形態では、半円状)を有しており、第2、第4嵌合溝82,84の周方向の一側から他側まで延びている。したがって、第3、第4金型80A,80Bを互いに突き合わせると、2つの膨出部82a,84aによって1つの環状をなす膨出部が形成されることになり、2つの膨出部82a,84aによって筒体30の外周面が径方向内側へ押し潰される。これにより、筒体30の基端部外周面に環状をなす凹陥部33が形成される。また、凹陥部33に対応する軸体20の外周面が膨出部82a,84aにより筒体30を介して径方向内側へ押し潰されることにより、軸体20の外周面に係合凹部24が形成される。したがって、係合凹部24には、凹陥部33が押圧接触した状態で嵌合する。
【0034】
なお、環状突出部31及び嵌合突出部22については、上記の実施の形態と同様にして成形することができる。環状突出部31及び嵌合突出部22の成形と、凹陥部33及び係合凹部24の成形とは、いずれを先に行ってもよい。これらの点は、次に述べる取付部材10Bを成形する場合も同様である。
【0035】
図10は、この発明に係る車両用取付部材の第3実施の形態を示す。この実施の形態の取付部材10Bにおいては、上記取付部材10Aの凹陥部33及び係合凹部24に代えて、環状膨出部34及び係合突出部25が形成されている。環状膨出部34は、筒体30の基端部外周面及び内周面を径方向外側へ膨出させることによって形成されており、断面半円状をなしている。一方、係合突出部25は、環状膨出部34の内周面と同一の断面形状をなしており、環状突出部34の内周面に押し付けられた状態で嵌合している。これにより、軸体20の外周面と筒体30の内周面との間にそれらの基端側から雨水が侵入するのを防止するようになっている。環状膨出部34及び係合突出部25は、環状に形成することなく、周方向に離れた複数箇所にそれぞれ形成してもよい。
【0036】
上記取付部材10Bの環状膨出部34及び係合突出部25は、図11に示す第5、第6金型90,100を用いて成形することができる。第5金型90の第6金型100との対向面には、第1嵌合孔91が形成されている。この第1嵌合孔91の内径は、筒体30の外径とほぼ同一であり、その深さは筒体30の長さより短くなっている。したがって、筒体30を第1嵌合孔91にその底面に突き当たるまで挿入すると、筒体30の基端部が第1嵌合孔91から突出する。勿論、筒体30に嵌合された軸体20の先端面を第1嵌合孔91の底面に突き当てると、軸体20の基端側の部分が筒体30の基端面から突出する。第1嵌合孔91の開口部には、第1嵌合孔91の軸線方向(筒体30の軸線方向)における環状膨出部34の半分と同一断面形状を有する第1環状凹部92が形成されている。
【0037】
第6金型100は、軸体20の軸線と直交する方向おいて対向する一対の挟持型100A,100Bを有している。挟持型100Aの挟持型100Bとの対向面には、第6金型90側に第1挟持凹部101が形成され、逆側に第2挟持凹部102が形成されている。第1、第2挟持凹部101,102は、一直線上に並んで形成されている。挟持型100Bの挟持型100Aとの対向面には、第6金型90側に第3挟持凹部103が形成され、逆側に第4挟持凹部104が形成されている。第3、第4挟持凹部103,104は、一直線上に並んで配置されている。第1及び第3挟持凹部は、いずれも断面半円状をなし、曲率半径が筒体30の外径のほぼ半分になっている。第2及び第4挟持凹部102,104は、いずれも断面半円状をなし、曲率半径が軸体20の外径のほぼ半分になっている。そして、挟持型100A,100Bの対向面を互いに突き合わせると、第1、第2挟持凹部101,102と第3、第4挟持凹部103,104とによって第2嵌合孔105が形成される。そして、第2嵌合孔105のうちの、第1、第3挟持凹部101,103によって形成される孔部の内周面によって筒体30の基端部外周面が挟持固定され、第2、第4挟持凹部102,104によって形成される孔部の内周面によって筒体30の基端部から突出した軸体20の基端側の外周面が挟持固定される。第2嵌合孔105の第5金型90側の開口部には、第2環状凹部106が形成されている。この環状凹部106は、第2嵌合孔105の軸線(筒体30の軸線)方向における環状膨出部34の半分と同一の断面形状を有している。
【0038】
上記第5及び第6金型90,100を用いて環状膨出部34及び係合突出部25を形成する場合には、筒体30を第1嵌合孔91に嵌合させるとともに、その先端面及び軸体20の先端面を第1嵌合孔91の底面に突き当ている。一方、第1嵌合孔91から突出した筒体30の基端部及び筒体30の基端面から突出した軸体20の基端側部分を第2嵌合孔105に固定する。このとき、図11から明かなように、第5、第6金型90,100の対向面を所定距離だけ離しておく。次に、第5、第6金型90,100の少なくとも一方を他方に接近移動させる。すると、筒体30及び軸体20の第5、第6金型90,100間に位置する各部分が圧縮されて、径方向外側に膨出する。この膨出部分は、第5、第6金型90,100が互いに突き当たるまで移動すると、環状凹部92,106内に充満する。換言すれば、第5、第6金型90,100間の当初の距離は、金型90,100を互いに突き合わせたときに膨出部分が環状凹部92,106内に充満するように設定されている。膨出部分が環状凹部92,106内に充満することにより、環状膨出部34が形成されるとともに、係合突出部25が形成される。
【0039】
図12は、第2の発明の一実施の形態を示すものであり、この実施の形態の車両用取付部材10Cは、第1、第2の二つの軸体11,12を有している。第1軸体11の先端面には、雄ねじ部11aが形成されている。第2軸体12の基端面には、雌ねじ部12aが形成されている。この雌ねじ部12aに雄ねじ部11aを螺合させて締め付け、第1軸体11の先端面を第2軸体12の基端面に押し付けることにより、第1、第2軸体11,12が互いの軸線を一致させた状態で固定されている。第1軸体11の外径は第2軸体12の外径より小さくなっている。第2軸体12の外径は、上記筒体30の外径と同一である。したがって、緩衝連結部材4の取付孔4aの内径と同一か若干大径になっている。
【0040】
第2軸体12の先端部外周面には環状突出部12bが形成されている。この環状突出部12bは、図1に示す取付部材10の環状突出部31と同一形状に形成されている。第2軸体12の基端部外周面には、環状の鍔部12cが形成されている。この鍔部12cは、断面四角形状をなしている点を除いて図1に示す取付部材10の鍔部21と同様に形成されている。勿論、鍔部21と同一形状に形成してもよい。
【0041】
上記の取付部材10Cにおいてもにおいても、緩衝連結部材4の取付孔4aに嵌合される第2軸体12の外径が第1軸体11の外径より大径になっているから、換言すれば取付孔4aに嵌合されない第1軸体11の外径が第2軸体12の外径より小径になっているから、材料の無駄を省くことができるとともに、全体の軽量化を達成することができる。また、第1、第2軸体11,12を溶接する必要がないのでその分だけ製造費を軽減することができる。
【0042】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、図1に示す実施の形態においては、鍔部21の外周が断面半円状をなしているため、固定金型40及び可動金型50に鍔部21を成形するための環状凹部42,53をそれぞれ形成しているが、仮に鍔部21を断面長方形状に成形するのであれば、固定金型40と可動金型50とのいずれか一方にのみ鍔部21を成形するための環状凹部を形成してもよい。この点は、環状膨出部34を成形するための第1、第2環状凹部92,106についても同様である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、第1、第2発明によれば、車両用取付部材の材料の無駄を無くすとともに、軽量化を図ることができるのは勿論のこと、鍔部及び筒体を軸体に溶接する工程を省くことができ、それによって車両用取付部材の製造費を低減することができるという効果が得られる。
第3〜第5の発明によれば、第1の発明に係る車両用取付部材を容易に製造することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る車両用取付部材の第1の実施の形態を示す一部省略断面図である。
【図2】図1に示す実施の形態において用いられている軸体の一部を省略して示す断面図である。
【図3】図2に示す軸体の外周面に鍔部を成形するための方法の一例を示す一部省略断面図である。
【図4】鍔部が成形された軸体の先端部に筒体を挿入する工程を示す断面図である。
【図5】第3の発明に係る製造方法における各工程のうちの、軸体及び筒体の各先端部に嵌合突出部と環状突出部とをそれぞれ成形する工程を示す断面図であって、成形前の状態を示している。
【図6】第3の発明に係る製造方法における各工程のうちの、軸体及び筒体の各先端部に嵌合突出部と環状突出部とをそれぞれ成形する工程を示す断面図であって、成形後の状態を示している。
【図7】第1の発明に係る車両用取付部材の第2の実施の形態を示す一部省略断面図である。
【図8】図7に示す車両用取付部材の凹陥部及び係合凹部を形成するための方法の一例を示す断面図である。
【図9】図8のX−X線に沿う断面図である。
【図10】第1の発明に係る車両用取付部材の第3の実施の形態を示す一部省略断面図である。
【図11】図10に示す車両用取付部材の環状膨出部及び係合突出部を成形するための方法の一例を示す断面図である。
【図12】第2の発明に係る車両用取付部材の一実施の形態を示す一部省略断面図である。
【図13】車両用取付部材が用いられた車両の排気系を示す斜視図である。
【図14】従来の車両用取付部材の一例を示す一部省略断面図である。
【図15】従来の車両用取付部材の他の例を示す一部省略断面図である。
【符号の説明】
10 車両用取付部材
10A 車両用取付部材
10B 車両用取付部材
10C 車両用取付部材
11 第1軸体
12 第2軸体
12b 環状突出部
12c 鍔部
20 軸体
21 鍔部
22 嵌合突出部
24 係合凹部
25 係合突出部
30 筒体
31 環状突出部
33 凹陥部
34 環状膨出部
60 第1金型
70 第2金型
71 成形凹部
80A 第3金型
80B 第4金型
81 第1嵌合溝(嵌合溝)
82 第2嵌合溝(嵌合溝)
82a 膨出部
83 第3嵌合溝(嵌合溝)
84 第4嵌合溝(嵌合溝)
84a 膨出部
90 第5金型
91 第1嵌合孔
92 第1環状凹部
100 第6金型
105 第2嵌合孔
106 第2環状凹部

Claims (8)

  1. 消音器等の排気系の部品を車両のフレームに緩衝連結部材を介して取り付ける際に、基端部が上記フレーム又は上記排気系の部品に取り付けられ、先端部が上記緩衝連結部材に設けられた取付孔に嵌合される車両用取付部材であって、
    基端部が上記フレーム又は上記排気系の部品に取り付けられる金属製の軸体と、この軸体の先端部外周面に嵌合された金属製の筒体とを備え、上記筒体の先端部には、その内周面及び外周面を径方向外側へ突出させることによって環状突出部が形成され、この環状突出部に対応する上記軸体の外周面には、上記環状突出部の内周面に嵌合する嵌合突出部が形成され、上記筒体が上記取付孔に嵌合されていることを特徴とする車両用取付部材。
  2. 上記軸体の外周面には、上記筒体の基端面が突き当たる環状の鍔部が形成されており、この鍔部の外径が上記筒体の外径より大径に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用取付部材。
  3. 上記筒体の基端部外周面には、その内周面及び外周面を径方向内側へ突出させることによって凹陥部が形成され、この凹陥部に対応する上記軸体の外周面には、上記凹陥部が嵌合する係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用取付部材。
  4. 上記筒体の基端部外周面には、その内周面及び外周面を径方向外側へ突出させることによって環状膨出部が形成され、この環状膨出部に対応する上記軸体の外周面には、上記環状膨出部の内周面に嵌合する係合突出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用取付部材。
  5. 請求項1に記載の車両用取付部材の製造方法であって、上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形することを特徴とする車両用取付部材の製造方法。
  6. 上記軸体及び上記筒体の各先端部が外面から突出した状態で上記軸体及び上記筒体を上記軸体の先端側から後端側へ向かう方向へ移動不能に支持する第1金型と、上記軸体及び上記筒体の各先端面との対向面に上記第1環状突出部に対応した形状を有する成形凹部が形成された第2金型とを用い、上記第1、第2金型を互いに突き当たるまで上記軸体の軸線方向へ移動させて、上記筒体及び上記軸体の各先端部を上記成形凹部の内面に押し付けることにより、上記筒体の先端部に上記環状突出部を成形すると同時に上記軸体の先端部に上記嵌合突出部を成形することを特徴とする請求項に記載の車両用取付部材の製造方法。
  7. 請求項3に記載の車両用取付部材の製造方法であって、上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形する第1成形工程と、互いの対向面に上記軸体及び上記筒体の周方向の各半分が嵌合する嵌合溝がそれぞれ形成されるとともに、各嵌合溝の内周面に径方向内側へ向かって突出する膨出部が形成された一対の第3及び第4金型を用い、この第3及び第4金型の対向面どうしを互いに突き当て、上記各嵌合溝に上記軸体及び上記筒体の各半分を嵌合させ、上記膨出部によって上記筒体の外周面をその径方向内側へ向かって押し潰すことにより、上記筒体に上記凹陥部を成形すると同時に、上記軸体に上記係合凹部を成形する第2成形工程とを備えたことを特徴とする車両用取付部材の製造方法。
  8. 請求項4に記載の車両用取付部材の製造方法であって、上記軸体の先端部外周面に上記筒体を嵌合し、上記筒体及び上記軸体の先端部をプレスして上記環状突出部と上記嵌合突出部とを同時に成形する第1成形工程と、上記軸体及び上記筒体の先端部が基端側から先端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合される第1嵌合孔が形成されるとともに、この第1嵌合孔の開口部に上記軸体の軸線方向における上記環状膨出部の半分に対応する第1環状凹部が形成された第5金型と、上記軸体及び上記筒体の基端部が先端側から基端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合される第2嵌合孔が形成されるとともに、この第2嵌合孔の開口部に上記軸体の軸線方向における上記環状膨出部の半分に対応する第2環状凹部が形成された第6金型とを用い、上記第1環状凹部と上記第2環状凹部とを互いに所定距離だけ離れた状態にして、上記第5金型の第1嵌合孔に上記軸体及び上記筒体の先端部をそれらの基端側から先端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合させるとともに、上記第6金型の第2嵌合孔に上記軸体及び上記筒体の基端部をそれらの先端側から基端側へ向かう方向へ移動不能に嵌合させ、上記第5及び第6金型を互いに突き当たるまで接近移動させることにより、上記軸体及び上記筒体の上記第5金型と上記第6金型との間の部分を上記軸体の軸線方向に押し潰して上記第1、第2環状凹部の内周面に押し付けて上記筒体に上記環状膨出部を成形するとともに、上記軸体に係合突出部を成形する第2成形工程とを備えたことを特徴とする車両用取付部材の製造方法。
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