JP4034714B2 - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷陰極型電子源(カソード)と、電子源から放出された加速電子によって励起発光する発光部材を有するアノードとを備えた画像表示装置の製造方法に関する。
冷陰極型の平板型画像表示装置は、広く研究・開発がなされており、例えば、先端曲率半径の小さなスピント型電界放出素子が電子源として用いられている。また、電極間距離を狭くして、平面方向における電子放出現象を利用した表面伝導型電子放出素子も知られている。
電子源を利用した画像表示装置においては、発光輝点数に等しいかそれ以上の数の電子源が平面方向に配置され、加速電子によって励起発光する発光部材を有するアノード基板が、対向して設けられている。強電界強度中で電子放出を生じさせるため、カソードが形成されたリア基板とアノードとの間の距離は、数mm程度である。
こうした狭い基板電極間に高電圧を印加すると、電子源から電子が照射され、所望の領域を発光させることができる。このとき、所望の領域以外に、意図しない導体微粒子(例えばAu,Ag,Cu,Cr,Mo,W,Pt,Ti,Ni,Fe、炭素含有物など)や絶縁体微粒子(例えばSiO2,Al23,ガラス、蛍光体物質など)が存在すると、次のような不都合が生じる。すなわち、このような微粒子にも高電圧が印加されると、これらの部位近傍からも定常的な電子放出が生じて、いわゆるストレーエミッションとして発光し続けることもある。また、これらの部位近傍からアノード/リア基板間をショートさせるような放電電流が流れることがある。
画像表示装置におけるストレーエミッションは、発光が制御できない輝点となるため、明らかな不良原因である。また、アノード/リア基板間をショートさせるような放電電流は、電流の流入により素子やアノード電極そのものを破壊することがあり、再生不可能な不良につながるおそれがある。放電によって、材料に吸着していた気体やあるいは金属が気化され、さらに放電を連続的に生じさせることもある。
真空中での放電を抑制するために、「コンディショニング」と呼ばれる処理を施すことが一般的に知られている。このコンディショニングは、強電界環境下で実際に使用される前に、予め真空中で高電界を印加するなどにより、陽陰極表面の状態を変化させ、実使用電圧の高圧化を図る方法である。実際に使用使用する予定の電界以上の静電界を予め印加して、異物を除去することが望ましい。
異常放電の原因となる異物を放電に至らせずに除去するために、静電クリーニングを行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、半導体または絶縁体からなる部材を表面に設けた電極を、電子源基板またはアノード基板に対向して配置し、電子源基板またはアノード基板と前記電極との間に、400V/mm以上4000V/mm以下の電界を印加することによって、異物が除去されている。
また、コンディショニング時の基板の変形を防ぐために、平面を有する固定治具上に静電気力により基板を固定する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−109505号公報 特開2003−109506号公報
冷陰極型電子源を用いた画像表示装置においては、ストレーエミッションなどの画素欠陥等を生ずる可能性のある放電を除去することが重要である。このため、リアあるいはアノード基板上に付着している異物を除去することが求められる。上述のコンディショニングはその方法の一つであるが、このコンディショニング処理により、アノード基板やリア基板の一部が破損してしまうことも見受けられた。また、コンディショニングの際に印加される静電界は、実際に使用する予定の電界以上であることが必要とされる。実使用で印加し得る電圧の大きさは、コンディショニング時に印加可能な電圧の大きさに依存するということができる。コンディショニング時の電圧は、高いほど好ましいものの、特許文献1に示すような電圧では未だ不十分であり、さらなる改善が求められている。
アノード基板やリア基板から異物を除去するには、そもそも異物が付着しないようにクリーンルームなどで作業する、高圧または低圧ガスでブローする、液中で超音波洗浄するといった方法も考えられる。しかしながら、基板の性状や、基板とその他の部材との密着強度(例えばアノード基板における基板と蛍光体との密着性)、さらには次工程との整合性等の観点から、必ずしも採用ができないものもある。
そこで本発明は、連続放電に起因した画素欠陥が存在せず、良好な画像を形成可能な画像表示装置を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態にかかる画像表示装置の製造方法は、冷陰極型電子放出素子を有するリア基板を形成する工程と、電子線により発光する発光部材およびアノードを有するアノード基板を形成する工程と、0.2g/cm3以下の嵩密度を有する無機材料からなる異物捕集層を表面に有する対向電極を形成する工程と、前記リア基板または前記アノード基板を被処理基板として、前記対向電極に離間して平行に配置し、前記被処理基板と前記対向電極との間に電圧を印加するコンディショニング工程と、枠体を介して、前記リア基板および前記アノード基板を一体化する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、連続放電に起因した画素欠陥が存在せず、良好な画像を形成可能な画像表示装置を製造する方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
異物の飛翔、および連続放電に至るメカニズムについて、本発明者らは次のように考察した。
金属電極上の導電粒子の帯電に関して、「静電気ハンドブック」(静電気学会編、オーム社,p.99, 1981)には次のように記載されている。「金属電極上に金属粒子を置くと、両者の仕事関数が異なる場合は帯電するが、電界の作用下では、その帯電量は電界に依存する。(中略)平面電極上に球形導体粒子が接触している場合、粒子がないときの電極面上の電界をE0とすれば、粒子の帯電量qは次式で表わされる。
q=1.65x 4πε020
ここに、r:粒子の半径,ε0:真空の誘電率である。
対向した平行平板電極間に電圧を印加し、下側の電極上に粒子を置くと、粒子は接触している電極に印加された電圧と同極性に帯電し、電極間の電界に引かれて上方向に飛び上がる。電界が十分に強いと、粒子は上側電極に衝突して逆極性に帯電し、電極間で上下運動を繰り返すようになる。」と記載されており、異物の飛翔と連続放電に至るメカニズムを示唆している。
なお、粒子の直径が大きくなるにしたがって、帯電量は増加する。
真空中の平坦な電極基板上に設けられた球体の導電物と放電との関係については、特許文献1には、次のように記載されている。「50μm程度の大きさの異物の場合、5kV/mm程度の電界で放電を開始することになる。」こと、「約100μm以下の異物は、画像表示装置内及びその構成部材(其体的にはフェースブレートやリアブレート等)上でその存在を発見しにくく、また一度基板等に付着すると剥がれにくい。」こと、および「100μm程度の異物の除去は必須でありながら、その発見及び除去がなかなか困難である。」ことである。
こうした異物は、特定の異物捕集層が設けられた対向電極を用いてコンディショニングが行なわれる本発明の実施形態にかかる方法によって、リア基板やアノード基板上から除去することが可能となった。
図1は、本発明の一実施形態にかかる方法におけるコンディショニングを表わす概略図である。
図示するように被処理基板1は、異物捕集層2を表面に有する平板3からなる対向電極8に離間して配置され、高圧電源5により電圧が印加される。異物捕集層2は、嵩密度0.2g/cm3以下のシリカ、マグネシウム系合金等の無機材料から形成される。電圧を印加することによって、被処理基板1表面に付着していた異物粒子4は放出されて、対向電極8表面の異物捕集層2中に捕集される。
異物粒子4が誘電体である場合、その誘電体は最大qの電荷を有する。最大電荷qは、媒質の誘電率ε、印加電圧V、および異物粒子の半径rを用いて、下記数式(1)で表わされる。
q=4πεrV‥‥(1)
このqの電荷を有する異物粒子4が、電極間に印加された電圧により加速されて対向電極8に向かう場合、概略qV=mv2/2(mは異物粒子4の質量、vは対向電極8に衝突する時の速度)で記述されるエネルギーをもって衝突する。例えば、異物粒子4がφ20μmのアルミナの場合(比誘電率8.6、密度4.1g/cm3)、8kVの電圧が印加された場合、衝突時の速度は音速程度になっているものと推測される。
こうした高エネルギーを有する異物粒子4が対向電極8に衝突するとき、対向電極8の表面が硬い材料から構成され、異物粒子4が例えば多結晶体の凝集アルミナからなる場合には、異物粒子4が粉砕されて飛び散るおそれがある。また、異物粒子4としてのアルミナ表面にクラック等の欠陥が存在する場合には、アルミナの引張強度を超えることにつながり、異物粒子が破壊されることもある。
本発明の実施形態においては、対向電極8の表面に、嵩密度0.2g/cm3以下のシリカ、マグネシウム系合金等の無機材料からなる異物捕集層2が設けられているので、異物粒子4を非破壊で捕集することができる。これは、異物捕集層2が、捕集の際の異物粒子のエネルギーで分解することなく、かつ変形等により異物粒子4の衝突エネルギーを素早く吸収できるためである。
この際の異物粒子4および異物捕集層2の状態を、図2に模式的に示す。対向電極に向かって被処理基板から飛翔した異物粒子4は、図2(a)に示すように異物捕集層2に衝突する。異物捕集層2は、図2(b)に示すように容易に変形して、異物粒子4は異物捕集層2内に突き刺さり、異物粒子4は、対向電極上で散乱せずにエネルギーを失う。また、異物粒子自体の損傷も防ぐことができることから、異物粒子が更に細かくなって飛散することも抑制される。こうした理由から、本発明の実施形態にかかる方法によれば、最大で10kV/mmという大きな電圧を印加してコンディショニングを行なうことが可能となった。
高エネルギーを有する異物粒子4が対向電極8に衝突する際、対向電極の表面に嵩密度の低い材料が使用されていると、異物粒子4が異物捕集層2の表面から侵入してしばらくの間は、その通過速度の低下が抑制される。こうして、異物捕集層2表面での無機粒子4の破壊が生じにくくなる。異物捕集層2内に侵入した異物粒子4は、やがてそのエネルギーを失って、異物捕集層2内部に深く捕獲されているものと考えられる。
異物粒子4がエネルギーを失う際には熱が発生することから、異物捕集層2の材質としては無機材料が用いられる。形成の容易さ等から、異物捕集層2としてはシリカやマグネシウム合金等が好適に用いられ、融点が高いことからシリカがより望ましい。
さらに、以下のような考察に基づいて本発明の実施形態においては、異物捕集層2の嵩密度を0.2g/cm3以下に規定した。本発明の実施形態にかかる方法から推定すると、異物粒子4の密度は20g/cm3程度以下となる。その異物粒子が異物捕集層2に侵入し始めの時点では、異物粒子4の速度の低下は、異物粒子の密度と異物捕集層の密度との比の平方根に略比例する。異物粒子4が異物捕集層2の表面で分解等して、連続放電の引金にならないためには、衝突によって異物粒子の失う運動エネルギーが1%程度以下であればよい。異物捕集層2の嵩密度が0.2g/cm3以下であれば、こうした条件を満足することができる。
図3に、本発明の実施形態において使用し得る対向電極8の模式図を示す。
一般的には、図3(a)に示すように、ガラス基板6上に、例えばAlからなる導体層7および異物捕集層2を順次形成することによって対向基板8を構成することができる。あるいは、図3(b)に示すように、ガラス基板6上に、異物捕集層2および導体層7を順次形成することもできる。異物粒子4が貫通して異物捕集層2中に確実に捕集されるために、導体層7の膜厚は、0.01〜0.1μm程度とすることが望まれる。
こうした対向電極を用いてリア基板およびアノード基板のコンディショニングを行ない、それらを一体化することによって、画像表示装置が製造される。図4には、本発明の実施形態にかかる画像表示装置の製造方法のフローチャートを示す。アノード基板およびリア基板を個別に作製後、各基板のコンディショニングが実施される。
アノード基板は、例えば、加速電子照射により発光するための蛍光体や、発光効率を上げたり、蛍光体の帯電を防止する目的でメタルバックと呼ばれる金属薄膜層を設けることにより形成される。一方、リア基板側には、電子放出素子用材料が形成されており、素子の駆動を制御するための配線層が形成されている。
各基板のコンディショニングに当たっては、まず、異物捕集層を表面に有する対向電極を用意し、被処理基板としてのアノード基板またはリア基板を対向基板に平行となるように配置する。無機材料としてシリカエアロジェルが用いられる場合には、その膜厚は、0.5mm以上とすることが好ましい。0.5mm未満の場合には、上述したような異物捕集層としての十分な機能を確保することが困難になるおそれがある。対向電極を被処理基板と平行に対向させるには、例えば、電圧が印加されない領域にスペーサ―などの支持材料を挿入すればよい。支持材料としては、例えば1.6mm程度の厚さのガラス等からなる部材を使用することができる。
高圧電源から両基板に電圧を印加すると、上述したようなメカニズムによって、異物粒子は対向電極上へ飛翔してくる。対向電極上に飛翔した異物粒子は、異物捕集層に衝突することになるが、図2の模式図を参照して説明したように、異物捕集層は容易に変形する。その結果、単一異物による連続的な放電は抑制され、被処理基板を損傷することなく、異物捕集層で異物粒子を捕獲することができる。
コンディショニング後には、アノード基板とリア基板を対向させて画像表示装置の元になるセルを作製する。なお、コンディショニング後のリア基板およびアノード基板は、大気中に曝すことなく、一体化することが望まれる。すなわち、リア基板とアノード基板との一体化する工程の直前に、コンディショニングが行なわれることが好ましい。これによって、ガスの再吸着を防止し、放電の可能性をより下げることができる。さらに、駆動用回路をリア基板側配線に接続し、アノード側に高圧電源を接続することによって、画像表示装置が得られる。
こうして製造される画像表示装置の一例の部分切開斜視図を、図5に示す。図示する画像表示装置は、内部に真空な空間を形成した外囲器21と、外囲器21内に収容されたリア基板23とアノード基板24で主に構成されている。
外囲器21は、一主面にカソード22が取り付けられたリア基板23、リア基板23に対向して配置されたアノード基板24、およびリア基板23と蛍光体を形成したアノード基板24との間に介在した枠体25を有している。リア基板23と枠体との間、およびアノード基板24と枠体25との間は、例えば、フリットガラスなどによって封止されている。
アノード基板24は、ガラス基板26と、ガラス基板26上のカソード22との対向面に形成された蛍光膜27と、蛍光膜27上に形成されたメタルバック28とを有している。蛍光膜27は、画素に対応した形成された青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体および赤色発光蛍光体を含む層を有し、これらの間は黒色導電材により分離されている。メタルバック28は、Al膜などの導電性薄膜から形成することができる。メタルバック28は、蛍光膜27で発生した光のうち、電子源となるリア基板22方向に進む光を反射して輝度を向上させる。さらに、メタルバック28はアノード基板24の画像表示領域に導電性を与えて電荷が蓄積されるのを防ぐ機能を有し、リア基板23上のカソードに対してアノード電極の役割を果たす。
なお、図中、参照番号29は、メタルバック28に電気的に接続された高圧端子を示している。蛍光膜27はカソード22からの電子線照射によって発光する蛍光体を含有しており、メタルバック28は、蛍光体からの発光をガラス基板26側へと反射すること、電子ビームを加速するための電場を形成すること、および外囲器21内で発生した陰イオンが衝突することにより蛍光膜27がダメージを受けるのを防止することなどを目的として設けられている。メタルバック28は必ずしも設ける必要はなく、その代わりに、蛍光膜27とガラス基板26との間にITO膜のような透明電極を設けてもよい。また、メタルバック28と透明電極とを組み合わせて使用してもよい。
リア基板23、アノード基板24、および枠体25は、外囲器21の内側と外側との間の圧力差に対して十分な強度を有している必要がある。上述した圧力差に対する外囲器21の強度を向上させるために、リア基板23とアノード基板24との間にスペーサをさらに介在させてもよい。
リア基板23は、電子放出素子を複数個、マトリクス状に配列した構造を有している。リア基板23上で縦横に延在し且つ互いに電気的に絶縁された複数本の配線11aおよび11bが設けられている。
電子放出素子は真空中で動作させるので、アノード基板24とリア基板23と枠体25とで構成される外囲器21の内部は、高真空度(例えば気圧が1×10-5Pa以下)に保たれなければならない。そのため、外囲器を組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させる必要があり、通常、フリットガラスを用いた封着が行なわれている。例えば、各部材の接合部にフリットガラスを塗布した後、電気炉に収容し大気中でフリットガラスの融点以上の温度に加熱することにより、封着を行なう。封着が終了した後、リア基板23に設けられた排気用の細管を介して、外囲器内部を真空に排気しながらベーキングすることにより脱ガスを十分に行なう。続いて、排気用細管の端部を封止し、最後にゲッター処理を施す。こうして、排気、脱ガス、エージングなどの各工程を経て画像表示装置が完成する。
このような画像表示装置では、電子放出素子本体15の大きさがマイクロメートルオーダーであり、リア基板23とアノード基板24との間隔をミリメートルオーダーにすることができる。このため、現在テレビやコンピューターディスプレイして使用されている陰極線管などと比較して、高解像度化、軽量化、および薄型化を達成することができる。
このディスプレイによる表示は、例えば、メタルバック28を所定の正電位に維持しつつ、電子放出素子本体15に印加する電圧を閾値電圧未満の電圧と閾値電圧以上の電圧との間で変化させることにより行なうことができる。すなわち、素子本体15に印加する電圧を閾値電圧以上とすると、素子本体15の電子放出部から電子が放出される。この電子はメタルバック28が形成する電場によって十分に加速され、蛍光膜27に含まれる蛍光体を励起する。これにより、蛍光膜27中の蛍光体が発光し、その蛍光はアノード基板24側から表示光として観察される。
本発明の実施形態にかかる方法においては、一体化前のリア基板およびアノード基板は、異物捕集層を表面に有する対向電極を用いてコンディショニングが施されるので、基板上の異物粒子を確実に除去して連続放電を防止し、画像欠陥のない良好な表示が可能となった。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
まず、リア基板を作製し、コンディショニングを行なった。
リア基板の作製に当たっては、洗浄した青板ガラス基板の表面に、厚さが0.3μmのSiO2層をスパッタリングにより形成し、その上に、Ti層(膜厚:5nm)および厚さ100nmのNi層(膜厚:100nm)をスパッタリング法により堆積した。さらに、フオトリソグラフィー法を用いて、間隔が20μmの表面伝導型電子放出素子用電極を形成した。
続いて、Cr膜およびCu膜を蒸着法により形成し、フオトリソグラフィー法を用いて、配線層を形成した。配線幅は、最も狭いところで240μm、厚さは約0.3μmである。
次に、パラジウム化合物を主成分とした低粘度溶液をスピンコータで塗布し、均一なパラジウム化合物膜を形成した。化合物膜厚は約15nmである。この化合物膜を、フオトリソグラフィー法によりパターニングし、幅50μmのパラジウム化合物膜パターンを形成した。
一方、ガラス基板上に嵩密度0.05g/cm3のシリカシートを接合し、さらに、その上に10nmの膜厚でAl膜を蒸着して対向電極を準備した。
リア基板と対向電極とを、1.3mmのギャップを設けて図1に示したように離間して配置した。高圧電源5より電圧を印加することによって、コンディショニングを開始した。目視により放電発光を観察しつつ、直流電圧を0.5kVステップで1分ずつ上げ、最終的に14kVまで上げて10分間保持して終了した。この間、放電発光は何等確認されなかった。
コンディショニング後、対向電極を光学顕微鏡により観察したところ、アルミニウム元素を含む異物等、様々な形状の異物の付着が認められた。
比較のために、鏡面仕上げしたステンレス基板を対向電極として用いた以外は、前述と同様にしてリア基板のコンディショニングを行なった。その結果、印加電圧が9kV付近から放電発光が確認された。この発光は、保持時間を長くすることで消えることもあるが、消失後に更に印加電圧を上昇させると、再度別の部位が発光することが確認された。14kV印加では、連続的に放電が生じ、リア基板上のCu導体層が変色して、あばたのような性状を示すという不具合も一部で観測された。
本実施形態にかかるコンディショニングにより、リア基板の性状を損なうことなく、また放電発光も伴わずに異物の除去が可能であることが確認された。
次に、アノード基板を作製し、コンディショニングを行なった。
アノード基板の作製に当たっては、洗浄した青板ガラス基板の表面に、電子線を加速させるために必要な高圧を印加する高圧取り出し部、メタルバック(アノード)、および蛍光膜を形成した。高圧取り出し部は、リア基板における電極部とは反対方向に形成した。さらに、蒸着によりCr膜を堆積し、フォトリソグラフィー法によりこれをパターニングして、配線層を形成した。線幅は、最も狭いところで0.5mmである。アノード基板上の高圧印加部のガラス部に、蛍光体を沈降法で形成し、乾燥し、メタルバック層としてAlをマスク蒸着して形成した(厚さ0.1μm)。なお、沈降法とは、蛍光体粒子が分散された溶媒中に基板を静置し、蛍光体粒子が沈降・堆積することで形成する方法である。
前述と同様の対向電極を用い、目視により放電発光を観察しつつ、リア基板の場合と同様の条件で電圧を印加してアノード基板のコンディショニングを行なった。この間、放電発光は何等確認されなかった。
コンディショニング後、対向電極を光学顕微鏡により観察したところ、アルミニウム元素を含む異物等、様々な形状の異物の付着が認められた。
比較のために、鏡面仕上げしたステンレス基板を対向電極として用いた以外は、前述と同様にしてアノード基板のコンディショニングを行なった。その結果、印加電圧が6kV付近から放電発光が確認された。この発光は、保持時間を長くすることで消えることもあるが、消失後に更に印加電圧を上昇させると、再度別の部位が発光することが確認された。12kV印加では連続的に放電が生じ、アノード基板上の蛍光体が剥落したり、Cr配線層が断線したりするといった不具合も一部で観測された。
本実施形態にかかるコンディショニングにより、アノード基板の性状を損なうことなく、また放電発光も伴わずに、異物の除去が可能であることが確認された。
このように、リア基板およびアノード基板に対して、本発明の実施形態にかかるコンディショニングを実施した後、リア基板に対して真空中で電子放出素子を形成後、両者を対向させて、図5に示したような画像表示用容器を作製した。
得られた画像表示用容器のカソード配線に通電し、アノード基板側に高圧を印加することにより、所定の輝点を表示させて画像の欠陥の有無を調査した。その結果、画素欠陥は確認されなかった。これにより、コンディショニング工程において、異物が有効に除去されたことが判明した。この状態で、1200時間の耐久試験を行なったが、その間、素子破壊やストレーエミッションは発現せず、良好な状態を維持することができた。
本発明の一実施形態にかかる方法におけるコンディショニングを表わす概略図。 衝突の際の異物粒子および異物捕集層を模式的に示す図。 本発明の実施形態において使用し得る対向電極8の模式図。 本発明が適用可能な画像表示装置を製造するフローチャート。 本発明の一実施形態にかかる方法により製造された画像表示装置の一部切り欠き図。
符号の説明
1…被処理基板(アノード基板またはリア基板); 2…異物捕集層
3…平板材料; 4…異物粒子; 5…高圧電源; 6…ガラス基板; 7…電極層
8…対向電極; 11a…X配線; 11b…Y配線; 15…電子放出素子
21…外囲器; 22…カソード; 23…リア基板; 24…アノード基板
25…枠体; 26…ガラス基板; 27…蛍光膜; 28…メタルバック
29…電圧端子; 32…X配線; 33…Y配線。

Claims (4)

  1. 冷陰極型電子放出素子を有するリア基板を形成する工程と、
    電子線により発光する発光部材およびアノードを有するアノード基板を形成する工程と、
    0.2g/cm3以下の嵩密度を有する無機材料からなる異物捕集層を表面に有する対向電極を形成する工程と、
    前記リア基板または前記アノード基板を被処理基板として、前記対向電極に離間して平行に配置し、前記被処理基板と前記対向電極との間に電圧を印加して、前記異物捕集層が変形することにより異物を捕集するコンディショニング工程と、
    枠体を介して、前記リア基板および前記アノード基板を一体化する工程とを具備することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  2. 前記対向電極は、前記異物捕集層の表面に導体薄膜を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 前記コンディショニング工程は、前記リア基板と前記アノード基板とを一体化する工程の直前に真空中で行なうことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  4. 前記対向電極における異物捕集層を構成する無機材料は、シリカおよびマグネシウム合金からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
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