JP4034448B2 - 開平蓋 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、人が出入りする出入口或いは各種の原料、製品、廃棄物等を投入する投入口に設けられ、開閉が容易にできる開閉蓋に関する。
【0002】
【従来技術】
開閉蓋が設置される箇所の一例に雪国における排雪施設として道路下に配設された流雪溝への投雪口がある。すなわち雪国では除雪車により除雪されて道路脇に堆積する雪、屋根から降ろされて軒下に堆積する雪、その他道路等上の積雪を除排雪するための施設として道路下に暗渠状の流雪溝が設けてあり、流雪溝には道路脇に道路に沿い適宜の間隔を存して開閉蓋を備えた投雪口が設けられている。そして除排雪時には開閉蓋を開けて周囲より掻き集めた雪を投雪口より投入し、河川より導入した河川水や家庭から排出される温排水を利用して流している。
【0003】
こうした流雪溝は通常、主要道路下に設置されているが、主要道路には重量のある大型車両も通行するため蓋にはかなりな剛性が必要とされ、そのため蓋の重量が大となって開閉が困難となっている。特開平8−68101号には、蓋の開閉を容易にするために蓋の開閉に連動して昇降するバランスウェイト付アームを設けたものが開示され、また特許第2613184号には、投雪口の一側にハッチ軸とバランスウェイト軸を上下に配置し、ハッチ軸に蓋を、バランスウェイト軸にバランスウェイトを取付けたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
バランスウェイトを備えた蓋は、大きな力を要さず、軽快に開閉できる利点がある。とくに特許第2613184号に開示されるものは、蓋を開いたときバランスウェイトが垂下することにより蓋の開放状態が安定すると共に、バランスウェイトが投雪の妨げとなることがなく、また蓋を閉じたときには蓋とバランスウェイトがほゞ並行するように近接して嵩張らず、組立状態のスペースが狭くできて搬送及び保管コストが低減する利点がある。
【0005】
本発明は、上述の開閉蓋に改良を加えたもので、第1の目的は蓋を開けたとき、バランスウェイトがより一層原料や廃棄物等を投入するときの邪魔にならないようにするものであり、第2の目的は蓋を閉じたときより一層嵩張らないようにするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
請求項1記載の発明は、第1の目的を達成するための発明で、投入口一側の枢軸に軸支されて開閉可能であり、各種の原料や廃棄物等を投入する投入口に設けられる開閉蓋において、上記枢軸と横方向に適宜の間隔を存して配置されるバランスウェイト軸にバランスウェイトを軸着し、枢軸とバランスウェイト軸を伝動機構により同方向に回転するように連結させて蓋を開けたときバランスウェイトが下向きになるようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明によると、蓋を開けた状態で原料や廃棄物等を投入口に蓋に向かって投入するとき、バランスウェイトは手前側で下向きに垂下するため原料や廃棄物等の投入の妨げとなることがない。本発明の伝動機構としては、歯車伝動機構、チェーン伝動機構、ベルト伝動機構等が挙げられる。
【0008】
請求項2記載の発明は、第2の目的を達成するための発明で、出入口一側の枢軸に軸支されて開閉可能であり、人が出入りする出入口、或いは各種の原料や廃棄物等を投入する投入口に設けられる開閉蓋において、バランスウェイトを軸支するバランスウェイト軸を上記枢軸の横方向に適宜の間隔を存して配置し、枢軸とバランスウェイト軸を伝動機構により連結し、蓋を閉じたときバランスウェイトが蓋と並行ないしほゞ並行するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、蓋を閉じたとき、バランスウェイトが蓋に折り重なって並行ないしほゞ並行するが、枢軸とバランスウェイト軸を横方向に並設することにより、縦方向に並設するより嵩張りを少なくすることができる。本発明においてもバランスウェイトは、蓋に格子状の溝蓋を使用する場合、バランスウェイトを投入口を塞ぐプレート状のものとすると、蓋の機能を果たすことができる。
【0010】
また伝動機構としては前述したものと同様のものが用いられる。
請求項3記載の発明は、第1及び第2の目的を達成する発明で、人が出入りし、或いは原料や廃棄物等を投入する投入口を構成する枠と、枠の一側に開閉可能に軸支される蓋と、枠の外側に軸支され、蓋の開閉と連動して回動するバランスウェイトよりなり、蓋を軸支する枢軸の横方向にバランスウェイトを軸支するバランスウェイト軸を設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明によると、バランスウェイトは枠外側に軸支されるためバランスウェイトが人の出入りや原料や廃棄物等を枠内に投入するときの妨げとなることはない。
本発明において、蓋を軸支する枢軸やバランスウェイトを軸支するバランスウェイト軸は、枠に横架して枠内に配置されていてもよいが、枠の一辺又は対向辺に軸支し、枠内に横架されないようにするのが望ましい。これにより枢軸やバランスウェイト軸も人の出入り或いは原料や廃棄物等の投入の妨げとなることがない。
【0012】
本発明の枢軸とバランスウェイト軸は上述の伝動機構により連結され連動するが、バランスウェイトは蓋を開いたとき蓋と同じ側に垂下するようにしてもよいし、蓋と離れた側で蓋と対向して垂下するようにしてもよい。
【0013】
請求項4記載の発明は、第1及び第2の目的を達成するための別の発明で、請求項1記載の発明において、蓋を閉じたときバランスウェイトが蓋と並行ないしほゞ並行するようにしたことを特徴とする。
本発明によると、原料や廃棄物等を開けた蓋に向かって投げ入れるとき、バランスウェイトが投入口の妨げとなるこがなく、またバランスウェイトを蓋と折り重ねたとき両軸を縦設するのと比べ、嵩張りが少なくなる。
【0014】
本発明のバランスウェイトは、蓋に格子状をなす、いわゆるグレーチングと称される溝蓋を用いた場合、バランスウェイトを投入口を塞ぐプレート状のものとすると、バランスウェイトが蓋の機能を果たし、土砂やごみが投入口に落下するのを防ぐことができるうえ、臭気や熱伝達の遮断機能を果たすことができる。この場合、プレート状のバランスウェイトには、開口部を形成すると共に、開口部を塞ぐ薄板を着脱可能に取付けるのが望ましい。夏には取外すことにより開口部から排水できるようになり、また冬には取付けて開口部を塞ぐことにより断気効果を持たせ、臭気や熱伝達の遮断効果を奏するようになる。
【0015】
したがって請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、蓋を格子状の溝蓋となすと共に、バランスウェイトを投入口を塞ぐことのできるプレート状のものとして開口部を形成し、かつバランスウェイトに開口部を塞ぐ薄板を着脱可能に取付けたことを特徴とする。薄板は、蓋を閉じるとき、バランスウェイトとの間の隙間よりバランスウェイト上に挿入して取付けることもできるが、蓋を開くとき落下し、また支えて開くときの障害となる。この問題を解消するために、バランスウェイトに薄板の係止手段を設けて取付けた薄板が、動かないようにするのが望ましい。
【0016】
したがって請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、バランスウェイトに薄板を係止手段によって係止させたことを特徴とする。本発明の係止手段としては、例えばバランスウェイト上に取付けた薄板の両端をバランスウェイトと共に挟み込んで止着するクリップ、バランスウエィトに薄板を吸着する磁石、バランスウェイトに形成される薄板の挿入溝、バランスウェイトに突設され、薄板が挿入されるガイドレール等が挙げられる。
【0017】
なお、上記各発明の蓋は格子状の溝蓋のほか、投入口を塞ぐプレートであってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、投雪口に設けられる開閉蓋を示すもので、投入口1を構成し、道路脇に設置される受枠2と、受枠2の対向辺の一側に枢軸3にて開閉可能に軸支される格子状の溝蓋4と、対向辺の他側にバランスウェイト軸5にて開閉可能に軸支され、自由端側にプレートを重ねた構造をなすバランスウェイト6と、枢軸3とバランスウェイト軸5とを両軸3及び5が同方向に回転するように連結するチェーン伝動機構Aとからなり、溝蓋4を開けると、バランスウェイト6が下向きに旋回して溝蓋4と対向して垂下し(図2)、溝蓋4を閉じると、バランスウェイト6が溝蓋4に折り重なって並行し水平となる。
【0019】
本実施形態によると、溝蓋4を開けた状態で投入口1に溝蓋4に向かって投雪するとき、バランスウェイト6は手前側にあるため雪の落下の妨げになることはない。溝蓋4を閉めるときには、バランスウェイト6は溝蓋4と並行に折り重ねられ、嵩張ることがないうえ、流雪溝の保温機能を果たし、流雪溝に投下される雪の融雪を促進する。
【0020】
図4は、プレート状のバランスウェイト7に一定間隔で三列の開口部8を形成すると共に、裏側に係止手段としてのガイドレール9を三列突設してなるもので、各ガイドレール9に例えばアルミニウム製やプラスチック製の軽量な薄板10を挿入して開口部8を塞ぐことができるようにしてある。薄板10はガイドレール9に圧入して摩擦保持させれば、蓋を開いてバランスウェイト7を下げたとき滑り落ちることはないが、圧入は薄板の出し入れを困難にする。逆に出し入れを容易にすると、蓋を開いたとき滑り落ち易くなる。この問題を解消するには、枢軸と反対側のガイドレール自由端に滑り止めを設け、図2に示すようにバランスウェイト7を下げた状態で上方より薄板を出し入れするとよい。なお、ガイドレール9は図4に示す向きと直交して配置してもよい。この場合、開閉時に薄板が脱落するおそれはない。
【0021】
図5及び図6に示す開閉蓋は、図1ないし図3に示すものと同じ構造の受枠11に格子状の溝蓋12を同様にして開閉可能に軸着すると共に、受枠11の一辺外側にプレート状のバランスウェイト13を縦向きにして軸着し、溝蓋12を軸支する枢軸14と、バランスウェイト13を軸支するバランスウェイト軸15とをスプロケット16A、16Bと、スプロケット16A、16Bに固着のチェーン17とよりなるチェーン伝動機構Bにより互いに逆向きに回動するように連結してなるもので、別の例では、枢軸14とバランスウェイト軸15は歯車伝動機構により連結される。
【0022】
本実施形態によると、投入口にはバランスウェイトがないため投雪時、雪の落下の妨げとなることがない。溝蓋を閉めたときにはバランスウェイト13が持上げられるため嵩張りを少なくすることができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、持ち上げた蓋が邪魔となって原料や廃棄物等は通常、持ち上げた蓋に向かって投入されるようになるが、この際、バランスウェイトは投入方向の手前で下向きをなすため原料や廃棄物等の落下の妨げとなることがない。
【0024】
請求項2記載の発明によると、蓋を閉めたときバランスウェイトが並行に折り重なって嵩張りがより少なくなり、搬送及び保管コストが低減される。
請求項3記載の発明によると、バランスウェイトは投入口内にないため人が出入りしたり、原料や廃棄物等を投入するときの妨げとなることがなく、蓋を閉めたときの嵩張りを少なくすることができる。
【0025】
請求項4記載の発明によると、上述する請求項1及び2記載の効果を併せて奏することができる。
請求項5記載の発明によると、薄板を取付けることによりバランスウェイトで投入口を塞いだときの断気機能を果たし、臭気や熱伝達を遮断することができる一方、薄板を取り外したときには、格子状の溝蓋を通して流入する雨水等を開口部から排水することが可能となる。
【0026】
請求項6記載の発明によると、蓋を開いてバランスウェイトを下向きに向けたとき、薄板がバランスウェイトより脱落するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる開閉蓋の平面図。
【図2】溝蓋を開けたときの状態を示す図。
【図3】溝蓋を閉めたときの状態を示す図。
【図4】バランスウェイトの一態様を示す斜視図。
【図5】本発明に係わる開閉蓋の別の態様を示す図。
【図6】同側面図。
【符号の説明】
1・・投入口
2、11・・受枠
3、14・・枢軸
4、12・・溝蓋
5、15・・バランスウェイト軸
6、7、13・・バランスウェイト
8・・開口部
9・・ガイドレール
10・・薄板
A、B・・チェーン伝動機構
Claims (6)
- 投入口一側の枢軸に軸支されて開閉可能であり、各種の原料や廃棄物等を投入する投入口に設けられる開閉蓋において、上記枢軸と横方向に適宜の間隔を存して配置されるバランスウェイト軸にバランスウェイトを軸着し、枢軸とバランスウェイト軸を伝動機構により同方向に回転するように連結させて蓋を開けたときバランスウェイトが下向きになるようにしたことを特徴とする開閉蓋。
- 出入口一側の枢軸に軸支されて開閉可能であり、人が出入りする出入口、或いは各種の原料や廃棄物等を投入する投入口に設けられる開閉蓋において、バランスウェイトを軸支するバランスウェイト軸を上記枢軸の横方向に適宜の間隔を存して配置し、枢軸とバランスウェイト軸を伝動機構により連結し、蓋を閉じたときバランスウェイトが蓋と並行ないしほゞ並行するようにしたことを特徴とする開閉蓋。
- 人が出入りし、或いは原料や廃棄物等を投入する投入口を構成する枠と、枠の一側に開閉可能に軸支される蓋と、枠の外側に軸支され、蓋の開閉と連動して回動するバランスウェイトよりなり、蓋を軸支する枢軸の横方向にバランスウェイトを軸支するバランスウェイト軸を設けたことを特徴とする開閉蓋。
- 蓋を閉じたときバランスウェイトが蓋と並行ないしほゞ並行するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉蓋。
- 蓋を格子状の溝蓋となすと共に、バランスウェイトを投入口を塞ぐことのできるプレート状のものとして開口部を形成し、かつバランスウェイトに開口部を塞ぐ薄板を着脱可能に取付けたことを特徴とする請求項4記載の開閉蓋。
- バランスウェイトに薄板を係止手段によって係止させたことを特徴とする請求項5記載の開閉蓋。
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1998
- 1998-11-17 JP JP32642898A patent/JP4034448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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