JPH11317181A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH11317181A
JPH11317181A JP12138898A JP12138898A JPH11317181A JP H11317181 A JPH11317181 A JP H11317181A JP 12138898 A JP12138898 A JP 12138898A JP 12138898 A JP12138898 A JP 12138898A JP H11317181 A JPH11317181 A JP H11317181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
face plate
electron
forming apparatus
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP12138898A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisafumi Azuma
尚史 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP12138898A priority Critical patent/JPH11317181A/ja
Publication of JPH11317181A publication Critical patent/JPH11317181A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界の攪乱や放電を防止し、高精細化/高色
純度、及び平板型画像形成装置の信頼性を向上すること
を課題とする。 【解決手段】 電子放出素子群を搭載したリアプレート
と、該電子放出素子群から放出される電子線の照射によ
り画像が形成される蛍光体と導電体からなる画像形成部
材を搭載したフェースプレートと、前記リアプレートと
前記フェースプレート間の側壁部からなる表示パネルを
少なくとも有する画像形成装置において、前記電子線が
照射される最外周縁部から側壁部側へ向かって、該フェ
ースプレート上の導電体を、次式、 W≧2αH (ここに、αは前記フェースプレート上の画像形成部材
の構成に依存するパラメータであり、α=0.6〜1で
あり、Hは該フェースプレートと該リアプレート間の距
離である)で示す距離W以上に設定したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子源を用いた平板
型画像形成装置に関し、気密容器の最外周縁部から側壁
部側に至る距離を特徴化した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大きく重いブラウン管に代わる画
像表示装置として、軽く、薄型のいわゆるフラットディ
スプレイが注目されている。フラットディスプレイとし
ては液晶表示装置(Liquid Crystal Display)が盛んに
研究開発されているが、液晶表示装置には自発光でなく
画像が暗い、視野角が狭いといった課題が依然として残
っている。液晶表示装置に代わるものとして、電子源よ
り放出される電子ビームを蛍光体に照射して、蛍光を発
生させることで画像を表示する自発光型のフラットディ
スプレイは、液晶表示装置に比べて明るい画像が得られ
るとともに、視野角も広い、更に、大画面化、高精細化
の要求にもこたえ得ることから、そのニーズが高まりつ
つある。
【0003】電子線を用いた自発光型平板状画像表示装
置は、例えばフェースプレート(Face Plate)とリアプ
レート(Rear Plate)に挟まれた真空パネル内に、電子
ビームを発生する電子放出素子を配して構成されるもの
である。電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を
用い、該電子ビームを加速して蛍光体に照射し、蛍光体
を発光させて画像を表示させる薄型の画像表示装置が、
本出願人により出願されている(特開平3−26102
4号公報)。
【0004】図7は、上述の表面伝導型電子放出素子を
用いた平板状画像表示装置の従来例を示す模式的断面図
である。図7において、701は青板ガラス等の絶縁材
で構成される基板、702は表面伝導型の電子放出素子
である。703は基板701上に形成された絶縁層、7
04は絶縁層703上に形成され、電子ビームが通過す
る孔を持った変調電極であるところのグリッドである。
705は導電性向上のため設けられた透明導電膜711
と、アルミニウム薄膜のメタルバック710で覆われた
蛍光体706がパネル内側に設置された青板ガラスから
なるフェースプレート、708はフリットガラスであ
り、側壁部709を挟んでフェースプレート705と基
板701が封着され、真空外囲器を構成している。
【0005】ここで、表面伝導型電子放出素子702、
グリッド704は外部駆動回路(不図示)に接続され、
メタルバック710と透明導電膜711は高圧電源(不
図示)に接続されている。
【0006】図5は表面伝導型の電子放出素子702の
構成を詳細に示す模式図である。図5において、52
2,523は一定の間隔Lを隔てて設置された素子電
極、524は例えば有機Pdを塗布することによって形
成された薄膜である。525は電子を放出する電子放出
部で、フォーミングと呼ばれる通電処理によって形成さ
れる。ここで、フォーミングとは、素子電極522,5
23間に電圧を印加通電し、局所的に前記薄膜524を
破壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態に
した電子放出部525を形成することである。
【0007】なお、電子放出部525としては、薄膜5
24の一部に発生した亀裂を用いることもある。この場
合には、その亀裂付近から電子放出が行われる。この
他、表面伝導型電子放出素子の薄膜としてSnO2 膜を
用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“Thin S
olid Films",9,317(1972)]、In2 3 /SnO2
膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:“IEEE Tr
ans.ED Conf."519(1975)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木 久他:真空,第26巻,第1号,22頁(19
83)]等が報告されている。
【0008】上述の画像表示装置は、気密容器内部の圧
力がおおよそ10-6Torrの真空に維持され、外部駆
動回路によって、図5に示した素子電極522,523
に駆動パルス電圧が印加されると、電子放出部525か
ら電子が電子ビーム状に放出される。該電子ビームはグ
リッド704を通過し、高圧電源から蛍光体706とメ
タルバック710、透明導電膜711に印加された正の
高電圧によって加速され、蛍光体706に衝突して蛍光
を発する。前記電子ビームは駆動回路がグリッド704
に印加する電圧によって制御することができ、それによ
って蛍光体の発光状態が制御され、所望の画像が表示さ
れる。
【0009】なお、電子源として表面伝導型電子放出素
子を用いたもののほか、熱カソードを用いた熱電子源、
電界放出型電子放出素子[W.P.Dyke & W.W.Dolan、“Fie
ld emission"、Advance in Electron Physics,8,89(195
6)や、G.A.Spindt、“PhysicalProperties of thin-film
field emission cathodes with molybdenium cones"、
J.Appl.Phys.,47,5248 (1976)等]、金属/絶縁層/金
属型電子放出素子[C.A.Mead,“The tunnel-emission a
mplifier",J.Appl.Phys.,32,646(1961)等]を用いたも
のが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような平板型画像
表示装置においては、メタルバックに印加された電圧値
にもよるが、図6に示すように電子線の衝突により可視
光を発する蛍光体とブラックストライプからなる画像形
成部材606と、光反射層であるアルミ製のメタルバッ
ク610に照射された電子ビームのおよそ20%弱が電
子源の方向である後方に散乱され、高圧印加された電界
によりメタルバック610に再突入する。さらに、この
後方散乱電子線の一部は、ガラス等の絶縁物からなるフ
ェースプレート605、絶縁材の側壁部609を衝撃
し、二次電子放出や吸着ガス脱離によるガス放出が生じ
る。絶縁物の二次電子放出効率は導体、半導体に比較し
て、一般に大きいため、絶縁物表面の帯電が生じ、電界
を攪乱してしまう。この電界の攪乱により、所望の電子
線軌道が得られなくなってしまう。また、薄型大画面の
気密容器内で、二次電子により吸着ガスが放出される
と、電子なだれにより放電が生じやすくなり、リアプレ
ート601側の電極や配線、更には電子放出素子へ損傷
を与えることがあった。
【0011】こうした電界の攪乱や放電は平板型画像形
成装置において、高精細化/高色純度、さらには平板型
画像形成装置の信頼性に関わる大きな問題点であった。
【0012】本発明では、平板型画像形成装置の画像形
成部材を衝撃する背面反射電子線の軌道を一般化して求
め、上述した技術的課題を解決する方法を示している。
そして、高精細/高色純度、かつ高信頼性の平板型画像
表示装置を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明の発明特定事項を以下に示す。
【0014】電子放出素子群を搭載したリアプレート
と、該リアプレートと対向して配置されるとともに該電
子放出素子群から放出される電子線の照射により画像が
形成される蛍光体と導電体からなる画像形成部材を搭載
したフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェ
ースプレート間の側壁部からなる表示パネルを少なくと
も有する画像形成装置において、該電子線が照射される
最外周縁部から側壁部に向かって、該フェースプレート
上の導電体を次式 W≧2αH (ここに、αは該フェースプレート上の画像形成部材の
構成に依存するパラメータであり、α=0.6〜1であ
る。Hは該フェースプレートと該リアプレート間の距離
である。)で示す距離W以上に設定したことを特徴とす
るものである。
【0015】さらに、上記画像形成装置において、前記
側壁部と該導電体よりも外側に設置したことを特徴とす
るものである。
【0016】また、上記画像形成装置において、前記フ
ェースプレート上の導電体が該蛍光体のリアプレート側
に設置されたアルミニウム薄膜であることを特徴とする
ものや、前記フェースプレート上の導電体が該蛍光体の
フェースプレート側に設置された透明導電膜であること
を特徴とするもの、前記フェースプレート上の導電体が
該蛍光体に混入された導電性粒子、又は該蛍光体を被覆
した導電性薄膜であることを特徴とするもの、前記フェ
ースプレート上の導電体が導電性のブラックストライプ
であることを特徴とするものも本発明に含む。
【0017】さらに、前記フェースプレート上の導電体
が上述の組合わせからなることを特徴とするものも本発
明に含む。
【0018】上記のいずれの画像形成装置においても、
前記電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用い
ることを特徴としたものも本発明に含む。
【0019】[作用]本発明の発明特定事項通りに構成
された画像形成装置においては、最外周縁部の電子放出
素子を駆動した際にも、蛍光体等の画像形成部材にて後
方散乱された電子線が、絶縁物であるフェースプレー
ト、側壁部等の画像形成部外に入射することがない。こ
れにより、電界に攪乱を与える帯電や電極や電子放出素
子に損傷を与える放電等が激減し、高精細/高色純度、
高解像度、さらには平板型画像形成装置の信頼性/安全
性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1に本発明
の一実施形態を示す。図1において、101は絶縁材の
青板ガラスで構成される基板、102は表面伝導型の電
子放出素子である。103は基板101上に形成された
絶縁層、104は絶縁層103上に形成され、電子ビー
ムが通過する孔を持った変調電極であるところのグリッ
ドである。105は導電性向上のため設けられた透明導
電膜であるITO膜111とアルミニウム薄膜のメタル
バック110で覆われた蛍光体106がパネル内側に設
置された青板ガラスからなるフェースプレートである。
【0021】また、108は溶融して接着剤となるフリ
ットガラスであり、側壁部109を挟んでフェースプレ
ート105と基板101が封着され、表示パネルを構成
している。なお、導電体であるメタルバック110とI
TO膜111は、最外周縁部の表面伝導型電子放出素子
102から放出された一次電子線の入射位置から側壁部
109側へ向かってWの位置まで設置されており、W>
2αHである。ここに、α=0.6〜1、Hは側壁部1
09の高さ、すなわちフェースプレート105とリアプ
レート101の間隔に等しい。
【0022】さらに、導電体であるメタルバック110
とITO膜111の外側に、側壁部109が設置され
る。なお、ITO膜111はアルミニウム薄膜のメタル
バック110の導電性が十分確保されている場合には、
省略しても特に問題はない。
【0023】次に、本実施形態の理論的背景を示すため
に、フェースプレート105の側壁部109近傍の拡大
詳細図を、図2に示す。図2において、205は導電性
向上のため設けられた透明導電膜であるITO膜211
とアルミニウム薄膜のメタルバック210で覆われた蛍
光体206がパネル内側に設置された青板ガラスからな
るフェースプレートである。最外周縁部の電子放出素子
202から放出された一次電子が、入射方向からθの角
度でメタルバック210側から後方散乱され、後方散乱
電子が平行電界により再加速されている様子を模式的に
表している。Hはフェースプレート205とリアプレー
ト201の間隔であり、側壁部209の高さに等しい。
Wは一次電子線が照射される蛍光体206の周縁部か
ら、導電体であるメタルバック210とITO膜211
の端部までの距離を表している。
【0024】図2に示すように、一次電子線が入射する
アルミメタルバック210上の点を原点により、x軸、
y軸を図の通りに考えると、後方散乱角θで後方散乱し
た電子線の軌道は、
【0025】
【数1】 となる。ここに、ν0 は後方散乱電子線の後方散乱直後
の速度の絶対値、e,mはそれぞれ、電子の電荷、質量
である。Ey ,tはy方向電界強度と時間である。な
お、ここでは平行電界を仮定しており、x方向の電界強
度Ex =0としている。
【0026】次に、電子線が電界に再加速されて、着地
(y=0)するまでの距離x(θ)=Wを求める。その
ために、次の関係を用いて、上式に代入、変形すると、
【0027】
【数2】 となる。ここに、α,Va はそれぞれ、一次電子線と後
方散乱電子線のエネルギー比、フェースプレートに印加
された一次電子線の加速電圧である。また、αは一次電
子線が入射する部材の材質、形状、構成等に大きく依存
し、一般にα=0.6〜1である。
【0028】また、距離Wは、θ=π/4にて次式で表
される最大値をとり、 W=2αH から得られる。すなわち、周縁部で生じた後方散乱電子
線は周縁部から、最大2αHの距離に再着地することが
わかる。従って、後方散乱電子線が散乱しない範囲に絶
縁物が存在しないようにすれば、特に静電誘導の発生に
よる電界の擾乱の起因を削除できることになる。
【0029】なお、本発明では、平行電界を仮定してお
り、電界が平行電界からずれる場合には、適当な手法に
て背面散乱電子線の軌道計算を行い、本実施形態と同様
な方法にて、後方散乱電子線の最大到達地点を決定する
ことが可能である。
【0030】以上の考察に基づき、画像形成部の周縁部
から2αH以上に導電体を配し、さらにその外側に側壁
部を配置することにより、後方散乱電子線が画像表示エ
リア外のガラス等の絶縁部や側壁部に衝突することがな
くなる。そして、二次電子放出やガス放出等に伴う帯電
や放電が減少し、平板型画像形成装置の高精細化/高色
純度化、そしてデバイスとしての信頼性が向上する。
【0031】第1の実施形態に基づいた画像形成装置の
作製方法について、図1を参照しながら説明する。
【0032】まず、表面伝導型電子放出素子102の作
製方法について、図5を参照しながら述べる。基板50
1を十分に洗浄後、真空蒸着技術、フォトリソグラフィ
技術(エッチング、リフトオフ等の加工技術も含む)に
より、該基板501の面上にニッケル等の素子電極52
2,523を、例えば素子電極間隔L=2μm、素子電
極長さW=300μm、素子電極522,523の膜厚
d=1000オングストロームの大きさで形成する。素
子電極522,523の材料としては導電性を有するも
のであれば金属、半導体等どのようなものであってもよ
い。
【0033】次に、基板501上に設けられた素子電極
522と素子電極523との間に、有機金属溶液を塗布
して放置することにより、有機金属薄膜を形成する。な
お、有機金属溶液とは、前記Pd、Ru、Ag、Au、
Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、
W、Pb等の金属を主元素とする有機化合物の溶液であ
る。この後、有機金属薄膜を加熱処理し、リフトオフ、
エッチング等によりパターニングして、図5に示すよう
な薄膜524を形成する。なお、薄膜524の材質は上
述した例のみに制限されるものではなく、Pd、Ru、
Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、S
n、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2 、In
2 2 、PbO、Sb2 3 等の酸化物、HfB2 、Z
rB2 、LaB6 、CeB6 、YB4 、GdB4 等の硼
化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC
等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、S
i、Ge等の半導体、カーボン、AgMg、NiCu、
Pb、Sn等でもよい。
【0034】さらに、電子放出部を含む薄膜524の形
成法は、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、
分散塗布法、ディッピング法、スピナー法等が適用可能
で、要するに薄膜が形成できれば特に作製方法は問わな
い。
【0035】なお、電子源として表面伝導型電子放出素
子のほか熱カソードを用いた熱電子源、電界放出型電子
放出素子、金属/絶縁層/金属型(MIM型)電子放出
素子(MIM型)、金属/絶縁層/半導体型(MIS
型)電子放出素子等、要するに電子を放出する素子であ
れば特に制限されない。
【0036】次いで、表面伝導型電子放出素子102に
電力を供給するための配線(不図示)を形成する。ま
ず、Au、Cu、Al等の金属の蒸着、スパッタ等の手
段を用い、数μm程度の厚さで成膜し、フォトリソグラ
フィ技術(エッチング、リフトオフ等の加工技術も含
む)によって素子電極522,523に重なるように配
線を施す。さらに、前記配線の端は外囲器外に出てお
り、外部と電気的接続ができるようになっている。な
お、ここで配線の作製方法はこの他、メッキ法、導電性
ペーストを用いた印刷法等他の手段も適用でき、作製手
段は特に制限されない。
【0037】次に、フェースプレート周辺の作製方法に
ついて図1を参照して説明する。まず、フェースプレー
ト105に透光性導電膜であるところのITO膜111
をスパッタ法にて数百オングストロームの膜厚に成膜す
る。ブラックストライプと蛍光体106を良く知られる
沈降法にて塗布後、焼成を行い、画像表示面を形成す
る。蛍光体106上にアクリルエマルジョンを塗布し
て、いわゆる蛍光面の平滑化処理として知られるフィル
ミングを行った後、アルミニウム薄膜110を数千オン
グストローム程度の厚さに蒸着し、フィルミング成分の
有機物を飛散させるために、空気中で焼成を行う。本実
施形態では、側壁部109の高さH=4mmとしたた
め、画像形成部の周縁部からW=8mm(=2α H=
2×1×4)の距離まで導電体であるITO膜111と
アルミニウム薄膜110を設けてある。なお、比較例と
して、W=4mmとしたフェースプレートも作製した。
【0038】次に、表示パネルの作製方法について説明
する。前述の表面伝導型電子放出素子を搭載した基板1
01と蛍光体を搭載したフェースプレート105を、側
壁部109(高さ4mm)を間に挟み、フェースプレー
ト105、基板101と側壁部109が接する部分に、
それぞれにフリットガラス108を塗布した。十分に位
置合わせを行い、封着温度で所定時間の加熱(本例の場
合は450℃、10分保持)を行い、接着接合した。
【0039】そして、排気管(不図示)を通して表示パ
ネル内の圧力をおよそ10-6Torrに真空排気する。
続いて、導電性薄膜524に電子放出部525を形成す
るフォーミング処理、すなわち素子電極522,523
に通電処理を行い、次に特定のアルゴンガス等を封入し
て電子放出部525を活性化処理する。さらに表示パネ
ル全体を加熱して脱ガス、ゲッタフラッシュ(不図示)
し、排気管を封じ切り、表示パネルを作製した。同様
に、先に比較例として示したフェースプレートを使用し
た比較例用の表示パネルも作製した。
【0040】上述のように作製した表示パネルに外部駆
動回路より電気信号を送って駆動し、電子放出部から画
像信号に応じた電子ビームを放出させ、グリッド104
に所定の電圧を印加し、電子ビームはグリッド104の
空孔を通過し、メタルバックやITOに高電圧を供給し
て、画像を表示させた。
【0041】その結果、本発明に従って作製された平板
型画像形成装置では、比較例として作製した表示パネル
と比較して、画像エリア周辺部の画像の歪み、放電が減
少した。このことは、本発明の正当性を裏付けるもので
ある。
【0042】本実施形態の変形例として、変調電極であ
るグリッド104と絶縁層103を省略した画像形成装
置についても検討した結果、同様の効果が確認された。
【0043】さらに、導電体としてアルミニウム薄膜1
10のみを設け、ITO膜111を省略した構成として
表示パネルを作製した画像形成装置についても検討し
た。十分な導電性を確保するために、アルミニウム薄膜
110の膜厚を先に示した第1の実施形態よりも厚くし
た。その結果、第1の実施形態の場合とほぼ同等のレベ
ルまで画像エリア周辺部の画像の歪み、放電が減少して
いることを確認した。
【0044】なお、上記実施形態において、フェースプ
レート上の導電体は、蛍光体のリアプレート側に設置さ
れたアルミニウム薄膜や、透明導電膜又は導電性薄膜の
それぞれでもよく、また、それらの組合わせであって
も、上記実施形態と同様な効果を奏し得る。また、電子
放出素子として表面伝導型電子放出素子を用いることを
説明したが、表示画像の解像度を得られる冷陰極の電子
放出素子であれば、上記実施形態と同様の特性を得るこ
とができる。
【0045】[第2の実施形態]図3に本発明の第2の
実施形態の表示パネルの断面図を示す。図3において、
301は絶縁材の青板ガラスで構成される基板、302
は表面伝導型の電子放出素子である。303は基板30
1上に形成された絶縁層、304は絶縁層303上に形
成され、電子ビームが通過する孔を持った変調電極であ
るところのグリッドである。
【0046】また、305はアルミニウム薄膜のメタル
バック310で覆われた蛍光体306とコントラスト向
上のため設置された導電性ブラックストライプ307が
パネル内側に設置された青板ガラスからなるフェースプ
レートである。また、308は接着剤となるフリットガ
ラスであり、側壁部309を挟んでフェースプレート3
05と基板301がフリットガラス308を介して封着
され、表示パネルを構成している。
【0047】また、導電体であるメタルバック310と
導電性ブラックストライプ307は、最外周縁部の表面
伝導型電子放出素子302から放出された一次電子線の
入射位置から、側壁部309側へ向かってWの位置まで
設置されており、W>2αHである。ここに、α=0.
6〜1、Hは側壁部309の高さ、すなわちフェースプ
レート305とリアプレート301の間隔に等しい。さ
らに、導電体の外側に側壁部309が設置される。な
お、導電体の導電性が十分確保される場合には、導電性
ブラックストライプ307とアルミニウム薄膜のメタル
バック310のどちらか一方のみを、一次電子線の入射
位置から側壁部309側へ向かってWの位置まで設置す
る構成でも特に問題はない。
【0048】第2の実施形態に基づいた画像形成装置の
作製方法について、図3を参照しながら説明する。表面
伝導型電子放出素子302及び表面伝導型電子放出素子
302等を搭載した基板301の作製方法は、第1の実
施形態と同様である。フェースプレート305の作製方
法は、まずフェースプレート305にカーボン成分の導
電性ブラックストライプ307と蛍光体306を良く知
られる沈降法にて塗布後、焼成を行い、画像表示面を形
成する。続いて、蛍光体306上にアクリルエマルジョ
ンを塗布して、いわゆる蛍光面の平滑化処理として知ら
れるフィルミングを行った後、アルミニウム薄膜のメタ
ルバック310を数千オングストローム程度の厚さに蒸
着し、フィルミング成分の有機物を飛散させるために、
空気中で焼成を行う。
【0049】本実施形態では、側壁部309の高さH=
3mmとしたため、画像形成部の周縁部から、W=6m
m(=2α H=2×1×3)の距離まで、導電体であ
る導電性ブラックストライプ307とアルミニウム薄膜
310を設けてある。続いて、第1の実施形態と同様な
方法で表示パネルを作製した。そして、外部駆動回路よ
り電気信号を送って駆動し、画像を表示させた結果、第
1の実施形態で示した比較例用の表示パネルに比べて、
画像エリア周辺部の画像の歪み、放電が減少した。
【0050】なお、本実施形態の変形例として、変調電
極であるグリッド304と絶縁層303を省略した画像
形成装置についても検討した結果、同様の効果が確認さ
れた。さらに、アルミニウム薄膜のメタルバック310
上のリアプレート301側にグラファイト微粒子膜、或
いはカーボン微粒子膜を設けた構成の画像形成装置につ
いても、第1の実施形態にて示した比較例の画像形成装
置と比較検討した結果、W=5mm(=2αH=2×
0.8×3)でも効果が見られた。これは、グラファイ
ト、或いはカーボンの背面散乱電子線のエネルギー及び
電子線量が小さいことに起因している。
【0051】[第3の実施形態]図4に本発明の第3の
実施形態の表示パネルの断面図を示す。図4において、
401は絶縁材の青板ガラスで構成される基板、402
は表面伝導型の電子放出素子である。403は基板40
1上に形成された絶縁層、404は絶縁層403上に形
成され、電子ビームが通過する孔を持った変調電極であ
るところのグリッドである。また、405は導電性微粒
子が混入された蛍光体406がパネル内側に設置された
青板ガラスからなるフェースプレートである。408は
接着剤となるフリットガラスであり、側壁部409を挟
んでフェースプレート405と基板401がフリットガ
ラス408を介して封着され、表示パネルを構成してい
る。
【0052】また、導電体である導電性微粒子が混入さ
れた蛍光体406は、最外周縁部の表面伝導型電子放出
素子402から放出された一次電子線の入射位置から側
壁部409側へ向かって、Wの位置まで設置されてお
り、W>2αHである。ここに、α=0.6〜1、Hは
側壁部409の高さ、すなわちフェースプレート405
とリアプレート401の間隔に等しい。さらに、導電体
の外側に側壁部409が設置される。
【0053】なお、蛍光体406に混入された導電体の
導電性をさらに増加させる必要がある場合には、透明導
電膜やアルミニウム薄膜のメタルバック等を、それぞれ
導電性微粒子が混入された蛍光体406のフェースプレ
ート405側、リアプレート401側に設置することに
よって回避可能である。
【0054】第3の実施形態に基づいた画像形成装置の
作製方法について、図4を参照しながら説明する。表面
伝導型電子放出素子402及び表面伝導型電子放出素子
402等を搭載した基板401の作製方法は、第1の実
施形態と同様である。フェースプレート405の作製方
法は、まずフェースプレート405に導電性粒子を混入
した蛍光体406を良く知られる沈降法にて塗布後、焼
成を行い、画像表示面を形成する。導電性粒子として
は、In2 3 粒子を使用した。
【0055】本実施形態では、側壁部409の高さH=
4mmとしたため、画像形成部の周縁部から、W=8m
m(=2αH=2×1×4)の距離まで導電体である導
電性粒子を混入した蛍光体406を設けてある。
【0056】続いて、第1の実施形態と同様の方法で表
示パネルを作製した。そして、外部駆動回路より電気信
号を送って駆動し、画像を表示させた結果、第1の実施
形態で示した比較例用の表示パネルに比べて、画像エリ
ア周辺部の画像の歪み、放電が減少した。
【0057】なお、本実施形態の変形例として、変調電
極であるグリッド404と絶縁層403を省略した画像
形成装置について検討した結果、同様の効果が確認され
た。また、導電性粒子の代わりに、蛍光体表面にゾル−
ゲル法にて、In2 3 被膜を施して導電性を付与した
蛍光体[(H.Kominami et al.,“Improvement of LowVol
tage Cathodoluminescent Properties of Zinc Sulfide
Phosphors by Sol-Gel Method",J.J.Appl.35,L1600-L1
602(1966)]を使用した場合にも、同様の効果が得られ
た。
【0058】また、上記実施形態によれば、αは、一次
電子線と後方散乱電子線のエネルギー比であり、また、
該エネルギー比αは一次電子線が入射する部材の材質、
形状、構成等に大きく依存し、一般にα=0.6〜1で
あるが、該エネルギー比αが小さいほど、表示画面の有
効範囲が広がることになる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、平板型画像形成装置に
おいて、一次電子線が画像形成部材に入射する際に生じ
る後方散乱電子線が、最外周縁部の電子放出素子を駆動
した際にも、フェースプレートや側壁部等の絶縁物を衝
撃することがない。これにより、電界に攪乱を与える帯
電や電極や電子放出素子に損傷を与える放電等が激減
し、高精細/高色純度、さらには信頼性/安全性が向上
した平板型画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す画像形成装置の
断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の基本構成を示す断
面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す画像形成装置の
断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す画像形成装置の
断面図である。
【図5】本発明の画像形成装置に適用可能な電子放出素
子の一例を示す模式図である。
【図6】従来の画像形成装置における背面散乱電子線を
示す模式図である。
【図7】従来の画像形成装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
101,201,301,401,501,601,7
01 絶縁性基板 102,202,302,402,602,702 表
面伝導型電子放出素子 103,203,303,403,603,703 絶
縁層 104,204,304,404,604,704 グ
リッド電極 105,205,305,405,605,705 フ
ェースプレート 106,206,306,406,606,706 蛍
光体 110,210,310,610,710 アルミニウ
ム膜 307 ブラックストライプ 108,308,408,708 フリットガラス 109,209,309,409,607,709 側
壁部 111,211,711 ITO膜 522,523 素子電極 524 薄膜 525 電子放出部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子群を搭載したリアプレート
    と、該リアプレートと対向して配置されるとともに該電
    子放出素子群から放出される電子線の照射により画像が
    形成される蛍光体と導電体からなる画像形成部材を搭載
    したフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェ
    ースプレート間の側壁部からなる表示パネルを少なくと
    も有する画像形成装置において、 前記電子線が照射される最外周縁部から側壁部側へ向か
    って、該フェースプレート上の導電体を、次式、 W≧2αH (ここに、αは前記フェースプレート上の画像形成部材
    の構成に依存するパラメータであり、α=0.6〜1で
    あり、Hは該フェースプレートと該リアプレート間の距
    離である)で示す距離W以上に設定したことを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記側壁部を前記導電体よりも外側に設
    置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記フェースプレート上の導電体が、前
    記蛍光体のリアプレート側に設置されたアルミニウム薄
    膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記フェースプレート上の導電体が前記
    蛍光体のフェースプレート側に設置された透明導電膜で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記フェースプレート上の導電体が前記
    蛍光体に混入された導電性粒子、又は前記蛍光体を被覆
    した導電性薄膜であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記フェースプレート上の導電体が導電
    性ブラックストライプであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の
    画像形成装置において、前記フェースプレート上の導電
    体が、アルミニウム薄膜又は透明導電膜又は導電性薄膜
    の組合わせからなることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記電子放出素子として表面伝導型電子
    放出素子を用いることを特徴とした請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の画像形成装置。
JP12138898A 1998-04-30 1998-04-30 画像形成装置 Withdrawn JPH11317181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12138898A JPH11317181A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12138898A JPH11317181A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11317181A true JPH11317181A (ja) 1999-11-16

Family

ID=14809971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12138898A Withdrawn JPH11317181A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11317181A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000052727A1 (fr) * 1999-03-02 2000-09-08 Canon Kabushiki Kaisha Dispositif d'emission de faisceau electronique et dispositif de formation d'image
JP2007115625A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Sony Corp 平面型表示装置
JP2008047511A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 Samsung Sdi Co Ltd 発光装置及び表示装置
US7378787B2 (en) 2004-03-03 2008-05-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Flat panel display device

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000052727A1 (fr) * 1999-03-02 2000-09-08 Canon Kabushiki Kaisha Dispositif d'emission de faisceau electronique et dispositif de formation d'image
US6693376B1 (en) 1999-03-02 2004-02-17 Canon Kabushiki Kaisha Electron beam emitting apparatus with potential defining region and image-forming apparatus having the same
US7180233B2 (en) 1999-03-02 2007-02-20 Canon Kabushiki Kaisha Electron beam emitting apparatus and image-forming apparatus
US7378787B2 (en) 2004-03-03 2008-05-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Flat panel display device
JP2007115625A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Sony Corp 平面型表示装置
JP2008047511A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 Samsung Sdi Co Ltd 発光装置及び表示装置
US7800294B2 (en) 2006-08-14 2010-09-21 Samsung Sdi Co., Ltd. Light emission device and display device using the light emission device as light source
JP4650840B2 (ja) * 2006-08-14 2011-03-16 三星エスディアイ株式会社 発光装置及び表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4115050B2 (ja) 電子線装置およびスペーサの製造方法
JP3187367B2 (ja) 電子装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3014046B1 (ja) 電子線装置及びそれを用いた画像形成装置及び前記電子線装置で用いる部材及び前記電子線装置の製造方法及び前記画像形成装置の製造方法及び前記部材の製造方法
JP2000192017A (ja) 帯電緩和膜及び電子線装置及び画像形成装置及び帯電緩和膜を有する部材及び画像形成装置の製造方法
JP4046959B2 (ja) 電子線発生装置及び画像形成装置
KR20010042995A (ko) 전자선 장치 및 화상 형성 장치
JP3639785B2 (ja) 電子線装置及び画像形成装置
JP3703287B2 (ja) 画像形成装置
JP4865169B2 (ja) スペーサの製造方法
JP2003323855A (ja) 画像形成装置
JP3592070B2 (ja) 画像形成装置
JPH10326579A (ja) 画像形成装置とその製造方法
JP3466870B2 (ja) 画像形成装置の製造方法
US20080238298A1 (en) Image display device
JPH11317181A (ja) 画像形成装置
JP3507394B2 (ja) 電子線装置用スペーサ、その製造方法および画像形成装置
JP3762032B2 (ja) 帯電防止膜の成膜方法及び画像表示装置の製造方法
JP3099003B2 (ja) 画像形成装置
JPH11250840A (ja) 画像形成装置
JP3805265B2 (ja) 電子線装置及び画像形成装置
JP3740296B2 (ja) 画像形成装置
JP3619043B2 (ja) 画像形成装置
JP3647342B2 (ja) 画像形成装置
JP3825925B2 (ja) 帯電防止膜及び表示装置
JP2001332194A (ja) 電子線発生装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20031127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20031225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761