JP4034550B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリアブルピッチのブロックパターンのタイヤを加硫成形する際に生じるブレーカ等のトレッド補強層の波打ち変形を抑制した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばタイヤのトラクション性、排水・排土性等を高めるために、縦主溝と横主溝とによりトレッド面を複数のブロックに区分したブロックパターンを採用する場合が多い。
【0003】
このようなブロックパターンのタイヤでは、ブロック間の空気がタイヤ回転にともない圧縮、開放をくり返し、その時発生するパルス的振動が空気の粗密波を誘発することによりパターンノイズを発生させる。従って、このパターンノイズを軽減するため、タイヤ周方向の長さを違えた複数種類の長さのブロックをバリアブルピッチで配列し、ノイズを広い周波数領域に分散(ホワイトノイズ化)することが広く行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしバリアブルピッチでは、前記長さの差異によりブロックに体積差が生じる。その結果、図12(A)、(B)に示すように、タイヤを加硫金型a内で加硫成形する際、短いブロックbsが配される部分では、横主溝形成用の金型凸部a1によるゴムの押下げ力f1が強く作用し、又長いブロックblが配される部分では、ブロック形成用の金型凹部a2によるゴムの吸上げ力f2が強く作用する。そのため、ブレーカ等のトレッド補強層cに波打ち状の変形が発生し、ゴム厚さを不均一化するなどユニフォミティーや操縦安定性等を損ねるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、ブロックの周方向長さの種類に応じ、ブロック上面の湾曲状態、ブロックを囲む縦主溝および横主溝の壁面の傾斜角度、横主溝の壁面の傾斜角度およびその傾斜状態、或いは横主溝の壁面の傾斜角度およびその溝深さ状態を夫々特定することを基本として、ブロックの体積差を軽減でき、加硫成形時に生じるトレッド補強層への波打ち変形を抑制し、ユニフォミティーや操縦安定性等を向上しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願の第1発明は、タイヤ周方向にのびる縦主溝と該縦主溝に交わる横主溝とによって区分されかつタイヤ周方向長さが異なる複数種類のブロックをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列したブロック列を有する空気入りタイヤであって、
タイヤ回転中心線と直角な周方向断面において、前記ブロックは、ブロック上面とこのブロック上面を挟む両側の横主溝の壁面とが交わる両側の交点を通りかつタイヤ回転中心線に中心を有する基準円弧線に対し、少なくとも前記ブロック上面の中央部は、前記基準円弧線より半径方向内方を通るとともに、
この基準円弧線と前記中央部との間の距離dは、タイヤ周方向長さが大なブロックほど大としたことを特徴としている。
【0007】
また本願第1発明は、前記ブロックが、前記中央部を含む一部又は全部のブロック上面が、前記基準円弧線の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧面、又はタイヤ外側に中心を有する逆クラウンの円弧面からなることにより、前記中央部が前記基準円弧線より半径方向内方を通るとともに
前記距離dをブロックのタイヤ周方向長さで除した平均距離は、タイヤ周方向長さが大なブロックほど大としたことを特徴としている。
【0008】
又本願の第2発明では、前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度α、および縦主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度βが、タイヤ周方向長さが大なブロックほど小としたことを特徴としている。
【0009】
又本願の第3発明では、前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度αがタイヤ周方向長さが大なブロックほど小であり、しかもこの壁面角度αを、前記壁面のタイヤ軸方向両端側から中央側に減じたことを特徴としている。
【0010】
又本願の第4発明では、前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度αがタイヤ周方向長さが大なブロックほど小であり、しかも横主溝の溝深さを、タイヤ軸方向両端側から中央側に増加したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本願第1発明の空気入りタイヤ1Aのトレッドパターンを略示したものであり、トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる縦主溝3と該縦主溝3に交わる横主溝4とによって区分されたブロックBがタイヤ周方向に配列するブロック列Jを形成している。
【0012】
詳しくは、本例では、タイヤ赤道C上に配される内のブロック列J1と、トレッドTE縁に沿って配される外のブロック列J3と、その間に配される中のブロック列J2との5本のブロック列Jを形成した場合を例示している。そして、このなかで、前記内のブロック列J1および中のブロック列J2を、夫々、タイヤ周方向長さLが異なる複数種類のブロックBがタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列するバリアブルピッチのブロック列JVとして形成している。
【0013】
なお本例では、前記ブロック列JVが、タイヤ周方向長さをLl、Lm、Lsとした長中短の3種類のブロックBl、Bm、Bsからなる場合を例示しているが、2種類、4種類、或いはそれ以上の種類のブロックで形成することができる。なお本願でいう、ブロックBの前記タイヤ周方向長さ(以下ブロック長さという場合がある)Lは、ブロック上面Sの周方向長さを意味する。
【0014】
そして、第1発明の実施態様では、図2(A)〜(C)に示すように、タイヤ回転中心線と直角な周方向断面において、前記ブロックBl、Bm、Bsの各ブロック上面Sの少なくとも中央部Scが、基準円弧線Mより半径方向内方を通るとともに、この基準円弧線Mと前記中央部Scとの間の距離dが、ブロック長さLが大なブロックBほど大としたことを特徴としている。
【0015】
すなわち、前記ブロックBlにおける基準円弧線Mと中央部Scとの距離をdl、前記ブロックBmでの距離をdm、前記ブロックBsでの距離をdsとしたとき、dl>dm>ds としている。
【0016】
ここで、前記基準円弧線Mとは、前記ブロック上面Sと、このブロック上面Sを挟む両側の横主溝4、4の各壁面Wyとが交わる両側の交点Q、Qを通りかつタイヤ回転中心線に中心を有する円弧を意味する。
【0017】
従来のタイヤでは、ブロック上面全体が、実質的にこの基準円弧線Mと一致、すなわち基準円弧線M上を通っている。しかし、本実施態様の前記ブロックBl、Bm、Bsでは、前記吸上げ力f2が最も強く作用する中央部Scにおいて、前記距離dl、dm、dsに相当する体積を従来のタイヤに比して減じ、ブロックBl、Bm、Bs間の体積差を軽減している。これにより吸上げ力f2自体が効果的に低減かつ均一化され、所謂ブレーカやバンドなどのトレッド補強層の波打ち変形を効果的に抑制できる。
【0018】
なお前記距離dを確保する手段としては、前記中央部Scを含む一部又は全部のブロック上面Sを、前記基準円弧線Mの曲率半径Rより大きい曲率半径rl、rm、rsを有する凸の円弧面5(図2(A)〜(C)に示す)で形成する、又はタイヤ外側に中心を有する逆クラウン状の凹の円弧面6(図3に示す)で形成する。なお前記中央部Scを含む一部又は全部のブロック上面Sが、平面であっても良く、このとき該平面は、曲率半径∞の円弧面5として考えうる。
【0019】
なお本例では、ブロック上面Sの全部が前記円弧面5で形成され、かつ各曲率半径を、rl>rm>rs とした場合を例示しているが、図4(A)、(B)に示すように、ブロック上面Sの一部を前記円弧面5で形成することもできる。係る場合には、ブロックエッジで過大となる接地圧が緩和され、この接地圧の均一化による偏摩耗の抑制効果によって、ライフ末期になると悪化するユニフォミティについてもその悪化の度合いが軽減されるため好ましい。この観点から、前記円弧面5の巾5Kは、ブロック上面Sの巾SKの0.3〜0.8倍の範囲が望ましい。
【0020】
ここで、本実施態様では、タイヤ周方向長さが最も短いブロックBsだけは、前記基準円弧線M上を通る、すなわち距離ds=0とすることができ、このときには、前記ブロックBsにおける曲率半径rsは、前記曲率半径Rと一致している。又タイヤ周方向長さが最も長いブロックBlにおける前記距離dlについては、その上限は特に規制されないが、振動特性や乗り心地性などの観点から、ブロック長さLlの10%以下が好ましく、前記距離dlは、乗用車用タイヤでは通常、0.8〜1.2mm程度が良い。
【0021】
又前記波打ち変形の抑制効果を高めるために、前記距離dをブロック長さLで除した平均距離d/Lを、ブロック長さLが大なブロックほど大とするのがよい。すなわち、本例では、各ブロックBl、Bm、Bsにおける平均距離dl/Ll、dm/Lm、ds/Lsにおいて、dl/Ll>dm/Lm>ds/Lsとしている。なお前記抑制効果の観点から、前記平均距離dl/Llと平均距離ds/Lsとの比(ds/ Ls)/(dl/ Ll)を0.01〜0.80の範囲とするのも好ましい。
【0022】
なお本例では、一つのブロック列Jに配される横主溝4においては、そのトレッド面上における横溝巾4Kおよびトレッド面からの溝深さ4Dは、互いに略等しく、又前記交点Qにおいてブロック上面S(トレッド面)に立てた法線Nに対する横主溝4の壁面角度αが互いに略等しい場合を例示している。
【0023】
次に、第2発明の空気入りタイヤ1Bのトレッドパターンを図5に略示する。このトレッドパターンにおいても、同様に、内のブロック列J1および中のブロック列J2を、ブロック長さがLl、Lm、Lsの3種類のブロックBl、Bm、Bsをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列するバリアブルピッチのブロック列JVとして形成している。
【0024】
そして、この第2発明の実施態様では、ブロックBは、前記横主溝4の壁面Wyのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度α(図6に示す)、および縦主溝3の壁面Wgのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度β(図7に示す)が、タイヤ周方向長さLが大なブロックBほど小としたことを特徴としている。図6、7では、便宜上、ブロック上面Sを平面として描いている。
【0025】
すなわち、前記ブロックBにおいてタイヤ周方向長さLが最も大なブロックBlにおける前記壁面角度をαl、βl、前記ブロックBmにおける壁面角度をαm、βm、ブロックBにおいてタイヤ周方向長さLが最も小な前記ブロックBsにおける壁面角度をαs、βsとしたとき、αl<αm<αs、かつ βl<βm<βs としている。これによって、ブロックBl、Bm、Bs間の体積差が軽減され、前記波打ち変形抑制効果が発揮される。なおこの効果を充分に達成するために、前記タイヤ周方向長さが最も大なブロックと、タイヤ周方向長さが最も小のブロックの壁面角度αの角度差が1〜3度、壁面角度βの角度差が2〜5度としている。
【0026】
なお本例では、一つのブロック列Jに配される横主溝4において、そのトレッド面上における横溝巾4Kおよびトレッド面からの溝深さ4Dが互いに略等しい場合を例示している。
【0027】
次に、第3発明の空気入りタイヤ1Cのトレッドパターンを図8に略示する。このトレッドパターンにおいても、同様に、内のブロック列J1および中のブロック列J2を、ブロック長さがLl、Lm、Lsの3種類のブロックBl、Bm、Bsをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列するバリアブルピッチのブロック列JVとして形成している。
【0028】
そして、この第3発明の実施態様では、ブロックBは、前記横主溝4の壁面Wyのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度α(図6に示す)がタイヤ周方向長さLが大なブロックほど小であり、しかもこの壁面角度αが、前記壁面Wyのタイヤ軸方向両端側から中央側に向かって減じたことを特徴としている。
【0029】
すなわち、前記ブロックBl、Bm、Bsにおける前記壁面角度を、夫々αl、αm、αsとしたとき、αl<αm<αs とし、これによって、ブロックBl、Bm、Bs間の体積差を低減している。なお壁面角度αl、αm、αsは同一円周線上で比較する。
【0030】
又ブロックBを矩形状に簡略化して示す図9の如く、一つのブロックBにおいても、前記壁面角度αを、タイヤ軸方向両端側の最大の角度αmax から中央側の最小角度αmin に向かって漸減している。これは、加硫成型時、前記タイヤ軸方向両端側では縦主溝3からもゴム流れが発生するため、この両端側での壁面角度αを大とすることによってゴム流れが均一化され、前記吸上げ力f2自体が低減される。従って、前記体積差の軽減と相俟って、前記波打ち変形抑制効果が発揮される。そのために、角度差αmax −αmin は1〜4度の範囲が好ましい。
【0031】
なお本例では、前記縦主溝3の壁面Wgのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度βを、ブロック長さLに関係なく略一定に設定した場合を例示しているが、該壁面角度βを、タイヤ周方向長さLが大なブロックほど小に設定しても良く、さらにはこの壁面角度βを、前記壁面Wgのタイヤ周方向両端側から中央側に向かって減じることが、波打ち変形抑制のために好ましい。
【0032】
次に、第4発明の空気入りタイヤ1Dのトレッドパターンを図10に略示する。このトレッドパターンにおいても、同様に、内のブロック列J1および中のブロック列J2を、ブロック長さがLl、Lm、Lsの3種類のブロックBl、Bm、Bsをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列するバリアブルピッチのブロック列JVとして形成している。
【0033】
そして、この第4発明の実施態様では、ブロックBは、前記横主溝4の壁面Wyのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度α(図6に示す)がタイヤ周方向長さLが大なブロックほど小であり、しかも横主溝4の溝深さ4Dを、タイヤ軸方向両端側から中央側に増加したことを特徴としている。
【0034】
すなわち、前記ブロックBl、Bm、Bsにおける前記壁面角度を、夫々αl、αm、αsとしたとき、αl<αm<αs とし、これによって、ブロックBl、Bm、Bs間の体積差を低減している。
【0035】
又ブロックBを矩形状に簡略化して示す図11の如く、各横主溝4において、その溝深さ4Dを、タイヤ軸方向両端側の最小深さDmin から中央側の最大深さDmax に向かって漸増している。これによって前述と同様に、ゴム流れが均一化され、前記吸上げ力f2自体が低減される結果、前記体積差の軽減と相俟って、前記波打ち変形抑制効果が発揮される。そのために、溝深さの差Dmax −Dmin は1〜3mmの範囲が好ましい。
【0036】
なお本例では、前記縦主溝3の壁面Wgのブロック上面Sに立てた法線Nに対する壁面角度βを、ブロック長さLに関係なく略一定に設定した場合を例示しているが、該壁面角度βを、タイヤ周方向長さLが大なブロックほど小に設定しても良く、さらには縦主溝3の溝深さをタイヤ周方向両端側から中央側に増加することが、波打ち変形抑制のために好ましい。
【0037】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0038】
【実施例】
図1、5、8、10に示すブロックパターンを有するタイヤサイズ215/45ZR17のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、操縦安定性、高速耐久性、ユニフォミティーをテストし比較した。
【0039】
(1)操縦安定性:
供試タイヤを、リム(17×7JJ)、内圧(200kPa)の下で、車両(3000ccの国産乗用車)に装着し、ドライアスファルトのテストコースを走行した時の操縦安定性をドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0040】
(2)高速耐久性:
ドラム試験機を用いて、リム(17×7JJ)、内圧(200kPa)の下でECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ステップスピード方式により実施した。テストは、逐次走行速度を上昇させるとともに、タイヤが破壊したときの速度を従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0041】
(3)ユニフォミティー:
ラジアルフォースバリエーション(RFV)、ラテラルフォースバリエーション(LFV)、コニシティ(CON)をSASOに準拠して測定した。測定値は、サンプルタイヤ各50個の平均値である。
【0042】
【表1】
Figure 0004034550
【0043】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、ブロックの体積差を軽減でき、加硫成形時に生じるトレッド補強層への波打ち変形を抑制し、ユニフォミティーや操縦安定性等を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1発明のタイヤのトレッドパターンの一実施例を示す平面図である。
【図2】(A)〜(C)は各ブロックのブロック上面の周方向断面における輪郭形状を示す断面図である。
【図3】ブロック上面の輪郭形状の他の例を示す断面図である。
【図4】(A)、(B)は、ブロックの中央部の形成状態を説明する平面図である。
【図5】第2発明のタイヤのトレッドパターンの一実施例を示す平面図である。
【図6】(A)〜(C)は、各ブロックの横主溝側の壁面角度を説明する断面図である。
【図7】(A)〜(C)は、各ブロックの縦主溝側の壁面角度を説明する断面図である。
【図8】第3発明のタイヤのトレッドパターンの一実施例を示す平面図である。
【図9】ブロックの横主溝側壁面の傾斜状態を略示する斜視図である。
【図10】第4発明のタイヤのトレッドパターンの一実施例を示す平面図である。
【図11】横主溝の溝深さ状態を略示する斜視図である。
【図12】(A)、(B)は従来技術の問題点を説明する断面図である。
【符号の説明】
3 縦主溝
4 横主溝
4D 横主溝の溝深さ
5 円弧面
6 円弧面
B、Bl、Bm、Bs ブロック
d/L 平均距離
JV ブロック列
M 基準円弧線
N 法線
Q 交点
S ブロック上面
Sc 中央部
Wy 横主溝の壁面

Claims (4)

  1. タイヤ周方向にのびる縦主溝と該縦主溝に交わる横主溝とによって区分されかつタイヤ周方向長さが異なる複数種類のブロックをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列したブロック列を有する空気入りタイヤであって、
    タイヤ回転中心線と直角な周方向断面において、前記ブロックは、ブロック上面とこのブロック上面を挟む両側の横主溝の壁面とが交わる両側の交点を通りかつタイヤ回転中心線に中心を有する基準円弧線に対し、少なくとも前記ブロック上面の中央部は、前記基準円弧線より半径方向内方を通るとともに、
    この基準円弧線と前記中央部との間の距離dは、タイヤ周方向長さが大なブロックほど大とし、
    しかも前記ブロックは、前記中央部を含む一部又は全部のブロック上面が、前記基準円弧線の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧面、又はタイヤ外側に中心を有する逆クラウンの円弧面からなることにより、前記中央部が前記基準円弧線より半径方向内方を通るとともに
    前記距離dをブロックのタイヤ周方向長さで除した平均距離は、タイヤ周方向長さが大なブロックほど大としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ周方向にのびる縦主溝と該縦主溝に交わる横主溝とによって区分されかつタイヤ周方向長さが異なる複数種類のブロックをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列したブロック列を有する空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度α、および縦主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度βがタイヤ周方向長さが大なブロックほど小とし、しかも前記ブロックは、タイヤ周方向長さが最も大なブロックと、タイヤ周方向長さが最も小のブロックの壁面角度αの角度差が1〜3度、壁面角度βの角度差が2〜5度としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. タイヤ周方向にのびる縦主溝と該縦主溝に交わる横主溝とによって区分されかつタイヤ周方向長さが異なる複数種類のブロックをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列したブロック列を有する空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度αがタイヤ周方向長さが大なブロックほど小であり
    しかもこの壁面角度αを、前記壁面のタイヤ軸方向両端側から中央側に減じたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. タイヤ周方向にのびる縦主溝と該縦主溝に交わる横主溝とによって区分されかつタイヤ周方向長さが異なる複数種類のブロックをタイヤ周方向にバリアブルピッチで配列したブロック列を有する空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記横主溝の壁面のブロック上面に立てた法線に対する壁面角度αがタイヤ周方向長さが大なブロックほど小であり、
    しかも横主溝の溝深さを、タイヤ軸方向両端側から中央側に増加したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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