JP2006117080A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い周波数帯のロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】トレッド部10またはサイドウォール部20の段差部形成範囲70に複数の段差部30を設ける。この複数の段差部30は、それぞれ異なる形状で形成されており、少なくとも2種類以上の形状で形成されている。また、この複数の段差部30は空気入りタイヤ1の回転軸からのタイヤ径方向における距離がそれぞれ異なる距離となって配置されており、少なくとも2種類以上の距離で配置されている。これにより、当該空気入りタイヤ1を装着した車両が走行することにより空気入りタイヤ1に振動が発生した場合でも、複数の周波数帯の振動を低減することができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法に関するものである。特に、この発明は、広い周波数帯のロードノイズの低減を図ることのできる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
従来の空気入りタイヤは、当該空気入りタイヤを装着する車両が走行している際に路面の凹凸などにより加振されてロードノイズ等の騒音を発生する場合がある。そこで、従来の空気入りタイヤでは、ロードノイズの振幅の腹に該当する部分に突起等を設け、ロードノイズの発生を抑制している。例えば、特許文献1では、空気入りタイヤのバットレス部に凸部を設けている。これにより、このバットレス部付近に振動モードの腹が存在する200〜400Hz帯の振動が抑制され、この周波数帯のロードノイズの発生を抑制している。
特開2001−130223号公報
しかしながら、上記の空気入りタイヤでは、バットレス部に凸部を設けているため、この部分に振動モードの腹が存在する200〜400Hz帯のロードノイズは抑制されるが、バットレス部以外の部分に振動モードの腹を有するロードノイズ、即ち、200〜400Hz帯以外の周波数帯のロードノイズを抑制することができない。このため、前記空気入りタイヤを装着した車両が走行した際に、200〜400Hz帯以外の周波数帯のロードノイズが発生する虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、ベルト層を含むトレッド部のタイヤ幅方向の両端部から対向し、リムチェックラインが形成されているサイドウォール部がタイヤ径方向内方に向けて形成されている空気入りタイヤにおいて、タイヤ外表面には複数の段差部が形成されており、前記複数の段差部は、タイヤ径方向における回転軸から前記段差部までの距離が2種類以上、或いは前記段差部の形状が2種類以上の形状の少なくともいずれか一方であり、前記タイヤ外表面のうち、前記ベルト層のタイヤ幅方向外方の端部のタイヤ径方向における径と同一の径となる部分から前記リムチェックラインまでの間は段差部形成範囲として形成され、前記複数の段差部は、前記段差部形成範囲に形成されていることを特徴とする。
この発明では、タイヤ外表面の段差部形成範囲に、複数の段差部を設けている。また、この複数の段差部の回転軸からの距離、或いは段差部の形状を2種類以上とし、または、その双方を2種類以上として形成する。これにより、複数の周波数帯の振動モードを分散させることができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記段差部形成範囲は、子午面断面の形状が同一形状となっている部分がタイヤ周方向の1周の長さの0.75倍以下で連続して或いは断続して形成されていることを特徴とする。
この発明では、同一の断面形状で形成されている部分をタイヤ周方向の1周の長さの0.75倍以下にすることにより、複数の周波数帯のロードノイズを抑制している。つまり、段差部形成範囲の断面形状が同一の場合には、その同一の断面形状の部分は同一の単数或いは複数の周波数帯のロードノイズを低減することしかできないが、同一の断面形状をタイヤ周方向1周の長さの0.75倍以下にし、それ以外の部分のサイドウォール部は異なる断面形状にすることにより、異なる周波数帯のロードノイズを低減することができる。この結果、より幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記段差部形成範囲は、子午面断面の形状が同一形状となっている部分がタイヤ周方向の1周の長さの0.03倍以上の長さでタイヤ周方向に連続して形成されていることを特徴とする。
この発明では、同一の断面形状で形成されている部分をタイヤ周方向の1周の長さの0.03倍以上で連続して形成することにより、より確実に複数の周波数帯のロードノイズを抑制している。つまり、同一の断面形状で形成する部分が短過ぎる場合には、その断面形状がロードノイズを低減することのできる形状であっても実際上は低減が困難になる。このため、段差部形成範囲に段差部を設けて当該サイドウォール部の断面形状を、ロードノイズを低減することのできる形状にし、この断面形状をタイヤ周方向の1周の長さの0.03倍以上で連続して形成することにより、有効的にロードノイズを低減することができる。この結果、より確実に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記段差部は、タイヤ径方向における幅が前記段差部形成範囲のタイヤ径方向における長さの0.1倍以上0.5倍以下で形成されていることを特徴とする。
この発明では、段差部のタイヤ径方向における幅を、上記の範囲内の長さにすることにより、より確実に複数の周波数帯のロードノイズを抑制している。つまり、段差部の幅がサイドウォール部のベルト端部からリムチェックラインまでの長さの0.1倍未満の場合には、幅が狭すぎてロードノイズを有効的に低減させることができない。また、段差部の幅が前記ベルト端部からリムチェックラインまでの長さの0.5倍より大きい場合には、幅が大きすぎるため、段差部内に振動モードの腹が生じる虞があり、有効的にロードノイズを低減できない虞がある。このため、段差部のタイヤ径方向における幅をサイドウォール部のベルト端部からリムチェックラインまでの長さの0.1倍以上0.5倍以下で形成することにより、より確実にロードノイズを低減することができる。この結果、より確実に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記段差部は、前記タイヤ外表面から突出した凸部により形成されており、前記凸部の高さは、前記サイドウォール部のうち対向する前記サイドウォール部とタイヤ幅方向において最も離れている部分である最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以上3倍以下で形成されていることを特徴とする。
この発明では、段差部を凸部で形成することにより、トレッド部やサイドウォール部の強度を低下させることなく容易に段差部を設けることができる。また、この凸部の高さをサイドウォール部の最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍未満にした場合には、サイドウォール部からの段差が小さ過ぎるため、凸部を設けた場合でもロードノイズを有効的に低減させることができない。また、凸部の高さを前記最大幅部のサイドトレッドの厚さの3倍よりも大きくした場合には、凸部が大きくなり過ぎ、重量が重くなり過ぎる場合があるのでユニフォーミティが悪化する虞がある。そこで、凸部の高さを前記最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以上3倍以下で形成することにより、空気入りタイヤのユニフォーミティを悪化させることなく、ロードノイズを有効的に低減させることができる。この結果、トレッド部やサイドウォール部の強度の低下を抑制、及び空気入りタイヤのユニフォーミティの悪化を抑制しつつ、有効的に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記段差部は、前記タイヤ外表面から凹んだ凹部により形成されており、前記凹部の深さは、1mm以上で、且つ、前記サイドウォール部のうち対向する前記サイドウォール部とタイヤ幅方向において最も離れている部分である最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以下で形成されていることを特徴とする。
この発明では、段差部を凹部で形成することにより、空気入りタイヤの重量を増加させることなく段差部を設けることができる。また、この凹部の深さを1mmよりも浅くした場合には、当該凹部が形成されている面との段差が小さ過ぎるため凹部を設けた場合でもロードノイズを有効的に低減させることができない。また、凹部の深さをサイドウォール部の最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍よりも深くした場合には、当該凹部が設けられている部分のサイドトレッドの厚さが薄くなり過ぎ、サイドウォール部の強度が低減してしまう虞がある。そこで、凹部の深さを前記最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以下にすることにより、サイドウォール部の強度を低下させることなく、ロードノイズを低減させることができる。この結果、空気入りタイヤの重量の増加を抑制、及びトレッド部やサイドウォール部の強度の低下を抑制しつつ、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤの設計方法は、タイヤ外表面のうち、ベルト層のタイヤ幅方向外方の端部のタイヤ径方向における径と同一の径となる部分からサイドウォール部に形成されたリムチェックラインまでの間の範囲である段差部形成範囲に段差部が設けられていない測定用空気入りタイヤの振動特性を測定する初期振動特性測定手順と、タイヤ径方向における回転軸からの距離が2種類以上、或いは形状が2種類以上の少なくともいずれか一方で形成される測定用段差部を段差部測定用空気入りタイヤの前記段差部形成範囲に均一に形成する測定用段差部形成手順と、前記測定用段差部を形成した前記段差部測定用空気入りタイヤの振動特性を測定する測定用段差部振動特性測定手順と、前記初期振動特性測定手順で測定した結果と前記振動特性測定手順で測定した結果とに基づき、前記初期振動特性測定手順で測定した結果よりも特定周波数帯の振動が強くならない複数の段差部を組合せる段差部選択手順と、前記段差部選択手順で組合せた前記複数の段差部を空気入りタイヤの前記段差部形成範囲にタイヤ周方向に沿って配置する位置を決定する段差部配置位置決定手順と、を含むことを特徴とする。
この発明では、段差部が設けられていない測定用空気入りタイヤの振動特性を測定し、異なる形態の測定用段差部を設けた測定用空気入りタイヤの振動特性を測定した後、これらの測定結果に基づいて段差部を選択して組み合わせることにより、任意の振動特性を有する空気入りタイヤを設計することができる。このため、一部の周波数帯の振動が大きくなるのを抑制し、幅広い周波数帯の振動を低減したい場合には、測定用段差部振動特性測定手順での測定結果に基づいて段差部を組み合わせ、段差部を配置する位置を決定することにより、そのような特性の段差部を有する空気入りタイヤを設計することができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、前記空気入りタイヤの設計方法に基づいて形成した金型によって成型し、加硫することによって上述した空気入りタイヤを製造することを特徴とする。
この発明では、上記の空気入りタイヤの設計方法で設計した形状で空気入りタイヤを成型することにより、任意の振動特性を有する空気入りタイヤを製造することができる。これにより、空気入りタイヤの設計方法で、幅広い周波数帯の振動を低減する段差部を有する空気入りタイヤを設計した場合には、その特性を有する空気入りタイヤを製造することができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
本発明にかかる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法は、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法並びに空気入りタイヤの製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤのタイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、前記タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向をいう。また、タイヤ外表面とは、空気入りタイヤの表面のうちの外側の面、即ち、トレッド部とサイドウォール部とビード部とにおいてインナーライナが設けられている側の面の反対側の面のことをいう。図1は、本発明に係る空気入りタイヤをサイドウォール部の方向から見た状態を示す図である。図2は、図1のA−A断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部10が設けられており、このトレッド部10のタイヤ径方向内方には、ベルト層15が設けられている。また、前記トレッド部10のタイヤ幅方向の端部からタイヤ径方向の内方側の所定の位置までは、サイドウォール部20が設けられており、さらに、このサイドウォール部20のタイヤ径方向内方側にはビード部40が設けられ、このビード部40には、ビード41が設けられている。また、このサイドウォール部20は、前記トレッド部10のタイヤ幅方向における両端部からタイヤ径方向の内方側に設けられており、双方のサイドウォール部20はタイヤ幅方向において対向して形成され、さらに、それぞれのサイドウォール部20は、タイヤ幅方向外方に凸になるように湾曲した形状で形成されている。またさらに、このサイドウォール部20のタイヤ外表面には、当該空気入りタイヤ1をリム(図示省略)に装着した際に、リムの外径部の近傍に位置する部分にタイヤ周方向に沿って形成され、タイヤ周方向の1周に渡って突出したリムチェックライン23が設けられている。
前記ベルト層15のタイヤ径方向内方、及び前記サイドウォール部20の赤道面60側には、カーカス50が連続して設けられている。このカーカス50はビード部40の赤道面60側にも形成されており、このビード部40の赤道面60側に形成されるカーカス50は前記サイドウォール部20の赤道面60側に形成されるカーカス50から連続して形成される。このカーカス50は、さらに、前記ビード41のタイヤ径方向内方を通り、当該ビード41のタイヤ幅方向外方でビード41のタイヤ径方向外方まで折り返される。このカーカス50が折り返されている部分とビード41とによる空間、即ち、サイドウォール部20の前記赤道面60側に位置するカーカス50と、折り返されてタイヤ幅方向外方側に位置するカーカス50と、ビード41とによる空間には、ビードフィラー42が形成されている。つまり、ビードフィラー42はビード41のタイヤ径方向外方側に形成されている。
また、前記ビード部40におけるビード41の赤道面60側の位置から、赤道面60の反対側に形成されるビード部40におけるビード41の赤道面60側の位置まで、前記カーカス50に沿ってインナーライナ55が形成されている。このインナーライナ55は、前記カーカス50に沿って、当該空気入りタイヤ1の内部側に形成されている。また、サイドウォール部20の前記カーカス50よりも外側の部分、つまり、カーカス50よりもタイヤ幅方向外方に位置している部分はサイドトレッド21として形成されている。
タイヤ外表面のうち、前記ベルト層15のタイヤ幅方向外方の端部であるベルト端部16の、タイヤ径方向における径と同一の径となる部分から前記リムチェックライン23までの間は、段差部形成範囲70として形成されている。つまり、タイヤ外表面のうち、前記ベルト端部16のタイヤ径方向における径と同一の径となる部分は段差部形成範囲外径部71として形成されており、リムチェックライン23は段差部形成範囲内径部72として形成されている。段差部形成範囲70は、この段差部形成範囲外径部71と段差部形成範囲内径部72の間の範囲となっている。このように形成される段差部形成範囲70には、複数の段差部30が形成されている。この段差部30は、タイヤ外表面から突出した凸部31によって形成されており、複数の設けられる凸部31は、2種類以上の形状で形成されている。また、この複数の凸部31は、タイヤ径方向における回転軸(図示省略)からの距離が2種類以上の位置になるように形成されている。
この凸部31の詳細な形状を説明すると、凸部31のタイヤ径方向における幅hは、段差部形成範囲70のタイヤ径方向における長さHの0.1倍以上0.5倍以下、つまり(H×0.1≦h≦H×0.5)の範囲に収まるように、それぞれの凸部31において一定の幅で形成されている。即ち、段差部形成範囲70のタイヤ径方向における長さHを100%とした場合に、凸部31のタイヤ径方向における幅hは10〜50%の範囲内となるように一定の幅で凸部31は形成されている。また、凸部31の高さtは、前記サイドウォール部20のうち対向するサイドウォール部20とタイヤ幅方向において最も離れている部分、つまり、当該空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における最大幅となる部分である最大幅部22の、前記サイドトレッド21の厚さTの0.5倍以上3倍以下で形成されている。即ち、凸部31の高さtは、サイドトレッド21の最大幅部22の厚さTに対して(T×0.5≦t≦T×3)の範囲に収まるように形成されており、換言すると、サイドトレッド21の最大幅部22の厚さTを100%とした場合に、凸部31の高さtは50〜300%と範囲内となるように形成されている。複数の凸部31は、これらの範囲に収まるように異なる形状で形成されており、少なくとも2種類以上の異なる形状で形成されている。
また、この複数の凸部31は、上記の範囲に収まるようにタイヤ外表面から突出した形状で、タイヤ周方向に沿って形成されている。このようにタイヤ周方向に沿って複数形成されている凸部31の、タイヤ径方向における回転軸からの距離は、前記段差部形成範囲70内に収まる距離、即ち、タイヤ径方向における前記ベルト端部16の径から前記リムチェックライン23の径までの間に収まる距離となっている。このように複数形成されている凸部31は、タイヤ径方向における回転軸からの距離がこの範囲に収まり、且つ、少なくとも2種類以上の異なる距離になるように形成されている。なお、この凸部31は、複数形成されている凸部31の形状と、タイヤ径方向における回転軸からの距離とのいずれか一方が2種類以上で形成されていてもよく、この形状と距離の双方が2種類以上で形成されていてもよい。
また、前記トレッド部10及び前記サイドウォール部20の前記段差部形成範囲70には、凸部31がタイヤ周方向に沿って形成されるため、凸部31が同一の形状及び位置で形成されている部分の子午面断面の形状は同一形状となっている。この子午面断面が同一の形状となっている部分の範囲は、凸部31のタイヤ周方向の長さをSとし、当該凸部31が形成されている位置での回転軸を中心とするタイヤ周方向の1周の長さをLとした場合に、Sは最大でLの0.75倍、つまり、S≦L×0.75となって形成されている。即ち、子午面断面の形状が同一形状となる断面形状のタイヤ周方向における占有率は、タイヤ周方向1周を100%とした場合に75%以下となっている。この同一形状の断面形状は、タイヤ周方向において連続していても断続していてもよい。換言すると、子午面断面において段差部形成範囲70の断面形状が同一形状となっている部分は、この同一形状となっている部分を、前記回転軸を中心とした角度で見た場合に、合計で360°×0.75=270°以下となるように形成されている。
また、子午面断面の形状が同一形状となる断面形状でタイヤ周方向において連続して形成される長さは、最低限タイヤ周方向1周の長さの3%となっている。つまり、上記のように凸部31のタイヤ周方向の長さをSとし、当該凸部31が形成されている位置での回転軸を中心とするタイヤ周方向の1周の長さをLとした場合に、同一の子午面断面の形状で連続して形成される範囲はS≧L×0.03となっている。換言すると、子午面断面において段差部形成範囲70の断面形状が同一形状となっている部分は、この同一形状となっている部分を、前記回転軸を中心とした角度で見た場合に、連続して360°×0.03=10.8°以上となるように形成されている。
図3は、凸部がタイヤ径方向において重なっている状態を示す図である。なお、前記凸部31はタイヤ周方向における同じ位置に複数形成されていてもよい。例えば、図3に示すように凸部31はタイヤ径方向において重ねて形成し、タイヤ周方向における同じ位置に複数の凸部31が位置するように形成してもよい。このように凸部31を重ねて形成した場合には、子午面断面の形状が同一形状となる部分とは、タイヤ径方向において凸部31同士が重なっている部分や、凸部31同士の重なりが無くなった部分など、タイヤ径方向における状態が同一の状態の範囲が子午面断面の形状が同一形状となる部分になる。凸部31がこのようにタイヤ径方向に重ねて形成される場合も上記と同様に、子午面断面の形状が同一形状となる断面形状のタイヤ周方向における占有率は、タイヤ周方向1周の75%となっており、また、子午面断面の形状が同一形状となる断面形状でタイヤ周方向において連続して形成される長さは、最低限タイヤ周方向1周の長さの3%となっている。
図4は、段差部が凹部により形成されている図である。また上記の説明では、段差部30は凸部31により形成されているが、段差部30はタイヤ外表面から凹んだ凹部35により形成してもよい。この凹部35の詳細な形状を説明すると、凹部35のタイヤ径方向における幅hは、前記凸部31のタイヤ径方向における幅hと同様に、段差部形成範囲70のタイヤ径方向における長さHの0.1倍以上0.5倍以下、つまり(H×0.1≦h≦H×0.5)の範囲に収まるように形成されている。また、凹部35の深さdは、1mm以上で、且つ、前記サイドトレッド21の最大幅部22の厚さTの0.5倍以下となるように形成されている。つまり、凹部35の深さdは、サイドトレッド21の最大幅部22の厚さをTとした場合に(1mm≦d≦T×0.5)の範囲に収まるように形成されている。この凹部35も前記凸部31と同様に、複数の凹部35がこれらの範囲に収まるように異なる形状で形成されており、少なくとも2種類以上の異なる形状で形成されている。
本発明に係る空気入りタイヤ1は以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。上記の空気入りタイヤ1を装着した車両(図示省略)を走行させると、空気入りタイヤ1はトレッド部10を路面(図示省略)に接触させながら回転軸を回転の中心として回転する。その際に、当該空気入りタイヤ1は、路面の凹凸などによって振動をする。この振動は、トレッド部10やサイドウォール部20などを振幅させることにより発生する。また、この振動は、路面状況や走行状態により、複数の異なる周波数帯の振動が発生する。このように、当該空気入りタイヤ1には複数の周波数帯の振動が発生するため、複数の振動モードで振動は発生し、振動の腹や節も振動モードによって位置が異なっている。
一方、当該空気入りタイヤ1には、上述したように段差部30が複数形成されている。上記のように車両走行中の空気入りタイヤ1に振動が発生し、段差部30付近に振動の腹が位置した場合には、その振動は段差部30の部分で振動が分散され、振動モードは高次または低次に移行するため、振動は低減する。このため、この振動モードで振動する周波数帯の振動が当該空気入りタイヤ1において発生した場合でも、振動が分散して低減されるため、ロードノイズは低減される。
また、前記複数の段差部30は、少なくとも2種類以上の異なる形状で形成され、また、タイヤ径方向における回転軸からの距離が少なくとも2種類以上の異なる距離になるように形成されている。このため、走行状態に応じて空気入りタイヤ1に複数の周波数帯で振動が発生し、振動モードがそれぞれ異なり振動モードの腹の位置が異なっている場合でも、段差部30は複数の異なる形状で形成され、複数の異なる位置に形成されているので、複数の振動モードの腹の位置は、いずれかの段差部30の近傍に位置することになる。これにより、複数の周波数帯の振動は、それぞれ振動モードの腹の位置に形成されている段差部30によって振動が低減されるため、それぞれの振動は低減される。
以上の空気入りタイヤ1は、タイヤ外表面の段差部形成範囲70に複数の段差部30を設けている。また、この複数の段差部30は少なくとも2種類以上の異なる形状で形成され、また、タイヤ径方向における回転軸からの距離が少なくとも2種類以上の異なる距離になるように形成されている。これにより、複数の周波数帯の振動を分散させることができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、複数の段差部30を設けることにより複数の異なる形状となる子午面断面の形状のうち、同一形状となる断面形状のタイヤ周方向における占有率を、タイヤ周方向1周を100%とした場合の75%以下としている。この断面形状が同一形状となっている部分は、同一の周波数帯の振動しか低減することができないが、断面形状が同一形状となる割合を全体の75%以下にし、それ以外の部分を異なる断面形状になるように段差部30を形成することにより、異なる周波数帯の振動を低減することができる。この結果、より幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、複数の段差部30を設けることにより、子午面断面の形状が同一断面形状でタイヤ周方向において連続して形成される長さは、最低限タイヤ周方向1周の長さの3%となるように形成されている。この同一断面形状がタイヤ周方向に連続する長さが短過ぎる場合には、その断面形状が振動を低減することのできる形状であっても、その形状で形成されている範囲が小さ過ぎるため、実際に振動を低減するのが困難になる。このため、子午面断面の形状が同一断面形状でタイヤ周方向において連続して形成される長さを上記の長さにすることにより、有効的に振動を低減することができる。この結果、より確実に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、段差部30のタイヤ径方向における幅を、段差部形成範囲70のタイヤ径方向における長さ、つまり、ベルト端部16からリムチェックライン23までのタイヤ径方向における長さの10〜50%になるように形成している。この段差部30で振動を分散する場合には、段差部30の幅が狭すぎる場合には振動を有効的に分散できない虞があり、段差部30の幅が広過ぎる場合には段差部30内に振動の腹が位置して段差部30も振動により振幅してしまい、振動を有効的に分散できない虞がある。そこで、段差部30のタイヤ幅方向における幅を上記の範囲内で形成することにより、より確実に振動を分散することができる。この結果、より確実に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、段差部30を凸部31により形成した場合には、トレッド部10やサイドウォール部20の強度を低下させることなく容易に段差部30を設けることができる。また、このように段差部30を凸部31で形成した場合に、凸部31の高さを前記サイドトレッド21の最大幅部22の厚さの0.5倍以上3倍以下になるように形成している。この凸部31の高さが低過ぎる場合には振動を有効的に分散できない虞があり、凸部31の高さが高過ぎる場合には凸部31が大きくなり過ぎ、重量が重くなり過ぎる場合があるのでユニフォーミティが悪化する虞がある。そこで、凸部31の高さを上記の範囲内で形成することにより、より確実に振動を分散することができる。この結果、トレッド部10やサイドウォール部20の強度の低下を抑制、及び空気入りタイヤ1のユニフォーミティが悪化を抑制しつつ、有効的に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、段差部30を凹部35により形成した場合には、空気入りタイヤ1の重量を増加させることなく段差部30を設けることができる。また、このように段差部30を凹部35で形成した場合に、凹部35の深さを1mm以上で、且つ、前記サイドトレッド21の最大幅部22の厚さの0.5倍以下になるように形成している。この凹部35の深さが浅過ぎる場合には振動を有効的に分散できない虞があり、凹部35の深さが深過ぎる場合には、凹部35がサイドウォール部20に設けられている場合に当該凹部35が設けられている部分のサイドトレッド21の厚さが薄くなり過ぎ、サイドウォール部20の強度が低減してしまう虞がある。そこで、凹部35の深さを上記の範囲内で形成することにより、サイドウォール部20の強度を低下させることなく、振動を分散することができる。この結果、空気入りタイヤ1の重量の増加を抑制、及びサイドウォール部の強度の低下を抑制しつつ、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
次に、このように形成される空気入りタイヤ1の設計方法及び製造方法の手順について説明する。図5は、図1の空気入りタイヤの設計方法を示すフロー図である。上記のように形成される空気入りタイヤ1を製造する際には、空気入りタイヤ1の振動特性が任意の特性になるように、前記段差部30を段差部形成範囲70に配置する。この段差部30を配置する位置は、以下に示す空気入りタイヤ1の設計方法によって決定される。振動特性を上記の任意の特性にする場合の空気入りタイヤ1の設計方法では、まず、初期振動特性測定手順により、段差部形成範囲70に段差部30が設けられていない空気入りタイヤである測定用空気入りタイヤ(図示省略)の振動の周波数帯やロードノイズなどの振動特性を測定する(ステップS1)。次に、測定用段差部形成手順で、それぞれ異なる形態の測定用段差部(図示省略)を、当該測定用段差部の振動特性を測定する測定用の空気入りタイヤである段差部測定用空気入りタイヤ(図示省略)の段差部形成範囲70に均一に形成する(ステップS2)。この測定用段差部形成手順では、複数の測定用段差部の形状を変えて段差部測定用空気入りタイヤに形成したり、段差部測定用空気入りタイヤに形成する位置を変えたりして、それぞれ異なる形態の測定用段差部が形成された段差部測定用空気入りタイヤを複数形成する。
次に、測定用段差部振動特性測定手順で、前記測定用段差部を形成した前記段差部測定用空気入りタイヤの振動特性を測定する(ステップS3)。この測定用段差部振動特性測定手順では、測定用段差部形成手順で、それぞれ異なる形態の測定用段差部が形成された複数の段差部測定用空気入りタイヤの振動特性を、各段差部測定用空気入りタイヤごとに測定する。次に、段差部選択手順で、前記初期振動特性測定手順で測定した振動特性の結果と、前記振動特性測定手順で測定した振動特性の結果とに基づき、特定周波数の振動が強くならないように、空気入りタイヤ1の段差部形成範囲70に設ける段差部30を選択する(ステップS4)。この段差部選択手順では、このように初期振動特性測定手順での測定結果と、振動特性測定手順での測定結果とに基づいて特定周波数の振動が強くならないように段差部30を選択し、さらに、選択した段差部30を組合せて幅広い周波数帯の振動を分散できるように、空気入りタイヤ1に設ける段差部30を組合せる。
次に、段差部配置位置決定手順で、前記段差部選択手順で選択し組合せた複数の段差部30を、空気入りタイヤ1の段差部形成範囲70にタイヤ周方向に沿って、上述した占有率になるように配置する位置を決定する(ステップS5)。段差部選択手順で選択し、組合わされた段差部30は幅広い周波数帯の振動を分散できるような段差部30となっており、さらに、この段差部30を空気入りタイヤ1の段差部形成範囲70に、上述した占有率になるように位置させることにより、より確実に幅広い周波数帯の振動を分散することのできる空気入りタイヤ1を設計することができる。
上述した空気入りタイヤ1の設計方法によって設計した、任意の振動特性を有する空気入りタイヤ1を実際に製造するには、以下に示すように製造する。まず、上述した空気入りタイヤ1の設計方法による設計に基づいて、空気入りタイヤ1の成型用の金型(図示省略)を製造する。この金型は、空気入りタイヤ1に対して、前記空気入りタイヤ1の設計方法によって定められた位置に段差部30を位置させることができるように形成されている。このように製造した金型によって空気入りタイヤ1を成型し、さらに加硫することにより、当該空気入りタイヤ1には段差部30が上述したように形成される。即ち、空気入りタイヤ1の段差部形成範囲70に、タイヤ周方向に沿って上述した占有率で段差部30が形成される。このように、この空気入りタイヤ1の製造方法によって空気入りタイヤ1を製造することにより、幅広い周波数帯の振動を分散することのできる空気入りタイヤ1を製造することができる。
以上の空気入りタイヤ1の設計方法では、段差部30が設けられていない測定用空気入りタイヤの振動特性を測定し、さらに、測定用段差部を形成した段差部測定用空気入りタイヤの振動特性を測定することにより、段差部30の形態ごとの振動特性への影響を確実に認識することができる。また、段差部30の形態ごとに認識された振動特性への影響に基づいて、段差部30の形態を選択し、選択した段差部30を組合せて空気入りタイヤ1の段差部形成範囲70に設ける位置を定めることにより、より確実に所望の振動特性を有する空気入りタイヤ1を製造することができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤ1を得ることができる。また、上記の空気入りタイヤ1の製造方法で、前記空気入りタイヤ1の設計方法に基づいて金型を製造して空気入りタイヤ1を製造することにより、確実に幅広い周波数帯のロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤ1を得ることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤ1と本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、ロードノイズに対する評価点について行なった。
試験方法は、215/60R16 95Hサイズの空気入りタイヤ1を16×6−1/2JJのリムに組み付け、空気圧を200kPa(無負荷時)に設定する。この空気入りタイヤ1を車両に装着して試験を行い、本性能試験におけるロードノイズに対する評価点は、実際にテストコースを走行した際の運転手のロードノイズに対するフィーリングによって評価した。この評価結果を、後述する従来例の空気入りタイヤ1のロードノイズに対するフィーリングを100とした指数で示した。指数が大きい程ロードノイズが低減されており、ロードノイズに対するフィーリングが優れている。
試験をする空気入りタイヤ1は、本発明が5種類、本発明と比較する比較例として4種類、そして、1種類の従来例を、上記の方法で試験する。従来例は、段差部30が形成されておらず、子午面断面の断面形状はタイヤ周方向において変化が無い。これに対し、比較例1〜4及び本発明1〜5は、段差部形成範囲70に段差部30が形成されており、このため、子午面断面の断面形状がタイヤ周方向において変化している。また、比較例1〜4及び本発明1〜5は、全て段差部30が凸部31で形成されており、前記ベルト端部16から前記リムチェックライン23までの間のタイヤ径方向の長さHに対する段差部30のタイヤ径方向の幅Aの比率、段差部形成範囲70の同一断面形状の最大占有率、及び段差部形成範囲70の同一断面形状の最大連続占有率が、それぞれ異なっている。これらの従来例1、比較例1〜4及び本発明1〜5の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1に示す。
Figure 2006117080
表1に示した上記の試験結果で明らかなように、空気入りタイヤ1に段差部30を設けても、段差部形成範囲70の同一断面形状の最大占有率が75%を超える場合には、その断面形状を形成する段差部30によって振動が分散される周波数帯の振動を分散することができるが、それ以外の周波数帯の振動を分散することが困難になる。このため、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することが困難になるため、ロードノイズに対するフィーリングを向上させることができない(比較例1)。
また、段差部形成範囲の同一断面形状の最小連続占有率が3%未満の場合には、有効的に振動を分散することができないため、ロードノイズに対するフィーリングを向上させることができない(比較例2)。また、ベルト端部からリムチェックラインまでの間のタイヤ径方向の長さHに対する段差部のタイヤ径方向の幅Aの比率が10%未満、または50%よりも大きい場合には、段差部で振動を分散させるのが困難になるため、ロードノイズに対するフィーリングを向上させることができない(比較例3、4)。
これらの比較例1〜4に対し本発明1〜5では、段差部30を段差部形成範囲70に形成し、また、段差部形成範囲70の子午面断面の形状が同一形状となる断面形状の、タイヤ周方向における最大占有率がタイヤ周方向1周の75%以下となるように形成し、さらに、段差部形成範囲70の子午面断面の形状が同一形状となる断面形状でタイヤ周方向における最小連続占有率がタイヤ周方向1周の3%以上となるように形成する。さらに、ベルト端部16からリムチェックライン23までの間のタイヤ径方向の長さHに対する段差部30のタイヤ径方向の幅Aの比率が10%以上50%以下の範囲内に入るように形成する。これにより、より確実に複数の周波数帯の振動を分散させることができる。この結果、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
なお、上記の段差部30は、1つの段差部形成範囲70において凸部31と凹部35とのいずれか一方により形成されているが、凸部31と凹部35とは、1つの段差部形成範囲70において混在していてもよい。また、複数の段差部30は、それぞれ一定の幅で形成されているが、この幅は1つの段差部30内で変化していてもよい。例えば、段差部30は、タイヤ径方向における幅が1つの段差部30内で変化し、形状が円形や楕円、菱形、涙形などの形状で形成されていてもよい。段差部30の形状がこれらの形状で形成されていても、形状が2種類以上で形成されていたり、タイヤ径方向における回転軸からの距離が2種類以上で配置されていたりすれば、複数の周波数帯の振動を分散できるので、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
また、段差部30の形状や位置は、タイヤ幅方向におけるトレッド部10の両端部や、タイヤ幅方向において対向して形成されている2つのサイドウォール部20に形成されている段差部30は、互いに対称となる形状で形成されていても、異なった形状で形成されていても構わない。段差部30が対称であるか否かに関わらず、段差部30を上述した形態で形成することにより、複数の周波数帯の振動を分散できるので、幅広い周波数帯のロードノイズを低減することができる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、車両に装着し、車両走行時に回転しながらトレッド部が路面に接触する空気入りタイヤに有用であり、特に、車両走行時のロードノイズを低減させる場合に適している。
本発明に係る空気入りタイヤをサイドウォール部の方向から見た状態を示す図である。 図1のA−A断面図である。 凸部がタイヤ径方向において重なっている状態を示す図である。 段差部が凹部により形成されている図である。 図1の空気入りタイヤの製造方法を示すフロー図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
10 トレッド部
15 ベルト層
16 ベルト端部
20 サイドウォール部
21 サイドトレッド
22 最大幅部
23 リムチェックライン
30 段差部
31 凸部
35 凹部
40 ビード部
41 ビード
42 ビードフィラー
50 カーカス
55 インナーライナ
60 赤道面
70 段差部形成範囲
71 段差部形成範囲外径部
72 段差部形成範囲内径部

Claims (8)

  1. ベルト層を含むトレッド部のタイヤ幅方向の両端部から対向し、リムチェックラインが形成されているサイドウォール部がタイヤ径方向内方に向けて形成されている空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ外表面には複数の段差部が形成されており、
    前記複数の段差部は、タイヤ径方向における回転軸から前記段差部までの距離が2種類以上、或いは前記段差部の形状が2種類以上の形状の少なくともいずれか一方であり、
    前記タイヤ外表面のうち、前記ベルト層のタイヤ幅方向外方の端部のタイヤ径方向における径と同一の径となる部分から前記リムチェックラインまでの間は段差部形成範囲として形成され、
    前記複数の段差部は、前記段差部形成範囲に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記段差部形成範囲は、子午面断面の形状が同一形状となっている部分がタイヤ周方向の1周の長さの0.75倍以下で連続して或いは断続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記段差部形成範囲は、子午面断面の形状が同一形状となっている部分がタイヤ周方向の1周の長さの0.03倍以上の長さでタイヤ周方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記段差部は、タイヤ径方向における幅が前記段差部形成範囲のタイヤ径方向における長さの0.1倍以上0.5倍以下で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記段差部は、前記タイヤ外表面から突出した凸部により形成されており、
    前記凸部の高さは、前記サイドウォール部のうち対向する前記サイドウォール部とタイヤ幅方向において最も離れている部分である最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以上3倍以下で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記段差部は、前記タイヤ外表面から凹んだ凹部により形成されており、
    前記凹部の深さは、1mm以上で、且つ、前記サイドウォール部のうち対向する前記サイドウォール部とタイヤ幅方向において最も離れている部分である最大幅部のサイドトレッドの厚さの0.5倍以下で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ外表面のうち、ベルト層のタイヤ幅方向外方の端部のタイヤ径方向における径と同一の径となる部分からサイドウォール部に形成されたリムチェックラインまでの間の範囲である段差部形成範囲に段差部が設けられていない測定用空気入りタイヤの振動特性を測定する初期振動特性測定手順と、
    タイヤ径方向における回転軸からの距離が2種類以上、或いは形状が2種類以上の少なくともいずれか一方で形成される測定用段差部を段差部測定用空気入りタイヤの前記段差部形成範囲に均一に形成する測定用段差部形成手順と、
    前記測定用段差部を形成した前記段差部測定用空気入りタイヤの振動特性を測定する測定用段差部振動特性測定手順と、
    前記初期振動特性測定手順で測定した結果と前記振動特性測定手順で測定した結果とに基づき、前記初期振動特性測定手順で測定した結果よりも特定周波数帯の振動が強くならない複数の段差部を組合せる段差部選択手順と、
    前記段差部選択手順で組合せた前記複数の段差部を空気入りタイヤの前記段差部形成範囲にタイヤ周方向に沿って配置する位置を決定する段差部配置位置決定手順と、
    を含むことを特徴とする空気入りタイヤの設計方法。
  8. 請求項7に記載の空気入りタイヤの設計方法に基づいて形成した金型によって成型し、加硫することによって請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを製造することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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